JP2004291368A - 光定着器及びカラー感熱プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】定着速度及び白色度の優れた光定着を行う光定着器及び高速化と高画質化を両立することのできるカラー感熱プリンタを提供する。
【解決手段】マゼンタ用定着器10は、発光ピークが380nmである定着ランプ10aと、発光ピークが365nmである漂白ランプ10bとを備えている。380nmと365nmの定着光を同時に照射してマゼンタ感熱発色層5の定着を行った場合、380nmの定着光によってジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができるとともに、365nmの定着光によって中間生成物の漂白をも効率良く行うことができる。これにより、定着速度及び白色度の両方に優れたマゼンタ感熱発色層の定着を行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】マゼンタ用定着器10は、発光ピークが380nmである定着ランプ10aと、発光ピークが365nmである漂白ランプ10bとを備えている。380nmと365nmの定着光を同時に照射してマゼンタ感熱発色層5の定着を行った場合、380nmの定着光によってジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができるとともに、365nmの定着光によって中間生成物の漂白をも効率良く行うことができる。これにより、定着速度及び白色度の両方に優れたマゼンタ感熱発色層の定着を行うことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光定着性を有する感熱記録紙に定着光を照射して定着させる光定着器及びカラー感熱プリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に、シアン、マゼンタ、イエローの感熱発色層が順に積層され、下層の感熱発色層ほど熱感度が低く、またイエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層とに対しては、それぞれ特有な波長域の紫外線による定着性が付与されたカラー感熱記録紙がある。このカラー感熱記録紙を使用するカラー感熱プリンタでは、カラー感熱記録紙を例えば往復搬送する間に、サーマルヘッドを圧接させて各感熱発色層に熱記録を行う。各感熱発色層への熱記録後には、光定着器で紫外線を照射し、下層の感熱発色層への熱記録時に上層の感熱発色層が発色しないように定着している。
【0003】
このようなカラー感熱記録紙のイエロー感熱発色層及びマゼンタ感熱発色層には、特許文献1に示すように、特定の感光波長をもつジアゾニウム塩と、ジアゾニウム塩と熱反応して異なった色に発色するカプラーとが含有されており、熱記録が行われるとジアゾニウム塩とカプラーとが熱反応して発色し、ジアゾニウム塩の感光波長の紫外線が照射されると未記録部分のジアゾニウム塩が光分解されて発色能力が消失する。
【0004】
ジアゾニウム塩が光分解されるとわずかに色のついた中間生成物が発生する。未記録部分の白色度が低いと画像のコントラストの低下などが発生するため、この中間生成物を紫外線の照射により漂白する必要がある。このため、例えば特許文献2に示すカラー感熱プリンタでは、マゼンタ用光定着器と発光ピークが等しい漂白用光源を排紙路内に設けることにより、カラー感熱記録紙上に多量の紫外線を照射して未記録部分を漂白している。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−28585号公報
【特許文献2】
特開平5−104753号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光定着メカニズムを解析したところ、ジアゾニウム塩の光分解を効率良く行える紫外線の波長域と、前記光分解により生成される中間生成物の漂白を効率良く行える紫外線の波長域とが異なることが判明した。すなわち、特許文献2記載のカラー感熱プリンタのように、ジアゾニウム塩の光分解と中間生成物の漂白とを同一の波長域をもつ紫外線を照射して行うと定着効率が悪くなってしまい、プリンタの高速化と高画質化とを両立させることができないことが判った。また、特許文献2記載のカラー感熱プリンタのように、漂白用光源を排紙路内に設ける構成では、ジアゾニウム塩の光分解と中間生成物の漂白とが別々に行われるため、プリント時間がさらに長くなってしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたものであり、定着速度及び白色度の優れた光定着を行う光定着器及び高速化と高画質化を両立することのできるカラー感熱プリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光定着器は、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に感熱発色層に対して照射することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明のカラー感熱プリンタは、光定着器を、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に感熱発色層に対して照射するように構成したことを特徴とする。
