JP2004291016A - カシメ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カバー部材を筒体へカシメ固定するにあたり、両部材間の隙間やカバー部材の変形を生じさせることなく、高精度で確実にカシメ固定する。
【解決手段】カシメパンチ4を支持する第1の支持部材3と、カバー部材16を押圧する押さえ部材5の間に弾性部材6を配置し、弾性部材6の弾性力によりカバー部材16を筒体13の受け面13bに密着させた状態でカシメ固定を行う。さらに、本体部2の力を伝達する伝達ピン8の球面部8aに対応する形状の凹部3aを第1の支持部材3に形成し、この球面部8aに沿って第1の支持部材3を揺動可能に構成することにより、筒体自体の精度が悪い場合やカシメ装置側の精度が悪い場合であっても、高精度で確実にカシメ固定することができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定するカシメ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク、ポリゴンミラー、光ディスクなどのような各種回転体を高速で回転支持するための動圧軸受装置に関する提案が種々行われている。この動圧軸受装置は、例えば図7に示されているように、円筒状の軸受スリーブ13と、この軸受スリーブ13の中心孔に挿通されたシャフト21と、シャフト21の自由端側に固定されたスラストプレート23と、このスラストプレート23と対向するように前記軸受スリーブ13の開口部に固定されたカバー部材16とによって概略構成されている。このような動圧軸受装置においては、シャフト21の外周面と軸受スリーブ13の内周面との間にラジアル動圧軸受部RBが構成されると共に、スラストプレート23の軸方向端面とこれに対向する軸受スリーブ13端面との間、およびスラストプレート23の軸方向他端面とこれに対向するカバー部材16端面との間にスラスト動圧軸受部SBa,SBbが構成され、これらのラジアル動圧軸受部RB並びにスラスト動圧軸受部動圧軸受部SBa,SBbには、空気やオイル等の潤滑流体Lが充填されている。また、各動圧軸受部を構成する部材のうち少なくとも一方側には、図示を省略した動圧発生用溝等の流体加圧手段が形成されており、シャフト21または軸受スリーブ13の回転時における上記流体加圧手段のポンピング作用によって潤滑流体Lが加圧され、それにより生じた潤滑流体Lの動圧によって、シャフト21及びスラストプレート23が、軸受スリーブ13及びカバー部材16に対して相対的に浮上した状態で回転支持が行われるようになっている。
【0003】
このとき、上述した図7におけるカバー部材16は、円筒状の軸受スリーブ13の開口部を覆うように取り付けられていて、上記軸受スリーブ13から軸方向(図示下方)に向かって突出するように設けられたカシメ部13aを塑性変形させることによって、当該カバー部材16が軸受スリーブ13に固定されている(例えば、特許文献1,2,3および4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−295846号公報
【特許文献2】
特開2002−317815号公報
【特許文献3】
特許第3058315号公報
【特許文献4】
特許第3140587号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
軸受スリーブ13のような筒体の開口部にカバー部材16をカシメ固定する際、カバー部材16が筒体13の開口部に傾斜して嵌め込まれた場合、あるいは、カバー部材16が傾斜せずに嵌め込まれたとしても、カシメ装置の保持手段に保持された筒体13の軸線方向とカシメパンチの軸線方向とが一致していない場合、カシメパンチの荷重がカシメ部13aに対して均等に作用しなくなり、結果として、カバー部材16の外縁側に不均衡な応力が加わって、筒体13の受け面13bとカバー部材16との間の一部に隙間が生じてしまうことある。前述の従来例では、カバー部材16をカシメ固定した後に、密封性を高めるためにカシメ箇所を覆うように接着剤(図示せず。)が塗布されることがあるが、上記のような隙間が生じると、接着剤が内部に侵入し、潤滑流体Lに悪影響を及ぼしたり、あるいは接着剤が回転部材(21,23等)に付着してその回転に重大な障害を来す畏れがある。
【0006】
また、カバー部材16の外縁側に不均衡な応力が加わることによって、カバー部材16に変形が生じ、カバー部材16の平面度が著しく低下する。動圧軸受装置において、カバー部材16をスラスト軸受SBbに利用している場合、このようにカバー部材16の平面度が確保されていないとスラスト軸受SBbが十分に機能しないといった問題もある。
【0007】
このような問題を解消させるために、カシメ装置におけるカシメパンチ側及びワーク保持手段側を高精度に構成する必要があるが、そのために部品精度、組み立て精度を十分に確保することが要求され必然的にコストが高騰する。さらに、ワーク保持手段へのワーク(筒体)の取り付け精度を高めるための精密かつ複雑な作業工程を、大量生産される軸受装置のすべてに適用することは極めて困難である。
【0008】
