JP2010149271A - 角部加工工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、バリの除去や角部形状の付与のための刃部を穴端面部にのみ接触させて、穴の内壁面の品質を劣化させること無く、また適正な回転条件を検討する必要がなく、且つ容易にバリ除去や角部形状を付与する角部加工工具の提供にある。
【解決手段】切削液が通過できる空間5を形成した本体部4と、本体部4に設けられ本体部4の外側へ変位可能な刃部8とを有し、空間5を通過してきた切削液の静水圧力の変化に応じて刃部8を本体部4の外側へ変位させて刃部4により本体部1を回転させて角部を加工することで上記課題を解決できる。
【選択図】図2
【解決手段】切削液が通過できる空間5を形成した本体部4と、本体部4に設けられ本体部4の外側へ変位可能な刃部8とを有し、空間5を通過してきた切削液の静水圧力の変化に応じて刃部8を本体部4の外側へ変位させて刃部4により本体部1を回転させて角部を加工することで上記課題を解決できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、角部加工工具に関し、特に、機械要素部品の貫通穴形成時や溝部形成時の角部に対して加工する角部加工工具に関する。
機械要素部品は、貫通穴、交差穴等の穴形状を含む部品や、スプライン軸や滑り軸のように外周部分に軸と平行な溝を有する部品があり、この穴形状や溝をドリル工具や旋削により機械加工形成する段階で、ドリル工具、旋削工具による加工入り口と出口の角部において、バリが発生する。
図1は、このような加工により生じるバリの発生状態を示したものであり、(a)は交差穴が直交する場合、(b)は交差穴が斜めに交差する場合、(c)は軸と平行な溝を形成した場合のバリの典型的な発生状態を示す。
図1は、このような加工により生じるバリの発生状態を示したものであり、(a)は交差穴が直交する場合、(b)は交差穴が斜めに交差する場合、(c)は軸と平行な溝を形成した場合のバリの典型的な発生状態を示す。
図1(a)にみられるように、機械要素部品を構成する材料に、ドリル工具により水平方向に第1の穴を形成し、次に第2の穴を第1の穴に対して、軸方向に垂直な方向に交差する穴を形成する場合、交差する部分において、第2の穴の外周に沿って下向きのバリが生じる。
また、図1(b)にみられるように、軸方向に対し傾斜する方向に第1の穴を形成し、次に第2の穴を垂直方向に形成する場合は、特に第2の穴が第1の穴に鋭角に交差する部分において、第2の穴の外周にそって下向きのバリが発生する。
さらに、図1(c)にみられるように、旋削工具により軸と平行な溝を形成すると、特に旋削工具が溝から脱ける方向にバリが発生する。
また、図1(b)にみられるように、軸方向に対し傾斜する方向に第1の穴を形成し、次に第2の穴を垂直方向に形成する場合は、特に第2の穴が第1の穴に鋭角に交差する部分において、第2の穴の外周にそって下向きのバリが発生する。
さらに、図1(c)にみられるように、旋削工具により軸と平行な溝を形成すると、特に旋削工具が溝から脱ける方向にバリが発生する。
このようなバリが残存すると、特に油空圧機器などでは致命的なトラブルを誘発する場合があることから、機械要素の性能上、バリ発生状況に応じて前記角部のバリを最適に除去する必要がある。また、バリを除去した後の角部の形状が鋭利過ぎると、角部に集中応力が生じ、機械要素を使用しているときに角部の損耗が激しくなり、場合によっては角部が欠落する場合がある。このため特に丸ピンと穴部で相対位置を決める必要のある機構部品等においては致命的な欠陥となるため、応力集中を緩和する目的で、それぞれの角部に最適な角部形状を付与する必要がある。
この穴形状を形成した後のバリ取り及び角部形状の付与方法は、空圧モータもしくは電動モータの回転運動やスライド運動を利用した自動やすり工具を用いて、人手で行うことが最も一般的である。しかしながらこの方法においては、バリの除去量と角部付与量が人手作業のため安定せず、作業時間が長くなる。また、例えば、穴の直径が概ね10mm以下で深さが直径より深い場合は、やすり工具の加工面を前記加工穴の工具出口に当てることができないために、工具出口のバリの除去と角部形状の付与が不可能な場合がある。さらに、穴の直径が大きくても穴の深さが深い場合は工具が入らず角部の加工をできない可能性がある。
この工具出口側のバリ除去自動化のために、例えば特許文献1に開示されているようなバネ機構により外周方向に移動可能な刃部を持つ穴あけ工具をNC機械加工機の主軸に取付けて、加工穴出口のバリを除去する方法がある。
バネなどの機械的な機構を持たない方法として、非特許文献1に記載されている様な、NC機械加工機の主軸にブラシ工具を取付けて、工具を回転させながら穴に挿入してバリを除去する方法がある。またNC機械加工機の主軸に砥石工具を取付けて工具を穴の端面に沿って移動させてバリの除去と角部を付与する方法がある。
