JP2004291224A - ドリル穴のばり取りするための工具、装置および方法 - Google Patents
ドリル穴のばり取りするための工具、装置および方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】シリンダ切り欠き14に口を開いた穴のような通口のばりを取る回転工具は、軸20にある切断ヘッドを有し、この切断ヘッドは、切断縁を有し、この切断縁は、一部の区間において軸線方向に延びている。工具内に、1つの内側にある流れ媒体通路の形の半径方向力発生装置が統合されており、この流れ媒体通路から差込み通路が出ており、この差込み通路が、切断ヘッドの範囲に又はその近くに、切断縁に対して周方向間隔を置いて、工具の外側周面に口を開いている。切断ヘッドが遊びを持って切り欠き14内挿入可能なように切断ヘッドの直径が選択されているので、工具の回転の際又は圧力をかけた流れ媒体の供給によって発生される半径方向力は、切断ヘッドが、半径方向に弾性的に転向されるようになっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前段に記載のドリル穴、例えば円筒形凹部の中に横から通じるドリル穴をばり取りするための、好ましくは回転駆動式の工具に関するものである。本発明は更に、発明通りの工具を使ってそのようなドリル穴をばり取りする装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
例えば円筒形凹部の中に横から通じるドリル穴のばり取りは、大きな問題である。そのようなドリル穴は、例えば自動車技術の分野――カムシャフトまたはクランクシャフトの中心アキシャル穴の中に通じるラジアル穴の場合――および自動車油圧技術の分野において、例えば、中心穴で受け止められた弁ピストンをラジアルチャンネルの形の制御接続路を介して制御する必要があるとき、不可欠のものである。こうしたラジアルチャンネルは通例、ドリル加工工程において製作しなければならないので、特殊形状のドリル工具を作る場合でさえ、ラジアルチャンネルが中心穴凹部の中に通じる領域内にばりまたは削り屑が残ることを確実に排除することができない。
【0003】
この削り屑が流動状況に影響し、それで、油圧制御の機能および調整を損うことを度外視しても、そのような削り屑を運転開始前に除去しなかったとき、ある程度時間が経った後にそれが剥離し、系統内で重大な損傷を生じさせる結果となるという特別な問題は存在する。
【0004】
そのため、以前から制御技術の分野では、投資に投資を重ねて感度を上げながら、残存する削り屑をラジアルチャンネル入口から可能な限り完全に除去しようと試みてきた。そうして、軸部にはまっているカッタヘッドが除去すべき削り屑を可能な限り精確な位置で削っていけるようにする特殊形状の工具が使用されるに至った。しかし、高い精度が必要であることは、結果的に製造コストを引き上げることになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明は、ばり取り工程を従来よりはるかに経済的に、しかし、それでもなお高い信頼度で誤りなく実施できるようにする工具および装置、ならびに方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題は、工具に関しては請求項1の特徴によって、装置に関しては請求項37の特徴によって、方法に関しては請求項43の手順によって解決される。
【0007】
本発明によれば、比較的低い精確さで凹部またはドリル穴に導入される極めて単純な構造の工具のカッタヘッドを半径方向に振らせることのできる半径方向力発生装置が工具に一体化させられ、それで、工具に関して相対回転運動を実行する、例えば回転駆動式のカッタヘッドが、凹部またはドリル穴、従ってまた、例えばラジアルチャンネルの入口開口部の内面に沿って一種の“周回する”ないしは“旋回する”シェービング運動またはカッティング運動を実行することになる。
【0008】
工具の刃は、その際、工作物の凹部に関してサイクロイド運動をする。このようにして、ばりないしは削り屑(残存する場合)を損傷せずに、再生可能な形で確実に除去できる、それも、他の箇所に更なる残り屑が生じる危険を冒すことなく除去できることが明らかとなった。
【0009】
カッタヘッドに作用し、それを好ましくは制御下で半径方向に振らせる半径方向力は、様々な仕方で発生させることができる。有利なバリエーションが、従属請求項2〜17ないしは18〜20の対象である。
【0010】
特に単純な構造は、従属請求項2〜17の発展形態をもって得られる。そこでは、通常のマシニングセンタに必ず存在する加圧状態の流動剤、例えば切削加工において使用される冷却剤や潤滑剤が、カッタヘッドを半径方向に振らせるのに利用され、それで、カッタヘッドがばり取りの役目を果たすことになる。
【0011】
カッタヘッドを半径方向に振らせるときは、流動剤の動圧によってカッタヘッドの領域内とその近辺に呼び起こされる衝撃力も、流動剤の流れの方向転換によって呼び起こされる衝撃力も、それぞれ一定の役割を演じるので、有効半径方向力はうまく制御できるまま留まることになる。
【0012】
工具の接触箇所はその際必ず加圧状態の流動剤で洗われるので、削り屑を取り去る効果は更に増強される。半径方向に振れる工具軸部の向きは、流動剤の圧力および/または工具軸部の形状寸法を介して幅広い限界内で制御できるので、凹部内のカッタヘッドの半径方向遊びも予め比較的粗く設定することができる。これにより、工具は安価になる。しかし、工具は凹部の軸に対して比較的粗く位置決めすることができるので、工具を受け止める駆動装置の制御もそれによって大幅に単純化できることになる。工具はこれで、相対的に加工精度の低い機械にも装着できることになる。工具の位置決めは、凹部の内周面に沿ったそのシェービング運動それ自体によって行われる。本発明による動作原理は、市販のあらゆる材料、すなわち鋼、ねずみ鋳鉄からプラスチックに至るまで、あらゆる材料に適用できることが確認された。
【0013】
基本的に、切刃が効果的に切込んでいくよう、工具を十分に半径方向に振らせる圧力をサイドチャンネルの入口開口部と凹部内面の間の領域内に構築するためには、サイドチャンネルが1つだけで足りる。そこでは更に、いわゆる“ウォータカッティング”から知られている切削噴流、すなわち、切削加工を可能にする切削噴流の機能を有する流動剤ジェットがサイドチャンネルから噴出するように切削噴流の流動剤の圧力をサイドチャンネルの直径に調和させることも可能であることが明らかとなった。換言すれば、入口開口部から噴出するジェットは、工具軸部を振らせる機能に関係なくばり取りに利用することができる、それも、今日普通の範囲に属する30bar以上の潤滑剤圧力が適用できるときすでに、利用することができる。
【0014】
特に効果的な種類の加工は、請求項3の発展形態をもって得られる。なぜなら、多数のサイドチャンネルを介してより高い効率、より高い速度の加工が実行できるからである。この改良により更に、複数の切刃をカッタヘッドに装着することが可能とされ、それで、所要加工時間を更に短縮できることになる。
【0015】
入口開口部が軸方向において食違いにされた複数のサイドチャンネルが設けられている場合、上に述べた“切削噴流効果”は、増大した軸方向長さ全体にわたって活用することができ、このことが更に加工時間の短縮に役立つ。
【0016】
明らかとなったのは、サイドチャンネルが請求項5に記載の寸法を持つとき、すなわち、サイドチャンネルの直径が0.1〜5mmの範囲内にあるとき、特に有利な結果が得られることである。
【0017】
