JP2000005163A - 超音波送波方法および装置並びに超音波撮像装置 - Google Patents

超音波送波方法および装置並びに超音波撮像装置

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JP2000005163A JP17270098A JP17270098A JP2000005163A JP 2000005163 A JP2000005163 A JP 2000005163A JP 17270098 A JP17270098 A JP 17270098A JP 17270098 A JP17270098 A JP 17270098A JP 2000005163 A JP2000005163 A JP 2000005163A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用なしに送波超音波の2次の高調波を除
去する超音波送波方法および装置並びに超音波撮像装置
を実現する。 【解決手段】 上側の半値周波数が下側の半値周波数の
約2倍となる周波数特性を持つ超音波トランスデューサ
で送波アパーチャを構成し、送波アパーチャに与える基
本周波数f0の駆動信号の約半数に、送波の実効的な基
本周波数f0’の半分の周波数f0’/2を持つ信号を
半周期遅らせる遅延時間を付与し、実効第2高調波2f
0’を音場で相殺する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波送波方法お
よび装置並びに超音波撮像装置に関し、特に、非線形効
果を利用して超音波撮像を行なうための超音波送波方法
および装置並びに超音波撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形効果を利用して超音波撮像を行な
う超音波撮像装置は、パラメトリックソーナー(paramet
ric sonar)として知られている。この装置では、被検体
内に超音波を送波したときに、体内での超音波伝播の非
線形性により発生する2次の高調波エコー(echo)を利用
して撮像を行なうようになっている。
【0003】非線形性を利用する超音波撮像の他の例と
しては、マイクロバルーン(microballoon)を用いる造影
撮像がある。これは、マイクロバルーンがその非線形な
エコー源特性により送波超音波の2次の高調波を含むエ
コーを生じることを利用して、体内に注入したマイクロ
バルーンの分布状態を画像化するようにしたものであ
る。
【0004】上記のいずれにおいても、送波超音波に初
めから2次の高調波が含まれていると、そのエコーが非
線形効果によるエコーまたはマイクロバルーンからの高
調波エコーと区別できないので、送波超音波に2次の高
調波が含まれないようにする対策が講じられる。
【0005】そのような対策の1つとして、超音波プロ
ーブ(probe) における超音波トランスデューサアレイ(t
ransducer array)の個々の超音波トランスデューサを、
位相を1つ置きに90°異ならせた駆動信号で駆動し、
基本周波数での90°の位相差が2次の高調波では18
0°の位相差となることを利用して、送波に含まれる2
次の高調波を相殺するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような送波を行
なう場合、超音波ビームの焦点で合算される基本周波数
の超音波の半数は位相が90°異なるので、全て同相で
送波した場合よりも瞬時音圧が約3割低下するという問
題があった。
【0007】また、同じ位相の駆動信号が超音波トラン
スデューサに1つ置きに印加されることにより、実効的
なアレイピッチ(array pitch) が約2倍になり、グレー
ティングサイドローブ(grating sidelobe)が大きくなる
等の副作用を免れないという問題があった。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、副作用なしに送波超音波の
2次の高調波を除去する超音波送波方法および装置並び
に超音波撮像装置を実現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決
する第1の発明は、中心周波数より上側の半値周波数が
下側の半値周波数の約2倍となる周波数特性を持つ、送
波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサ
を前記下側の半値周波数に相当する周波数を持つ駆動信
号で個々に駆動して超音波ビームを送波する超音波送波
方法であって、前記複数の超音波トランスデューサうち
の一部のものを駆動する駆動信号に、前記周波数特性の
影響を受けて変化した送波の実効的な基本周波数の半分
の周波数を持つ信号をその半周期分遅らせる時間に相当
する遅延時間を付与する、ことを特徴とする超音波送波
方法である。
【0010】(2)上記の課題を解決する第2の発明
は、中心周波数より上側の半値周波数が下側の半値周波
数の約2倍となる周波数特性を持つ、送波アパーチャを
構成する複数の超音波トランスデューサを前記下側の半
値周波数に相当する周波数を持つ駆動信号で個々に駆動
して超音波ビームを送波する超音波送波装置であって、
前記複数の超音波トランスデューサうちの一部のものを
駆動する駆動信号に、前記周波数特性の影響を受けて変
化した送波の実効的な基本周波数の半分の周波数を持つ
信号をその半周期分遅らせる時間に相当する遅延時間を
付与する遅延手段、を具備することを特徴とする超音波
送波装置である。
【0011】(3)上記の課題を解決する第3の発明
は、中心周波数より上側の半値周波数が下側の半値周波
数の約2倍となる周波数特性を持つ、送波アパーチャを
構成する複数の超音波トランスデューサを前記下側の半
値周波数に相当する周波数を持つ駆動信号で個々に駆動
して超音波ビームを送波し、エコーに基づいて画像を生
成するする超音波撮像装置であって、前記複数の超音波
トランスデューサうちの一部のものを駆動する駆動信号
に、前記周波数特性の影響を受けて変化した送波の実効
的な基本周波数の半分の周波数を持つ信号をその半周期
分遅らせる時間に相当する遅延時間を付与する遅延手
