JP2004286739A - 金属元素固定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より安定に金属元素を固定化剤に固定できる方法を提供する。
【解決手段】一般式RZr2(PO43(ただし、Rは、H、H3O又はNH4カチオンを示す。)で表わされ、かつ、分析的計算による酸化物として式4ZrO2・3P25により表わされる結晶質リン酸ジルコニウムに1種又は2種以上の金属元素Mを固定化する方法であって、(1)当該結晶質リン酸ジルコニウムと当該金属元素の金属イオンMn+(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。)を含む混合液を調製する第一工程、(2)前記混合液を100℃以上で熱処理する第二工程を有する金属元素の固定化方法に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な金属元素固定化方法に関する。
特定の技術分野においては、金属元素を特定の材料に固定化し、固体化体として保管・保存することが必要とされる。例えば、使用済み核燃料を再処理する際に排出される高レベル放射性廃棄物中にはセシウム137及びストロンチウム90が含まれる。これらの放射性物質は約30年の長い半減期を有することから、貯蔵、保管又は隔離中に固定化体から浸出する危険性がある。このため、薬品、熱等に対して安定な固定化体とすることが必要である。
これらの放射性物質を固定化する方法としては、一般に1)ホウケイ酸ガラス又はリン酸ガラスを用いたガラス固定化法、2)シンロック、スーパーカルサイン又はゼオライトを用いたセラミックス固定化法が知られている。その中でも、ホウケイ酸ガラスを用いたガラス固定化法(ホウケイ酸ガラス固定化法)は、その実用化への期待が寄せられている。
しかしながら、これらの固定化法は、固定化する際に1000℃以上の高温で熱処理しなければならないため、放射性のセシウムは熱処理中に放射性物質の一部が揮発する。このため、回収装置が必要であり、装置類が浸触されるという問題がある。また、得られた固定化体は、放射性物質による崩壊熱の蓄積により変質するおそれがあり、しかも塩類、酸、アルカリ等の薬品にも侵されやすくなる。さらに、上記固定化方法では、放射性物質の固定量及び耐浸出性(封止性)自体も、未だ十分なものとは言えない。
セラミックスによる固定化法として、リン酸ジルコニウムを用いた放射性セシウム及びストロンチウムの固定化についても数多く検討されている。その中で、無定型又は二次元層状構造を有するZr(HPO42・nH2Oは、水溶液中で容易にアルカリ金属イオンを選択吸着し、高収率で混合液から交換分離する性質を有することが知られている。
しかしながら、無定型のリン酸ジルコニウムは、調製条件によって特性にバラツキがあり、しかも分解を受けやすいという欠点がある。また、二次元層状構造を有するリン酸ジルコニウムは、酸性溶液と接触することにより、吸着したセシウム及びストロンチウムを溶離するため、セシウム及びストロンチウムを半永久的に固定することは困難である。
化学式CsZr2(PO43で表わさる三次元網目状構造を有する結晶性リン酸ジルコニウムとしてセシウム及びストロンチウムを固定化できることが報告されている(例えば、非特許文献1〜4など参照)
上記報告書によると、CsNO3又はSr(NO33、ZrO(NO32、H3PO4等を含む水溶液より得られたゲルを1000℃以上の温度で熱処理する方法、γ−Zr(HPO42・2H2OにCs又はSrを水溶液中でイオン交換した後に850〜1000℃付近で熱処理する方法等が示されている。
しかしながら、上記固定化法は、ホウケイ酸ガラス固定化法よりもセシウム及びストロンチウムの耐浸出性は数桁高いものの、熱処理温度がやはり1000℃付近以上と高く、ZrP27やCsPO3又はSr(PO32の不純物相が生成する。また、イオン交換時におけるNa型からCs型又はSr型への交換比率が低い。さらに、交換により生成したNa化合物が容器、器材等の腐食を引き起こし、しかもセシウム及びストロンチウムの固定化体中にもNa化合物が混入して固定化体の安定性を阻害する。また、Na型からCs型又はSr型への交換は反応が比較的容易な部分で起きることから、セシウム及びストロンチウムにより交換された部分は薬品類との反応性が高いため、セシウム及びストロンチウムが浸出しやすいという問題もある。
これらの問題点を解決するために、本発明者は、ZrOCl2、H224及びH3PO4を含む混合溶液から水熱合成によって得たアンモニウム型リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43を熱分解することにより予め調製した結晶性プロトン型リン酸ジルコニウム(HZr2(PO43)を固定化剤として用い、これとセシウム化合物との混合物を熱処理することにより、セシウムの揮発することなく1000℃以下の低温熱処理温度で放射性セシウムを固定化する方法を先に提案した(特許文献1)。