本発明は、以上のような実状に鑑み、カバー部材を筒体へカシメ固定するにあたり、カシメ装置の構造を改善することによって、両部材間の隙間やカバー部材の変形を生じさせることなく、高精度で確実にカシメ固定することのできるカシメ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるカシメ装置では、筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定するカシメ装置であって、前記筒体を保持するワーク保持手段と、該ワーク保持手段に対して相対的に往復移動する本体部と、該本体部の一端側に直接的または間接的に装着された第1の支持部材と、該第1の支持部材に支持されると共に、先端側にカシメ作用部を有する中空のカシメパンチと、前記カバー部材を押圧する押圧部を有すると共に、前記カシメパンチの内側に進退可能に配設された押さえ部材と、該押さえ部材と前記第1の支持部材との間に介在して前記押さえ部材を前記カバー部材側に付勢すると共に、前記押さえ部材が前記第1の支持部材側に後退することを許容する弾性部材とを備え、前記本体部が前記カバー部材側に相対移動するのに伴い、前記押さえ部材が前記カバー部材を前記筒体に押圧した状態で前記カシメ作用部が前記筒体の少なくとも一部を塑性変形させて、前記カバー部材を前記筒体にカシメ固定することを特徴とする。
【0010】
このような構成を有する請求項1にかかるカシメ装置によれば、カシメパンチのカシメ作用部により筒体のカシメ部をカシメる前に、弾性部材の弾性力によって押さえ部材がカバー部材を押圧して筒体の受け面に密着させ、この状態でカシメパンチによるカシメ固定が行われるため、カバー部材と筒体の受け面との間に隙間が生じることなく筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定することができる。また、カシメパンチによる荷重がカシメ部に均等に作用するため、カバー部材の変形を生じることはない。
【0011】
また、本発明の請求項2にかかるカシメ装置では、請求項1における押さえ部材の押圧部は、前記カバー部材の外縁部を押圧するように当該カシメ装置先端側に向かって延出していることを特徴としている。
【0012】
このような構成を有する請求項2にかかるカシメ装置によれば、押さえ部材によってカバー部材の外縁部が筒体の受け面に押圧された状態でカシメ固定されるため、確実にカバー部材と筒体の受け面とを密着させて、両者の間に隙間が生じることなくカバー部材をカシメ固定することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3にかかるカシメ装置は、筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定するカシメ装置であって、前記筒体を保持するワーク保持手段と、該ワーク保持手段に対して相対的に往復移動する本体部と、該本体部の一端側に直接的または間接的に装着された第1の支持部材と、該第1の支持部材に支持されると共に、先端側にカシメ作用部を有する中空のカシメパンチと、前記カバー部材を押圧する押圧部を有すると共に、前記カシメパンチの内側に進退可能に配設された押さえ部材と、一端側に前記本体部からの押圧力が伝達されると共に他端側に球面部を有して前記本体部の押圧力を前記第1の支持部材に伝達する伝達ピンと、この伝達ピンを内包して前記本体部と前記第1の支持部材との間に配設された中空の可撓性中間部材とを備え、前記第1の支持部材には前記伝達ピンの球面部に対応する形状の凹部が形成され、この凹部内に前記伝達ピンの球面部が当接し、前記第1の支持部材は前記伝達ピンに対して前記球面部に沿って揺動可能に構成されていることを特徴としている。
【0014】
このような請求項3にかかるカシメ装置によれば、第1の支持部材およびカシメパンチは伝達ピンの球面部に沿って揺動可能であるため、カシメパンチの軸線方向がフレキシブルに変化する。したがって、筒体の受け面またはカシメ部の先端面が筒体のワーク保持手段の相対移動方向に対して垂直に形成されない等のように筒体自体の精度が悪い場合や、カシメパンチとワーク保持手段の軸線方向が平行に設定されない等のようにカシメ装置側の精度が悪い場合であっても、カシメパンチによるカシメ部への加圧点と、伝達ピンによる第1の支持部材への加圧点が異なるため、本体部からの押圧力の方向が球面部に当接する凹部で変化し、カシメパンチの軸線方向が筒体の軸線方向に一致するようにカシメパンチの向きが変わる。その結果、カシメパンチによる荷重がカシメ部に均等に作用し、高精度にカバー部材を筒体にカシメ固定することができる。
【0015】
さらに、本発明の請求項4にかかるカシメ装置では、請求項3の構成に加え、前記本体部に設けられた第2の支持部材と、この第2の支持部材と前記第1の支持部材を連結する中空の可撓性中間部材と、この可撓性中間部材の内側に内包されると共に両端側に球面部を有して前記第2の支持部材の押圧力を前記第1の支持部材に伝達する伝達ピンとを備え、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材には前記伝達ピンの球面部に対応する形状の凹部がそれぞれ形成され、これらの凹部内に前記伝達ピンの球面部が各々当接し、前記伝達ピンは前記第2の支持部材に対して揺動可能であると共、前記第1の支持部材は前記伝達ピンに対して揺動可能に構成されていることを特徴とする。また、本発明の請求項5にかかるカシメ装置では、上記請求項4における前記本体部と前記第2の支持部材が一体的に構成されていることを特徴とする。
【0016】
