JP4083872B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波撮像方法および装置並びにスペーサに関し、特に、被検体内での超音波伝播の非線形効果を利用して撮像を行なう超音波撮像方法および装置、並びに、超音波伝播の非線形効果を利用して撮像を行なうためのスペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体内での超音波伝播の非線形効果を利用して撮像を行なう超音波撮像装置は、パラメトリックソーナー(parametric sonar)として知られている。この装置では、被検体内に超音波を送波したときに、体内での超音波伝播の非線形性により発生する2次や3次の高調波エコーを利用して撮像を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
非線形効果は、超音波ビームの瞬時音圧が上昇するいわゆる焦点以降の領域で発現するので、一般に焦点よりも手前になる被検体の体表およりそれに近い浅部については高調波エコーによる撮像ができないという問題があった。
【0004】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、被検体の浅部についても高調波エコーによる撮像が可能な超音波撮像方法および装置並びにスペーサを実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の発明は、被検体に超音波を送波し前記被検体内での非線形効果による高調波エコーに基づいて画像を生成する超音波撮像方法であって、前記被検体への超音波の送波を音響伝播媒体からなるスペーサを介して行なう、ことを特徴とする超音波撮像方法である。
【0006】
(2)上記の課題を解決する第2の発明は、被検体に超音波を送波し前記被検体内での非線形効果による高調波エコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、前記被検体への超音波の送波経路に設けられた音響伝播媒体からなるスペーサ、を具備することを特徴とする超音波撮像装置である。
【0007】
第1の発明または第2の発明において、前記音響伝播媒体はB/A値が水より大きいものであることが、非線形効果の発現が容易な点で好ましい。
この場合、前記音響伝播媒体は油であることが、適切なB/A値を得る点で好ましい。
【0008】
また、第1の発明または第2の発明において、前記超音波は長距離集束ビームであることが、非線形効果の発現距離が長い点で好ましい。
この場合、長距離集束ビームはベッセルビームであることが、ビームの長距離集束性が良い点で好ましい。
【0009】
(3)上記の課題を解決する第3の発明は、中空の筒部材と、前記筒部材の両端の開口部を封止する音響学的に実質的に透明な膜部材と、前記筒部材および前記膜部材で囲まれた空間を満たすB/A値が水のB/A値より大きい音響伝播媒体と、を具備することを特徴とするスペーサである。
【0010】
第3の発明において、前記音響伝播媒体は油であることが、適切なB/A値を得る点で好ましい。
(作用)
本発明では、音響伝播媒体からなるスペーサにより被検体の体表までの送波超音波の伝播距離を長くし、非線形効果を被検体の浅部で発現可能にする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に、超音波撮像装置のブロック(block) 図を示す。本装置は、本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0012】
本装置の構成を説明する。図1に示すように、本装置は、超音波プローブ(probe) 2を有する。超音波プローブ2は、スタンドオフ(stand-off) 30を介して被検体4に当接されて超音波の送受波に使用される。スタンドオフ30は、本発明におけるスペーサの実施の形態の一例である。
【0013】
超音波プローブ2は、図示しない超音波トランスデューサアレイ(transducer array)を有する。超音波トランスデューサアレイは、複数の超音波トランスデューサをアレイ状に配列して構成される。個々の超音波トランスデューサは、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Zr)酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料で構成される
スタンドオフ30は、例えば、プラスチック(plastics)等の音響学的に実質的に透明な物質からなる容器に、油等の音響伝播媒体を満たして構成される。これによって、スタンドオフ30は、超音波プローブ2を被検体4の表面に所定の距離を隔てて対面させるとともに、両者を音響伝播媒体により音響的に結合するものとなる。
【0014】
具体的には、スタンドオフ30は、例えば図2に示すように、断面形状が概ね長方形の中空の筒体302と、その両端の開口部を封止する音響学的に実質的に透明で伸縮可能な膜304,306とからなる容器に、油を充満させたものとして構成される。筒体302の内壁に吸音材を設けることが、内壁からの超音波の反射を無くす点で好ましい。
【0015】
筒体302は、本発明における筒部材の実施の形態の一例である。膜304,306は、本発明における膜部材の実施の形態の一例である。油は本発明における音響伝播媒体の実施の形態の一例である。
【0016】
このようなスタンドオフ30を、膜304,306のうちの一方を被検体4に当接し、他方に超音波プローブ2を当接して使用する。膜304,306が伸縮可能でかつ内側が油で満ちていることにより、スタンドオフ30の両当接部は被検体4および超音波プローブ2の表面にそれぞれよく馴染むものとなる。
【0017】
音響伝播媒体として油を用いることは、音響伝播の非線形性を表すいわゆるB/A(B over A)の値が油は水の2倍以上であり、非線形効果が発現し易い点で好ましい。勿論、非線形効果がやや弱いことを許容するなら、油の代わりに水を用いることも可能である。
【0018】
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて、超音波を送波させるようになっている。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波したエコーを受信するようになっている。
