JP2004287236A - 接触帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電過多による帯電電位のムラを効果的に抑え、長期にわたって高品質の画像を得ることのできる接触帯電装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】矢印A方向に回転する感光体ドラム1に接触して帯電させるための接触帯電装置2であって、帯電ブラシ24からなる接触帯電部材21と、該接触帯電部材21の矢印A方向下流側に設けたフィルム状の接触除電部材31とを備えている。接触帯電部材21による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を接触除電部材31で平均電位Vo2に除電する。その除電電位は、−50≦Vo1−Vo2≦0である。
【選択図】 図2
【解決手段】矢印A方向に回転する感光体ドラム1に接触して帯電させるための接触帯電装置2であって、帯電ブラシ24からなる接触帯電部材21と、該接触帯電部材21の矢印A方向下流側に設けたフィルム状の接触除電部材31とを備えている。接触帯電部材21による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を接触除電部材31で平均電位Vo2に除電する。その除電電位は、−50≦Vo1−Vo2≦0である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触帯電装置及び画像形成装置、特に、電子写真方式にて静電潜像担持体上に画像を形成するに先立って該静電潜像担持体を所定の表面電位に均一に帯電するための接触帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
電子写真プロセスによる画像形成装置において、静電潜像担持体(感光体)への帯電手段としては、従来、コロナ放電装置が広く用いられてきた。コロナ帯電装置は、感光体の表面を均一にかつ所定の電位に帯電する方法としては有効ではある。しかし、人体に有害であるオゾンが発生することや、帯電効率が悪いために高電圧を印加しなければならないという問題点を有している。
【0003】
前記問題点を解決できる帯電手段として接触帯電装置が知られており、接触帯電部材としては繊維で構成されたファーブラシ、ローラ、ブレード、磁気ブラシなとが使用されている。
【0004】
接触帯電装置は、コロナ帯電装置に比べてオゾンの発生が少なく、帯電効率がよいという利点を有している。しかし、帯電電位の不足もしくは過多による微小な点状の帯電ムラが発生しやすい。帯電不足は、接触帯電部材の抵抗値が高い場合、トナー微粉や微小な異物の付着により感光体と接触帯電部材との空隙が広くなることによって生じる。帯電過多は、接触帯電部材の抵抗値が低い場合、接触帯電部材自体の形状に問題があったり汚れの付着によって突起形状になっている場合に生じる。
【0005】
高い帯電ムラを抑えてほぼ均一な表面電位を得る方法としては、汚れを防止することで帯電過多の主要因を断つこと、接触帯電部材に交流電圧を重畳すること、が考えられる。しかし、汚れを完全に防止することは実際上困難である。また、交流電圧を重畳することは、帯電過多にそれなりの効果を発揮するものの、電源のコストアップを招来し、騒音対策のために感光体に防音材を設ける必要がある。同時に、接触帯電部材の汚れを加速すること、感光体の劣化を早めるなどの問題点も生じる。
【0006】
特に、ファーブラシを使用した接触帯電装置にあっては、感光体との間で回転速度差を設けることができるために帯電不足を補う能力は優れている。しかし、帯電過多の防止策である、繊維の抵抗値を制御することや、繊維の先端形状を制御することは、使用される繊維の量が膨大であることなどから困難であった。また、交流電圧を重畳することは繊維が振動することによってかえって帯電ムラが大きくなり、結果的に画像の品質が低下することを回避できなかった。
【0007】
【従来の技術と課題】
【特許文献1】特開2002−169358号公報
【特許文献2】特開平6−202431号公報
【0008】
特許文献1,2には、いずれも、感光体への接触帯電部材の下流側に除電部材を設け、該除電部材によってノイズ成分のみならず帯電電位自体を全体的に低下させる接触帯電装置が開示されている。
【0009】
しかしながら、前述の如く、帯電電位を全体的に除電することでノイズ成分を除去する方式では、初期的には安定した電位を得られるが、長時間の稼働によって除電部材に汚れが付着しやすく、汚れの付着によってかえって電位ムラが発生するという問題点を有している。
【0010】
そこで、本発明の目的は、帯電過多による帯電電位のムラを効果的に抑え、長期にわたって高品質の画像を得ることのできる接触帯電装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【発明の構成、作用及び効果】
以上の目的を達成するため、第1の発明に係る接触帯電装置は、一方向に回転する静電潜像担持体の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材と、該接触帯電部材の静電潜像担持体の回転方向下流側に設けた接触除電部材とを備え、前記接触帯電部材による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を前記接触除電部材で平均電位Vo2に除電し、かつ、除電電位は−50≦Vo1−Vo2≦0であることを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明に係る画像形成装置は、一方向に回転する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材と、該接触帯電部材の静電潜像担持体の回転方向下流側に設けた接触除電部材と、前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光手段と、前記静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像手段と、を備え、前記接触帯電部材による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を前記接触除電部材で平均電位Vo2に除電し、かつ、除電電位は−50≦Vo1−Vo2≦0であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置にあっては、接触帯電部材の下流側に設けた接触除電部材によって、接触帯電部材によって平均帯電電位Vo1に一旦帯電された電位を平均電位Vo2に除電する。