JP3397688B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP3397688B2 JP15061398A JP15061398A JP3397688B2 JP 3397688 B2 JP3397688 B2 JP 3397688B2 JP 15061398 A JP15061398 A JP 15061398A JP 15061398 A JP15061398 A JP 15061398A JP 3397688 B2 JP3397688 B2 JP 3397688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体の帯電工
程手段として接触帯電手段を用いた画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置や静電記録
装置等の画像形成装置において、電子写真感光体・静電
記録誘電体などの像担持体(被帯電体)を所要の極性・
電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置
としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用され
ていた。
【0003】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、例えば、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲
むシールド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像
担持体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシール
ド電極に高圧を印加することにより、生じる放電電流
(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持
体面を所定に帯電させるものである。
【0004】近時は、コロナ帯電器に比べて低オゾン・
低電力等の利点があることから、前記したように被帯電
体に電圧を印加した帯電部材を当接させて被帯電体を帯
電する接触方式の帯電装置(接触帯電装置)が実用化さ
れてきている。
【0005】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、
この帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器、以下、接触
帯電部材と記す)に所定の帯電バイアスを印加して、被
帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0006】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入
帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが
支配的であるかにより各々の特性が現れる。図10にそ
れぞれの代表的な帯電特性を示す。
【0007】(1)放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との間の微小間隙に生じる放電
現象により被帯電体表面が帯電する機構である。
【0008】放電帯電機構は接触帯電部材と被帯電体に
一定の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧
を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯
電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成
物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンな
ど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0009】たとえば、接触帯電部材として導電ローラ
(帯電ローラ)を用いた帯電方式は帯電の安定性と言う
点で好ましく、広く用いられているが、このローラ帯電
ではその帯電機構は放電帯電機構が支配的である。
【0010】即ち、帯電ローラは導電あるいは中抵抗の
ゴム材あるいは発泡体を用いて生成される。さらにこれ
らを積層して所望の特性を得たものもある。帯電ローラ
は被帯電体との一定の接触を得るために弾性を持たせて
いるが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、被帯
電体に従動あるいは若干の速度差を持って駆動される。
従って、ローラ上の形状のムラや被帯電体の付着物によ
り非接触状態が避けられないため、従来のローラ帯電で
はその帯電機構は放電帯電機構が支配的となる。
【0011】より具体的に説明すると、被帯電体として
の厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加
圧当接させて帯電処理を行なわせる場合には、帯電ロー
ラに対して約640V以上の電圧を印加すれば感光体の
表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾
き1で線形に感光体表面電位が増加する。以降、このし
きい値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する(図10の
点線)。
【0012】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vth
という必要とされる以上のDC電圧が必要となる。この
ようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して像担
持体の帯電を行なう方式を「DC帯電方式」と称する。
【0013】しかし、DC帯電方式においては環境変動
等によって接触帯電部材の抵抗が変動するため、また像
担持体としての感光体が削れることによって膜厚が変化
するとVthが変動するため、感光体の電位を所望の値
にすることが難しかった。
【0014】このため更なる帯電の均一化を図るために
特開昭63−149669号公報等に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した振動電圧を接触
帯電部材に印加して像担持体の帯電を行なう「AC帯電
方式」が用いられる。これはACによる電位のならし効
果を目的としたものであり、像担持体の電位はAC電圧
のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には
影響されることはない。
【0015】しかしながら、このような接触帯電装置に
おいても、その本質的な帯電機構は帯電部材から像担持
体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯
電に必要とされる電圧は像担持体表面電位+放電しきい
値以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0016】また、帯電均一化のためにAC帯電を行っ
た場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界によ
る接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発
生、また、放電による被帯電体表面の劣化が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0017】(2)直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体へ電荷が直接注入されること
で、被帯電体表面を帯電する機構である。特開平6−3
921号公報等で提案されている。
【0018】中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり放電機構を基本的
に用いないで、被帯電体表面に直接電荷注入を行うもの
である。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値
以下であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電
することができる(図10の実線)。この直接注入帯電
機構はイオンの発生を伴わないため放電生成による弊害
は生じない。
【0019】より具体的には、帯電ローラ、帯電ブラ
シ、帯電磁気ブラシ等の接触帯電部材に電圧を印加し、
被帯電体(像担持体)表面にあるトラップ順位または電
荷注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して
直接注入帯電を行う機構である。放電現象が支配的でな
いため、帯電に必要とされる電圧は所望する像担持体表