軸部の全長にわたって工具の半径方向たわみ性を容易に制御することができ、そこで、長い軸部が工具の汎用性を高めることにつながる、すなわち、比較的奥深くまで凹部の中に通じるドリル穴のばり取りを可能にするという有利な副次的効果が得られる。使用可能な範囲は、軸部長さで好ましくは5〜1000mmである。
【0018】
請求項6に従い、複数の内側流動剤チャンネルが設けられているとき、カッタヘッドの外周面に沿って入口開口部を配置する可能性は大きくなる。
【0019】
入口開口部は切刃の領域内にあってよく、従って、入口開口部と凹部内面の間のスペースは可能な限り小さくなる。しかし、十分に大きい動圧を作るために流動剤圧力を十分に高くすると、入口開口部が2つの隣接する切刃の間の溝底の領域内にあってもよいことは明らかである。
【0020】
サイドチャンネルは、基本的に任意の向きに揃えてあってよく、湾曲していてもよく、例えば渦巻状に走っていてもよい。好ましくは、少なくとも1つのサイドチャンネルを直線状に形作る。ここで、それはドリル穴から作ってあっても放電加工された凹部から作ってあってもよい。後者の場合の方が、チャンネル横断面を形作る段階で残っている柔軟性は大きい。
【0021】
サイドチャンネルの工具軸に対する角度を5〜175゜、好ましくは25〜155゜、特に好ましくは40〜50゜の範囲内とすると、流れ損失は抑制可能なレベルに留まる。
【0022】
少なくとも1つの切刃を工具の軸方向面に対してある角度で当たるように設定しておくと、ばり取り時の切削条件に所期の影響を与えることができ、そうすることによって加工精度は高められる。
【0023】
カッタヘッドと凹部内面の間の半径方向遊びを0.1〜0.5mmの範囲内にすることで良好な結果を得ることができた。この場合の遊びは、流動剤の使用圧力の高さに関係している。また、遊びの値も5mmまでに抑えることができる。
【0024】
半径方向力発生装置の作りにとって極めて単純な代替例が、請求項18〜20の対象である。ここでは、工具の不釣合い、好ましくはカッタヘッドの領域内またはその近辺における不釣合いを利用してカッタヘッドを制御下で半径方向に振らせる。回転数を介して、単純な仕方で半径方向の振りの絶対量を制御することができ、そうすることによって、カッタヘッドを、例えば相対的に小さい回転数で凹部またはドリル穴に導入し、引き続き、少なくとも1つの切刃の所望のばり取り動作が呼び起こされるように回転数を十分な大きさまで上げることが可能となる。カッタヘッドないしは切刃の形は、この実施態様の場合、請求項2〜17に記載のバリエーションと同じ仕方で作ることができる。
【0025】
半径方向の振りに影響を与える方法としては更に、工具軸部の形状寸法を最適化する方法が可能である。請求項23の発展形態をもってすれば、工具軸部の所要の半径方向たわみ性を高めることができる。
【0026】
請求項25の発展形態をもってすれば、工具の導入は更に単純化される。カッタヘッドの両側に一種の切欠きを形作っておけば、工具が導入されるドリル穴の出口内側のばり取りにもその工具を利用することができる。ここでも、カッタヘッドの旋回運動により、ドリル穴のばりは徐々に削り取られる、それも、カッタヘッドの丸み部分が工具軸部の方に向けられた状態で削り取られるのである。
【0027】
工具の材料選択についてはほとんど制約がない。工具は、全体が高張力材料、例えば耐摩耗性鋼、高速度鋼(HSS、HSSE、HSSEBM)、超硬合金、セラモック、セルメットなどから製造してあってよいが、少なくともカッタヘッドの部分だけ上記材料から製造してあってもよく、ここで、適当な被覆を、特に請求項34〜36に記載の態様で施すこともできる。
【0028】
請求項28に記載の発展形態をもってすれば、工具は、市販の工具ホルダに嵌め込むことのできる取扱いが簡単な1つのユニットになる。
【0029】
請求項13によれば、工具の中に単純な手段を使って流動剤接続用のインタフェースが作られるという特別な利点が得られる。
【0030】
特に単純で、コスト的に好ましいバリエーションが、請求項14の対象であり、これによれば、締結/定着本体が同時に流動剤を供給する本体をなす。この本体は、好ましくは、工具の軸部と貼付することもできる単純な細長い中空円筒の形を有する。この円筒形本体は、背側に作用する流動剤圧力を使って工具ホルダのショルダ面に圧し付けることによって該工具ホルダの中に定着させることができるので、適当な耐食性被覆を施せば、この本体は普通鋼から製造してよい。
【0031】
工具は、フライス、ドリル、特に深穴ドリル、直溝ドリル、スパイラルドリルまたはリーマとして形作ることができる。
【0032】
レーキ角ないしはバックレーキ角(フライスまたはリーマとして形作る場合)を正の値、例えば0〜10゜の範囲内、好ましくは5゜以下に保つと、切刃は、相対的に僅少の半径方向圧縮力のもとですでに切削効果を発揮でき、その結果、流動剤圧力はより小さく抑えられることになる。
【0033】
請求項31に記載の態様をもってすれば、むしろ、少なくとも1つの切刃のシェービング効果が得られる。この場合の切刃はむしろ、やすりの輪郭を持ち、その結果、請求項30に記載の態様と比較して高い流動剤圧力をもって加工することになろう。
【0034】
複数の入口開口部が設けられているとき、これらは、好ましくは――請求項15に従い――中心角で180゜以下、好ましくは120゜以下に制限される角度範囲内にある。この場合、入口開口部をこの角度範囲全体に均等に分布させるのが有利である。例えば2つの入口開口部または2列の入口開口部が存在するとき、この入口開口部ないしは入口開口部列の角度間隔は120゜になる。入口開口部が3つの場合、角度間隔は60゜に縮小され、入口開口部が4つの場合は、それが40゜に、そして、入口開口部が5つの場合は、それが30゜に縮小される。
【0035】
少なくとも1つの切刃がほぼ渦巻状に走っていれば、ばりの除去にとって特に好ましい形の切削が得られる。ここでは、入口開口部が複数の場合、これらも同じくほぼ渦巻状の線上に配置し、また、カッタヘッドを軸方向において先細にすることを考慮するときは、螺旋状の線上に配置するのが有利である。
【0036】
請求項33に記載の発展形態の工具は、特に、工具軸部が極端に細く作られているとき、例えば、直径が1mm未満で、同じく小さい直径――例えば約4mm以下――の深いドリル穴につながるドリル穴の領域内でばり取りを実施しようとする場合に有利である。適切な材料選択により、工具は、軸部がそのような細い作りであっても、カッタヘッドを反復使用後でも正確に心出しするのに十分な安定性を確保できることになる。加工精度は、これによって特にうまく制御できるようになる。そうなれば、カッタヘッド自体は他の材料から製作でき、例えば着脱式に工具軸部に締結できるようになる。
【0037】
ほぼ円筒形の凹部の中に横から通じるドリル穴をばり取りする装置の有利な態様が、請求項37の対象である。回転駆動装置は、単純な旋盤または中ぐり盤によって作られていても、ロボットによって作られていてもよい。どちらの場合でも、加工精度の比較的低い機械で足りる。
【0038】
流動剤自体は、工具軸部を振らせるのに必要な力を発生させるために気体媒質、例えば空気から作られていてよいことが明らかとなった。自明のことながら、微少量潤滑用も含めて市販のあらゆる冷却剤および潤滑剤が使用できる。
【0039】
好ましくは、装置は、3〜3000barの範囲内の流動剤圧力をもって働く。工具が、請求項28に記載の締結/定着本体を有するときは、これが差込み継手方式で工具ホルダに受け止められていれば、有利である。
【0040】