【0010】
また、前記感熱発色層への熱記録が行われた後、前記第1定着光の照射により前記感熱発色層に含有されるジアゾニウム塩を分解し、前記第2定着光の照射により前記ジアゾニウム塩を分解することにより生じる中間生成物を漂白することが好ましい。また、前記感熱発色層はマゼンタ用感熱発色層であり、前記光定着器はマゼンタ用定着器であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図である。カラー感熱記録紙2は、支持体3の上に、シアン感熱発色層4,マゼンタ感熱発色層5,イエロー感熱発色層6,保護層7を順次層構成したものである。各感熱発色層4〜6は、熱記録される順番に表面から層構成されている。支持体3には、不透明なコート紙又はプラスチックフイルム等が用いられる。
【0012】
シアン感熱発色層4は、電子供与性染料前駆体が封入された熱応答性マイクロカプセルと電子受容性化合物とをゼラチン等からなるバインダ中に混合して塗布液を調製し、支持体3の上に塗布して乾燥させたものである。熱記録が行われるとマイクロカプセルが破壊され、電子受容性化合物が電子供与性染料前駆体と結合してシアンに発色する。
【0013】
マゼンタ感熱発色層5は、最大吸収波長が約380nmであるジアゾニウム塩化合物を封入した熱応答性マイクロカプセルと、カプラーとをゼラチンなどからなるバインダ中に混合して塗布液を調製し、シアン感熱発色層4の上に塗布して乾燥させたものである。熱記録が行われるとマイクロカプセルが破壊され、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとが結合してマゼンタに発色する。このマゼンタ感熱発色層5は、中心波長が約380nmの波長域を持つ近紫外線が照射されると効率良くジアゾニウム塩化合物が光分解される。
【0014】
イエロー感熱発色層6は、マゼンタ感熱発色層5とほぼ同様の構成であるが、最大吸収波長が約430nmであり、図2に示す吸光特性を持つジアゾニウム塩化合物と、これと反応してイエローに発色するカプラーとが用いられている。また、イエロー感熱発色層6は、中心波長が約420nmの波長域を持つ青紫光によって効率良くジアゾニウム塩化合物が光分解される。
【0015】
図2は、本発明のマゼンタ用定着器を示す概略図である。マゼンタ用定着器10は、発光ピークが380nmである定着ランプ10a、発光ピークが365nmである漂白ランプ10b、反射板10cとからなる。なお、定着ランプ及び漂白ランプとしては、設計に応じて熱陰極水銀ランプ、外面電極キセノンランプ、LEDなどの種々の光源を自由に用いることができる。マゼンタ感熱発色層5の熱記録が終了した後、紫外線を照射することにより光定着を行うが、マゼンタ感熱発色層5の定着工程は2段階から成り立っている。
【0016】
まず、未記録部分のジアゾニウム塩化合物を中間生成物に光分解する。ジアゾニウム塩化合物の最大吸収波長が約380nmであるため、定着ランプ10aからの発光ピークが380nmである近紫外線の照射により効率良くジアゾニウム塩化合物を中間生成物に光分解することができる。この中間生成物にはわずかに色がついているため、次の段階として、中間生成物にさらに紫外線を照射して中間生成物を漂白する必要がある。この中間生成物の漂白は、380nmよりも短い波長の紫外線を照射することによって効率良く行われるため、漂白ランプ10bからの発光ピークが365nmである紫外線を照射することによって中間生成物の漂白を行う。
【0017】
図3は、光源の波長によるマゼンタ感熱発色層の定着特性を示すグラフである。従来のように、380nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、365nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、本発明の380nmと365nmの定着光を同時に照射する定着光源によってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合について、それぞれ定着速度と残留濃度との関係が示されている。
【0018】
380nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、ジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができるため定着速度を上げることができるが、中間生成物の漂白が十分にできないため、定着速度を下げても残留濃度が高いままになってしまうという問題がある。また、365nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、中間生成物の漂白を効率良く行うことができるため定着速度が低い場合には低い残留濃度を達成できるが、ジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができないため定着速度を上げると残留濃度が極端に高くなってしまうという問題がある。このように、従来のように1種類の光源によるマゼンタ感熱発色層の定着では、定着速度及び白色度の両立ができなかった。
【0019】