面のみであり、オゾンの発生も無い。
【0020】接触部材として、スポンジローラのような
多孔状のローラに、接触帯電性を向上させるための導電
性粒子をコートしたものを用いる場合には、接触帯電部
材と被帯電体間の接触を極めて密にすることが可能であ
り、良好な帯電性を得ることが可能となる。
【0021】トナーリサイクルプロセス(クリーナレス
システム) 転写方式の画像形成装置においては、転写後の感光体
(像担持体)に残存する転写残トナーはクリーナ(クリ
ーニング装置)によって感光体面から除去されて廃トナ
ーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ない
ことが望ましい。そこでクリーナをなくし、転写後の感
光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像同時ク
リーニング」で感光体上から除去し現像装置に回収・再
用する装置構成にしたトナーリサイクルプロセスの画像
形成装置も出現している。
【0022】現像同時クリーニングとは、転写後に感光
体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、即ち引き
続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の
現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流
電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電
位差Vback)によって回収する方法である。この方
法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工
程以後に再用されるため、廃トナーをなくし、メンテナ
ンスに手を煩わせることも少なくすることができる。ま
たクリーナレスであることでスペース面での利点も大き
く、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0023】接触帯電部材に対する粉末塗布 接触帯電装置について、帯電ムラを防止し安定した均一
帯電を行なうために、接触帯電部材に被帯電体面との接
触面に粉末を塗布する構成が特公平7−99442号公
報に開示されているが、接触帯電部材(帯電ローラ)が
被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)であ
り、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生
成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理
は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電によ
るコロナ帯電を主としている。特に、より安定した帯電
均一性を得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電
圧を印加するために、放電によるオゾン生成物の発生は
より多くなってしまう。よって、長期に装置を使用した
場合や、クリーナレスの画像形成装置を長期に使用した
場合において、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が
現れやすい。
【0024】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにトナー粒子やシリカ微粒子が帯
電手段の表面に付着することによる帯電阻害を防止する
ために、現像剤中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子
より小さい平均粒径を有する導電性粒子を含有すること
が開示されている。しかし、この接触帯電は放電帯電機
構によるもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電
による前述の問題がある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に、像
持体の帯電工程手段としてファーブラシ帯電手段を用い
た画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0026】上記の従来の技術の項に記載したように、
接触帯電において、接触帯電部材としてファーブラシ帯
電器を用いた簡易な構成で直接注入帯電をすることが難
しく、直接注入帯電にファーブラシ帯電器を用いた場
合、画像形成装置にあっては、現在、電子写真に一般的
に用いられているファーブラシの植毛密度では、ブラシ
と被帯電体である感光体との接触不足により、画像のか
ぶり(反転現像の場合には白地部が現像される)や帯電
ムラなどを生じる。
【0027】それを解決するために、コロナ帯電を主と
する放電を行う位に電圧を印加し、長期に装置を使用し
た場合や、クリーナレスの画像形成装置で使用した場合
に、オゾン生成物が蓄積することにより画像流れが生じ
やすくなる。
【0028】またクリーナレスの画像形成装置において
は、転写残トナーが帯電部材と像担持体との接触部であ
る帯電ニップ部(帯電部)において帯電不良を引き起こ
してしまう。
【0029】そこで、本発明では、接触帯電において、
簡易な帯電部材であるファーブラシ帯電器を用いた場合
でも、より帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安定した直
接注入帯電を実現する、即ち、低印加電圧でオゾンレス
の直接注入帯電を簡易な構成で実現することを目的とす
る。
【0030】またこれにより、オゾン生成物による障
害、帯電不良による障害等のない、簡易な構成、低コス
トな画像形成装置やプロセスカートリッジを得ることを
目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、画像形成装置及びプロセスカートリッジであ
る。 (1)回転可能な像担持体と、像担持体とニップ部を形
成し、電圧を印加して像担持体面を帯電する帯電部材で
あって、毛が斜毛したファーブラシで構成される帯電部
材と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現
像する現像手段であって、前記像担持体上の残留現像剤
を回収するクリーニング手段を兼ねる現像手段と、を有
する画像形成装置において、現像剤中には導電粒子が含
まれ、導電粒子は、現像手段から像担持体へ供給されて
ニップ部へ搬送され、ファーブラシの表面にあらかじめ
現像剤中に含まれるものと同じ導電粒子が塗布され、
ァーブラシは、ニップ部で像担持体の回転方向に対して
カウンター回転し、ファーブラシの斜毛の方向は、像担
持体表面の移動方向の上流側に傾いていることを特徴と
する画像形成装置。 (2)ファーブラシのパイル先端が帯電部材断面の法線
方向から10°以上傾いていることを特徴とする(1)
に記載の画像形成装置。(3) 導電粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下
であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像
形成装置。(4) 導電粒子の抵抗値が1×1010(Ω・cm)以下
であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像
形成装置。(5) 像担持体の最表面層の体積抵抗が1×1014(Ω
・cm)以下であることを特徴とする(1)乃至(4)
のいずれかに記載の画像形成装置。(6) 像担持体は、電子写真感光体と、体積抵抗が1×
109(Ω・cm)以上1×1014(Ω・cm)以下で
ある最表面層と、を備えることを特徴とする(1)乃至
(5)のいずれかに記載の画像形成装置。(7) 像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画像情報
書き込み手段と、現像手段によって形成された像担持体
上の現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、を有す
ることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載
の画像形成装置。(8) 像担持体は感光体であり、画像情報書き込み手段
が像露光手段であることを特徴とする(7)に記載の画
像形成装置。(9) 導電粒子の粒径は、10nm以上1画素の大きさ
以下であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれ
かに記載の画像形成装置。(10) 画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセス
カートリッジであって、回転可能な像担持体と、像担持
体とニップ部を形成し、電圧を印加して像担持体面を帯
