JP2004288988A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化物透明電極層が発光層部のp型層側に設けられているにもかかわらず、発光層駆動のための順方向電圧を十分に低減でき、ひいては低い駆動電圧により高輝度を実現できる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子100は、主化合物半導体層50の第一主表面MP1に、p型第一主表面側層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層32と、p型第一主表面側層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層31とがこの順序で形成された反転ダイオード部33を有し、発光層部24のp型層側に正極性電圧を印加するための酸化物透明電極層30が、反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31と接して形成される。酸化物透明電極層30が正極性となるように発光層部24に順方向駆動電圧を印加することにより、逆バイアス状態となる反転ダイオード部33のp−n接合をトンネル効果により通過させつつ発光層部24に駆動電流を供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】発光素子100は、主化合物半導体層50の第一主表面MP1に、p型第一主表面側層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層32と、p型第一主表面側層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層31とがこの順序で形成された反転ダイオード部33を有し、発光層部24のp型層側に正極性電圧を印加するための酸化物透明電極層30が、反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31と接して形成される。酸化物透明電極層30が正極性となるように発光層部24に順方向駆動電圧を印加することにより、逆バイアス状態となる反転ダイオード部33のp−n接合をトンネル効果により通過させつつ発光層部24に駆動電流を供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平1−225178号公報
【特許文献2】
特開平6−188455号公報
【0003】
化合物半導体にて発光層部を形成した半導体発光素子のうち、表示用や照明用などの発光ダイオード光源として用いるものは、発光層部の光取出面側に駆動電圧を印加するための金属電極を形成する。金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部主表面の中央部のみを覆う形で形成し、その周囲の電極非形成領域から光を取り出すこととなる。しかし、金属電極が遮光体であることに変わりはなく、また、電極面積を極端に小さくしすぎると、素子面内の電流拡散が妨げられて、却って光取出量が制限される問題もある。そこで、発光層部の全面を、透明で高導電率のITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)電極層にて覆い、透明電極層を介した光取出し効率の向上と、電流拡散効果の改善とを同時に図る提案が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0004】
いずれの公報においても、発光層部に直接ITO透明電極層を形成したのではコンタクト抵抗が高くなりすぎ、適正な動作電圧で駆動できなくなる点を問題として挙げている。特許文献1では、発光層部の上に、InGaAsよりなるコンタクト層を有機金属気相成長法(Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy: MOVPE)にて直接エピタキシャル成長させ、その上にITO電極層を形成する方法が開示されている。他方、特許文献2では、発光層部の上にGaAs層をMOVPE法にてエピタキシャル成長させ、その上にITO透明電極層を形成した後、熱処理を行う方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発光素子はp型層側を光取出面として使用することが多い。しかしながら、ITOなどの酸化物導電体は、p型半導体との間で良好なオーミックコンタクトを取ることが非常に難しい。例えは、特許文献1や特許文献2では、p型のGaAs系あるいはInGaAs系のコンタクト層を用いているが、これらの化合物半導体は、p型ドーパントを相当大量に添加しても、ITOとの接触抵抗は、実際には十分に低減できない問題がある。
【0006】
本発明は、酸化物透明電極層が発光層部のp型層側に設けられているにもかかわらず、発光層駆動のための順方向電圧を十分に低減でき、ひいては低い駆動電圧により高輝度を実現できる発光素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、p−n接合部をなす発光層部を有するとともに、第一主表面側がp型層面となり、第二主表面側がn型層面となる主化合物半導体層を備え、該主化合物半導体層のp型層面をなす化合物半導体層をp型第一主表面側層として、
主化合物半導体層の第一主表面に、p型第一主表面側層よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層と、p型第一主表面側層よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層とがこの順序で形成された反転ダイオード部と、
発光層部のp型層側に正極性電圧を印加するために、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層と接して形成された酸化物透明電極層と、
発光層部のn型層側に負極性電圧を印加するための負極側電極とを備え、
酸化物透明電極層が正極性、負極側電極が負極性となる極性で発光層部に順方向駆動電圧を印加することにより、逆バイアス状態となる反転ダイオード部のp−n接合をトンネル効果により通過させつつ発光層部に駆動電流を供給することを特徴とする。
【0008】
上記の構造では、発光層部を有した主化合物半導体層のp型層側に酸化物透明電極層を形成する。特許文献1あるいは特許文献2においては、該主化合物半導体層のp型第一主表面側層上に、p型化合物半導体層のみからなるコンタクト層を配置し、その上に酸化物透明電極層を形成していたが、この構造ではp型層側における酸化物透明電極層の良好なオーミックコンタクトの形成は期待できない。
【0009】
しかし、本発明では、p型高濃度ドーピング層の上に、さらにn型高濃度ドーピング層を積層して反転ダイオード部を形成し、その反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層上に酸化物透明電極層を形成する。これにより、酸化物透明電極層は、オーミックコンタクトが非常にとりやすいn型高濃度ドーピング層上に形成されるので、p型層上に酸化物透明電極層を形成する特許文献1あるいは特許文献2の素子構造と比較して、コンタクト抵抗自体を大幅に低減することができる。ここで、発光層部に順方向駆動電圧を印加するために、酸化物透明電極層が正極性、負極側電極が負極性となる極性で電圧印加すると、上記の反転ダイオード部には逆バイアスにて電圧が印加されることになる。しかし、該反転ダイオード部は、高濃度ドーピング層同士のp−n接合であるから、接合界面に作りつけられる電界(build−in電界)に基づいたバンドの曲がりが非常に大きくなる。このため、小さな逆バイアスでも、p―n接合界面部では、高濃度層同士の接合により狭幅化したバンドギャップをトンネル効果によって通過させることができ、p型高濃度ドーピング層の価電子帯からn型高濃度ドーピング層の伝導帯に電子を容易に供給できる。その結果、逆バイアスの反転ダイオード部が介挿されているにもかかわらず、低い順方向電圧(この場合の「順方向」は、発光層部のp−n接合から見た場合の順方向である)で発光層部を問題なく通電駆動できる。すなわち、本発明の発光素子は、酸化物透明電極層が発光層部のp型層側に設けられているにもかかわらず、発光層駆動のための順方向電圧を十分に低減でき、ひいては低い駆動電圧により高輝度を実現できる。
【0010】
本発明の発光素子において順方向電圧低減を効果的に図るには、反転ダイオード部の逆バイアス域での電気抵抗を十分に低くする必要があり、具体的には接合界面付近でのバンドギャップのトンネル長を10nm以下にすることが望ましい。この場合、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層とp型高濃度ドーピング層とが、いずれも縮退半導体となっていることが、上記トンネル長を短くする上で好都合である。なお、「縮退半導体」は、高濃度ドーピングにより半導体のフェルミエネルギーレベルが、n型半導体の場合には伝導帯底よりも高くなっている半導体を、p型半導体の場合には価電子帯頂よりも低くなっている半導体のことをいうが、本明細書では、n型半導体においてフェルミエネルギーレベルが伝導帯底のレベルと一致しているもの、及びp型半導体においてフェルミエネルギーレベルが価電子帯頂のレベルと一致しているものも「縮退半導体」の概念に含めるものとする。
