JP2004290392A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子セクタ走査に際して、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】複数の振動子2−1〜2−128からの受信信号をビームフォーマ9により加算して1つにまとめ、ビーム形成を行なう際に、移相器17−1〜17−64により、ビームの偏向分に応じて受信信号の位相を回転させてで吸収する。これにより、ビームフォーマにより加算された信号同士による打ち消しあいを防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】複数の振動子2−1〜2−128からの受信信号をビームフォーマ9により加算して1つにまとめ、ビーム形成を行なう際に、移相器17−1〜17−64により、ビームの偏向分に応じて受信信号の位相を回転させてで吸収する。これにより、ビームフォーマにより加算された信号同士による打ち消しあいを防止することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配列振動子を用いて超音波ビームを生体組織等に送波し、反射された超音波エコーを受波して得られた三次元画像に基づいて、生体組織等の状態を観察および診断する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
配列振動子を構成する複数の振動子を同時に用いて、超音波ビームの収束を行うフォーカシング技術は現在では公知のものとなっている。
【0003】
このような配列振動子を用いた超音波診断装置は、複数の振動子の信号を同時に処理する必要があるため、同時に使用する振動子数だけのA/D変換器や、それを入力し、遅延加算処理をおこなうビームフォーマが必要となり、物量の多さが課題であった。これに対して、下記の特許文献1(従来例1)に記載されるような解決策が考案されている。
【0004】
この従来例1について、図5、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。
【0005】
従来例1では、クロスポイントスイッチ6が32個の信号を出力し、それに対応して、32個の電流/電圧変換アンプ7−1〜7−32、32個のA/D変換器8−1〜8−32が設けられている。
【0006】
図6Aおよび図6Bは、図5に示すクロスポイントスイッチ6内の接続関係を示す図である。図6Aおよび図6Bにおいて、受信開口の端の信号から1、2、…と番号付けをしてある。クロスポイントスイッチ6においては、隣り合う2つの信号が1つの出力端子に接続されている。クロスポイントスイッチ6の前段で受信信号は電流に変換されており、2つの信号を1つの出力端子に接続することで、出力端子から2つの信号の電流が加算された出力信号を取り出すことができる。このクロスポイントスイッチ6の接続関係は、図6Bのように表わすこともできる。
【0007】
このようにして、隣り合う2つの振動子の受信信号を加算することで、A/D変換器およびビームフォーマの入力端子数を減らすことができ、物量の低減が可能となる。
【0008】
しかし、従来例1のように、2つずつの信号加算を行った場合に、開口端部の信号では、隣り合う振動子の信号の到達時間の差が大きいため、遅延精度が悪化するという問題が生ずることがある。
【0009】
そこで、この問題を解決するために、振動子からの受信信号の加算を受信開口の端部から中心部にかけて一様としない構成(図7を参照)が提案されている。この構成は、図7に示すようなクロスポイントスイッチ6の接続関係であり、受信開口の中心部ほど加算する受信信号の数を多くし、端部では1chずつとしてある。これは、受信開口の中心では遅延時間の差が小さく、端部では遅延時間の差が大きいことを考慮したものである。
【0010】
なお、受信信号の加算方式については、上記以外の方式もあり、また、受信信号のうち、一部のチャンネルを使用しない方式も考案されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−221215号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例1または上記構成において、電子セクタ走査を行おうとした場合、超音波ビームを偏向させることになるが、その偏向角度として、本来要求されるおのおのの振動子に必要な遅延時間の差が位相角にしておおよそ90度以上に大きくなると、複数の振動子からの受信信号を加算することで、受信信号が打ち消し合ってしまい、ビーム形状が悪くなるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の超音波診断装置は、複数の振動子が配列された配列振動子と、配列振動子を駆動する送信パルスを発生する送信パルス発生部と、配列振動子からの受信信号の位相を回転させる移相手段と、配列振動子で受信し、移相手段を通過した信号を遅延加算するビームフォーマと、移相手段を通過した信号をビームフォーマの複数の入力端子のいずれかに振り分けるクロスポイントスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、移相手段により、ビームの偏向角に応じて、隣り合う振動子からの受信信号の位相が同じになるように位相が回転されることで、加算された信号同士による打ち消しあいを防止することができ、ビーム形状の劣化を防止することができる。
【0016】
第1の超音波診断装置において、移相手段を、抵抗素子と可変容量素子(例えば、可変容量ダイオード)とを含んで構成することにより、簡便で安価に実現することができる。