自動化のための図解バリ取り技術 切削油技術研究会編 46ページ 工業調査会
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような工具では、バネ機構により外周方向に移動可能な刃部を持つため、刃部の一部が加工した穴の内壁面に接触してしまい、穴の品質を低下させてしまう可能性がある。また非特許文献1のようにブラシ工具を用いる場合は、バリの発生の無い部分である穴内壁にもブラシが接触するため、やはり穴の品質を低下させる場合がある。また砥石工具を用いる場合では、砥石の摩耗及び穴位置精度によって、バリの除去量と角部形状が安定しない場合がある。また従来技術では、バリを除去した後の角部形状を自動的に付与するには工具の回転条件の適正化に時間を要するなどの課題がある。
さらに、図1の(a)〜(c)のように、種々のバリ発生状況に応じて、効率的にバリ除去及び角部付与をすることが困難であった。
さらに、図1の(a)〜(c)のように、種々のバリ発生状況に応じて、効率的にバリ除去及び角部付与をすることが困難であった。
そこで、本発明の目的は、バリの除去や角部形状の付与のための刃部を穴端面部にのみ接触させて、穴の内壁面の品質を劣化させること無く、また適正な回転条件を検討する必要がなく、且つ、その際、NC装置等の機械加工機が、各加工の態様により異なる種々のバリの発生状況に対応した最適形状の刃部を選択できるようにすることにより、自動的にかつ容易にバリ除去や角部形状を付与する角部加工工具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の角部加工工具は、切削液が通過できる空間を形成した本体部と、前記本体部に設けられ前記本体部の外側へ変位可能な刃部とを有し、前記空間を通過してきた切削液の静水圧力の変化に応じて前記刃部を前記本体部の外側へ変位させて当該刃部により前記本体部を回転させて角部を加工することを特徴とする。
さらに、本発明の角部加工工具は、前記刃部は弾性部材を介して前記本体部に取付けられ、前記切削液の静水圧力が上昇するに従い、前記弾性部材の弾性力に抗して前記刃部が前記本体部の外側へ変位させることを特徴とする。
その際、各角部加工工具の種別毎に、切削液の静水圧力と前記刃部の外側変位量との関係を予め実験により求めておき、角部を加工するに際し、必要な外側変位量が得られるよう、選択された切削液の静水圧力が供給されるようにしたことを特徴とする。
また、上述の角部加工工具において、前記刃部の切り刃部が、回転方向に対し垂直で、かつ、外周側に軸方向に対し傾斜する辺を備えた面を有し、この切り刃部により角部を付与することを特徴とする。
さらに、上述の角部加工工具において、前記刃部の切り刃部が、回転方向に対し鈍角で、角部を加工する刃部の形状が、切削方向に対するすくい角が−45°以上を有し、逃げ角が+45°以上の曲面形状の面を有し、この切り刃部により角部を付与することを特徴とする。
本発明によれば、前記工具を用いることにより、NC加工機等の機械加工機の主軸回転を利用するので、バリ除去や角部付与のための作業者を必要としない。また、前記工具のバリ除去や角部形状付与に関わる刃具の直径変化量を、機械加工機の主軸の回転速度に依存しないで決定でき、付与量を切削液の供給圧力で決定できるので、予め適正な主軸回転数などを検討する必要が無い。また切削液の供給圧力によって刃先変位量を決定できるので、工具穴の端面に沿って移動させる必要が無いので、加工時間を短くできる。
その際、刃部の切り刃部が、回転方向に対し垂直で、かつ、外周側に軸方向に対し傾斜する辺を備えた面を有するもの、あるいは、回転方向に対し鈍角で、角部を加工する刃部の形状が、切削方向に対するすくい角が−45°以上を有し、逃げ角が+45°以上の曲面形状の面を有するものを選択することにより、種々のバリ発生状況に応じて、最適なバリ除去及び角部付与を可能とする。
その際、刃部の切り刃部が、回転方向に対し垂直で、かつ、外周側に軸方向に対し傾斜する辺を備えた面を有するもの、あるいは、回転方向に対し鈍角で、角部を加工する刃部の形状が、切削方向に対するすくい角が−45°以上を有し、逃げ角が+45°以上の曲面形状の面を有するものを選択することにより、種々のバリ発生状況に応じて、最適なバリ除去及び角部付与を可能とする。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。以下説明中に参照する図面において、同一機能を有するものは同一の参照符号を付し、重複説明は可能な限り省略する。
