JP2004288289A - ハードディスクドライブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な振動測定手段や強力な衝撃印加手段を用いることなく、ディスクの動バランスを迅速かつ容易に修正できるハードディスクドライブの製造方法を提供すること。
【解決手段】ハードディスクドライブを板バネによって振動可能に支持し、このハードディスクドライブに衝撃を加えることで、モータの回転軸5aに仮固定された磁気ディスク6の動バランスを修正するハードディスクドライブの製造方法において、上記磁気ディスク6を回転するディスク回転工程と、上記ハードディスクドライブ外部に設けられた接触子8に上記磁気ディスク6の回転に伴って振動する上記ハードディスクドライブを所定のタイミングで衝突させることで、上記磁気ディスク6を動アンバランスが低減する方向に移動させる動バランス修正工程と、を具備する。
【選択図】 図2
【解決手段】ハードディスクドライブを板バネによって振動可能に支持し、このハードディスクドライブに衝撃を加えることで、モータの回転軸5aに仮固定された磁気ディスク6の動バランスを修正するハードディスクドライブの製造方法において、上記磁気ディスク6を回転するディスク回転工程と、上記ハードディスクドライブ外部に設けられた接触子8に上記磁気ディスク6の回転に伴って振動する上記ハードディスクドライブを所定のタイミングで衝突させることで、上記磁気ディスク6を動アンバランスが低減する方向に移動させる動バランス修正工程と、を具備する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブの製造方法に係り、特にハードディスクドライブを組み立てる際にディスクの動バランスを修正する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハードディスクドライブに搭載されたディスクの動バランスを修正するために、モータの回転軸にディスクを取り付ける取付精度を向上させる方法や、ディスクを取り付けた後に動アンバランスを打ち消すためのおもりをカウンターバランスとしてディスク上に取り付ける方法が用いられていた。
【0003】
しかしながら、モータの回転軸にディスクを取り付ける取付精度を向上させる方法には、組み立てに時間がかかり、生産性の向上を阻害するという問題点があった。
【0004】
一方、ディスクを組み立てた後に動アンバランスを打ち消すためのおもりをカウンターバランスとしてディスク上に取り付ける方法には、おもりを固定する位置を探し出すのに時間がかかり、生産性の向上を阻害するという問題があった。
【0005】
そこで、最近では、これらの問題を解決するために、ハードディスクドライブに外部から衝撃を加えることで、モータの回転軸に仮固定されたディスクの動バランスを修正する方法が用いられている。
【0006】
この方法では、まずモータの回転軸にディスクを仮固定する。そして、このディスクを回転させながらハードディスクドライブの振動を測定し、測定された振動からディスクの動アンバランス方向を検知する。そして、ディスクを回転させながら、ハードディスクドライブ外部に設けられた衝撃発生手段によって、ディスクを動アンバランスが低減する方向に移動させるタイミングで、ハードディスクドライブに衝撃を印加し、ディスクの動バランスを修正する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−161394号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のハードディスクドライブの製造方法では、ディスクを回転させながらハードディスクドライブの振動を測定する必要がある。
【0009】
しかしながら、ディスクの回転によってハードディスクドライブに生じる振動は極めて微小であり、測定が非常に困難である。そのため、ハードディスクドライブに衝撃を印加するタイミングを得るために、分解能が非常に高い、高精度な振動測定手段が必要となる。
【0010】
また、モータの回転軸に仮固定されたディスクを移動させるには、ディスクに対して非常に大きな慣性力を与える必要がある。そのため、ディスクの動バランスを修正するために、ハードディスクドライブに大きな衝撃力を印加できる強力な衝撃印加手段が必要となる。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためのものであって、その目的とするところは、高精度な振動測定手段や強力な衝撃印加手段を用いることなく、ディスクの動バランスを迅速かつ容易に修正できるハードディスクドライブの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明のハードディスクドライブの製造方法は次のように構成されている。
【0013】
(1)ハードディスクドライブを弾性部材によって振動可能に支持し、このハードディスクドライブに衝撃を加えることで、モータの回転軸に仮固定されたディスクの動バランスを修正するハードディスクドライブの製造方法において、上記ディスクを回転するディスク回転工程と、上記ハードディスクドライブの外部に設けられた接触子に上記ディスクの回転に伴って振動する上記ハードディスクドライブを所定のタイミングで衝突させることで、上記ディスクを動アンバランスが低減する方向に移動させる動バランス修正工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