【0019】
送受信部6のブロック図を図3に示す。同図において、送波タイミング(timing)発生回路602は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビームフォーマ(beamformer)604に入力するようになっている。
【0020】
送波ビームフォーマ604は、送波タイミング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beamforming) 信号、すなわち、超音波トランスデューサアレイ中の送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波トランスデューサを時間差をもって駆動する複数の駆動信号を発生し、送受切換回路606に入力するようになっている。
【0021】
送受切換回路606は、複数の駆動信号を超音波トランスデューサアレイに入力するようになっている。アレイ中の送波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。それら超音波の波面合成により超音波ビームが形成される。
【0022】
超音波ビームの送波は、送波タイミング発生回路602が発生する送波タイミング信号により、所定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの方位は送波ビームフォーマ604によって順次変更される。それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部が音線順次で走査される。
【0023】
送受切換回路606は、超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようになっている。受波ビームフォーマ610は、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調整し次いでそれら加算して、音線に沿ったエコー受信信号の形成、すなわち、受波のビームフォーミングを行なうようになっている。受波ビームフォーマ610により、受波の音線も送波に合わせて走査される。以上の、送波タイミング発生回路602乃至受波ビームフォーマ610は、後述の制御部18によって制御されるようになっている。
【0024】
このような構成の送受信部6は、例えば図4に示すような走査を行なう。すなわち、放射点200からz方向に延びる超音波ビーム(音線)202が扇状の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタスキャン(sector scan) を行なう。
【0025】
送波および受波のアパーチャを超音波トランスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、このアパーチャをアレイに沿って順次移動させることにより、例えば図5に示すような走査を行なうことができる。すなわち、放射点200からz方向に発する音線202を直線状の軌跡204に沿って平行移動させることにより、矩形状の2次元領域206がx方向に走査され、いわゆるリニアスキャン(linear scan) が行なわれる。
【0026】
なお、超音波トランスデューサアレイが、超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたいわゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合は、リニアスキャンと同様な音線操作により、例えば図6に示すように、音線202の放射点200を円弧状の軌跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域206をθ方向に走査して、いわゆるコンベクススキャンが行なえるのは言うまでもない。
【0027】
送受信部6はBモード(mode)処理部10に接続され、各音線毎のエコー受信信号をBモード処理部10に入力するようになっている。Bモード処理部10はBモード画像データ(data)を形成するものである。Bモード処理部10は、例えば図7に示すように基本波処理部110および高調波処理部130を備えている。基本波処理部110および高調波処理部130には、受波ビームフォーマ610の出力信号が共通に入力される。
【0028】
基本波処理部110は、基本波エコーすなわち送波超音波の中心周波数と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図示しないフィルタ(filter)を有する。高調波処理部130は、高調波エコーすなわち送波超音波の中心周波数の例えば2次の高調波(第2高調波)と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図示しないフィルタを有する。なお、このフィルタは、必要に応じて3次またはそれ以上の高次の高調波に対応するものとしても良いのは勿論である。
【0029】
基本波処理部110は、入力信号につき、基本波エコーを対数増幅および包絡線検波することにより、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。すなわち基本波処理部110は基本波エコーに基づくBモード画像データを生成する。
【0030】
高調波処理部130は、入力信号につき、第2高調波エコーを対数増幅および包絡線検波することにより、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを形成するようになっている。すなわち高調波処理部130は、第2高調波エコーに基づくBモード画像データをそれぞれ生成する。
【0031】
Bモード処理部10は画像処理部14に接続されている。画像処理部14は、Bモード処理部10から入力される複数系統のBモード画像データに基づいて複数のBモード画像をそれぞれ生成するものである。
【0032】
画像処理部14は、図8に示すように、バス(bus) 140によって接続された音線データメモリ(data memory) 142、ディジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter)144、画像メモリ146および画像処理プロセッサ(processor) 148を備えている。
【0033】