電する帯電部材であって、毛が斜毛したファーブラシで
構成される帯電部材と、前記像担持体に形成された静電
潜像を現像剤で現像する現像手段であって、前記像担持
体上の残留現像剤を回収するクリーニング手段を兼ねる
現像手段と、を有するプロセスカートリッジにおいて、
現像剤中には導電粒子が含まれ、導電粒子は、現像手段
から像担持体へ供給されてニップ部へ搬送され、ファー
ブラシの表面にあらかじめ現像剤中に含まれるものと同
じ導電粒子が塗布され、ファーブラシは、ニップ部で像
担持体の回転方向に対してカウンター回転し、ファーブ
ラシの斜毛の方向は、像担持体表面の移動方向の上流側
に傾いていることを特徴とするプロセスカートリッジ。(11) ファーブラシのパイル先端が帯電部材断面の法
線方向から10°以上傾いていることを特徴とする(1
0)に記載のプロセスカートリッジ。(12) 導電粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以
下であることを特徴とする(10)又は(11)に記載
のプロセスカートリッジ。(13) 導電粒子の抵抗値が1×1010(Ω・cm)以
下であることを特徴とする(10)又は(11)に記載
のプロセスカートリッジ。(14) 像担持体の最表面層の体積抵抗が1×10
14(Ω・cm)以下であることを特徴とする(10)乃
至(13)のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。(15) 像担持体は、電子写真感光体と、体積抵抗が1
×109(Ω・cm)以上1×1014(Ω・cm)以下
である最表面層と、を備えることを特徴とする(10)
乃至(14)のいずれかに記載のプロセスカートリッ
ジ。(16) 導電粒子の粒径は、10nm以上1画素の大き
さ以下であることを特徴とする(10)乃至(15)
いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】〈作 用〉 a)即ち、接触帯電において、簡易な帯電部材であるフ
ァーブラシ帯電器を用いる場合でも、 .ファーブラシ帯電器を被帯電体に対して速度差を持
って接触させる .ファーブラシ帯電器の毛(パイル)は斜毛させる .ファーブラシ帯電器を被帯電体に対して、斜毛の傾
斜の流れに逆らった方向の逆目で被帯電体面に作用する
ように適用する(被帯電体とファーブラシ帯電器との相
対的な動きにおいて斜毛の向きが被帯電体面に対して逆
目になるように作用)ことにより、ファーブラシ帯電器
と被帯電体とが周速差を持って表面移動したときに、被
帯電体面に対して逆目のファーブラシ帯電器の斜毛が、
ファーブラシ帯電器と被帯電体の接触部である帯電ニッ
プ部において、被帯電体表面に引っかかりながら変形し
て様々な形状で被帯電体面をまんべんなく、速度差によ
って生じる摺擦以上に摺擦し、被帯電体面を実質的に隙
間なく密に均一に摺擦する。即ちファーブラシ帯電器の
被帯電体への接触が極めて密となり、十分に接触するこ
とができて接触性が向上することで、この場合の接触帯
電は直接注入帯電が支配的となる。
【0065】従って、従来のファーブラシ帯電のように
高速回転したり、印加電圧を高くしたりすることなく、
従来のファーブラシ帯電では得られなかった高い帯電効
率が得られ、ファーブラシ帯電器に印加した電圧とほぼ
同等の電位を被帯電体に与えることができる。
【0066】かくして、接触帯電において簡易な接触帯
電部材としてのファーブラシ帯電器を用いた場合でも、
ファーブラシ帯電器に対する帯電に必要な印加バイアス
は被帯電体に必要な電位相当の電圧で十分であり、放電
現象を用いない安定かつ安全な帯電方式を実現すること
ができる。
【0067】つまり、接触帯電装置において、簡易な接
触帯電部材としてのファーブラシ帯電器を用いた場合で
も、帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安定した直接注入
帯電を実現する、即ち、低印加電圧でオゾンレスの直接
注入帯電を簡易な構成で実現することができる。
【0068】またこれにより、均一な帯電性を与えるこ
とが出来、オゾン生成物による障害、帯電不良による障
害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置やプ
ロセスカートリッジを得ることができる。
【0069】被帯電体の最表面層の体積抵抗が1×10
14(Ω・cm)以下であること、さらに被帯電体が電
子写真感光体であり、該電子写真感光体の最表面層の体
積抵抗が1×10(Ω・cm)以上1×1014(Ω
・cm)以下であることにより、プロセススピードの速
い装置においても、十分な帯電性を与えることが出来
る。
【0070】クリーナレスの画像形成装置においても、
像担持体の帯電工程手段としてこの接触帯電方式を採択
することで、均一な帯電性を与えることが出来、かつ画
像流れのない良好な画像が得られる。また転写残画像に
よるゴーストのない良好な画質を維持できる。
【0071】帯電部材であるファーブラシ帯電器と被帯
電体との速度差は、具体的にはファーブラシ帯電器を回
転駆動して被帯電体との間に速度差を設けることにな
る。好ましくはファーブラシ帯電器を回転駆動し、さら
にその回転方向は被帯電体表面の移動方向とは逆方向に
回転するように構成するのがよい。
【0072】ファーブラシ帯電器を被帯電体表面の移動
方向と同じ方向に移動させて速度差をもたせることも可
能である。ただ、直接注入帯電の帯電性は被帯電体の周
速と帯電部材の周速の比に依存するため、逆方向と同じ
周速比を得るには順方向では帯電部材であるファーブラ
シ帯電器の回転数が逆方向の時に比べて大きくなるの
で、ファーブラシ帯電器を逆方向に移動させる方が回転
数の点で有利である。ここで記述した周速比は 周速比(%)=(帯電部材周速−被帯電体周速)/被帯電体周速×100 である(帯電部材周速はニップ部において帯電部材表面
が被帯電体表面と同じ方向に移動するとき正の値であ
る)。
【0073】b)上記a)項の、、の構成に加え
て、更に、.少なくともファーブラシ帯電器と被帯電
体とのニップ部に導電粒子を担持させることにより、帯
電部材であるファーブラシ帯電器の回転が安定し、か
つ、ファーブラシ帯電器と被帯電体との接触面積も増
え、より安定した均一な直接注入帯電が可能となる。
【0074】導電粒子は帯電補助を目的とした帯電促進
粒子である。そして、被帯電体とファーブラシ帯電器と
のニップ部にこの帯電促進粒子が存在した状態で被帯電
体の接触帯電が行なわれる。
【0075】この帯電促進粒子の存在により該帯電促進
粒子が滑剤として作用して被帯電体とファーブラシ帯電
器とのニップ部においてファーブラシ帯電器は被帯電体
と速度差をもって容易に接触できてファーブラシ帯電器
の回転が安定してなされると同時に、帯電促進粒子を介
してより密に被帯電体に接触して、つまりファーブラシ
帯電器と被帯電体のニップ部に存在する帯電促進粒子が
被帯電体表面を隙間なく摺擦することで、前述したファ
ーブラシ帯電器の斜毛の逆目接触の作用と相まって、よ
り安定した均一な直接帯電が可能となる。
【0076】クリーナレスの画像形成装置において、フ
ァーブラシ帯電器に絶縁体であるトナーが混入した場合
でも帯電促進粒子が存在していることで、ファーブラシ
帯電器と被帯電体である像担持体との接触性と接触抵抗
を良好に維持させることができ、安定した均一な直接注
入帯電が持続される。
【0077】導電粒子である帯電促進粒子を供給する手
段を持つことにより、装置を長期に使用した場合におい
ても直接帯電を安定して行なうことが出来る。
【0078】導電粒子である帯電促進粒子の抵抗値が1
×1012(Ω・cm)以下で、より好ましくは1×1
10(Ω・cm)以下であることにより、直接注入帯
電において均一でかつ安定した帯電が可能となる。
【0079】導電粒子である帯電促進粒子の粒径が10
nm以上1画素の大きさ以下であることにより、画像形
成装置において露光を阻害しない良好な画像が得られる
装置を提供できる。
【0080】
【発明の実施の形態】〈参考例1〉 本参考例は 接触帯電部材(ファーブラシ帯電器)もしく
は接触帯電装置(ファーブラシ帯電装置)を備えた画像
形成装置例である。図1はその概略構成模型図である。
【0081】本参考例の画像形成装置は、転写式電子写
真プロセス利用、プロセスカートリッジ着脱方式、ファ
ーブラシ帯電方式のレーザープリンタ(記録装置)であ
る。
【0082】(1)プリンタの全体的な概略構成 1は像担持体(被帯電体)としての、φ30mmの回転
ドラム型のOPC感光体(ネガ感光体)であり、矢印の
時計方向に所定のプロセススピード(周速度、表面の速
度)Bmm/secをもって回転駆動される。
【0083】2は感光体1に対する接触帯電部材として
のファーブラシ帯電器である。本例のものはローラ形状
のもの(以下、ファーブラシローラと記す)である。こ
のファーブラシローラ2については次の(2)項で詳述
する。