【0017】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の超音波診断装置は、複数の振動子が配列された配列振動子と、配列振動子を駆動する送信パルスを発生する送信パルス発生部と、配列振動子からの受信信号を時間遅延させる遅延手段と、配列振動子で受信し、遅延手段を通過した信号を遅延加算するビームフォーマと、遅延手段を通過した信号をビームフォーマの複数の入力端子のいずれかに振り分けるクロスポイントスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、遅延手段により、ビームの偏向角に応じて、隣り合う振動子からの受信信号の時間差がなくなるように遅延時間が調整されることで、加算された信号同士による打ち消しあいを防止することができ、ビーム形状の劣化を防止することができる。
【0019】
第2の超音波診断装置においては、遅延手段を、タップ付き遅延線を含んで構成することにより、簡便で安価に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図である。なお、図1において、従来例2の説明で参照した図6と同様の構成および機能を有する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0022】
本実施の形態が従来例2と異なるのは、高耐圧スイッチ3−1〜3−64と、対応する電圧/電流変換アンプ5−1〜5−64との間に、移相手段としての移相器17−1〜17−64(以下、まとめて移相器17とも称する)を設けた点にある。
【0023】
電子セクタ走査におけるビーム形成は、偏向と集束の2つから成り立つ。偏向があるために、隣り合う振動子からの受信信号の位相差(または時間差)が大きくなるのであり、偏向分を吸収できれば、従来例のようなリニアスキャンにおける手法をそのまま用いることができる。本実施の形態では、移相器17−1〜17−64が偏向分を吸収する。偏向による振動子間の受信信号の位相差を打ち消すだけの位相の回転を移相器17−1〜17−64は行なう。これにより、電子セクタ走査における、ビームフォーマ6に入力する前に加算される複数の振動子からの受信信号間における位相のずれの問題は解消する。厳密に言えば、位相を回転させたことで、本来なされるべき遅延時間からN周期(Nは自然数)分時間的にずれる場合が発生するが、超音波信号の振幅変動がそれほど大きくないことを考えれば、実用上問題はない。
【0024】
図2は、移相器17の具体例を示す回路図である。図2において、移相器17は、抵抗素子19〜23と、コンデンサ24、25と、可変容量ダイオード26と、オペアンプ27とで構成されている。
【0025】
容量可変ダイオード26は、印加される制御電圧Vcにより内部容量が変化するもので、可変容量素子としての機能を有する。可変容量ダイオード26の両端に接続された比較的抵抗値の高い(抵抗素子21などに比較して少なくとも10倍以上)抵抗素子22、23を通じて、制御電圧Vcを印加することにより、入力信号Vinに対して出力信号Voutの位相の回転量が制御される。
【0026】
以上のように、本実施の形態によれば、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供することができる。
【0027】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図である。なお、図3において、実施の形態1の説明で参照した図1と同様の構成および機能を有する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】
本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、移相器17−1〜17−64に代えて、遅延手段としての遅延回路18−1〜18−64(以下、まとめて遅延回路18とも称する)を設けた点にある。
【0029】
電子セクタ走査におけるビーム形成は、偏向と集束の2つから成り立つ。偏向があるために隣り合う振動子からの受信信号の時間差(または位相差)が大きくなるのであり、偏向分を吸収できれば、従来例のようなリニアスキャンにおける手法をそのまま用いることができる。本実施の形態では、遅延回路18−1〜18−64が偏向分を吸収する。偏向における振動子間の受信信号の時間差を打ち消すだけの時間遅延を遅延回路18−1〜18−64は行なう。これにより、電子セクタ走査における、ビームフォーマに入力する前に加算される複数の振動子からの受信信号間における位相のずれにより信号が打ち消し合う問題は解消する。遅延回路による遅延時間は、振動子間の遅延時間を打ち消すだけの時間が必要であるが、本来なされるべき遅延時間からN周期(Nは自然数)分時間的にずれても、超音波信号の振幅変動がそれほど大きくないことを考えれば、実用上問題はなく、遅延回路に必要な最大遅延時間は短くし得る。
【0030】
図4は、遅延回路18の具体例を示す回路図である。図4において、遅延回路18は、タップ付き遅延線28とスイッチ29とで構成されており、スイッチ29の切り換えにより、入力信号Vinに対する出力信号Voutの遅延時間が、必要とする遅延時間に設定される。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子セクタ走査において、ビームが偏向した際に、1つのビームフォーマに入力する複数の振動子からの受信信号を、偏向角度に応じてその位相を回転させる、またはその遅延時間を変更することで、加算する信号同士の打ち消しあいを防ぐことができ、ビーム形状を向上させ、画質の良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図
