JP2004287046A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な回路構成で、電流駆動発光素子の電流−電圧特性の経時変化に対する補正を行う表示装置を提供する。
【解決手段】本表示装置では、アクティブ素子18の出力電流値がソース配線Sjから供給された電流により設定されるように画素回路26が構成され、ソース配線Sjへ(電流プログラム用の)第2の電流源回路24から電流が供給される。この第2の電流源回路24は、電圧制御・電流出力の回路構成とされるため、第1の電流源回路23から有機EL素子22へ一定電流を与えたとき得られた陽極陰極間電圧を第2の電流源回路24の制御電圧とすることにより、この有機EL素子22の特性が経時変化するほど、より多くの電流値が発生するように補正される。このことにより、発光素子の輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下を抑制することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】本表示装置では、アクティブ素子18の出力電流値がソース配線Sjから供給された電流により設定されるように画素回路26が構成され、ソース配線Sjへ(電流プログラム用の)第2の電流源回路24から電流が供給される。この第2の電流源回路24は、電圧制御・電流出力の回路構成とされるため、第1の電流源回路23から有機EL素子22へ一定電流を与えたとき得られた陽極陰極間電圧を第2の電流源回路24の制御電圧とすることにより、この有機EL素子22の特性が経時変化するほど、より多くの電流値が発生するように補正される。このことにより、発光素子の輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下を抑制することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(Field Emission Display)等の電流駆動素子を用いた表示装置に関し、より詳しくは当該表示装置におけるドライバ回路や画素回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機ELディスプレイやFEDディスプレイ等の電流駆動発光素子が用いられたディスプレイの研究開発が活発に行われている。特に有機ELディスプレイは、低電圧・低消費電力で発光が可能であるため、携帯電話やPDA( Personal Digital Assistants)などの携帯機器用のディスプレイとして注目されている。
【0003】
この有機ELディスプレイの駆動回路を例示して説明する。図13は、従来の画素回路の構成例を示す回路図である(非特許文献1参照)。この画素回路は、電流駆動発光素子である有機EL素子124と、この有機EL素子124に電流を与えて駆動する駆動用TFT(Thin Film Transistor)119と、この駆動用TFT119を制御する選択用TFT122と、スイッチング制御を行うスイッチ用TFT121,123と、コンデンサ120とを備える。上記駆動用TFT119のソース端子は電源配線Vrefおよびコンデンサ120の一端に接続され、そのドレイン端子はスイッチ用TFT123を介して有機EL素子124の陽極(アノード端子)に接続され、そのゲート端子はスイッチ用TFT121を介して選択用TFT122のドレイン端子に接続されるとともにコンデンサ120の他端に接続される。選択用TFT122のソース端子は、図示されないソースドライバ回路の電流源に繋がるソース配線Sjに接続され、そのゲート端子は、スイッチ用TFT121,123のゲート端子とともにゲート配線Giに接続される。また、有機EL素子124の陰極(カソード端子)は共通電極Vcomに接続される。
【0004】
この画素回路では、スイッチ用TFT123がOFF状態とされ、選択用TFT122およびスイッチ用TFT素子121がON状態とされるとき、電源配線Vrefからソース配線Sjへ電流が流れる。この電流の量を図示されないソースドライバ回路の電流源で制御することにより、駆動用TFT素子119の閾値電圧や電子移動度とは無関係に、駆動用TFT素子119からソースドライバ回路で規定された電流量が流れるように、駆動用TFT素子119のゲート電圧が設定される。その後、選択用TFT122およびスイッチ用TFT素子121がOFF状態とされ、スイッチ用TFT123がON状態とされるとき、コンデンサ120に駆動用TFT素子119のゲート電圧が保持されるため、駆動用TFT素子119から有機EL素子124へ規定された上記の電流量が流れ続ける。
【0005】
しかし、有機EL素子124のような電流駆動発光素子では、時間経過とともに同一電流値に対する発光輝度の低下が見られる。特に、有機EL素子ではこの供給電流値に対する発光輝度の低下、すなわち供給電流−発光輝度特性の劣化が顕著である。そのため、表示パネル内の各発光素子における発光履歴の違いに基づき発生する輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下を解消ないし抑制することは、有機ELディスプレイを実用化するために解決すべき課題の1つとなっている。
【0006】
この点、従来のドライバ回路には、有機EL素子の供給電流−発光輝度特性の劣化を補償するものがある(例えば、特許文献1参照)。図14は上記ドライバ回路の構成を示す回路図である。このドライバ回路は、電源配線Pjと、定電圧源Vrefと、定電流源112,117と、スイッチ回路110と、EL素子104,105と、選択用TFT101と、駆動用TFT102と、コンデンサ103と、ゲート配線Giと、ソース配線Pjと、A/D変換回路111,114と、輝度補正回路113と、輝度情報メモリ115と、D/A変換回路107と、電圧増幅回路108とを備える。
【0007】
上記スイッチ回路110は、電源配線Pjに対し定電圧源Vrefまたは定電流源112を選択的に接続する。電源配線Pjに対し定電流源112が接続される場合(この場合を以下では「測定モード」という)、選択用TFT101のゲート端子に接続されるゲート配線Giに対してON電圧が供給されることにより発光する有機EL素子104の電流−電圧特性の経年変化が測定される。この測定モードでは、定電流源112より供給される電流が複数の有機EL素子104のいずれかの陽極に印加されるが、当該陽極電圧をA/D変換回路111でデジタルデータ化することにより得られる当該有機EL素子104の電流−電圧特性は、順に輝度情報メモリ115に書き込まれる。なお、この輝度情報メモリ115へのデータ書き込み時またはデータ読み出し時には、比較のために設けられる有機EL素子105の陽極電圧をA/D変換回路111でデジタルデータ化することにより得られる電流−電圧特性が参照される。また、電源配線Pjに対し定電圧源Vrefが接続される場合(この場合を「表示モード」という)、記憶された輝度情報メモリ115のデータをD/A変換回路107によりアナログデータ化することにより得られるアナログ電圧値が、制御信号として電圧増幅回路108に与えられる。図示されないソースドライバ回路から与えられる表示データ106の電圧は、この電圧増幅回路108によって有機EL素子104の輝度劣化特性が考慮された電圧に補正され、当該電圧はソース配線Sjを介して対応する有機EL素子104を駆動する駆動用TFT102のゲート端子に接続されるコンデンサ103により保持される。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−229513号公報
【特許文献2】
特開2002−278513号公報
【特許文献3】
特開2002−278514号公報
【非特許文献1】
M.T.ジョンソン(M.T.Johnson )、他5名,「アクティブマトリクス ポリLED ディスプレイ(Active Matrix PolyLED Displays)」,IDW’00,2000年,p.235−238
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の画素回路だけで有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補償することはできない。図15は、或る有機EL素子に対して一定の電流を流したときの発光輝度の経時変化を示す図である。図では、初期輝度を1とする標準化輝度の時間的変化が正方形の測定点を繋ぐ線(a)として示され、(陽極−陰極間)電圧の時間的変化が菱形の測定点を繋ぐ線(b)として示されている。このように、電流駆動発光素子、特に図15に示すような有機EL素子は、電流−輝度特性が経時劣化する。そのため、与えられる電流によりプログラム(すなわち所定輝度が設定)される画素回路であっても、画素を表示する有機EL素子の発光履歴によっては輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下が発生するという課題がある。
【0010】
また、特開2002−229513号公報(特許文献1)に開示されるドライバ回路では、有機EL素子の電流−電圧特性を測定することにより、上記電流−輝度特性の経時変化を予測し補正する。しかし、この構成では、有機EL素子の電流−電圧特性をデジタルデータ化するためのA/D変換回路と、当該デジタルデータを保持するためのメモリ素子と、輝度劣化補正処理を行う回路と、デジタルデータを再度アナログ電圧化するためのD/A変換回路が少なくとも必要となる。具体的には、少なくともA/D変換回路およびD/A変換回路がソース配線Sj毎に1つずつと、有機EL素子の個数に等しいメモリ素子とが必要となる。しかし、現在の低温ポリシリコンTFTのデザインルールによれば、ソース配線毎に6bitのD/A変換回路を組み込むのが限界であり、更にA/D変換回路やメモリまで組み込まなければならない上記ドライバ回路は、回路規模が大きくなりすぎるため実用的とはいえない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、簡易な回路構成によって、電流駆動発光素子の電流−輝度特性の経時変化に対する補正を行うことにより、電流駆動発光素子の輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下を抑制することができる表示装置を提供することである
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、所定の第1および第2の配線の交差点近傍の領域に配置され、電流により駆動される電気光学素子と、当該電気光学素子に与えるべき出力電流を制御可能に構成されるアクティブ素子とを含む画素形成部を複数備えるとともに、外部から与えられるデータ信号に基づき前記第1の配線を駆動するドライブ回路を備えるアクティブマトリクス型の表示装置であって、
前記ドライブ回路は、
前記電気光学素子に対して所定の電流を与える第1の電流源回路と、
与えられる制御電圧によって出力電流が制御される電圧制御型の電流源である第2の電流源回路とを含み、
前記第2の電流源回路は、前記第1の電流源回路により与えられる所定の電流に応じて前記電気光学素子に生じる電圧に基づき、前記アクティブ素子により前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定する電流を出力することを特徴とする。
【0013】
一般に有機EL等の電流駆動素子へ一定電流を与えたとき、発光輝度は経時変化と供に減少する。このとき、この電流駆動素子へ一定電流を与えるのに必要な印加電圧も、経時変化と供に増大する。そこで、画素毎に配置された電流駆動素子へ一定電流を与え、その一定電流を与えるのに必要な印加電圧を調べれば、上記電気光学素子の経時変化が判る。そして、その経時変化に合わせて、電気を与えることにより光学的特性が変化する素子である上記電気光学素子へ与える電流値を補正すれば、上記電気光学素子の輝度劣化を補償できる。そこで、上記構成のように、ドライバ回路では電気光学素子へ所定電流を与える第1の電流源回路と、その時の電気光学素子に発生した電圧により、出力電流を補正できる第2の電流源回路を持つことで、電気光学素子の輝度劣化を補正し、本発明の課題を解決できる。
この第2の電流源回路の出力電流は以下のように設定する。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2の電流源回路は、
所定の第1の期間には、所定の基準電位が与えられることにより、当該基準電圧によって決定される出力電流が前記所定の電流に等しくなるように前記制御電圧と前記出力電流との関係を設定し、
前記第1の期間経過後の所定の第2の期間には、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより前記出力電流を決定し、
前記第1の電流源回路は、前記第2の期間に、前記電気光学素子に前記所定の電流を与えることにより前記電気光学素子に生じる電圧を前記第2の電流源回路に与えることを特徴とする。
【0015】
上記第2の電流源回路は電圧制御電流出力源となるが、この第2の電流源回路は制御電圧振幅の増大に伴い出力電流値がバラツキを生じることがある。しかし上記手法により、上記基準電位を調整することで、上記第2の電流出力回路の印加電圧−出力電流特性のバラツキを抑えられるので好ましい。即ち、例えば予め所望の電流値において上記電気光学素子の陽極/陰極間で発生すると予想される平均電圧を上記基準電位として用いれば、その基準電圧と実際に上記電気光学素子の陽極/陰極間で発生する電位の差が小さくなり、上記制御電圧振幅の増大に伴い出力電流値がバラツキを抑えられるので好ましい。そして、この基準電位をユーザーが外部から設定可能としたり、周囲温度に合わせて自動調整したりできるので好ましい。
【0016】
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記ドライブ回路は、前記電気光学素子に生じる電圧を保持して前記第2の電流源回路に与える電位保持手段をさらに含み、
前記第1の電流源回路は、前記第1の配線を介して前記電気光学素子に前記所定の電流を与えることにより前記電気光学素子に電圧を生じさせ、
前記第2の電流源回路は、前記電位保持手段により保持される電圧が与えられることにより決定される出力電流を前記第1の配線を介して前記アクティブ素子に流すことにより、当該アクティブ素子によって前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定することを特徴とする。
【0017】
上記構成では、第1の配線(例えばソース配線)のみを用いて、上記電気光学素子に電圧を生じさせて当該電圧に基づき上記アクティブ素子の電流値設定が行えるので、画素の開口率(画素面積に占める電気光学素子の比率)を大きく取ることができる。その結果、例えばアクティブ基板(TFT基板)側が電気光学素子の発光面側に配置される場合、単位面積あたりの発光輝度を低く抑えられ、特性劣化を抑えることができ好ましい。
【0018】
第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記第1の配線と略平行に配置される所定の第3の配線をさらに備え、
前記第1の電流源回路は、前記第3の配線を介して前記電気光学素子に前記所定の電流を与え、
前記第2の電流源回路は、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより決定される出力電流を前記第1の配線を介して前記アクティブ素子に流すことにより、当該アクティブ素子によって前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定することを特徴とする。
上記構成では、第1の配線(例えばソース配線)の他に第3の配線も必要とするが、例えばアクティブ基板(TFT基板)側が電気光学素子の発光面と反対側の場合、第3の配線が増えても画素の開口率(画素面積に占める電気光学素子の比率)は変わらない。そこで、上記構成では上記電気光学素子に電圧を生じさせるのと同時に、上記アクティブ素子の電流値設定が行えるので、第2の配線(例えばゲート配線)あたりのアドレス期間を短くでき好ましい。
【0019】
第5の発明は、第1から第4までのいずれか1つの発明において、
前記ドライブ回路は、
前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定するための基準となる基準電圧を生じさせる電気素子と、
前記電気素子に流される電流に応じて生じる前記基準電圧を保持して前記第2の電流源回路に与える電位保持手段とを含み、
前記第1の電流源回路は、前記電気素子へ所定の電流を流すことにより、前記電位保持手段に保持されるべき前記基準電圧を生成し、
前記第2の電流源回路は、前記電位保持手段により保持される前記基準電圧が与えられることにより決定される出力電流が前記所定の電流に等しくなるように前記制御電圧と前記出力電流との関係を設定した後、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより前記出力電流を決定することを特徴とする。
【0020】
上記第2の電流源回路は電圧制御電流出力源となるが、この第2の電流源回路は制御電圧振幅の増大に伴い出力電流値がバラツキを生じることがある。そこで、第2の電流源回路の出力電流を設定するとき、例えば電気光学素子の陽極/陰極間で予想される電圧を制御電圧として与え、制御電圧増大に伴う出力電流増大値のバラツキを抑えることが好ましい。そこで、例えば上記電気素子の印加電圧−電流特性を画素に配置した上記電気光学素子の印加電圧−電流特性に似せておく。そして、この電気素子へ所望の電流を与え、その発生した電圧を第2の電流源回路の電流設定時の基準電位とする。その結果、上記制御電圧の上記所望の電流が多段階にわたり変化しても、出力電流のバラツキを抑えられるので好ましい。また、この基準となる電気素子の電圧−電流特性が、画素形成部に含まれる電気光学素子と同様に経時変化すれば、この基準となる電気素子の経時変化と供に、画素の輝度が低下するので、電気光学素子の特性劣化の速度が落ちるという効果も発生し、好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。なお、本発明の各実施形態において用いられるスイッチング素子は低温ポリシリコンTFTやCG(Continuous Grain(連続粒界結晶))シリコンTFTなどで構成することが可能であるが、以下ではCGシリコンTFTが用いられることとする。このCGシリコンTFTの構成に関しては、犬飼和孝、他7名(半導体エネルギー研究所),「4.0インチTFT−OLEDディスプレイおよび新ディジタル駆動方法(4.0−in. TFT−OLED Displays and a Novel Digital Driving Method)」,SID’00 Digest,2000年,p.924−927等において開示されているので、その詳細な説明は省略する。また、CGシリコンTFTの製造プロセスに関しては、高山徹、他6名(半導体エネルギー研究所),「連続粒界結晶シリコン技術とアクティブマトリクスディスプレイへの応用( Continuous Grain Silicon Technology and Its Applications for Active Matrix Display)」,AM−LCD2000,2000年,p.25−28等において開示されているので、その詳細な説明は省略する。さらに、以下の実施形態において用いられる電気光学素子である有機EL素子の構成については、R.H.フレンド(R.H.Friend),「平面パネルディスプレイ用ポリマー発光ダイオード(Polymer Light−Emitting Diodes for use in Flat Panel Displays)」,AM−LCD’01,2001年,p.211−214等において開示されているので、その詳細な説明は省略する。なお、本明細書において、電気光学素子とは、有機EL素子の他、FED、LED、電荷駆動素子、液晶、Eインク(Electronic Ink)など、電気を与えることにより光学的な特性が変化する全ての素子をいうものとする。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す概略図である。本表示装置52は、ソースドライブ回路50と、このソースドライブ回路50に接続される複数のソース配線S1〜Sm(mは所定の自然数)と、ゲートドライブ回路51と、このゲートドライブ回路51に接続される複数のゲート配線G1〜Gn(nは所定の自然数)と、隣り合う2つのソース配線と隣り合う2つのゲート配線とに囲まれた領域近傍の所定領域に設けられており表示画素を形成する画素形成部(以下では単に「画素」ともいう)Aijとを備える。なお以下では、複数のソース配線S1〜Smのうちの1つをソース配線Sj(jは1からmまでの自然数)とよび、複数のゲート配線G1〜Gnのうちの1つをゲート配線Gi(iは1からnまでの自然数)とよぶ。