【0011】
反転ダイオード部においては、p型高濃度ドーピング層がn型高濃度ドーピング層よりもハイドープとなっていることが望ましい。ドーピングによって縮退半導体を得ようとする場合、必要なドーピングの濃度は、n型半導体の場合は伝導帯の有効状態密度Ncに、また、p型半導体の場合は価電子帯の有効状態密度Nvに依存して定まることが知られている。フェルミ−ディラック分布を用いた固体電子理論によると、ハイドープ域でのn型半導体の電子濃度Cnと、p型半導体の正孔濃度Chとは、それぞれ下記式(1)及び(2)にて表すことができる:
Cn=Nc・(2/√π)F1/2((EF−Ec)/kT) ‥(1)
Ch=Nv・(2/√π)F1/2(−(EF−Ev)/kT) ‥(2)
ただし、F1/2(X)は、引数をXとするフェルミディラック積分関数であり、EFはフェルミエネルギー、Ecは伝導帯底エネルギー、Evは価電子帯頂エネルギー、kはボルツマン定数である。縮退半導体を得るには、(1)ではEFがEcに、(2)ではEFがEvにそれぞれ等しくなることを意味し、温度一定の場合は、フェルミディラック積分F1/2(X)は定数化できる。その結果、CnとChは、伝導帯の有効状態密度Ncないし価電子帯の有効状態密度Nvにほぼ比例して増減すると考えることができる。また、伝導帯の有効状態密度Nc及び価電子帯の有効状態密度Nvは、温度が一定であれば、前者は電子の有効質量me*の3/2乗に、後者は正孔の有効質量mh*の3/2乗に、それぞれほぼ比例して変化することが知られている(ただし、波数空間においてエネルギー面の形状に異方性がある場合は、各主軸方向の有効質量の相乗平均値である状態密度有効質量(density of state effective mass)を用いることがより正確である)。
【0012】
従って、縮退半導体を得るのに必要なドーピングの濃度は、n型半導体の場合は電子の有効質量me*の3/2乗に比例して、p型半導体の場合は正孔の有効質量mh*の3/2乗に比例して定まると考えることができる。周知のごとく、正孔の有効質量mh*は電子の有効質量me*よりも一般には大きいので、上記の理由から、p型高濃度ドーピング層をn型高濃度ドーピング層よりもハイドープとすることが、p型高濃度ドーピング層を縮退半導体とする上で好都合である。
【0013】
酸化物透明電極層は、ITO電極層とすることができる。ITOは、酸化スズをドープした酸化インジウム膜であり、酸化スズの含有量を1〜9質量%とすることで、電極層の抵抗率を5×10−4Ω・cm以下の十分低い値とすることができる。しかし、金属伝導に近い電子伝導性を示すので、p型半導体とのオーミックコンタクトが特にとりにくい材質でもある。しかし、本発明のように反転ダイオード部を用いてn型高濃度ドーピング層と接触させるようにすれば、発光層部のp型層側でオーミックコンタクトを極めて簡単に取ることができる。例えば、反転ダイオード部をなすハイドープのn型GaAsとITOとの接触抵抗率は、500℃以上600℃以下(例えば550℃)での熱処理を施すことにより、5×10−5Ω・cm程度にまで低減することができる。また、ITO電極層以外には、ZnO電極層が導電性と透明性に優れるので、本発明に好適に採用できる。ZnOも、酸素欠損により本質的にn型導電性となりやすく、p型のドーピング自体が非常に困難なので、高導電率の得られるものは電子伝導性のものに事実上限られる。従って、p型半導体とのオーミックコンタクトがITOと同様に非常に取りにくい材質であるが、本発明の採用により発光層部のp型層側でオーミックコンタクトを簡単に取ることができる。なお、上記以外の酸化物透明電極層の構成材料としては、酸化アンチモンをドープした酸化スズ(いわゆるネサ)、Cd2SnO4、Zn2SnO4、ZnSnO3、MgIn2O4、酸化イットリウム(Y)をドープしたCdSb2O6、酸化スズをドープしたGaInO3なども使用することができる。
【0014】
これらの酸化物透明電極は可視光に対して良好な透過性を有し(つまり、透明であり)、発光層部への電圧印加用電極として用いる場合、光の取出しを妨げない利点がある。また、該酸化物透明電極層上に形成されるボンディングパッドを介して素子駆動用の電圧を印加したとき、電流を面内に広げて発光を均一化し高効率化する役割も担う。いずれも、公知の気相成膜法、例えば化学蒸着法(chemical vapor deposition:CVD)あるいはスパッタリングや真空蒸着などの物理蒸着法(physical vapor deposition:PVD)、あるいは分子線エピタキシャル成長法(molecular beam epitaxy:MBE)にて形成することができる。例えば、ITO層やZnO電極層は高周波スパッタリング又は真空蒸着により製造でき、また、ネサ膜はCVD法により製造できる。また、気相成長法に代えて、ゾル−ゲル法など他の方法を用いて形成してもよい。
【0015】
なお、酸化物透明電極層上に金属製のボンディングパッドが配置される場合は、反転ダイオード部を酸化物透明電極層の全面を被覆するように形成すると、ボンディングパッドの直下領域でも酸化物透明電極層の接触抵抗が改善される結果、駆動電流ひいては発光が該領域に集中しやすくなり、発生した光の多くがボンディングパッドにより遮蔽されて光取出効率の低下を招く場合がある。そこで、当該ボンディングパッドの直下領域の少なくとも一部を、反転ダイオード部の非形成領域とすることが望ましい。このように構成すると、ボンディングパッド直下領域における酸化物透明電極層の接触抵抗が増大する。その結果、発光素子の駆動電流は、ボンディングパッド直下領域を迂回してパッド外領域に流れる成分が大きくなり、光取出効率を大幅に高めることができる。なお、光取り出し量が少ないボンディングパッド直下領域にはなるべく発光駆動電流が流れないことが光取出効率向上の観点においては望ましい。従って、ボンディングパッド直下領域には反転ダイオード部が可及的に形成されていないことが望ましい。
【0016】
反転ダイオード部を構成する化合物半導体として、p型第一主表面側層を構成する化合物半導体よりもバンドギャップの狭いものを使用することができる。これにより、次のような利点が得られる。
▲1▼ナローギャップのため、接合界面付近でのバンドギャップのトンネル長をより小さくすることができ、導通抵抗を軽減できる。
▲2▼バンドギャップの小さい半導体は、例えばIII−V族化合物半導体同士の場合、電子ないし正孔の有効質量が小さいので、縮退半導体を得るためのドーパント濃度が少なくて済む。
▲3▼ナローギャップの半導体は、一般には発光層部からの発光光束を吸収しやすいが、上記のような反転ダイオード部においては、p−n接合部に作りつけられる電界が非常に大きいため、光の吸収端エネルギーが高エネルギー側にシフトし、バンドギャップが狭いにも拘らず光吸収が生じにくくなる。
【0017】
なお、酸化物透明電極層の光取出面をなす領域の一部を反転ダイオード部の非形成領域とし、残余の領域のみ反転ダイオード部の形成領域としておけば、反転ダイオード部での光吸収が問題になる場合、反転ダイオード部の形成領域直下にて発生した光は、これと隣接する非形成領域から漏出することにより、電極接合層による光吸収を抑制することができる。しかし、上記のように、作りつけ電界の大きい反転ダイオード部の光吸収は、特に、特許文献1や特許文献2のようなコンタクト層と比較すれば本来的に小さいので、反転ダイオード部を光取出面の全面に形成しても全く差し支えない(むしろ、分散形成等のパターニングが必要でないため、工程を簡略化できる利点がある)。
【0018】
なお、反転ダイオード部の厚さ(n型高濃度ドーピング層とp型高濃度ドーピング層との合計厚さ)は、50nm以下の範囲で調整することが望ましい。厚さが50nmを超えると、吸収による損失のため光透過性が悪化する可能性がある。また、反転ダイオード部の厚さが10nm未満では、ITO層が反転ダイオード部の空乏層と接触してしまい、酸化物透明電極層との接触抵抗の改善効果が十分達成できない場合があるので、反転ダイオード部の厚さは10nm以上に確保することが望ましい。
【0019】
上記のようなバンドギャップの狭い半導体としては、GaAs又はInGaAsを例示できる(すなわち、反転ダイオード部をGaAs又はInGaAsにより構成する)。InGaAsはGaAsよりもさらにバンドギャップが狭いので、上記の効果を一層高めることができる。また、酸化物透明電極層がITO電極層からなる場合は、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層を、ITO電極層からInを拡散させたGaAs層として、より簡単に形成できる利点もある。
【0020】