(2)(1)に記載されたハードディスクドライブの製造方法であって、上記所定のタイミングとは、上記ディスクの中心が上記回転軸に対して上記接触子の反対側に位置するタイミングであることを特徴とする。
【0015】
(3)(1)に記載されたハードディスクドライブの製造方法であって、上記ディスク回転工程では、上記弾性部材の固有振動数と一致する周波数で上記ディスクを回転することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態に係るハードディスクドライブの製造方法が適用されるハードディスクドライブ製造装置の構成を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すハードディスクドライブ製造装置はベース部1を有する。ベース部1の上面側には、板バネ2(弾性部材)を介して矩形板状の取付台3が設けられている。板バネ2は、ベース部1上面にほぼ垂直に立設されており、取付台3をほぼ水平に支持している。なお、本実施の形態では、板バネ2は取付台3の一辺ほぼ中央部を支持しているが、これに限定されることはなく、例えば取付台3の下面ほぼ中央部を支持してもよい。
【0019】
取付台3の上面側には、取付部材3aを介して組み立て途中のハードディスクドライブ4がほぼ水平に取り付けられる。このハードディスクドライブ4は本体4aを有し、その所定位置にはモータ5が搭載されている。モータ5の回転軸5aには磁気ディスク6が仮固定されており、この磁気ディスク6を回転軸5aとともに回転させる。
【0020】
ベース部1の上面には、ハードディスクドライブ4に対して板バネ2と反対側の位置にアクチュエータ7が設けられている。このアクチュエータ7は箱状の駆動部7aを有している。駆動部7aには、棒状の接触子8が水平かつ進退可能に支持されており、その先端部は駆動部7aのハードディスクドライブ4側の面から突出している。そして、この接触子8の先端部はハードディスクドライブ4の側面にほぼ直角をなすよう向けられている。
【0021】
駆動部7aには制御装置(不図示)が接続されており、この制御装置により駆動部7aを制御駆動することで、接触子8の先端部をハードディスクドライブ4に対して所望の位置に設定できる。
【0022】
次に、上記構成のハードディスクドライブ製造装置を用いたハードディスクドライブの製造方法について説明する。
【0023】
図2は同実施の形態に係る磁気ディスク6の動バランスを修正する原理を示す概念図である。なお、磁気ディスク6が動アンバランス状態にある場合、図2(a)に示すように、動バランス状態にある磁気ディスク6の中心からずれた位置に仮想おもり9を設けた状態と同等である。以下、この磁気ディスク6のモデルを用いて説明する。
【0024】
磁気ディスク6の動バランスを修正する場合、予めアクチュエータ7によって接触子8の先端部を所定位置に設定しておく。なお、この所定位置とは、後述するごとく、振動するハードディスクドライブ4が接触子8に衝突可能な範囲に設定された位置である。
【0025】
そして、ハードディスクドライブ4に搭載されたモータ5の回転軸5aに磁気ディスク6を仮固定し、この磁気ディスク6を板バネ2の固有振動数とほぼ同じ周波数で回転させる(ディスク回転工程)。
【0026】
磁気ディスク6を回転させると、磁気ディスク6上に設けられた仮想おもり9は、回転軸5aを中心として、図2(a)に矢印Aで示す方向に回転する。このとき、ハードディスクドライブ4には、仮想おもり9の回転による反動で、ハードディスクドライブ4を回転させるような振動力が発生する。
【0027】
しかしながら、ハードディスクドライブ4を支持する板バネ2は、捩じり方向に対して大きな剛性を備えており、その板面方向にしか変形しない。そのため、ハードディスクドライブ4は、図1と図2に矢印Bで示す方向にだけ振動する。
【0028】
そして、仮想おもり9が図2(b)中に点Xで示す位置に来たときに、ハードディスクドライブ4が接触子8に最も接近し、所定位置に設定された接触子8の先端部に衝突する。なお、上述した「仮想おもり9が点Xで示す位置に来た時」とは、動アンバランス状態にある磁気ディスク6の中心が回転軸5aに対して接触子8の反対側に来た時と同等である。
【0029】
それによって、ハードディスクドライブ4には、図2(b)に矢印Cで示す方向に衝撃力が印加される。そして、磁気ディスク6上に設けられた仮想おもり9は、この衝撃による慣性力で、図2(c)に矢印Dで示す方向、すなわち回転軸5a側に移動する。これは、動アンバランス状態ある磁気ディスク6の動バランスが修正されることと同等である(動バランス修正工程)。
【0030】
上記構成のハードディスクドライブの製造方法によれば、磁気ディスク6の回転により生じるハードディスクドライブ4の振動を利用して、ハードディスクドライブをその外部に設けられた接触子8に衝突させるようにしている。
【0031】
そのため、接触子8の先端部を所定位置に設定しておけば、ハードディスク6を回転させるだけで、ハードディスクドライブ4が自ずから接触子8に衝突するから、ハードディスクドライブ4に衝撃を印加するタイミングを計る必要がない。その結果、磁気ディスク6の動バランスを迅速かつ容易に修正することができる。
【0032】
しかも、磁気ディスク6の中心が回転軸5aに対して接触子8の反対側に位置するタイミングには、動アンバランスが修正されるまでハードディスクドライブ4に衝撃を印加することができる。
【0033】