一方、本発明の380nmと365nmの定着光を同時に照射する定着光源によってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、380nmの定着光によってジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができるとともに、365nmの定着光によって中間生成物の漂白をも効率良く行うことができるため、定着速度及び白色度の両方に優れたマゼンタ感熱発色層の定着を行うことができる。なお、本発明におけるカラー感熱プリンタでは定着速度が0.7mm/sとなるように設計しており、残留濃度は目標とする0.12をほぼ達成している。
【0020】
図4は、本発明によるカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。このカラー感熱プリンタ12には、長尺のカラー感熱記録紙2をロール状に巻いた記録紙ロール15が用いられる。記録紙ロール15は、外周に当接された給紙ローラ16によって回転され、カラー感熱記録紙2の送り出しと巻き戻しとが行なわれる。
【0021】
記録紙ロール15の送出し方向の下流側には、カラー感熱記録紙2を挟み込んで搬送する搬送ローラ対18が配置されている。この搬送ローラ対18は、搬送用モータに回転駆動されるキャプスタンローラ19と、このキャプスタンローラ19に圧接するピンチローラ20とからなり、カラー感熱記録紙2を図中右方の送出し方向と、図中左方の巻戻し方向とに往復搬送する。
【0022】
給紙ローラ16と搬送ローラ対18の送出し方向の下流側には、サーマルヘッド23とプラテンローラ24とが、カラー感熱記録紙2の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド23は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材質で形成されたヘッド基板25と、このヘッド基板25に設けられた発熱素子アレイ26とからなる。発熱素子アレイ26は、多数の発熱素子がカラー感熱記録紙2の搬送方向と直交する方向にライン状に設けられてなる。
【0023】
プラテンローラ24は、発熱素子アレイ26に対面する位置で搬送経路の下方に配置されている。プラテンローラ24は、カラー感熱記録紙2の搬送に応じて従動回転して、カラー感熱記録紙2と発熱素子アレイ26との摺接を補助する。このプラテンローラ24は、図示しないシフト機構によって、サーマルヘッド23に圧接する位置と、サーマルヘッド23から離れる退避位置との間で移動される。
【0024】
サーマルヘッド23の送出し方向の下流側には、マゼンタ用定着器10と、イエロー用定着器11とが配置されている。前述したようにマゼンタ用定着器10は、発光ピークが380nmである2本の定着ランプ10a、発光ピークが365nmである1本の漂白ランプ10b、反射板10cから構成されており、発光ピークが380nmの定着光と発光ピークが365nmの定着光を同時に照射することによってマゼンタ感熱発色層5を効率良く定着する。イエロー用定着ランプ11は、発光ピークが420nmである2本の定着ランプ11a及び反射板11bから構成されており、発光ピークが420nmの定着光を照射することによってイエロー感熱発色層6を定着する。
【0025】
イエロー用定着ランプ11の送出し方向の下流側には、長尺のカラー感熱記録紙2を記録エリアごとにカットするカッター31が設けられている。カッター31の下流側には、カラー感熱記録紙2を挟み込んで排紙口33から排出する排紙ローラ対34が設けられている。
【0026】
次に上記実施形態の作用について説明する。カラー感熱プリンタにおいてプリント開始操作がなされると、図示しない搬送モータの駆動により給紙ローラ16が回転を開始する。給紙ローラ16は、図中時計方向に回転して、記録紙ロール15からカラー感熱記録紙2を送り出す。記録紙ロール15から送り出されたカラー感熱記録紙2は、送出し方向の下流側に配置されているサーマルヘッド23とプラテンローラ24との間と、搬送ローラ対18のピンチローラ20とキャプスタンローラ19との間に送り込まれる。
【0027】
図示しないセンサにより、カラー感熱記録紙2が搬送ローラ対18のピンチローラ20とキャプスタンローラ19との間を通過したことが検出されると、ピンチローラ20をキャプスタンローラ19から離れる位置に移動させていたカムやソレノイド等からなるシフト機構の駆動が停止され、ピンチローラ20はバネの付勢によってキャプスタンローラ19との間にカラー感熱記録紙2を挟み込む。
【0028】
搬送ローラ対18のキャプスタンローラ19は、図示しない搬送モータによって図中時計方向に回転され、カラー感熱記録紙2を記録紙ロール15から引き出して送出し方向に搬送する。プリント1枚分の長さだけカラー感熱記録紙2が送出し方向に搬送されると、搬送ローラ対18によるカラー感熱記録紙2の搬送がいったん停止される。
【0029】
カラー感熱記録紙2の搬送停止後、プラテンローラ24が下降してサーマルヘッド23との間でカラー感熱記録紙2を挟み込む。次いで、搬送ローラ対18は、給紙時の搬送速度よりも遅い印画用の搬送速度でカラー感熱記録紙2を巻戻し方向に向けて搬送する。カラー感熱記録紙2の記録エリアの先端(記録紙ロール側)が発熱素子アレイ26に達すると、サーマルヘッド23は発熱素子アレイ26を発熱させ、イエロー感熱発色層6にイエロー画像を熱記録する。