電位Vo1と電位Vo2との差は、−50〜0Vである。即ち、平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い帯電過多による電位ムラのみが除電され、静電潜像担持体はほぼ平均帯電電位Vo1近傍の均一な電位に帯電されることになり、高品位の画像を得ることが可能になる。
【0014】
本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置において、接触除電部材は静電潜像担持体に対して面で接触する部材、例えば、フィルム状の部材であることがより確実な除電作用を期待できる点で好ましい。また、接触帯電部材及び接触除電部材には直流電圧が印加されることが好ましい。交流電圧を重畳しないので、静電潜像担持体の防音対策が不要となり、接触帯電部材や接触除電部材への汚れの付着を抑えることができる。また、電源は接触帯電部材及び接触除電部材に共通に用いれば、電源部のコストを低減することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置において、接触帯電部材による帯電電位がマイナスの場合、接触除電部材に印加される電圧V2は、Vo1+Vth−100≦V2≦Vo1+Vth+50であることが好ましい。但し、電圧Vthは、接触帯電部材に電圧を印加することなく接触除電部材に接触帯電部材への印加電圧に相当する電圧V3を印加した際の静電潜像担持体の帯電電位Vo3との関係において絶対値(V3−Vo3)を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
(画像形成装置、図1参照)
まず、図1を参照して画像形成装置の一例についてその構成及び画像形成動作の概略を説明する。この画像形成装置は、モノカラーのレーザプリンタとして構成したもので、感光体ドラム1の周囲に、接触帯電装置2、レーザ露光光学装置3、現像装置4、転写チャージャ5、残留トナーのクリーニング装置6などを配置したものである。
【0018】
感光体ドラム1は、矢印A方向に一定の速度で回転駆動され、以下に詳述する接触帯電装置2にて所定の表面電位に均一に帯電され、レーザ露光光学装置3からのレーザビームの走査露光によって静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置4にて現像され、転写チャージャ5からの電界付与によって矢印B方向に搬送されるシート上に転写される。感光体ドラム1は転写後も回転を続け、クリーニング装置6によって残留トナーが払拭され、次回の画像形成に備える。
【0019】
この種の画像形成装置において、トナーは感光体ドラム1の帯電極性と同極性に帯電されており、現像装置4では反転現像が行われる。例えば、感光体ドラム1の帯電極性がマイナスの場合、トナーもマイナスに帯電され、該トナーは露光によって電位が低下した画像部に付着する。転写チャージャ5の放電極性はプラスである。
【0020】
なお、現像方式としては、トナーのみの1成分系現像剤を用いる方法、トナーとキャリアによる2成分系現像剤を用いる方法、現像ローラ4aを感光体ドラム1の表面に接触させる方法、接触させない方法など、種々の方法が知られており、何れの現像方法を用いてもよい。
【0021】
(接触帯電装置、図2〜図5参照)
接触帯電装置2は、図2に示すように、感光体ドラム1の表面に接触させた状態で電圧を印加することにより、感光体ドラム1の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材21と、該接触帯電部材21の感光体ドラム1の回転方向下流側に設けた接触除電部材31とで構成されている。
【0022】
接触帯電部材21は、図3及び図4に示すように、導電性支持体22の外周面に、基布23に多数の導電性繊維を植毛した帯電ブラシ24を巻き付けたローラ体として構成されている。また、接触除電部材31は、図2に示すように、導電性支持体32に取り付けた導電性フィルムから構成されている。
【0023】
導電性支持体22、32は、ステンレス、アルミニウム等の金属材からなるが、導電性材料であればこれらに限定されない。
【0024】
接触帯電部材21を構成する導電性繊維は、合成樹脂材料に導電性材料を混合して繊維状に成形したものである。合成樹脂材料としては、ナイロン等のポリアミド、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリルを用いることができ、ナイロンを主成分とすることが好ましい。
但し、これらに限定するものではない。導電性材料としては、導電性カーボン、金属粉体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫等を用いることができ、前記合成樹脂中に均一に混合できる材料であればこれらに限定されない。
【0025】
基布23に前記導電性繊維を植毛した帯電ブラシ24を導電性支持体22の外周面に巻き付ける方法は、例えば、図3に示されているように、帯状の帯電ブラシ24を支持体22へスパイラル状に巻き付ける方法が容易である。但し、帯電ブラシ24を隙間なく巻き付けることができれば、この方法に限定するものではない。
【0026】