【0084】ファーブラシローラ2は感光体1に対して
ファーブラシ部2bの弾性に抗して所定の押圧力をもっ
て所定のニップ幅を形成させて接触させてある。nはフ
ァーブラシローラ2と感光体1との帯電ニップ部(帯電
部)である。
【0085】またこのファーブラシローラ2は本実施例
においては矢印の時計方向すなわち帯電ニップ部nにお
いて感光体1の回転方向と逆方向(カウンター)に所定
の周速度(表面の速度)Amm/secをもって回転駆
動され、感光体1面に対して速度差を持って接触する。
【0086】そしてこのファーブラシローラ2に帯電バ
イアス印加電源S1から所定の帯電電圧が印加されるこ
とで、回転感光体1面が所定の極性・電位に一様に接触
帯電処理される。本実施例においては、帯電電圧とし
て、ファーブラシローラ2のローラ芯金2aに帯電バイ
アス印加電源S1から−700Vの直流電圧印加した。
【0087】本実施例では該ファーブラシローラ2によ
る感光体1の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって
行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ2に対
する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。これ
については次の(2)項で詳述する。
【0088】7はレーザーダイオード・ポリゴンミラー
等を含むレーザービームスキャナ(露光器)である。こ
のレーザービームスキャナは目的の画像情報の時系列電
デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー
光を出力し、該レーザー光で上記回転感光体1の一様帯
電面を走査露光Lする。7aはレーザービームスキャナ
7の出力レーザー光を感光体1の露光部へ偏向するミラ
ー部材である。この走査露光Lにより回転感光体1の面
に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0089】3は現像装置であり、回転感光体1面の静
電潜像はこの現像装置によりトナー像として現像され
る。本例の現像装置3は磁性一成分絶縁トナー(ネガト
ナー)tを用いた反転現像装置である。3aは非磁性の
回転現像スリーブであり、固定(非回転)のマグネット
ロール3bを内包し、矢印の反時計方向に所定の周速度
で回転駆動される。
【0090】現像装置内の磁性一成分絶縁トナーtは現
像スリーブ3aの外面に内部のマグネットロール3bの
磁気力でトナー層として磁気拘束されて保持され、現像
スリーブ3aの回転に伴い搬送され、その搬送過程で規
制ブレード3cで層厚規制され、かつ電荷が付与され、
感光体1と現像スリーブ3aとの対向部である現像部位
dに搬送されて回転感光体1面の静電潜像をトナー像と
して反転現像する。
【0091】現像スリーブ3aには現像バイアス印加電
源S2より所定の現像電圧が印加される。本例におい
て、その現像電圧は、−500VのDC電圧と、周波数
1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電
圧を重畳したものである。
【0092】本例における現像剤としての磁性一成分絶
縁トナーtは、結着樹脂、色材、磁性体粒子、電荷制御
材等を混合し、混練、粉砕、分級の各行程を経て作成
し、さらに流動化剤を外添して作成されたものである。
トナーの重量平均粒径(D7)は7μmであった。
【0093】4は接触転写手段としての中抵抗で弾性の
ある回転転写ローラであり、感光体1に所定に圧接させ
て転写ニップ部(転写部)eを形成させてある。
【0094】この転写ニップ部eに不図示の給紙部から
所定のタイミングで記録媒体としての転写材Pが給紙さ
れ、かつ転写ローラ4に転写バイアス印加電源S3から
所定の転写電圧が印加されることで、感光体1側のトナ
ー像が転写ニップ部eに給紙された転写材Pの面に順次
に転写されていく。
【0095】本例ではローラ抵抗値は5×10Ωのも
のを用い、+2000VのDC電圧を印加して転写を行
なった。即ち、転写ニップ部eに導入された転写材Pは
この転写ニップ部eを挟持搬送されて、その表面側に回
転感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順
次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0096】5は熱定着方式等の定着装置である。転写
ニップ部eに給紙されて感光体1側のトナー像の転写を
受けた転写材Pは回転感光体1の面から分離されてこの
定着装置5に導入され、トナー像の定着を受けて画像形
成物(プリント、コピー)ととして装置外へ排出され
る。
【0097】6はクリーニング装置(クリーナ)であ
り、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体面はこ
のクリーニング装置6により残留トナー等の付着汚染物
の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0098】本例のプリンタは、感光体1、接触帯電部
材としてのファーブラシローラ2、現像装置3、クリー
ニング装置6の4つのプロセス機器をカートリッジ20
に包含させてプリンタ本体に対して一括して着脱交換自
在のカートリッジ方式の装置である。プロセスカートリ
ッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に限られ
るものではなく任意である。21・21はプロセスカー
トリッジ20の着脱案内・保持部材である。なお、本発
明のおいて画像形成装置はカートリッジ方式の装置に限
られるものではない。
【0099】(2)ファーブラシローラ2、直接注入帯
電 図2は図1におけるファーブラシローラ2部分の拡大模
型図、図3はファーブラシローラ2の更に拡大の横断面
模型図である。
【0100】本実施例における接触帯電部材としてのフ
ァーブラシローラ2は、電極を兼ねる直径6mmの金属
製の芯金2aに、ブラシ部2bとして、ユニチカ(株)
製の導電性レーヨン繊維REC−Bをパイル地にしたテ
ープをスパイラル状に巻き付けて、外径14mm、長手
長さ250mmのロールブラシとしたものである。ブラ
シ部2bのブラシ(毛、パイル)は300デニール/5
0フィラメント、1平方ミリメートル当たり155本の
密度である。
【0101】このロールブラシを内径が12mmのパイ
プ内に一方向に回転させながらさし込み、ブラシと、パ
イプが同心となるように設定し、高温多湿雰囲気中に放
置してクセ付けで斜毛させた。これにより図2や図3の
模型図のように斜毛状態のファーブラシローラ2が得ら
れる。斜毛加工の手段はこの限りではなく、一方向に回
転させながら高温風を吹き付けて斜毛する方法などもあ
る。
【0102】ファーブラシローラ2の抵抗値は印加電圧
100Vにおいて1×10Ωである。この抵抗値は、
金属製の直径φ30mmのドラムにファーブラシローラ
をニップ幅3mmで当接させ、100Vの電圧を印加し
たときに流れる電流から換算した。
【0103】ファーブラシ帯電器の抵抗値は、被帯電体
である感光体1上にピンホール等の低耐圧欠陥部が生じ
た場合にもこの部分に過大なリーク電流が流れ込んで帯
電ニップ部が帯電不良になる画像不良を防止するために
10Ω以上必要であり、感光体表面に十分に電荷を注
入させるために10Ω以下である必要がある。
【0104】また、ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製のREC−B以外にも、REC−C、REC−
M1、REC−M10、さらに東レ(株)製のSA−
7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製のベ
ルトロン、クラレ(株)のクラカーボ、レーヨンにカー
ボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のローバル
等が考えられるが、環境安定製の点でユニチカ(株)製
のREC−B、REC−M1、REC−M10が望まし
い。
【0105】ブラシは一本が3〜10デニールで、10
〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密
度が好ましい。毛足は1〜10mmが好ましい。
【0106】さらに、斜毛の傾斜具合は法線方向から1
0°以上傾いていることがより望ましい。ここで、斜毛
の傾斜具合とは、芯金上の毛の根本と芯金の中心を結ぶ
線が法線となり、毛の先端での接線がその法線からどの
くらい傾いているかを指している。
【0107】ファーブラシローラ2は本実施例において
は図2のように矢印の時計方向すなわち帯電ニップ部n
において感光体1の回転方向と逆方向(カウンター)に
所定の周速度をもって回転駆動され、感光体1面に対し
て速度差を持って接触する。
【0108】またファーブラシローラ2を感光体1に対