段、を具備することを特徴とする超音波撮像装置であ
る。
【0012】第1の発明乃至第3の発明のいずれか1つ
において、前記複数の超音波トランスデューサうちの一
部のものは、前記複数の超音波トランスデューサうちの
半数を占めることが、送波に含まれる2次の高調波を相
殺する点で好ましい。
【0013】その場合、前記遅延時間を、送波アパーチ
ャを構成する複数の超音波トランスデューサに1つ置き
に付与することが、送波に含まれる2次の高調波を適切
に除去する点で好ましい。
【0014】(作用)本発明では、アレイを構成する複
数の超音波トランスデューサうちの一部のものを駆動す
る駆動信号に、送波の実効的な基本周波数の半分の周波
数を持つ信号をその半周期分遅らせる時間に相当する遅
延時間を付与する。これにより、超音波の集束点では実
効的な基本周波数の超音波が全て同相となって強め合
い、また、実効的な2次高調波が互いに逆位相となって
弱め会う。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。図1に、超音波撮像装置の
ブロック(block) 図を示す。本装置は、本発明の実施の
形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装
置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作
によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示
される。
【0016】本装置の構成を説明する。図1に示すよう
に、本装置は、超音波プローブ(probe) 2を有する。超
音波プローブ2は被検体4に当接されて超音波の送受波
に使用される。
【0017】超音波プローブ2は、例えば図2に示すよ
うな超音波トランスデューサアレイ300を有する。超
音波トランスデューサアレイ300は、複数の超音波ト
ランスデューサ302を例えば1次元のアレイ状に配列
して構成される。超音波トランスデューサ302は、本
発明における超音波トランスデューサの実施の形態の一
例である。なお、複数の超音波トランスデューサに対す
る符号付けは1箇所で代表する。個々の超音波トランス
デューサ302は、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコ
ン(Zr)酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料で構
成される。
【0018】超音波トランスデューサ302としては、
例えば図3に示すような周波数特性を持つものが用いら
れる。すなわち、同図に示すように、超音波トランスデ
ューサの周波数特性は、相対感度が1になる中心周波数
が例えば3MHz、相対感度が0.5になる下側の周波
数(下側の半値周波数)が例えば2MHz、相対感度が
0.5になる上側の周波数(上側の半値周波数)が例え
ば4MHzとなっている。
【0019】このような関係に基づき、下側の半値周波
数(2MHz)を基本周波数とする超音波を送波し、そ
の2次の高調波すなわち上側の半値周波数(4MHz)
のエコーを受波する。
【0020】超音波プローブ2は送受信部6に接続され
ている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を
与えて、超音波を送波させるようになっている。超音波
プローブ2および送受信部6は、本発明の超音波送波装
置の実施の形態の一例である。送受信部6は、また、超
音波プローブ2が受波したエコーを受信するようになっ
ている。
【0021】送受信部6のブロック図を図4に示す。同
図において、送波タイミング(timing)発生回路602
は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビーム
フォーマ(beamformer)604に入力するようになってい
る。
【0022】送波ビームフォーマ604は、送波タイミ
ング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beamfor
ming) 信号、すなわち、超音波トランスデューサアレイ
300中の送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の
超音波トランスデューサを時間差をもって駆動する複数
の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するよ
うになっている。
【0023】駆動信号は、例えば単極性の所定波数の矩
形波パルス信号で、その基本周波数が2MHzとなって
いる。単極性の矩形波パルス信号信号は、基本周波数と
その近傍の周波数成分および2次の高調波とその近傍の
周波数成分を含んでいる。
【0024】送波ビームフォーマ604は、送波アパー
チャを構成する複数の超音波トランスデューサの半数に
ついては、さらに、駆動信号に一律に所定の遅延時間を
付与するになっている。送波ビームフォーマ604は、
本発明における遅延手段の実施の形態の一例である。遅
延時間は例えば416.7nsとなっている。
【0025】この遅延時間は1.2MHzの信号の1/
2周期に相当するものである。これは、また、後述する
2.4MHzの信号の1周期に相当し、3.6MHzの
信号の1.5周期に相当する。
【0026】この遅延時間を付与した駆動信号が与えら
れる超音波トランスデューサは、例えば、送波アパーチ
ャにおける配列番号が偶数の超音波トランスデューサと
する。このようにすることにより、遅延駆動される超音
波トランスデューサの分布を送波アパーチャ内で均一化
し、後述する2次の高調波の相殺を適切に行なうことが
できる。
【0027】なお、遅延駆動される超音波トランスデュ
ーサは、奇数番目のものとしても良いのは勿論である。
また、それに限らず、遅延駆動される半数の超音波トラ
ンスデューサを送波アパーチャ内に適宜に分散させるよ
うにしても良く、あるいは、送波アパーチャの片側半分
にまとめても良い。
【0028】送受切換回路606は、このような複数の
駆動信号を超音波トランスデューサアレイ300に入力