帯電ブラシ24の隙間が大きいと巻き目のむらが生じ、巻き目部分の導電性繊維の密度が低くなるため、帯電不良が生じるおそれがあり、好ましくない。
【0027】
導電性繊維に関して、その太さは1.5〜6デニール、植毛密度は、70000〜600000フィラメント/inch2、長さは2〜6mmが好ましい。帯電ブラシ24を支持体22に巻き付けた後、導電性繊維の長さを均一に揃えただけの直毛状態でもよいが、導電性繊維の先端が一定方向にカールされた斜毛状態に処理すればさらに良好な帯電を図ることができる。斜毛処理は、導電性繊維に熱を加えてカールさせる方法、通電による方法等があるが、これらに限定するものではない。
【0028】
帯電ブラシ24は、図3に示すように、フレーム25,26に回転駆動可能に取り付けられている。感光体ドラム1への帯電ブラシ24の押し込み量は、0.2〜0.8mmが好ましいが、帯電不足が生じない範囲で任意に設定することができる。
【0029】
帯電ブラシ24の回転方向は、感光体ドラム1の回転方向に対して同方向(ウィズ方向)又は反対方向(カウンター方向)のいずれでもよい。そして、帯電ブラシ24の周速度と感光体ドラム1の周速度とに差を設けてもよく、帯電ブラシ24の周速比を1より大きくすることで帯電の均一性を向上させることができる。本発明者らの実験によれば、帯電ブラシ24をカウンター方向に回転させ、帯電ブラシ24の周速比を1.5〜3に設定することで好ましい結果が得られた。
【0030】
なお、接触帯電部材21の構造、形状としては帯電ブラシ24に限定するものではなく、ローラ、ベルト、磁気ブラシ等の回転体であってもよい。また、固定ブラシ、ブレード、フィルム等の、感光体ドラム1に対して静止状態で接触する構成であってもよい。
【0031】
接触除電部材31は、前記接触帯電部材21によって帯電された電位の微小スポット状の過多部分を放電により除電するためのものであり、合成樹脂材料に導電性材料を混合したフィルム状であることが好ましい。合成樹脂材料としては、ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル、ポリエチレンを用いることができるが、これらに限定されない。導電性材料としては、導電性カーボン、金属粉体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫等を用いることができ、前記合成樹脂中に均一に混合できる材料であればこれらに限定されない。
【0032】
接触除電部材31の厚みは任意であるが、比較的薄いものであれば、感光体ドラム1への静電吸着力を利用して安定的な接触が得られる。比較的厚いものであっても、その弾性力を利用して感光体ドラム1に圧接させて安定的な接触が得られる。
【0033】
接触除電部材31はフィルム状のものに限定することはないが、確実に帯電過多部分の電位を除電するために感光体ドラム1に対して面状に接触する部材であることが好ましい。接触除電部材31の他の形状としては、ブレード状、ローラ状などを採用することができる。
【0034】
以上の構成からなる接触帯電装置2の電源部は、図2に示すように、直流の定電圧電源41と、ツェナダイオード42と、抵抗器43とで構成されている。接触帯電部材21に印加される電圧は直流電圧であって−1600〜−800Vが好ましく、接触除電部材31に印加される電圧は直流電圧であって−700〜+300Vが好ましいが、この範囲に限定するものではない。なお、具体的に印加される電圧値については以下の実験例に示されている。
【0035】
なお、接触帯電部材21及び接触除電部材31に印加される電圧には、直流電圧に交流電圧を重畳してもよいが、前記問題点が発生することを考慮すると、直流電圧のみを印加するほうが好ましい。
【0036】
接触除電部材31に対しては定電圧電源41からツェナダイオード42を介して所定の電圧値に落として印加する。このように、電源41を接触帯電部材21と接触除電部材31とで共通化することにより、電源部のコストダウンを図ることができる。なお、ツェナダイオードに代えて、抵抗器によって所定電圧に設定する方法、ツェナダイオードと可変抵抗器を組み合わせて電圧を調整する方法などを採用してもよい。勿論、接触除電部材31に専用の電源を用意してもよい。
【0037】
接触除電部材31への印加電圧値は、環境あるいは稼働に起因する感光体ドラム1の劣化(例えば、感光体膜の削れ)に応じて変更することが好ましいが、固定値であっても構わない。
【0038】
(実験例の説明)
以下に、本発明者らが行った実験例及び比較例について説明する。まず、実験例及び比較例で使用した帯電ブラシについて説明する。
【0039】
帯電ブラシはその導電性繊維をナイロンに導電性カーボンを分散したものを素材として製作した。導電性繊維の太さは2デニール、植毛密度は300000フィラメント/inch2である。この帯電ブラシを外径6mmのステンレス製シャフトに螺旋状に巻き付けた後、ブラシの表面が均一になるように導電性繊維をカットした。カット処理後にブラシの外径が12.5mmになるように、熱処理でカールさせた。
【0040】
接触除電部材にはポリイミドにカーボンを分散したフィルムを用いた。フィルムの厚みは100μmであり、感光体ドラムの表面に安定して接触するように設置した。フィルムの先端は放電が起きないように感光体ドラムとは接触しないように配置した。
【0041】
次に、画像形成方法について説明する。画像形成装置としては図1に示したモノクロプリンタを使用した。画像形成の設定条件は以下のとおりである。
【0042】
帯電印加電圧:直流マイナス電圧
帯電ブラシ回転方向:カウンター方向で周速比2
帯電ブラシ押込み量:0.5mm
現像バイアス電圧(直流成分):−350V
現像バイアス電圧(交流成分):1.5kV
感光体ドラム周速度:160mm/sec
【0043】
実験例1〜6及び比較例1,2は、前記レーザプリンタを用いて前記設定条件で、25℃、50%RHの環境下で画像を形成した。それらの結果を表1に示す。表1において接触帯電部材に対する印加電圧はV1であり、接触除電部材に対する印加電圧はV2である。