本発明の特別な一側面は、請求項40に記載の比較的高い流動剤圧力を利用して工具を工具ホルダの中に軸方向および周方向において定着させることにある。すなわち、ばり取り時の切削力は、締結/定着本体が流動剤圧力によってショルダ面に圧し付けられたときに生じる摩擦力によって容易に吸収できることが明らかとなった。これは、締結/定着本体がカッタヘッドより大きい直径を持ち得ることによって更に容易にされる。
【0041】
請求項42に記載の発展形態をもってすれば、単純なコンポーネントを使って工具を効果的に固定できる高速固定装置が得られる。
【0042】
ドリル穴、例えば円筒形凹部の中に横から通じるドリル穴をばり取りする発明通りの方法の主要素は、請求項43の対象である。その基本原理は、凹部に導入された工具の中を通される流動剤の圧力を利用して、カッタヘッドを半径方向に振らせ、それによって、少なくとも1つの切刃が除去すべき削り屑に切込んでいけるようにすることにある。
【0043】
本発明の更なる有利な態様が、残りの従属請求項の対象である。
以下、本発明の複数の実施例を概略図面に則して詳細に説明する。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1において参照番号10で表されているのは、ばり取り工具として形作られた回転駆動式、好ましくは回転対称の仕上げ加工工具であり、これをもってすれば、工作物18においてほぼ円筒形の凹部14の中に横から通じるドリル穴を、その半径方向内側の端16において、特に経済的な仕方で可能な限り確実にばり取りすることが可能である。但し、この場ですでに、工具が静止状態にあってもよく、その代わりに、またはそれに加えて、工作物を回転運動させることを強調するものとする。また、工具は、凹部14の入口開口部のばり取りにも利用することができる。
【0045】
工具は、例えばフライス、ドリル、特に深穴ドリル、直溝ドリル、スパイラルドリルまたはリーマとして形作られている。決定的であるのは、それが少なくとも切削加工を実行できる切刃20*を有することである。
【0046】
図2および3から分かる通り、工具において軸部20には、少なくともセクションごとに軸方向に延びる多数の切刃20*を有するカッタヘッド22がはまっている。
【0047】
工具は、内部に流動剤チャンネル24を有し、ここからカッタヘッドの領域内を複数のサイドチャンネル26が出ていく。このサイドチャンネル26は、その入口開口部28をもってカッタヘッド22の領域内でその外周面まで通じるように配置されている。図2から分かる通り、切刃は周囲全体に割当てられているので、入口開口部28は、少なくとも1つの切刃20*、例えば直径方向で向き合う切刃に対して周方向間隔をあけている。更に図1〜3から、カッタヘッド22の直径DSは、該カッタヘッドが半径方向遊びSRをもって凹部14に導入できるように選択されていることが分かる。半径方向遊びは、好ましくは1mmの数分の一以下で、例えば0.1〜5mmの範囲内である。
【0048】
かかる工具の構造をもってすれば、以下に図8に則して述べる効果を持つ下記の動作原理を実現させることができる。
【0049】
工具10は、回転駆動を実現させるべく、ねじれたりずれたりせずに工具ホルダ30で受け止められている。工具ホルダには、回転駆動装置32、送り駆動装置34および流動剤圧力源36が割当てられている。送り装置および/または回転駆動装置は、工作物18のためにも設けてあってよい。工作物18のために、補助の回転駆動装置および/または送り装置も設けてあってよい。
【0050】
ラジアル穴12を半径方向内側の入口領域においてばり取りしようとするときは、工具10を先ず凹部14に近付ける(1点鎖線で示した位置)。半径方向遊びSRがあるので、位置決めは相対的に低い精度で行うことができ、そのため、相対的に低い精度の機械の使用が許される。
【0051】
続いて、回転駆動装置および送り装置を作動させ、工具が入口箇所16に達するところまで凹部に入り込むようにする(または、それに対応する運動学的に逆の運動を生じさせる)。遅くとも、先頭の切刃20*が該箇所(2点鎖線で示した位置)に達した時点で、流動剤、例えば水または他の工具冷却剤または工具潤滑剤、または気体流動剤を3〜3000barの比較的高い圧力のもとで内側の流動剤チャンネル24に送り込む。これで、入口開口部28の領域内で凹部14の内周面との共働によって相応の大きさの動圧が構築される。これは、図8に小さい矢印で示してある。加えて、流動剤の方向転換によって呼び起こされた衝撃により、カッタヘッド22を半径方向に振らせる力が該カッタヘッドに作用する。
【0052】
多数の入口開口部28は、該入口開口部28の領域内でカッタヘッド22と凹部14の内面の間に生じた動圧力の総和によって軸部20が半径方向に振らされるように周囲全体に均等に分布しており、その結果、生じる動圧力と向き合う切刃が、除去すべきばりと箇所16において接触し、そのばりに沿ってカッティング運動またはシェービング運動を行うことになる。換言すれば、工具は、この瞬間に回転運動に重ね合わせられた円運動、それも、半径方向遊びSRの半径を持つ円運動を実行することになる。
【0053】
その上、入口開口部28がラジアル穴12に達し、これを擦っていくたびに、エネルギーに富む切削噴流が構築され、これが結果的に、臨界箇所16の追加的な切削加工につながる。ばり取り工程は、これで極めて効果的に実施される。
【0054】
図1〜3から明らかな通り、サイドチャンネル26は、その入口開口部28が軸方向において食違いになるように配置されている。これはしかし、無条件に必要ということではない。
【0055】
入口開口部28は、例えば0.1〜5mmの範囲内の直径ないしは内法を有する。
【0056】
上の説明から、記された流動剤圧力のもとで動圧力は軸部20を十分大きく振らせるのに足りる大きさであることが明らかとなる。5〜1000mmの範囲内であってよい軸部長さ全体にわたって、弾性変形を制御することができる。図は、軸部20がカッタヘッド22の直径DSと比べて先細になっていることを示す。
【0057】
入口開口部28は、切刃20*の領域内および/または2つの隣接する切刃の間の溝底の領域内にあってよい。
【0058】
図3から、サイドチャンネル26は直線状に形作られていることが分かる。このチャンネルは、ドリル穴から作ってあっても放電加工された凹部から作ってあってもよい。
【0059】
サイドチャンネル26が工具10の軸38に対して傾いている角度WNは、好ましくは5〜175゜、より好ましくは25〜155゜、特に好ましくは40〜50゜の範囲内である。しかし、それ以外の角度にすることもできる。
【0060】
示された実施態様において切刃20*が工具10の軸方向平面EAに対してある一定の角度で当たるように設定してあったとしても、これは無条件に必要ということではない。
【0061】
更に図1〜3および8に示された通り、カッタヘッド22は切欠き、好ましくは、面取りまたは丸み付けによって例えば球形に作られた切欠き40を有する。
【0062】
工具は、耐摩耗性鋼、高速度鋼(HSS、HSSE、HSSEBM)、超硬合金、セラモックまたはセルメットから製造してあって、適当な普通の被覆が施してあってよい。
【0063】
上に述べた工具をもってすれば、箇所16をばり取りできるだけでなく、凹部14の領域内にある箇所17および19もばり取りできる。
【0064】
以下、どのようにして工具をねじれたりずれたりせずに工具ホルダ30の中に定着させるかについて述べる。それには先ず、図1〜3による工具の一バリエーションを示した図6および7を参照する。図1〜3に44で表された、軸部20と一体の形に作られた締結/定着本体が、図6による実施態様では、貼付型の円筒形スリーブ144として形作られている。ちなみに、工具110は工具10に対応する。図6による実施態様において、図1〜3による工具の構造部品に対応するコンポーネントには、頭に“1”を付けた相応の参照番号が付けてある。