また、磁気ディスク6を板バネ2の固有振動数とほぼ同じ周波数で回転させている。
【0034】
そのため、ハードディスクドライブ4には、共振作用によって大きな振幅の振動が生じるから、ハードディスクドライブ4に大きな衝撃を印加することができる。その結果、磁気ディスク6の動バランスを効率よく修正することができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々に変形可能である。例えば、上記実施の形態では、取付台3を支持する弾性部材として、板バネ2に代えて軟質の樹脂部材を用いてもよい。
【0036】
また、本発明は、上記実施の形態のように、磁気ディスクの動バランスを修正する場合にのみ適用されるものではなく、他の回転体の動バランスを修正するのにも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、高精度な振動測定手段や強力な衝撃印加手段を用いることなく、ハードディスクドライブに搭載されるディスクの動バランスを迅速かつ容易に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るハードディスクドライブの製造方法が適用されるハードディスクドライブ製造装置の構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係る磁気ディスクの動バランスを修正する原理を示す概念図。
【符号の説明】
2…板バネ(弾性部材)、4…ハードディスクドライブ、5a…回転軸、6…磁気ディスク(ディスク)、8…接触子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブの製造方法に係り、特にハードディスクドライブを組み立てる際にディスクの動バランスを修正する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハードディスクドライブに搭載されたディスクの動バランスを修正するために、モータの回転軸にディスクを取り付ける取付精度を向上させる方法や、ディスクを取り付けた後に動アンバランスを打ち消すためのおもりをカウンターバランスとしてディスク上に取り付ける方法が用いられていた。
【0003】
しかしながら、モータの回転軸にディスクを取り付ける取付精度を向上させる方法には、組み立てに時間がかかり、生産性の向上を阻害するという問題点があった。
【0004】
一方、ディスクを組み立てた後に動アンバランスを打ち消すためのおもりをカウンターバランスとしてディスク上に取り付ける方法には、おもりを固定する位置を探し出すのに時間がかかり、生産性の向上を阻害するという問題があった。
【0005】
そこで、最近では、これらの問題を解決するために、ハードディスクドライブに外部から衝撃を加えることで、モータの回転軸に仮固定されたディスクの動バランスを修正する方法が用いられている。
【0006】
この方法では、まずモータの回転軸にディスクを仮固定する。そして、このディスクを回転させながらハードディスクドライブの振動を測定し、測定された振動からディスクの動アンバランス方向を検知する。そして、ディスクを回転させながら、ハードディスクドライブ外部に設けられた衝撃発生手段によって、ディスクを動アンバランスが低減する方向に移動させるタイミングで、ハードディスクドライブに衝撃を印加し、ディスクの動バランスを修正する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−161394号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のハードディスクドライブの製造方法では、ディスクを回転させながらハードディスクドライブの振動を測定する必要がある。
【0009】
しかしながら、ディスクの回転によってハードディスクドライブに生じる振動は極めて微小であり、測定が非常に困難である。そのため、ハードディスクドライブに衝撃を印加するタイミングを得るために、分解能が非常に高い、高精度な振動測定手段が必要となる。
【0010】
また、モータの回転軸に仮固定されたディスクを移動させるには、ディスクに対して非常に大きな慣性力を与える必要がある。そのため、ディスクの動バランスを修正するために、ハードディスクドライブに大きな衝撃力を印加できる強力な衝撃印加手段が必要となる。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためのものであって、その目的とするところは、高精度な振動測定手段や強力な衝撃印加手段を用いることなく、ディスクの動バランスを迅速かつ容易に修正できるハードディスクドライブの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明のハードディスクドライブの製造方法は次のように構成されている。
【0013】
(1)ハードディスクドライブを弾性部材によって振動可能に支持し、このハードディスクドライブに衝撃を加えることで、モータの回転軸に仮固定されたディスクの動バランスを修正するハードディスクドライブの製造方法において、上記ディスクを回転するディスク回転工程と、上記ハードディスクドライブの外部に設けられた接触子に上記ディスクの回転に伴って振動する上記ハードディスクドライブを所定のタイミングで衝突させることで、上記ディスクを動アンバランスが低減する方向に移動させる動バランス修正工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