して、ファーブラシローラ2の斜毛傾斜の流れに逆らっ
た方向の逆目で感光体1面に作用するように適用した。
【0109】すなわち、本実施例では、ファーブラシロ
ーラ2の表面速度は感光体回転方向に対して逆向きの方
向性を持つので、図2に示す様に感光体面に非接触部の
ファーブラシローラ2の斜毛の方向がファーブラシロー
ラ2の回転方向上流向きに傾斜するように設定した。つ
まり、ファーブラシローラ2を感光体1に対して逆目に
設定する。
【0110】よって、図4に示すように、ファーブラシ
ローラ2の感光体1に対する作用は逆目接触摺擦とな
り、感光体1とファーブラシローラ2との帯電ニップ部
nではファーブラシローラ2の毛2bが変形しながら様
々な形状で感光体表面に接触することで、ファーブラシ
ローラ2の感光体表面への接触性が向上している。
【0111】ここで比較例として、ファーブラシローラ
2を感光体1に対して順目に設定した場合は、図5に示
すように、ファーブラシローラ2の感光体1に対する作
用は順目接触摺擦となり、この場合は、帯電ニップ部n
ではファーブラシローラ2の毛2bは感光体回転下流方
向に多少傾斜するものの、常にほぼ同じ形態を保ちなが
らファーブラシローラ2は回転するので、ファーブラシ
ローラ2の感光体への接触の密度としては前者の逆目接
触摺擦の場合よりも小さくなってしまい、また摺擦能力
も感光体との周速差そのものであり、接触不足のところ
が帯電不良となる場合がある。
【0112】そして、本実施例においてはファーブラシ
ローラ2の芯金2aに−700Vの直流電圧を印加し
た。これにより、感光体表面は印加電圧とほぼ等しい電
位に帯電される。即ち本実施例においては感光体1のフ
ァーブラシローラ2による接触帯電は直接注入帯電が支
配的となってなされる。これはファーブラシローラ2と
被帯電体としての感光体1の帯電ニップ部nに存在する
ファーブラシローラ表面の斜毛が感光体表面を隙間無く
摺擦することで直接注入帯電が行われるのである。
【0113】ファーブラシローラ2の回転周速度即ち表
面の速度をAmm/secとし、感光体1の回転周速度
すなわち表面の速度をBmm/secとすると、本実施
例では帯電ニップ部nにおいてファーブラシローラ2は
感光体1に対してカウンター回転であるので、Bを正の
値とするとAは負の値であり、「B−A>0」となり、
斜毛の傾きが感光体1の移動方向の上流に向いて、斜毛
が感光体1に対して逆目になるように設定した。
【0114】しかし、本構成に限られるものではなく、
帯電ニップ部nにおいてファーブラシローラ2の回転が
感光体1に対して順方向回転の場合には以下のように構
成する。
【0115】即ち、Aの絶対値がBの絶対値より小さ
い、つまりファーブラシローラ2が感光体1に従動する
より遅い場合には、「B−A>0」となり、斜毛の傾き
は感光体1の移動方向の上流に向ける。
【0116】また、Aの絶対値がBの絶対値より大き
い、つまりファーブラシローラ2が感光体1に従動する
より早い早回しの場合には、「B−A<0」となり、斜
毛の傾きは感光体1の移動方向の下流に向けるように構
成する。
【0117】これにより、ファーブラシローラ2は感光
体1とファーブラシローラ2の駆動時には感光体1に対
しては逆目で接触する構成となる。
【0118】このような構成で感光体1の帯電を行った
ところ、ファーブラシローラ2の斜毛が感光体1面に引
っかかりながら形状を変形させて感光体1面に接触しフ
ァーブラシローラ2表面がより密に均一に感光体1に接
触することが出来、これまでのように高速回転したり、
印加電圧を高くしたりすることなく良好な帯電均一性が
得られた。
【0119】〈参考例2〉 本参考例 では、被帯電体表面の抵抗を調整することで更
に安定して均一に帯電を行なうものであり、参考例1
おいて被帯電体としての感光体1の表面に電荷注入層を
設けて感光体表面の抵抗を調節することで更に安定して
均一に帯電を行う。
【0120】図6は、本参考例で使用した、表面に電荷
注入層16を設けた感光体1の層構成模型図である。即
ち該感光体1は、アルミドラム基体(Alドラム基体)
11上に下引き層12、正電荷注入防止層13、電荷発
生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般
的な有機感光体ドラムに電荷注入層16を塗布すること
により、帯電性能を向上したものである。
【0121】電荷注入層16は、バインダーとしての光
硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)
としてのSnO超微粒子16a(径が約0.03μ
m)、4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロン)などの
滑剤、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法に
より膜形成したものである。
【0122】本実施例のプリンタにおいては、参考例1
で述べたようにファーブラシローラ2の斜毛2bの感光
体1に対する逆目接触摺擦がファーブラシローラ2と感
光体1との接触性を向上させた上に、感光体1の表層で
ある電荷注入層16により注入帯電性が良好なために、
1000枚印字後も良好な帯電均一性が得られた。
【0123】電荷注入層16として重要な点は、表層の
抵抗にある。電荷の直接注入による帯電方式において
は、被帯電体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷
の授受が行えるようになる。一方、像担持体(感光体)
として用いる場合には静電潜像を一定時間保持する必要
があるため、電荷注入層16の体積抵抗値としては1×
10〜1×1014(Ω・cm)の範囲が適当であ
る。
【0124】また本構成のように電荷注入層16を用い
ていない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範
囲にある場合は同等の効果が得られる。
【0125】さらに、表層の体積抵抗が約1013Ωc
mであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様
な効果が得られる。
【0126】上記のように、感光体表層に注入帯電層を
持つことで、本帯電装置を長期に使用した場合において
も直接注入帯電を安定して行うことが出来る。
【0127】〈参考例3〉 上述したように、接触帯電において、接触帯電部材とし
て簡易なファーブラシ帯電器を用いた場合でも、 .該ファーブラシ帯電器を被帯電体に対して速度差を
持って接触させる .該ファーブラシ帯電器のブラシを斜毛にする .該ファーブラシ帯電器を被帯電体に対して、斜毛が
斜毛の傾斜の流れに逆らった方向の逆目で被帯電体面に
作用するように適用することにより、帯電均一性に優れ
且つ長期に渡り安定した直接注入帯電を実現することが
できる。
【0128】上記の、、の構成に加えて、更に、 .少なくともファーブラシ帯電器と被帯電体とのニッ
プ部に導電粒子を担持させることにより、ファーブラシ
帯電器の回転が安定し、かつファーブラシ帯電器と被帯
電体との接触面積も増えて接触性が向上し、より安定、
均一な直接注入帯電が可能となる。
【0129】導電粒子は帯電補助を目的とした帯電促進
粒子である。そして、被帯電体とファーブラシ帯電器と
のニップ部に帯電促進粒子が存在した状態で被帯電体の
接触帯電が行なわれる。
【0130】この帯電促進粒子の存在により該帯電促進
粒子が滑剤として作用して被帯電体とファーブラシ帯電
器とのニップ部においてファーブラシ帯電器は被帯電体
と速度差をもって容易に接触できてファーブラシ帯電器
の回転が安定してなされると同時に、毛の表面に存在す
る帯電促進粒子がファーブラシ帯電器と被帯電体との接
触状態を促進するため、ファーブラシ帯電器が被帯電体
の表面に隙間なく接触することができる。これと、前述
したファーブラシ帯電器の斜毛の逆目接触摺擦の作用と
相まって、より安定した均一な直接帯電が可能となる。
【0131】本参考例は帯電促進粒子を併用した例であ
る。
【0132】図7において、1は被帯電体としての例え
ば回転ドラム型の電子写真感光体、2はファーブラシ帯
電器であるファーブラシローラ、30は帯電促進粒子塗
布手段としての規制ブレード、mは帯電促進粒子であ
る。
【0133】a.ファーブラシローラ2 ファーブラシローラ2は、実施例1におけるファーブラ
シローラ2と同様に、斜毛加工したものであり、該ファ
ーブラシローラ2を感光体1に対して速度差をもたせて
かつ逆目で適用して直接注入帯電を実現している。
【0134】b.帯電促進粒子m 帯電促進粒子mは、本実施例では、比抵抗が10Ω・
cm、平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いた。
【0135】帯電促進粒子mの材料としては、他の金属
酸化物などの導電性無機粒子や有機物との混合物など各
種導電粒子が使用可能である。