Bモード処理部10から音線毎に入力された基本波エコーおよび第2高調波エコーによるBモード画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶される。音線データメモリ142内にはそれぞれの音線データ空間が形成される。
【0034】
ディジタル・スキャンコンバータ144は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間のデータに変換するものである。ディジタル・スキャンコンバータ144によって変換された画像データは、画像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ146は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142および画像メモリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理を施す。
【0035】
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。表示部16は、例えばカラー(color)画像が表示可能なグラフィックディスプレー(graphic display) 等によって構成される。
【0036】
以上の送受信部6、Bモード処理部10、画像処理部14および表示部16は制御部18に接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御するようになっている。また、制御部18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力されるようになっている。制御部18による制御の下で、超音波撮像が遂行される。
【0037】
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は操作者によって操作され、制御部18に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0038】
本装置の動作を説明する。操作者は、超音波プローブ2をスタンドオフ30を介して被検体4の所望の個所に当接し、操作部20を操作して撮像を行う。撮像は、制御部18による制御の下で遂行される。
【0039】
撮像は、例えば図4に示したようなセクタスキャンにより、各音線ごとに超音波ビームを送波し、そのエコーを受信し、エコー受信信号に基づいてBモード画像を生成する。勿論、図5および図6に示したリニアスキャンおよびコンベックススキャンを行なうようにしても良い。
【0040】
このようなスキャンが行なわれる音場において、被検体4の体表は、スタンドオフ30を介在させた分だけ超音波プローブ2の超音波放射面から遠い距離にある。これにより、被検体4の体表に到る非線形性を有する超音波伝播距離が長くなり、超音波ビームの焦点領域、すなわち、非線形効果が発現する領域を体表付近から始まるようにすることができ、被検体4の極く浅部からも高調波エコーを得ることができる。
【0041】
各音線のエコー受信信号に基づき、Bモード処理部10でBモード画像データが形成される。Bモード画像データは、基本波エコーに基づくものと第2高調波エコーに基づくものとがそれぞれ形成され、画像処理部14の音線データメモリ142に記憶される。
【0042】
画像処理プロセッサ148は、音線データメモリ142の複数系統のBモード画像データを、ディジタル・スキャンコンバータ144で走査変換してそれぞれ画像メモリ146に書き込む。
【0043】
操作者は、操作部20を操作して、これらのBモード画像を表示部16に表示させる。そして、表示された基本波エコー像と第2高調波エコー像とを観察し、両画像の比較対照等により診断を行なう。第2高調波エコー像は、被検体の体表から始まる画像を含むので、基本波エコー像との比較対照を行なうのに都合が良い。
【0044】
このようにスペーサ30を用いるとき、撮像対象のレンジ(range) が遠くなるので、送波の超音波ビームとしては、長距離集束ビームを利用するのが好ましい。長距離集束ビームの典型例はベッセルビーム(Bessel beam) である。
【0045】
ベッセルビームについては、例えば文献:山田,多勢,中村,「コニカル形の放射面を用いたベッセルビームトランスジューサ」日本音響学会誌48巻12号,pp.871−875,1992に記載されている。
【0046】
それによれば、回折の全く生じない波動ビームが理論的に存在し、この波動ビームは、0次の第1種ベッセル関数J0(J0関数)で与えられる断面内分布を持ち、中心軸上のどの位置においても同じ分布を保ったまま伝搬する。このような無回折ビームは、本来開口が無限の場合にのみ存在するものであるが、有限の開口面から放射された場合でも、ある程度長い距離範囲にわたり広がらずに伝搬する。
【0047】
ベッセル形の超音波ビームを放射するトランスデューサ(transducer)としては、圧電セラミック(ceramic) 振動子をJ0関数の形に対応させて分極した後、これを一様な電圧で駆動するようにしたものや、一様に分極された振動子に設けた電極を同心リング状に分割し、各電極への印加電圧をJ0関数の形に応じて変えるようにしたものがある。
【0048】
ベッセル形の超音波ビームは、中心軸上ある程度長い距離範囲にわたってビームが集束したものすなわち長距離集束ビームとなり、かつその範囲において瞬時音圧の変化が小さくなる。
【0049】
図9に、ベッセルビーム送波用の超音波トランスデューサアレイの模式的構成を示す。同図に示すように、超音波トランスデューサアレイ20は、複数の超音波トランスデューサ22の2次元アレイによって構成される。
【0050】
送受信部6による超音波トランスデューサアレイ20の駆動は、ベッセル形の超音波ビーム(超音波ベッセルビーム)を形成するように行われる。具体的には、例えば図10に示すように、超音波トランスデューサアレイ20の開口における相対的な振動速度分布が0次の第1種ベッセル関数J0(J0関数)の形になるように、個々の超音波トランスデューサ22を駆動することによって行われる。なお、図10のグラフの横軸は、開口半径によって正規化された距離を表す。
【0051】