反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層のn型ドーパント濃度、及びp型高濃度ドーピング層のp型ドーパント濃度は、前述の通り、使用する化合物半導体の電子ないし正孔の有効質量により、縮退半導体とするための臨界的なドーピング量は相違するが、発光素子に一般的に採用されているIII−V族化合物半導体の場合は、n型高濃度ドーピング層のn型ドーパント濃度においては、3×1017/cm3以上5×1020/cm3以下とすることが、また、p型高濃度ドーピング層のp型ドーパント濃度においては、2×1018/cm3以上5×1020/cm3以下とすることが望ましい。いずれもドーパント濃度が下限値未満では、反転ダイオード部の接合界面部におけるバンドギャップのトンネル長が大きくなりすぎ、発光素子の順方向電圧の上昇につながる。他方、ドーパント濃度が上限値を超えても効果が飽和するばかりでなく、反転ダイオード部の結晶性の悪化などにより、発光素子の寿命低下等を招くおそれもある。
【0021】
例えば、反転ダイオード部をGaAsにより構成する場合には、n型高濃度ドーピング層の場合、n型ドーパント(Siなど)を6×1017/cm3以上添加することが、またp型高濃度ドーピング層の場合、p型ドーパント(Zn、Mgなど)を6×1018/cm3以上添加することが望ましい。他方、反転ダイオード部をInGaAsにより構成する場合には、n型高濃度ドーピング層の場合、n型ドーパントを3×1017/cm3以上添加することが、またp型高濃度ドーピング層の場合、p型ドーパント(Zn、Mgなど)を2×1018/cm3以上添加することが望ましい。
【0022】
GaAsやInGaAsからなる反転ダイオード部は、発光層部がGaAsと格子整合するIII−V族化合物半導体よりなる場合に、該発光層部を含んだ主化合物半導体層の第一主表面上へのエピタキシャル成長により高品質のものを容易に形成でき、本発明の効果を高めることができる(成長基板として、製造の容易なGaAs基板を使用できる利点もある)。このような発光層部としては、AlGaInPからなる活性層を、各々AlGaInPからなるp型クラッド層とn型クラッド層とにより挟んだダブルへテロ構造を有するものが、特に高輝度を実現しやすく、本発明に好適に採用できる。この場合、p型第一主表面側層は、GaAs(ひいては発光層部をなすAlGaInP)と格子整合し(格子定数差にて1%以内)、かつ、活性層をなすAlGaInPよりもバンドギャップの広い化合物半導体、例えばAlGaAsを採用できる。該p型第一主表面側層は、例えば酸化物透明電極層による電流拡散効果を補う補助電流拡散層として形成したり、あるいはボンディングパッドにワイヤボンディングする際の熱的あるいは機械的な衝撃から発光層部を保護するためのクッション層として形成したりすることができる。
【0023】
なお、通常の範囲にて発光層部に駆動用の順方向駆動電圧を印加したとき、逆バイアス状態となる反転ダイオード部のp−n接合をトンネル効果により通過させることができるのであれば、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層とp型高濃度ドーピング層とは、組成の異なる化合物半導体により形成することも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、n型GaAs単結晶基板(以下、単に「基板」ともいう)7の第一主表面上に、発光層部24を含む主化合物半導体層50が形成されている。発光層部24はAlGaInPよりなるダブルへテロ構造を有し、主化合物半導体50は、発光層部24の各層の積層順を反映させる形で、第一主表面MP1側がp型層面となり、第二主表面MP2側がn型層面とされている。本実施形態において主化合物半導体50には、第二主表面MP2側から、GaAsバッファ層2、発光層部24及びAlGaAsよりなるp型第一主表面側層としてのp型電流拡散層20がこの順序で形成されている。
【0025】
次に、主化合物半導体層50の第一主表面MP1には、p型第一主表面側層をなすp型電流拡散層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層32と、p型電流拡散層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層31とがこの順序で形成された反転ダイオード部33が形成されている。本実施形態において、反転ダイオード部33はGaAsにより構成されている。このうち、n型高濃度ドーピング層31は、Siなどのn型ドーパントが3×1017/cm3以上5×1020/cm3以下の範囲で添加され、またp型高濃度ドーピング層32は、Zn、Mgなどのp型ドーパントが2×1018/cm3以上5×1020/cm3以下の範囲で添加されて、いずれも縮退半導体となっている。n型高濃度ドーピング層31及びp型高濃度ドーピング層32の厚さは、いずれも5nm以上25nm以下であり、反転ダイオード部33全体の厚さは10nm以上50nm以下である。
【0026】
そして、反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31の全面がITO電極層30により覆われている。さらに、ITO電極層30のほぼ中央部には、Au等にて構成されたボンディングパッド9が配置され、ここにAu等で構成された電極ワイヤ47が接合されている。そして、図2に示すように、ボンディングパッド9の直下領域は、反転ダイオード部33の非形成領域とされている。また、光取出面となるボンディングパッド9の周囲領域は、反転ダイオード部33が全面に形成されている。他方、基板7の第二主表面側(負極側)には、Au−Ge−Ni合金等の金属からなる負極側電極層15が全面に形成されている。
【0027】
発光層部24は、各々(AlxGa1−x)yIn1−yP混晶とされるとともに、第一導電型クラッド層4、第二導電型クラッド層6、及び第一導電型クラッド層4と第二導電型クラッド層6との間に位置する活性層5からなるダブルへテロ構造とされている。具体的には、ノンドープ(AlxGa1−x)yIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlxGa1−x)yIn1−yPクラッド層6とn型(AlxGa1−x)yIn1−yPクラッド層4とにより挟んだ構造となっている。図1の発光素子100では、クッション層20側にp型AlGaInPクラッド層6(p型ドーパントはZn:有機金属分子からのCもp型ドーパントとして寄与しうる)が配置されており、負極側電極層15側にn型AlGaInPクラッド層4(n型ドーパントはSi)が配置されている。なお、当業者には自明のことであるが、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm3程度を上限とする)をも排除するものではない。
【0028】
p型AlGaInPクラッド層6は、p型キャリア濃度(多数キャリア濃度)は、5×1016/cm3以上1×1018/cm3未満、望ましくは、1×1017/cm3以上7×1017/cm3以下である。また、電流拡散層20は、本実施形態ではZnをp型ドーパントとして添加したAlGaAs層(例えばAlxGa1−xAsにおいて、x=0.7程度)よりなり、p型ドーパント濃度は、p型AlGaInPクラッド層6よりも高く、かつ、反転ダイオード部33のp型高濃度ドーピング層32よりも低い。
【0029】
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
図1を援用して説明すれば、GaAs単結晶基板7の第一主表面に、n型GaAsバッファ層2、n型AlGaInPクラッド層4、AlGaInP活性層5、p型AlGaInPクラッド層6、AlGaAsよりなる電流拡散層20、及び反転ダイオード部33をなすGaAsよりなるp型高濃度ドーピング層32及びn型高濃度ドーピング層31を、この順序でエピタキシャル成長させる。これら各層のエピタキシャル成長は、公知の有機金属気相エピタキシャル成長(Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法により行なうことができる。Al、Ga、In、P及びAsの各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス;ターシャルブチルホスフィン(TBP)、ホスフィン(PH3)など。
・As源ガス;ターシャルブチルアルシン(TBA)、アルシン(AsH3)など。
【0030】
また、ドーパントガスとしては、以下のようなものを使用できる;
(p型ドーパント)
・Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)など。
・Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
・Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
【0031】
上記各層の成長は、原料ガスの切り替えにより、同一の気相成長装置内で連続的に行なうことができる。また、各層のドーパント濃度は、原料ガスに対するドーパントガスの供給比率により、所望の値に調整することができる。