【0136】粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行う
ため比抵抗としては1012Ω・cm以下が望ましく、
さらには、1010Ω・cm以下がより望ましい。ここ
で抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。
低面積2.26cmの円筒内に凡そ0.5gの粉体試
料を入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に10
0Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比
抵抗を算出した。また、帯電促進粒子は露光の妨げにな
らないように、白色または透明に近いことが望ましく、
よって非磁性であることが好ましい。
【0137】また、粒径は良好な帯電均一性を得るため
に50μm以下が望ましい。粒径の下限値は、粒子が安
定して得られるものとして10nmが限界である。
【0138】本発明において、粒子が凝集体として構成
されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径
として定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子顕
微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向最
大弦長をもって体積粒度分布を算出しその50%平均粒
径をもって決定した。
【0139】c.帯電促進粒子塗布手段30 帯電促進粒子mをファーブラシローラ2と感光体1の帯
電ニップ部nに均一に供給して担持させるために、本実
施例では帯電ニップ部nよりも感光体回転方向上流側に
帯電促進粒子塗布手段30を設けた。
【0140】本実施例においてその帯電促進粒子塗布手
段30は感光体1に当接させた規制ブレードであり、感
光体1と規制ブレード30間に帯電促進粒子mを貯留保
持させた構成をとる。
【0141】この構成により、感光体1の回転にともな
い一定量の帯電促進粒子mが感光体1面に塗布されて帯
電ニップ部nに持ち運ばれて供給され、ファーブラシロ
ーラ2に塗布され、帯電促進粒子mが帯電ニップ部nに
均一に供給され担持される。
【0142】帯電促進粒子供給構成は本構成に限定され
るものではい。より簡易な帯電促進粒子供給構成とし
て、帯電促進粒子mを含ませた発泡体あるいはファーブ
ラシを被帯電体1やファーブラシローラ2に当接する方
法などがある。
【0143】d.直接注入帯電 感光体1はφ30mmのドラム状であり、周速が50m
m/secの一定速度で回転する。
【0144】感光体1の回転に伴い感光体表面に帯電促
進粒子mが規制ブレード30によって塗布され、帯電ニ
ップ部nに到達する。
【0145】ファーブラシローラ2は帯電ニップ部nに
おいて感光体1と互いに逆方向に等速度で移動するよう
凡そ80rpmで駆動されている。
【0146】よって、本実施例では図8に帯電ニップ部
nの拡大模型図を示すように帯電ニップ部nではファー
ブラシローラ2の斜毛2bが変形しながら、様々な形状
で感光体1表面に接触するとともに、感光体1に塗布さ
れた帯電促進粒子mがファーブラシの斜毛によってブラ
シに取り込まれやすくなり、変形したブラシの毛と帯電
促進粒子が介在して感光体への接触性を促進している。
【0147】そして、ファーブラシローラ2の芯金2a
に−700Vの直流電圧を印加した。これにより、感光
体1表面は印加電圧と等しい電位に帯電される。
【0148】即ち本実施例において接触帯電は直接注入
帯電が支配的となって行なわれる。ファーブラシローラ
2と感光体1の帯電ニップ部nに存在するファーブラシ
の斜毛と帯電促進粒子mが感光体表面を隙間無く摺擦す
ることで直接注入帯電が行われるのである。
【0149】このような構成のファーブラシ帯電装置で
感光体1の帯電を行ったところ、ファーブラシの斜毛が
感光体1に引っかかりながら表面形状を変形させて感光
体に接触し、かつ感光体上の帯電促進粒子mを取り込み
やすいように構成されているため、ファーブラシがより
密に均一に感光体に接触することが出来、良好な帯電均
一性が得られた。
【0150】帯電ニップ部nにおける帯電促進粒子mの
存在量としては実験によると10〜5×10個/m
が望ましい。帯電ニップ部nでの帯電促進粒子mの
測定方法について述べる。該存在量はファーブラシロー
ラ2と感光体1の帯電ニップ部nを直接測ることが望ま
しいが、ファーブラシローラ2に接触する前に感光体1
上に存在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触す
るファーブラシローラ2に剥ぎ取られることから、本発
明では帯電ニップ部nに到達する直前のファーブラシロ
ーラ2表面の粒子量をもって該介在量とした。具体的に
は、帯電バイアスを印加しない状態で感光ドラム1及び
ファーブラシローラ2の回転を停止し、帯電ローラ2の
表面をビデオマイクロスコープ(OLYMPUS製OV
M1000N)及びデジタルスチルレコーダ(DELT
IS製SR−3100)で撮影した。ファーブラシロー
ラ2を感光ドラム1に当接するのと同じ条件でスライド
ガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデオマイ
クロスコープにて該接触面を1000倍の対物レンズで
10箇所以上撮影した。得られたデジタル画像から個々
の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値化処
理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフト
を用いて計測した。
【0151】〈実施例1〉 本実施例は、特にクリーニング装置を持たないクリーナ
レスシステム(トナーリサイクル)の画像形成装置であ
る。本実施例では、接触帯電部材に逆目斜毛のファーブ
ラシローラを用い、接触性を向上させるために帯電促進
粒子を介在させ、さらに注入帯電性を向上させるため
に、最表層に電荷注入層を持つ感光体を用いることによ
り、帯電性能を向上させただけでなく、特にクリーニン
グ装置を持たない画像形成装置においても転写残トナー
による弊害の無い出力画像を得ることが出来る。
【0152】図9は本実施例におけるクリーナレスシス
テムの画像形成装置の概略構成図であり、前述の参考例
のプリンタにおいてクリーニング装置6を廃止したプ
リンタである。参考例1のプリンタと共通する構成部材
・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0153】a.感光体1 感光体1は参考例2のように最表層に電荷注入層16を
持たせた感光体である。
【0154】b.ファーブラシローラ2 本実施例において用いたファーブラシローラ2は、参考
例1におけるファーブラシローラ2と同様に、斜毛加工
したものであり、該ファーブラシローラ2を感光体1に
対して周速差をもたせてかつ逆目で適用して直接注入帯
電を実現している。
【0155】ファーブラシローラ2と感光体1間で速度
差を持たせる構成としては、ファーブラシローラ2を回
転駆動して感光体1との間で速度差を設けることにな
る。ただ、好ましくは、本実施例のようにクリーナレス
システムの画像形成装置の場合には、転写残トナーを一
時的に回収し均すために、ファーブラシローラ2を回転
駆動し、さらに、その回転方向は感光体表面の移動方向
とは逆方向に回転するように構成することが望ましい。
【0156】c.帯電促進粒子m 本実施例では、ファーブラシローラ2の表面に予め帯電
促進粒子mを塗布してある。これにより、初期より良好
な帯電状態を得ることができる。
【0157】また、現像装置3に収容させた現像剤であ
る一成分磁性トナーtに対して帯電促進粒子mを重量部
で2部添加混合させてある。
【0158】現像剤tに添加混入させた帯電促進粒子m
は感光体1面の静電潜像現像時に感光体1面に付着して
感光体1の回転に伴い転写ニップ部eを経て帯電ニップ
部nに持ち運ばれて供給される。
【0159】本実施例で用いた帯電促進粒子mは粒径3
μmの導電性酸化亜鉛粒子である。帯電促進粒子mは、
特に感光体の帯電に用いる場合に潜像露光時に妨げにな
らないよう、無色あるいは白色に近い粒子が適切であ
る。さらに、カラー記録を行う場合、帯電促進粒子mが
感光体上から記録紙Pに転写した場合を考えると無色、
あるいは白色に近いものが望ましい。また、画像露光時
に粒子による光散乱を防止するためにもその粒径は構成
画素サイズ以下であることが望ましい。
【0160】d.直接注入帯電 感光体1はφ30mmのドラム状であり、周速が50m
m/secの一定速度で回転する。ファーブラシローラ
2は帯電ニップ部nにおいて感光体1と互いに逆方向に
等速度で移動するよう凡そ80rpmで駆動されてい
る。ファーブラシローラ2の芯金2aには−700Vの
直流電圧を印加した。
【0161】本実施例の場合も、参考例3の場合と同様
に、帯電ニップ部nではファーブラシローラの逆目斜毛