【0030】
このイエロー画像の熱記録では、発熱素子アレイ26から与えられる熱エネルギーによってイエロー感熱発色層6内のマイクロカプセルが破壊され、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとが結合してイエローに発色する。
【0031】
イエロー画像の熱記録終了後、搬送ローラ対18は一旦停止後、カラー感熱記録紙2の記録エリアの先端がイエロー用定着器11に対面するまで送出し方向へ搬送する。その後、搬送ローラ対18による送出し方向への搬送が停止され、プラテンローラ24が上昇してカラー感熱記録紙2の挟み込みが解除される。この後に搬送ローラ対18は、カラー感熱記録紙2を巻戻し方向に向けて搬送する。
【0032】
カラー感熱記録紙2の巻戻し方向への搬送中に、イエロー用定着器11が点灯され、カラー感熱記録紙2の記録エリアに420nmの青紫光が照射される。これにより、イエロー感熱発色層6中のジアゾニウム塩化合物が光分解されて定着される。
【0033】
カラー感熱記録紙2の記録エリアの先端が発熱素子アレイ26に達すると、プラテンローラ24とサーマルヘッド23とがカラー感熱記録紙2を挟み込み、マゼンタ感熱発色層5にマゼンタ画像を熱記録する。マゼンタ画像の熱記録中にイエロー感熱発色層4の定着が完了し、イエロー用定着器11が消灯される。マゼンタ画像の熱記録後にカラー感熱記録紙2は、巻戻し方向への搬送がいったん停止される。
【0034】
イエロー画像の熱記録と同様に、マゼンタ感熱発色層5にマゼンタ画像が熱記録され、マゼンタ用定着器10によって定着される。マゼンタ感熱発色層5の定着では、発光ピークが380nmである定着ランプ10a及び発光ピークが365nmである漂白ランプ10bにより、発光ピークが380nmの定着光と発光ピークが365nmの定着光をほぼ同時に照射することによってジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うとともに中間生成物の漂白をも効率良く行うことができるため、定着速度及び白色度の両方に優れたマゼンタ感熱発色層5の定着を行うことができる。
【0035】
また、巻戻し方向の上流側にジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うための定着ランプ10aを、下流側に中間生成物の漂白を効率良く行うための漂白ランプ10bを配置したため、定着ランプ10aと漂白ランプ10bを同時に発光させても、カラー感熱記録紙2の巻戻し方向への搬送に伴ってマゼンタ感熱発色層5には最初に定着ランプ10aから、次いで漂白ランプ10bからの定着光が照射されるため、定着工程の順序に沿ってさらに効率良くマゼンタ感熱発色層5の定着を行うことができる。
【0036】
マゼンタ画像の熱記録が完了すると、同様に、シアン感熱発色層4への熱記録とマゼンタ感熱発色層5への定着が行なわれる。シアン感熱発色層4への熱記録が終了すると、カラー感熱記録紙2が送出し方向に搬送され、排紙ローラ対34に挟み込まれる。
【0037】
カラー感熱記録紙2の記録エリアの記録紙ロール側がカッター31に到達すると、カッター31がカラー感熱記録紙2を切断し、シート状のカラープリントを作成する。カラープリントは、排紙ローラ対34によって排紙口33からプリント外に排出される。
【0038】
なお、上記実施形態ではマゼンタ用定着器にのみ本発明による定着ランプと漂白ランプとからなる定着器を適用しているが、イエロー用定着器も同様に定着ランプと漂白ランプとから構成してもよい。また、上記実施形態によるマゼンタ用定着器では、定着ランプを2つ、漂白ランプを1つ設けているが、各ランプの個数などについては光源の種類などにより自由に設計してよい。また、上記実施形態ではカラー感熱プリンタに本発明による光定着器を適用したが、本発明の光定着器はレーザー露光、熱現像、光定着を行うカラー感熱記録紙を用いる他のプリント方式に適用することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光定着器によれば、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に前記感熱発色層に対して照射するようにしたため、定着速度及び白色度の優れた光定着を行うことができる。また、本発明のカラー感熱プリンタによれば、光定着器を、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に前記感熱発色層に対して照射するように構成したため、プリントの高速化と高画質化を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図である。
【図2】本発明のマゼンタ用定着器を示す概略図である。
【図3】光源の波長によるマゼンタ感熱発色層の定着特性を示すグラフである。
【図4】本発明によるカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
2 カラー感熱記録紙
5 マゼンタ感熱発色層
10 マゼンタ用定着器
10a 定着ランプ
10b 漂白ランプ