【0065】
スリーブ144は普通鋼からなり、好ましくはこれに防食被覆が施されている。スリーブ144の取付けには、貼付に加えて、該スリーブを軸部120と噛み合い方式で結合させるグラブねじ(図示されていない)を使用することができる。
【0066】
146で表されているのは、流動剤供給源に対して流体密の接続を行う場所に介在する面取り部である。
【0067】
図6および7による実施態様の特徴は、ホルダ130における工具のねじり止めと軸方向位置の確保のために流動剤圧力を利用する点にある。
【0068】
この目的のため、ホルダ130の正面においてばね148に抗して半径方向にずらすことのできる掛け金プレート150が利用される。これには鍵穴開口部152が形作られている。操作ボタン151を押し、掛け金プレート150をばね148の力に抗して図7において下へずらすと、掛け金プレートにある大きい方の円形穴が、工具ホルダ130にある円筒形凹部154と重なり、そこで、工具を手前から工具ホルダに導入することができる。スリーブ144のショルダ156が掛け金プレート150の滑り面の背後に達した途端、該掛け金プレートは、ピン158に当たるまで、ばね148の作用のもとで上へ褶動できる。鍵穴開口部152のスリット状セクションは、そのとき、軸部120の外周に沿って褶動する。スリーブ144は、これで掛け金プレートの背後で捕らえられたことになる。
【0069】
その後、図6において矢印で示した通り、流動剤圧力をスリーブ144の裏側に加えると、スリーブは、斜線で表された面164をもって掛け金プレートの裏側に圧し付けられる。この圧縮力は、工具のねじり止めを達成するに十分な大きさであり、まして、工具の切刃が厚い削り屑を出さないのであるから、なおさら十分である。
【0070】
図4および5に示してあるのは、差込み継手方式で軸方向と回転方向の定着を行う更なる改良型工具である。ここでもまた、比較可能なコンポーネントには、頭に“2”を付けた同様の参照番号が付けてある。
【0071】
ここでも、軸部220は、形状を幾らか変えたカッタヘッド222に面した側に締結/定着本体244をはめており、これで、工具は、ねじれたりずれたりせずに工具ホルダの中に定着できるようになっている。この本体は、ほぼ矩形をなし、差込み継手方式の構造を有する工具ホルダのアンダカットされた凹部(詳細に図示されていない)と共働する。
【0072】
先にすでに述べた通り、工具軸部を十分に半径方向に振らせるのを確実にするために、流動剤圧力を比較的高い範囲にまで上げるのが望ましい。圧力発生装置は、30〜3000barの範囲内の流動剤圧力を発生させ得るものが望ましい。しかし、工具軸部をある一定の形に作り、および/または、工具とホルダの間にある一定の隙間ばめを作るためならば、3barの圧力ですでに足りる。
【0073】
好ましくは、工具と工作物の間の相対回転数を100〜50000rpmの範囲内に保ち、その場合、切削速度を20〜300m毎分の範囲内とする。
【0074】
図9および10にそれぞれ、カッタヘッドの更なるバリエーション322および323が示してある。図9に示した形の場合、カッタヘッドの横断面はほぼ矩形をなし、図10に示したバリエーションの場合は、明白な切欠き440を見ることができる。サイドチャンネル326、426もそれぞれ、図9および10において改良された形を見せている。
【0075】
図4によるバリエーションのカッタヘッド222は半球の形をなし、その中に溝と切刃が作り込まれている。
【0076】
少なくとも、工具ないしはばり取り工具のカッタヘッドは、好ましくは高張力材料、例えば超硬合金、高速度鋼(HSS、HSSE、HSSEBMなど)、セラモック、セルメットまたは他の焼結金属材料から製造されている。これは、少なくとも最大応力がかかる部分、すなわち、少なくとも1つの切刃20*の領域に被覆、好ましくは硬質膜として形作られた被覆を施している。
【0077】
この硬質膜にとって問題となるのは、ダイヤモンド、好ましくはナノ結晶ダイヤモンド、窒化チタン、窒化チタンアルミニウムなどである。特に好適であるのは、なかんずく窒化チタンアルミニウム膜、そして、合名会社GuehringOHG(ギューリング オッフェネ ハンデルスゲゼルシャフト)から“Fire I”の商品名で販売されるいわゆる多層膜である。つまり、TiN−/(Ti,Al)N多層膜のことである。
【0078】
また、主として金属成分Cr、TiおよびAlの窒化物と少量の微粒化元素からなる耐摩耗性膜も、特に優先的に適用することができる。その組成は、膜全体におけるすべての金属元素を基準とすると、Cr分が30〜65%、好ましくは30〜60%、特に好ましくは40〜60%、Al分が15〜35%、好ましくは17〜25%、Ti分が16〜40%、好ましくは16〜35%、特に好ましくは24〜35%である。ここで、膜構造は単層であっても、均質の複数の層であってもよく、後者の場合は、一方の層(TixAlyYz)N(ここに、x=0.38〜0.5、y=0.48〜0.6、z=0〜0.04)と他方の層CrNが交互に重なり、ここで、できれば耐摩耗性膜の一番上の層がCrN膜で作られているのが望ましい。
【0079】
更なる実施態様が図11〜17に図解されているが、これらの実施態様には、上に述べた作り方の原則、特に工具ホルダ、材料および被覆に関する原則が一様に適用される。説明を簡素化するため、図11〜13および14〜17に示した実施態様では、先に述べた実施態様のコンポーネントに対応するエレメントには、それぞれ、頭に“5”および“6”を付けた同様の参照番号が付けてある。
【0080】
図14は、工具ホルダ(詳細に図示されていない)に嵌め込まれ、ねじれたりずれたりせずに、例えばはんだ付けによって該工具ホルダと接合された、ほぼ円筒形の工具本体を示す。工具ホルダは、流通しているどんな形のものであってもよい。
【0081】
図14によれば、例えば1.6mmの直径を有する円筒形軸部520に、1.8mmの外径DSを有するカッタヘッド522がはまっている。工具はそこで、2mmの内径を持つドリル穴の中に通じる凹部またはドリル穴のばり取りに役立つ。
【0082】
中心の流動剤チャンネル524が、工具全体の中を延び、正面側が570において閉じられている。例えば5mmの軸方向長さLAを持つカッタヘッド522は、リーマとして形作られており、螺旋状に走る多数――すなわち14個――の切刃520*を有する。カッタヘッド尖端から例えば5mmの距離をおいて、サイドチャンネル526の2つの入口開口部528が設けられており、該サイドチャンネルは、その軸527が共通のラジアル平面ERの中にあるように走る(図12および13を参照)。サイドチャンネルの直径は、例えば0.3mmである。流動剤チャンネル524の中心軸523とサイドチャンネル526の軸527が包含する平面から広がる中心角WZは、180゜より小さく、例えば約130゜である。更なるサイドチャンネルが見込まれている場合、これはできれば、更なるサイドチャンネルの軸を通るラジアル平面から最も外側の両サイドチャンネルの間の中心角WZが流動剤チャンネルの軸によって同じ大きさの部分角に分割されるように分布するのが望ましい。
【0083】
自明のことながら、サイドチャンネル526の軸527が流動剤チャンネルの中心軸の上に垂直に立っている必要はない。例えば図11〜13に示した工具の場合、軸527は、中心軸523に対して例えば60゜の鋭角で傾斜している、それも、入口開口部528が、流動剤チャンネル524からのサイドチャンネル526の分岐点より工具の尖端に近い位置にあるように傾斜しているのが有利であることが確認された。