HZr2(PO43は、水溶液中でH+とイオン半径の小さなLi+、Na+等とのイオン交換が容易に起こるものの、それ以外のイオン半径の大きな金属元素とのイオン交換がほとんど進行しないため、上記方法はこれらの金属元素の固定化に有効である。この固定化方法によると、700℃で熱処理を行うことによってHZr2(PO43中に10重量%のCsを固定化した場合は、純水中及び0.1mol/lのHCl中での100℃におけるCs浸出量は、いずれも原子吸光光度法の検出限界(10-11g・cm-2・day-1)以下であり、従来のセシウム固定化体に対して1000倍以上の良好な耐セシウム浸出特性が発揮される。
しかしながら、上記固定化法は煩雑な固定化処理操作しなくてはならない。固定化工程例として、HZr2(PO43粉末と固定化対象元素化合物(例 硝酸セシウム)溶液との混合→蒸発乾固→均一粉砕混合→700℃熱処理→固定化体を作製する。また、固定化設備として混合機、耐腐蝕性・耐熱機器、熱処理器、作業場などの設備が必要である。
また、その金属元素の固定化体(M{Zr2(PO43n)は、固定化対象元素、Zr及びPが含まれる溶液から合成することも可能である。ところが、この場合は固定化対象元素を含む副生成物が生成し、溶液中の固定化対象元素をすべて結晶性リン酸ジルコニウム中に取り込むことができない。
ところで、環境庁の報告によると、平成10年度の日本では一般廃棄物5160万t及び産業廃棄物4.08億tが排出されている。このうち、一般廃棄物の直接埋立率は7.5%、減量処理は2.5%であり、直接焼却される割合は77.%に達する。また、産業廃棄物は42%が再生利用され、44%が焼却等によって減容化され、14%が直接最終処分場で廃棄される。
これらの焼却された一般廃棄物や産業廃棄物は、カドミニウム(Cd)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、砒素(As)、銅(Cu)等の有害な重金属が多量に含まれているために、処分に関する規制が大幅に強化される方向にある。焼却場から発生する焼却灰として、ゴミの燃え殻かちなる「主灰」と、バグフィルター等で回収される「飛灰」とがある。これらの重金属は両者に含まれ、その重金属の溶出による環境汚染が問題となっている。とりわけ、飛灰は重金属が溶出し易い。そこで、有害重金属の溶出を防ぐ目的で、セメントとの混合固化法、固体酸による固定法、キレート化剤による固定法等の技術が検討されているものの、耐溶出特性及び耐熱性の低さ、少ない固定量、煩雑な操作性、高コスト等から十分満足できるものとは言い難い。
加えて、毎年の廃棄物量増加、国内陸上埋立処分地の不足も問題になりはじめており、少量の処理材の添加で廃棄物中の有害重金属が再溶出しないように強力に安定化することが可能な処理材及び処理方法が望まれている。
その解決手段の1つとして、前記のHZr2(PO43を用いたCs固定化方法を利用することが考えられる。すなわち、目的の固定化金属元素の硝酸塩とHZr2(PO43を混合し、500〜800℃で熱処理する手法で、
nHZr2(PO43+M(NO3n→M{Zr2(PO43n+nHNO3
の反応式によって、1価及び2価の金属元素である、他のアルカリ金属元素(Li+、Na+、K+、Rb+)、アルカリ土類金属元素(Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+)、遷移金属元素(Ag+、Cu2+)等の金属元素の固定化が可能であることを本発明者らによってすでに確認されている。
しかしながら、この場合も前記Cs固定化方法と同様の問題があり、さらなる改善が必要とされる。
R. Roy, E. R. Vance and J. Alamo, Mat. Res. Bull. 17(1982)585 S. Komarneni and R.Roy, Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 15(183)77 E. R. Vance and F. J. Ahmad, Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 15(1983)105 L. J. Yang, S. Komarneni and R. Roy, Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 26(1984)567) 特公平6−48317号
従って、本発明の主な目的は、より簡単に安定に金属元素を固定化剤に固定できる方法を提供することにある。
本発明者は、上記の従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を経て金属元素を固定化することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の金属元素固定化方法に係る。