【0023】
前述のように、本実施形態における画素Aijの発光素子には、有機EL素子が用いられる。図2は、この有機EL素子を含む画素回路および後述する出力回路の構成例を示す回路図である。この画素回路26は、電気光学素子である有機EL素子22と、この有機EL素子22へ流すべき電流値を制御するアクティブ素子18と、コンデンサ17と、流すべき電流に対する導通状態と遮断状態とを切り替えるスイッチ素子16,19,20,21とを備える。なお、この表示装置では、アクティブ素子18もスイッチ素子16,19,20,21も同じくTFTにより構成されるが、アクティブ素子18とスイッチ素子16,19,20,21とは上述のようにその機能が異なるため、ここでは異なる名称を与えて区別する。
【0024】
この画素回路26では、アクティブ素子18のゲート端子とソース配線Sjとの間にはスイッチ素子16が接続され、そのドレイン端子とソース配線Sjとの間にはスイッチ素子21が接続され、そのソース端子と電源配線Vrefとの間にはスイッチ素子19が接続される。また、コンデンサ17の一端は、アクティブ素子18のゲート端子に接続され、コンデンサ17の他端は、電源配線Vrefに接続される。さらに、有機EL素子22の陽極は、スイッチ素子20を介してアクティブ素子18のドレイン端子に接続され、有機EL素子22の陰極は共通電極Vcomに接続される。さらにまた、スイッチ素子16のゲート端子にはゲート配線Giが接続され、スイッチ素子19のゲート端子には制御配線Fiが接続され、スイッチ素子20のゲート端子には制御配線Hiが接続され、スイッチ素子21のゲート端子には制御配線Eiが接続される。これらの制御配線Fi,Hi,Eiは、ゲート配線Giと並行に配置されており、表示装置全体ではそれぞれn本ずつが備えられる。また、これらの制御配線Fi,Hi,Eiは、ゲートドライバ回路51に含まれる図示されない所定の制御部に接続されている。
【0025】
画素回路26のソース配線Sjは、図1に示すソースドライブ回路50に接続される。このソースドライブ回路50は、外部から与えられるデータ信号DAijを図示しないシフトレジスタ回路で転送した後、これをラッチ回路で保持し、この保持値に基づき、内蔵されるm個の電流発生回路により電流値が作られる。この電流値に基づきソースドライブ回路50に含まれるm個のうちのj番目の出力回路27は、対応するソース配線Sjに電流を供給する。本表示装置は、この出力回路27に特徴を有している。以下、図2を参照して、出力回路27につき説明する。
【0026】
図2に示すように、出力回路27は、第1の電流源回路23と、第2の電流源回路24とを含む。第1の電流源回路23は、画素回路26に繋がるソース配線Sjにスイッチ素子5を介して接続され、第2の電流源回路24は、当該ソース配線Sjにスイッチ素子11を介して接続される。また、スイッチ素子5のゲート端子には制御信号線SAjが接続され、スイッチ素子11のゲート端子には制御信号線SBjが接続される。これらの制御信号線SAj,SBjおよび後述する制御信号線SCj,PAj,PBj,PCjは、ソーストドライバ回路50に含まれる図示されない所定の制御部に接続される。
【0027】
第1の電流源回路23は、アクティブ素子2と、コンデンサ1と、スイッチ素子3,4とを含む。コンデンサ1は、アクティブ素子2のソース端子とゲート端子との間に接続される。スイッチ素子3は、アクティブ素子2のドレイン端子とゲート端子との間に接続される。スイッチ素子4は、アクティブ素子2のドレイン端子と電流設定配線Ipとの間に接続される。これらのスイッチ素子3,4のゲート端子には制御信号線PAjが接続される。また、電流設定配線Ipには、図示されない定電流源から、選択された画素形成部へ入力されるべき電流が供給される。この第1の電流源回路23では、スイッチ素子3,4が制御信号線PAjからの信号によりON状態とされるとき、電流設定配線Ipから与えられる電流値がアクティブ素子2から出力されるように、アクティブ素子2のゲート端子に繋がるコンデンサ1の電位が設定される。
【0028】
第2の電流源回路24は、アクティブ素子7と、コンデンサ8,9と、スイッチ素子6,10とを含む。コンデンサ8,9の一端はアクティブ素子7のゲート端子に接続され、コンデンサ8の他端は接地され、コンデンサ9の他端は後述する電位保持手段として機能するコンデンサ12に接続される。スイッチ素子10は、アクティブ素子7のゲート端子と第1の電流源回路23の出力端子(すなわちアクティブ素子2のドレイン端子)との間に接続される。スイッチ素子6は、アクティブ素子7のソース端子と第1の電流源回路23の出力端子との間に接続される。これらのスイッチ素子6,10のゲート端子には制御信号線PBjが接続される。この第2の電流源回路24では、スイッチ素子6,10が制御信号線PBjからの信号によりON状態とされるとき、第1の電流源回路23から与えられる出力電流値がアクティブ素子7から出力されるように、アクティブ素子7のゲート端子に繋がるコンデンサ8の電位が設定される。
【0029】
さらに、出力回路27は、第1の電流源回路23および第2の電流源回路24のほかに以下の構成を含む。アクティブ素子7のゲート端子には、コンデンサ9を介し、電位保持手段として機能するコンデンサ12が接続される。よって、アクティブ素子7のゲート電位は、コンデンサ12の電位変化にしたがって変化する。このコンデンサ12と電圧設定配線V0の基準電位を示す信号を出力する基準電源回路25との間には、スイッチ素子13が接続され、このコンデンサ12と第1の電流源回路23の出力端子との間にはスイッチ素子14が接続される。また、スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続される。
【0030】
なお、本実施形態における上記基準電源回路25の基準電位は、外部から抵抗分圧回路等により与えられるものとする。この構成によれば、外部のユーザーにより基準電位を設定することが可能となるため、表示パネルの輝度が自由に調整できる利点が得られる。
【0031】
上述のように構成される出力回路27および画素回路26は、画素形成部に含まれる有機EL素子の供給電流値に対する発光輝度の低下、すなわち有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補正するように動作する。この動作について、以下に説明する。
【0032】
ここで、上述のように電圧設定配線V0の基準電位は外部から供給されることから一定値となるため、第1の電流源回路23から各画素Aijに含まれる有機EL素子22へ与えられる電流値は一定であることが好ましい。この第1の電流源回路23から出力される電流値を設定するため、制御信号線PAjをHIGHレベル(ON電位)を示すVH電位とすることにより、スイッチ素子3,4をON状態とし、アクティブ素子2のドレイン・ゲート間を短絡させアクティブ素子2から電流設定配線Ipへ向け所定の電流を流す。このことにより、第1の電流源回路23の(アクティブ素子2から出力される)電流値が設定される。その後、制御信号線PAjをVL電位として、スイッチ素子3,4をOFF状態とし、更に制御信号線PBj,PCjをVH電位とすることにより、スイッチ素子6,10,13をON状態とする。このことにより、第2の電流源回路24へ電圧設定配線V0の基準電位が与えられ、第1の電流源回路23から第2の電流源回路24へ電流が供給される。そして、この電流が流れるように、第2の電流源回路24の(アクティブ素子7のゲート電位が設定され、その)出力電流値が設定される。このような出力電流の設定動作は、m個の出力回路27につき順次行われる。図3は、上記出力電流設定動作のタイミングを示す図である。図3に示すように、制御信号線PAjをVH電位とした後、制御信号線PBj,PCjをVH電位とする動作が、j=1からj=mまで順番に繰り返される。
【0033】
以上のように、第1の電流源回路23および第2の電流源回路24の出力電流値が基準電位印加時での電流値により設定された後、以下に説明する所定のタイミングで第1の電流源回路23により画素Aijに含まれる有機EL素子22へ電流が供給されるとともに、それにより得られた電圧に基づき、第2の電流源回路24からの出力電流値が補正される。この補正電流値に基づき、画素Aijに含まれるアクティブ素子18の出力電流が設定される点に本表示装置の特徴がある。以下、この動作について、図4を参照して説明する。
【0034】
図4は、各信号線における電位変化のタイミングを示す図である。図4に示す信号線の電位は、出力回路27の各制御信号線および画素回路26の制御配線に印加される電圧である。なお、図4に示す制御信号線SAj,SBj,SCj,および図4に示されない制御信号線PAj,PBj,PCjと、図4に示す制御配線Fi(F1,F2,F3,…),Ei(E1,E2,E3,…),Hi(H1,H2,H3,…)とは、前述した図示されない所定の制御部にそれぞれ接続されており、これらの制御装置により所定のタイミングでの電位変化が与えられる。また、図に示す1フレーム期間は、複数のフィールド期間からなり、その各フィールド期間において、図1に示す画素A1jから画素Anjまでに含まれる各アクティブ素子18の出力電流が規定されることにより、時間分割による多階調表示が実現される。
【0035】
まず、時刻0から時刻t1までの間(以下この長さの期間を「単位期間t1」という)、図の3行目に示される制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子14はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電位が第2の電流源回路24に与えられる。また、図の1行目に示される制御信号線SAjはVH電位とされるため、スイッチ素子5はON状態となる。よって、制御配線Ei(ここでは図の6行目に示される制御配線E1)により選択された画素Aij(ここでは画素A1j)の有機EL素子22に対し、第1の電流源回路23から一定電流が供給される。すなわち、画素A1jに対応する制御配線E1と制御配線H1がVH電位とされ、制御配線F1はLOWレベル(OFF電位)を示すVL電位とされるため(なお、制御配線G1はVH電位でもVL電位でもよい)、スイッチ素子21,20はON状態となり、スイッチ素子19はOFF状態となる。よって、第1の電流源回路23からソース配線Sjを介して、対応する画素A1jに含まれる有機EL素子22に一定電流が供給される。
【0036】
ここで、前述の図15に示すように、有機EL素子22が定電流で駆動される場合の陽極(アノード)−陰極(カソード)間電圧は、電流−輝度特性の劣化とともに増加する。したがって、この有機EL素子22へ第1の電流源回路23から一定電流を供給する以上、その第1の電流源回路23からの出力電圧は、有機EL素子の陽極−陰極間電圧の増大とともに増大するため、結局、有機EL素子22の電流−輝度特性の劣化とともに増加することになる。そして、この電流源回路23の出力電圧の増加は、その電位が増加する分だけコンデンサ9を介してアクティブ素子7のゲート端子電位を増加させるように働く。
【0037】
次に、時刻t1から時刻2t1までの間、制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子14はOFF状態となる。よって、コンデンサ12の電位が保持される。また、制御信号線SAjはVL電位とされるため、スイッチ素子5はOFF状態となり、制御信号線SBj(但し対応するデータ信号DAijが「1」であるソース配線Sjに限られる)はVH電位とされるため、スイッチ素子11はON状態となる。よって、第2の電流源回路24からコンデンサ12の電位により補正された電流値がソース配線Sjに供給される。ここで、画素A1jに対応する制御配線H1がVL電位とされるため、スイッチ素子20はOFF状態となり、制御配線F1がVH電位とされるため、スイッチ素子19はON状態となり、制御配線(ゲート配線)G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16はON状態となる。この結果、電源配線Vrefからアクティブ素子18(およびスイッチ素子21,11)を通って第2の電流源回路24に電流が流れる。また、アクティブ素子18のゲート電位は、このときの第2の電流源回路24により設定された電流値がアクティブ素子18を流れるよう設定される。以上の結果、アクティブ素子18に設定される電流値は、有機EL素子22へ所定の電流を流すために必要な陽極−陰極間電圧の増大とともに増加する。
【0038】
次に、時刻2t1から時刻4t1までの間は、次の画素A2jの選択動作等が行われるが、その動作は時刻0から時刻2t1までの上記動作と同様であり、その後もこの動作が同様に繰り返されるため、以後の説明は省略する。
【0039】
ここで、有機EL素子において、一定電流を与えるときの印加電圧の変化(電流−電圧特性)と、一定輝度を保つために必要な電流値の変化(電流−輝度特性)とについて、図5を参照して説明する。図5は、有機EL素子が定電流で駆動される場合の陽極−陰極間電圧の時間的変化と一定輝度で駆動される場合の電流値との時間的変化を示す図である。図では、上記電圧の時間的変化が菱形の測定点を繋ぐ線(a)として示され、上記電流の時間的変化が正方形の測定点を繋ぐ線(b)として示されている。図に示されるように、有機EL素子の電流−輝度特性劣化を補償するためには、有機EL素子に流すべき電流値を、電圧の増加とともに増やす必要がある。そこで、上記第1の電流源回路23は、有機EL素子22に対して所定の電流を与え、その有機EL素子22の陽極−陰極間電圧の変化に基づき、第2の電流源回路24からの出力電流を補正する。このことにより、有機EL素子22へ流すべき電流値を有機EL素子の電流−輝度特性の劣化とともに増大させることができるため、その輝度劣化を補正することが可能となる。
【0040】
また、データ信号DAijが「0」であるソース配線Sjに対応する制御信号線SBjは、時刻t1から時刻2t1までの間もVL電圧とされるため、ソース配線Sjから流れ出る電荷の経路が遮断される。その結果、当該ソース配線Sjの電位はアクティブ素子18がOFF状態となるまで増加し、電源配線Vrefからアクティブ素子18の閾値電位が差し引かれた電位で安定する。この電位はアクティブ素子18のゲート電圧とされるため、結局アクティブ素子18には電流が流れない条件が設定されることになる。
【0041】
なお、上記輝度補正動作は、各有機EL素子の発光輝度を直接測定して補正しているわけではない。そのため、図5に示す有機EL素子の電流−電圧特性と電流−輝度特性との関係のバラツキや、第2の電流源回路24に含まれるアクティブ素子7の閾値や移動度などの特性のバラツキにより、各有機EL素子の輝度は変化する。そこで、上記バラツキ範囲の最大輝度が初期輝度より小さくなるように、図2に示すコンデンサ8,9,12の容量比を調整することが好ましい。この調整により、電流−輝度特性が劣化した有機EL素子に対して初期設定電流より多くの電流が与えられることがなくなるため、輝度劣化の加速的な進行を抑制することができる。ここで、全ての有機EL素子には補正された電流が与えられるため、補正されない電流が与えられる場合よりもその輝度は比較的高くなる。したがって、全ての有機EL素子の輝度劣化が緩和される。
【0042】
以上のように、一般に有機EL素子等の電流駆動型の発光素子へ一定電流を与えたとき、その発光輝度は経時変化とともに減少し、また、この電流駆動型の発光素子へ一定電流を与えるために必要な印加電圧も、経時変化とともに増大する。そこで、上記アクティブ素子18の出力電流値がソース配線Sjから供給された電流により設定されるように画素回路26を構成し、ソース配線Sjへ(電流プログラム用の)第2の電流源回路24から電流を供給する。ここで、第2の電流源回路24は電圧制御・電流出力の回路構成とされるため、制御電圧を増大させることにより、出力電流を増大させることができる。よって、この制御電圧として有機EL素子22へ一定電流を与えたとき得られた印加電圧を用いることにより、この有機EL素子22の特性が経時変化するほど、より多くの電流値が発生するように、第2の電流源回路24を構成できる。このことにより、有機EL素子22の特性の経時変化とともに、その有機EL素子22へ与えられる電流値が増大させられるため、表示装置の輝度低下を抑える効果が得られる。
【0043】
また、上記第2の電流源回路24へ与えられる電圧設定配線V0の基準電位は外部から抵抗分圧等で与えられる。この構成は、第1の電流源回路23から上記有機EL素子22へ与えられる電流値が一定の場合(または電流が流れるか流れないかの2値状態をとる場合)にのみ有効となる。なぜなら、もし上記有機EL素子22へ与えられる電流値が変動するならば、陽極−陰極間電圧もまた変動するため、変動が経時変化によるものなのか、電流変化によるものなのかが判別しにくくなるからである。これにより、ユーザーは外部から基準電位を設定して輝度を変更することができ、また温度変化等にかかわらず基準電位が一定に保たれるといった利点が得られる。
【0044】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る表示装置の基本的な構成は、ソースドライブ回路および画素回路の構成および動作が一部異なる点を除き、上記第1の実施形態に係る表示装置52とほぼ同様である。そこで、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付してその詳しい説明を省略する。本実施形態の表示装置は、上記図2に示す電流源回路24よりもTFT特性のバラツキに基づく出力電流の影響が小さくなる電源回路を備える。まず、このTFT特性のバラツキに基づく影響について説明する。
【0045】
図6は、図5に示す一定電流を与えるときの印加電圧と、一定輝度を保つために必要な電流値との関係を示す図である。図中の横軸は、上記印加電圧であり、縦軸は、上記電流値である。また、図中の直線A−A’は、上記関係の近似直線である。この直線A−A’が示すように、電圧の変化量ΔVと電流の変化量ΔIの間にはほぼ比例関係が成立する。そこで、本実施形態における第2の電流源回路は、与えられる有機EL素子の陽極/陰極間電圧の変化量ΔVに対し、出力する電流値の変化量ΔIがほぼ比例するように構成されることが好ましい。