(2)(1)に記載されたハードディスクドライブの製造方法であって、上記所定のタイミングとは、上記ディスクの中心が上記回転軸に対して上記接触子の反対側に位置するタイミングであることを特徴とする。
【0015】
(3)(1)に記載されたハードディスクドライブの製造方法であって、上記ディスク回転工程では、上記弾性部材の固有振動数と一致する周波数で上記ディスクを回転することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態に係るハードディスクドライブの製造方法が適用されるハードディスクドライブ製造装置の構成を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すハードディスクドライブ製造装置はベース部1を有する。ベース部1の上面側には、板バネ2(弾性部材)を介して矩形板状の取付台3が設けられている。板バネ2は、ベース部1上面にほぼ垂直に立設されており、取付台3をほぼ水平に支持している。なお、本実施の形態では、板バネ2は取付台3の一辺ほぼ中央部を支持しているが、これに限定されることはなく、例えば取付台3の下面ほぼ中央部を支持してもよい。
【0019】
取付台3の上面側には、取付部材3aを介して組み立て途中のハードディスクドライブ4がほぼ水平に取り付けられる。このハードディスクドライブ4は本体4aを有し、その所定位置にはモータ5が搭載されている。モータ5の回転軸5aには磁気ディスク6が仮固定されており、この磁気ディスク6を回転軸5aとともに回転させる。
【0020】
ベース部1の上面には、ハードディスクドライブ4に対して板バネ2と反対側の位置にアクチュエータ7が設けられている。このアクチュエータ7は箱状の駆動部7aを有している。駆動部7aには、棒状の接触子8が水平かつ進退可能に支持されており、その先端部は駆動部7aのハードディスクドライブ4側の面から突出している。そして、この接触子8の先端部はハードディスクドライブ4の側面にほぼ直角をなすよう向けられている。
【0021】
駆動部7aには制御装置(不図示)が接続されており、この制御装置により駆動部7aを制御駆動することで、接触子8の先端部をハードディスクドライブ4に対して所望の位置に設定できる。
【0022】
次に、上記構成のハードディスクドライブ製造装置を用いたハードディスクドライブの製造方法について説明する。
【0023】
図2は同実施の形態に係る磁気ディスク6の動バランスを修正する原理を示す概念図である。なお、磁気ディスク6が動アンバランス状態にある場合、図2(a)に示すように、動バランス状態にある磁気ディスク6の中心からずれた位置に仮想おもり9を設けた状態と同等である。以下、この磁気ディスク6のモデルを用いて説明する。
【0024】
磁気ディスク6の動バランスを修正する場合、予めアクチュエータ7によって接触子8の先端部を所定位置に設定しておく。なお、この所定位置とは、後述するごとく、振動するハードディスクドライブ4が接触子8に衝突可能な範囲に設定された位置である。
【0025】
そして、ハードディスクドライブ4に搭載されたモータ5の回転軸5aに磁気ディスク6を仮固定し、この磁気ディスク6を板バネ2の固有振動数とほぼ同じ周波数で回転させる(ディスク回転工程)。
【0026】
磁気ディスク6を回転させると、磁気ディスク6上に設けられた仮想おもり9は、回転軸5aを中心として、図2(a)に矢印Aで示す方向に回転する。このとき、ハードディスクドライブ4には、仮想おもり9の回転による反動で、ハードディスクドライブ4を回転させるような振動力が発生する。
【0027】
しかしながら、ハードディスクドライブ4を支持する板バネ2は、捩じり方向に対して大きな剛性を備えており、その板面方向にしか変形しない。そのため、ハードディスクドライブ4は、図1と図2に矢印Bで示す方向にだけ振動する。
【0028】
そして、仮想おもり9が図2(b)中に点Xで示す位置に来たときに、ハードディスクドライブ4が接触子8に最も接近し、所定位置に設定された接触子8の先端部に衝突する。なお、上述した「仮想おもり9が点Xで示す位置に来た時」とは、動アンバランス状態にある磁気ディスク6の中心が回転軸5aに対して接触子8の反対側に来た時と同等である。
【0029】
それによって、ハードディスクドライブ4には、図2(b)に矢印Cで示す方向に衝撃力が印加される。そして、磁気ディスク6上に設けられた仮想おもり9は、この衝撃による慣性力で、図2(c)に矢印Dで示す方向、すなわち回転軸5a側に移動する。これは、動アンバランス状態ある磁気ディスク6の動バランスが修正されることと同等である(動バランス修正工程)。
【0030】
上記構成のハードディスクドライブの製造方法によれば、磁気ディスク6の回転により生じるハードディスクドライブ4の振動を利用して、ハードディスクドライブをその外部に設けられた接触子8に衝突させるようにしている。
【0031】
そのため、接触子8の先端部を所定位置に設定しておけば、ハードディスク6を回転させるだけで、ハードディスクドライブ4が自ずから接触子8に衝突するから、ハードディスクドライブ4に衝撃を印加するタイミングを計る必要がない。その結果、磁気ディスク6の動バランスを迅速かつ容易に修正することができる。
【0032】
しかも、磁気ディスク6の中心が回転軸5aに対して接触子8の反対側に位置するタイミングには、動アンバランスが修正されるまでハードディスクドライブ4に衝撃を印加することができる。
【0033】