このような構成を有する請求項4及び請求項5にかかるカシメ装置によれば、第1の支持部材およびカシメパンチは伝達ピンの球面部に沿って揺動可能な状態にあると共に、上記伝達ピンも第2の支持部材の球面部に沿って揺動可能な状態にあるため、カシメパンチの軸線方向がフレキシブルに変化する。したがって、上記のように筒体自体の精度が悪い場合や、カシメ装置側の精度が悪い場合であっても、カシメパンチによるカシメ部への加圧点と、伝達ピンによる第1の支持部材への加圧点が異なると共に、伝達ピンが第2の支持部材に対して揺動するため、本体部からの押圧力の方向が伝達ピンの両端に形成された球面部およびこれらに当接する凹部で変化し、カシメパンチの軸線方向が筒体の軸線方向に一致するようにカシメパンチの向きが変わる。その結果、カシメパンチによる荷重がカシメ部に均等に作用し、高精度にカバー部材を筒体にカシメ固定することができる。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項6にかかるカシメ装置では、請求項1ないし請求項6において、前記筒体は内周側でラジアル動圧軸受部を構成する軸受部材であり、この軸受部材の開口部に内側端面でスラスト動圧軸受部を構成する前記カバー部材をカシメ固定することを特徴とする。
【0018】
このような構成を有する請求項6にかかるカシメ装置によって筒体にカシメ固定されたカバー部材を含むスラスト動圧軸受部を動圧軸受装置に適用した場合、筒体とカバー部材との隙間やカバー部材の変形が生じないため、高精度のスラスト動圧機能を確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるカシメ装置の実施の形態について説明するが、それに先立って、本発明を適用するハードディスク駆動(HDD)用スピンドルモータの構造例を図面に基づいて説明しておく。
【0020】
図1に示されているスピンドルモータMは、固定部材としてのステータ組10と、そのステータ組10に対して回転可能に支持された回転部材としてのロータ組20とから構成されている。このうちステータ組10は、図示を省略したHDD装置のブラケットに一体的に設けられた固定フレーム11を有している。この固定フレーム11の略中央部分に立設するようにして形成された環状の軸受ホルダー12の内周側には、中空円筒状に形成された軸受スリーブ13が、圧入又は接着等によって接合されている。この軸受スリーブ13は、その加工性を容易化するためにリン青銅などの銅系材料から形成されている。
【0021】
また、軸受ホルダー12の外周取付面には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア14が嵌着されている。このステータコア14に設けられた各突極部には、駆動コイル15がそれぞれ巻回されている。
【0022】
さらに、上記軸受スリーブ13に設けられた中心孔内には、上述したロータ組20を構成する回転軸21が回転自在に挿入されている。すなわち、上記軸受スリーブ13の内周壁部に形成された動圧面は、上記回転軸21の外周面に形成された動圧面に対して半径方向に微小隙間を介して対向配置されており、その微小隙間部分にラジアル動圧軸受部RBが構成されている。より詳細には、上記ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ13側の動圧面と、回転軸21側の動圧面とは、数μmの微小隙間を介して周状に対向配置されており、その微小隙間からなる軸受空間内に、オイルや空気等の潤滑流体が軸方向に連続するように注入又は介在されている。
【0023】
さらにまた、上記軸受スリーブ13及び回転軸21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略した例えばヘリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝が、軸方向に2ブロックに分けられて形成されており、回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧によって、上記回転軸21とともに後述する回転ハブ22がラジアル方向に、上記軸受スリーブ13に対して非接触状態で支持される構成になされている。
【0024】
一方、上記回転軸21とともにロータ組20を構成している回転ハブ22は、図示を省略した磁気ディスク等の記録媒体を搭載するように、略カップ状に形成され、当該回転ハブ22の中心部分に設けられた接合穴22aに、上記回転軸21の図示上端部分が圧入又は焼嵌めによって接合されている。また、この回転ハブ22の内周壁面22bには、前述したステータコア14の外周側端面に対向するように近接配置された駆動マグネット24が取り付けられている。
【0025】
前記回転軸21の図示下端側には、円盤状のスラストプレート23が固着されている。このスラストプレート23は、上述した軸受スリーブ13の本体胴部の図示下端側の開口部分に沿って環状に凹設された窪み部13d内に収容されるようにして配置されていて、その軸受スリーブ13の窪み部13d内において、上記スラストプレート23の図示上側面に設けられたスラスト動圧面が、軸受スリーブ13に設けられたスラスト動圧面に対して、軸方向に近接するように対向配置されている。そして、それらスラストプレート23及び軸受スリーブ13の両動圧面どうしの対向隙間部分に、上側のスラスト動圧軸受部SBaが形成されている。
【0026】
さらに、上記スラストプレート23の図示下側のスラスト動圧面に近接するようにして、比較的大径の円盤状部材からなるカバー部材16が配置されている。このカバー部材16は、上記軸受スリーブ13の本体胴部の下端側開口部に形成された凹部に配置されていて、当該カバー部材16の外周側縁部が、上記軸受スリーブ13に設けられたカシメ部13aによってカシメ固定される。このカバー部材16のカシメ固定に関するカシメ装置の構成については後述する。なお、軸受スリーブ13の凹部の底面は、中心孔に対して垂直に形成された受け面13bとなっている。
【0027】