【0046】
図7は、図2に示す第2の電流源回路24に含まれるコンデンサ12に対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。なお、図の縦軸は印加電圧であり、横軸は出力電流である。また、図中の線は、TFTの閾値vthおよび移動度μが所定の値に設定されるときの印加電圧に対する出力電流の変化を示す。ここでは、TFTの閾値vthおよび移動度μの値が条件1から条件5までの5種類の異なる条件として設定されることにより、それぞれの条件における印加電圧と出力電流との関係がTFT特性のバラツキを示すものとしてシミュレーションされる。
【0047】
図7に示すように、コンデンサ12への印加電圧が4Vのときの出力電流は、条件1から条件5までほぼ同じような値となる。これは、第2の電流源回路24の出力電流を設定するときのコンデンサ12の電圧が上記4Vとなるよう設定したためである。にもかかわらず、出力電流に上記各条件毎のバラツキが見られるのは、スイッチ素子7のゲート・ドレイン間の浮遊容量に基づきそのゲート電圧が変化するためであると考えられる。
【0048】
ここで、図2に示す第2の電流源回路24に含まれるアクティブ素子7のゲート電圧Vgが変化したとき、アクティブ素子7のドレイン端子はGND電位に固定されているので、アクティブ素子7を流れる電流Iは、ゲート・ドレイン間電圧をVgdとし、比例定数をkとするとき、次式(1)の関係を保って変化する。
I=k・μ(Vgd2 /2) …(1)
【0049】
この式(1)に基づき、ゲート・ドレイン間電圧をVgdとして、有機EL素子の陽極−陰極間電圧の変化量ΔVと出力電流の変化量ΔIの関係を整理すると、次式(2)のように示される。
【0050】
したがって、上式(2)を参照すると、電位変化量ΔVが十分に小さいとき、電流変化量ΔIは電位変化量ΔVに比例するとみなすことができる。ただ、図7のシミュレーション結果を参照すると、電位変化量ΔVが大きくなるほど電流変化量ΔIはバラツキを生じるため、TFTの特性バラツキの影響を受けることがわかる。
【0051】
そこで、上記影響を低減するため、本実施形態では、図2に示す第2の電流源回路24に代えて、図8に示す第2の電流源回路29が用いられる。図8は、有機EL素子を含む画素回路およびこの第2の電流源回路29を含む出力回路の構成例を示す回路図である。図8に示されるように、第2の電流源回路29には、図2に示すアクティブ素子7に代えて、同じ位置にアクティブ素子33が設けられる。このアクティブ素子33のドレイン端子とゲート端子の間には、図2に示すコンデンサ8に代えてコンデンサ32が接続され、そのドレイン端子と電源(GND)端子との間には、抵抗値Rの抵抗素子34が新たに接続される。この構成により、アクティブ素子33のゲート電圧が増加するとともに流れる電流も増加するが、このアクティブ素子33を流れる電流が増加すると、アクティブ素子33のドレイン端子の電位(即ち抵抗素子34の電位ドロップ)が増加する。このことにより、アクティブ素子33のドレイン・ゲート間電圧差の上昇が抑えられるため、TFT特性のバラツキによる影響が低減される。
【0052】
図9は、上記第2の電流源回路29に含まれるコンデンサ12に対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。なお、図の縦軸、横軸、図中の線は、図7と同様であるため説明を省略する。ここでは、上記第2の電流源回路29のコンデンサ12に印加される電圧を変化させたときの出力電流の変化がシミュレーションされている。この図9と前述の図7とを比較参照することにより、本実施形態における電流源回路29の方が第1の実施形態における電流源回路24よりも、TFT特性のバラツキによりその出力電流が受ける影響がより小さいことがわかる。
【0053】
以下、この電流源回路29を含む出力回路35および画素回路31の構成及び動作につき説明する。なお、電流源回路29の構成については前述したとおりである。また、図8に示す第1の電流源回路23の構成は、図2に示す電流源回路23と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0054】
出力回路35は、第1の電流源回路23および第2の電流源回路29のほかに以下の構成を含む。アクティブ素子33のゲート端子には、コンデンサ9を介し、電位保持手段として機能するコンデンサ12が接続される。よって、アクティブ素子33のゲート電位は、コンデンサ12の電位変化にしたがって変化する。このコンデンサ12と、画素形成部に配置される有機EL素子と同一または類似する素子である電気素子28の陽極との間には、スイッチ素子13が接続され、このコンデンサ12と第1の電流源回路23の出力端子との間にはスイッチ素子14が接続される。スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続される。また、画素回路31に繋がるソース配線Sjには、第1の電流源回路23がスイッチ素子5を介して接続され、第2の電流源回路29がスイッチ素子11を介して接続され、OFF電位である電圧設定配線Voffがスイッチ素子15を介して接続される。また、スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続され、スイッチ素子15のゲート端子には制御信号線SDjが接続される。
【0055】
画素回路31は、図2に示す画素回路26からスイッチ素子19,20が省略された構成である。すなわち、この画素回路31では、アクティブ素子18のゲート端子とソース配線Sjの間にはスイッチ素子16が接続され、そのドレイン端子とソース配線Sjの間にはスイッチ素子21が接続され、そのソース端子は電源配線Vrefに接続される。また、コンデンサ17の一端は、アクティブ素子18のゲート端子に接続され、その他端は電源配線Vrefに接続される。さらに、有機EL素子22の陽極は、アクティブ素子18のドレイン端子に接続され、その陰極は共通電極Vcomに接続される。さらにまた、スイッチ素子16のゲート端子にはゲート配線Giが接続され、スイッチ素子21のゲート端子には制御配線Eiが接続される。
【0056】
以上のように構成される出力回路35および画素回路31は、画素形成部に含まれる有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補正するように動作する。すなわち、後述する所定の第1の期間において、画素回路31に与えるべき電流を設定(プログラム)する第2の電流源回路29に基準電位が与えられるとき、その出力電流値が設定される。また、所定の第2の期間において、第1の電流源回路23から上記有機EL素子へ電流が与えられることによりその陽極−陰極端子間に電圧を発生させ、この電位が第2の電流源回路29へ与えられるとき、第2の電流源回路29の出力電流値が補正される。この動作について、以下に説明する。
【0057】
図10は、各信号線における電位変化のタイミングを示す図である。図10に示す信号線の電位は、出力回路35の各制御信号線および画素回路31の制御配線に印加される電圧である。
【0058】
時刻0から時刻t1までの間、図の2行目に示される制御信号線PAjはVH電位とされるため、スイッチ素子3,4はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電流値が電流設定配線Ipjにより与えられる電流値に設定される。なお、この電流設定配線Ipjには図示されない複数の電流源回路が接続されており、これら複数の電流源回路の1つまたは複数のON/OFF状態を制御することにより、多段階の電流値出力が得られる。また、この電流設定配線Ipj毎に上記複数の電流源回路を設けることで、時刻0から時刻t1までの間に同時に全ての第1電流出力回路23の出力電流を設定できる。
【0059】
時刻t1から時刻2t1までの間、制御信号線PAjはVL電位となるため、スイッチ素子3,4はOFF状態となる。また制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子13,14はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電位が電気素子28に流される。
【0060】
時刻2t1から時刻3t1までの間(この期間を「第1の期間」という)、制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子13,14はOFF状態となる。そのため、第1の電流源回路23の出力電位から電流を与えられていたときの電気素子28の陽極−陰極間電圧は、電位保持手段として機能するコンデンサ12に保持される。また、図の4行目に示される制御信号線PBjがVH電位とされるため、スイッチ素子6,10はON状態となり、第1の電流源回路23に設定された電流値がnチャネルTFTであるアクティブ素子33に与えられる。このとき、nチャネルTFTであるアクティブ素子33のソース・ゲート端子間が短絡されるため、第1の電流源回路23よりソース端子に所望の電流が与えられる。したがって、nチャネルTFTであるアクティブ素子33のゲート端子の電圧は、このときの電流値を流すことのできる電圧値に設定される。
【0061】
このように第1の電流源回路23から電気素子28に電流値が流されるときの当該電気素子28の陽極−陰極間電圧がコンデンサ12に保持されることにより、第1の電流源回路23を用いて基準電位を発生させ、この電位を用いて第2の電流源回路29の出力電流がプログラムできる。このことにより、アナログ階調に対応した電流出力が用いられる場合であっても必要な基準電位を得ることができる。
【0062】
また、この第1の期間において、図の7行目に示される制御信号線SDjがVH電位とされるため、ソース配線SjにpチャネルTFTであるアクティブ素子18をOFF状態とする電位が電圧設定配線Voffより与えられる。このとき、選択すべきゲート配線GiにVH電位が印加されることにより、対応する画素A1jに含まれるpチャネルTFTであるアクティブ素子18はOFF状態となる。
【0063】
時刻3t1から時刻4t1までの間(この期間を含む時刻3t1から時刻5t1までの期間を本実施形態では「第2の期間」という)、制御信号線PBjがVL電位とされるため、スイッチ素子6,10はOFF状態となる。よって、アクティブ素子33のゲート端子の電位が保持される。また、図の6行目に示される制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子14はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電位がコンデンサ12へ与えられる。このとき、図の1行目に示される制御信号線SAjがVH電位とされるため、スイッチ素子5はON状態となる。よって、制御配線Eiにより選択された画素Aijの有機EL素子22へ第1の電流源回路23から所望の電流が供給される。また、画素A1jに対応する制御配線E1がVH電位とされるため、スイッチ素子21がON状態となり、第1の電流源回路23からソース配線Sjを介して、対応する画素A1jに含まれる有機EL素子22に一定電流が供給される。
【0064】
ここで、前述のように、有機EL素子22へ第1の電流源回路23から所定の電流を供給すると、その第1の電流源回路23からの出力電圧は、有機EL素子の陽極−陰極間電圧の増大とともに増大する。このため、有機EL素子22の電流−輝度特性の劣化とともに増加することになる。そして、この電流源回路23の出力電圧はコンデンサ12に保持されるため、この出力電圧の増加は、その電位が増加する分だけコンデンサ9を介してアクティブ素子33のゲート端子電位を増加させるように働く。
【0065】
(本実施形態の第2の期間に含まれる)時刻4t1から時刻5t1までの間、制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子14はOFF状態となる。そのため、そのとき与えられていた電位がコンデンサ12に保持される。また、図の1行目に示される制御信号線SAjはVL電位とされるため、スイッチ素子5はOFF状態となり、図の3行目に示される制御信号線SBjはVH電位とされるため、スイッチ素子11はON状態となる。よって、第2の電流源回路29にコンデンサ12の電位により補正された電流値がソース配線Sjから供給される。ここで、画素A1jに対応する制御配線(ゲート配線)G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16がON状態となり、制御配線E1がVH電位とされるため、スイッチ素子21がON状態となる。この結果、電源配線Vrefからアクティブ素子18(およびスイッチ素子21,11)を通って第2の電流源回路29に電流が流れる。また、アクティブ素子18のゲート電位は、このときの第2の電流源回路29により設定された電流値がアクティブ素子18を流れるよう設定される。以上の結果、アクティブ素子18に設定される電流値は、有機EL素子22へ所定の電流を流すために必要な陽極−陰極間電圧の増大とともに増加する。
【0066】
ここで、上記アクティブ素子18に設定される電流値は、第2の電流源回路29により設定される電流値が0の場合、0となるよう設定される。しかし、この場合、アクティブ素子18のゲート電圧は、電源配線Vrefからアクティブ素子18の閾値電位が差し引かれた電位となるため、pチャネルTFTであるアクティブ素子18を完全にOFF状態とする電位にはならない。そこで、アクティブ素子18のゲート電圧を電圧設定配線Voffの電位とする。
【0067】
すなわち、時刻5t1から時刻6t1までの間、制御信号線SBjはVL電位とされるため、スイッチ素子11はOFF状態となり、制御配線E1がVL電位とされるため、スイッチ素子21はOFF状態となる。また、ゲート配線G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16はON状態となり、完全にOFF状態としたいpチャネルTFTであるアクティブ素子18を含む画素A1jに対応する制御信号線SDjのみがVH電位とされるため、画素A1jに含まれるスイッチ素子16はON状態となる。その結果、当該アクティブ素子18のゲート電圧は電圧設定配線Voffの電位となる。
【0068】
なお、完全にOFF状態としたいアクティブ素子18を含む画素A1j以外の画素Aik(ここでk≠jとする)に対応する制御信号線SDjはVL電位とされる。よって、これらの画素Aikに対応するスイッチ素子15はOFF状態のままとなるため、対応するソース配線Sjの電位は保持される。このことにより、これらの画素Aikに対応するアクティブ素子18のゲート電圧は、先に設定された電流値を流す電位に保持される。
【0069】
以上の結果、画素形成部に含まれる有機EL素子に対してアナログ階調を示す信号が与えられた場合でも、本表示装置では、発光状態による輝度バラツキ(焼き付け現象)が緩和される。
【0070】
ここで、前述のように、本表示装置では、第2の電流源回路29の電流値を設定するときの基準電位を得るために、電気素子28が用いられる。この電気素子28は、画素形成部に含まれる有機EL素子と同じ構成の素子、または当該構成から発光層が除かれた構成の素子であることが好ましい。このことにより、第1の電流源回路23の出力電流が変化した場合に基準とすべき電位を簡単な回路構成で得ることができるため好ましい。
【0071】
また、この電気素子28へ一定電流を流すために必要な電圧は、総使用時間が増えるにつれて増大する。このことは、第2の電流源回路29の電流値が設定されるときの基準電圧が総使用時間が増えるにつれて増大することを意味する。一方、全く発光していない(総使用時間が0である)有機EL素子へ一定電流を流すために必要な電圧は変化しない。その結果、第2の電流源回路29は、全く発光していない電気光学素子へ流す電流値が上記電気素子28の総使用時間が増えるにつれて減少するように働く。このことにより、表示画面(全画素)の平均輝度は総使用時間の増加ととも低下することになる。このような平均輝度の低下は、発光素子の電流−輝度特性の劣化が徐々に進行していることをユーザーに認識させることができるので、例えばユーザに対して、買い換えの心づもりをしてもらえるなどの好ましい効果を生じる。
【0072】
さらに、図8に示す画素回路31は、1画素形成部あたり3つのTFT(すなわちスイッチ素子16,21およびアクティブ素子18)と、1つのコンデンサ17と、2本の制御配線Gi,Eiと、1本のソース配線Sjと、1本の電源配線Vrefとにより構成されるため、図2に示す画素回路26に比べて必要なTFTの数や配線の数などを少なくすることができる。このことにより、1画素形成部あたりに配置される素子数が減少するため、有機EL素子22の光をガラス基板であるTFT基板の方向へ取り出す構造(ボトムエミッション構造)の場合には、有機EL素子に割り当てるべき発光面積を広く取ることができる。すなわち、画素形成部全体の面積に占める有機EL素子22の発光面積の比率である開口率を高くすることができる。したがって、単位面積あたりの発光輝度を低く抑えることが可能となるので、素子特性の劣化を抑えることができて好ましい。
【0073】
以上のように、第2の電流源回路29の制御電圧の増大に伴う出力電流の増大値は、第2の電流源回路29に含まれるアクティブ素子33の特性のバラツキによってバラツキが生じる。そこで、第2の電流源回路29の出力電流をプログラムするとき、有機EL素子22の陽極−陰極間で生じると予想される電圧が制御電圧として与える。このことにより電流プログラム時と電流出力時の制御電圧の変化を抑え、その出力電流のバラツキが抑えられることが好ましい。そこで、第1の期間で第2の電流源回路29に基準電位を上記電気素子28へ所望の電流を流すことで発生させ、第2の期間で第1の電流源回路23から上記所望の電流を有機EL素子22へ電流を与えることにより、当該有機EL素子22の陽極−陰極端子間に電圧を発生させ、この電圧を第2の電流源回路29へ与えることにより、当該第2の電流源回路29の電流プログラム時と出力時の制御電圧の変動を抑えられる。その結果出力電流値のバラツキが抑えられ好ましい。このように、基準電位が有機EL素子22の陽極−陰極端子間に発生すると予想される電位とされることにより、第2の電流源回路29を構成するTFTの特性のバラツキによる出力電流値の変動が抑えられ、所望の電流値が得られるので好ましい。
【0074】
また、有機EL素子22の経時変化に伴う印加電圧−電流特性および電流−輝度特性も素子毎にバラツキが生じるので、第2の電流源回路29の制御電圧の増大に伴う出力電流の増大値のバラツキと、有機EL素子22の経時変化に伴う発光輝度のバラツキとにより、当該有機EL素子22が同一の電圧−電流特性を示すときの電流−輝度特性はバラツキが生じる。したがって、本表示装置では、このバラツキのうち最大となる輝度が初期輝度より小さくなるよう設計されることが好ましい。これにより、電流−輝度特性が劣化した有機EL素子22に必要以上の電流を与えることで、その輝度の劣化を加速させないようにすることができる。さらに、電流−輝度特性の劣化が進んでいない有機EL素子22の輝度も低くなるように制御されることが好ましい。このことにより、有機EL素子22の電流−輝度特性が劣化したとき、全体の表示輝度が低下するため、素子特性の劣化が徐々に進んでいることをユーザーに認識させ、買い換え時期を見通すことを可能にする利点が得られる。また、ユーザーが本表示装置を購入して使用し続けると徐々に輝度が低くなるため、相対的に素子の寿命を延ばすことができる利点が得られる。