【0044】
【表1】
【0045】
これらの実験例1〜6及び比較例1,2において、帯電均一性の評価は、黒/白比5%のモノクロ画像を5000枚出力後に、2×2ドットのハーフトーン画像を出力し、目視観察で以下の判断を行った。
◎:画像品質が優れている
○:若干画像ムラが認められるが、実用上問題がない
×:画像ムラが著しく、実用上問題がある
【0046】
画像ムラは放電過多による白いムラと、放電不足もしくは除電し過ぎによる黒いムラとがある。その2項目に分けて評価し、◎及び○を合格とした。
【0047】
表1から明らかなように、接触帯電部材の下流側に接触除電部材を設けてそれぞれへの印加電圧V1,V2を所定の値に制御することにより、帯電電位Vo1及び除電後の電位Vo2を好ましい値とした実験例1〜6にあっては、白い画像ムラ及び黒い画像ムラは満足できる程度に解消されていた。
【0048】
但し、比較例1の如く、接触除電部材への印加電圧をプラス側に設定して除電し過ぎると、白い画像ムラは解消するが黒い画像ムラの発生が見られた。これは、接触除電部材に汚れが付着しやすくなることに起因する。
【0049】
そこで、接触帯電部材による平均帯電電位Vo1と接触除電部材での除電後の平均電位Vo2との電位差Vo1−Vo2は小さい方が好ましく、特に、−50≦Vo1−Vo2≦0であることが好ましい。
【0050】
そして、接触除電部材に印加する電圧V2は、V2≦Vo1+Vth+50であることが好ましい。この場合、電圧Vthは、接触帯電部材に電圧を印加することなく接触除電部材に接触帯電部材への印加電圧に相当する電圧V3を印加した際の感光体の帯電電位Vo3との関係において絶対値(V3−Vo3)を意味する。
【0051】
逆に、マイナス側にあまり除電しない設定にすると、白い画像ムラの発生を抑え切れなくなる。そのためには、接触除電部材に印加する電圧V2を放電過多の部分のみを除電するVo1+Vthに近い設定にすることが必要となる。特に、Vo1+Vth−100≦V2であることが好ましい。
【0052】
なお、前述した印加電圧V2の好ましい範囲は、実験例1〜6の如く接触帯電部材による帯電電位がマイナスの場合であるが、帯電電位がプラスの場合も同様に考えることができる。
【0053】
図5(A)は接触帯電部材によって帯電された感光体表面電位を示し、図5(B)は接触除電部材によって除電された後の感光体表面電位を示している。除電後にあっては、図5(A)に示されている帯電過多の部分が解消されていることが分かる。なお、この図5(A),(B)はいずれもイメージ図である。
【0054】
(表面電位の測定方法)
ここで、前記実験例及び比較例で行った表面電位の測定方法について説明する。
【0055】
表面電位計(TREK社製、表面電位計344とプローブ555P−1を使用)を現像位置に設置し、測定値はアナログXYレコーダで記録した。この表面電位計は非接触測定であり、測定スポットが広く、ミクロな帯電ムラを正確には検知できずに平均化して測定している。
【0056】
つまり、図5に示した表面電位は画像から想定したイメージで描いたものであり、実測値をプロットすると図5(A)の点線で示した電位Vo1のように平均化されてしまう。帯電過多の電位部分の面積は、他の均一な帯電部分の面積に比べて極端に小さいので、測定した帯電過多の電位は均一帯電部分の電位とほぼ等しくなる。その差は経験上10V以下である。
【0057】
電位Vo1は、接触帯電部材に電圧V1を印加し、接触除電部材への印加電圧をオフ(フロート状態)にして測定した。除電後の電位Vo2は、接触帯電部材及び接触除電部材にそれぞれ電圧V1,V2を印加して測定した。
【0058】
電圧Vthは、接触帯電部材への印加電圧を0Vとし、接触除電部材に電圧V3(電圧V1に相当する、例えば−1100V)を印加し、そのときの表面電位Vo3を測定し、V3−Vo3の値として算出した。
【0059】
(他の実施形態)
なお、本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0060】
例えば、画像形成装置はフルカラー画像を形成するものでもよく、3原色及び黒色に分解された各画像を重ね合わせる方式はタンデム方式など種々の方式を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるモノカラーのレーザプリンタを示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る接触帯電装置の一実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る接触帯電装置に用いられる接触帯電部材(帯電ブラシ)の一例を示す斜視図である。
【図4】前記接触帯電部材の縦断面図である。
【図5】(A)は除電前の感光体表面電位を示し、(B)は除電後の感光体表面電位を示すチャート図である。
【符号の説明】
1…感光体ドラム
2…接触帯電装置
3…レーザ露光光学装置
4…現像装置
21…接触帯電部材
31…接触除電部材
41…定電圧電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触帯電装置及び画像形成装置、特に、電子写真方式にて静電潜像担持体上に画像を形成するに先立って該静電潜像担持体を所定の表面電位に均一に帯電するための接触帯電装置及び該帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
電子写真プロセスによる画像形成装置において、静電潜像担持体(感光体)への帯電手段としては、従来、コロナ放電装置が広く用いられてきた。コロナ帯電装置は、感光体の表面を均一にかつ所定の電位に帯電する方法としては有効ではある。しかし、人体に有害であるオゾンが発生することや、帯電効率が悪いために高電圧を印加しなければならないという問題点を有している。
【0003】