これによって、図11に示すように、ビームの中心軸に垂直な断面内の瞬時音圧分布がJ0関数で与えられる超音波ビーム、すなわち超音波ベッセルビームが得られる。超音波ベッセルビームは、本発明における長距離集束ビームの実施の形態の一例である。このビームは、同図に示すように、半値幅が開口の10分の1程度の集束ビームとなる。なお、図11の音圧と距離はいずれも正規化された値である。
【0052】
このような瞬時音圧分布が、ビームの中心軸上ある程度長い距離範囲にわたって保たれる。すなわち、ビームの集束状態が長い距離範囲にわたって維持され、長距離集束ビームが形成される。また、このとき、ビームの中心軸上の瞬時音圧は、図12に示すように、長い距離範囲にわたって変化量の少ないものとなる。なお、図12における音圧と距離はいずれも正規化値によって表す。
【0053】
超音波の送波が、ベッセルビームすなわち長距離集束ビームによって行われることにより、被検音場の深さ方向の広い範囲で瞬時音圧がほぼ同じになり、スペーサ30の介在により遠くなった被検体4でも適切に撮像することができる。また、ビームの集束が超音波トランスデューサアレイ20の直近から始まるので、被検体4の浅部から非線形効果を発現させることができる。したがって、撮像の深度によってはスペーサ30を省略することも可能となる。
【0054】
長距離集束ビームの送波部としては、上記のような2次元アレイが、超音波トランスデューサの駆動条件を個々に調節でき、精度の良いベッセルビームを得る点で好ましいが、それに限るものではなく、他の送波手段を利用するようにしても良い。
【0055】
図13に、長距離集束ビームの送波部の他の形態例を示す。図13の(a)は、リング(ring)状の超音波トランスデューサ221を用いた例である。同図では、超音波トランスデューサ221を断面図によって示す。これを駆動したとき、超音波トランスデューサ221から、同図に同心円ないし円弧で示すように、ドーナッツ状の波面を成す超音波が送波され、それら波面の合成により、中心軸230に沿って、瞬時音圧の変化が少ない集束ビームすなわち長距離集束ビームが形成される。
【0056】
図13の(b)は、回転双曲線型の放射面を有する超音波トランスデューサ222を用いたものである。超音波トランスデューサ222は断面図で示す。これを駆動したとき、放射面の各部からそれぞれ法線方向に放射される超音波の波面合成によって、瞬時音圧の変化が少ない集束ビームが中心軸230に沿って形成される。
【0057】
図13の(c)は、上記の構成を簡略化したものであり、コーン(corn)状凹面を有する超音波トランスデューサ223を用いている。超音波トランスデューサ223は断面図によって示す。この場合も、(b)に示したものと同様に長距離集束ビームが送波される。ただし、超音波送波面の形状を簡略化した分だけビームの性状は劣るが、用途によってはこれで十分である。
【0058】
以上、Bモード撮像の例について説明したが、超音波撮像はそれに限るものではなく、エコーのドップラシフト(Doppler shift) を利用して動態画像を撮像するものであっても良いのはいうまでもない。
【0059】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、被検体の浅部についても高調波エコーによる撮像が可能な超音波撮像方法および装置並びにスペーサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるスタンドオフの模式的構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例の装置における送受信部のブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置による音線走査の概念図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモード処理部のブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置における画像処理部のブロック図である。
【図9】 本発明の実施の形態の一例の装置における超音波トランスデューサアレイの模式的構成を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態の一例の装置における超音波トランスデューサアレイの動作状態を示す波形図である。
【図11】 本発明の実施の形態の一例の装置が利用するベッセルビームの中心軸に垂直な方向の音圧分布を示すグラフである。
【図12】 本発明の実施の形態の一例の装置が利用するベッセルビームの中心軸方向の音圧分布を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施の形態の一例の装置における超音波トランスデューサの模式的構成を示す図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ
30 スタンドオフ
4 被検体
6 送受信部
10 Bモード処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部
602 送波タイミング発生回路
604 送波ビームフォーマ
606 送受切換回路
610 受波ビームフォーマ
110 基本波処理部
130 高調波処理部

Claims (3)

  1. 被検体に超音波を送波し前記被検体内での非線形効果による高調波エコーに基づいて画像を生成する超音波撮像装置であって、
    前記被検体への超音波の送波経路に設けられた前記非線形効果を有する音響伝播媒体からなるスペーサと、
    通常の画像生成用の超音波ビームよりも、超音波ビームの中心軸上の長い距離範囲にわたってビームの集束状態が維持された画像生成用の超音波を前記被検体に送波する送波手段とを具備することを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 請求項1に記載の超音波撮像装置において、
    前記送波手段は、ベッセルビームである画像生成用の超音波を送波することを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項1に記載の超音波撮像装置において、
    前記送波手段は、超音波送波面側にコーン状凹面を有する超音波トランスデューサを用いて前記ビームの集束状態が維持された画像生成用の超音波を送波することを特徴とする超音波撮像装置。
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