【0075】
さらにまた、本表示装置では、第2の期間でソース配線Sjに第1の電流源回路23を接続して有機EL素子22へ電流を流すことにより得られる電位が電位保持手段であるコンデンサ12に保持される。その後、当該コンデンサ12により保持された電位が第2の電流源回路29へ与えられることにより、第2の電流源回路29の出力電流が補正されるので、ソース配線Sjに第2の電流源回路29を接続して当該補正された電流値により、アクティブ素子18の出力電流が規定される。この構成では、ソース配線Sjのみが用いられることにより、有機EL素子22の電流−電圧特性に応じたアクティブ素子18の電流値の設定を行うので、画素形成部の開口率を大きく取ることができる。その結果、TFT基板側に発光されるボトムエミッション構造の場合、単位面積あたりの発光輝度がを低く抑えることが可能となるため、素子特性の劣化を抑えることができ好ましい。
【0076】
さらにまた、本表示装置では、第1の期間で基準となる電気素子28に第1の電流源回路23から電流が与えられることにより、当該電気素子28の陽極−陰極端子間に電圧が発生させられ、その電位が電位保持手段であるコンデンサ12により保持される。その後、コンデンサ12により保持された当該電位と、第1の電流源回路23の電流値とに基づき第2の電流源回路29の出力電流が設定される。この構成は、第2の期間で、第1の電流源回路23から有機EL素子22へ与える電流値が多段階で変化する場合に有効となる。ここで、第1の電流源回路23と第2の電流源回路29の電流値の絶対値は、等しく設定されることが好ましい。また、基準となる電気素子28は画素形成部に含まれる有機EL素子22と同様の電圧−電流特性を示すことが好ましい。この基準となる電気素子28の電圧−電流特性が、画素形成部に含まれる有機EL素子22と同様に経時変化すれば、基準となる電気素子28の経時変化とともに、画素の輝度が低下することになるため、有機EL素子22の特性劣化の速度が遅くなるという利点も得られるので好ましい。
【0077】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る表示装置の基本的な構成は、ソースドライブ回路および画素回路の構成および動作が一部異なる点を除き、上記第1および第2の実施形態に係る表示装置52とほぼ同様であるので、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付して詳しい説明を省略する。
【0078】
本実施形態に係る表示装置は、第2の実施形態に係る表示装置よりも、1ゲート配線あたりに必要とされる単位期間t1の割り当て数が少ない点に特徴を有する。確かに、図8の画素回路31に含まれる有機EL素子22の光がTFT基板側から取り出される構造(ボトムエミッション構造)の場合、当該表示装置は、開口率を高くすることができるが、その反面、図10に示すように1ゲート配線あたり6つの単位期間t1を割り当てなければならない。その点、有機EL素子22の光をTFT基板と反対側から取り出す構造(トップエミッション構造)の場合、TFT基板上に配置される素子は開口率に影響しないため、このような構造の表示装置にとっては、1画素形成部あたりの素子数が増加することよりも、1ゲート配線あたりに必要な単位期間t1の割り当て数が増加することの方が問題となることがある。そこで、第二の実施形態の場合よりも1ゲート配線あたりに必要な単位期間t1の割り当て数を減少させた本表示装置の構成について、以下に説明する。
【0079】
図11は、有機EL素子を含む画素回路48および出力回路49の構成例を示す回路図である。図11に示されるように、画素回路48は、図8に示す画素回路31と基本的には同様の構成であるので、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付して詳しい説明を省略する。しかし、本画素回路48は、以下の点が図8に示す画素回路31とは異なる。すなわち、画素回路48に含まれる有機EL素子40は、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる陽極が共通電極Vcom側に配置され、TFT基板側にはアルミニウム等からなる陰極が配置される。そのため、画素回路48に配置される電源配線は負電圧(GND)配線となる。そこで、有機EL素子40に電流を供給するためのアクティブ素子39はnチャネルTFTである。また、アクティブ素子39と有機EL素子40との間にはpチャネルTFTであるスイッチ素子37が接続され、アクティブ素子39およびスイッチ素子37の接続点とソース配線Sjとの間には、nチャネルTFTであるスイッチ素子36が接続され、スイッチ素子36および有機EL素子40の接続点と新たな第3の配線Djとの間には、nチャネルTFTであるスイッチ素子38が接続される。これらのスイッチ素子36,37,38のゲート端子には、制御配線Eiが接続されている。
【0080】
第1の電流源回路45は、アクティブ素子41と、スイッチ素子3,4と、コンデンサ1とを含む。コンデンサ1は、アクティブ素子41のドレイン・ゲート端子間に接続される。スイッチ素子3は、アクティブ素子41のソース・ゲート端子間に接続される。スイッチ素子4は、アクティブ素子41のソース端子と電流設定配線Ipjとの間に接続され、スイッチ素子3,4のゲート端子は制御信号線PAjに接続される。ここで、制御信号線PAjをVH電位とすることによりスイッチ素子3,4をON状態とするとき、電流設定配線Ipjから与えられた電流値が、アクティブ素子41を通過するように、アクティブ素子41のゲート端子に接続されるコンデンサ1の電位が設定される。
【0081】
第2の電流源回路46は、アクティブ素子42と、コンデンサ32,9と、スイッチ素子6,10と、抵抗素子34とを含む。スイッチ素子10は、アクティブ素子42のゲート端子と第1の電流源回路45の出力端子との間に接続される。スイッチ素子6は、アクティブ素子42のソース端子と第1の電流源回路45の出力端子との間に接続される。スイッチ素子6,10のゲート端子には制御信号線PBjが接続される。コンデンサ32は、アクティブ素子42のソース・ゲート端子間に接続される。ここで、制御信号線PBjをVH電位とすることによりスイッチ素子6,10をON状態とするとき、第1の電流源回路46から与えられた電流値がアクティブ素子42によって出力されるよう、アクティブ素子42のゲート端子に接続されるコンデンサ32の電位が設定される。
【0082】
出力回路49は、第1の電流源回路45および第2の電流源回路46のほかに以下の構成を含む。アクティブ素子42のゲート端子には、コンデンサ9を介し、電位保持手段として機能するコンデンサ12が接続される。よって、アクティブ素子42のゲート電位は、コンデンサ12の電位変化にしたがって変化する。このコンデンサ12と、画素形成部に配置される有機EL素子と同一または類似する素子である電気素子43の陰極との間には、スイッチ素子13が接続され、このコンデンサ12と第1の電流源回路45の出力端子との間にはスイッチ素子14が接続される。スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続される。また、第3の配線Djにはスイッチ素子5を介して第1の電流源回路45が接続され、ソース配線Sjにはスイッチ素子11を介して第2の電流源回路46が接続されるとともに、スイッチ素子44を介してOFF電位の電圧設定配線Voffが接続される。さらに、スイッチ素子5のゲート端子には制御信号線SAjが接続され、nチャネルTFTであるスイッチ素子11のゲート端子と、pチャネルTFTであるスイッチ素子44のゲート端子とには、制御信号線SBjが接続される。
【0083】
以上のように構成される出力回路49および画素回路48は、画素形成部に含まれる有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補正するように動作する。この動作について、図12を参照して以下に説明する。
【0084】
図12は、各信号線における電位変化のタイミングを示す図である。図10に示す信号線の電位は、出力回路49の各制御信号線および画素回路48の制御配線に印加される電圧である。
【0085】
時刻0から時刻t1までの間、各制御信号線および各制御配線に印加される電圧は図10に示す電圧と同じであり、各構成要素も同様に動作する。すなわち、図の2行目に示される制御信号線PAjはVH電位とされるため、スイッチ素子3,4はON状態となる。よって、第1の電流源回路45の出力電流値が電流設定配線Ipjにより与えられる電流値に設定される。なお、この電流設定配線Ipjには図示されない複数の電流源回路が接続されており、これらにより多段階の電流値出力が得られる。
【0086】
時刻t1から時刻2t1までの間、制御信号線PAjはVL電位とされるため、スイッチ素子3,4はOFF状態となる。また制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子13,14はON状態となる。よって、第1の電流源回路45の出力電位が電気素子43に流される。
【0087】
時刻2t1から時刻3t1までの間(この期間を「第1の期間」という)、制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子13,14はOFF状態となる。そのため、第1の電流源回路45の出力電位から電流を与えられていたときの電気素子43の陽極−陰極間電圧は、電位保持手段として機能するコンデンサ12に保持される。また、図の4行目に示される制御信号線PBjがVH電位とされるため、スイッチ素子6,10はON状態となる。よって、第1の電流源回路45に設定された電流値は、pチャネルTFTであるアクティブ素子42から引き出される。このとき、pチャネルTFTであるアクティブ素子42のドレイン・ゲート端子間が短絡されるため、第1の電流源回路45よりソース端子に設定電流が引き出される。したがって、pチャネルTFTであるアクティブ素子42のゲート端子の電圧は、このときの電流値を流すべき電圧値に設定される。
【0088】
時刻3t1から時刻4t1までの間(この期間を本実施形態では「第2の期間」という)、制御信号線PBjがVL電位とされるため、スイッチ素子6,10はOFF状態となる。よって、アクティブ素子42のゲート端子の電位が保持される。また、図の6行目に示される制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子14はON状態となる。よって、第1の電流源回路45の出力電位がコンデンサ12へ与えられる。このとき、図の1行目に示される制御信号線SAjがVH電位とされるため、スイッチ素子5はON状態となる。よって、制御配線Eiにより選択された画素Aijの有機EL素子40へ第1の電流源回路45から一定電流が引き出される。すなわち、画素A1jに対応する制御配線E1がVH電位とされるため、スイッチ素子38がON状態となり、第1の電流源回路45から第3の配線Djを介して、対応する画素A1jに含まれる有機EL素子40に所定電流が引き出される。このとき、有機EL素子40の陽極−陰極間電圧は、コンデンサ12に印加される。
【0089】
また、この第2の期間において、図の7行目に示されるゲート配線G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16がON状態となることにより、対応する画素Aijの有機EL素子40が発光状態とされる場合、図の3行目に示される制御信号線SBjがVH電位とされるため、スイッチ素子11はON状態となる。その結果、第2の電流源回路46からソース配線Sj(およびスイッチ素子16,11)を介して画素A1jに含まれるアクティブ素子39へ電流が流れるため、当該アクティブ素子39のゲート電位は、このときの第2の電流源回路46により設定された電流値がアクティブ素子39を流れるように設定される。以上の結果、第2の電流源回路46にはコンデンサ12により保持された画素A1jに含まれる有機EL素子40の陽極−陰極間電圧が印加されるため、その電位の増大とともに電流量が増大する。
【0090】
なお、上記画素Aijに含まれる有機EL素子40を非発光状態とする場合には、図の3行目に示される制御信号線SBjがVL電位とされることにより、スイッチ素子44をON状態とする。この結果、OFF電圧源からソース配線Sjを介して上記画素A1jに含まれるアクティブ素子39のゲート端子へOFF電位が印加されるので、アクティブ素子39はOFF状態となる。
【0091】
以上の結果、画素形成部に含まれる有機EL素子に対してアナログ階調を示す信号が与えられた場合でも、本表示装置では、発光状態による輝度バラツキ(焼き付け現象)が緩和される。
【0092】
以上のように、本表示装置では、ソース配線Sjと並行に第3の配線Djが配置され、ソース配線Sjが第2の電流源回路46に接続され、第3の配線Djが第1の電流源回路45に接続される。そして、第2の期間で、第3の配線Djに第1の電流源回路45から有機EL素子40へ電流が流されることにより生じる電位が第2の電流源回路46へ与えられ、この電位により第2の電流源回路46の出力電流が補正され、補正された当該電流値がソース配線Sjに供給されることによりアクティブ素子39の出力電流が規定される。この構成では、ソース配線Sjの他に新たに第3の配線Djが必要となるが、TFT基板側とは反対方向に発光するトップエミッション構造の場合、この第3の配線Djによって画素の開口率は変化しない。そこで、この構成では、有機EL素子40の電流−電圧特性を得るとき、同時にアクティブ素子39の電流値の設定が行えるため、ゲート配線あたりのアドレス期間を短くすることができるので好ましい。
【0093】
【発明の効果】
第1の発明によれば、第1の電流源回路により記発光素子に対して所定の電流が与えられ、この電流に応じて発光素子に生じる電圧に基づき、第2の電流源回路により、発光素子に与えられるべき電流が決定される。これにより、簡単な回路構成で、発光素子の電流−輝度特性の劣化に伴う画素間の輝度バラツキを軽減して焼き付け現象を緩和し、長期間使用時の表示輝度の低下が抑制されることによる表示品位の改善が望める。
【0094】
第2の発明によれば、第1の期間に、所定の基準電位に基づき発光素子に与えられるべき電流を決定するための電流が設定され、第2の期間に、発光素子に生じる電圧に基づき発光素子に与えられるべき電流が補正される。この構成によれば、アナログ多階調に応じた基準電位に基づきアナログ多階調表示にも対応可能な輝度劣化の補正を実現することができる。また、上記所定の基準電位を発光素子の陽極−陰極間に発生すると予想される電位とすることにより、第2の電流源回路を構成するTFTの特性のバラツキ等による出力電流値の変動が抑えられ、所望の電流値を得ることができる。
【0095】
第3の発明によれば、第1の配線(ソース配線)を介して発光素子に所定の電流が与えられるとともに、第1の配線を介して発光素子に与えられるべき電流を決定するための電流がアクティブ素子に与えられる。この構成により、画素の開口率を大きく取ることができ、ボトムエミッション構造の場合に、画素形成部の面積あたりの発光輝度を低く抑えらることが可能となるため、素子特性の劣化を抑えることができるので好ましい。
【0096】
第4の発明によれば、第3の配線を介して発光素子に所定の電流が与えられ、第1の配線を介して発光素子に与えられるべき電流を決定するための電流がアクティブ素子に与えられる。これにより、第2の配線(ゲート配線)あたりのアドレス期間を短くすることができるため好ましい。なお、この構成は、画素の開口率の低下の心配がないトップエミッション構造の場合に、特に有効である。
【0097】
第5の発明によれば、発光素子に与えられるべき電流を決定するための基準となる電位を生じさせる電気素子を備えることにより、アナログ多階調表示に必要な基準電位を簡易に得ることができ、かつ電気素子の経時変化とともに、画素の輝度が低下するため、発光素子の特性劣化の速度が落ちるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す概略図である。
【図2】上記実施形態における有機EL素子を含む画素回路および出力回路の構成例を示す回路図である。
【図3】上記実施形態における出力回路の出力電流設定動作のタイミングを示す図である。
【図4】上記実施形態における各信号線の電位変化のタイミングを示す図である。
【図5】上記実施形態における有機EL素子が定電流で駆動される場合の陽極−陰極間電圧の時間的変化と一定輝度で駆動される場合の電流値との時間的変化を示す図である。
【図6】上記実施形態における有機EL素子に一定電流を与えるときの印加電圧と一定輝度を保つために必要な電流値との関係を示す図である。
【図7】上記実施形態における第2の電流源回路に含まれるコンデンサに対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における有機EL素子を含む画素回路および出力回路の構成例を示す回路図である。
【図9】上記実施形態における第2の電流源回路に含まれるコンデンサに対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。
【図10】上記実施形態における各信号線の電位変化のタイミングを示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における有機EL素子を含む画素回路および出力回路の構成例を示す回路図である。
【図12】上記実施形態における各信号線の電位変化のタイミングを示す図である。
【図13】従来の画素回路の構成例を示す回路図である。
【図14】従来のドライバ回路の構成を示す回路図である。
【図15】従来の画素回路に含まれる或る有機EL素子に対して一定の電流を流したときの発光輝度の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1,8,9,12,17,32 …コンデンサ、
2,18,37,42,44 …pチャネルTFT、
3,4,5,6,7,10,11,13,14,15,16,19,20,21,33,36,38,39,41 …nチャネルTFT、
22,40 …有機EL素子、
23,45 …第1の電流源回路、
24,29,46 …第2の電流源回路、
25,30,47 …基準電位回路、
26,31,48 …画素回路、
27,35,49 …出力回路、
28,43 …電気素子
34 …抵抗素子
Sj …ソース配線
Gi …ゲート配線
Ei,Fi,Hi …制御配線
Vref …電源配線
PAj,PBj,PCj,SAj,SBj,SCj,SDj …制御信号線
Ip,Ipj …電流設定配線
V0,Voff …電圧設定配線
Vcom …共通電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(Field Emission Display)等の電流駆動素子を用いた表示装置に関し、より詳しくは当該表示装置におけるドライバ回路や画素回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機ELディスプレイやFEDディスプレイ等の電流駆動発光素子が用いられたディスプレイの研究開発が活発に行われている。特に有機ELディスプレイは、低電圧・低消費電力で発光が可能であるため、携帯電話やPDA( Personal Digital Assistants)などの携帯機器用のディスプレイとして注目されている。