12 カラー感熱プリンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光定着性を有する感熱記録紙に定着光を照射して定着させる光定着器及びカラー感熱プリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に、シアン、マゼンタ、イエローの感熱発色層が順に積層され、下層の感熱発色層ほど熱感度が低く、またイエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層とに対しては、それぞれ特有な波長域の紫外線による定着性が付与されたカラー感熱記録紙がある。このカラー感熱記録紙を使用するカラー感熱プリンタでは、カラー感熱記録紙を例えば往復搬送する間に、サーマルヘッドを圧接させて各感熱発色層に熱記録を行う。各感熱発色層への熱記録後には、光定着器で紫外線を照射し、下層の感熱発色層への熱記録時に上層の感熱発色層が発色しないように定着している。
【0003】
このようなカラー感熱記録紙のイエロー感熱発色層及びマゼンタ感熱発色層には、特許文献1に示すように、特定の感光波長をもつジアゾニウム塩と、ジアゾニウム塩と熱反応して異なった色に発色するカプラーとが含有されており、熱記録が行われるとジアゾニウム塩とカプラーとが熱反応して発色し、ジアゾニウム塩の感光波長の紫外線が照射されると未記録部分のジアゾニウム塩が光分解されて発色能力が消失する。
【0004】
ジアゾニウム塩が光分解されるとわずかに色のついた中間生成物が発生する。未記録部分の白色度が低いと画像のコントラストの低下などが発生するため、この中間生成物を紫外線の照射により漂白する必要がある。このため、例えば特許文献2に示すカラー感熱プリンタでは、マゼンタ用光定着器と発光ピークが等しい漂白用光源を排紙路内に設けることにより、カラー感熱記録紙上に多量の紫外線を照射して未記録部分を漂白している。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−28585号公報
【特許文献2】
特開平5−104753号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光定着メカニズムを解析したところ、ジアゾニウム塩の光分解を効率良く行える紫外線の波長域と、前記光分解により生成される中間生成物の漂白を効率良く行える紫外線の波長域とが異なることが判明した。すなわち、特許文献2記載のカラー感熱プリンタのように、ジアゾニウム塩の光分解と中間生成物の漂白とを同一の波長域をもつ紫外線を照射して行うと定着効率が悪くなってしまい、プリンタの高速化と高画質化とを両立させることができないことが判った。また、特許文献2記載のカラー感熱プリンタのように、漂白用光源を排紙路内に設ける構成では、ジアゾニウム塩の光分解と中間生成物の漂白とが別々に行われるため、プリント時間がさらに長くなってしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたものであり、定着速度及び白色度の優れた光定着を行う光定着器及び高速化と高画質化を両立することのできるカラー感熱プリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光定着器は、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に感熱発色層に対して照射することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明のカラー感熱プリンタは、光定着器を、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に感熱発色層に対して照射するように構成したことを特徴とする。
【0010】
また、前記感熱発色層への熱記録が行われた後、前記第1定着光の照射により前記感熱発色層に含有されるジアゾニウム塩を分解し、前記第2定着光の照射により前記ジアゾニウム塩を分解することにより生じる中間生成物を漂白することが好ましい。また、前記感熱発色層はマゼンタ用感熱発色層であり、前記光定着器はマゼンタ用定着器であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図である。カラー感熱記録紙2は、支持体3の上に、シアン感熱発色層4,マゼンタ感熱発色層5,イエロー感熱発色層6,保護層7を順次層構成したものである。各感熱発色層4〜6は、熱記録される順番に表面から層構成されている。支持体3には、不透明なコート紙又はプラスチックフイルム等が用いられる。
【0012】
シアン感熱発色層4は、電子供与性染料前駆体が封入された熱応答性マイクロカプセルと電子受容性化合物とをゼラチン等からなるバインダ中に混合して塗布液を調製し、支持体3の上に塗布して乾燥させたものである。熱記録が行われるとマイクロカプセルが破壊され、電子受容性化合物が電子供与性染料前駆体と結合してシアンに発色する。
【0013】
マゼンタ感熱発色層5は、最大吸収波長が約380nmであるジアゾニウム塩化合物を封入した熱応答性マイクロカプセルと、カプラーとをゼラチンなどからなるバインダ中に混合して塗布液を調製し、シアン感熱発色層4の上に塗布して乾燥させたものである。熱記録が行われるとマイクロカプセルが破壊され、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとが結合してマゼンタに発色する。このマゼンタ感熱発色層5は、中心波長が約380nmの波長域を持つ近紫外線が照射されると効率良くジアゾニウム塩化合物が光分解される。