が変形しながら、様々な形状で感光体1表面に接触する
とともに、帯電ニップ部nに帯電促進粒子mが存在して
いてファーブラシローラの逆目斜毛によってよりファー
ブラシローラ2表面に取り込まれ、変形した逆目斜毛2
bと帯電促進粒子mの介在で、ファーブラシローラ2の
感光体1への接触性が促進される。
【0162】これにより、感光体1表面は印加電圧と等
しい電位に帯電される。即ち本実施例において接触帯電
は直接注入帯電が支配的となって行なわれる。ファーブ
ラシローラ2と感光体1の帯電ニップ部nに存在するフ
ァーブラシローラ2表面の逆目斜毛2bと帯電促進粒子
mが感光体表面を隙間無く摺擦することで直接帯電が行
われるのである。
【0163】d.クリーナレスシステム 上記のように回転感光体1はファーブラシローラ2によ
り該ファーブラシローラ2に対する印加電圧とほぼ同電
位に直接注入帯電され、その帯電面に対してレーザービ
ームスキャナ7によるレーザー走査露光Lがなされるこ
とで、回転感光体1面にプリントパターンに応じた静電
潜像が形成される。
【0164】その静電潜像が現像装置3によりトナー画
像として反転現像され、そのトナー像が転写ニップ部e
に対して不図示の給紙部から所定のタイミングで給紙さ
れた記録媒体としての転写材Pに順次に転写されてい
く。
【0165】転写ニップ部eでトナー像の転写を受けた
転写材Pは回転感光体1面から分離されて定着装置5に
導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリン
ト、コピー)として装置外へ排出される。
【0166】クリーナレスの画像形成装置にあっては、
転写後の感光体1面に残存の転写残トナー(現像剤)は
感光体1とファーブラシローラ2の帯電ニップ部nに感
光体1の回転移動でそのまま持ち運ばれ、ファーブラシ
ローラ2の逆目斜毛2bにより撹乱されつつファーブラ
シローラ2に付着・混入する(ファーブラシローラ2に
よる転写残トナーの一時的回収)。トナーは一般に絶縁
体であるためファーブラシローラ2に対する転写残トナ
ーの付着・混入は感光体1の帯電において帯電不良を生
じさせる因子である。
【0167】しかし、本構成においてはファーブラシロ
ーラ2に予め塗布した帯電促進粒子mが存在すること
と、現像装置の現像剤(トナー)tに混合した帯電促進
粒子mが現像および転写行程を経て帯電ニップ部nに至
りファーブラシローラ2に供給されることにより、帯電
促進粒子mが帯電ニップ部nに介在して、ファーブラシ
ローラ2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を保つ
ことができ、ファーブラシローラ2の転写残トナーによ
る汚染にかかわらず直接注入帯電が可能になり、低印加
電圧でオゾンレスの直接注入帯電を維持させることがで
き、均一な帯電性を与えることができる。
【0168】ファーブラシローラ2に付着・混入した転
写残トナーはファーブラシローラ2から徐々に電気的に
感光体1上に吐き出される。この場合、ファーブラシロ
ーラ2に帯電促進粒子mが担持されていることで、ファ
ーブラシローラ2とこれに付着・混入する転写残トナー
の付着力が低減化されてファーブラシローラ2から感光
体1上にへのトナーの吐き出し効率が向上する。
【0169】ファーブラシローラ2から感光体1上に吐
き出されたトナーは感光体1面の回転移動とともに現像
部位dに至り、現像装置3において再度回収(現像同時
クリーニング)あるいは現像に供される(トナーリサイ
クル)。現像同時クリーニングは前述したように、転写
後に感光体1上に残留したトナーを引き続く画像形成工
程の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜
像を形成し、その潜像の現像時において、現像装置のか
ぶり取りバイアス、即ち現像装置に印加する直流電圧と
感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差V
backによって回収するものである。本実施例におけ
るプリンタのように反転現像の場合では、この現像同時
クリーニングは、感光体の暗部電位から現像スリーブに
トナーを回収する電界と、現像スリーブから感光体の明
部電位へトナーを付着させる電界の作用でなされる。
【0170】以上の行程を繰り返すことにより、トナー
リサイクルを可能にしながら、直接注入帯電を行い、か
つそれを長期に渡り維持することができる。転写残トナ
ーと帯電促進粒子が撹乱されつつファーブラシローラ2
に取り込まれるので、転写残トナーによるゴーストのな
い均一な出力画像を得ることが出来る。
【0171】本実施例の装置で画像出力を行ったとこ
ろ、5000枚印字においても、クリーナレスによるゴ
ースト画像のない安定した帯電性が得られた。
【0172】本実施例においては、クリーナレスシステ
ムであるにも関わらず、ファーブラシローラ2の逆目斜
毛2bによって、転写残トナーが十分にファーブラシロ
ーラに回収されつつ撹乱され、かつ、逆目斜毛2bと帯
電促進粒子mが感光体1に密に接触して帯電を行うの
で、転写残トナーの帯電ニップ部nのすり抜けによる画
像不良や帯電不良のない良好な画像を出力する画像形成
装置が提供できる。
【0173】現像装置3に収容させた現像剤である一成
分磁性トナーtに対して添加混入させた帯電促進粒子m
は感光体1面の静電潜像現像時に感光体1面に付着して
感光体1の回転に伴い転写ニップ部eを経て帯電ニップ
部nに持ち運ばれて供給される。
【0174】即ち感光体1上の現像トナー像は転写ニッ
プ部eにおいて転写バイアスにより転写材P面側に引か
れて積極的に転移するけれども、現像装置3による感光
体1面の静電潜像現像時に感光体1面に付着した帯電促
進粒子mは抵抗値が低いために転写材P面側には積極的
には転移せず感光体1上に実質的に付着保持されて残留
して感光体1面の回転移動に伴い転写ニップ部eを経て
帯電ニップ部nに持ち運ばれて供給される。
【0175】このように本実施例においては、ファーブ
ラシローラ表面にあらかじめ塗布した帯電促進粒子mが
存在することと、上記のように現像装置3の現像剤tに
混合した帯電促進粒子mが現像及び転写行程を経てファ
ーブラシローラ2に供給されることにより、ファーブラ
シローラ2に転写残トナーが付着混入した場合でも、フ
ァーブラシローラ2の感光体1への接触性と接触抵抗を
維持できるため直接注入による帯電を行うことができ
る。そして、帯電促進粒子mがファーブラシローラ2か
ら脱落しても現像装置3側から供給され続けるため、帯
電性を安定して維持することが可能になる。即ち、装置
使用の全くの初期より、長期の使用後まで安定した帯電
性を維持することができる。
【0176】〈その他〉 1)ファーブラシ帯電器は回動ベルト型などの形態のも
のにすることもできる。
【0177】2)ファーブラシ帯電器に印加する帯電バ
イアスは交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変
化する電圧)を含むものであってもよい。交番電圧成分
の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可
能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによ
って形成された矩形波であってもよい。
【0178】
【0179】3)画像形成装置の場合において、像担持
体としての感光体の帯電面に対する情報書き込み手段と
しての像露光手段は実施例のレーザー走査手段以外に
も、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用い
たデジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや
蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手
段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電
潜像を形成できるものであればよい。
【0180】4)像担持体は静電記録誘電体などであっ
てもよい。この場合は該誘電体面を一様に帯電した後、
その帯電面を除電針ヘッドや電子銃等の除電手段で選択
的に除電して目的の画像情報に対応した静電潜像を書き
込み形成する。
【0181】5)画像形成装置の場合において、静電潜
像のトナー現像方式・手段は任意である。正規現像方式
でも反転現像方式でもよい。
【0182】一般的に、静電潜像の現像方法は、非磁性
トナーについてはこれをブレード等でスリーブ等の現像
剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについ
てはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコー
ティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適