するようになっている。アレイ中の送波アパーチャを構
成する複数の超音波トランスデューサ302は、複数の
駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波
をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成により超
音波ビームが形成される。
【0029】超音波トランスデューサ302が図3に示
したような周波数特性を持つことにより、基本周波数が
2MHzの単極性の矩形波パルス信号で駆動されたと
き、この駆動信号の周波数成分に対応する周波数成分を
含む超音波が送波されるが、送波超音波の周波数成分の
比率は、超音波トランスデューサ302の周波数特性の
影響をうける。
【0030】その様子を図5によって説明する。駆動信
号の周波数成分は、同図に破線で示すように基本周波数
f0(2MHz)と2次の高調波2f0(4MHz)に
それぞれピーク(peak)を持って分布するが、基本周波数
および2次の高調波がそれぞれ超音波トランスデューサ
302の周波数特性の下側半値周波数および上側半値周
波数に相当しているので、送波超音波の周波数成分は、
周波数特性の傾斜部分の影響を受ける。
【0031】すなわち、基本周波数およびその近傍の周
波数は、周波数特性の右上がりの傾斜部分によりいわゆ
る高域強調が行なわれ、結果的に2.4MHzにピーク
を持つ分布が得られる。これに対して、2次の高調波お
よびその近傍の周波数は、左上がりの傾斜部分によりい
わゆる低域強調が行なわれ、結果的に3.6MHzにピ
ークを持つ分布となる。これは、実効的に、基本周波数
が2.4MHz(f0’)に上昇し、2次の高調波の周
波数が3.6MHz(2f0’)に低下したことにな
る。
【0032】このような状況において、送波アパーチャ
における複数の超音波トランスデューサ302を駆動す
る信号には、超音波ビームの集束および方位を決める遅
延時間に加えて、1つ置きに416.7nsの遅延が付
与されている。この遅延は、周波数が1.2MHz(f
0’/2)の信号を1/2周期遅らせるものなので、
2.4MHzの信号では1周期の遅延に相当する。した
がって、実効的な基本周波数2.4MHzの超音波は遅
延が付与されたものも遅延が付与されないものも、集束
点では全て同相となって強め合う。
【0033】これに対して、上記の遅延は、3.6MH
zの信号を1.5周期に遅らせるものになるので、実効
的な2次の高調波周波数3.6MHzの超音波は、遅延
が付与されたものとそうでないものとは、集束点におい
て互いに逆位相となって打ち消し合う。
【0034】すなわち、送波超音波の実効的な基本波は
同相加算によって強め合うが、実効的な2次の高調波は
逆相加算によって相殺する。これによって、送波超音波
は2次の高調波を含まないものとなる。
【0035】また、基本波については、送波アパーチャ
において隣合う全ての超音波トランスデューサ302か
ら送波された超音波が同相で加算されるので、従来のよ
うにアレイの実効ピッチが2倍になるようなことはな
く、グレーティングサイドローブが増加することはな
い。
【0036】以上の効果は、上記の特定な周波数特性に
限らず、中心周波数fc、下側半値周波数f0、上側半
値周波数2f0の比が、少なくとも上記の例と実質的に
同じになっている周波数特性において成立する。また、
駆動信号が単極性の矩形波パルス信号である場合のみに
限らず、2次の高調波を含む波形の全ての駆動信号につ
いて成立する。
【0037】超音波ビームの送波は、送波タイミング発
生回路602が発生する送波タイミング信号により、所
定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの方位
は送波ビームフォーマ604によって順次変更される。
それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成
する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部
が音線順次で走査される。
【0038】送受切換回路606は、超音波トランスデ
ューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコ
ー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようにな
っている。受波ビームフォーマ610は、複数の受波エ
コーに時間差を付与して位相を調整し次いでそれら加算
して、音線に沿ったエコー受信信号の形成、すなわち、
受波のビームフォーミングを行なうようになっている。
受波ビームフォーマ610により、受波の音線も送波に
合わせて走査される。以上の、送波タイミング発生回路
602乃至受波ビームフォーマ610は、後述の制御部
18によって制御されるようになっている。
【0039】このような構成の送受信部6は、例えば図
6に示すような走査を行なう。すなわち、放射点200
からz方向に延びる超音波ビーム(音線)202が扇状
の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタ
スキャン(sector scan) を行なう。
【0040】送波および受波のアパーチャを超音波トラ
ンスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、こ
のアパーチャをアレイに沿って順次移動させることによ
り、例えば図7に示すような走査を行なうことができ
る。すなわち、放射点200からz方向に発する音線2
02を直線状の軌跡204に沿って平行移動させること
により、矩形状の2次元領域206がx方向に走査さ
れ、いわゆるリニアスキャン(linear scan) が行なわれ
る。
【0041】なお、超音波トランスデューサアレイが、
超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたい
わゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合
は、リニアスキャンと同様な音線操作により、例えば図