そして、上記カバー部材16の図示上面側に設けられたスラスト動圧面と、上述したスラストプレート23の図示下側のスラスト動圧面との間の近接対向隙間部分にも、通常のように動圧発生溝が形成されていることによって、下側のスラスト動圧軸受部SBbが形成されている。
【0028】
このように軸方向に隣接して配置された一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbを構成しているスラストプレート23側の両動圧面と、それに近接対向する軸受スリーブ13及びカバー部材16側の両動圧面とは、それぞれ数μmの微小隙間を介して軸方向に対向配置されているとともに、その微小隙間からなる軸受空間内に、オイルや空気等の潤滑流体が、前記スラストプレート23の外周側通路を介して軸方向に連続するように注入又は介在されて設けられている。
【0029】
さらに、上記スラストプレート23のスラスト動圧面と、軸受スリーブ13及びカバー部材16のスラスト動圧面との少なくとも一方側には、図示を省略したヘリングボーン形状のスラスト動圧発生用溝が形成されており、回転時に、当該スラスト動圧発生用溝のポンピング作用により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧によって、上述した回転軸21及び回転ハブ22が、スラスト方向に浮上した非接触の状態で支持されるように構成されている。
【0030】
ここで、上記スピンドルモータMのカバー部材16を軸受スリーブ13にカシメ固定する本発明にかかるカシメ装置の第1の実施形態を図2に基づいて説明する。
【0031】
図2において、図示下側には筒体としての軸受スリーブ13を保持するワーク保持手段1が、図示上側の本体部2と対峙するように設置されている。このワーク保持手段1には軸受スリーブ13がセットされているが、軸受スリーブ13の開口部にはカバー部材16を受け入れる凹部と、その外周側に全周にわたってカバー部材の板厚よりも高く形成されたカシメ部13aが形成されていて、中心孔13cには一端にスラストプレート23が固定されたシャフト21が既に挿入されている。また、凹部には後に軸受スリーブ13にカシメ固定されるカバー部材16が遊嵌されている。軸受スリーブ13の凹部の内周面とカバー部材16の外周面には適度な隙間があるため、カバー部材16が傾斜して嵌め込まれることなく、確実にカバー部材16が凹部の底面(受け面13b)に当接する。また、軸受スリーブ13の受け面13cは軸受スリーブ13の中心孔13cの軸線方向に対して直交するように形成され、さらに、カバー部材16は上下面が平行になるように予め精度良く形成されている。なお、この軸受スリーブ13の内部に潤滑流体はまだ充填されておらず、カバー部材16が軸受スリーブ13に固定されて両者の接合部が接着剤等で封止された後に潤滑流体が充填される。
【0032】
一方、本発明にかかるカシメ装置の本体部2はワーク保持手段1に対して相対的に往復移動するように構成されているが、当該第1の実施形態では本体部2が固定され、ワーク保持手段1が直線的に往復移動する形態を示す。本体部2の一端側には金属やエンジニアリングプラスチック等の硬質材からなる第1の支持部材3が直接的に固定されていて、この支持部材3の一端部には環状に形成された中空のカシメパンチ4が圧入等の固定手段により固定されている。カシメパンチ4は超鋼等の硬質金属からなり、その先端側に複数箇所において等間隔に突出形成されたカシメ作用部4aを有している。カシメ作用部4aは軸受スリーブ13のカシメ部13aを押圧して塑性変形させる内向きのテーパー面4bを有している。また、カシメパンチ4の先端側の内周部4cはやや内側に膨出していて、後述する押さえ部材5の係止部5bと係合して押さえ部材5が抜け落ちることを防止している。なお、第1の実施形態において「第1の」支持部材としたのは、後述する第4の実施形態に用いられる第2の支持部材と区別するためのものであり、特別な意味はない。
【0033】
中空のカシメパンチ4の内側には後述する弾性部材6の弾性力によってカバー部材16側に付勢された押さえ部材5が配設されている。本実施形態において、押さえ部材5の外周側にはカバー部材16の外縁部を押圧するように当該カシメ装置先端側に向かって延出する押圧部5aが形成されている。なお、この押圧部5aは必ずしも必要要件ではなく、押さえ部材5先端面がフラットなものであっても良いが、中心部が外縁部よりも突出していないことが好ましい。また、押さえ部材5はカシメ工程の際、最初にカバー部材16に当接してカバー部材16を軸受スリーブ13の受け面13b側に押圧するが、弾性部材5が圧縮することにより、カシメパンチ4の内部を徐々に後退するように構成されている。また、押さえ部材5の後方端部の外周側は係止部5bが外側に膨出していて、前述のカシメパンチの内周部4cと係合することによりカシメパンチ4から離脱するのを防止している。
【0034】
前記第1の支持部材3と前記押さえ部材5と間には、押さえ部材5をカバー部材側16に付勢すると共に、押さえ部材5が第1の支持部材側3に後退することを許容する弾性部材6が設けられている。この弾性部材6は、ウレタンゴムやSBR、NBR等からなり、圧力を加えると収縮し圧力を解放すると元の形状に復帰する適度な弾性を備えている。
【0035】
なお、第1実施形態において、本体部2、第1の支持部材3、および押さえ部材5の内部には貫通孔7が形成され、かつ、弾性部材6の外周面とカシメパンチ4の内周面との間には間隙7’が設けられている。これらの貫通孔7や間隙7’は、本体部2の図面上方側に設置される図示を省略した吸気装置によって吸気するための吸気通路となっており、吸気を行うと、押さえ部材5にカバー部材16が正しい姿勢で吸着するため、カバー部材16が傾いて軸受スリーブ13に固定されることを防止できる。なお、吸気装置や吸気通路等の吸気手段は必ずしも設ける必要はない。