前記問題点を解決できる帯電手段として接触帯電装置が知られており、接触帯電部材としては繊維で構成されたファーブラシ、ローラ、ブレード、磁気ブラシなとが使用されている。
【0004】
接触帯電装置は、コロナ帯電装置に比べてオゾンの発生が少なく、帯電効率がよいという利点を有している。しかし、帯電電位の不足もしくは過多による微小な点状の帯電ムラが発生しやすい。帯電不足は、接触帯電部材の抵抗値が高い場合、トナー微粉や微小な異物の付着により感光体と接触帯電部材との空隙が広くなることによって生じる。帯電過多は、接触帯電部材の抵抗値が低い場合、接触帯電部材自体の形状に問題があったり汚れの付着によって突起形状になっている場合に生じる。
【0005】
高い帯電ムラを抑えてほぼ均一な表面電位を得る方法としては、汚れを防止することで帯電過多の主要因を断つこと、接触帯電部材に交流電圧を重畳すること、が考えられる。しかし、汚れを完全に防止することは実際上困難である。また、交流電圧を重畳することは、帯電過多にそれなりの効果を発揮するものの、電源のコストアップを招来し、騒音対策のために感光体に防音材を設ける必要がある。同時に、接触帯電部材の汚れを加速すること、感光体の劣化を早めるなどの問題点も生じる。
【0006】
特に、ファーブラシを使用した接触帯電装置にあっては、感光体との間で回転速度差を設けることができるために帯電不足を補う能力は優れている。しかし、帯電過多の防止策である、繊維の抵抗値を制御することや、繊維の先端形状を制御することは、使用される繊維の量が膨大であることなどから困難であった。また、交流電圧を重畳することは繊維が振動することによってかえって帯電ムラが大きくなり、結果的に画像の品質が低下することを回避できなかった。
【0007】
【従来の技術と課題】
【特許文献1】特開2002−169358号公報
【特許文献2】特開平6−202431号公報
【0008】
特許文献1,2には、いずれも、感光体への接触帯電部材の下流側に除電部材を設け、該除電部材によってノイズ成分のみならず帯電電位自体を全体的に低下させる接触帯電装置が開示されている。
【0009】
しかしながら、前述の如く、帯電電位を全体的に除電することでノイズ成分を除去する方式では、初期的には安定した電位を得られるが、長時間の稼働によって除電部材に汚れが付着しやすく、汚れの付着によってかえって電位ムラが発生するという問題点を有している。
【0010】
そこで、本発明の目的は、帯電過多による帯電電位のムラを効果的に抑え、長期にわたって高品質の画像を得ることのできる接触帯電装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【発明の構成、作用及び効果】
以上の目的を達成するため、第1の発明に係る接触帯電装置は、一方向に回転する静電潜像担持体の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材と、該接触帯電部材の静電潜像担持体の回転方向下流側に設けた接触除電部材とを備え、前記接触帯電部材による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を前記接触除電部材で平均電位Vo2に除電し、かつ、除電電位は−50≦Vo1−Vo2≦0であることを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明に係る画像形成装置は、一方向に回転する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材と、該接触帯電部材の静電潜像担持体の回転方向下流側に設けた接触除電部材と、前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光手段と、前記静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像手段と、を備え、前記接触帯電部材による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を前記接触除電部材で平均電位Vo2に除電し、かつ、除電電位は−50≦Vo1−Vo2≦0であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置にあっては、接触帯電部材の下流側に設けた接触除電部材によって、接触帯電部材によって平均帯電電位Vo1に一旦帯電された電位を平均電位Vo2に除電する。電位Vo1と電位Vo2との差は、−50〜0Vである。即ち、平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い帯電過多による電位ムラのみが除電され、静電潜像担持体はほぼ平均帯電電位Vo1近傍の均一な電位に帯電されることになり、高品位の画像を得ることが可能になる。
【0014】
本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置において、接触除電部材は静電潜像担持体に対して面で接触する部材、例えば、フィルム状の部材であることがより確実な除電作用を期待できる点で好ましい。また、接触帯電部材及び接触除電部材には直流電圧が印加されることが好ましい。交流電圧を重畳しないので、静電潜像担持体の防音対策が不要となり、接触帯電部材や接触除電部材への汚れの付着を抑えることができる。また、電源は接触帯電部材及び接触除電部材に共通に用いれば、電源部のコストを低減することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置において、接触帯電部材による帯電電位がマイナスの場合、接触除電部材に印加される電圧V2は、Vo1+Vth−100≦V2≦Vo1+Vth+50であることが好ましい。但し、電圧Vthは、接触帯電部材に電圧を印加することなく接触除電部材に接触帯電部材への印加電圧に相当する電圧V3を印加した際の静電潜像担持体の帯電電位Vo3との関係において絶対値(V3−Vo3)を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