図2は本発明による交差穴のバリ除去及び角部形状を形成する実施例1を説明するための要素断面図である。図2(a)は、予め材料1に第1の穴2と第2の穴3をドリル工具で形成した交差穴が形成されたものに、本発明による角部加工工具(工具20)を機械加工機の主軸に取付けた状態で機械加工機の自動移動機構により、穴3の中に移動させた状態を説明する要素断面図である。また図2の(b)は、機械加工機の主軸を回転させ、バリを除去且つ穴3の出口の角部形状を付与している状態を説明する要素断面図である。
まず図2(a)を用いて、実施例1に関わる工具20の構造について説明する。工具20は、工具本体部4と、工具刃先支持部7と、工具刃部8とを有しており、工具本体部4の上部は、機械加工機の主軸(回転軸)へ容易に取付けるために、円形状をしている。この工具本体部4の軸中心部には、工具の先端部(図面では下部)まで埋設した穴5が設置されており、通常の機械加工機に用意されている切削加工中の切削箇所の冷却と潤滑を目的とした切削液が通過できるようにしている。この穴5は工具本体部4の先端部において、直径方向への通過穴6が設置されており、工具本体部4の外周に一部が接合された工具刃先支持部7と、この工具刃先支持部7に接合された工具刃部8を経由して切削液が外部に放出される構造となっている。通過穴6の出口近傍には、図3(a)、(b)に示されるように工具刃先支持部7や工具刃部8の内側に位置する場所に出口空間6aを有している。
工具刃先支持部7の一端は、出口空間6aより上部の工具本体部4に、例えば、ロウ付けやねじ止め等で、接合され、工具刃先支持部7の他端は、工具刃部8がロウ付け等で接合されている。工具刃部8の下側には、工具本体部4の底部4aが形成されている。尚工具本体部4の材質は工具鋼が適用され、工具刃先支持部7の材質は、弾性的変形に適した材質が選定され、例えば、ばね鋼が適用される。変形工具刃部8の材質は、加工に適した材質が選定され、例えば、超鋼が適用される。工具刃部8の外周部先端部には、バリの除去と角部付与に必要な刃先形状が付与された構造である。また工具20の直径は工具刃部8の外周部への突出を含めて、穴3より、0.1mm小さくしている。
次に図2(a)及び(b)を用いて、バリの除去と角部形状付与の動作について説明する。図2(a)の状態は、工具20の先端部を機械加工機の自動移動機構により、穴3の穴2と交差した部分に生じた角部より下の位置に移動させた状態である。この状態で、機械加工機の主軸から切削液を自動的に供給する。切削液は工具20の工具刃先支持部7と、工具刃部8を経由して工具外部に放出される。このとき工具本体部4と工具刃先支持部7及び工具刃部8との隙間a、bは、例えば、概略0.02mm以下と、わずかな隙間に設定しているため、工具刃先支持7の通過穴6の出口空間(工具刃部8の背面部)6aにおいて、切削液圧力が機械加工機の切削液供給圧力とほぼ同じ静水圧力を保つことになる。この結果、この圧力により工具刃先支持部7に直径方向のたわみ変形が外周部に向かって生じる。このため工具刃先支持部7に接合された工具刃部8も外周部に向かって直径方向に変位する。この様な状態になった後、機械加工機の主軸を回転させて、機械加工機の自動移動機構により、穴2側より工具20を上昇させ、穴2と穴3の交差部に工具刃部8を移動させて、交差部に生じたバリの除去や角部形状の付与を行う。図2(b)は、前記動作をさせて交差穴のバリ取りと角部形状付与を同時に行っている状態を示している。そして、切削液の供給圧力を減少させればそれに合わせて工具刃先支持部7の弾性力により工具刃部8は内側へ戻る。
次に、工具刃部8の直径方向移動量と交差穴角部形状の付与量の設定方法について説明する。図3(a)は工具20の先端部の詳細を示す要素断面図である。図3(b)は、(a)に示した要素断面図のCの部分を工具20の軸方向上面から見た要素断面図である。本発明における工具を用いた場合の角部形状付与量は、工具刃先支持部7の寸法と工具刃部8の穴3との隙間量と切削液の供給圧力で決定することができる。図3(a)に示すように、工具支持部7の部材厚さをT、部材長さをLとし,図3(b)に示すように工具支持部7の部材幅をWとした場合、図3(a)に示した工具刃部8の半径方向の変位dは、切削液の供給圧力Pと比例関係にある。尚図3(b)の点線で示した円形状は穴3の内直径を示し、工具刃部8の半径との差、すなわち隙間をCleとして説明する。
ここで、工具刃部8の切れ刃部は、図8(a)に示したように、第2の穴3の軸方向Jに対し平行な面、すなわち、回転方向Mに対し垂直な面で構成され、この面は、外周側に軸方向Jに対し45°の傾斜した辺を備えており、この辺がバリの除去と角部を付与する部分である切れ刃部分Sを構成する。図8(b)は、この切れ刃部分Sが、第2の穴3の角部に生じたバリ部分と角部付与を行っている状況を示す図8(a)の軸方向Jから切れ刃部分Sを垂直に見た要素断面図である。バリの除去と角部付与に必要なすくい角γは軸方向Jに垂直な面と同じ角度の0°とし、逃げ角は11°としている。この切れ刃部Sが回転方向Mに回転することにより送られ、変位dにより切り込まれるため、角部のバリが除去され、且つ切れ刃部分Sは、軸方向Jに対して45°をなしているため、第2の穴3の角部に45°の角部形状を付与することができる。