【0036】
以上のような第1実施形態におけるカシメ装置を用いてカバー部材16を軸受スリーブ13にカシメ固定する動作について以下に説明する。
【0037】
ワーク保持手段1は軸受スリーブ13を保持した状態で、固定設置されている本体部2側に向かって上昇する。この上昇に伴い、まず押さえ部材5の外縁部に延出形成された押圧部5aがカバー部材16の外縁部に当接する。さらにワーク保持手段1が上昇すると、押さえ部材5は弾性部材6を圧縮させるとともに、弾性部材6の抗力により押さえ部材5がカバー部材16を軸受スリーブ13の受け面13bに押圧する。このとき、カバー部材16と軸受スリーブ13は密着している。そして、さらにワーク保持手段1が上昇すると、カシメパンチ4のカシメ作用部4aが軸受スリーブ13のカシメ部13aを塑性変形させ、カバー部材16を軸受スリーブ13にカシメ固定する。やがて、予め設定した上死点でワーク保持手段1が停止し、カシメ工程が終了する。その後、ワーク保持手段1が本体部2から離間して次のカシメ工程に移行する。
【0038】
以上のようなカシメ工程において、弾性部材6の弾性力によって押さえ部材5がカバー部材16を押圧して軸受スリーブ13の受け面13bに密着させ、この状態でカシメパンチ4によるカシメ固定が行われるため、カバー部材16と軸受スリーブ13の受け面13bとの間に隙間が生じることなく軸受スリーブ13の開口部にカバー部材16をカシメ固定することができる。特に、押さえ部材5の押圧部5aによりカバー部材16の外縁部を押圧することで、確実にカバー部材16と軸受スリーブ13の受け面13bとを密着させて、両者の間に隙間が生じることなくカバー部材16をカシメ固定することができる。しかも、カシメパンチ4による荷重がカシメ部13aに均等に作用するため、カバー部材16の変形を生じることはない。
【0039】
次に、本発明にかかるカシメ装置の第2実施形態を図3に基づいて説明する。図3において、第1の実施形態で示した構成と同等の機能を有する構成には同じ符号を付して説明する。図示下側には軸受スリーブ13を保持するワーク保持手段1が、図示上側の本体部2と対峙するように設置されている。このワーク保持手段1の構造及び軸受スリーブ13、カバー部材16、シャフト21等の構成は第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0040】
本体部2はワーク保持手段1に対して相対的に往復移動するように構成されており、当該第2の実施形態では第1の実施形態と同様に本体部2が固定され、ワーク保持手段1が直線的に往復移動するように構成されている。本体部2の一端側には先端側に球面部8aを有する伝達ピン8が嵌入固定されていて、この伝達ピン8の図示上端側には本体部2からの押圧力が伝達されるとともに、先端側は第1の支持部材3に形成された凹部3aに当接して本体部2の押圧力を第1の支持部材3に伝達する。
【0041】
第1の支持部材3は金属やエンジニアリングプラスチック等の硬質材からなり、前記伝達ピン8を内包するように本体部2に接着固定された中空の可撓性中間部材9によって本体部2と連結されている。また、第1の支持部材3には前記伝達ピン8の球面部8aに対応する形状の凹部3aが形成されていて、この凹部3aは伝達ピン8の球面部8aと曲率の略等しい球面形状に形成されており、伝達ピン8の球面部8aと凹部3aとの間にはグリス等の潤滑剤が塗布されている。したがって、第1の支持部材3は、本体部2に固定された伝達ピン8に対して凹部3aを支点として、可撓性中間部材9の撓む範囲内で揺動可能に構成されている。
【0042】
さらに、第1の支持部材3の一端部には環状に形成された中空のカシメパンチ4が圧入等の固定手段により固定されている。カシメパンチ4は、先端側に複数箇所にわたって突出形成されたカシメ作用部4aを有しており、このカシメ作用部4aは軸受スリーブ13のカシメ部13aを押圧して塑性変形させる内向きのテーパー面を有している。
【0043】
中空のカシメパンチ4の内側には弾性部材6の弾性力によってカバー部材16側に付勢された押さえ部材5が配設されている。押さえ部材5はカシメ工程の際、最初にカバー部材16に当接してカバー部材16を軸受スリーブ13の受け面13b側に押圧するが、弾性部材6が圧縮することにより、カシメパンチ4の内部を徐々に後退するように構成されている。また、押さえ部材5の後方端部の外周側に係止部5bが膨出していて、カシメパンチ4の内周部4cと係合することによりカシメパンチ4から離脱するのを防止している。なお、当該実施形態において、押さえ部材5の先端側には外縁部が延出する押圧部を設けていないが、第1の実施形態で示したものと同様に押圧部を有するものを用いても良い。
【0044】
前記第1の支持部材3と前記押さえ部材5と間には、押さえ部材5をカバー部材側16に付勢すると共に、押さえ部材5が第1の支持部材3側に後退することを許容する弾性部材6が設けられている。この弾性部材6は、ウレタンゴムやSBR、NBR等からなり、圧力を加えると収縮し圧力を解放すると元の形状に復帰する適度な弾性を備えている。
【0045】
以上のような第2実施形態におけるカシメ装置を用いてカバー部材16を軸受スリーブ13にカシメ固定する動作について以下に説明する。
【0046】