【0003】
この有機ELディスプレイの駆動回路を例示して説明する。図13は、従来の画素回路の構成例を示す回路図である(非特許文献1参照)。この画素回路は、電流駆動発光素子である有機EL素子124と、この有機EL素子124に電流を与えて駆動する駆動用TFT(Thin Film Transistor)119と、この駆動用TFT119を制御する選択用TFT122と、スイッチング制御を行うスイッチ用TFT121,123と、コンデンサ120とを備える。上記駆動用TFT119のソース端子は電源配線Vrefおよびコンデンサ120の一端に接続され、そのドレイン端子はスイッチ用TFT123を介して有機EL素子124の陽極(アノード端子)に接続され、そのゲート端子はスイッチ用TFT121を介して選択用TFT122のドレイン端子に接続されるとともにコンデンサ120の他端に接続される。選択用TFT122のソース端子は、図示されないソースドライバ回路の電流源に繋がるソース配線Sjに接続され、そのゲート端子は、スイッチ用TFT121,123のゲート端子とともにゲート配線Giに接続される。また、有機EL素子124の陰極(カソード端子)は共通電極Vcomに接続される。
【0004】
この画素回路では、スイッチ用TFT123がOFF状態とされ、選択用TFT122およびスイッチ用TFT素子121がON状態とされるとき、電源配線Vrefからソース配線Sjへ電流が流れる。この電流の量を図示されないソースドライバ回路の電流源で制御することにより、駆動用TFT素子119の閾値電圧や電子移動度とは無関係に、駆動用TFT素子119からソースドライバ回路で規定された電流量が流れるように、駆動用TFT素子119のゲート電圧が設定される。その後、選択用TFT122およびスイッチ用TFT素子121がOFF状態とされ、スイッチ用TFT123がON状態とされるとき、コンデンサ120に駆動用TFT素子119のゲート電圧が保持されるため、駆動用TFT素子119から有機EL素子124へ規定された上記の電流量が流れ続ける。
【0005】
しかし、有機EL素子124のような電流駆動発光素子では、時間経過とともに同一電流値に対する発光輝度の低下が見られる。特に、有機EL素子ではこの供給電流値に対する発光輝度の低下、すなわち供給電流−発光輝度特性の劣化が顕著である。そのため、表示パネル内の各発光素子における発光履歴の違いに基づき発生する輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下を解消ないし抑制することは、有機ELディスプレイを実用化するために解決すべき課題の1つとなっている。
【0006】
この点、従来のドライバ回路には、有機EL素子の供給電流−発光輝度特性の劣化を補償するものがある(例えば、特許文献1参照)。図14は上記ドライバ回路の構成を示す回路図である。このドライバ回路は、電源配線Pjと、定電圧源Vrefと、定電流源112,117と、スイッチ回路110と、EL素子104,105と、選択用TFT101と、駆動用TFT102と、コンデンサ103と、ゲート配線Giと、ソース配線Pjと、A/D変換回路111,114と、輝度補正回路113と、輝度情報メモリ115と、D/A変換回路107と、電圧増幅回路108とを備える。
【0007】
上記スイッチ回路110は、電源配線Pjに対し定電圧源Vrefまたは定電流源112を選択的に接続する。電源配線Pjに対し定電流源112が接続される場合(この場合を以下では「測定モード」という)、選択用TFT101のゲート端子に接続されるゲート配線Giに対してON電圧が供給されることにより発光する有機EL素子104の電流−電圧特性の経年変化が測定される。この測定モードでは、定電流源112より供給される電流が複数の有機EL素子104のいずれかの陽極に印加されるが、当該陽極電圧をA/D変換回路111でデジタルデータ化することにより得られる当該有機EL素子104の電流−電圧特性は、順に輝度情報メモリ115に書き込まれる。なお、この輝度情報メモリ115へのデータ書き込み時またはデータ読み出し時には、比較のために設けられる有機EL素子105の陽極電圧をA/D変換回路111でデジタルデータ化することにより得られる電流−電圧特性が参照される。また、電源配線Pjに対し定電圧源Vrefが接続される場合(この場合を「表示モード」という)、記憶された輝度情報メモリ115のデータをD/A変換回路107によりアナログデータ化することにより得られるアナログ電圧値が、制御信号として電圧増幅回路108に与えられる。図示されないソースドライバ回路から与えられる表示データ106の電圧は、この電圧増幅回路108によって有機EL素子104の輝度劣化特性が考慮された電圧に補正され、当該電圧はソース配線Sjを介して対応する有機EL素子104を駆動する駆動用TFT102のゲート端子に接続されるコンデンサ103により保持される。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−229513号公報
【特許文献2】
特開2002−278513号公報
【特許文献3】
特開2002−278514号公報
【非特許文献1】
M.T.ジョンソン(M.T.Johnson )、他5名,「アクティブマトリクス ポリLED ディスプレイ(Active Matrix PolyLED Displays)」,IDW’00,2000年,p.235−238
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の画素回路だけで有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補償することはできない。図15は、或る有機EL素子に対して一定の電流を流したときの発光輝度の経時変化を示す図である。図では、初期輝度を1とする標準化輝度の時間的変化が正方形の測定点を繋ぐ線(a)として示され、(陽極−陰極間)電圧の時間的変化が菱形の測定点を繋ぐ線(b)として示されている。このように、電流駆動発光素子、特に図15に示すような有機EL素子は、電流−輝度特性が経時劣化する。そのため、与えられる電流によりプログラム(すなわち所定輝度が設定)される画素回路であっても、画素を表示する有機EL素子の発光履歴によっては輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下が発生するという課題がある。
【0010】
また、特開2002−229513号公報(特許文献1)に開示されるドライバ回路では、有機EL素子の電流−電圧特性を測定することにより、上記電流−輝度特性の経時変化を予測し補正する。しかし、この構成では、有機EL素子の電流−電圧特性をデジタルデータ化するためのA/D変換回路と、当該デジタルデータを保持するためのメモリ素子と、輝度劣化補正処理を行う回路と、デジタルデータを再度アナログ電圧化するためのD/A変換回路が少なくとも必要となる。具体的には、少なくともA/D変換回路およびD/A変換回路がソース配線Sj毎に1つずつと、有機EL素子の個数に等しいメモリ素子とが必要となる。しかし、現在の低温ポリシリコンTFTのデザインルールによれば、ソース配線毎に6bitのD/A変換回路を組み込むのが限界であり、更にA/D変換回路やメモリまで組み込まなければならない上記ドライバ回路は、回路規模が大きくなりすぎるため実用的とはいえない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、簡易な回路構成によって、電流駆動発光素子の電流−輝度特性の経時変化に対する補正を行うことにより、電流駆動発光素子の輝度のバラツキ(焼き付け現象)や表示輝度の低下を抑制することができる表示装置を提供することである
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、所定の第1および第2の配線の交差点近傍の領域に配置され、電流により駆動される電気光学素子と、当該電気光学素子に与えるべき出力電流を制御可能に構成されるアクティブ素子とを含む画素形成部を複数備えるとともに、外部から与えられるデータ信号に基づき前記第1の配線を駆動するドライブ回路を備えるアクティブマトリクス型の表示装置であって、
前記ドライブ回路は、
前記電気光学素子に対して所定の電流を与える第1の電流源回路と、
与えられる制御電圧によって出力電流が制御される電圧制御型の電流源である第2の電流源回路とを含み、
前記第2の電流源回路は、前記第1の電流源回路により与えられる所定の電流に応じて前記電気光学素子に生じる電圧に基づき、前記アクティブ素子により前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定する電流を出力することを特徴とする。
【0013】
一般に有機EL等の電流駆動素子へ一定電流を与えたとき、発光輝度は経時変化と供に減少する。このとき、この電流駆動素子へ一定電流を与えるのに必要な印加電圧も、経時変化と供に増大する。そこで、画素毎に配置された電流駆動素子へ一定電流を与え、その一定電流を与えるのに必要な印加電圧を調べれば、上記電気光学素子の経時変化が判る。そして、その経時変化に合わせて、電気を与えることにより光学的特性が変化する素子である上記電気光学素子へ与える電流値を補正すれば、上記電気光学素子の輝度劣化を補償できる。そこで、上記構成のように、ドライバ回路では電気光学素子へ所定電流を与える第1の電流源回路と、その時の電気光学素子に発生した電圧により、出力電流を補正できる第2の電流源回路を持つことで、電気光学素子の輝度劣化を補正し、本発明の課題を解決できる。
この第2の電流源回路の出力電流は以下のように設定する。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2の電流源回路は、
所定の第1の期間には、所定の基準電位が与えられることにより、当該基準電圧によって決定される出力電流が前記所定の電流に等しくなるように前記制御電圧と前記出力電流との関係を設定し、
前記第1の期間経過後の所定の第2の期間には、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより前記出力電流を決定し、
前記第1の電流源回路は、前記第2の期間に、前記電気光学素子に前記所定の電流を与えることにより前記電気光学素子に生じる電圧を前記第2の電流源回路に与えることを特徴とする。
【0015】
上記第2の電流源回路は電圧制御電流出力源となるが、この第2の電流源回路は制御電圧振幅の増大に伴い出力電流値がバラツキを生じることがある。しかし上記手法により、上記基準電位を調整することで、上記第2の電流出力回路の印加電圧−出力電流特性のバラツキを抑えられるので好ましい。即ち、例えば予め所望の電流値において上記電気光学素子の陽極/陰極間で発生すると予想される平均電圧を上記基準電位として用いれば、その基準電圧と実際に上記電気光学素子の陽極/陰極間で発生する電位の差が小さくなり、上記制御電圧振幅の増大に伴い出力電流値がバラツキを抑えられるので好ましい。そして、この基準電位をユーザーが外部から設定可能としたり、周囲温度に合わせて自動調整したりできるので好ましい。
【0016】
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記ドライブ回路は、前記電気光学素子に生じる電圧を保持して前記第2の電流源回路に与える電位保持手段をさらに含み、
前記第1の電流源回路は、前記第1の配線を介して前記電気光学素子に前記所定の電流を与えることにより前記電気光学素子に電圧を生じさせ、
前記第2の電流源回路は、前記電位保持手段により保持される電圧が与えられることにより決定される出力電流を前記第1の配線を介して前記アクティブ素子に流すことにより、当該アクティブ素子によって前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定することを特徴とする。
【0017】
上記構成では、第1の配線(例えばソース配線)のみを用いて、上記電気光学素子に電圧を生じさせて当該電圧に基づき上記アクティブ素子の電流値設定が行えるので、画素の開口率(画素面積に占める電気光学素子の比率)を大きく取ることができる。その結果、例えばアクティブ基板(TFT基板)側が電気光学素子の発光面側に配置される場合、単位面積あたりの発光輝度を低く抑えられ、特性劣化を抑えることができ好ましい。
【0018】
第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記第1の配線と略平行に配置される所定の第3の配線をさらに備え、
前記第1の電流源回路は、前記第3の配線を介して前記電気光学素子に前記所定の電流を与え、
前記第2の電流源回路は、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより決定される出力電流を前記第1の配線を介して前記アクティブ素子に流すことにより、当該アクティブ素子によって前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定することを特徴とする。
上記構成では、第1の配線(例えばソース配線)の他に第3の配線も必要とするが、例えばアクティブ基板(TFT基板)側が電気光学素子の発光面と反対側の場合、第3の配線が増えても画素の開口率(画素面積に占める電気光学素子の比率)は変わらない。そこで、上記構成では上記電気光学素子に電圧を生じさせるのと同時に、上記アクティブ素子の電流値設定が行えるので、第2の配線(例えばゲート配線)あたりのアドレス期間を短くでき好ましい。
【0019】
第5の発明は、第1から第4までのいずれか1つの発明において、
前記ドライブ回路は、
前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定するための基準となる基準電圧を生じさせる電気素子と、
前記電気素子に流される電流に応じて生じる前記基準電圧を保持して前記第2の電流源回路に与える電位保持手段とを含み、
前記第1の電流源回路は、前記電気素子へ所定の電流を流すことにより、前記電位保持手段に保持されるべき前記基準電圧を生成し、
前記第2の電流源回路は、前記電位保持手段により保持される前記基準電圧が与えられることにより決定される出力電流が前記所定の電流に等しくなるように前記制御電圧と前記出力電流との関係を設定した後、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより前記出力電流を決定することを特徴とする。
【0020】
上記第2の電流源回路は電圧制御電流出力源となるが、この第2の電流源回路は制御電圧振幅の増大に伴い出力電流値がバラツキを生じることがある。そこで、第2の電流源回路の出力電流を設定するとき、例えば電気光学素子の陽極/陰極間で予想される電圧を制御電圧として与え、制御電圧増大に伴う出力電流増大値のバラツキを抑えることが好ましい。そこで、例えば上記電気素子の印加電圧−電流特性を画素に配置した上記電気光学素子の印加電圧−電流特性に似せておく。そして、この電気素子へ所望の電流を与え、その発生した電圧を第2の電流源回路の電流設定時の基準電位とする。その結果、上記制御電圧の上記所望の電流が多段階にわたり変化しても、出力電流のバラツキを抑えられるので好ましい。また、この基準となる電気素子の電圧−電流特性が、画素形成部に含まれる電気光学素子と同様に経時変化すれば、この基準となる電気素子の経時変化と供に、画素の輝度が低下するので、電気光学素子の特性劣化の速度が落ちるという効果も発生し、好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。なお、本発明の各実施形態において用いられるスイッチング素子は低温ポリシリコンTFTやCG(Continuous Grain(連続粒界結晶))シリコンTFTなどで構成することが可能であるが、以下ではCGシリコンTFTが用いられることとする。このCGシリコンTFTの構成に関しては、犬飼和孝、他7名(半導体エネルギー研究所),「4.0インチTFT−OLEDディスプレイおよび新ディジタル駆動方法(4.0−in. TFT−OLED Displays and a Novel Digital Driving Method)」,SID’00 Digest,2000年,p.924−927等において開示されているので、その詳細な説明は省略する。また、CGシリコンTFTの製造プロセスに関しては、高山徹、他6名(半導体エネルギー研究所),「連続粒界結晶シリコン技術とアクティブマトリクスディスプレイへの応用( Continuous Grain Silicon Technology and Its Applications for Active Matrix Display)」,AM−LCD2000,2000年,p.25−28等において開示されているので、その詳細な説明は省略する。さらに、以下の実施形態において用いられる電気光学素子である有機EL素子の構成については、R.H.フレンド(R.H.Friend),「平面パネルディスプレイ用ポリマー発光ダイオード(Polymer Light−Emitting Diodes for use in Flat Panel Displays)」,AM−LCD’01,2001年,p.211−214等において開示されているので、その詳細な説明は省略する。なお、本明細書において、電気光学素子とは、有機EL素子の他、FED、LED、電荷駆動素子、液晶、Eインク(Electronic Ink)など、電気を与えることにより光学的な特性が変化する全ての素子をいうものとする。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す概略図である。本表示装置52は、ソースドライブ回路50と、このソースドライブ回路50に接続される複数のソース配線S1〜Sm(mは所定の自然数)と、ゲートドライブ回路51と、このゲートドライブ回路51に接続される複数のゲート配線G1〜Gn(nは所定の自然数)と、隣り合う2つのソース配線と隣り合う2つのゲート配線とに囲まれた領域近傍の所定領域に設けられており表示画素を形成する画素形成部(以下では単に「画素」ともいう)Aijとを備える。なお以下では、複数のソース配線S1〜Smのうちの1つをソース配線Sj(jは1からmまでの自然数)とよび、複数のゲート配線G1〜Gnのうちの1つをゲート配線Gi(iは1からnまでの自然数)とよぶ。
【0023】
前述のように、本実施形態における画素Aijの発光素子には、有機EL素子が用いられる。図2は、この有機EL素子を含む画素回路および後述する出力回路の構成例を示す回路図である。この画素回路26は、電気光学素子である有機EL素子22と、この有機EL素子22へ流すべき電流値を制御するアクティブ素子18と、コンデンサ17と、流すべき電流に対する導通状態と遮断状態とを切り替えるスイッチ素子16,19,20,21とを備える。なお、この表示装置では、アクティブ素子18もスイッチ素子16,19,20,21も同じくTFTにより構成されるが、アクティブ素子18とスイッチ素子16,19,20,21とは上述のようにその機能が異なるため、ここでは異なる名称を与えて区別する。
【0024】