【0032】
次に、反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31を覆うように、公知の高周波スパッタリング法によりITO電極層30を形成する。また、基板7の第二主表面に真空蒸着法により負極側電極層15を形成する。そして、該ITO電極層30上に、各発光素子チップに対応する領域毎にボンディングパッド9を配置し、適当な温度で電極定着用のベーキングを施すことにより、発光素子ウェーハが得られる。該発光素子ウェーハ50は、各発光素子チップ領域を分離するためにハーフダイシングされ、さらにダイシング面の加工歪をメサエッチングにより除去した後、スクライビングにより発光素子チップに分離される。その後は、負極側電極層15をAgペースト等の導電性ペーストを用いて支持体を兼ねた端子電極に固着する一方、ボンディングパッド9に電極ワイヤ47を接合(ボンディング)し、樹脂モールドすることにより最終的な発光素子が得られる。
【0033】
図1の発光素子100によると、p型高濃度ドーピング層32の上に、さらにn型高濃度ドーピング層31を積層して反転ダイオード部33を形成し、その反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31上にITO電極層30を形成している。ITO電極層30は、GaAsからなるn型高濃度ドーピング層31に対しオーミックコンタクトを形成する。他方、発光層部24を発光駆動する際には、ITO電極層30が正極性、負極側電極15が負極性となるように電圧印加される。従って、上記の反転ダイオード部33には逆バイアスにて電圧が印加されることになる。
【0034】
図3左に示すように、該反転ダイオード部33は、p型高濃度ドーピング層32とn型高濃度ドーピング層31との接合により形成される。いずれも縮退半導体となるように、p型ドーパント又はn型ドーパントが前述の通り高濃度にドーピングされ、フェルミエネルギーレベルEFが、P型高濃度ドーピング層32においては価電子帯頂よりも低くなり、n型高濃度ドーピング層31においては伝導帯底よりも高くなっている。これらの縮退半導体をp−n接合すると、図3中央に示すように、フェルミエネルギーレベルEFを一致させるための空間電荷移動に伴い、大きな電界が接合界面に作りつけられて、界面付近のバンドの曲がりが非常に大きくなる。その結果、p型高濃度ドーピング層32の価電子帯頂部付近が、バンドの曲がりにより細くなったバンドギャップを挟んで、n型高濃度ドーピング層31の伝導帯底部付近に対向した接合バンド構造となる。
【0035】
この状態で逆バイアス電圧を印加すると、図3右に示すように、p型高濃度ドーピング層32のフェルミエネルギーレベルEFが引き上げられる一方、n型高濃度ドーピング層31のフェルミエネルギーレベルEFは逆に引き下げられ、接合界面付近のバンドギャップは一層狭くなる(このとき、接合界面付近でのバンドギャップのトンネル長は10nm以下となっていることが望ましい)。すると、p型高濃度ドーピング層32における価電子帯のEF付近の電子は、狭くなったバンドギャップをトンネル効果によって通過し、伝導電子としてn型高濃度ドーピング層31の伝導帯に容易に供給できる。その結果、逆バイアスの反転ダイオード部33が介挿されているにもかかわらず、発光層部24に低い順方向電圧で問題なく通電できるようになる。
【0036】
反転ダイオード部33は、上記の場合はトンネルダイオード(あるいはエサキダイオード)構造とされており、I−V特性は、図4に示すように、順バイアス領域では特有の負性抵抗域を示すが、逆バイアス領域では略リニアなオーミック特性を示すのが特徴である。トンネルダイオードは通常、この負性抵抗域の動作を利用するものである。また、反転ダイオード部33は、後述するバックワードダイオード構造になっていてもよい。バックワードダイオードの場合、順バイアス領域には、顕著な負性抵抗領域は現われないものの、ある電圧以上でブレークダウン的な電流増加を示す非線形I−V特性を示す。そして、トンネルダイオードもバックワードダイオードも、いずれも逆バイアス領域では略オーミックに近い線形なI−V特性を示すのが特徴である。本実施形態においては、発光素子のp型層側においてITO電極層30を適用しようとした場合に、従来、コンタクト抵抗の低減が非常に困難になる問題が生じていたのを、通常用いられないトンネルダイオードやバックワードダイオードの逆バイアス領域を敢えて用いて解決したところに大きな特徴があるといえる。
【0037】
なお、図1の発光素子100においては、ボンディングパッド9が発光層部24からの発光光束の大部分を遮蔽するため、発光層部24においてボンディングパッド9の直下領域に通電電流が集中しないように、反転ダイオード部33は、ボンディングパッド9の直下領域には形成されず、その周囲の光取出領域にのみ選択的に形成されている。ボンディングパッド9の直下領域において反転ダイオード部33を作為的に非形成とすることで、この領域ではITO電極層30の接触抵抗が高くなり電流が流れにくくなる。その結果、ITO電極層30を介して発光層部24に通電される電流は、光取り出し量が少ないボンディングパッド9の直下領域を迂回して光取出領域に優先的に分配され、光取出効率を高めることができる。
【0038】
なお、図5〜図7に示すように、光取出領域において反転ダイオード部33の形成領域と非形成領域とを混在させることもできる。図5は反転ダイオード部33の形成領域を散点状とした例であり、図6は細長い帯状の反転ダイオード部33の形成領域と非形成領域とを交互に形成した例である。さらに、図7は、図5とは逆に、反転ダイオード部33の形成領域を背景として、散点状の非形成領域をこれに分散形成した例である。ここでは反転ダイオード部33の形成領域を格子状に形成している。
【0039】
反転ダイオード部33は、GaAsに代えて、よりバンドギャップの狭いInGaAsにて形成することもできる。この場合、InGaAsからなる反転ダイオード部33を始めからエピタキシャル成長してもよいし、GaAsにて反転ダイオード部33を形成しておき、さらにこれをITO電極層30で覆い、その状態で熱処理することにより、ITO電極層30のIn成分を、反転ダイオード部33をなすGaAsに拡散させてInGaAsとする方法を採用してもよい。
【0040】
他方、反転ダイオード部33を、透明性を高めるために電流拡散層20と同じAlGaAsにて構成することもできる。また、電流拡散層20を省略し、反転ダイオード部33のp型高濃度ドーピング層32の厚みを増して電流拡散層に兼用することもできる。この場合、この厚みを増したp型高濃度ドーピング層32は反転ダイオード部33の一部として機能するから、主化合物半導体層には属さないものとみなす(この場合、発光層部24のp型クラッド層をp型第一主表面側層と見ればよい)。
【0041】
また、反転ダイオード部33は、前述の通り、図8に示すように、フェルミエネルギーレベルEFが伝導帯底のレベルと略同等になっているn型高濃度ドーピング層31と、フェルミエネルギーレベルEFが価電子帯頂のレベルと略同等になっているp型高濃度ドーピング層32とを接合する形で形成しても、ITO電極層30とのコンタクト抵抗を十分に低減することができる。このようなダイオード構造は、バックワードダイオードとも称されるが、逆バイアス域でリニアな(つまりオーミックな)I−V特性を示す点においては、トンネルダイオードと何ら変わりはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一実施形態を積層構造にて示す模式図。
【図2】反転ダイオード部の形成形態の第一例を示す平面図。
【図3】反転ダイオード部の接合バンド構造の第一例を示す模式図。
【図4】反転ダイオード部のI−V特性の一例を示すグラフ。
【図5】反転ダイオード部の形成形態の第二例を示す平面図。
【図6】反転ダイオード部の形成形態の第三例を示す平面図。
【図7】反転ダイオード部の形成形態の第四例を示す平面図。
【図8】反転ダイオード部の接合バンド構造の第二例を示す模式図。
【符号の説明】
4 n型クラッド層(第一導電型クラッド層)
5 活性層
6 p型クラッド層(第二導電型クラッド層)
9 ボンディングパッド
24 発光層部
20 電流拡散層(p型第一主表面側層)
30 ITO電極層(酸化物透明電極層)
31 n型高濃度ドーピング層
32 p型高濃度ドーピング層
33 反転ダイオード部
100 発光素子
【発明の属する技術分野】
この発明は発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平1−225178号公報
【特許文献2】
特開平6−188455号公報
【0003】