【図2】図1の移相器17の具体例を示す回路図
【図3】本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図
【図4】図1の遅延回路18の具体例を示す回路図
【図5】従来例1の超音波診断装置の一構成例を示すブロック図
【図6A】従来例1におけるクロスポイントスイッチ6の接続関係の一例を示す図
【図6B】図6Aに示すクロスポイントスイッチ6の接続関係を簡略的に示す模式図
【図7】他の従来構成の超音波診断装置におけるクロスポイントスイッチ6の接続関係を簡略的に示す模式図
【符号の説明】
1 探触子
2−1〜2−128 振動子
3−1〜3−64 高耐圧スイッチ
4 送信パルス発生部
5−1〜5−64 電圧/電流変換アンプ
6 クロスポイントスイッチ(CPS)
7−1〜7−64 電流/電圧変換アンプ
8−1〜8−64 A/D変換器(A/D)
9 ビームフォーマ
10 Bモード信号処理部
11 ドプラ血流計信号処理部
12 カラーフロー信号処理部
13 画像合成部
14 表示部
15 制御部
16 操作部
17−1〜17−64 移相器(PS:移相手段)
18−1〜18−64 遅延回路(DL:遅延手段)
19〜23 抵抗素子
24、25 コンデンサ
26 可変容量ダイオード(可変容量素子)
27 オペアンプ
28 タップ付き遅延線
29 スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、配列振動子を用いて超音波ビームを生体組織等に送波し、反射された超音波エコーを受波して得られた三次元画像に基づいて、生体組織等の状態を観察および診断する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
配列振動子を構成する複数の振動子を同時に用いて、超音波ビームの収束を行うフォーカシング技術は現在では公知のものとなっている。
【0003】
このような配列振動子を用いた超音波診断装置は、複数の振動子の信号を同時に処理する必要があるため、同時に使用する振動子数だけのA/D変換器や、それを入力し、遅延加算処理をおこなうビームフォーマが必要となり、物量の多さが課題であった。これに対して、下記の特許文献1(従来例1)に記載されるような解決策が考案されている。
【0004】
この従来例1について、図5、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。
【0005】
従来例1では、クロスポイントスイッチ6が32個の信号を出力し、それに対応して、32個の電流/電圧変換アンプ7−1〜7−32、32個のA/D変換器8−1〜8−32が設けられている。
【0006】
図6Aおよび図6Bは、図5に示すクロスポイントスイッチ6内の接続関係を示す図である。図6Aおよび図6Bにおいて、受信開口の端の信号から1、2、…と番号付けをしてある。クロスポイントスイッチ6においては、隣り合う2つの信号が1つの出力端子に接続されている。クロスポイントスイッチ6の前段で受信信号は電流に変換されており、2つの信号を1つの出力端子に接続することで、出力端子から2つの信号の電流が加算された出力信号を取り出すことができる。このクロスポイントスイッチ6の接続関係は、図6Bのように表わすこともできる。
【0007】
このようにして、隣り合う2つの振動子の受信信号を加算することで、A/D変換器およびビームフォーマの入力端子数を減らすことができ、物量の低減が可能となる。
【0008】
しかし、従来例1のように、2つずつの信号加算を行った場合に、開口端部の信号では、隣り合う振動子の信号の到達時間の差が大きいため、遅延精度が悪化するという問題が生ずることがある。
【0009】
そこで、この問題を解決するために、振動子からの受信信号の加算を受信開口の端部から中心部にかけて一様としない構成(図7を参照)が提案されている。この構成は、図7に示すようなクロスポイントスイッチ6の接続関係であり、受信開口の中心部ほど加算する受信信号の数を多くし、端部では1chずつとしてある。これは、受信開口の中心では遅延時間の差が小さく、端部では遅延時間の差が大きいことを考慮したものである。
【0010】
なお、受信信号の加算方式については、上記以外の方式もあり、また、受信信号のうち、一部のチャンネルを使用しない方式も考案されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−221215号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例1または上記構成において、電子セクタ走査を行おうとした場合、超音波ビームを偏向させることになるが、その偏向角度として、本来要求されるおのおのの振動子に必要な遅延時間の差が位相角にしておおよそ90度以上に大きくなると、複数の振動子からの受信信号を加算することで、受信信号が打ち消し合ってしまい、ビーム形状が悪くなるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の超音波診断装置は、複数の振動子が配列された配列振動子と、配列振動子を駆動する送信パルスを発生する送信パルス発生部と、配列振動子からの受信信号の位相を回転させる移相手段と、配列振動子で受信し、移相手段を通過した信号を遅延加算するビームフォーマと、移相手段を通過した信号をビームフォーマの複数の入力端子のいずれかに振り分けるクロスポイントスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、移相手段により、ビームの偏向角に応じて、隣り合う振動子からの受信信号の位相が同じになるように位相が回転されることで、加算された信号同士による打ち消しあいを防止することができ、ビーム形状の劣化を防止することができる。