ワーク保持手段1は軸受スリーブ13を保持した状態で、固定設置されている本体部2側に向かって上昇する。この上昇に伴い、押さえ部材5がカバー部材16に当接して、弾性部材6が徐々に圧縮されるとともに、当該弾性部材6の抗力により押さえ部材5がカバー部材16を軸受スリーブ13の受け面13bに密着させるように押圧する。そして、さらにワーク保持手段1が上昇すると、押さえ部材5がカバー部材16を押圧した状態で、カシメパンチ4のカシメ作用部4aが軸受スリーブ13のカシメ部13aに接触する。すなわち、軸受スリーブ13がワーク保持手段1によって本体部2の相対移動方向と同一線上に保持されている場合は、カシメパンチ4のカシメ作用部4aのカシメ圧力が軸受スリーブ13のカシメ部13aに対して同時にかつ均等に作用するため、当該カシメ圧力のアンバランスが生じることなく、軸受スリーブ13の受け面13bとカバー部材16との間に隙間が生じたり、カバー部材16が変形することはない。このとき、本体部2によるカシメ圧力は伝達ピン8を本体部2の相対移動方向と同一線上に保ったまま、伝達ピン8の球面部8aから第1の支持部材3の凹部3aに伝達され、さらにそのカシメ圧力は第1の支持部材3に支持されたカシメパンチ4のカシメ作用部4aに均等に伝達されることから、伝達ピン8の球面部8aを支点として第1の支持部材3が揺動することは殆ど発生しない。
【0047】
また、仮に、軸受スリーブ13のカシメ部13aとワーク支持手段に当接する支持部13dの平行度が悪く、カシメ部13aとカシメパンチ4とが接触する前の時点で平行でない場合、カシメパンチ4のカシメ作用部4aが軸受スリーブ13のカシメ部13aに一時的に片当たりする。ところが、カシメパンチ4によるカシメ部13aへの加圧点と、伝達ピン8による第1の支持部材8への加圧点が異なるため、しかも、伝達ピン8と凹部3aの球面状の当接面には潤滑剤が塗布されていると共に第1の支持部材3が可撓性中間部材9により本体部2と連結されているため、本体部2からのカシメ圧力の方向が球面部8aに当接する凹部3aで変化し、カシメパンチ4の軸線方向が軸受スリーブ13の軸線方向に一致するようにカシメパンチ4の向きが変わる。その結果、カシメパンチ4による荷重がカシメ部13aに均等に作用し、軸受スリーブ13が正しく保持された場合と同様にカバー部材16を軸受スリーブ13に対して隙間や変形を生じることなく高精度にカシメ固定することができる。
【0048】
このように軸受スリーブ13の保持姿勢やカシメ装置自体の精度が悪く、カシメパンチ4とカシメ部13aとが平行でない場合であっても、高精度のカシメ固定が行われ、やがて、予め設定した上死点でワーク保持手段1が停止し、カシメ工程が終了する。その後、ワーク保持手段1が本体部2から離間して次のカシメ工程に移行する。
【0049】
次に、本発明にかかるカシメ装置の第3の実施形態を図4および図5に基づいて説明する。
図4、5において、第2の実施形態で示した構成と同等の機能を有する構成には同じ符号を付して説明する。また、ワーク保持手段1の構造、及び本体部2側のカシメパンチ4、押さえ部材5、弾性部材6、第1の支持部材3の構成や配置関係は第2の実施形態と同様であるためこれらの重複説明は省略し、ここでは、主として第2の実施形態と相違する部分を説明する。
【0050】
第3の実施形態において、本体部2の先端側には球面形状の凹部2aが形成されていると共に、中空の可撓性中間部材9が接着手段等により固定されている。上記凹部2aは、両端に球面部8a,8bを有する伝達ピン8の一方の球面部8bの曲率と略等しい球面形状に形成されており、伝達ピン8の球面部8bと凹部2aとの間にはグリス等の潤滑剤が塗布されている。なお、本実施形態において本体部2の先端側部位は本体部2と同一材料で一体的に形成されているが、図6に示した第4の実施形態のように、本体部2の先端側に本体部2とは別部材で構成した第2の支持部材30を固定したカシメ装置も、基本的には第3の実施形態と同様の動作をする。
【0051】
中空の可撓性中間部材9は内側に伝達ピン8を内包して、適度の可撓性を有している。この可撓性中間部材9の一端側は本体部2に固定され、他端側は第1の支持部材3に接着手段等により固定され、本体部2と第1の支持部材3を連結している。また、第1の支持部材3は本体部2側の端面に球面形状の凹部3aを有していて、この凹部3aも伝達ピン8の球面部8aと曲率の略等しい球面形状に形成されている。したがって、伝達ピン8は本体部2に対して凹部2aを支点として揺動可能であると共に、前記第1の支持部材3は凹部3aを支点として前記伝達ピン8に対して揺動可能に構成されている。なお、第1の支持部材3に支持されているカシメパンチ4や、カシメパンチ4の内側に設けられた弾性部材6および押さえ部材5は、上述した第2の実施形態と同様の構成である。
【0052】
次に、第3の実施形態におけるカシメ装置を用いてカバー部材16を軸受スリーブ13にカシメ固定する動作について以下に説明する。
【0053】
ワーク保持手段1は軸受スリーブ13を保持した状態で、固定設置されている本体部2側に向かって上昇する。この上昇に伴い、押さえ部材5がカバー部材16に当接して、弾性部材16が徐々に圧縮されるとともに、当該弾性部材6の抗力により押さえ部材5がカバー部材16を軸受スリーブ13の受け面13bに密着させるように押圧する。
【0054】
そして、さらにワーク保持手段1が上昇すると、押さえ部材5がカバー部材16を押圧した状態で、カシメパンチ4のカシメ作用部4aが軸受スリーブ13のカシメ部13aに接触する。このとき、図4のように軸受スリーブ13がワーク保持手段1によって本体部2の相対移動方向と同一線上に保持されている場合は、カシメパンチ4のカシメ作用部4aのカシメ圧力が軸受スリーブ13のカシメ部13aに対して同時かつ均等に作用するため、当該カシメ圧力のアンバランスが生じることなく、軸受スリーブ13の受け面13bとカバー部材16との間に隙間が生じたり、カバー部材16が変形することはない。すなわち、本体部2によるカシメ圧力は伝達ピン8を本体部2の相対移動方向と同一線上に保ったまま第1の支持部材3の凹部3aの最低部に伝達され、さらにそのカシメ圧力は第1の支持部材3に支持されたカシメパンチ4のカシメ作用部4aに伝達されることから、伝達ピン8の揺動や、可撓性中間部材9の変形、あるいは第1の支持部材3の揺動は殆ど発生しない。