用し静電潜像を現像する方法(1成分非接触現像)と、
上記のように現像剤担持搬送部材上にコーティングした
トナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を
現像する方法(1成分接触現像)と、トナー粒子に対し
て磁性のキャリアを混合したものを現像剤(2成分現像
剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対
して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分
接触現像)と、上記の2成分現像剤を像担持体に対して
非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分非
接触現像)との4種類に大別される。
【0183】6)転写手段4はローラ転写に限らずベル
ト転写やコロナ放電転写など任意である。
【0184】7)転写ドラムや転写ベルト等の中間転写
体などを用いて、単色画像ばかりでなく、多重転写等に
より多色やフルカラー画像を形成する画像形成装置であ
ってもよい。
【0185】
【0186】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
接触帯電において、帯電部材として簡易なファーブラシ
帯電器を用いた場合でも、より帯電均一性に優れ且つ長
期に渡り安定した直接注入帯電を実現する、即ち、低印
加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を簡易な構成で実現
することが可能となる。
【0187】またこれにより、オゾン生成物による障
害、帯電不良による障害等のない、簡易な構成、低コス
トな画像形成装置やプロセスカートリッジを構成するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】ファーブラシローラ部分の拡大模型図
【図3】ファーブラシローラの更に拡大の横断面模型図
【図4】逆目接触摺擦の場合の帯電ニップ部内の拡大模
型図
【図5】順目接触摺擦の場合の帯電ニップ部内の拡大模
型図
【図6】電荷注入層を具備させた感光体の層構成模型図
【図7】帯電促進粒子を併用した帯電装置の概略図
【図8】帯電ニップ部内の拡大模型図
【図9】クリーナレスの画像形成装置の概略構成模型図
【図10】帯電特性グラフ
【符号の説明】
1 回転ドラム型電子写真感光体(像担持体、被帯電
体) 2 ファーブラシローラ(ファーブラシ帯電器) 2a 芯金 2b ブラシ部(斜毛) 3 現像装置 4 転写ローラ 5 定着装置 6 クリーニング装置(クリーナ) 7 レーザースキャナ m 帯電促進粒子(導電粒子) n 帯電ニップ部 S1〜S3 バイアス印加電源 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−241425(JP,A) 特開 平9−15935(JP,A) 特開 平5−150539(JP,A) 特開 平7−92769(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 G03G 21/18

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能な像担持体と、 像担持体とニップ部を形成し、電圧を印加して像担持体
    面を帯電する帯電部材であって、毛が斜毛したファーブ
    ラシで構成される帯電部材と、 前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現像する
    現像手段であって、前記像担持体上の残留現像剤を回収
    するクリーニング手段を兼ねる現像手段と、 を有する画像形成装置において、 現像剤中には導電粒子が含まれ、導電粒子は、現像手段
    から像担持体へ供給されてニップ部へ搬送され、ファーブラシの表面にあらかじめ現像剤中に含まれるも
    のと同じ導電粒子が塗布され、 ファーブラシは、ニップ部で像担持体の回転方向に対し
    てカウンター回転し、ファーブラシの斜毛の方向は、像
    担持体表面の移動方向の上流側に傾いていることを特徴
    とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 ファーブラシのパイル先端が帯電部材断
    面の法線方向から10°以上傾いていることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 導電粒子の抵抗値が1×1012(Ω・c
    m)以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 導電粒子の抵抗値が1×1010(Ω・c
    m)以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 像担持体の最表面層の体積抵抗が1×1
    14(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 像担持体は、電子写真感光体と、体積抵
    抗が1×109(Ω・cm)以上1×1014(Ω・c
    m)以下である最表面層と、を備えることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 像担持体の帯電面に静電潜像を形成する
    画像情報書き込み手段と、現像手段によって形成された
    像担持体上の現像剤像を記録媒体に転写する転写手段
    と、を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 像担持体は感光体であり、画像情報書き
    込み手段が像露光手段であることを特徴とする請求項7
    に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 導電粒子の粒径は、10nm以上1画素
    の大きさ以下であることを特徴とする請求項1乃至8
    いずれかに記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 画像形成装置本体に対して着脱自在の
    プロセスカートリッジであって、 回転可能な像担持体と、 像担持体とニップ部を形成し、電圧を印加して像担持体
    面を帯電する帯電部材であって、毛が斜毛したファーブ
    ラシで構成される帯電部材と、 前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤で現像する
    現像手段であって、前記像担持体上の残留現像剤を回収
    するクリーニング手段を兼ねる現像手段と、 を有するプロセスカートリッジにおいて、 現像剤中には導電粒子が含まれ、導電粒子は、現像手段
    から像担持体へ供給されてニップ部へ搬送され、ファーブラシの表面にあらかじめ現像剤中に含まれるも
    のと同じ導電粒子が塗布され、 ファーブラシは、ニップ部で像担持体の回転方向に対し
    てカウンター回転し、ファーブラシの斜毛の方向は、像
    担持体表面の移動方向の上流側に傾いていることを特徴
    とするプロセスカートリッジ。
  11. 【請求項11】 ファーブラシのパイル先端が帯電部材
    断面の法線方向から10°以上傾いていることを特徴と
    する請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
  12. 【請求項12】 導電粒子の抵抗値が1×1012(Ω・
    cm)以下であることを特徴とする請求項10又は11
    に記載のプロセスカートリッジ。
  13. 【請求項13】 導電粒子の抵抗値が1×1010(Ω・
    cm)以下であることを特徴とする請求項10又は11
    に記載のプロセスカートリッジ。
  14. 【請求項14】 像担持体の最表面層の体積抵抗が1×
    1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項
    10乃至13のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  15. 【請求項15】 像担持体は、電子写真感光体と、体積
    抵抗が1×109(Ω・cm)以上1×1014(Ω・c
    m)以下である最表面層と、を備えることを特徴とする
    請求項10乃至14のいずれかに記載のプロセスカート
    リッジ。
  16. 【請求項16】 導電粒子の粒径は、10nm以上1画
    素の大きさ以下であることを特徴とする請求項10乃至
    15のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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