化合物半導体にて発光層部を形成した半導体発光素子のうち、表示用や照明用などの発光ダイオード光源として用いるものは、発光層部の光取出面側に駆動電圧を印加するための金属電極を形成する。金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部主表面の中央部のみを覆う形で形成し、その周囲の電極非形成領域から光を取り出すこととなる。しかし、金属電極が遮光体であることに変わりはなく、また、電極面積を極端に小さくしすぎると、素子面内の電流拡散が妨げられて、却って光取出量が制限される問題もある。そこで、発光層部の全面を、透明で高導電率のITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)電極層にて覆い、透明電極層を介した光取出し効率の向上と、電流拡散効果の改善とを同時に図る提案が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0004】
いずれの公報においても、発光層部に直接ITO透明電極層を形成したのではコンタクト抵抗が高くなりすぎ、適正な動作電圧で駆動できなくなる点を問題として挙げている。特許文献1では、発光層部の上に、InGaAsよりなるコンタクト層を有機金属気相成長法(Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy: MOVPE)にて直接エピタキシャル成長させ、その上にITO電極層を形成する方法が開示されている。他方、特許文献2では、発光層部の上にGaAs層をMOVPE法にてエピタキシャル成長させ、その上にITO透明電極層を形成した後、熱処理を行う方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発光素子はp型層側を光取出面として使用することが多い。しかしながら、ITOなどの酸化物導電体は、p型半導体との間で良好なオーミックコンタクトを取ることが非常に難しい。例えは、特許文献1や特許文献2では、p型のGaAs系あるいはInGaAs系のコンタクト層を用いているが、これらの化合物半導体は、p型ドーパントを相当大量に添加しても、ITOとの接触抵抗は、実際には十分に低減できない問題がある。
【0006】
本発明は、酸化物透明電極層が発光層部のp型層側に設けられているにもかかわらず、発光層駆動のための順方向電圧を十分に低減でき、ひいては低い駆動電圧により高輝度を実現できる発光素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、p−n接合部をなす発光層部を有するとともに、第一主表面側がp型層面となり、第二主表面側がn型層面となる主化合物半導体層を備え、該主化合物半導体層のp型層面をなす化合物半導体層をp型第一主表面側層として、
主化合物半導体層の第一主表面に、p型第一主表面側層よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層と、p型第一主表面側層よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層とがこの順序で形成された反転ダイオード部と、
発光層部のp型層側に正極性電圧を印加するために、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層と接して形成された酸化物透明電極層と、
発光層部のn型層側に負極性電圧を印加するための負極側電極とを備え、
酸化物透明電極層が正極性、負極側電極が負極性となる極性で発光層部に順方向駆動電圧を印加することにより、逆バイアス状態となる反転ダイオード部のp−n接合をトンネル効果により通過させつつ発光層部に駆動電流を供給することを特徴とする。
【0008】
上記の構造では、発光層部を有した主化合物半導体層のp型層側に酸化物透明電極層を形成する。特許文献1あるいは特許文献2においては、該主化合物半導体層のp型第一主表面側層上に、p型化合物半導体層のみからなるコンタクト層を配置し、その上に酸化物透明電極層を形成していたが、この構造ではp型層側における酸化物透明電極層の良好なオーミックコンタクトの形成は期待できない。
【0009】
しかし、本発明では、p型高濃度ドーピング層の上に、さらにn型高濃度ドーピング層を積層して反転ダイオード部を形成し、その反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層上に酸化物透明電極層を形成する。これにより、酸化物透明電極層は、オーミックコンタクトが非常にとりやすいn型高濃度ドーピング層上に形成されるので、p型層上に酸化物透明電極層を形成する特許文献1あるいは特許文献2の素子構造と比較して、コンタクト抵抗自体を大幅に低減することができる。ここで、発光層部に順方向駆動電圧を印加するために、酸化物透明電極層が正極性、負極側電極が負極性となる極性で電圧印加すると、上記の反転ダイオード部には逆バイアスにて電圧が印加されることになる。しかし、該反転ダイオード部は、高濃度ドーピング層同士のp−n接合であるから、接合界面に作りつけられる電界(build−in電界)に基づいたバンドの曲がりが非常に大きくなる。このため、小さな逆バイアスでも、p―n接合界面部では、高濃度層同士の接合により狭幅化したバンドギャップをトンネル効果によって通過させることができ、p型高濃度ドーピング層の価電子帯からn型高濃度ドーピング層の伝導帯に電子を容易に供給できる。その結果、逆バイアスの反転ダイオード部が介挿されているにもかかわらず、低い順方向電圧(この場合の「順方向」は、発光層部のp−n接合から見た場合の順方向である)で発光層部を問題なく通電駆動できる。すなわち、本発明の発光素子は、酸化物透明電極層が発光層部のp型層側に設けられているにもかかわらず、発光層駆動のための順方向電圧を十分に低減でき、ひいては低い駆動電圧により高輝度を実現できる。
【0010】
本発明の発光素子において順方向電圧低減を効果的に図るには、反転ダイオード部の逆バイアス域での電気抵抗を十分に低くする必要があり、具体的には接合界面付近でのバンドギャップのトンネル長を10nm以下にすることが望ましい。この場合、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層とp型高濃度ドーピング層とが、いずれも縮退半導体となっていることが、上記トンネル長を短くする上で好都合である。なお、「縮退半導体」は、高濃度ドーピングにより半導体のフェルミエネルギーレベルが、n型半導体の場合には伝導帯底よりも高くなっている半導体を、p型半導体の場合には価電子帯頂よりも低くなっている半導体のことをいうが、本明細書では、n型半導体においてフェルミエネルギーレベルが伝導帯底のレベルと一致しているもの、及びp型半導体においてフェルミエネルギーレベルが価電子帯頂のレベルと一致しているものも「縮退半導体」の概念に含めるものとする。
【0011】
反転ダイオード部においては、p型高濃度ドーピング層がn型高濃度ドーピング層よりもハイドープとなっていることが望ましい。ドーピングによって縮退半導体を得ようとする場合、必要なドーピングの濃度は、n型半導体の場合は伝導帯の有効状態密度Ncに、また、p型半導体の場合は価電子帯の有効状態密度Nvに依存して定まることが知られている。フェルミ−ディラック分布を用いた固体電子理論によると、ハイドープ域でのn型半導体の電子濃度Cnと、p型半導体の正孔濃度Chとは、それぞれ下記式(1)及び(2)にて表すことができる:
Cn=Nc・(2/√π)F1/2((EF−Ec)/kT) ‥(1)
Ch=Nv・(2/√π)F1/2(−(EF−Ev)/kT) ‥(2)
ただし、F1/2(X)は、引数をXとするフェルミディラック積分関数であり、EFはフェルミエネルギー、Ecは伝導帯底エネルギー、Evは価電子帯頂エネルギー、kはボルツマン定数である。縮退半導体を得るには、(1)ではEFがEcに、(2)ではEFがEvにそれぞれ等しくなることを意味し、温度一定の場合は、フェルミディラック積分F1/2(X)は定数化できる。その結果、CnとChは、伝導帯の有効状態密度Ncないし価電子帯の有効状態密度Nvにほぼ比例して増減すると考えることができる。また、伝導帯の有効状態密度Nc及び価電子帯の有効状態密度Nvは、温度が一定であれば、前者は電子の有効質量me*の3/2乗に、後者は正孔の有効質量mh*の3/2乗に、それぞれほぼ比例して変化することが知られている(ただし、波数空間においてエネルギー面の形状に異方性がある場合は、各主軸方向の有効質量の相乗平均値である状態密度有効質量(density of state effective mass)を用いることがより正確である)。
【0012】
従って、縮退半導体を得るのに必要なドーピングの濃度は、n型半導体の場合は電子の有効質量me*の3/2乗に比例して、p型半導体の場合は正孔の有効質量mh*の3/2乗に比例して定まると考えることができる。周知のごとく、正孔の有効質量mh*は電子の有効質量me*よりも一般には大きいので、上記の理由から、p型高濃度ドーピング層をn型高濃度ドーピング層よりもハイドープとすることが、p型高濃度ドーピング層を縮退半導体とする上で好都合である。
【0013】