図4は、この工具刃部8の半径方向の変位dと切削液の供給圧力Pとの関係を示すグラフであって、予め工具刃部8の種別毎に実験により求めたものであり、変位dが生じることで、工具刃部8の直径が増大することを意味する。本発明では、工具支持部7の部材厚さTを1mm、部材厚さWを1mm、部材長さLを10mmとしたが、参考として部材厚さTを1.2mm、部材厚さWを1mm、部材長さLを12mmとした例をあわせて示した。図4に示すように工具刃部8の半径方向の変位dと切削液の供給圧力Pの関係は直線関係にあり、切削液の供給圧力Pを決定すれば、図4を用いて工具刃部8の半径方向の変位dを求めることができる。
次に、この様にして求めた変位dを用いて、角部形状の付与量の設定方法について図5を用いて説明する。図5は、本発明の工具20の先端部に設けた工具刃部8の先端部分と穴3の相対関係を示す要素断面図である。穴3と穴2の交差部分の角部にCor×Cor幅の45度の面取りを行って、Cor×Corの角部形状を付与する場合について説明する。
この場合、穴3の径及び45度の面取りに対応して、NC機械加工機が、最適な工具刃部8を選択する。この場合、工具刃部8の切削に寄与する切れ刃部分の高さ位置と角部を形成しようとする角部高さ位置との差をDifとし、半径方向の穴3との隙間はCle、工具刃部8の半径方向の変位はdとしているので、Corは幾何学的な関係から求めることができる。すなわちCorは、角部高さ位置と切れ刃位置との差Difと半径方向の隙間Cleを加えた値を、工具刃部8の半径方向の変位dから差し引いた値で求めることができる。変位dは図4で説明したように切削供給圧力Pと直線関係にあるので、最終的に角部形状Cor×Corは、前述のように予め求めておいた、選択された工具刃部8の半径方向の変位量と切削液の供給圧力Pとの関係で自動的に決定可能である。
この場合、穴3の径及び45度の面取りに対応して、NC機械加工機が、最適な工具刃部8を選択する。この場合、工具刃部8の切削に寄与する切れ刃部分の高さ位置と角部を形成しようとする角部高さ位置との差をDifとし、半径方向の穴3との隙間はCle、工具刃部8の半径方向の変位はdとしているので、Corは幾何学的な関係から求めることができる。すなわちCorは、角部高さ位置と切れ刃位置との差Difと半径方向の隙間Cleを加えた値を、工具刃部8の半径方向の変位dから差し引いた値で求めることができる。変位dは図4で説明したように切削供給圧力Pと直線関係にあるので、最終的に角部形状Cor×Corは、前述のように予め求めておいた、選択された工具刃部8の半径方向の変位量と切削液の供給圧力Pとの関係で自動的に決定可能である。
なお、この供給圧力Pを調整することにより、供給圧力Pが一定以下の場合は、角部のバリ取りのみの加工とし、供給圧力Pを上げるに従い、dが増加していくので、面取り量を増やすことができ、バリ除去及び角部形状の付与を同時にすることができる。
なお、このように供給圧力Pの上昇により変位dが増加すると同時に、通過穴6及び出口空間6aを介し供給される切削液の流量が増加し変位dに必要な圧力が局所的に下がる圧力損失が生じる可能性があるが、出口空間6aの空間体積を、工具刃先支持7及び工具刃部8と工具本体部4との隙間部分の体積より大きくとっているので、供給圧力の低下は起こらず、変位は供給圧力に比例した出力が得られる。
なお、このように供給圧力Pの上昇により変位dが増加すると同時に、通過穴6及び出口空間6aを介し供給される切削液の流量が増加し変位dに必要な圧力が局所的に下がる圧力損失が生じる可能性があるが、出口空間6aの空間体積を、工具刃先支持7及び工具刃部8と工具本体部4との隙間部分の体積より大きくとっているので、供給圧力の低下は起こらず、変位は供給圧力に比例した出力が得られる。
この様に構成された工具と前述した方法を用いれば、機械加工機の上下移動と回転動作及び切削液の供給圧力だけで、図1(a)にみられような態様で交差穴の角部に発生するバリを除去すると同時に任意の角部形状を付与することが可能であり、角部の形状は切削液の供給圧力によって制御できる。本発明は切削液の供給圧力に応じて工具刃部8を広げるものであり遠心力には略影響されないため、機械加工機の主軸回転による遠心力でブラシやワイヤ等を広げて角部を加工する従来の技術のように高速で回転する主軸機構が不要である。そして、角部形状の付与量が主軸の回転数に依存せず、切削液の供給圧力で決定できるので、実験により試行錯誤して任意の角部形状のための主軸の回転数等の諸条件を検討するための時間が不要となる。また、高速で回転させる必要がないため、加工中に発生する熱が少なく、角部の残留応力を少なくし、角部の変形等を抑えることができる。尚本発明では、工具20の工具刃部8を直径方向に2箇所設置した例を示したが、1箇所であっても効果は変わらない。また本発明では切削箇所に直接かつ必要量の切削液が供給されるので切削箇所の切削温度を下げ、潤滑性を向上できる効果もある。