8に示すように、音線202の放射点200を円弧状の
軌跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域20
6をθ方向に走査して、いわゆるコンベクススキャンが
行なえるのは言うまでもない。
【0042】送受信部6はBモード(mode)処理部10に
接続され、各音線毎のエコー受信信号をBモード処理部
10に入力するようになっている。Bモード処理部10
はBモード画像データ(data)を形成するものである。B
モード処理部10は、例えば図9に示すように基本波処
理部110および高調波処理部130を備えている。基
本波処理部110および高調波処理部130には、受波
ビームフォーマ610の出力信号が共通に入力される。
【0043】基本波処理部110は、基本波エコーすな
わち送波超音波の基本周波数と同じ周波数を持つエコー
受信信号を通過させる図示しないフィルタ(filter)を有
する。高調波処理部130は、高調波エコーすなわち送
波超音波の基本周波数の例えば2次の高調波(第2高調
波)と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図
示しないフィルタを有する。
【0044】基本波処理部110は、入力信号につき、
基本波エコーを対数増幅および包絡線検波することによ
り、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号
すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコー
プ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモー
ド画像データを形成するようになっている。すなわち基
本波処理部110は基本波エコーに基づくBモード画像
データを生成する。
【0045】高調波処理部130は、入力信号につき、
第2高調波エコーを対数増幅および包絡線検波すること
により、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す
信号すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信
号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画
像データを形成するようになっている。すなわち高調波
処理部130は、第2高調波エコーに基づくBモード画
像データをそれぞれ生成する。
【0046】Bモード処理部10は画像処理部14に接
続されている。画像処理部14は、Bモード処理部10
から入力される複数系統のBモード画像データに基づい
て複数のBモード画像をそれぞれ生成するものである。
【0047】画像処理部14は、図10に示すように、
バス(bus) 140によって接続された音線データメモリ
(data memory) 142、ディジタル・スキャンコンバー
タ(digital scan converter)144、画像メモリ146
および画像処理プロセッサ(processor) 148を備えて
いる。
【0048】Bモード処理部10から音線毎に入力され
た基本波エコーおよび第2高調波エコーによるBモード
画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶
される。音線データメモリ142内にはそれぞれの音線
データ空間が形成される。
【0049】ディジタル・スキャンコンバータ144
は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間
のデータに変換するものである。ディジタル・スキャン
コンバータ144によって変換された画像データは、画
像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ1
46は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロ
セッサ148は、音線データメモリ142および画像メ
モリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理
を施す。
【0050】画像処理部14には表示部16が接続され
ている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が
与えられ、それに基づいて画像を表示するようになって
いる。表示部16は、例えばカラー(color)画像が表示
可能なグラフィックディスプレー(graphic display) 等
によって構成される。
【0051】以上の送受信部6、Bモード処理部10、
画像処理部14および表示部16は制御部18に接続さ
れている。制御部18は、それら各部に制御信号を与え
てその動作を制御するようになっている。また、制御部
18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力され
るようになっている。制御部18による制御の下で、超
音波撮像が遂行される。
【0052】制御部18には操作部20が接続されてい
る。操作部20は操作者によって操作され、制御部18
に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作
部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作
具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0053】本装置の動作を説明する。操作者は、超音
波プローブ2を被検体4の所望の個所に当接し、操作部
20を操作して撮像を行う。撮像は、制御部18による
制御の下で遂行される。
【0054】撮像は、例えば図6に示したようなセクタ
スキャンにより、各音線ごとに超音波ビームを送波し、
そのエコーを受信し、エコー受信信号に基づいてBモー
ド画像を生成する。勿論、図7および図8に示したリニ
アスキャンおよびコンベックススキャンを行なうように
しても良い。
【0055】各音線のエコー受信信号に基づき、Bモー