(画像形成装置、図1参照)
まず、図1を参照して画像形成装置の一例についてその構成及び画像形成動作の概略を説明する。この画像形成装置は、モノカラーのレーザプリンタとして構成したもので、感光体ドラム1の周囲に、接触帯電装置2、レーザ露光光学装置3、現像装置4、転写チャージャ5、残留トナーのクリーニング装置6などを配置したものである。
【0018】
感光体ドラム1は、矢印A方向に一定の速度で回転駆動され、以下に詳述する接触帯電装置2にて所定の表面電位に均一に帯電され、レーザ露光光学装置3からのレーザビームの走査露光によって静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置4にて現像され、転写チャージャ5からの電界付与によって矢印B方向に搬送されるシート上に転写される。感光体ドラム1は転写後も回転を続け、クリーニング装置6によって残留トナーが払拭され、次回の画像形成に備える。
【0019】
この種の画像形成装置において、トナーは感光体ドラム1の帯電極性と同極性に帯電されており、現像装置4では反転現像が行われる。例えば、感光体ドラム1の帯電極性がマイナスの場合、トナーもマイナスに帯電され、該トナーは露光によって電位が低下した画像部に付着する。転写チャージャ5の放電極性はプラスである。
【0020】
なお、現像方式としては、トナーのみの1成分系現像剤を用いる方法、トナーとキャリアによる2成分系現像剤を用いる方法、現像ローラ4aを感光体ドラム1の表面に接触させる方法、接触させない方法など、種々の方法が知られており、何れの現像方法を用いてもよい。
【0021】
(接触帯電装置、図2〜図5参照)
接触帯電装置2は、図2に示すように、感光体ドラム1の表面に接触させた状態で電圧を印加することにより、感光体ドラム1の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材21と、該接触帯電部材21の感光体ドラム1の回転方向下流側に設けた接触除電部材31とで構成されている。
【0022】
接触帯電部材21は、図3及び図4に示すように、導電性支持体22の外周面に、基布23に多数の導電性繊維を植毛した帯電ブラシ24を巻き付けたローラ体として構成されている。また、接触除電部材31は、図2に示すように、導電性支持体32に取り付けた導電性フィルムから構成されている。
【0023】
導電性支持体22、32は、ステンレス、アルミニウム等の金属材からなるが、導電性材料であればこれらに限定されない。
【0024】
接触帯電部材21を構成する導電性繊維は、合成樹脂材料に導電性材料を混合して繊維状に成形したものである。合成樹脂材料としては、ナイロン等のポリアミド、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリルを用いることができ、ナイロンを主成分とすることが好ましい。
但し、これらに限定するものではない。導電性材料としては、導電性カーボン、金属粉体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫等を用いることができ、前記合成樹脂中に均一に混合できる材料であればこれらに限定されない。
【0025】
基布23に前記導電性繊維を植毛した帯電ブラシ24を導電性支持体22の外周面に巻き付ける方法は、例えば、図3に示されているように、帯状の帯電ブラシ24を支持体22へスパイラル状に巻き付ける方法が容易である。但し、帯電ブラシ24を隙間なく巻き付けることができれば、この方法に限定するものではない。
【0026】
帯電ブラシ24の隙間が大きいと巻き目のむらが生じ、巻き目部分の導電性繊維の密度が低くなるため、帯電不良が生じるおそれがあり、好ましくない。
【0027】
導電性繊維に関して、その太さは1.5〜6デニール、植毛密度は、70000〜600000フィラメント/inch2、長さは2〜6mmが好ましい。帯電ブラシ24を支持体22に巻き付けた後、導電性繊維の長さを均一に揃えただけの直毛状態でもよいが、導電性繊維の先端が一定方向にカールされた斜毛状態に処理すればさらに良好な帯電を図ることができる。斜毛処理は、導電性繊維に熱を加えてカールさせる方法、通電による方法等があるが、これらに限定するものではない。
【0028】
帯電ブラシ24は、図3に示すように、フレーム25,26に回転駆動可能に取り付けられている。感光体ドラム1への帯電ブラシ24の押し込み量は、0.2〜0.8mmが好ましいが、帯電不足が生じない範囲で任意に設定することができる。
【0029】
帯電ブラシ24の回転方向は、感光体ドラム1の回転方向に対して同方向(ウィズ方向)又は反対方向(カウンター方向)のいずれでもよい。そして、帯電ブラシ24の周速度と感光体ドラム1の周速度とに差を設けてもよく、帯電ブラシ24の周速比を1より大きくすることで帯電の均一性を向上させることができる。本発明者らの実験によれば、帯電ブラシ24をカウンター方向に回転させ、帯電ブラシ24の周速比を1.5〜3に設定することで好ましい結果が得られた。
【0030】
なお、接触帯電部材21の構造、形状としては帯電ブラシ24に限定するものではなく、ローラ、ベルト、磁気ブラシ等の回転体であってもよい。また、固定ブラシ、ブレード、フィルム等の、感光体ドラム1に対して静止状態で接触する構成であってもよい。
【0031】
接触除電部材31は、前記接触帯電部材21によって帯電された電位の微小スポット状の過多部分を放電により除電するためのものであり、合成樹脂材料に導電性材料を混合したフィルム状であることが好ましい。合成樹脂材料としては、ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル、ポリエチレンを用いることができるが、これらに限定されない。導電性材料としては、導電性カーボン、金属粉体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫等を用いることができ、前記合成樹脂中に均一に混合できる材料であればこれらに限定されない。