1. 一般式RZr2(PO43(ただし、Rは、H、H3O又はNH4カチオンを示す。)で表わされ、かつ、分析的計算による酸化物として式4ZrO2・3P25により表わされる結晶質リン酸ジルコニウムに1種又は2種以上の金属元素Mを固定化する方法であって、
(1)当該結晶質リン酸ジルコニウムと当該金属元素の金属イオンMn+(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。)を含む混合液を調製する第一工程、
(2)前記混合液を100℃以上で熱処理する第二工程
を有する金属元素の固定化方法。
2. 第一工程として、金属元素の金属イオン濃度が500重量ppm以下である溶液と結晶質リン酸ジルコニウムとを混合することにより混合液を調製する前記項1記載の方法。
3. 第二工程を温度100〜500℃及び圧力0.1〜40MPaの条件下にて実施する前記項1又は2記載の方法。
4. 結晶質リン酸ジルコニウムに金属元素Mが固定化されてなる固定化体が、一般式[M(Zr2(PO43n]m・[RZr2(PO43]1-mn(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。0<m≦1)で表わされるものである前記項1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 固定化体の表面及び/又は細孔に当該金属元素が化合物の形態で吸着している前記項4記載の方法。
本発明の固定化方法によれば、結晶質リン酸ジルコニウムを固定化剤として用い、これに所望の金属元素を固定化することができる。すなわち、本発明方法により得られた固定化体は、耐熱性及び耐薬品性に優れ、長期間安定であり、固定化した金属元素の溶出をこれまで以上に抑制ないしは防止することができる。
本発明方法は、特に高レベル放射性廃棄物中に存在する放射性のセシウム及びストンチウム等のほか、一般廃棄物や産業廃棄物の焼却灰中に存在する有害な重金属元素であるカドミウム、鉛、亜鉛、クロム、水銀、砒素及び銅等を固定化するのに有用である。
さらに、1)NASICONタイプイオン導電体としてLi、Na等を固定化する場合、2)抗菌・殺菌剤としてZn、Ag、Cu等を固定化する場合、3)触媒・触媒担体としてK、Ba、Ti、V、W、Fe、Ni、Co、Ce、Pd等を固定化する場合、4)低熱膨張性セラミックスとして、Mg、Ca、Sr、Ba、K、Nd等を固定化する場合にそれぞれ有用である。
本発明の金属元素固定化方法は、一般式RZr2(PO43(ただし、Rは、H、H3O又はNH4カチオンを示す。)で表わされ、かつ、分析的計算による酸化物として式4ZrO2・3P25により表わされる結晶質リン酸ジルコニウムに1種又は2種以上の金属元素Mを固定化する方法であって、
(1)当該結晶質リン酸ジルコニウムと当該金属元素の金属イオンMn+(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。)を含む混合液を調製する第一工程、
(2)前記混合液を100℃以上で熱処理する第二工程
を有する。
1.結晶質リン酸ジルコニウムRZr2(PO43 について
本発明では、上記結晶質リン酸ジルコニウムを固定化剤として用いる。すなわち、目的とする金属元素を固定化させる支持体としての役割を果たす。
上記の結晶質リン酸ジルコニウムは、一般式RZr2(PO43(ただし、Rは、H、H3O又はNH4カチオン(すなわちH+、H3+又はNH4 +)を示す)で表わされ、かつ、分析的計算による酸化物として式4ZrO2・3P25により表わされる。上記結晶質リン酸ジルコニウムは、無水物のほか、結合水、結晶水等を含むものも包含する。
このような結晶質リン酸ジルコニウム自体は公知のもの(特開昭60−239313号等)又は市販品を使用することができる。
また、結晶質リン酸ジルコニウムの製法も限定的でなく、公知の方法により得られた結晶質リン酸ジルコニウムを使用することができる。例えば、次に示すように、ジルコニウム化合物及びカルボン酸化合物を含む原料混合液を用いる方法によって上記結晶質リン酸ジルコニウムを調製できる。
具体的には、まず、ジルコニウム化合物及びカルボン酸化合物を含む原料混合液に対し、リン酸化合物又はその水溶液を加える。