図6は本発明による交差穴のバリ除去及び角部形状を形成する別の実施例2を説明するための要素断面図である。図6の(a)は、予め材料1に第1の穴2と第2の穴3をドリル工具で形成した交差穴が形成されたものに、本発明による工具30を機械加工機の主軸に取付けた状態で機械加工機の自動移動機構により、穴3の中に移動させた状態を説明する要素断面図である。また図6の(b)は、機械加工機の主軸を回転させ、角部のバリを除去且つ穴3の出口の角部形状を付与している状態を説明する要素断面図である。
まず図6の(a)を用いて、本発明に関わる工具30の構造について説明する。工具30は、工具本体部9と、押し棒11と、ばね12と、工具刃先支持部14と、工具刃部15とを有している。工具本体部9の上部は、機械加工機の主軸(回転軸)へ容易に取付けるために、円形状をしている。この工具本体部9の軸中心部には、工具の先端部(図面では下部)まで埋設した穴10が設置されており、通常の機械加工機に用意されている切削液が通過できるようにしている。この穴10の内直径とほぼ同じ外形寸法を持つ円形状のつば11aを持ち、前記切削液の圧力によって穴10の軸方向に移動可能な押し棒11が内蔵されている。この棒11のつば部の下部11bは、板状の断面をしており、且つ先端部11c(図面では下部)が三角状の形状をしている。尚この部分の板形状とほぼ同じ形状のガイド穴16を穴10の底部に設置し、棒11が容易に上下するための案内形状をなしている。また棒11のつば部11aと穴10の底部9aの間には、ばね12を設置した。また工具本体部10の軸方向の中間外周部には、径方向の通過穴13を設置した。工具刃部15は、工具刃先支持部14を介して工具本体部9と接合されており、工具刃部15が、棒11の三角状の先端部11cが下がることにより背面を内側から押され、外側に変位する。また、棒11の三角状の先端部11cが上がると、工具刃先支持部14の弾性的性質により、工具刃部15は内側の位置に戻る。工具刃部15は、図3(b)のごとく溝内を案内され安定的に変位させることが可能となる。
なお、棒11のつば部の下部11bが円柱で、先端部11cが円錐形状であっても適用できる。
この様な構造により、機械加工機から切削液圧力の供給を開始した場合に棒11は切削液の供給圧力により発生する力により下方向に移動し、機械加工機から切削液圧力の供給を停止した場合には、通過穴13より切削液が穴10より外部に放出されることと、ばね12の復元力が上方向に働くため、棒11が上方向に移動する動作が可能である。
本実施例2における工具30のバリ取りと角部形状付与のための刃部の機構は実施例1と同様である。すなわち、工具本体部9の先端外周に一部が接合された工具刃先支持部14と、工具刃先支持部14に接合された工具刃部15が設置された構造となっており、機械加工機の切削液供給圧力を付加することにより、棒11が下方向に移動し工具刃先支持部15が外周方向に変位して、バリ除去と角部形状付与を同時に実施する。図6の(b)は、前記図6の(a)の状態から、機械加工機の切削液供給圧力と主軸の回転を与えて工具30を上昇させ、穴2と穴3の交差部に移動させて、穴2と穴3の交差部に生じたバリの除去と角部形状の付与を同時に行う状態を示している。なお、実施例1と同じく、穴2の径及び角度形状に対応して選択された工具刃部15の外周方向の変位量と切削液供給圧力との関係は、工具刃部15の種類毎に予め求められており、切削液供給圧力を調整することにより、角部のバリ取りのみの加工や、バリ取りと同時に加工する面取りの量を調整することも可能である。
なお、その際、バリ取りや角部形状の付与に必要な切削液は、径方向の通過穴13を介して供給されるようになっており、切削液供給圧力の上昇に応じて供給量が増大し、加工に必要な切削液を確保するとともに、加工終了時に、切削液供給圧力を低下させると、切削液圧力が通過穴13からリリーフされ、棒11をレスポンスよく上昇させ、刃部を待避させることができる。
この様に構成された工具と前述した方法を用いれば、機械加工機の上下移動と回転動作及び切削液の供給圧力だけで、交差穴の角部に発生するバリを除去すると同時に任意の角部形状を付与することが可能であり、角部の形状は切削液の供給圧力によって制御できるので、機械加工機には高速で回転する主軸機構が不要である。また角部形状の付与量が主軸の回転数に依存しないので、実験により試行錯誤して任意の角部形状を検討する時間が不要となる。尚本発明では、工具30の工具刃部15を径方向に2箇所設置した例を示したが、1箇所であっても効果は変わらない。