【0055】
また、図5に示すように、軸受スリーブ13のカシメ部13aとワーク支持手段に当接する支持部13eの平行度が悪く、カシメ部13aとカシメパンチ4とが接触する前の時点で平行でない場合、もしくは、カシメパンチ4とワーク保持手段1の軸線方向が平行に設定されない悪い場合、カシメパンチ4のカシメ作用部4aが軸受スリーブ13のカシメ部13aに一時的に片当たりする。なお、図5は理解を容易ならしめるための軸受スリーブ13等の傾斜角度を実際の傾斜角度より誇張して示してある。このような場合、カシメパンチ4によるカシメ部13aへの加圧点と、伝達ピン8による第1の支持部材3への加圧点が異なり、しかも、伝達ピン8と第1の支持部材3における凹部3aの球面状の当接面には潤滑剤が塗布されていると共に第1の支持部材3が可撓性中間部材9により本体部2と連結されているため、本体部2からのカシメ圧力の方向が球面部8aに当接する凹部3aで変化し、カシメパンチ4がカシメ部13aに対して平行となるようにカシメパンチ4の向きが変わる。また、伝達ピン8は、第1の支持部材3における凹部3aの位置が変化するのに追従し、本体部2の凹部2a側の球面部8bを支点として、軸受スリーブ13の傾斜方向とは反対の向きに傾斜する。そして、第1の支持部材3および伝達ピン8の揺動に伴って、可撓性中間部材9も形状が変化する。
【0056】
その結果、カシメパンチ4を支持する第1の支持部材3は、軸受スリーブ13の軸線方向と同一方向に押圧されるため、カシメパンチ4による荷重がカシメ部13aに均等に作用し、軸受スリーブ13が正しく保持された場合と同様にカバー部材16を軸受スリーブ13に対して隙間や変形を生じることなく高精度にカシメ固定することができる。
【0057】
このように軸受スリーブ13の保持姿勢がいかなる状態であっても、高精度のカシメ固定が行われ、やがて、予め設定した上死点でワーク保持手段1が停止し、カシメ工程が終了する。その後、ワーク保持手段1が本体部から離間して次のカシメ工程に移行する。
【0058】
図6は、本発明にかかるカシメ装置の第4の実施形態を示すが、基本的は構成及び動作は、第3の実施形態と同様であるため重複説明は省略し、ここでは、第3の実施形態と相違する部分を説明する。
【0059】
上述の第3の実施形態において、本体部2の先端側には伝達ピン8の球面部8bを受け入れる凹部2aが形成されるとともに、当該本体部2と第1の支持部材3とを可撓性中間部材9で連結されていたが、第4の実施形態では、本体部2の先端側に別部材で構成された第2の支持部材30が取り付けられている。そして、この第2の支持部材30は可撓性連結部材9によって第1の支持部材3と連結され、第1の支持部材3側の中央には伝達ピン8の球面部8bを受け入れる凹部30aが形成される。
【0060】
このように、第2の支持部材30を別部材で構成することにより、凹部30aの球面形状を容易に加工できる等の利点はあるが、カシメ装置としての作用効果は第3の実施形態の作用効果と同様である。
【0061】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0062】
例えば、上述した各実施形態は、HDD用スピンドルモータMの軸受スリーブ13とカバー部材16とをカシメ固定する例を示したが、本発明にかかるカシメ装置はHDD用スピンドルモータMに限らず、スキャナ用モータや光ディスク駆動用モータとうの各種回転電機に適用することができる。
【0063】
また、上述した各実施形態ではカバー部材16を軸受スリーブ13に固定する例を示したが、軸受スリーブ13を支持したモータフレームにカシメ部を設け、このカシメ部を塑性変形させることによりカバー部材16をカシメ固定する場合にも適用できる。
【0064】
さらに、上述した各実施形態では本体部2が固定されていて、これに対峙するワーク保持手段1が往復移動する形態を示したが、逆に、ワーク保持手段1が固定され本体部2が往復移動するように構成しても良い。
【0065】
さらにまた、カシメパンチ4は、カシメ作用部4aを複数箇所に形成したものではなく、全周にわたってカシメ作用部を形成したものであっても良い。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1にかかるカシメ装置によれば、カシメパンチのカシメ作用部により筒体のカシメ部をカシメる前に、弾性部材の弾性力によって押さえ部材がカバー部材を押圧して筒体の受け面に密着させ、この状態でカシメパンチによるカシメ固定が行われるため、カバー部材と筒体の受け面との間に隙間が生じることなく筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定することができる。また、カシメパンチによる荷重がカシメ部に均等に作用するため、カバー部材の変形を生じることはない。
【0067】
また、本発明の請求項2にかかるカシメ装置によれば、押さえ部材によってカバー部材の外縁部が筒体の受け面に押圧された状態でカシメ固定されるため、確実にカバー部材と筒体の受け面とを密着させて、両者の間に隙間が生じることなくカバー部材をカシメ固定することができる。
【0068】