酸化物透明電極層は、ITO電極層とすることができる。ITOは、酸化スズをドープした酸化インジウム膜であり、酸化スズの含有量を1〜9質量%とすることで、電極層の抵抗率を5×10−4Ω・cm以下の十分低い値とすることができる。しかし、金属伝導に近い電子伝導性を示すので、p型半導体とのオーミックコンタクトが特にとりにくい材質でもある。しかし、本発明のように反転ダイオード部を用いてn型高濃度ドーピング層と接触させるようにすれば、発光層部のp型層側でオーミックコンタクトを極めて簡単に取ることができる。例えば、反転ダイオード部をなすハイドープのn型GaAsとITOとの接触抵抗率は、500℃以上600℃以下(例えば550℃)での熱処理を施すことにより、5×10−5Ω・cm程度にまで低減することができる。また、ITO電極層以外には、ZnO電極層が導電性と透明性に優れるので、本発明に好適に採用できる。ZnOも、酸素欠損により本質的にn型導電性となりやすく、p型のドーピング自体が非常に困難なので、高導電率の得られるものは電子伝導性のものに事実上限られる。従って、p型半導体とのオーミックコンタクトがITOと同様に非常に取りにくい材質であるが、本発明の採用により発光層部のp型層側でオーミックコンタクトを簡単に取ることができる。なお、上記以外の酸化物透明電極層の構成材料としては、酸化アンチモンをドープした酸化スズ(いわゆるネサ)、Cd2SnO4、Zn2SnO4、ZnSnO3、MgIn2O4、酸化イットリウム(Y)をドープしたCdSb2O6、酸化スズをドープしたGaInO3なども使用することができる。
【0014】
これらの酸化物透明電極は可視光に対して良好な透過性を有し(つまり、透明であり)、発光層部への電圧印加用電極として用いる場合、光の取出しを妨げない利点がある。また、該酸化物透明電極層上に形成されるボンディングパッドを介して素子駆動用の電圧を印加したとき、電流を面内に広げて発光を均一化し高効率化する役割も担う。いずれも、公知の気相成膜法、例えば化学蒸着法(chemical vapor deposition:CVD)あるいはスパッタリングや真空蒸着などの物理蒸着法(physical vapor deposition:PVD)、あるいは分子線エピタキシャル成長法(molecular beam epitaxy:MBE)にて形成することができる。例えば、ITO層やZnO電極層は高周波スパッタリング又は真空蒸着により製造でき、また、ネサ膜はCVD法により製造できる。また、気相成長法に代えて、ゾル−ゲル法など他の方法を用いて形成してもよい。
【0015】
なお、酸化物透明電極層上に金属製のボンディングパッドが配置される場合は、反転ダイオード部を酸化物透明電極層の全面を被覆するように形成すると、ボンディングパッドの直下領域でも酸化物透明電極層の接触抵抗が改善される結果、駆動電流ひいては発光が該領域に集中しやすくなり、発生した光の多くがボンディングパッドにより遮蔽されて光取出効率の低下を招く場合がある。そこで、当該ボンディングパッドの直下領域の少なくとも一部を、反転ダイオード部の非形成領域とすることが望ましい。このように構成すると、ボンディングパッド直下領域における酸化物透明電極層の接触抵抗が増大する。その結果、発光素子の駆動電流は、ボンディングパッド直下領域を迂回してパッド外領域に流れる成分が大きくなり、光取出効率を大幅に高めることができる。なお、光取り出し量が少ないボンディングパッド直下領域にはなるべく発光駆動電流が流れないことが光取出効率向上の観点においては望ましい。従って、ボンディングパッド直下領域には反転ダイオード部が可及的に形成されていないことが望ましい。
【0016】
反転ダイオード部を構成する化合物半導体として、p型第一主表面側層を構成する化合物半導体よりもバンドギャップの狭いものを使用することができる。これにより、次のような利点が得られる。
▲1▼ナローギャップのため、接合界面付近でのバンドギャップのトンネル長をより小さくすることができ、導通抵抗を軽減できる。
▲2▼バンドギャップの小さい半導体は、例えばIII−V族化合物半導体同士の場合、電子ないし正孔の有効質量が小さいので、縮退半導体を得るためのドーパント濃度が少なくて済む。
▲3▼ナローギャップの半導体は、一般には発光層部からの発光光束を吸収しやすいが、上記のような反転ダイオード部においては、p−n接合部に作りつけられる電界が非常に大きいため、光の吸収端エネルギーが高エネルギー側にシフトし、バンドギャップが狭いにも拘らず光吸収が生じにくくなる。
【0017】
なお、酸化物透明電極層の光取出面をなす領域の一部を反転ダイオード部の非形成領域とし、残余の領域のみ反転ダイオード部の形成領域としておけば、反転ダイオード部での光吸収が問題になる場合、反転ダイオード部の形成領域直下にて発生した光は、これと隣接する非形成領域から漏出することにより、電極接合層による光吸収を抑制することができる。しかし、上記のように、作りつけ電界の大きい反転ダイオード部の光吸収は、特に、特許文献1や特許文献2のようなコンタクト層と比較すれば本来的に小さいので、反転ダイオード部を光取出面の全面に形成しても全く差し支えない(むしろ、分散形成等のパターニングが必要でないため、工程を簡略化できる利点がある)。
【0018】
なお、反転ダイオード部の厚さ(n型高濃度ドーピング層とp型高濃度ドーピング層との合計厚さ)は、50nm以下の範囲で調整することが望ましい。厚さが50nmを超えると、吸収による損失のため光透過性が悪化する可能性がある。また、反転ダイオード部の厚さが10nm未満では、ITO層が反転ダイオード部の空乏層と接触してしまい、酸化物透明電極層との接触抵抗の改善効果が十分達成できない場合があるので、反転ダイオード部の厚さは10nm以上に確保することが望ましい。
【0019】
上記のようなバンドギャップの狭い半導体としては、GaAs又はInGaAsを例示できる(すなわち、反転ダイオード部をGaAs又はInGaAsにより構成する)。InGaAsはGaAsよりもさらにバンドギャップが狭いので、上記の効果を一層高めることができる。また、酸化物透明電極層がITO電極層からなる場合は、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層を、ITO電極層からInを拡散させたGaAs層として、より簡単に形成できる利点もある。
【0020】
反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層のn型ドーパント濃度、及びp型高濃度ドーピング層のp型ドーパント濃度は、前述の通り、使用する化合物半導体の電子ないし正孔の有効質量により、縮退半導体とするための臨界的なドーピング量は相違するが、発光素子に一般的に採用されているIII−V族化合物半導体の場合は、n型高濃度ドーピング層のn型ドーパント濃度においては、3×1017/cm3以上5×1020/cm3以下とすることが、また、p型高濃度ドーピング層のp型ドーパント濃度においては、2×1018/cm3以上5×1020/cm3以下とすることが望ましい。いずれもドーパント濃度が下限値未満では、反転ダイオード部の接合界面部におけるバンドギャップのトンネル長が大きくなりすぎ、発光素子の順方向電圧の上昇につながる。他方、ドーパント濃度が上限値を超えても効果が飽和するばかりでなく、反転ダイオード部の結晶性の悪化などにより、発光素子の寿命低下等を招くおそれもある。
【0021】
例えば、反転ダイオード部をGaAsにより構成する場合には、n型高濃度ドーピング層の場合、n型ドーパント(Siなど)を6×1017/cm3以上添加することが、またp型高濃度ドーピング層の場合、p型ドーパント(Zn、Mgなど)を6×1018/cm3以上添加することが望ましい。他方、反転ダイオード部をInGaAsにより構成する場合には、n型高濃度ドーピング層の場合、n型ドーパントを3×1017/cm3以上添加することが、またp型高濃度ドーピング層の場合、p型ドーパント(Zn、Mgなど)を2×1018/cm3以上添加することが望ましい。
【0022】
GaAsやInGaAsからなる反転ダイオード部は、発光層部がGaAsと格子整合するIII−V族化合物半導体よりなる場合に、該発光層部を含んだ主化合物半導体層の第一主表面上へのエピタキシャル成長により高品質のものを容易に形成でき、本発明の効果を高めることができる(成長基板として、製造の容易なGaAs基板を使用できる利点もある)。このような発光層部としては、AlGaInPからなる活性層を、各々AlGaInPからなるp型クラッド層とn型クラッド層とにより挟んだダブルへテロ構造を有するものが、特に高輝度を実現しやすく、本発明に好適に採用できる。この場合、p型第一主表面側層は、GaAs(ひいては発光層部をなすAlGaInP)と格子整合し(格子定数差にて1%以内)、かつ、活性層をなすAlGaInPよりもバンドギャップの広い化合物半導体、例えばAlGaAsを採用できる。該p型第一主表面側層は、例えば酸化物透明電極層による電流拡散効果を補う補助電流拡散層として形成したり、あるいはボンディングパッドにワイヤボンディングする際の熱的あるいは機械的な衝撃から発光層部を保護するためのクッション層として形成したりすることができる。
【0023】