【0084】
図11〜13の図解から、入口開口部528は、周方向において切刃520*からずらした位置にある、すなわち、隣接する切刃の間の溝底の中に位置することが分かる。しかし、入口開口部の位置は幅広い限界内で変化してよい。
【0085】
図11〜13に示した工具は、切刃520*に負のレーキ角ないしはバックレーキ角RSWが生じるような作りの切刃を有する。従って、切刃520*に、むしろシェービング機能が与えられ、その結果、ばり取りすべきドリル穴12に残存する削り屑を除去する上で、半径方向外向きの工具押圧力を凹部14の内面に対して相対的に大きく保つ、すなわち、流動剤チャンネル圧力を増強する、または、工具の軸部により高い柔軟性ないしはたわみ性を与えることが有利ということになる。
【0086】
図14〜17には、発明通りの工具の更なるバリエーションが示してある。このばり取り工具は、図11〜13に示した熱工具と異なり、はるかに大きい内径を持つドリル穴を対象として設計されており、例えば直径14mmの凹部を対象としている。円筒形の軸部620によって支持された、例えばこれと一体で作られたカッタヘッド622は、この場合、13.75mmの外径DSを有し、従って、この場合でも、工具を凹部14に導入する際に最大約0.25mmの半径方向遊びが残ることになる。軸部620の直径は、例えば約5mmにすぎない。軸部は、従って、カッタヘッド622と比べてかなり先細になっている。619で表されているのは、軸部620を工具ホルダ(図示されていない)に締結できるようにするためのセクションである。
【0087】
カッタヘッド622は、螺旋状に走る16個の切刃620*を有し、切刃同士の間にも多数のくわえ溝631が残っている。切刃の刃元直径FDSは、例えば約12mmである。
【0088】
図14〜17から明らかな通り、ここでも、カッタヘッド622の領域内で、例えばはんだ付けされた本体629によって正面側が閉じられていた中心の流動剤チャンネル624が設けられている。
【0089】
流動剤チャンネル624からは、――図15において最もよく分かる通り――4本のサイドチャンネルが出ており、その入口開口部628が溝壁面の領域内にある。サイドチャンネルの直径は、例えば約0.8mmである。図示された実施例では、サイドチャンネルは対ごとに2つの隣接する溝の中に通じる、それも、ある溝の入口開口部がその溝に並行に走る螺旋の上に位置するように通じる。しかし、――上の説明からすでに明らかな通り――入口開口部がそのように狭く集中する必要はない。これも、はるかに大きい中心角全体にわたって分布してよく、ここでは、わずかに請求項2の基準が満たされていさえすればよい。
【0090】
図17から明らかな通り、サイドチャンネル626は、その軸627が流動剤チャンネル624の中心軸623に対して鋭角PHIで傾斜している。この角度は、例えば、どのサイドチャンネルについても約60゜である。
【0091】
図14ないし図17による構成の別の特殊性は、切断縁620*が特別に構成されている点にあり、しかも――図16から詳細にわかるように――、切断縁620*に、正の切削角又は逆切削角RSWが生じるようになっている。この切削角は、本実施例において例えば3°である。したがって切断縁620*は、鋭い刃になり、この刃は、残りの切りくずをかき取るのではなく、切断するように取り除く。半径方向外方に切り欠き14の内壁に向けられた切断ヘッドの押付けは、したがってこの工具によって小さく維持することができる。
【0092】
図11ないし図17による工具の動作様式は、基本的に記載した別の構成のものに相当する。しかし前記の工具の使用可能性の変形は、なお工具を挿入する切り欠き14の中心に対する工具の中心軸線523又は623の意図した配置によって、ばり取り過程を最適化することができることにあることを、ここにおいて強調しておく。中心軸線523、623を切り欠きの中心と正確に一直線上にあるようにすると、切断ヘッドは、切り欠きの内表面の均一な加工を行なう。切断ヘッドの意図的な中心を外した方法により、望ましくはばり取りすべき連通位置16の位置に半径方向中心外し位置を同調するようにすることによって、切断ヘッドに、――これが切り欠き内に運び込まれた場合――、流れ媒体による圧力作用の際に、運動を強制することができ、この運動は、ばり取りすべき連通位置16の範囲における少なくとも1つの切断縁の押付け圧力が、切り欠き14の内表面のその他の範囲における押付け圧力の負荷に対して増強されるようにする。ばり取り機能は、このようにして意図的にさらに効率的にすることができ、とくに1つだけのばり取りすべき連通位置16が存在するとき、又は複数の連通位置が角度的に比較的に互いに近くに並んでいるときに、効率的にすることができる。
【0093】
前に工具の内部に供給される流れ媒体の静液圧的な動圧力が、工具内に統合された半径方向力発生装置を準備するために利用される構成を説明し、この半径方向力発生装置によって、切断ヘッドが遊びを持って切り欠き内又は穴内に挿入可能であるようにその直径を選択した切断ヘッドは、その回転運動の際に望ましくは制御されて半径方向に転向可能である。この変形は、内壁の範囲において流れ媒体の流出が行なわれ、しかも連通口に内壁が対向するように行なわれる。換言すれば、図1ないし図17による構成の切断ヘッドは、少なくとも1つの出口開口28がなお切り欠き14の内側にあるようになる場合に限って、十分に大幅に転向することができる。
【0094】
切断ヘッドの軸線方向全長をかつそれどころか軸への移行部の範囲をばり取り過程のために利用できるようにするために、図18の変形が使われる:
【0095】
この変形によれば、切断ヘッド722の後側の切断面又は丸形移行部741を利用することによって、とくに穴714の位置717のばり取りが簡単になるようにする。切断ヘッド722自体は、幾何学的構造、材料及び特性に関して前記のもの又は特許請求の範囲に輪郭を記載したものと同様に形成することができるので、これについては、ここでは詳細に立入らない。概略的に暗示したように、ばり取りのために設けられた切断縁は、いわゆるBIAX溝750によって形成することができる。しかし切断縁の別の幾何学的構造も同様に可能である。
【0096】
切断ヘッド722が穴714からかなりの程度まで出たときにも、静液圧転向力が発生できるようにするために、軸720は、切断ヘッドに対して軸線方向間隔を置いて、案内及び支持部材752を支持し、この案内及び支持部材は、所定の幅の機能ギャップ754が形成されるように、穴714の内径に整合された直径DFを有する。この機能ギャップは、周にわたって変化してもよく;連通開口728*の範囲における寸法が決定的である。図18の表示によれば、いずれにせよ二重の破線で暗示した半径方向通路システム728も内部に形成することができる切断ヘッド722が穴714から出たときにも、連通開口728*を介して必要な動圧力を構成することができることは明らかである。図18に示した位置において、丸形切断面741は、内側通路724の流体圧力作用の際に、範囲717のばり取りのためにも有効に利用することができ、その際、この瞬間に工具がわずかな軸線方向張力を受けることは、有利なことがある。
【0097】
前記の変形は、内側にある圧力流体通路システムの形の半径方向力発生装置を工具に統合している。代案は、図19に示されている。
【0098】