さらに、本発明の請求項3または請求項4及び請求項5にかかるカシメ装置によれば、第1の支持部材およびカシメパンチは伝達ピンの球面部に沿って揺動可能であるため、カシメパンチの軸線方向がフレキシブルに変化する。したがって、筒体自体の精度が悪い場合やカシメ装置側の精度が悪い場合であっても、カシメパンチによる荷重がカシメ部に均等に作用し、高精度にカバー部材を筒体にカシメ固定することができる。
【0069】
さらにまた、請求項6にかかるカシメ装置によって筒体にカシメ固定されたカバー部材を含むスラスト動圧軸受部を動圧軸受装置に適用した場合、筒体とカバー部材との隙間やカバー部材の変形が生じないため、高精度のスラスト動圧機能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するハードディスク駆動用スピンドルモータの構造例を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるカシメ装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明にかかるカシメ装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明にかかるカシメ装置の第3の実施形態を示す断面図であって、カシメ工程の一状態を示す図である。
【図5】同上の第3の実施形態を示す断面図であって、図4とは別の状態を示す図である。
【図6】本発明にかかるカシメ装置の第4の実施形態を示す断面図である。
【図7】従来の動圧軸受装置におけるカバー部材の固定構造を拡大して表した断面説明図である。
【符号の説明】
1 ワーク保持部材
2 本体部
3 第1の支持部材
3a 凹部
4 カシメパンチ
4a カシメ作用部
5 押さえ部材
5a 押圧部
6 弾性部材
8 伝達ピン
8a 球面部
9 可撓性中間部材
13 軸受スリーブ(筒体)
13a カシメ部
13b 受け面
16 カバー部材
21 シャフト
30 第2の支持部材

Claims (6)

  1. 筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定するカシメ装置であって、
    前記筒体を保持するワーク保持手段と、
    該ワーク保持手段に対して相対的に往復移動する本体部と、
    該本体部の一端側に直接的または間接的に装着された第1の支持部材と、
    該第1の支持部材に支持されると共に、先端側にカシメ作用部を有する中空のカシメパンチと、
    前記カバー部材を押圧する押圧部を有すると共に、前記カシメパンチの内側に進退可能に配設された押さえ部材と、
    該押さえ部材と前記第1の支持部材との間に介在して前記押さえ部材を前記カバー部材側に付勢すると共に、前記押さえ部材が前記第1の支持部材側に後退することを許容する弾性部材とを備え、
    前記本体部が前記カバー部材側に相対移動するのに伴い、前記押さえ部材が前記カバー部材を前記筒体に押圧した状態で前記カシメ作用部が前記筒体の少なくとも一部を塑性変形させて、前記カバー部材を前記筒体にカシメ固定することを特徴とするカシメ装置。
  2. 前記押さえ部材の押圧部は、前記カバー部材の外縁部を押圧するように当該カシメ装置先端側に向かって延出していることを特徴とする請求項1に記載のカシメ装置。
  3. 筒体の開口部にカバー部材をカシメ固定するカシメ装置であって、
    前記筒体を保持するワーク保持手段と、
    該ワーク保持手段に対して相対的に往復移動する本体部と、
    該本体部の一端側に直接的または間接的に装着された第1の支持部材と、
    該第1の支持部材に支持されると共に、先端側にカシメ作用部を有する中空のカシメパンチと、
    前記カバー部材を押圧する押圧部を有すると共に、前記カシメパンチの内側に進退可能に配設された押さえ部材と、
    一端側に前記本体部からの押圧力が伝達されると共に他端側に球面部を有して前記本体部の押圧力を前記第1の支持部材に伝達する伝達ピンと、
    この伝達ピンを内包して前記本体部と前記第1の支持部材との間に配設された中空の可撓性中間部材とを備え、
    前記第1の支持部材には前記伝達ピンの球面部に対応する形状の凹部が形成され、この凹部内に前記伝達ピンの球面部が当接し、前記第1の支持部材は前記伝達ピンに対して前記球面部に沿って揺動可能に構成されていることを特徴とするカシメ装置。
  4. 前記本体部に設けられた第2の支持部材と、この第2の支持部材と前記第1の支持部材を連結する中空の可撓性中間部材と、この可撓性中間部材の内側に内包されると共に両端側に球面部を有して前記第2の支持部材の押圧力を前記第1の支持部材に伝達する伝達ピンとを備え、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材には前記伝達ピンの球面部に対応する形状の凹部がそれぞれ形成され、これらの凹部内に前記伝達ピンの球面部が各々当接し、前記伝達ピンは前記第2の支持部材に対して揺動可能であると共に、前記第1の支持部材は前記伝達ピンに対して揺動可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のカシメ装置。
  5. 前記本体部と前記第2の支持部材が一体的に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のカシメ装置。
  6. 前記筒体は内周側でラジアル動圧軸受部を構成する軸受部材であり、この軸受部材の開口部に内側端面でスラスト動圧軸受部を構成する前記カバー部材をカシメ固定する請求項1乃至5に記載のカシメ装置。
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