図7は本発明に関わる交差穴のバリ除去及び角部形状を形成する別の実施例3を説明するための要素断面図である。図7は予め材料1に第1の穴2と第2の穴3をドリル工具等で斜めに交差するように交差穴が形成されたものに、本発明による工具40を機械加工機の主軸に取付けた状態で機械加工機の自動移動機構により、穴3の中に移動させた状態を説明する要素断面図である。
本実施例3に関わる工具40は、実施例1で説明した工具20と同じ構造持つが、第1の穴と第2の穴が斜めに傾斜して交差するために、工具刃部とバリの相対位置が異なることに対応する目的で、工具刃部17を有している。
図8(a)は実施例1で用いた工具刃部8の斜視図である。図9(a)は、本実施例3で使用する工具刃部17の斜視図を示す。図9(b)は実施例3の斜めに交差した部分の角部を工具刃部17で加工している状況を示す要素断面図である。
図8(a)は実施例1で用いた工具刃部8の斜視図である。図9(a)は、本実施例3で使用する工具刃部17の斜視図を示す。図9(b)は実施例3の斜めに交差した部分の角部を工具刃部17で加工している状況を示す要素断面図である。
図8(a)に示した実施例1の工具刃部8では、実施例1で示したように、第1の穴2と第2の穴3が直交しているので、バリの除去と角部付与のための工具刃先8の切れ刃部Sは第1の穴2の軸方向に対して平行な面、すなわち回転方向Mに対して垂直な面で構成されている。また実施例1の場合の角部形状は角度45°の角部を付与するために、切れ刃部Sは第1の穴の軸方向に対して45°の傾きをなしている。
しかし本実施例3では、第1の穴2と第2の穴3が、斜めに交差しているために、図9(a)で示す工具刃部17の切れ刃部Sは曲面形状をなし、且つ切れ刃部Sは回転方向Mに対して鈍角をなし、本実施例の場合−45°をなしている。さらに切れ刃部の後部、すなわち逃げ面は、回転方向Mと60°の逃げ角を有している。
この様に構成された工具刃先17を有する工具40は、図9(b)で示した加工中の断面に示すように、第1の穴2と第2の穴3との角部で、第1の穴の直径方向に切削液の供給圧力によって、工具の回転方向Mに対して垂直に移動することが出来るため、バリ除去と角部付与が可能となる。また逃げ角が60°あるため、逃げ面と角部が緩衝しないので鋭利な角部を付与できる。尚45°の角部を付与する場合は、逃げ角を45°以上にすれば可能となる。
なお、実施例1、2と同様に、工具の回転方向Mに対する垂直方向の移動量と切削液供給圧力との関係は、工具の種別毎に予め実験により求められており、選択された工具に対応して切削液供給圧力が自動的に選定されるようになっている。
ここで、工具刃部8の切れ刃部は、図9(a)に示したように、第2の穴3の軸方向Jに対し平行な面、すなわち、回転方向Mに対し垂直な面内に構成され、この面は、外周側に軸方向Jに対し曲面状の辺を備えており、この辺がバリの除去と角部を付与する部分である切れ刃部分Sを構成する。図9(b)は、この切れ刃部分Sが、第2の穴3端部のバリ部分と角部付与を行っている状況を示す図9(a)の切れ刃部分Sの法線方向の断面を示した要素断面図である。バリの除去と角部付与に必要なすくい角γは軸方向Jに垂直な面に対して−45°とし、逃げ角は軸方向Jの接線方向を基準として+60°としている。この切れ刃部Sが回転方向Mに回転することにより送られ、切れ刃部分Sが外周方向に変位することより径方向に切り込まれるため、角部のバリが除去され、且つ切れ刃部分Sは、軸方向Jに対して曲面をなしているため、第2の穴3の角部に45°以上の角部形状を回転方向Mに沿って付与することができる。
この様に構成された工具刃先17を有する工具40は、図9(b)で示した加工中の断面に示すように、第1の穴2と第2の穴3との角部で、第1の穴の直径方向に切削液の供給圧力によって、工具の回転方向Mに対して垂直に移動することが出来るため、バリ除去と角部付与が可能となる。また逃げ角が60°あるため、逃げ面と角部が緩衝しないので鋭利な角部を付与できる。尚45°の角部を付与する場合は、逃げ角を45°以上にすれば可能となる。
なお、実施例1、2と同様に、工具の回転方向Mに対する垂直方向の移動量と切削液供給圧力との関係は、工具の種別毎に予め実験により求められており、選択された工具に対応して切削液供給圧力が自動的に選定されるようになっている。