ここでは切断ヘッドの制御された半径方向の転向は、動的な力によって、すなわちアンバランス質量の遠心力によって発生される。切断ヘッド822は、再び前に説明した変形において述べたように、したがって例えば図18に示したように形成することができる。内側通路システムの代わりに、軸820は偏心リング860を支持し、この偏心リングは、望ましくは軸線方向にかつ回転方向に可動に、軸820上にあり、例えばここにおいて止めねじ862によって固定クランプすることができ。軸線方向の移動は、動的な半径方向力の大きさを制御することを可能にし、とくに軸の安定性に整合することを可能にする。切断ヘッド822の切断縁を片側において消耗しないようにするために、規則的な時間間隔を置いてアンバランス部材860を回すことは有利である。
【0099】
特別なアンバランス部材の代わりに、アンバランス力を発生するために、明らかに別の処置を用いることもできる。アンバランスは、非対称研磨部を取付けることによって、例えば工具に一片で統合することができる。
【0100】
図20ないし図22により、きわめて小さいかつアクセスしにくい穴を効果的にばり取りすることができる本発明の実施例を説明する。説明を簡単化するために、この構成においても前に説明した変形の構成部分に相当する部品は、類似の参照符号を備えるが、“9”がこれらの参照符号の前に付けられている。ばり取りすべき穴914において例えば0.7mmの直径及び例えば6ないし7mmの長さLの穴が問題になっており、その際、この穴は、深い穴970に続いており、この深い穴は、同様に例えば4mmまでの小さな直径DT及び例えば80mmの深さTTを有する。図21において、穴914の範囲における状況は、尺度M、10:1において示されている。
【0101】
破線によって、ばり取り工具の尖端範囲が暗示されており、このばり取り工具の切断ヘッド922は、出口縁972がばり取りを行なうことができるまで、穴914内に挿入されている。
【0102】
工具910は、図22に正確な尺度で示されており、しかもほぼ5:1の尺度Mで示されている。
【0103】
締付け区間944に軸920が続いており、この軸の長さLSは、少なくとも穴970の寸法TTに相当し、かつこの軸の直径DSは、軸920が所定の半径方向遊びSRを持って穴970内に収容できるように選択されている。穴970とばり取り過程のために穴内に挿入される工具910との間の位置対応は、図22に、穴970の破線表示によって暗示されている。
【0104】
軸920は、再び内側穴924を有し、この内側穴を介して締付け区間944から圧力媒体が供給可能である。参照符号926によって半径方向通路が示されており、この半径方向通路の連通開口は、所定の間隔を置いて、穴970の内壁に対向している。
【0105】
軸920は、部材944から離れた方の側にいわゆるばり取りやり974を支持し、このばり取りやりは、ピン976の端部に本来の切断ヘッド922を支持している。切断ヘッドの直径D922は、穴914の直径D914よりわずかに小さい。さらに図22から認識可能なように、ばり取りやり974は、取外し可能に工具軸920に取付けられており、例えば内側穴924を閉じるようにねじ止めされている。
【0106】
工具の説明によれば、内側穴924に圧力を作用した際に、周にわたって不均一に半径方向穴926を分配することによって、軸920の、したがって切断ヘッド922の半径方向の転向を引起こすことができ、それによりばり取り過程を行なうことができることが明らかである。位置972におけるものと同様に、穴914の範囲978もばり取りすることができる。
【0107】
図22による工具の構成は、区間944に対して、軸920に対して、かつ切断ヘッド922を含む本来のばり取りやり974に対して、異なった材料を利用することを可能にする。軸920は、その直径DSに比較してきわめて大きな軸線方向長さを有するので、この軸を高強度の材料から製造し、この材料の弾性を、ばり取りの際に生じる半径方向転向がもっぱら材料の弾性変形範囲内にあるように選択することは、有利であるとわかった。適当な材料は、例えば硬質金属又はサーメットのような硬質材料であるが、例えばCFK複合材料のような複合材料でもある。
【0108】
明らかに切断ヘッド922の形は、図示された幾何学的構造に限定されているわけではない。それどころかあらゆる慣用の幾何学的構造を利用することができ、その際、刃の構成も、広い限界内において変化することができる。穴914の軸線方向長さに応じて、ピン976の長さL976が選択される。
【0109】
半径方向穴926の構成に関して、前記の実施例においても説明したように、新たに構成又は大きさ、位置及び数による変形に対する大きな余地がある。
【0110】
図22による工具は、明らかに工具内に統合されたアンバランスによっても(図18及び図19に関連して説明した)、ばり取り過程のために必要な運動をするように励起することができる。
【0111】
明らかに本発明の基本思想から外れることなく、前記の構成と相違することも可能である。
【0112】
例えば内側にある複数の流れ媒体通路を設けることができる。
【0113】
軸線方向に段を有する複数の穴のばり取りを行なうために工具を利用するとき、切断ヘッドがばり取りすべき穴通口の近くに達したときにだけ、圧力を高めることによって工具の流れ媒体供給を行なうことは有利である。
【0114】
切断ヘッドの幾何学的構造に関しても、本発明は、図示した構成に限定されるものではない。切断ヘッドの慣用のかつ有意義な構成に対する例は、例えば硬質金属フライスピンに対しても――例えばAugust Ruggeberg GmbH &Co. KG、PFERD−工具、51709 Marienheide――利用されるように、円筒形、炎形、球形、ローラ丸形、尖端弧形、尖端球形、円弧形、円板形および水滴形である。
【0115】
“水切断効果”による、すなわち切断噴流の構成だけによる、又は工具軸の、したがって切断ヘッドの半径方向転向に通じる半径方向に出る流れ媒体の流れによって引起こされる動圧力によるものであれ、比較的高い圧力を受けた流れ媒体をばり取りのために利用する思想だけにおいても、本発明が認められることは、前にも挙げた。
【0116】
したがって本発明は、例えば側方に大体においてシリンダ切り欠き内に連通する穴のような通口のばり取りを行なう望ましくは回転駆動される工具を提供する。工具は、軸にある切断ヘッドを有し、この切断ヘッドは、少なくとも1つの切断縁を有し、この切断縁は、少なくとも一部区間において軸線方向に延びている。ばり取りを確実にかつできるだけわずかな費用で行なうことができるようにするために、工具内に、例えば内側にある少なくとも1つの流れ媒体通路の形の半径方向力発生装置が統合されており、この流れ媒体通路から少なくとも1つの差込み通路が出ており、この差込み通路は、切断ヘッドの範囲において又はその近くにおいて、望ましくは少なくとも1つの切断縁に対して周方向間隔を置いてその外側周面に口を開いている。切断ヘッドの直径は、この切断ヘッドが半径方向の遊びを持って切り欠き内に挿入可能であるように選択されているので、工具の回転の際に又は圧力をかけた流れ媒体の供給によって発生される半径方向力は、切断ヘッドを半径方向に弾性的に転向するようになっており、それにより切り欠きの内側表面は、おだやかに加工することができ、かつその際、ばり取り過程は、確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施態様による発明通りの工具の概略側面図である。
【図2】図1における細部“II”を示す。
【図3】図2における概略断面III−IIIを示す。
【図4】発明通りの工具の更なる実施態様の概略側面図である。
【図5】図4における矢視“V”を示す。
【図6】図1に示した工具の一バリエーションの概略部分図で、工具が工具ホルダで受け止められ、定着した状態を示す。