【0016】
第1の超音波診断装置において、移相手段を、抵抗素子と可変容量素子(例えば、可変容量ダイオード)とを含んで構成することにより、簡便で安価に実現することができる。
【0017】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の超音波診断装置は、複数の振動子が配列された配列振動子と、配列振動子を駆動する送信パルスを発生する送信パルス発生部と、配列振動子からの受信信号を時間遅延させる遅延手段と、配列振動子で受信し、遅延手段を通過した信号を遅延加算するビームフォーマと、遅延手段を通過した信号をビームフォーマの複数の入力端子のいずれかに振り分けるクロスポイントスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、遅延手段により、ビームの偏向角に応じて、隣り合う振動子からの受信信号の時間差がなくなるように遅延時間が調整されることで、加算された信号同士による打ち消しあいを防止することができ、ビーム形状の劣化を防止することができる。
【0019】
第2の超音波診断装置においては、遅延手段を、タップ付き遅延線を含んで構成することにより、簡便で安価に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図である。なお、図1において、従来例2の説明で参照した図6と同様の構成および機能を有する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0022】
本実施の形態が従来例2と異なるのは、高耐圧スイッチ3−1〜3−64と、対応する電圧/電流変換アンプ5−1〜5−64との間に、移相手段としての移相器17−1〜17−64(以下、まとめて移相器17とも称する)を設けた点にある。
【0023】
電子セクタ走査におけるビーム形成は、偏向と集束の2つから成り立つ。偏向があるために、隣り合う振動子からの受信信号の位相差(または時間差)が大きくなるのであり、偏向分を吸収できれば、従来例のようなリニアスキャンにおける手法をそのまま用いることができる。本実施の形態では、移相器17−1〜17−64が偏向分を吸収する。偏向による振動子間の受信信号の位相差を打ち消すだけの位相の回転を移相器17−1〜17−64は行なう。これにより、電子セクタ走査における、ビームフォーマ6に入力する前に加算される複数の振動子からの受信信号間における位相のずれの問題は解消する。厳密に言えば、位相を回転させたことで、本来なされるべき遅延時間からN周期(Nは自然数)分時間的にずれる場合が発生するが、超音波信号の振幅変動がそれほど大きくないことを考えれば、実用上問題はない。
【0024】
図2は、移相器17の具体例を示す回路図である。図2において、移相器17は、抵抗素子19〜23と、コンデンサ24、25と、可変容量ダイオード26と、オペアンプ27とで構成されている。
【0025】
容量可変ダイオード26は、印加される制御電圧Vcにより内部容量が変化するもので、可変容量素子としての機能を有する。可変容量ダイオード26の両端に接続された比較的抵抗値の高い(抵抗素子21などに比較して少なくとも10倍以上)抵抗素子22、23を通じて、制御電圧Vcを印加することにより、入力信号Vinに対して出力信号Voutの位相の回転量が制御される。
【0026】
以上のように、本実施の形態によれば、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供することができる。
【0027】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図である。なお、図3において、実施の形態1の説明で参照した図1と同様の構成および機能を有する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】
本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、移相器17−1〜17−64に代えて、遅延手段としての遅延回路18−1〜18−64(以下、まとめて遅延回路18とも称する)を設けた点にある。
【0029】
電子セクタ走査におけるビーム形成は、偏向と集束の2つから成り立つ。偏向があるために隣り合う振動子からの受信信号の時間差(または位相差)が大きくなるのであり、偏向分を吸収できれば、従来例のようなリニアスキャンにおける手法をそのまま用いることができる。本実施の形態では、遅延回路18−1〜18−64が偏向分を吸収する。偏向における振動子間の受信信号の時間差を打ち消すだけの時間遅延を遅延回路18−1〜18−64は行なう。これにより、電子セクタ走査における、ビームフォーマに入力する前に加算される複数の振動子からの受信信号間における位相のずれにより信号が打ち消し合う問題は解消する。遅延回路による遅延時間は、振動子間の遅延時間を打ち消すだけの時間が必要であるが、本来なされるべき遅延時間からN周期(Nは自然数)分時間的にずれても、超音波信号の振幅変動がそれほど大きくないことを考えれば、実用上問題はなく、遅延回路に必要な最大遅延時間は短くし得る。
【0030】