上記ジルコニウム化合物としては、水溶性又は酸により水可溶性となる化合物が好ましい。例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ビロオキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム硫酸ジルコニウム;塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジルコニウム塩;酢酸ジルコニル、ギ酸ジルコニル等の有機酸のジルコニウム塩;炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウム錯塩等が使用できる。これらジルコニウム化合物のうちでは、オキシ塩化ジルコニウム及び硫酸ジルコニウムの少なくとも1種がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、水溶性又は酸により水可溶性となり、かつ、カルボキシル基(−COOH)を2個以上有する脂肪族ポリカルボン酸及びその塩が好ましい。例えば、シュウ酸、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸水素ナトリウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸水素アンモニウム、シュウ酸リチウム、マレイン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの塩類等の脂肪族二塩基酸及びその塩類;クエン酸、クエン酸アンモニウム、酒石酸、リンゴ酸等の脂肪族オキシ酸及びそれらの塩類等が挙げられる。これらのうちでは、シュウ酸ならびにそのナトリウム塩及びアンモニウム塩の少なくとも1種がより好ましい。
リン酸化合物は、水溶性又は酸により水可溶性となるものが好ましい。例えば、リン酸、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸アンモニウム、第三リン酸ナトリウム等のオルトリン酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩;メタリン酸、ピロリン酸等の少なくとも1個のP−O−P結合を有する縮合リン酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうちでも、リン酸及びオルトリン酸のアンモニウム塩の少なくとも1種がより好ましい。
上記原料混合液に対し、アンモニウム化合物の少なくとも1種を添加する。これら化合物の添加時期は、原料混合液の調製中のいずれの時点であっても良い。
アンモニウム化合物としては、水溶性又は酸により水可溶性となる化合物が好ましい。アンモニウム化合物としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アンモニウム化合物;水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の有機アンモニウム化合物等が例示される。前述のジルコニウム化合物、カルボン酸化合物及びリン酸化合物の少なくとも1種がアンモニウム含有化合物である場合には、これらをアンモニウムイオン源としても同時に使用することができる。
これらのうちでも、リン酸アンモニウム、アンモニア水、塩化アンモニウム及びシュウ酸アンモニウムの少なくとも1種がより好ましい。
混合に際しては、攪拌を行うことが望ましい。特に、リン酸又はその水溶液を添加する際には、部分的にリン酸濃度が高くなる状態をなるべく回避できるように十分に攪拌を行うことが望ましい。
原料混合液は、ジルコニウム化合物(Zrとして)、カルボン酸化合物(C24として)及びリン酸化合物(PO4として)の割合が、図1に示すモル比三角成分図において、A(28,3,69)、B(63,6,31)、C(44,43,13)及びD(1,97,2)の各点を結ぶ直線で囲まれた領域内に入り、かつ、Zr1モル当りアンモニウム化合物が0.2〜100モル程度となるように調節することが望ましい。原料混合液中の各成分の組成比が上記領域外となる場合には、結晶化速度が遅い、収率が低い、非晶質生成物を混有する、未反応原料が残存する、所望外の結晶形を含む結晶質となる等の問題点の1又は2以上が生ずるおそれがある。
各成分を均一に溶解又は分散させた原料混合液の形態は、溶液又は未溶解の過剰原料を含むスラリー状のいずれであっても良い。
原料混合液の濃度は、Zrが0.01〜25重量%、特に0.1〜10重量%となる濃度に調整することが好ましい。Zrが0.01重量%未満の稀薄溶液では、経済的に不利になることがある。一方、Zrが25重量%を上回る場合には、カルボン酸塩、リン酸塩等が結晶として析出するので、生成物たる結晶質リン酸ジルコニウムの濾過及び水洗が困難となるおそれがある。
上記原料混合液のpHは限定的ではないが、10以下であることが好ましく、特に0.5〜7であることがより好ましい。上記pHが10を超える場合には、結晶化度の低い結晶質リン酸ジルコニウムが生成される傾向がある。反応混合液のpH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸;水酸化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアンモニウム及びアルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩等が例示される。