【図7】図6における矢視“VII”を示す。
【図8】切込み前および切込み中の発明通りの工具の位置を概略的に示す。
【図9】カッタヘッドの作りのバリエーションを示す。
【図10】カッタヘッドの作りのバリエーションを示す。
【図11】ばり取り工具の更なる実施態様の概略側面図を大きく拡大して示す。
【図12】図11による工具のカッタヘッドを少し拡大して示す。
【図13】図12における断面XIII−XIIIを拡大して示す。
【図14】ばり取り工具の更なる実施態様の概略側面図を少し拡大して示す。
【図15】図14による工具のカッタヘッドを拡大して示す。
【図16】図15における断面XVI−XVIの一部分を示す。
【図17】図15によるカッタヘッドの概略断面図で、その中に設けられたサイドチャンネルの位置を示す。
【図18】本発明の更なる実施態様の概略を、図8に類似の形で示す。
【図19】本発明の更なる実施態様を、図18に類似の形で示す。
【図20】特別な作りの発明通りの工具を使って特に接近しづらい箇所のばり取りをしようとするドリル穴の概略図である。
【図21】図20における細部“XXI”を示す。
【図22】図20、21に示した加工課題を解決することのできる工具を、図21と比べてやや小さくした縮尺で示す。
【符号の説明】
10 工具
12 穴
14 切り欠き
16 内側端部
18 加工片
20 軸
20* 切断縁
22 切断ヘッド
24 流れ媒体通路
26 差込み通路
28 連通開口
30 工具収容部
32 回転駆動装置
36 流れ媒体源
38 軸線
40 切断面
44 部材
110 工具
120 軸
124 流れ媒体通路
130 工具収容部
144 部材
150 ロック部材
152 鍵穴収容部
154 収容穴
156 肩部
220 軸
222 切断ヘッド
224 流れ媒体通路
244A 部材
520 軸
520* 切断縁
522 切断ヘッド
524 流れ媒体通路
526 差込み通路
528 連通開口
620 軸
620* 切断縁
622 切断ヘッド
624 流れ媒体通路
626 差込み通路
628 連通開口
720 軸
722 切断ヘッド
740 切断面
822 切断ヘッド
920 軸
922 切断ヘッド
Claims (48)
- 軸(20;120;220;520;620)にある切断ヘッド(22;222;522;622)を有し、この切断ヘッドが、少なくとも1つの切断縁(20*;520*;620*)を有し、この切断縁が、少なくとも一部の区間において軸線方向に延びており、かつ工具と加工片との間の相対運動に基づいて、切断加工を行なう、例えば側方に例えばシリンダ切り欠き(14)に口を開いた穴のような穴のばりを取る工具、とくに回転駆動される工具において、工具内に統合された半径方向力発生装置が設けられており、この半径方向力発生装置によって、切断ヘッドが遊び(SR)を持って切り欠き(14)内又は穴(12)内に挿入可能なようにその直径(DS)を選択した切断ヘッド(22;522;622;722;822;922)が、その回転運動の際に望ましくは制御されて半径方向に転向可能であることを特徴とする、穴のばりを取る工具、とくに回転駆動される工具。
- 工具内に統合された半径方向力発生装置が、少なくとも1つの内側にある流れ媒体通路(24;124;224;524;624)を有し、この流れ媒体通路から少なくとも1つの差込み通路(26;526;626)が出ており、この差込み通路が、切断ヘッド(22;522;622)の範囲に又は少なくともその軸線の近くに、望ましくは少なくとも1つの切断縁(20*;529*;620*)に対して周方向間隔を置いて、工具の外側周面に口を開いていることを特徴とする、請求項1に記載の工具。
- 相応する数の連通開口(28;528;628)を有する複数の差込み通路(26;526;626)が設けられており、これらの連通開口が、周にわたって不均一に分配されており、連通開口(28;528;628)の範囲において工具又は切断ヘッド(22)と切り欠き(14)の内壁との間に生じる動圧力(FSD)の合計が、軸(20)を半径方向に転向することができるようになっていることを特徴とする、請求項2に記載の工具。
- 複数の差込み通路(26;626)が設けられており、これらの差込み通路の連通開口(28;628)が、軸線方向にずらされていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の工具。
- 少なくとも1つの差込み通路(26;526;626)が、0.1ないし5mmの範囲の直径を有することを特徴とする、請求項2ないし4の1つに記載の工具。
- 複数の内側にある流れ媒体通路が設けられていることを特徴とする、請求項2ないし5の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの連通開口(28)が、切断縁(20*)の範囲にあることを特徴とする、請求項2ないし6の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの連通開口(28;528;628)が、2つの隣接する切断縁(20*)の間の溝底部の範囲にあることを特徴とする、請求項2ないし6の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの差込み通路(26;526;626)が、直線的に形成されていることを特徴とする、請求項2ないし8の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの差込み通路(26)が、穴によって形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の工具。
- 少なくとも1つの差込み通路(26)が、浸食された切り欠きによって形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の工具。
- 工具(10)の軸線(38)に対する差込み通路(26)の角度(WN)が、5ないし175°の範囲に、望ましくは40と60°の間にあることを特徴とする、請求項9ないし11の1つに記載の工具。
- 軸(20)が、切断ヘッドから離れた方の側に部材(44;144;244A)を支持し、この部材を介して流れ媒体が、少なくとも1つの流れ媒体通路(24;124;224)内に供給可能であることを特徴とする、請求項2ないし12の1つに記載の工具。
- 部材が、流れ媒体を供給するために同時に取付け及び固定部材(44;144)を形成しており、この取付け及び固定部材によって工具が、工具収容部(30;130)内に回らないようにかつ移動しないように固定可能であることを特徴とする、請求項13に記載の工具。
- 多数の連通開口(528;628)が周範囲にあり、この周範囲が120°ないし140°までの中心角(WZ)によって制限されていることを特徴とする、請求項2ないし14の1つに記載の工具。
- 多数の連通開口(528;628)が、周方向に互いに均一にずらされて配置されていることを特徴とする、請求項15に記載の工具。
- 複数の連通開口(628)が、少なくとも1つの大体においてら旋状の線上にあることを特徴とする、請求項2ないし16の1つに記載の工具。
- 工具内に統合された半径方向力発生装置が、アンバランス質量によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の工具。
- アンバランス質量が、工具と一片で形成されていることを特徴とする、請求項18に記載の工具。
- アンバランス質量が、分離した構成部分として、望ましくは位置可変に工具に取付けられていることを特徴とする、請求項18に記載の工具。