また、磁気ディスク6を板バネ2の固有振動数とほぼ同じ周波数で回転させている。
【0034】
そのため、ハードディスクドライブ4には、共振作用によって大きな振幅の振動が生じるから、ハードディスクドライブ4に大きな衝撃を印加することができる。その結果、磁気ディスク6の動バランスを効率よく修正することができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々に変形可能である。例えば、上記実施の形態では、取付台3を支持する弾性部材として、板バネ2に代えて軟質の樹脂部材を用いてもよい。
【0036】
また、本発明は、上記実施の形態のように、磁気ディスクの動バランスを修正する場合にのみ適用されるものではなく、他の回転体の動バランスを修正するのにも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、高精度な振動測定手段や強力な衝撃印加手段を用いることなく、ハードディスクドライブに搭載されるディスクの動バランスを迅速かつ容易に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るハードディスクドライブの製造方法が適用されるハードディスクドライブ製造装置の構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係る磁気ディスクの動バランスを修正する原理を示す概念図。
【符号の説明】
2…板バネ(弾性部材)、4…ハードディスクドライブ、5a…回転軸、6…磁気ディスク(ディスク)、8…接触子。
Claims (3)
- ハードディスクドライブを弾性部材によって振動可能に支持し、このハードディスクドライブに衝撃を加えることで、モータの回転軸に仮固定されたディスクの動バランスを修正するハードディスクドライブの製造方法において、
上記ディスクを回転するディスク回転工程と、
上記ハードディスクドライブの外部に設けられた接触子に上記ディスクの回転に伴って振動する上記ハードディスクドライブを所定のタイミングで衝突させることで、上記ディスクを動アンバランスが低減する方向に移動させる動バランス修正工程と、
を具備することを特徴とするハードディスクドライブの製造方法。 - 上記所定のタイミングとは、上記ディスクの中心が上記回転軸に対して上記接触子の反対側に位置するタイミングであることを特徴とする請求項1記載のハードディスクドライブの製造方法。
- 上記ディスク回転工程では、上記弾性部材の固有振動数と一致する周波数で上記ディスクを回転することを特徴とする請求項1記載のハードディスクドライブの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078568A JP2004288289A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | ハードディスクドライブの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078568A JP2004288289A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | ハードディスクドライブの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004288289A true JP2004288289A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33293017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003078568A Pending JP2004288289A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | ハードディスクドライブの製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004288289A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008047194A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Fujitsu Ltd | バランス修正装置 |
WO2008072307A1 (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-19 | Fujitsu Limited | バランス修正装置及び方法 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003078568A patent/JP2004288289A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008047194A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Fujitsu Ltd | バランス修正装置 |
WO2008072307A1 (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-19 | Fujitsu Limited | バランス修正装置及び方法 |
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