この画素回路26では、アクティブ素子18のゲート端子とソース配線Sjとの間にはスイッチ素子16が接続され、そのドレイン端子とソース配線Sjとの間にはスイッチ素子21が接続され、そのソース端子と電源配線Vrefとの間にはスイッチ素子19が接続される。また、コンデンサ17の一端は、アクティブ素子18のゲート端子に接続され、コンデンサ17の他端は、電源配線Vrefに接続される。さらに、有機EL素子22の陽極は、スイッチ素子20を介してアクティブ素子18のドレイン端子に接続され、有機EL素子22の陰極は共通電極Vcomに接続される。さらにまた、スイッチ素子16のゲート端子にはゲート配線Giが接続され、スイッチ素子19のゲート端子には制御配線Fiが接続され、スイッチ素子20のゲート端子には制御配線Hiが接続され、スイッチ素子21のゲート端子には制御配線Eiが接続される。これらの制御配線Fi,Hi,Eiは、ゲート配線Giと並行に配置されており、表示装置全体ではそれぞれn本ずつが備えられる。また、これらの制御配線Fi,Hi,Eiは、ゲートドライバ回路51に含まれる図示されない所定の制御部に接続されている。
【0025】
画素回路26のソース配線Sjは、図1に示すソースドライブ回路50に接続される。このソースドライブ回路50は、外部から与えられるデータ信号DAijを図示しないシフトレジスタ回路で転送した後、これをラッチ回路で保持し、この保持値に基づき、内蔵されるm個の電流発生回路により電流値が作られる。この電流値に基づきソースドライブ回路50に含まれるm個のうちのj番目の出力回路27は、対応するソース配線Sjに電流を供給する。本表示装置は、この出力回路27に特徴を有している。以下、図2を参照して、出力回路27につき説明する。
【0026】
図2に示すように、出力回路27は、第1の電流源回路23と、第2の電流源回路24とを含む。第1の電流源回路23は、画素回路26に繋がるソース配線Sjにスイッチ素子5を介して接続され、第2の電流源回路24は、当該ソース配線Sjにスイッチ素子11を介して接続される。また、スイッチ素子5のゲート端子には制御信号線SAjが接続され、スイッチ素子11のゲート端子には制御信号線SBjが接続される。これらの制御信号線SAj,SBjおよび後述する制御信号線SCj,PAj,PBj,PCjは、ソーストドライバ回路50に含まれる図示されない所定の制御部に接続される。
【0027】
第1の電流源回路23は、アクティブ素子2と、コンデンサ1と、スイッチ素子3,4とを含む。コンデンサ1は、アクティブ素子2のソース端子とゲート端子との間に接続される。スイッチ素子3は、アクティブ素子2のドレイン端子とゲート端子との間に接続される。スイッチ素子4は、アクティブ素子2のドレイン端子と電流設定配線Ipとの間に接続される。これらのスイッチ素子3,4のゲート端子には制御信号線PAjが接続される。また、電流設定配線Ipには、図示されない定電流源から、選択された画素形成部へ入力されるべき電流が供給される。この第1の電流源回路23では、スイッチ素子3,4が制御信号線PAjからの信号によりON状態とされるとき、電流設定配線Ipから与えられる電流値がアクティブ素子2から出力されるように、アクティブ素子2のゲート端子に繋がるコンデンサ1の電位が設定される。
【0028】
第2の電流源回路24は、アクティブ素子7と、コンデンサ8,9と、スイッチ素子6,10とを含む。コンデンサ8,9の一端はアクティブ素子7のゲート端子に接続され、コンデンサ8の他端は接地され、コンデンサ9の他端は後述する電位保持手段として機能するコンデンサ12に接続される。スイッチ素子10は、アクティブ素子7のゲート端子と第1の電流源回路23の出力端子(すなわちアクティブ素子2のドレイン端子)との間に接続される。スイッチ素子6は、アクティブ素子7のソース端子と第1の電流源回路23の出力端子との間に接続される。これらのスイッチ素子6,10のゲート端子には制御信号線PBjが接続される。この第2の電流源回路24では、スイッチ素子6,10が制御信号線PBjからの信号によりON状態とされるとき、第1の電流源回路23から与えられる出力電流値がアクティブ素子7から出力されるように、アクティブ素子7のゲート端子に繋がるコンデンサ8の電位が設定される。
【0029】
さらに、出力回路27は、第1の電流源回路23および第2の電流源回路24のほかに以下の構成を含む。アクティブ素子7のゲート端子には、コンデンサ9を介し、電位保持手段として機能するコンデンサ12が接続される。よって、アクティブ素子7のゲート電位は、コンデンサ12の電位変化にしたがって変化する。このコンデンサ12と電圧設定配線V0の基準電位を示す信号を出力する基準電源回路25との間には、スイッチ素子13が接続され、このコンデンサ12と第1の電流源回路23の出力端子との間にはスイッチ素子14が接続される。また、スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続される。
【0030】
なお、本実施形態における上記基準電源回路25の基準電位は、外部から抵抗分圧回路等により与えられるものとする。この構成によれば、外部のユーザーにより基準電位を設定することが可能となるため、表示パネルの輝度が自由に調整できる利点が得られる。
【0031】
上述のように構成される出力回路27および画素回路26は、画素形成部に含まれる有機EL素子の供給電流値に対する発光輝度の低下、すなわち有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補正するように動作する。この動作について、以下に説明する。
【0032】
ここで、上述のように電圧設定配線V0の基準電位は外部から供給されることから一定値となるため、第1の電流源回路23から各画素Aijに含まれる有機EL素子22へ与えられる電流値は一定であることが好ましい。この第1の電流源回路23から出力される電流値を設定するため、制御信号線PAjをHIGHレベル(ON電位)を示すVH電位とすることにより、スイッチ素子3,4をON状態とし、アクティブ素子2のドレイン・ゲート間を短絡させアクティブ素子2から電流設定配線Ipへ向け所定の電流を流す。このことにより、第1の電流源回路23の(アクティブ素子2から出力される)電流値が設定される。その後、制御信号線PAjをVL電位として、スイッチ素子3,4をOFF状態とし、更に制御信号線PBj,PCjをVH電位とすることにより、スイッチ素子6,10,13をON状態とする。このことにより、第2の電流源回路24へ電圧設定配線V0の基準電位が与えられ、第1の電流源回路23から第2の電流源回路24へ電流が供給される。そして、この電流が流れるように、第2の電流源回路24の(アクティブ素子7のゲート電位が設定され、その)出力電流値が設定される。このような出力電流の設定動作は、m個の出力回路27につき順次行われる。図3は、上記出力電流設定動作のタイミングを示す図である。図3に示すように、制御信号線PAjをVH電位とした後、制御信号線PBj,PCjをVH電位とする動作が、j=1からj=mまで順番に繰り返される。
【0033】
以上のように、第1の電流源回路23および第2の電流源回路24の出力電流値が基準電位印加時での電流値により設定された後、以下に説明する所定のタイミングで第1の電流源回路23により画素Aijに含まれる有機EL素子22へ電流が供給されるとともに、それにより得られた電圧に基づき、第2の電流源回路24からの出力電流値が補正される。この補正電流値に基づき、画素Aijに含まれるアクティブ素子18の出力電流が設定される点に本表示装置の特徴がある。以下、この動作について、図4を参照して説明する。
【0034】
図4は、各信号線における電位変化のタイミングを示す図である。図4に示す信号線の電位は、出力回路27の各制御信号線および画素回路26の制御配線に印加される電圧である。なお、図4に示す制御信号線SAj,SBj,SCj,および図4に示されない制御信号線PAj,PBj,PCjと、図4に示す制御配線Fi(F1,F2,F3,…),Ei(E1,E2,E3,…),Hi(H1,H2,H3,…)とは、前述した図示されない所定の制御部にそれぞれ接続されており、これらの制御装置により所定のタイミングでの電位変化が与えられる。また、図に示す1フレーム期間は、複数のフィールド期間からなり、その各フィールド期間において、図1に示す画素A1jから画素Anjまでに含まれる各アクティブ素子18の出力電流が規定されることにより、時間分割による多階調表示が実現される。
【0035】
まず、時刻0から時刻t1までの間(以下この長さの期間を「単位期間t1」という)、図の3行目に示される制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子14はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電位が第2の電流源回路24に与えられる。また、図の1行目に示される制御信号線SAjはVH電位とされるため、スイッチ素子5はON状態となる。よって、制御配線Ei(ここでは図の6行目に示される制御配線E1)により選択された画素Aij(ここでは画素A1j)の有機EL素子22に対し、第1の電流源回路23から一定電流が供給される。すなわち、画素A1jに対応する制御配線E1と制御配線H1がVH電位とされ、制御配線F1はLOWレベル(OFF電位)を示すVL電位とされるため(なお、制御配線G1はVH電位でもVL電位でもよい)、スイッチ素子21,20はON状態となり、スイッチ素子19はOFF状態となる。よって、第1の電流源回路23からソース配線Sjを介して、対応する画素A1jに含まれる有機EL素子22に一定電流が供給される。
【0036】
ここで、前述の図15に示すように、有機EL素子22が定電流で駆動される場合の陽極(アノード)−陰極(カソード)間電圧は、電流−輝度特性の劣化とともに増加する。したがって、この有機EL素子22へ第1の電流源回路23から一定電流を供給する以上、その第1の電流源回路23からの出力電圧は、有機EL素子の陽極−陰極間電圧の増大とともに増大するため、結局、有機EL素子22の電流−輝度特性の劣化とともに増加することになる。そして、この電流源回路23の出力電圧の増加は、その電位が増加する分だけコンデンサ9を介してアクティブ素子7のゲート端子電位を増加させるように働く。
【0037】
次に、時刻t1から時刻2t1までの間、制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子14はOFF状態となる。よって、コンデンサ12の電位が保持される。また、制御信号線SAjはVL電位とされるため、スイッチ素子5はOFF状態となり、制御信号線SBj(但し対応するデータ信号DAijが「1」であるソース配線Sjに限られる)はVH電位とされるため、スイッチ素子11はON状態となる。よって、第2の電流源回路24からコンデンサ12の電位により補正された電流値がソース配線Sjに供給される。ここで、画素A1jに対応する制御配線H1がVL電位とされるため、スイッチ素子20はOFF状態となり、制御配線F1がVH電位とされるため、スイッチ素子19はON状態となり、制御配線(ゲート配線)G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16はON状態となる。この結果、電源配線Vrefからアクティブ素子18(およびスイッチ素子21,11)を通って第2の電流源回路24に電流が流れる。また、アクティブ素子18のゲート電位は、このときの第2の電流源回路24により設定された電流値がアクティブ素子18を流れるよう設定される。以上の結果、アクティブ素子18に設定される電流値は、有機EL素子22へ所定の電流を流すために必要な陽極−陰極間電圧の増大とともに増加する。
【0038】
次に、時刻2t1から時刻4t1までの間は、次の画素A2jの選択動作等が行われるが、その動作は時刻0から時刻2t1までの上記動作と同様であり、その後もこの動作が同様に繰り返されるため、以後の説明は省略する。
【0039】
ここで、有機EL素子において、一定電流を与えるときの印加電圧の変化(電流−電圧特性)と、一定輝度を保つために必要な電流値の変化(電流−輝度特性)とについて、図5を参照して説明する。図5は、有機EL素子が定電流で駆動される場合の陽極−陰極間電圧の時間的変化と一定輝度で駆動される場合の電流値との時間的変化を示す図である。図では、上記電圧の時間的変化が菱形の測定点を繋ぐ線(a)として示され、上記電流の時間的変化が正方形の測定点を繋ぐ線(b)として示されている。図に示されるように、有機EL素子の電流−輝度特性劣化を補償するためには、有機EL素子に流すべき電流値を、電圧の増加とともに増やす必要がある。そこで、上記第1の電流源回路23は、有機EL素子22に対して所定の電流を与え、その有機EL素子22の陽極−陰極間電圧の変化に基づき、第2の電流源回路24からの出力電流を補正する。このことにより、有機EL素子22へ流すべき電流値を有機EL素子の電流−輝度特性の劣化とともに増大させることができるため、その輝度劣化を補正することが可能となる。
【0040】
また、データ信号DAijが「0」であるソース配線Sjに対応する制御信号線SBjは、時刻t1から時刻2t1までの間もVL電圧とされるため、ソース配線Sjから流れ出る電荷の経路が遮断される。その結果、当該ソース配線Sjの電位はアクティブ素子18がOFF状態となるまで増加し、電源配線Vrefからアクティブ素子18の閾値電位が差し引かれた電位で安定する。この電位はアクティブ素子18のゲート電圧とされるため、結局アクティブ素子18には電流が流れない条件が設定されることになる。
【0041】
なお、上記輝度補正動作は、各有機EL素子の発光輝度を直接測定して補正しているわけではない。そのため、図5に示す有機EL素子の電流−電圧特性と電流−輝度特性との関係のバラツキや、第2の電流源回路24に含まれるアクティブ素子7の閾値や移動度などの特性のバラツキにより、各有機EL素子の輝度は変化する。そこで、上記バラツキ範囲の最大輝度が初期輝度より小さくなるように、図2に示すコンデンサ8,9,12の容量比を調整することが好ましい。この調整により、電流−輝度特性が劣化した有機EL素子に対して初期設定電流より多くの電流が与えられることがなくなるため、輝度劣化の加速的な進行を抑制することができる。ここで、全ての有機EL素子には補正された電流が与えられるため、補正されない電流が与えられる場合よりもその輝度は比較的高くなる。したがって、全ての有機EL素子の輝度劣化が緩和される。
【0042】
以上のように、一般に有機EL素子等の電流駆動型の発光素子へ一定電流を与えたとき、その発光輝度は経時変化とともに減少し、また、この電流駆動型の発光素子へ一定電流を与えるために必要な印加電圧も、経時変化とともに増大する。そこで、上記アクティブ素子18の出力電流値がソース配線Sjから供給された電流により設定されるように画素回路26を構成し、ソース配線Sjへ(電流プログラム用の)第2の電流源回路24から電流を供給する。ここで、第2の電流源回路24は電圧制御・電流出力の回路構成とされるため、制御電圧を増大させることにより、出力電流を増大させることができる。よって、この制御電圧として有機EL素子22へ一定電流を与えたとき得られた印加電圧を用いることにより、この有機EL素子22の特性が経時変化するほど、より多くの電流値が発生するように、第2の電流源回路24を構成できる。このことにより、有機EL素子22の特性の経時変化とともに、その有機EL素子22へ与えられる電流値が増大させられるため、表示装置の輝度低下を抑える効果が得られる。
【0043】
また、上記第2の電流源回路24へ与えられる電圧設定配線V0の基準電位は外部から抵抗分圧等で与えられる。この構成は、第1の電流源回路23から上記有機EL素子22へ与えられる電流値が一定の場合(または電流が流れるか流れないかの2値状態をとる場合)にのみ有効となる。なぜなら、もし上記有機EL素子22へ与えられる電流値が変動するならば、陽極−陰極間電圧もまた変動するため、変動が経時変化によるものなのか、電流変化によるものなのかが判別しにくくなるからである。これにより、ユーザーは外部から基準電位を設定して輝度を変更することができ、また温度変化等にかかわらず基準電位が一定に保たれるといった利点が得られる。
【0044】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る表示装置の基本的な構成は、ソースドライブ回路および画素回路の構成および動作が一部異なる点を除き、上記第1の実施形態に係る表示装置52とほぼ同様である。そこで、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付してその詳しい説明を省略する。本実施形態の表示装置は、上記図2に示す電流源回路24よりもTFT特性のバラツキに基づく出力電流の影響が小さくなる電源回路を備える。まず、このTFT特性のバラツキに基づく影響について説明する。
【0045】
図6は、図5に示す一定電流を与えるときの印加電圧と、一定輝度を保つために必要な電流値との関係を示す図である。図中の横軸は、上記印加電圧であり、縦軸は、上記電流値である。また、図中の直線A−A’は、上記関係の近似直線である。この直線A−A’が示すように、電圧の変化量ΔVと電流の変化量ΔIの間にはほぼ比例関係が成立する。そこで、本実施形態における第2の電流源回路は、与えられる有機EL素子の陽極/陰極間電圧の変化量ΔVに対し、出力する電流値の変化量ΔIがほぼ比例するように構成されることが好ましい。
【0046】
図7は、図2に示す第2の電流源回路24に含まれるコンデンサ12に対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。なお、図の縦軸は印加電圧であり、横軸は出力電流である。また、図中の線は、TFTの閾値vthおよび移動度μが所定の値に設定されるときの印加電圧に対する出力電流の変化を示す。ここでは、TFTの閾値vthおよび移動度μの値が条件1から条件5までの5種類の異なる条件として設定されることにより、それぞれの条件における印加電圧と出力電流との関係がTFT特性のバラツキを示すものとしてシミュレーションされる。
【0047】
図7に示すように、コンデンサ12への印加電圧が4Vのときの出力電流は、条件1から条件5までほぼ同じような値となる。これは、第2の電流源回路24の出力電流を設定するときのコンデンサ12の電圧が上記4Vとなるよう設定したためである。にもかかわらず、出力電流に上記各条件毎のバラツキが見られるのは、スイッチ素子7のゲート・ドレイン間の浮遊容量に基づきそのゲート電圧が変化するためであると考えられる。
【0048】
ここで、図2に示す第2の電流源回路24に含まれるアクティブ素子7のゲート電圧Vgが変化したとき、アクティブ素子7のドレイン端子はGND電位に固定されているので、アクティブ素子7を流れる電流Iは、ゲート・ドレイン間電圧をVgdとし、比例定数をkとするとき、次式(1)の関係を保って変化する。
I=k・μ(Vgd2 /2) …(1)
【0049】
この式(1)に基づき、ゲート・ドレイン間電圧をVgdとして、有機EL素子の陽極−陰極間電圧の変化量ΔVと出力電流の変化量ΔIの関係を整理すると、次式(2)のように示される。
【0050】
したがって、上式(2)を参照すると、電位変化量ΔVが十分に小さいとき、電流変化量ΔIは電位変化量ΔVに比例するとみなすことができる。ただ、図7のシミュレーション結果を参照すると、電位変化量ΔVが大きくなるほど電流変化量ΔIはバラツキを生じるため、TFTの特性バラツキの影響を受けることがわかる。
【0051】