【0014】
イエロー感熱発色層6は、マゼンタ感熱発色層5とほぼ同様の構成であるが、最大吸収波長が約430nmであり、図2に示す吸光特性を持つジアゾニウム塩化合物と、これと反応してイエローに発色するカプラーとが用いられている。また、イエロー感熱発色層6は、中心波長が約420nmの波長域を持つ青紫光によって効率良くジアゾニウム塩化合物が光分解される。
【0015】
図2は、本発明のマゼンタ用定着器を示す概略図である。マゼンタ用定着器10は、発光ピークが380nmである定着ランプ10a、発光ピークが365nmである漂白ランプ10b、反射板10cとからなる。なお、定着ランプ及び漂白ランプとしては、設計に応じて熱陰極水銀ランプ、外面電極キセノンランプ、LEDなどの種々の光源を自由に用いることができる。マゼンタ感熱発色層5の熱記録が終了した後、紫外線を照射することにより光定着を行うが、マゼンタ感熱発色層5の定着工程は2段階から成り立っている。
【0016】
まず、未記録部分のジアゾニウム塩化合物を中間生成物に光分解する。ジアゾニウム塩化合物の最大吸収波長が約380nmであるため、定着ランプ10aからの発光ピークが380nmである近紫外線の照射により効率良くジアゾニウム塩化合物を中間生成物に光分解することができる。この中間生成物にはわずかに色がついているため、次の段階として、中間生成物にさらに紫外線を照射して中間生成物を漂白する必要がある。この中間生成物の漂白は、380nmよりも短い波長の紫外線を照射することによって効率良く行われるため、漂白ランプ10bからの発光ピークが365nmである紫外線を照射することによって中間生成物の漂白を行う。
【0017】
図3は、光源の波長によるマゼンタ感熱発色層の定着特性を示すグラフである。従来のように、380nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、365nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、本発明の380nmと365nmの定着光を同時に照射する定着光源によってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合について、それぞれ定着速度と残留濃度との関係が示されている。
【0018】
380nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、ジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができるため定着速度を上げることができるが、中間生成物の漂白が十分にできないため、定着速度を下げても残留濃度が高いままになってしまうという問題がある。また、365nmの定着光源のみによってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、中間生成物の漂白を効率良く行うことができるため定着速度が低い場合には低い残留濃度を達成できるが、ジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができないため定着速度を上げると残留濃度が極端に高くなってしまうという問題がある。このように、従来のように1種類の光源によるマゼンタ感熱発色層の定着では、定着速度及び白色度の両立ができなかった。
【0019】
一方、本発明の380nmと365nmの定着光を同時に照射する定着光源によってマゼンタ感熱発色層の定着を行った場合、380nmの定着光によってジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うことができるとともに、365nmの定着光によって中間生成物の漂白をも効率良く行うことができるため、定着速度及び白色度の両方に優れたマゼンタ感熱発色層の定着を行うことができる。なお、本発明におけるカラー感熱プリンタでは定着速度が0.7mm/sとなるように設計しており、残留濃度は目標とする0.12をほぼ達成している。
【0020】
図4は、本発明によるカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。このカラー感熱プリンタ12には、長尺のカラー感熱記録紙2をロール状に巻いた記録紙ロール15が用いられる。記録紙ロール15は、外周に当接された給紙ローラ16によって回転され、カラー感熱記録紙2の送り出しと巻き戻しとが行なわれる。
【0021】
記録紙ロール15の送出し方向の下流側には、カラー感熱記録紙2を挟み込んで搬送する搬送ローラ対18が配置されている。この搬送ローラ対18は、搬送用モータに回転駆動されるキャプスタンローラ19と、このキャプスタンローラ19に圧接するピンチローラ20とからなり、カラー感熱記録紙2を図中右方の送出し方向と、図中左方の巻戻し方向とに往復搬送する。
【0022】