なお、通常の範囲にて発光層部に駆動用の順方向駆動電圧を印加したとき、逆バイアス状態となる反転ダイオード部のp−n接合をトンネル効果により通過させることができるのであれば、反転ダイオード部のn型高濃度ドーピング層とp型高濃度ドーピング層とは、組成の異なる化合物半導体により形成することも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、n型GaAs単結晶基板(以下、単に「基板」ともいう)7の第一主表面上に、発光層部24を含む主化合物半導体層50が形成されている。発光層部24はAlGaInPよりなるダブルへテロ構造を有し、主化合物半導体50は、発光層部24の各層の積層順を反映させる形で、第一主表面MP1側がp型層面となり、第二主表面MP2側がn型層面とされている。本実施形態において主化合物半導体50には、第二主表面MP2側から、GaAsバッファ層2、発光層部24及びAlGaAsよりなるp型第一主表面側層としてのp型電流拡散層20がこの順序で形成されている。
【0025】
次に、主化合物半導体層50の第一主表面MP1には、p型第一主表面側層をなすp型電流拡散層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層32と、p型電流拡散層20よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層31とがこの順序で形成された反転ダイオード部33が形成されている。本実施形態において、反転ダイオード部33はGaAsにより構成されている。このうち、n型高濃度ドーピング層31は、Siなどのn型ドーパントが3×1017/cm3以上5×1020/cm3以下の範囲で添加され、またp型高濃度ドーピング層32は、Zn、Mgなどのp型ドーパントが2×1018/cm3以上5×1020/cm3以下の範囲で添加されて、いずれも縮退半導体となっている。n型高濃度ドーピング層31及びp型高濃度ドーピング層32の厚さは、いずれも5nm以上25nm以下であり、反転ダイオード部33全体の厚さは10nm以上50nm以下である。
【0026】
そして、反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31の全面がITO電極層30により覆われている。さらに、ITO電極層30のほぼ中央部には、Au等にて構成されたボンディングパッド9が配置され、ここにAu等で構成された電極ワイヤ47が接合されている。そして、図2に示すように、ボンディングパッド9の直下領域は、反転ダイオード部33の非形成領域とされている。また、光取出面となるボンディングパッド9の周囲領域は、反転ダイオード部33が全面に形成されている。他方、基板7の第二主表面側(負極側)には、Au−Ge−Ni合金等の金属からなる負極側電極層15が全面に形成されている。
【0027】
発光層部24は、各々(AlxGa1−x)yIn1−yP混晶とされるとともに、第一導電型クラッド層4、第二導電型クラッド層6、及び第一導電型クラッド層4と第二導電型クラッド層6との間に位置する活性層5からなるダブルへテロ構造とされている。具体的には、ノンドープ(AlxGa1−x)yIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlxGa1−x)yIn1−yPクラッド層6とn型(AlxGa1−x)yIn1−yPクラッド層4とにより挟んだ構造となっている。図1の発光素子100では、クッション層20側にp型AlGaInPクラッド層6(p型ドーパントはZn:有機金属分子からのCもp型ドーパントとして寄与しうる)が配置されており、負極側電極層15側にn型AlGaInPクラッド層4(n型ドーパントはSi)が配置されている。なお、当業者には自明のことであるが、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm3程度を上限とする)をも排除するものではない。
【0028】
p型AlGaInPクラッド層6は、p型キャリア濃度(多数キャリア濃度)は、5×1016/cm3以上1×1018/cm3未満、望ましくは、1×1017/cm3以上7×1017/cm3以下である。また、電流拡散層20は、本実施形態ではZnをp型ドーパントとして添加したAlGaAs層(例えばAlxGa1−xAsにおいて、x=0.7程度)よりなり、p型ドーパント濃度は、p型AlGaInPクラッド層6よりも高く、かつ、反転ダイオード部33のp型高濃度ドーピング層32よりも低い。
【0029】
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
図1を援用して説明すれば、GaAs単結晶基板7の第一主表面に、n型GaAsバッファ層2、n型AlGaInPクラッド層4、AlGaInP活性層5、p型AlGaInPクラッド層6、AlGaAsよりなる電流拡散層20、及び反転ダイオード部33をなすGaAsよりなるp型高濃度ドーピング層32及びn型高濃度ドーピング層31を、この順序でエピタキシャル成長させる。これら各層のエピタキシャル成長は、公知の有機金属気相エピタキシャル成長(Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法により行なうことができる。Al、Ga、In、P及びAsの各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス;ターシャルブチルホスフィン(TBP)、ホスフィン(PH3)など。
・As源ガス;ターシャルブチルアルシン(TBA)、アルシン(AsH3)など。
【0030】
また、ドーパントガスとしては、以下のようなものを使用できる;
(p型ドーパント)
・Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)など。
・Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
・Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
【0031】
上記各層の成長は、原料ガスの切り替えにより、同一の気相成長装置内で連続的に行なうことができる。また、各層のドーパント濃度は、原料ガスに対するドーパントガスの供給比率により、所望の値に調整することができる。
【0032】
次に、反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31を覆うように、公知の高周波スパッタリング法によりITO電極層30を形成する。また、基板7の第二主表面に真空蒸着法により負極側電極層15を形成する。そして、該ITO電極層30上に、各発光素子チップに対応する領域毎にボンディングパッド9を配置し、適当な温度で電極定着用のベーキングを施すことにより、発光素子ウェーハが得られる。該発光素子ウェーハ50は、各発光素子チップ領域を分離するためにハーフダイシングされ、さらにダイシング面の加工歪をメサエッチングにより除去した後、スクライビングにより発光素子チップに分離される。その後は、負極側電極層15をAgペースト等の導電性ペーストを用いて支持体を兼ねた端子電極に固着する一方、ボンディングパッド9に電極ワイヤ47を接合(ボンディング)し、樹脂モールドすることにより最終的な発光素子が得られる。
【0033】
図1の発光素子100によると、p型高濃度ドーピング層32の上に、さらにn型高濃度ドーピング層31を積層して反転ダイオード部33を形成し、その反転ダイオード部33のn型高濃度ドーピング層31上にITO電極層30を形成している。ITO電極層30は、GaAsからなるn型高濃度ドーピング層31に対しオーミックコンタクトを形成する。他方、発光層部24を発光駆動する際には、ITO電極層30が正極性、負極側電極15が負極性となるように電圧印加される。従って、上記の反転ダイオード部33には逆バイアスにて電圧が印加されることになる。
【0034】
図3左に示すように、該反転ダイオード部33は、p型高濃度ドーピング層32とn型高濃度ドーピング層31との接合により形成される。いずれも縮退半導体となるように、p型ドーパント又はn型ドーパントが前述の通り高濃度にドーピングされ、フェルミエネルギーレベルEFが、P型高濃度ドーピング層32においては価電子帯頂よりも低くなり、n型高濃度ドーピング層31においては伝導帯底よりも高くなっている。これらの縮退半導体をp−n接合すると、図3中央に示すように、フェルミエネルギーレベルEFを一致させるための空間電荷移動に伴い、大きな電界が接合界面に作りつけられて、界面付近のバンドの曲がりが非常に大きくなる。その結果、p型高濃度ドーピング層32の価電子帯頂部付近が、バンドの曲がりにより細くなったバンドギャップを挟んで、n型高濃度ドーピング層31の伝導帯底部付近に対向した接合バンド構造となる。
【0035】