そこで、上記影響を低減するため、本実施形態では、図2に示す第2の電流源回路24に代えて、図8に示す第2の電流源回路29が用いられる。図8は、有機EL素子を含む画素回路およびこの第2の電流源回路29を含む出力回路の構成例を示す回路図である。図8に示されるように、第2の電流源回路29には、図2に示すアクティブ素子7に代えて、同じ位置にアクティブ素子33が設けられる。このアクティブ素子33のドレイン端子とゲート端子の間には、図2に示すコンデンサ8に代えてコンデンサ32が接続され、そのドレイン端子と電源(GND)端子との間には、抵抗値Rの抵抗素子34が新たに接続される。この構成により、アクティブ素子33のゲート電圧が増加するとともに流れる電流も増加するが、このアクティブ素子33を流れる電流が増加すると、アクティブ素子33のドレイン端子の電位(即ち抵抗素子34の電位ドロップ)が増加する。このことにより、アクティブ素子33のドレイン・ゲート間電圧差の上昇が抑えられるため、TFT特性のバラツキによる影響が低減される。
【0052】
図9は、上記第2の電流源回路29に含まれるコンデンサ12に対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。なお、図の縦軸、横軸、図中の線は、図7と同様であるため説明を省略する。ここでは、上記第2の電流源回路29のコンデンサ12に印加される電圧を変化させたときの出力電流の変化がシミュレーションされている。この図9と前述の図7とを比較参照することにより、本実施形態における電流源回路29の方が第1の実施形態における電流源回路24よりも、TFT特性のバラツキによりその出力電流が受ける影響がより小さいことがわかる。
【0053】
以下、この電流源回路29を含む出力回路35および画素回路31の構成及び動作につき説明する。なお、電流源回路29の構成については前述したとおりである。また、図8に示す第1の電流源回路23の構成は、図2に示す電流源回路23と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0054】
出力回路35は、第1の電流源回路23および第2の電流源回路29のほかに以下の構成を含む。アクティブ素子33のゲート端子には、コンデンサ9を介し、電位保持手段として機能するコンデンサ12が接続される。よって、アクティブ素子33のゲート電位は、コンデンサ12の電位変化にしたがって変化する。このコンデンサ12と、画素形成部に配置される有機EL素子と同一または類似する素子である電気素子28の陽極との間には、スイッチ素子13が接続され、このコンデンサ12と第1の電流源回路23の出力端子との間にはスイッチ素子14が接続される。スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続される。また、画素回路31に繋がるソース配線Sjには、第1の電流源回路23がスイッチ素子5を介して接続され、第2の電流源回路29がスイッチ素子11を介して接続され、OFF電位である電圧設定配線Voffがスイッチ素子15を介して接続される。また、スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続され、スイッチ素子15のゲート端子には制御信号線SDjが接続される。
【0055】
画素回路31は、図2に示す画素回路26からスイッチ素子19,20が省略された構成である。すなわち、この画素回路31では、アクティブ素子18のゲート端子とソース配線Sjの間にはスイッチ素子16が接続され、そのドレイン端子とソース配線Sjの間にはスイッチ素子21が接続され、そのソース端子は電源配線Vrefに接続される。また、コンデンサ17の一端は、アクティブ素子18のゲート端子に接続され、その他端は電源配線Vrefに接続される。さらに、有機EL素子22の陽極は、アクティブ素子18のドレイン端子に接続され、その陰極は共通電極Vcomに接続される。さらにまた、スイッチ素子16のゲート端子にはゲート配線Giが接続され、スイッチ素子21のゲート端子には制御配線Eiが接続される。
【0056】
以上のように構成される出力回路35および画素回路31は、画素形成部に含まれる有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補正するように動作する。すなわち、後述する所定の第1の期間において、画素回路31に与えるべき電流を設定(プログラム)する第2の電流源回路29に基準電位が与えられるとき、その出力電流値が設定される。また、所定の第2の期間において、第1の電流源回路23から上記有機EL素子へ電流が与えられることによりその陽極−陰極端子間に電圧を発生させ、この電位が第2の電流源回路29へ与えられるとき、第2の電流源回路29の出力電流値が補正される。この動作について、以下に説明する。
【0057】
図10は、各信号線における電位変化のタイミングを示す図である。図10に示す信号線の電位は、出力回路35の各制御信号線および画素回路31の制御配線に印加される電圧である。
【0058】
時刻0から時刻t1までの間、図の2行目に示される制御信号線PAjはVH電位とされるため、スイッチ素子3,4はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電流値が電流設定配線Ipjにより与えられる電流値に設定される。なお、この電流設定配線Ipjには図示されない複数の電流源回路が接続されており、これら複数の電流源回路の1つまたは複数のON/OFF状態を制御することにより、多段階の電流値出力が得られる。また、この電流設定配線Ipj毎に上記複数の電流源回路を設けることで、時刻0から時刻t1までの間に同時に全ての第1電流出力回路23の出力電流を設定できる。
【0059】
時刻t1から時刻2t1までの間、制御信号線PAjはVL電位となるため、スイッチ素子3,4はOFF状態となる。また制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子13,14はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電位が電気素子28に流される。
【0060】
時刻2t1から時刻3t1までの間(この期間を「第1の期間」という)、制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子13,14はOFF状態となる。そのため、第1の電流源回路23の出力電位から電流を与えられていたときの電気素子28の陽極−陰極間電圧は、電位保持手段として機能するコンデンサ12に保持される。また、図の4行目に示される制御信号線PBjがVH電位とされるため、スイッチ素子6,10はON状態となり、第1の電流源回路23に設定された電流値がnチャネルTFTであるアクティブ素子33に与えられる。このとき、nチャネルTFTであるアクティブ素子33のソース・ゲート端子間が短絡されるため、第1の電流源回路23よりソース端子に所望の電流が与えられる。したがって、nチャネルTFTであるアクティブ素子33のゲート端子の電圧は、このときの電流値を流すことのできる電圧値に設定される。
【0061】
このように第1の電流源回路23から電気素子28に電流値が流されるときの当該電気素子28の陽極−陰極間電圧がコンデンサ12に保持されることにより、第1の電流源回路23を用いて基準電位を発生させ、この電位を用いて第2の電流源回路29の出力電流がプログラムできる。このことにより、アナログ階調に対応した電流出力が用いられる場合であっても必要な基準電位を得ることができる。
【0062】
また、この第1の期間において、図の7行目に示される制御信号線SDjがVH電位とされるため、ソース配線SjにpチャネルTFTであるアクティブ素子18をOFF状態とする電位が電圧設定配線Voffより与えられる。このとき、選択すべきゲート配線GiにVH電位が印加されることにより、対応する画素A1jに含まれるpチャネルTFTであるアクティブ素子18はOFF状態となる。
【0063】
時刻3t1から時刻4t1までの間(この期間を含む時刻3t1から時刻5t1までの期間を本実施形態では「第2の期間」という)、制御信号線PBjがVL電位とされるため、スイッチ素子6,10はOFF状態となる。よって、アクティブ素子33のゲート端子の電位が保持される。また、図の6行目に示される制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子14はON状態となる。よって、第1の電流源回路23の出力電位がコンデンサ12へ与えられる。このとき、図の1行目に示される制御信号線SAjがVH電位とされるため、スイッチ素子5はON状態となる。よって、制御配線Eiにより選択された画素Aijの有機EL素子22へ第1の電流源回路23から所望の電流が供給される。また、画素A1jに対応する制御配線E1がVH電位とされるため、スイッチ素子21がON状態となり、第1の電流源回路23からソース配線Sjを介して、対応する画素A1jに含まれる有機EL素子22に一定電流が供給される。
【0064】
ここで、前述のように、有機EL素子22へ第1の電流源回路23から所定の電流を供給すると、その第1の電流源回路23からの出力電圧は、有機EL素子の陽極−陰極間電圧の増大とともに増大する。このため、有機EL素子22の電流−輝度特性の劣化とともに増加することになる。そして、この電流源回路23の出力電圧はコンデンサ12に保持されるため、この出力電圧の増加は、その電位が増加する分だけコンデンサ9を介してアクティブ素子33のゲート端子電位を増加させるように働く。
【0065】
(本実施形態の第2の期間に含まれる)時刻4t1から時刻5t1までの間、制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子14はOFF状態となる。そのため、そのとき与えられていた電位がコンデンサ12に保持される。また、図の1行目に示される制御信号線SAjはVL電位とされるため、スイッチ素子5はOFF状態となり、図の3行目に示される制御信号線SBjはVH電位とされるため、スイッチ素子11はON状態となる。よって、第2の電流源回路29にコンデンサ12の電位により補正された電流値がソース配線Sjから供給される。ここで、画素A1jに対応する制御配線(ゲート配線)G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16がON状態となり、制御配線E1がVH電位とされるため、スイッチ素子21がON状態となる。この結果、電源配線Vrefからアクティブ素子18(およびスイッチ素子21,11)を通って第2の電流源回路29に電流が流れる。また、アクティブ素子18のゲート電位は、このときの第2の電流源回路29により設定された電流値がアクティブ素子18を流れるよう設定される。以上の結果、アクティブ素子18に設定される電流値は、有機EL素子22へ所定の電流を流すために必要な陽極−陰極間電圧の増大とともに増加する。
【0066】
ここで、上記アクティブ素子18に設定される電流値は、第2の電流源回路29により設定される電流値が0の場合、0となるよう設定される。しかし、この場合、アクティブ素子18のゲート電圧は、電源配線Vrefからアクティブ素子18の閾値電位が差し引かれた電位となるため、pチャネルTFTであるアクティブ素子18を完全にOFF状態とする電位にはならない。そこで、アクティブ素子18のゲート電圧を電圧設定配線Voffの電位とする。
【0067】
すなわち、時刻5t1から時刻6t1までの間、制御信号線SBjはVL電位とされるため、スイッチ素子11はOFF状態となり、制御配線E1がVL電位とされるため、スイッチ素子21はOFF状態となる。また、ゲート配線G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16はON状態となり、完全にOFF状態としたいpチャネルTFTであるアクティブ素子18を含む画素A1jに対応する制御信号線SDjのみがVH電位とされるため、画素A1jに含まれるスイッチ素子16はON状態となる。その結果、当該アクティブ素子18のゲート電圧は電圧設定配線Voffの電位となる。
【0068】
なお、完全にOFF状態としたいアクティブ素子18を含む画素A1j以外の画素Aik(ここでk≠jとする)に対応する制御信号線SDjはVL電位とされる。よって、これらの画素Aikに対応するスイッチ素子15はOFF状態のままとなるため、対応するソース配線Sjの電位は保持される。このことにより、これらの画素Aikに対応するアクティブ素子18のゲート電圧は、先に設定された電流値を流す電位に保持される。
【0069】
以上の結果、画素形成部に含まれる有機EL素子に対してアナログ階調を示す信号が与えられた場合でも、本表示装置では、発光状態による輝度バラツキ(焼き付け現象)が緩和される。
【0070】
ここで、前述のように、本表示装置では、第2の電流源回路29の電流値を設定するときの基準電位を得るために、電気素子28が用いられる。この電気素子28は、画素形成部に含まれる有機EL素子と同じ構成の素子、または当該構成から発光層が除かれた構成の素子であることが好ましい。このことにより、第1の電流源回路23の出力電流が変化した場合に基準とすべき電位を簡単な回路構成で得ることができるため好ましい。
【0071】
また、この電気素子28へ一定電流を流すために必要な電圧は、総使用時間が増えるにつれて増大する。このことは、第2の電流源回路29の電流値が設定されるときの基準電圧が総使用時間が増えるにつれて増大することを意味する。一方、全く発光していない(総使用時間が0である)有機EL素子へ一定電流を流すために必要な電圧は変化しない。その結果、第2の電流源回路29は、全く発光していない電気光学素子へ流す電流値が上記電気素子28の総使用時間が増えるにつれて減少するように働く。このことにより、表示画面(全画素)の平均輝度は総使用時間の増加ととも低下することになる。このような平均輝度の低下は、発光素子の電流−輝度特性の劣化が徐々に進行していることをユーザーに認識させることができるので、例えばユーザに対して、買い換えの心づもりをしてもらえるなどの好ましい効果を生じる。
【0072】
さらに、図8に示す画素回路31は、1画素形成部あたり3つのTFT(すなわちスイッチ素子16,21およびアクティブ素子18)と、1つのコンデンサ17と、2本の制御配線Gi,Eiと、1本のソース配線Sjと、1本の電源配線Vrefとにより構成されるため、図2に示す画素回路26に比べて必要なTFTの数や配線の数などを少なくすることができる。このことにより、1画素形成部あたりに配置される素子数が減少するため、有機EL素子22の光をガラス基板であるTFT基板の方向へ取り出す構造(ボトムエミッション構造)の場合には、有機EL素子に割り当てるべき発光面積を広く取ることができる。すなわち、画素形成部全体の面積に占める有機EL素子22の発光面積の比率である開口率を高くすることができる。したがって、単位面積あたりの発光輝度を低く抑えることが可能となるので、素子特性の劣化を抑えることができて好ましい。
【0073】
以上のように、第2の電流源回路29の制御電圧の増大に伴う出力電流の増大値は、第2の電流源回路29に含まれるアクティブ素子33の特性のバラツキによってバラツキが生じる。そこで、第2の電流源回路29の出力電流をプログラムするとき、有機EL素子22の陽極−陰極間で生じると予想される電圧が制御電圧として与える。このことにより電流プログラム時と電流出力時の制御電圧の変化を抑え、その出力電流のバラツキが抑えられることが好ましい。そこで、第1の期間で第2の電流源回路29に基準電位を上記電気素子28へ所望の電流を流すことで発生させ、第2の期間で第1の電流源回路23から上記所望の電流を有機EL素子22へ電流を与えることにより、当該有機EL素子22の陽極−陰極端子間に電圧を発生させ、この電圧を第2の電流源回路29へ与えることにより、当該第2の電流源回路29の電流プログラム時と出力時の制御電圧の変動を抑えられる。その結果出力電流値のバラツキが抑えられ好ましい。このように、基準電位が有機EL素子22の陽極−陰極端子間に発生すると予想される電位とされることにより、第2の電流源回路29を構成するTFTの特性のバラツキによる出力電流値の変動が抑えられ、所望の電流値が得られるので好ましい。
【0074】
また、有機EL素子22の経時変化に伴う印加電圧−電流特性および電流−輝度特性も素子毎にバラツキが生じるので、第2の電流源回路29の制御電圧の増大に伴う出力電流の増大値のバラツキと、有機EL素子22の経時変化に伴う発光輝度のバラツキとにより、当該有機EL素子22が同一の電圧−電流特性を示すときの電流−輝度特性はバラツキが生じる。したがって、本表示装置では、このバラツキのうち最大となる輝度が初期輝度より小さくなるよう設計されることが好ましい。これにより、電流−輝度特性が劣化した有機EL素子22に必要以上の電流を与えることで、その輝度の劣化を加速させないようにすることができる。さらに、電流−輝度特性の劣化が進んでいない有機EL素子22の輝度も低くなるように制御されることが好ましい。このことにより、有機EL素子22の電流−輝度特性が劣化したとき、全体の表示輝度が低下するため、素子特性の劣化が徐々に進んでいることをユーザーに認識させ、買い換え時期を見通すことを可能にする利点が得られる。また、ユーザーが本表示装置を購入して使用し続けると徐々に輝度が低くなるため、相対的に素子の寿命を延ばすことができる利点が得られる。
【0075】
さらにまた、本表示装置では、第2の期間でソース配線Sjに第1の電流源回路23を接続して有機EL素子22へ電流を流すことにより得られる電位が電位保持手段であるコンデンサ12に保持される。その後、当該コンデンサ12により保持された電位が第2の電流源回路29へ与えられることにより、第2の電流源回路29の出力電流が補正されるので、ソース配線Sjに第2の電流源回路29を接続して当該補正された電流値により、アクティブ素子18の出力電流が規定される。この構成では、ソース配線Sjのみが用いられることにより、有機EL素子22の電流−電圧特性に応じたアクティブ素子18の電流値の設定を行うので、画素形成部の開口率を大きく取ることができる。その結果、TFT基板側に発光されるボトムエミッション構造の場合、単位面積あたりの発光輝度がを低く抑えることが可能となるため、素子特性の劣化を抑えることができ好ましい。
【0076】
さらにまた、本表示装置では、第1の期間で基準となる電気素子28に第1の電流源回路23から電流が与えられることにより、当該電気素子28の陽極−陰極端子間に電圧が発生させられ、その電位が電位保持手段であるコンデンサ12により保持される。その後、コンデンサ12により保持された当該電位と、第1の電流源回路23の電流値とに基づき第2の電流源回路29の出力電流が設定される。この構成は、第2の期間で、第1の電流源回路23から有機EL素子22へ与える電流値が多段階で変化する場合に有効となる。ここで、第1の電流源回路23と第2の電流源回路29の電流値の絶対値は、等しく設定されることが好ましい。また、基準となる電気素子28は画素形成部に含まれる有機EL素子22と同様の電圧−電流特性を示すことが好ましい。この基準となる電気素子28の電圧−電流特性が、画素形成部に含まれる有機EL素子22と同様に経時変化すれば、基準となる電気素子28の経時変化とともに、画素の輝度が低下することになるため、有機EL素子22の特性劣化の速度が遅くなるという利点も得られるので好ましい。
【0077】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る表示装置の基本的な構成は、ソースドライブ回路および画素回路の構成および動作が一部異なる点を除き、上記第1および第2の実施形態に係る表示装置52とほぼ同様であるので、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付して詳しい説明を省略する。
【0078】