ここで、工具刃部8の切れ刃部は、図9(a)に示したように、第2の穴3の軸方向Jに対し平行な面、すなわち、回転方向Mに対し垂直な面内に構成され、この面は、外周側に軸方向Jに対し曲面状の辺を備えており、この辺がバリの除去と角部を付与する部分である切れ刃部分Sを構成する。図9(b)は、この切れ刃部分Sが、第2の穴3端部のバリ部分と角部付与を行っている状況を示す図9(a)の切れ刃部分Sの法線方向の断面を示した要素断面図である。バリの除去と角部付与に必要なすくい角γは軸方向Jに垂直な面に対して−45°とし、逃げ角は軸方向Jの接線方向を基準として+60°としている。この切れ刃部Sが回転方向Mに回転することにより送られ、切れ刃部分Sが外周方向に変位することより径方向に切り込まれるため、角部のバリが除去され、且つ切れ刃部分Sは、軸方向Jに対して曲面をなしているため、第2の穴3の角部に45°以上の角部形状を回転方向Mに沿って付与することができる。
図10(a)はスプライン軸やすべりキーに使用される外周部分に軸と平行な溝18を有する軸構造の機械要素部品19を示す。この様な溝を持つ機械要素部品においては、転削工具を用いて溝18を加工した後に軸外周部を旋削によって加工した場合においても、旋削によって外周部を加工した後に転削よって溝18を加工した場合においても、溝18の角部にバリが生じる。このバリは前述した従来の方法でもバリの除去と角部の付与は可能であるが、溝部分が非常に長い場合や、軸の周方向に多数本の溝18が形成されている場合は、バリ除去と角部付与の加工時間が長くなる。
図10(b)は、軸の外周部分に溝が形成されている場合のバリ除去と角部付与の可能な本発明に関わる実施例を示す断面図である。図10(b)の工具50は、工具本体部21と、弾性変形可能な工具刃先支持部22と、工具刃部23から構成され、工具本体21は、機械加工機の刃物固定台へ取付けられるように、四角形状をしている。この工具本体21には、工具の先端部(図面では左部)まで埋設した穴24を設置し、通常の機械加工機に用意されている切削加工中の冷却と潤滑を目的とした切削液が通過し、工具刃先支持部22の背面に衝突した後、工具刃部23と溝の接触部分に供給されるようにしている。この工具本体21の先端部は、工具刃先支持部21と接合しており、工具刃先支持部は弾性変形を生じやすくするために、U字形状をしており、先端部には工具刃部23を固定している。工具刃部23は、機械要素部品19の回転方向Mに対して、すくい角を−60°にして、逃げ角を90°に設定している。
ここで、工具刃部23の切れ刃部は、図11(a)に示したように、機械要素部品19の回転軸方向Jに対し平行な面、すなわち、回転方向Mに対し垂直な面内に構成され、この面は、外周側に軸方向Jに対し曲面状の辺を備えており、この辺がバリの除去と角部を付与する部分である切れ刃部分Sを構成する。図11(b)(c)は、この切れ刃部分Sが、機械要素部品19のバリ部分と角部付与を行っている状況を示す図10(a)の切れ刃部分Sの法線方向の断面を示した要素断面図である。図11(a)に示すように、バリの除去と角部付与に必要なすくい角γは軸方向Jに垂直な面に対して−60°とし、逃げ角は軸方向Jの接線方向を基準として+90°としている。次に図11(b)に示すように、この切れ刃部Sが機械要素部品19が回転方向Mに回転することにより相対的に送られ、切れ刃部分Sが軸方向に変位することより径方向に切り込まれるため、角部のバリが除去され、且つ切れ刃部分Sは、軸方向Jに対して曲面をなしているため、機械要素部品19の溝部に45°以上の角部形状を回転方向Mに沿って付与することができる。
ここで、工具刃部23の切れ刃部は、図11(a)に示したように、機械要素部品19の回転軸方向Jに対し平行な面、すなわち、回転方向Mに対し垂直な面内に構成され、この面は、外周側に軸方向Jに対し曲面状の辺を備えており、この辺がバリの除去と角部を付与する部分である切れ刃部分Sを構成する。図11(b)(c)は、この切れ刃部分Sが、機械要素部品19のバリ部分と角部付与を行っている状況を示す図10(a)の切れ刃部分Sの法線方向の断面を示した要素断面図である。図11(a)に示すように、バリの除去と角部付与に必要なすくい角γは軸方向Jに垂直な面に対して−60°とし、逃げ角は軸方向Jの接線方向を基準として+90°としている。次に図11(b)に示すように、この切れ刃部Sが機械要素部品19が回転方向Mに回転することにより相対的に送られ、切れ刃部分Sが軸方向に変位することより径方向に切り込まれるため、角部のバリが除去され、且つ切れ刃部分Sは、軸方向Jに対して曲面をなしているため、機械要素部品19の溝部に45°以上の角部形状を回転方向Mに沿って付与することができる。