給紙ローラ16と搬送ローラ対18の送出し方向の下流側には、サーマルヘッド23とプラテンローラ24とが、カラー感熱記録紙2の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド23は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材質で形成されたヘッド基板25と、このヘッド基板25に設けられた発熱素子アレイ26とからなる。発熱素子アレイ26は、多数の発熱素子がカラー感熱記録紙2の搬送方向と直交する方向にライン状に設けられてなる。
【0023】
プラテンローラ24は、発熱素子アレイ26に対面する位置で搬送経路の下方に配置されている。プラテンローラ24は、カラー感熱記録紙2の搬送に応じて従動回転して、カラー感熱記録紙2と発熱素子アレイ26との摺接を補助する。このプラテンローラ24は、図示しないシフト機構によって、サーマルヘッド23に圧接する位置と、サーマルヘッド23から離れる退避位置との間で移動される。
【0024】
サーマルヘッド23の送出し方向の下流側には、マゼンタ用定着器10と、イエロー用定着器11とが配置されている。前述したようにマゼンタ用定着器10は、発光ピークが380nmである2本の定着ランプ10a、発光ピークが365nmである1本の漂白ランプ10b、反射板10cから構成されており、発光ピークが380nmの定着光と発光ピークが365nmの定着光を同時に照射することによってマゼンタ感熱発色層5を効率良く定着する。イエロー用定着ランプ11は、発光ピークが420nmである2本の定着ランプ11a及び反射板11bから構成されており、発光ピークが420nmの定着光を照射することによってイエロー感熱発色層6を定着する。
【0025】
イエロー用定着ランプ11の送出し方向の下流側には、長尺のカラー感熱記録紙2を記録エリアごとにカットするカッター31が設けられている。カッター31の下流側には、カラー感熱記録紙2を挟み込んで排紙口33から排出する排紙ローラ対34が設けられている。
【0026】
次に上記実施形態の作用について説明する。カラー感熱プリンタにおいてプリント開始操作がなされると、図示しない搬送モータの駆動により給紙ローラ16が回転を開始する。給紙ローラ16は、図中時計方向に回転して、記録紙ロール15からカラー感熱記録紙2を送り出す。記録紙ロール15から送り出されたカラー感熱記録紙2は、送出し方向の下流側に配置されているサーマルヘッド23とプラテンローラ24との間と、搬送ローラ対18のピンチローラ20とキャプスタンローラ19との間に送り込まれる。
【0027】
図示しないセンサにより、カラー感熱記録紙2が搬送ローラ対18のピンチローラ20とキャプスタンローラ19との間を通過したことが検出されると、ピンチローラ20をキャプスタンローラ19から離れる位置に移動させていたカムやソレノイド等からなるシフト機構の駆動が停止され、ピンチローラ20はバネの付勢によってキャプスタンローラ19との間にカラー感熱記録紙2を挟み込む。
【0028】
搬送ローラ対18のキャプスタンローラ19は、図示しない搬送モータによって図中時計方向に回転され、カラー感熱記録紙2を記録紙ロール15から引き出して送出し方向に搬送する。プリント1枚分の長さだけカラー感熱記録紙2が送出し方向に搬送されると、搬送ローラ対18によるカラー感熱記録紙2の搬送がいったん停止される。
【0029】
カラー感熱記録紙2の搬送停止後、プラテンローラ24が下降してサーマルヘッド23との間でカラー感熱記録紙2を挟み込む。次いで、搬送ローラ対18は、給紙時の搬送速度よりも遅い印画用の搬送速度でカラー感熱記録紙2を巻戻し方向に向けて搬送する。カラー感熱記録紙2の記録エリアの先端(記録紙ロール側)が発熱素子アレイ26に達すると、サーマルヘッド23は発熱素子アレイ26を発熱させ、イエロー感熱発色層6にイエロー画像を熱記録する。
【0030】
このイエロー画像の熱記録では、発熱素子アレイ26から与えられる熱エネルギーによってイエロー感熱発色層6内のマイクロカプセルが破壊され、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとが結合してイエローに発色する。
【0031】
イエロー画像の熱記録終了後、搬送ローラ対18は一旦停止後、カラー感熱記録紙2の記録エリアの先端がイエロー用定着器11に対面するまで送出し方向へ搬送する。その後、搬送ローラ対18による送出し方向への搬送が停止され、プラテンローラ24が上昇してカラー感熱記録紙2の挟み込みが解除される。この後に搬送ローラ対18は、カラー感熱記録紙2を巻戻し方向に向けて搬送する。
【0032】
カラー感熱記録紙2の巻戻し方向への搬送中に、イエロー用定着器11が点灯され、カラー感熱記録紙2の記録エリアに420nmの青紫光が照射される。これにより、イエロー感熱発色層6中のジアゾニウム塩化合物が光分解されて定着される。
【0033】
カラー感熱記録紙2の記録エリアの先端が発熱素子アレイ26に達すると、プラテンローラ24とサーマルヘッド23とがカラー感熱記録紙2を挟み込み、マゼンタ感熱発色層5にマゼンタ画像を熱記録する。マゼンタ画像の熱記録中にイエロー感熱発色層4の定着が完了し、イエロー用定着器11が消灯される。マゼンタ画像の熱記録後にカラー感熱記録紙2は、巻戻し方向への搬送がいったん停止される。
【0034】