- 周にわたって分配された多数の切断縁(20*;520*;620*)が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし20の1つに記載の工具。
- 軸(20)が、5ないし1000mmの範囲の長さを有することを特徴とする、請求項1ないし21の1つに記載の工具。
- 軸(20;520;620)が、切断ヘッド(22;522;622)の直径に対する比において先細になっていることを特徴とする、請求項1ないし22の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの切断縁(20*;520*;620*)が、工具(10)の軸線(EA)に対して所定の角度をなして設置されていることを特徴とする、請求項1ないし23の1つに記載の工具。
- 切断ヘッド(22;722)が、少なくとも軸(20;720)から離れた方の側に切断面(40;740)を有し、この切断面が、望ましくは面取り又は丸めによって形成されていることを特徴とする、請求項1ないし15の1つに記載の工具。
- 半径方向の遊び(SR)が、0.1と5mmの間の範囲にあることを特徴とする、請求項1ないし25の1つに記載の工具。
- 少なくとも切断ヘッドが、例えば耐磨耗性の鋼、HSS、HSSE又はHSSEBMのような高速鋼、硬質金属、セラミック、サーメット又はその他の焼結金属材料のような高強度の材料からなることを特徴とする、請求項1ないし26の1つに記載の工具。
- 軸(20)が、切断ヘッド(22)から離れた方の側に取付け及び固定部材(44;144;244)を支持し、この取付け及び固定部材によって工具が、工具収容部(30;130)内に回らないようにかつ移動しないように固定可能であることを特徴とする、請求項1ないし27の1つに記載の工具。
- フライス−、穴あけ−、とくに深穴穴あけ−、直線溝切り穴あけ−又はら旋穴あけ工具として又はリーマとして形成することを特徴とする、請求項1ないし28の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの切断縁(620*)が、正の切削角(RSW)を有することを特徴とする、請求項1ないし29の1つに記載の工具。
- 少なくとも1つの切断縁(520*)が、負の切削角を有することを特徴とする、請求項1ないし29の1つに記載の工具。
- 少なくとも切断縁(520*)が、大体においてら旋状に延びていることを特徴とする、請求項1ないし31の1つに記載の工具。
- 少なくとも軸(20;920)が、例えば硬質材料、硬質金属、サーメット材料又は例えばCFK材料のような複合材料からなるような高強度の材料からなり、かつばり取り過程の際に生じる切断ヘッドの、したがって軸の半径方向のたわみがもっぱら弾性変形範囲内にあるような弾性を有することを特徴とする、請求項1ないし32の1つに記載の工具。
- 望ましくは例えばダイヤモンド、望ましくはナノ結晶ダイヤモンド、TiN又は(Ti,Al)Nからなるような硬質材料層、多重層、又は金属成分Cr、Ti及びAl及び望ましくはわずかな割合の粒子を微細化する元素を含む窒化物からなる層としての構成において被覆を行ない、その際、Crの割合が、30ないし65%、望ましくは30ないし60%、とくに望ましくは40ないし60%にあり、Alの割合が、15ないし35%、望ましくは17ないし25%にあり、かつTiの割合が、16ないし40%、望ましくは16ないし35%、とくに望ましくは24ないし35%にあり、しかもそれぞれ層全体におけるすべての原子に関してこの範囲にあることを特徴とする、請求項1ないし33の1つに記載の工具。
- すべての層の構成が、均一な混合相からなることを特徴とする、請求項34に記載の工具。
- すべての層の構成が、それ自体均一な複数の個別層からなり、これらの個別層が、一方においてx=0.38ないし0.5及びy=0.48ないし0.6及びz=0ないし0.04を有する(TixAlyYz)から、及び他方においてCrNからなり、その際、望ましくは磨耗防止層のいちばん上の層が、CrN層によって形成されていることを特徴とする、請求項34又は35に記載の工具。
- 穴が、側方に大体においてシリンダ切り欠き(14)内に口を開いている、請求項1ないし17及び21ないし36の1つに記載の工具によって、穴のばりを取る装置において、回転駆動装置(32)、及び少なくとも1つの流れ媒体通路(24)に圧力をかけられた流れ媒体を供給する流れ媒体源(36)が設けられていることを特徴とする、穴のばりを取る装置。
- 流れ媒体が、流体の又はガス状の冷却及び潤滑剤によって形成されていることを特徴とする、請求項37に記載の装置。
- 圧力発生装置(36)が設けられており、この圧力発生装置によって3ないし3000バールの範囲内の流れ媒体圧力が発生可能であることを特徴とする、請求項37又は38に記載の装置。
- 請求項14に記載の工具を有する装置において、工具収容部が設けられており、この工具収容部内に、バヨネット止め金の様式にしたがって取付け及び固定部材(244)が収容されていることを特徴とする、請求項37ないし39の1つに記載の装置。
- 穴が、側方に大体においてシリンダ切り欠き(14)内に口を開いており、工具が、切断ヘッドから離れた方の側に、圧力をかけられた流れ媒体を供給するために角柱状の、とくに円柱状の部材を支持する、とくに請求項14に記載の工具によって、穴のばりを取る装置において、流れ媒体圧力が、工具収容部(30;130)内において工具(10;110)を軸線方向に固定的にかつ回らないように固定するために利用されることを特徴とする、とくに請求項37ないし40の1つに記載の穴のばりを取る装置。
- 工具収容部が、流れ媒体を供給する部材(144)のための円筒形の収容穴(154)、及び鍵穴収容部(152)を有するように形成された半径方向に可動のロック部材(150)を装備しており、流れ媒体圧力が取付け及び固定部材(144)内に供給されるとき、このロック部材に、取付け及び固定部材(144)の肩部が押付け可能であることを特徴とする、請求項41に記載の装置。
- 穴が、大体においてシリンダ切り欠き(14)内に口を開いている、請求項37ないし42の1つに記載の装置によって、穴のばりを取る方法において、切り欠き(14)内に挿入された工具(10)を通って案内される流れ媒体の圧力が、切断ヘッド(22)を半径方向に転向し、かつそれにより少なくとも1つの切断縁(20*)を取り除くべき切りくずに噛み合わせるために利用されることを特徴とする、穴のばりを取る方法。
- 少なくとも1つの連通開口(28)から出る流れ媒体が、切断噴流を発生し、この切断噴流によって切削加工を引起こすことができることを特徴とする、請求項43に記載の方法。
- a)切り欠き(14)を備えた加工片に関して相対回転運動を行なう工具(10)を切り欠き内に挿入し、かつ
b)切断ヘッド(22)を同時に半径方向に転向する際に、工具(10)を通る圧力をかけた流れ媒体の流れを構成する:
方法ステップを特徴とする、請求項43又は44に記載の方法。 - 方法ステップb)の間に、工具(10)及び/又は加工片が、送り運動を行なうことを特徴とする、請求項45に記載の方法。
- 工具(10)及び/又は加工片が、100と50000r/minとの間の範囲の回転速度で駆動されることを特徴とする、請求項43ないし46の1つに記載の方法。
- 切断速度が、20と300m/minとの間の範囲に選択されることを特徴とする、請求項43ないし47の1つに記載の方法。
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