反応温度(本発明においては、各成分の反応及び熟成による結晶質リン酸ジルコニウムの晶出反応を一括して反応という)は、50℃以上とすることが好ましい。反応温度が50℃未満では、目的生成物の晶出に長時間を要するので経済的に不利である。反応温度の上限は限定されないが、経済性等の観点からは200℃程度とすれば良い。反応時間は、原料の種類(すなわち原料の反応性)、原料の配合比、原料混合液の濃度、温度及びpH、反応生成物の所望の結晶化度等により異なるが、通常30分〜20日程度である。
生成した結晶質リン酸ジルコニウム一般式RZr2(PO43(但し、RはH、H3O又はNH4カチオンを示す)は、濾過、デカンテーション、遠心分離等の公知の手段によって固液分離し、洗浄した後、常法に従って脱水・乾操すれば良い。乾操方法としては、加熱乾操、風乾のほか、五酸化リン、塩化カルシウム、シリカゲル等の乾燥剤による吸着水の除去等が適用できる。また、必要に応じて1080℃以下で加熱処理しても良い。1080℃を超える場合には、所望の結晶形が変形して二リン酸ジルコニウム(ZrP27)等に変換される。
このようにして得られる結晶質リン酸ジルコニウムは、一般的に、化学的・熱的に安定な三次元網状構造を有しており、アンモニウムイオン、水素イオン、分子径の小さいH2O分子等を部分的に網目構造のミクロな細孔中に含むゼオライト状トンネル構造を備えている。固定化すべき金属元素は、上記細孔中に取り込まれ、これにより外部環境の影響を直接受けることが少なくなり、外部に浸出し難くなる。
本発明では、結晶質リン酸ジルコニウムの形状は限定されず、粉末、粒状等のどのような形状のものでも固定化対象金属元素(Mn+)イオンを固定化することができる。従って、用途、使用方法等に応じて、取扱い上好ましい形状を適宜採用すれば良い。
2.第1工程について
第1工程では、結晶質リン酸ジルコニウムと金属元素M(以下「固定対象金属」ともいう。)の金属イオンMn+(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。)を含む混合液を調製する。
上記金属元素は特に限定されず、また2種以上であっても良い。例えば、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs等)、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、チタン族(Ti、Zr、Hf)、バナジウム族(V、Nb、Ta)、クロム族(Cr、Mo、W)、マンガン族(Mn、Tc、Re)、鉄族(Fe、Co、Ni)、白金族(Pd、Pt等)、銅族(Cu、Ag、Au)、亜鉛族(Zn、Cd、Hg)、希土類(Sc、Y、La、Ce等)、ホウ素族(Al、Ga、In等)、炭素族(Sn、Pb)等が挙げられる。
上記nは、金属元素Mの平均価数を示す。例えば、1モルのMが、3価の金属元素×0.3モル、4価の金属元素×0.7モルの割合で構成されている場合は、その平均価数は(3×0.3+4×0.7)/(0.3+0.7)=3.7となる。
上記混合液の溶媒は、上記イオンが安定して存在するものであれば良く、水が経済面、環境面から最適である。また、酸性(塩酸、硫酸、硝酸等又はこれらの水溶液)又はアルカリ性(アンモニア水)のいずれの溶媒であっても良い。
固定化剤と固定対象金属との配合割合(固定対象金属の固定量)は、固定化剤に対して固定対象金属をモル比で換算して1/0.6n以下、特に1/0.8n以下、さらには1/n以下で配合することが望ましい。例えば、nが3である固定対象金属を用いる場合は、固定化剤1モルに対して固定対象金属を(1/1.8=約0.56)モル以下、特に(1/2.4=約0.42)モル以下、さらには(1/3=約0.33)モル以下とすることが好ましい。上記のような比率に設定することにより、混合物中の固定対象金属を確実に固定化することができる。なお、本発明では、上記比率が1/nを超えても、固定対象金属は固定化体の表面及び/又は細孔に化合物の形態で吸着することもできるため、結果として1/nを超えても固定対象金属の固定化が実現される。
上記混合液は、金属元素の金属イオン濃度が500重量ppm以下(特に250重量ppm以下)である溶液と結晶質リン酸ジルコニウムとを混合することによっても調製することができる。すなわち、本発明方法によって、金属イオン含有量が僅かな溶液でもその金属イオンの除去ないしは低減を効果的に行うことができる。なお、金属イオン濃度の下限値は特に制限されないが、通常は10重量ppm程度とすれば良い。
3.第2工程について
第2工程では、前記混合液を100℃以上、好ましくは150〜500℃で熱処理する。熱処理温度が100℃未満の場合には、イオン半径の大きな固定化対象金属(Mn+)を固定化することが困難となり、また固定化できたしても十分に安定した固定化体(特に耐薬品性に劣る)は得られない。熱処理時間は、熱処理温度に応じて適宜設定できるが、一般に高温で熱処理を行う場合には短時間で良く、低温で熱処理を行う場合には長時間を要する。