この状態で逆バイアス電圧を印加すると、図3右に示すように、p型高濃度ドーピング層32のフェルミエネルギーレベルEFが引き上げられる一方、n型高濃度ドーピング層31のフェルミエネルギーレベルEFは逆に引き下げられ、接合界面付近のバンドギャップは一層狭くなる(このとき、接合界面付近でのバンドギャップのトンネル長は10nm以下となっていることが望ましい)。すると、p型高濃度ドーピング層32における価電子帯のEF付近の電子は、狭くなったバンドギャップをトンネル効果によって通過し、伝導電子としてn型高濃度ドーピング層31の伝導帯に容易に供給できる。その結果、逆バイアスの反転ダイオード部33が介挿されているにもかかわらず、発光層部24に低い順方向電圧で問題なく通電できるようになる。
【0036】
反転ダイオード部33は、上記の場合はトンネルダイオード(あるいはエサキダイオード)構造とされており、I−V特性は、図4に示すように、順バイアス領域では特有の負性抵抗域を示すが、逆バイアス領域では略リニアなオーミック特性を示すのが特徴である。トンネルダイオードは通常、この負性抵抗域の動作を利用するものである。また、反転ダイオード部33は、後述するバックワードダイオード構造になっていてもよい。バックワードダイオードの場合、順バイアス領域には、顕著な負性抵抗領域は現われないものの、ある電圧以上でブレークダウン的な電流増加を示す非線形I−V特性を示す。そして、トンネルダイオードもバックワードダイオードも、いずれも逆バイアス領域では略オーミックに近い線形なI−V特性を示すのが特徴である。本実施形態においては、発光素子のp型層側においてITO電極層30を適用しようとした場合に、従来、コンタクト抵抗の低減が非常に困難になる問題が生じていたのを、通常用いられないトンネルダイオードやバックワードダイオードの逆バイアス領域を敢えて用いて解決したところに大きな特徴があるといえる。
【0037】
なお、図1の発光素子100においては、ボンディングパッド9が発光層部24からの発光光束の大部分を遮蔽するため、発光層部24においてボンディングパッド9の直下領域に通電電流が集中しないように、反転ダイオード部33は、ボンディングパッド9の直下領域には形成されず、その周囲の光取出領域にのみ選択的に形成されている。ボンディングパッド9の直下領域において反転ダイオード部33を作為的に非形成とすることで、この領域ではITO電極層30の接触抵抗が高くなり電流が流れにくくなる。その結果、ITO電極層30を介して発光層部24に通電される電流は、光取り出し量が少ないボンディングパッド9の直下領域を迂回して光取出領域に優先的に分配され、光取出効率を高めることができる。
【0038】
なお、図5〜図7に示すように、光取出領域において反転ダイオード部33の形成領域と非形成領域とを混在させることもできる。図5は反転ダイオード部33の形成領域を散点状とした例であり、図6は細長い帯状の反転ダイオード部33の形成領域と非形成領域とを交互に形成した例である。さらに、図7は、図5とは逆に、反転ダイオード部33の形成領域を背景として、散点状の非形成領域をこれに分散形成した例である。ここでは反転ダイオード部33の形成領域を格子状に形成している。
【0039】
反転ダイオード部33は、GaAsに代えて、よりバンドギャップの狭いInGaAsにて形成することもできる。この場合、InGaAsからなる反転ダイオード部33を始めからエピタキシャル成長してもよいし、GaAsにて反転ダイオード部33を形成しておき、さらにこれをITO電極層30で覆い、その状態で熱処理することにより、ITO電極層30のIn成分を、反転ダイオード部33をなすGaAsに拡散させてInGaAsとする方法を採用してもよい。
【0040】
他方、反転ダイオード部33を、透明性を高めるために電流拡散層20と同じAlGaAsにて構成することもできる。また、電流拡散層20を省略し、反転ダイオード部33のp型高濃度ドーピング層32の厚みを増して電流拡散層に兼用することもできる。この場合、この厚みを増したp型高濃度ドーピング層32は反転ダイオード部33の一部として機能するから、主化合物半導体層には属さないものとみなす(この場合、発光層部24のp型クラッド層をp型第一主表面側層と見ればよい)。
【0041】
また、反転ダイオード部33は、前述の通り、図8に示すように、フェルミエネルギーレベルEFが伝導帯底のレベルと略同等になっているn型高濃度ドーピング層31と、フェルミエネルギーレベルEFが価電子帯頂のレベルと略同等になっているp型高濃度ドーピング層32とを接合する形で形成しても、ITO電極層30とのコンタクト抵抗を十分に低減することができる。このようなダイオード構造は、バックワードダイオードとも称されるが、逆バイアス域でリニアな(つまりオーミックな)I−V特性を示す点においては、トンネルダイオードと何ら変わりはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一実施形態を積層構造にて示す模式図。
【図2】反転ダイオード部の形成形態の第一例を示す平面図。
【図3】反転ダイオード部の接合バンド構造の第一例を示す模式図。
【図4】反転ダイオード部のI−V特性の一例を示すグラフ。
【図5】反転ダイオード部の形成形態の第二例を示す平面図。
【図6】反転ダイオード部の形成形態の第三例を示す平面図。
【図7】反転ダイオード部の形成形態の第四例を示す平面図。
【図8】反転ダイオード部の接合バンド構造の第二例を示す模式図。
【符号の説明】
4 n型クラッド層(第一導電型クラッド層)
5 活性層
6 p型クラッド層(第二導電型クラッド層)
9 ボンディングパッド
24 発光層部
20 電流拡散層(p型第一主表面側層)
30 ITO電極層(酸化物透明電極層)
31 n型高濃度ドーピング層
32 p型高濃度ドーピング層
33 反転ダイオード部
100 発光素子
Claims (11)
- p−n接合部をなす発光層部を有するとともに、第一主表面側がp型層面となり、第二主表面側がn型層面となる主化合物半導体層を備え、該主化合物半導体層の前記p型層面をなす化合物半導体層をp型第一主表面側層として、
前記主化合物半導体層の前記第一主表面に、前記p型第一主表面側層よりも有効キャリア濃度が高くなるようにp型ドーパントが添加されたp型高濃度ドーピング層と、前記p型第一主表面側層よりも有効キャリア濃度が高くなるようにn型ドーパントが添加されたn型高濃度ドーピング層とがこの順序で形成された反転ダイオード部と、
前記発光層部のp型層側に正極性電圧を印加するために、前記反転ダイオード部の前記n型高濃度ドーピング層と接して形成された酸化物透明電極層と、
前記発光層部のn型層側に負極性電圧を印加するための負極側電極とを備え、
前記酸化物透明電極層が正極性、前記負極側電極が負極性となる極性で前記発光層部に順方向駆動電圧を印加することにより、逆バイアス状態となる前記反転ダイオード部のp−n接合をトンネル効果により通過させつつ前記発光層部に駆動電流を供給することを特徴とする発光素子。 - 前記反転ダイオード部の前記n型高濃度ドーピング層と前記p型高濃度ドーピング層とがいずれも縮退半導体となっていることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
- 前記反転ダイオード部において、前記p型高濃度ドーピング層が、前記n型高濃度ドーピング層よりもハイドープとなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
- 前記酸化物透明電極層がITO電極層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記酸化物透明電極層上に金属製のボンディングパッドが配置され、当該ボンディングパッドの直下領域の少なくとも一部が前記反転ダイオード部の非形成領域となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記反転ダイオード部を構成する化合物半導体として、前記p型第一主表面側層を構成する化合物半導体よりもバンドギャップの狭いものが使用されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記反転ダイオード部がGaAs又はInGaAsからなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記酸化物透明電極層がITO電極層からなり、前記反転ダイオード部の前記n型高濃度ドーピング層が、前記ITO電極層からInが拡散したGaAs層であることを特徴とする請求項7記載の発光素子。
- 前記反転ダイオード部の前記n型高濃度ドーピング層のn型ドーパント濃度が3×1017/cm3以上5×1020/cm3以下であり、前記p型高濃度ドーピング層のp型ドーパント濃度が2×1018/cm以上5×1020/cm3以下であることを特徴とする請求項7又は請求8に記載の発光素子。
- 前記発光層部がGaAsと格子整合するIII−V族化合物半導体よりなることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記発光層部がAlGaInPからなる活性層を、各々AlGaInPからなるp型クラッド層とn型クラッド層とにより挟んだダブルへテロ構造を有することを特徴とする請求項10記載の発光素子。
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