本実施形態に係る表示装置は、第2の実施形態に係る表示装置よりも、1ゲート配線あたりに必要とされる単位期間t1の割り当て数が少ない点に特徴を有する。確かに、図8の画素回路31に含まれる有機EL素子22の光がTFT基板側から取り出される構造(ボトムエミッション構造)の場合、当該表示装置は、開口率を高くすることができるが、その反面、図10に示すように1ゲート配線あたり6つの単位期間t1を割り当てなければならない。その点、有機EL素子22の光をTFT基板と反対側から取り出す構造(トップエミッション構造)の場合、TFT基板上に配置される素子は開口率に影響しないため、このような構造の表示装置にとっては、1画素形成部あたりの素子数が増加することよりも、1ゲート配線あたりに必要な単位期間t1の割り当て数が増加することの方が問題となることがある。そこで、第二の実施形態の場合よりも1ゲート配線あたりに必要な単位期間t1の割り当て数を減少させた本表示装置の構成について、以下に説明する。
【0079】
図11は、有機EL素子を含む画素回路48および出力回路49の構成例を示す回路図である。図11に示されるように、画素回路48は、図8に示す画素回路31と基本的には同様の構成であるので、同一または対応する構成要素には同一の参照符号を付して詳しい説明を省略する。しかし、本画素回路48は、以下の点が図8に示す画素回路31とは異なる。すなわち、画素回路48に含まれる有機EL素子40は、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる陽極が共通電極Vcom側に配置され、TFT基板側にはアルミニウム等からなる陰極が配置される。そのため、画素回路48に配置される電源配線は負電圧(GND)配線となる。そこで、有機EL素子40に電流を供給するためのアクティブ素子39はnチャネルTFTである。また、アクティブ素子39と有機EL素子40との間にはpチャネルTFTであるスイッチ素子37が接続され、アクティブ素子39およびスイッチ素子37の接続点とソース配線Sjとの間には、nチャネルTFTであるスイッチ素子36が接続され、スイッチ素子36および有機EL素子40の接続点と新たな第3の配線Djとの間には、nチャネルTFTであるスイッチ素子38が接続される。これらのスイッチ素子36,37,38のゲート端子には、制御配線Eiが接続されている。
【0080】
第1の電流源回路45は、アクティブ素子41と、スイッチ素子3,4と、コンデンサ1とを含む。コンデンサ1は、アクティブ素子41のドレイン・ゲート端子間に接続される。スイッチ素子3は、アクティブ素子41のソース・ゲート端子間に接続される。スイッチ素子4は、アクティブ素子41のソース端子と電流設定配線Ipjとの間に接続され、スイッチ素子3,4のゲート端子は制御信号線PAjに接続される。ここで、制御信号線PAjをVH電位とすることによりスイッチ素子3,4をON状態とするとき、電流設定配線Ipjから与えられた電流値が、アクティブ素子41を通過するように、アクティブ素子41のゲート端子に接続されるコンデンサ1の電位が設定される。
【0081】
第2の電流源回路46は、アクティブ素子42と、コンデンサ32,9と、スイッチ素子6,10と、抵抗素子34とを含む。スイッチ素子10は、アクティブ素子42のゲート端子と第1の電流源回路45の出力端子との間に接続される。スイッチ素子6は、アクティブ素子42のソース端子と第1の電流源回路45の出力端子との間に接続される。スイッチ素子6,10のゲート端子には制御信号線PBjが接続される。コンデンサ32は、アクティブ素子42のソース・ゲート端子間に接続される。ここで、制御信号線PBjをVH電位とすることによりスイッチ素子6,10をON状態とするとき、第1の電流源回路46から与えられた電流値がアクティブ素子42によって出力されるよう、アクティブ素子42のゲート端子に接続されるコンデンサ32の電位が設定される。
【0082】
出力回路49は、第1の電流源回路45および第2の電流源回路46のほかに以下の構成を含む。アクティブ素子42のゲート端子には、コンデンサ9を介し、電位保持手段として機能するコンデンサ12が接続される。よって、アクティブ素子42のゲート電位は、コンデンサ12の電位変化にしたがって変化する。このコンデンサ12と、画素形成部に配置される有機EL素子と同一または類似する素子である電気素子43の陰極との間には、スイッチ素子13が接続され、このコンデンサ12と第1の電流源回路45の出力端子との間にはスイッチ素子14が接続される。スイッチ素子13のゲート端子には制御信号線PCjが接続され、スイッチ素子14のゲート端子には制御信号線SCjが接続される。また、第3の配線Djにはスイッチ素子5を介して第1の電流源回路45が接続され、ソース配線Sjにはスイッチ素子11を介して第2の電流源回路46が接続されるとともに、スイッチ素子44を介してOFF電位の電圧設定配線Voffが接続される。さらに、スイッチ素子5のゲート端子には制御信号線SAjが接続され、nチャネルTFTであるスイッチ素子11のゲート端子と、pチャネルTFTであるスイッチ素子44のゲート端子とには、制御信号線SBjが接続される。
【0083】
以上のように構成される出力回路49および画素回路48は、画素形成部に含まれる有機EL素子の電流−輝度特性の劣化を補正するように動作する。この動作について、図12を参照して以下に説明する。
【0084】
図12は、各信号線における電位変化のタイミングを示す図である。図10に示す信号線の電位は、出力回路49の各制御信号線および画素回路48の制御配線に印加される電圧である。
【0085】
時刻0から時刻t1までの間、各制御信号線および各制御配線に印加される電圧は図10に示す電圧と同じであり、各構成要素も同様に動作する。すなわち、図の2行目に示される制御信号線PAjはVH電位とされるため、スイッチ素子3,4はON状態となる。よって、第1の電流源回路45の出力電流値が電流設定配線Ipjにより与えられる電流値に設定される。なお、この電流設定配線Ipjには図示されない複数の電流源回路が接続されており、これらにより多段階の電流値出力が得られる。
【0086】
時刻t1から時刻2t1までの間、制御信号線PAjはVL電位とされるため、スイッチ素子3,4はOFF状態となる。また制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子13,14はON状態となる。よって、第1の電流源回路45の出力電位が電気素子43に流される。
【0087】
時刻2t1から時刻3t1までの間(この期間を「第1の期間」という)、制御信号線PCjおよび制御信号線SCjはVL電位とされるため、スイッチ素子13,14はOFF状態となる。そのため、第1の電流源回路45の出力電位から電流を与えられていたときの電気素子43の陽極−陰極間電圧は、電位保持手段として機能するコンデンサ12に保持される。また、図の4行目に示される制御信号線PBjがVH電位とされるため、スイッチ素子6,10はON状態となる。よって、第1の電流源回路45に設定された電流値は、pチャネルTFTであるアクティブ素子42から引き出される。このとき、pチャネルTFTであるアクティブ素子42のドレイン・ゲート端子間が短絡されるため、第1の電流源回路45よりソース端子に設定電流が引き出される。したがって、pチャネルTFTであるアクティブ素子42のゲート端子の電圧は、このときの電流値を流すべき電圧値に設定される。
【0088】
時刻3t1から時刻4t1までの間(この期間を本実施形態では「第2の期間」という)、制御信号線PBjがVL電位とされるため、スイッチ素子6,10はOFF状態となる。よって、アクティブ素子42のゲート端子の電位が保持される。また、図の6行目に示される制御信号線SCjはVH電位とされるため、スイッチ素子14はON状態となる。よって、第1の電流源回路45の出力電位がコンデンサ12へ与えられる。このとき、図の1行目に示される制御信号線SAjがVH電位とされるため、スイッチ素子5はON状態となる。よって、制御配線Eiにより選択された画素Aijの有機EL素子40へ第1の電流源回路45から一定電流が引き出される。すなわち、画素A1jに対応する制御配線E1がVH電位とされるため、スイッチ素子38がON状態となり、第1の電流源回路45から第3の配線Djを介して、対応する画素A1jに含まれる有機EL素子40に所定電流が引き出される。このとき、有機EL素子40の陽極−陰極間電圧は、コンデンサ12に印加される。
【0089】
また、この第2の期間において、図の7行目に示されるゲート配線G1がVH電位とされるため、スイッチ素子16がON状態となることにより、対応する画素Aijの有機EL素子40が発光状態とされる場合、図の3行目に示される制御信号線SBjがVH電位とされるため、スイッチ素子11はON状態となる。その結果、第2の電流源回路46からソース配線Sj(およびスイッチ素子16,11)を介して画素A1jに含まれるアクティブ素子39へ電流が流れるため、当該アクティブ素子39のゲート電位は、このときの第2の電流源回路46により設定された電流値がアクティブ素子39を流れるように設定される。以上の結果、第2の電流源回路46にはコンデンサ12により保持された画素A1jに含まれる有機EL素子40の陽極−陰極間電圧が印加されるため、その電位の増大とともに電流量が増大する。
【0090】
なお、上記画素Aijに含まれる有機EL素子40を非発光状態とする場合には、図の3行目に示される制御信号線SBjがVL電位とされることにより、スイッチ素子44をON状態とする。この結果、OFF電圧源からソース配線Sjを介して上記画素A1jに含まれるアクティブ素子39のゲート端子へOFF電位が印加されるので、アクティブ素子39はOFF状態となる。
【0091】
以上の結果、画素形成部に含まれる有機EL素子に対してアナログ階調を示す信号が与えられた場合でも、本表示装置では、発光状態による輝度バラツキ(焼き付け現象)が緩和される。
【0092】
以上のように、本表示装置では、ソース配線Sjと並行に第3の配線Djが配置され、ソース配線Sjが第2の電流源回路46に接続され、第3の配線Djが第1の電流源回路45に接続される。そして、第2の期間で、第3の配線Djに第1の電流源回路45から有機EL素子40へ電流が流されることにより生じる電位が第2の電流源回路46へ与えられ、この電位により第2の電流源回路46の出力電流が補正され、補正された当該電流値がソース配線Sjに供給されることによりアクティブ素子39の出力電流が規定される。この構成では、ソース配線Sjの他に新たに第3の配線Djが必要となるが、TFT基板側とは反対方向に発光するトップエミッション構造の場合、この第3の配線Djによって画素の開口率は変化しない。そこで、この構成では、有機EL素子40の電流−電圧特性を得るとき、同時にアクティブ素子39の電流値の設定が行えるため、ゲート配線あたりのアドレス期間を短くすることができるので好ましい。
【0093】
【発明の効果】
第1の発明によれば、第1の電流源回路により記発光素子に対して所定の電流が与えられ、この電流に応じて発光素子に生じる電圧に基づき、第2の電流源回路により、発光素子に与えられるべき電流が決定される。これにより、簡単な回路構成で、発光素子の電流−輝度特性の劣化に伴う画素間の輝度バラツキを軽減して焼き付け現象を緩和し、長期間使用時の表示輝度の低下が抑制されることによる表示品位の改善が望める。
【0094】
第2の発明によれば、第1の期間に、所定の基準電位に基づき発光素子に与えられるべき電流を決定するための電流が設定され、第2の期間に、発光素子に生じる電圧に基づき発光素子に与えられるべき電流が補正される。この構成によれば、アナログ多階調に応じた基準電位に基づきアナログ多階調表示にも対応可能な輝度劣化の補正を実現することができる。また、上記所定の基準電位を発光素子の陽極−陰極間に発生すると予想される電位とすることにより、第2の電流源回路を構成するTFTの特性のバラツキ等による出力電流値の変動が抑えられ、所望の電流値を得ることができる。
【0095】
第3の発明によれば、第1の配線(ソース配線)を介して発光素子に所定の電流が与えられるとともに、第1の配線を介して発光素子に与えられるべき電流を決定するための電流がアクティブ素子に与えられる。この構成により、画素の開口率を大きく取ることができ、ボトムエミッション構造の場合に、画素形成部の面積あたりの発光輝度を低く抑えらることが可能となるため、素子特性の劣化を抑えることができるので好ましい。
【0096】
第4の発明によれば、第3の配線を介して発光素子に所定の電流が与えられ、第1の配線を介して発光素子に与えられるべき電流を決定するための電流がアクティブ素子に与えられる。これにより、第2の配線(ゲート配線)あたりのアドレス期間を短くすることができるため好ましい。なお、この構成は、画素の開口率の低下の心配がないトップエミッション構造の場合に、特に有効である。
【0097】
第5の発明によれば、発光素子に与えられるべき電流を決定するための基準となる電位を生じさせる電気素子を備えることにより、アナログ多階調表示に必要な基準電位を簡易に得ることができ、かつ電気素子の経時変化とともに、画素の輝度が低下するため、発光素子の特性劣化の速度が落ちるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す概略図である。
【図2】上記実施形態における有機EL素子を含む画素回路および出力回路の構成例を示す回路図である。
【図3】上記実施形態における出力回路の出力電流設定動作のタイミングを示す図である。
【図4】上記実施形態における各信号線の電位変化のタイミングを示す図である。
【図5】上記実施形態における有機EL素子が定電流で駆動される場合の陽極−陰極間電圧の時間的変化と一定輝度で駆動される場合の電流値との時間的変化を示す図である。
【図6】上記実施形態における有機EL素子に一定電流を与えるときの印加電圧と一定輝度を保つために必要な電流値との関係を示す図である。
【図7】上記実施形態における第2の電流源回路に含まれるコンデンサに対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における有機EL素子を含む画素回路および出力回路の構成例を示す回路図である。
【図9】上記実施形態における第2の電流源回路に含まれるコンデンサに対する印加電圧と出力電流との関係を示す図である。
【図10】上記実施形態における各信号線の電位変化のタイミングを示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における有機EL素子を含む画素回路および出力回路の構成例を示す回路図である。
【図12】上記実施形態における各信号線の電位変化のタイミングを示す図である。
【図13】従来の画素回路の構成例を示す回路図である。
【図14】従来のドライバ回路の構成を示す回路図である。
【図15】従来の画素回路に含まれる或る有機EL素子に対して一定の電流を流したときの発光輝度の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1,8,9,12,17,32 …コンデンサ、
2,18,37,42,44 …pチャネルTFT、
3,4,5,6,7,10,11,13,14,15,16,19,20,21,33,36,38,39,41 …nチャネルTFT、
22,40 …有機EL素子、
23,45 …第1の電流源回路、
24,29,46 …第2の電流源回路、
25,30,47 …基準電位回路、
26,31,48 …画素回路、
27,35,49 …出力回路、
28,43 …電気素子
34 …抵抗素子
Sj …ソース配線
Gi …ゲート配線
Ei,Fi,Hi …制御配線
Vref …電源配線
PAj,PBj,PCj,SAj,SBj,SCj,SDj …制御信号線
Ip,Ipj …電流設定配線
V0,Voff …電圧設定配線
Vcom …共通電極
Claims (5)
- 所定の第1および第2の配線の交差点近傍の領域に配置され、電流により駆動される電気光学素子と、当該電気光学素子に与えるべき出力電流を制御可能に構成されるアクティブ素子とを含む画素形成部を複数備えるとともに、外部から与えられるデータ信号に基づき前記第1の配線を駆動するドライブ回路を備えるアクティブマトリクス型の表示装置であって、
前記ドライブ回路は、
前記電気光学素子に対して所定の電流を与える第1の電流源回路と、
与えられる制御電圧によって出力電流が制御される電圧制御型の電流源である第2の電流源回路とを含み、
前記第2の電流源回路は、前記第1の電流源回路により与えられる所定の電流に応じて前記電気光学素子に生じる電圧に基づき、前記アクティブ素子により前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定する電流を出力することを特徴とする表示装置。 - 前記第2の電流源回路は、
所定の第1の期間には、所定の基準電位が与えられることにより、当該基準電圧によって決定される出力電流が前記所定の電流に等しくなるように前記制御電圧と前記出力電流との関係を設定し、
前記第1の期間経過後の所定の第2の期間には、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより前記出力電流を決定し、
前記第1の電流源回路は、前記第2の期間に、前記電気光学素子に前記所定の電流を与えることにより前記電気光学素子に生じる電圧を前記第2の電流源回路に与えることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。 - 前記ドライブ回路は、前記電気光学素子に生じる電圧を保持して前記第2の電流源回路に与える電位保持手段をさらに含み、
前記第1の電流源回路は、前記第1の配線を介して前記電気光学素子に前記所定の電流を与えることにより前記電気光学素子に電圧を生じさせ、
前記第2の電流源回路は、前記電位保持手段により保持される電圧が与えられることにより決定される出力電流を前記第1の配線を介して前記アクティブ素子に流すことにより、当該アクティブ素子によって前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の表示装置。 - 前記第1の配線と略平行に配置される所定の第3の配線をさらに備え、
前記第1の電流源回路は、前記第3の配線を介して前記電気光学素子に前記所定の電流を与え、
前記第2の電流源回路は、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより決定される出力電流を前記第1の配線を介して前記アクティブ素子に流すことにより、当該アクティブ素子によって前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の表示装置。 - 前記ドライブ回路は、
前記電気光学素子に与えられるべき電流を決定するための基準となる基準電圧を生じさせる電気素子と、
前記電気素子に流される電流に応じて生じる前記基準電圧を保持して前記第2の電流源回路に与える電位保持手段とを含み、
前記第1の電流源回路は、前記電気素子へ所定の電流を流すことにより、前記電位保持手段に保持されるべき前記基準電圧を生成し、
前記第2の電流源回路は、前記電位保持手段により保持される前記基準電圧が与えられることにより決定される出力電流が前記所定の電流に等しくなるように前記制御電圧と前記出力電流との関係を設定した後、前記電気光学素子に生じる電圧が与えられることにより前記出力電流を決定することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の表示装置。
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