【0032】
接触除電部材31の厚みは任意であるが、比較的薄いものであれば、感光体ドラム1への静電吸着力を利用して安定的な接触が得られる。比較的厚いものであっても、その弾性力を利用して感光体ドラム1に圧接させて安定的な接触が得られる。
【0033】
接触除電部材31はフィルム状のものに限定することはないが、確実に帯電過多部分の電位を除電するために感光体ドラム1に対して面状に接触する部材であることが好ましい。接触除電部材31の他の形状としては、ブレード状、ローラ状などを採用することができる。
【0034】
以上の構成からなる接触帯電装置2の電源部は、図2に示すように、直流の定電圧電源41と、ツェナダイオード42と、抵抗器43とで構成されている。接触帯電部材21に印加される電圧は直流電圧であって−1600〜−800Vが好ましく、接触除電部材31に印加される電圧は直流電圧であって−700〜+300Vが好ましいが、この範囲に限定するものではない。なお、具体的に印加される電圧値については以下の実験例に示されている。
【0035】
なお、接触帯電部材21及び接触除電部材31に印加される電圧には、直流電圧に交流電圧を重畳してもよいが、前記問題点が発生することを考慮すると、直流電圧のみを印加するほうが好ましい。
【0036】
接触除電部材31に対しては定電圧電源41からツェナダイオード42を介して所定の電圧値に落として印加する。このように、電源41を接触帯電部材21と接触除電部材31とで共通化することにより、電源部のコストダウンを図ることができる。なお、ツェナダイオードに代えて、抵抗器によって所定電圧に設定する方法、ツェナダイオードと可変抵抗器を組み合わせて電圧を調整する方法などを採用してもよい。勿論、接触除電部材31に専用の電源を用意してもよい。
【0037】
接触除電部材31への印加電圧値は、環境あるいは稼働に起因する感光体ドラム1の劣化(例えば、感光体膜の削れ)に応じて変更することが好ましいが、固定値であっても構わない。
【0038】
(実験例の説明)
以下に、本発明者らが行った実験例及び比較例について説明する。まず、実験例及び比較例で使用した帯電ブラシについて説明する。
【0039】
帯電ブラシはその導電性繊維をナイロンに導電性カーボンを分散したものを素材として製作した。導電性繊維の太さは2デニール、植毛密度は300000フィラメント/inch2である。この帯電ブラシを外径6mmのステンレス製シャフトに螺旋状に巻き付けた後、ブラシの表面が均一になるように導電性繊維をカットした。カット処理後にブラシの外径が12.5mmになるように、熱処理でカールさせた。
【0040】
接触除電部材にはポリイミドにカーボンを分散したフィルムを用いた。フィルムの厚みは100μmであり、感光体ドラムの表面に安定して接触するように設置した。フィルムの先端は放電が起きないように感光体ドラムとは接触しないように配置した。
【0041】
次に、画像形成方法について説明する。画像形成装置としては図1に示したモノクロプリンタを使用した。画像形成の設定条件は以下のとおりである。
【0042】
帯電印加電圧:直流マイナス電圧
帯電ブラシ回転方向:カウンター方向で周速比2
帯電ブラシ押込み量:0.5mm
現像バイアス電圧(直流成分):−350V
現像バイアス電圧(交流成分):1.5kV
感光体ドラム周速度:160mm/sec
【0043】
実験例1〜6及び比較例1,2は、前記レーザプリンタを用いて前記設定条件で、25℃、50%RHの環境下で画像を形成した。それらの結果を表1に示す。表1において接触帯電部材に対する印加電圧はV1であり、接触除電部材に対する印加電圧はV2である。
【0044】
【表1】
【0045】
これらの実験例1〜6及び比較例1,2において、帯電均一性の評価は、黒/白比5%のモノクロ画像を5000枚出力後に、2×2ドットのハーフトーン画像を出力し、目視観察で以下の判断を行った。
◎:画像品質が優れている
○:若干画像ムラが認められるが、実用上問題がない
×:画像ムラが著しく、実用上問題がある
【0046】
画像ムラは放電過多による白いムラと、放電不足もしくは除電し過ぎによる黒いムラとがある。その2項目に分けて評価し、◎及び○を合格とした。
【0047】
表1から明らかなように、接触帯電部材の下流側に接触除電部材を設けてそれぞれへの印加電圧V1,V2を所定の値に制御することにより、帯電電位Vo1及び除電後の電位Vo2を好ましい値とした実験例1〜6にあっては、白い画像ムラ及び黒い画像ムラは満足できる程度に解消されていた。
【0048】
但し、比較例1の如く、接触除電部材への印加電圧をプラス側に設定して除電し過ぎると、白い画像ムラは解消するが黒い画像ムラの発生が見られた。これは、接触除電部材に汚れが付着しやすくなることに起因する。
【0049】
そこで、接触帯電部材による平均帯電電位Vo1と接触除電部材での除電後の平均電位Vo2との電位差Vo1−Vo2は小さい方が好ましく、特に、−50≦Vo1−Vo2≦0であることが好ましい。
【0050】
そして、接触除電部材に印加する電圧V2は、V2≦Vo1+Vth+50であることが好ましい。この場合、電圧Vthは、接触帯電部材に電圧を印加することなく接触除電部材に接触帯電部材への印加電圧に相当する電圧V3を印加した際の感光体の帯電電位Vo3との関係において絶対値(V3−Vo3)を意味する。
【0051】
逆に、マイナス側にあまり除電しない設定にすると、白い画像ムラの発生を抑え切れなくなる。そのためには、接触除電部材に印加する電圧V2を放電過多の部分のみを除電するVo1+Vthに近い設定にすることが必要となる。特に、Vo1+Vth−100≦V2であることが好ましい。
【0052】
なお、前述した印加電圧V2の好ましい範囲は、実験例1〜6の如く接触帯電部材による帯電電位がマイナスの場合であるが、帯電電位がプラスの場合も同様に考えることができる。