図4は、遅延回路18の具体例を示す回路図である。図4において、遅延回路18は、タップ付き遅延線28とスイッチ29とで構成されており、スイッチ29の切り換えにより、入力信号Vinに対する出力信号Voutの遅延時間が、必要とする遅延時間に設定される。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、物量が少ない受信回路で優れたビーム形状を実現し、高い画質が得られる超音波診断装置を提供することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子セクタ走査において、ビームが偏向した際に、1つのビームフォーマに入力する複数の振動子からの受信信号を、偏向角度に応じてその位相を回転させる、またはその遅延時間を変更することで、加算する信号同士の打ち消しあいを防ぐことができ、ビーム形状を向上させ、画質の良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図
【図2】図1の移相器17の具体例を示す回路図
【図3】本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図
【図4】図1の遅延回路18の具体例を示す回路図
【図5】従来例1の超音波診断装置の一構成例を示すブロック図
【図6A】従来例1におけるクロスポイントスイッチ6の接続関係の一例を示す図
【図6B】図6Aに示すクロスポイントスイッチ6の接続関係を簡略的に示す模式図
【図7】他の従来構成の超音波診断装置におけるクロスポイントスイッチ6の接続関係を簡略的に示す模式図
【符号の説明】
1 探触子
2−1〜2−128 振動子
3−1〜3−64 高耐圧スイッチ
4 送信パルス発生部
5−1〜5−64 電圧/電流変換アンプ
6 クロスポイントスイッチ(CPS)
7−1〜7−64 電流/電圧変換アンプ
8−1〜8−64 A/D変換器(A/D)
9 ビームフォーマ
10 Bモード信号処理部
11 ドプラ血流計信号処理部
12 カラーフロー信号処理部
13 画像合成部
14 表示部
15 制御部
16 操作部
17−1〜17−64 移相器(PS:移相手段)
18−1〜18−64 遅延回路(DL:遅延手段)
19〜23 抵抗素子
24、25 コンデンサ
26 可変容量ダイオード(可変容量素子)
27 オペアンプ
28 タップ付き遅延線
29 スイッチ
Claims (4)
- 複数の振動子が配列された配列振動子と、
前記配列振動子を駆動する送信パルスを発生する送信パルス発生部と、
前記配列振動子からの受信信号の位相を回転させる移相手段と、
前記配列振動子で受信し、前記移相手段を通過した信号を遅延加算するビームフォーマと、
前記移相手段を通過した信号を前記ビームフォーマの複数の入力端子のいずれかに振り分けるクロスポイントスイッチとを備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記移相手段は、抵抗素子と可変容量素子とを含んで構成される請求項1記載の超音波診断装置。
- 複数の振動子が配列された配列振動子と、
前記配列振動子を駆動する送信パルスを発生する送信パルス発生部と、
前記配列振動子からの受信信号を時間遅延させる遅延手段と、
前記配列振動子で受信し、前記遅延手段を通過した信号を遅延加算するビームフォーマと、
前記遅延手段を通過した信号を前記ビームフォーマの複数の入力端子のいずれかに振り分けるクロスポイントスイッチとを備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記遅延手段は、タップ付き遅延線を含んで構成される請求項3記載の超音波診断装置。
Priority Applications (1)
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JP2003086265A JP2004290392A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 超音波診断装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086265A JP2004290392A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 超音波診断装置 |
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JP2004290392A true JP2004290392A (ja) | 2004-10-21 |
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ID=33400971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003086265A Withdrawn JP2004290392A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 超音波診断装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004290392A (ja) |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003086265A patent/JP2004290392A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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A761 | Written withdrawal of application |
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