イエロー画像の熱記録と同様に、マゼンタ感熱発色層5にマゼンタ画像が熱記録され、マゼンタ用定着器10によって定着される。マゼンタ感熱発色層5の定着では、発光ピークが380nmである定着ランプ10a及び発光ピークが365nmである漂白ランプ10bにより、発光ピークが380nmの定着光と発光ピークが365nmの定着光をほぼ同時に照射することによってジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うとともに中間生成物の漂白をも効率良く行うことができるため、定着速度及び白色度の両方に優れたマゼンタ感熱発色層5の定着を行うことができる。
【0035】
また、巻戻し方向の上流側にジアゾニウム塩化合物の光分解を効率良く行うための定着ランプ10aを、下流側に中間生成物の漂白を効率良く行うための漂白ランプ10bを配置したため、定着ランプ10aと漂白ランプ10bを同時に発光させても、カラー感熱記録紙2の巻戻し方向への搬送に伴ってマゼンタ感熱発色層5には最初に定着ランプ10aから、次いで漂白ランプ10bからの定着光が照射されるため、定着工程の順序に沿ってさらに効率良くマゼンタ感熱発色層5の定着を行うことができる。
【0036】
マゼンタ画像の熱記録が完了すると、同様に、シアン感熱発色層4への熱記録とマゼンタ感熱発色層5への定着が行なわれる。シアン感熱発色層4への熱記録が終了すると、カラー感熱記録紙2が送出し方向に搬送され、排紙ローラ対34に挟み込まれる。
【0037】
カラー感熱記録紙2の記録エリアの記録紙ロール側がカッター31に到達すると、カッター31がカラー感熱記録紙2を切断し、シート状のカラープリントを作成する。カラープリントは、排紙ローラ対34によって排紙口33からプリント外に排出される。
【0038】
なお、上記実施形態ではマゼンタ用定着器にのみ本発明による定着ランプと漂白ランプとからなる定着器を適用しているが、イエロー用定着器も同様に定着ランプと漂白ランプとから構成してもよい。また、上記実施形態によるマゼンタ用定着器では、定着ランプを2つ、漂白ランプを1つ設けているが、各ランプの個数などについては光源の種類などにより自由に設計してよい。また、上記実施形態ではカラー感熱プリンタに本発明による光定着器を適用したが、本発明の光定着器はレーザー露光、熱現像、光定着を行うカラー感熱記録紙を用いる他のプリント方式に適用することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光定着器によれば、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に前記感熱発色層に対して照射するようにしたため、定着速度及び白色度の優れた光定着を行うことができる。また、本発明のカラー感熱プリンタによれば、光定着器を、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に前記感熱発色層に対して照射するように構成したため、プリントの高速化と高画質化を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図である。
【図2】本発明のマゼンタ用定着器を示す概略図である。
【図3】光源の波長によるマゼンタ感熱発色層の定着特性を示すグラフである。
【図4】本発明によるカラー感熱プリンタの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
2 カラー感熱記録紙
5 マゼンタ感熱発色層
10 マゼンタ用定着器
10a 定着ランプ
10b 漂白ランプ
12 カラー感熱プリンタ
Claims (6)
- 複数の感熱発色層により層構成された感熱記録紙の搬送路と対面するように配置され、前記搬送路に搬送される感熱記録紙の熱記録済みの感熱発色層に対して定着光を照射して光定着を行う光定着器において、
第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に前記感熱発色層に対して照射することを特徴とする光定着器。 - 前記感熱発色層への熱記録が行われた後、前記第1定着光の照射により前記感熱発色層に含有されるジアゾニウム塩を分解し、前記第2定着光の照射により前記ジアゾニウム塩を分解することにより生じる中間生成物を漂白することを特徴とする請求項1記載の光定着器。
- 前記感熱発色層はマゼンタ用感熱発色層であり、前記光定着器はマゼンタ用定着器であることを特徴とする請求項1記載の光定着器。
- 複数の感熱発色層により層構成された感熱記録紙に熱エネルギーを加えて各感熱発色層に順次熱記録を行う熱記録手段と、前記感熱記録紙を搬送する搬送手段と、熱記録された各感熱発色層に対して定着光を照射して光定着を行う光定着器とを備えたカラー感熱プリンタにおいて、
前記光定着器を、第1の中心波長をもつ第1定着光と、第1の中心波長と異なる第2の中心波長をもつ第2定着光とをほぼ同時に前記感熱発色層に対して照射するように構成したことを特徴とするカラー感熱プリンタ。 - 前記感熱発色層への熱記録が行われた後、前記第1定着光の照射により前記感熱発色層に含有されるジアゾニウム塩を分解し、前記第2定着光の照射により前記ジアゾニウム塩を分解することにより生じる中間生成物を漂白することを特徴とする請求項4記載のカラー感熱プリンタ。
- 前記感熱発色層はマゼンタ用感熱発色層であり、前記光定着器はマゼンタ用定着器であることを特徴とする請求項4記載のカラー感熱プリンタ。
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