ド処理部10でBモード画像データが形成される。Bモ
ード画像データは、基本波エコーに基づくものと第2高
調波エコーに基づくものとがそれぞれ形成され、画像処
理部14の音線データメモリ142に記憶される。
【0056】画像処理プロセッサ148は、音線データ
メモリ142の複数系統のBモード画像データを、ディ
ジタル・スキャンコンバータ144で走査変換してそれ
ぞれ画像メモリ146に書き込む。
【0057】操作者は、操作部20を操作して、これら
のBモード画像を表示部16に表示させる。そして、表
示された基本波エコー像と第2高調波エコー像とを観察
し、両画像の比較対照等により診断を行なう。送波超音
波に第2高調波が含まれないので、第2高調波エコー像
は非線形効果によるエコーに基づいて撮像した画像とな
る。
【0058】以上、非線形効果を利用したパラメトリッ
クイメージング(parametric imaging)の例について説明
したが、超音波撮像はそれに限るものではなく、マイク
ロバルーンを用いる造影撮像を行なうようにしても良い
の勿論である。
【0059】また、Bモード撮像の例について説明した
が、超音波撮像はそれに限らず、エコーのドップラシフ
ト(Doppler shift) を利用して動態画像を撮像するもの
であっても良いのはいうまでもない。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、副作用なしに送波超音波の2次の高調波を除去す
る超音波送波方法および装置並びに超音波撮像装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置における超音
波トランスデューサアレイの模式的構成を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置における超音
波トランスデューサの周波数特性を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置における送受
信部のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置における超音
波トランスデューサの周波数特性および送波超音波の周
波数分布を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置による音線走
査の概念図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置による音線走
査の概念図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置による音線走
査の概念図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモ
ード処理部のブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例の装置における画
像処理部のブロック図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ 4 被検体 6 送受信部 10 Bモード処理部 14 画像処理部 16 表示部 18 制御部 20 操作部 602 送波タイミング発生回路 604 送波ビームフォーマ 606 送受切換回路 610 受波ビームフォーマ 110 基本波処理部 130 高調波処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C301 AA02 BB01 BB02 BB23 BB40 CC02 DD02 EE20 GB03 GB06 HH01 HH16 HH24 HH37 HH38 HH52 HH60 JB11 JB29 JB37 JB50 KK02 KK11 KK13 LL02 LL04 LL06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心周波数より上側の半値周波数が下側
    の半値周波数の約2倍となる周波数特性を持つ、送波ア
    パーチャを構成する複数の超音波トランスデューサを前
    記下側の半値周波数に相当する周波数を持つ駆動信号で
    個々に駆動して超音波ビームを送波する超音波送波方法
    であって、 前記複数の超音波トランスデューサうちの一部のものを
    駆動する駆動信号に、前記周波数特性の影響を受けて変
    化した送波の実効的な基本周波数の半分の周波数を持つ
    信号をその半周期分遅らせる時間に相当する遅延時間を
    付与する、ことを特徴とする超音波送波方法。
  2. 【請求項2】 中心周波数より上側の半値周波数が下側
    の半値周波数の約2倍となる周波数特性を持つ、送波ア
    パーチャを構成する複数の超音波トランスデューサを前
    記下側の半値周波数に相当する周波数を持つ駆動信号で
    個々に駆動して超音波ビームを送波する超音波送波装置
    であって、 前記複数の超音波トランスデューサうちの一部のものを
    駆動する駆動信号に、前記周波数特性の影響を受けて変
    化した送波の実効的な基本周波数の半分の周波数を持つ
    信号をその半周期分遅らせる時間に相当する遅延時間を
    付与する遅延手段、を具備することを特徴とする超音波
    送波装置。
  3. 【請求項3】 中心周波数より上側の半値周波数が下側
    の半値周波数の約2倍となる周波数特性を持つ、送波ア
    パーチャを構成する複数の超音波トランスデューサを前
    記下側の半値周波数に相当する周波数を持つ駆動信号で
    個々に駆動して超音波ビームを送波し、エコーに基づい
    て画像を生成するする超音波撮像装置であって、 前記複数の超音波トランスデューサうちの一部のものを
    駆動する駆動信号に、前記周波数特性の影響を受けて変
    化した送波の実効的な基本周波数の半分の周波数を持つ
    信号をその半周期分遅らせる時間に相当する遅延時間を
    付与する遅延手段、を具備することを特徴とする超音波
    撮像装置。
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