【0053】
図5(A)は接触帯電部材によって帯電された感光体表面電位を示し、図5(B)は接触除電部材によって除電された後の感光体表面電位を示している。除電後にあっては、図5(A)に示されている帯電過多の部分が解消されていることが分かる。なお、この図5(A),(B)はいずれもイメージ図である。
【0054】
(表面電位の測定方法)
ここで、前記実験例及び比較例で行った表面電位の測定方法について説明する。
【0055】
表面電位計(TREK社製、表面電位計344とプローブ555P−1を使用)を現像位置に設置し、測定値はアナログXYレコーダで記録した。この表面電位計は非接触測定であり、測定スポットが広く、ミクロな帯電ムラを正確には検知できずに平均化して測定している。
【0056】
つまり、図5に示した表面電位は画像から想定したイメージで描いたものであり、実測値をプロットすると図5(A)の点線で示した電位Vo1のように平均化されてしまう。帯電過多の電位部分の面積は、他の均一な帯電部分の面積に比べて極端に小さいので、測定した帯電過多の電位は均一帯電部分の電位とほぼ等しくなる。その差は経験上10V以下である。
【0057】
電位Vo1は、接触帯電部材に電圧V1を印加し、接触除電部材への印加電圧をオフ(フロート状態)にして測定した。除電後の電位Vo2は、接触帯電部材及び接触除電部材にそれぞれ電圧V1,V2を印加して測定した。
【0058】
電圧Vthは、接触帯電部材への印加電圧を0Vとし、接触除電部材に電圧V3(電圧V1に相当する、例えば−1100V)を印加し、そのときの表面電位Vo3を測定し、V3−Vo3の値として算出した。
【0059】
(他の実施形態)
なお、本発明に係る接触帯電装置及び画像形成装置は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0060】
例えば、画像形成装置はフルカラー画像を形成するものでもよく、3原色及び黒色に分解された各画像を重ね合わせる方式はタンデム方式など種々の方式を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるモノカラーのレーザプリンタを示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る接触帯電装置の一実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る接触帯電装置に用いられる接触帯電部材(帯電ブラシ)の一例を示す斜視図である。
【図4】前記接触帯電部材の縦断面図である。
【図5】(A)は除電前の感光体表面電位を示し、(B)は除電後の感光体表面電位を示すチャート図である。
【符号の説明】
1…感光体ドラム
2…接触帯電装置
3…レーザ露光光学装置
4…現像装置
21…接触帯電部材
31…接触除電部材
41…定電圧電源
Claims (5)
- 一方向に回転する静電潜像担持体の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材と、該接触帯電部材の静電潜像担持体の回転方向下流側に設けた接触除電部材とを備え、
前記接触帯電部材による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を前記接触除電部材で平均電位Vo2に除電し、かつ、除電電位は−50≦Vo1−Vo2≦0であること、を特徴とする接触帯電装置。 - 一方向に回転する静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体の表面を所定の電位に帯電させる接触帯電部材と、
前記接触帯電部材の静電潜像担持体の回転方向下流側に設けた接触除電部材と、
前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光手段と、
前記静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像手段と、を備え、
前記接触帯電部材による平均帯電電位Vo1よりも絶対値が高い電位を前記接触除電部材で平均電位Vo2に除電し、かつ、除電電位は−50≦Vo1−Vo2≦0であること、を特徴とする画像形成装置。 - 前記接触除電部材は静電潜像担持体に対して面で接触する部材であることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材及び接触除電部材には直流電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材による帯電電位がマイナスの場合、前記接触除電部材に印加される電圧V2は、Vo1+Vth−100≦V2≦Vo1+Vth+50であること、
但し、電圧Vthは、接触帯電部材に電圧を印加することなく接触除電部材に接触帯電部材への印加電圧に相当する電圧V3を印加した際の静電潜像担持体の帯電電位Vo3との関係において絶対値(V3−Vo3)を意味する、を特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置又は請求項2に記載の画像形成装置。
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JP2012132948A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-12 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2017207530A (ja) * | 2016-05-16 | 2017-11-24 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003081072A patent/JP2004287236A/ja active Pending
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