この様に構成した工具50を用いれば、機械要素部品19を回転させた後、工具50の穴24に切削液の圧力を付加することにより、工具刃先支持部21は背面に衝突する切削液圧力の上昇に伴い弾性変形し、工具刃部23が溝18の角部に侵入してバリを除去し、同時に角部を付与できる。その後対面の角部に工具刃部23の逃げ面が接触するが、工具刃部23の逃げ角度は大きな角度を設定している為、角部の付与は行われない。このため、通常の旋削加工のように機械要素部品19を回転させ、工具を機械要素部品の軸方向に移動させるだけで、効率よく角部のバリ除去と角部形状の付与が可能となる。尚対面の角部形状の付与は、工具50の上下を反対にして、機械要素部品19を同様にして加工すれば、角部形状が得られる。また機械要素部品19の外周面にすくい面の接触による加工面の変化を避けるためには、機械要素部品19の溝18の回転位置を予め機械加工機に認識させて、工具刃部23が溝18を通過するときに同期して、切削液の圧力を付加・除去すれば、すくい面の接触による面粗さの変化を避けることが出来る。
本発明で製作した機構要素部品の油圧回路部品では、穴の交差部や溝部にバリが無く、角部が適度に形成されているために、油圧回路を利用したモータ等では、バリ及び角部の脱落によるトラブルが発生しないモータに利用できる。また例えば丸ピンと穴部で相対位置を決める必要のある回転力を伝達する軸機構部品等では、穴角部の形状が適正に付与されている為に角部への応力集中による破壊・亀裂発生などのトラブルが発生しない軸機構に利用できる。
また、実施例1及び2、実施例3、実施例4に示したような刃部形状を有する加工工具を複数用意しておき、NC加工機等の機械加工機におり、加工対象の穴や溝の形状、さらにはそれぞれのバリ発生状況、付与すべき角部形状に応じて最適な加工工具を自動的に選択し、選択した加工工具に対し最適な切削液供給圧力を自動的に選定できるようにしておけば、バリ除去、角部付与の全自動化を実現することができる。
また、実施例1及び2、実施例3、実施例4に示したような刃部形状を有する加工工具を複数用意しておき、NC加工機等の機械加工機におり、加工対象の穴や溝の形状、さらにはそれぞれのバリ発生状況、付与すべき角部形状に応じて最適な加工工具を自動的に選択し、選択した加工工具に対し最適な切削液供給圧力を自動的に選定できるようにしておけば、バリ除去、角部付与の全自動化を実現することができる。
1 材料
2 第1の穴
3 第2の穴
4、9、21 工具本体部
5、10、24 穴
6、13 通過穴
6a 出口空間
7、14、22 工具刃先支持部
8、15、17、23 工具刃部
T 工具刃先支持部の部材厚さ
L 工具刃先支持部の部材長さ
W 工具刃先支持部の部材幅
d 工具刃部の半径方向の変位
Cle 工具刃部の半径と穴H2の半径の差
P 切削液の供給圧力
Cor 角部寸法
Dif 角部高さ位置と切れ刃位置との差
11 押し棒
12 ばね
16 ガイド穴
20、30、40、50 工具
S 切れ刃部分
M 回転方向
J 軸方向
2 第1の穴
3 第2の穴
4、9、21 工具本体部
5、10、24 穴
6、13 通過穴
6a 出口空間
7、14、22 工具刃先支持部
8、15、17、23 工具刃部
T 工具刃先支持部の部材厚さ
L 工具刃先支持部の部材長さ
W 工具刃先支持部の部材幅
d 工具刃部の半径方向の変位
Cle 工具刃部の半径と穴H2の半径の差
P 切削液の供給圧力
Cor 角部寸法
Dif 角部高さ位置と切れ刃位置との差
11 押し棒
12 ばね
16 ガイド穴
20、30、40、50 工具
S 切れ刃部分
M 回転方向
J 軸方向
Claims (5)
- 切削液が通過できる空間を形成した本体部と、前記本体部に設けられ前記本体部の外側へ変位可能な刃部とを有し、前記空間を通過してきた切削液の静水圧力の変化に応じて前記刃部を前記本体部の外側へ変位させて当該刃部により前記本体部を回転させて角部を加工することを特徴とする角部加工工具。
- 請求項1に記載の角部加工工具において、
前記刃部は弾性部材を介して前記本体部に取付けられ、前記切削液の静水圧力が上昇するに従い、前記弾性部材の弾性力に抗して前記刃部が前記本体部の外側へ変位させることを特徴とする角部加工工具。 - 請求項1又は2に記載の角部加工工具において、
各角部加工工具の種別毎に、予め前記切削液の静水圧力と前記刃部の外側変位量との関係を実験により求めておき、角部を加工するに際し、必要な外側変位量が得られるように選択された切削液の静水圧力が供給されるようにしたことを特徴とする角部加工工具。 - 請求項1ないし3に記載の角部加工工具において、
前記刃部の切り刃部が、回転方向に対し垂直で、かつ、外周側に軸方向に対し傾斜する辺を備えた面を有し、この切り刃部により角部を付与するようにしたことを特徴とする角部加工工具。 - 請求項1ないし3に記載の角部加工工具において、
前記刃部の切り刃部が、回転方向に対し鈍角で、角部を加工する刃部の形状が、切削方向に対するすくい角が−45°以上を有し、逃げ角が+45°以上の曲面形状の面を有し、この切り刃部により角部を付与するようにしたことを特徴とする角部加工工具。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130402 |