また、第2工程の熱処理は、常圧下で実施することができるが、加圧下で実施することも可能である。加圧下で実施する場合の圧力は限定的でないが、一般に0.1〜40MPaで行うことが好ましい。
本発明では、第2工程は、オートクレーブ中で行うことが好ましい。オートクレーブの使用により温度100〜500℃及び圧力0.1〜40MPaという熱処理条件をより確実に設定できる。オートクレーブ自体は、公知又は市販の装置を使用すれば良い。
本発明方法により、結晶質リン酸ジルコニウムに金属元素Mが固定化されることにより、一般式[M(Zr2(PO43n]m・[RZr2(PO43]1-mn(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。0<m≦1)で表わされる固定化体が得られる。すなわち、a)上記M(Zr2(PO43nあるいはb)上記M(Zr2(PO43nと上記RZr2(PO43との混合物が得られる。上記a)は、結晶質リン酸ジルコニウムのRサイトのすべてがMに置換された場合であり、上記b)はRサイトの一部がMに置換された場合を示す。上記結晶質リン酸ジルコニウムは、無水物のほか、結合水、結晶水等を含むものも包含する。
また、本発明の固定化体にあっては、固定化体の表面及び/又は細孔に当該金属元素が化合物の形態で吸着していても良い。上記化合物は、主として固定化体を構成する結晶質リン酸ジルコニウムの表面及び細孔の少なくとも一方に吸着される。このような吸着により、Rサイトに置換される量を超える金属元素の固定化が可能となる。
上記化合物は特に限定されず、無機酸塩(硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等)、有機酸塩(シュウ酸塩、酢酸塩等)等のいずれの形態であっても良い。特に、本発明では硝酸塩の形態であることが望ましい。通常は、金属イオンMn+を含む混合液を調製する際に用いる出発原料の化合物の形態をとる。例えば、可溶性の金属塩を用いて上記混合液を調製した場合には、通常はその金属塩の形態で固定化体に吸着される。ただし、出発原料としての化合物の異なる化合物の形態で吸着されていても良い。
また、固定化体が上記M(Zr2(PO43nと上記RZr2(PO43との混合物である場合には、上記化合物は上記M(Zr2(PO43n又は上記RZr2(PO43のいずれの側に吸着されていても良い。
上記化合物の吸着量の制限はないが、前記に示した固定対象金属の固定量の範囲内とすることが望ましい。
なお、本発明における吸着とは、Rサイトを占有しない状態で結晶質リン酸ジルコニウム中に固定対象金属が存在し、かつ、結晶質リン酸ジルコニウム5gを100mlのイオン交換水中で温度160℃(オートクレーブ中)の条件下で24時間放置した後にも結晶質リン酸ジルコニウム中に上記金属が存在することをいう。
一般に、本発明の固定化体は安定な結晶性物質を主体とし、塩類、酸、アルカリ等に対する耐薬品性に加え、耐水性、耐熱性等にも優れている。また、上記固定化の反応に際しては、生成した固定化体の安定性を阻害するような副生成物は生じない。
特に、上記固定化反応をオートクレーブ中で行う場合には、揮発性の金属元素でもオートクレーブ外へ流出することがないので、周辺設備が侵食されることがなく、特殊な材質の設備等を必要としない点で有利となる。
以下に、実施例を示し、本発明の特徴をより詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、これら実施例に限定されない。
実施例1
(1)固定化剤の調製
塩化アンモニウム44.6g、シュウ酸2水和物116.4g、ZrO2換算で55.8gに相当するオキシ塩化ジルコニウム、リン酸−ナトリウム2水和物58.0gを順次水に加えて得た混合溶液3000gをアンモニア水でpH3.8に調製し、90℃の恒温室中に3日間保持した。得られた反応生成物をろ過し、水洗した後、脱水して結晶質NH4Zr2(PO43を得た。得られたNH4Zr2(PO43を650℃で3時間熱処理して、HZr2(PO4)3を得た。得られたHZr2(PO43を水中に3日間放置することにより、H3OZr2(PO43を得た。これらの生成物は、X線回折、熱天秤−示差熱分析及び化学分析の結果から各組成式で表される結晶質リン酸ジルコニウムであることが確認された。
(2)金属元素の固定化
上記(1)で得られた各固定化剤(NH4Zr2(PO43、HZr2(PO43又はH3OZr2(PO43)5gと、これに対してモル比で1/1になるように1価の各金属元素イオンK+、Rb+、Cs+又はAg+を含む水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度250℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出し、十分に水で洗浄し、さらに100℃にて乾燥することにより、固定化剤に固定対象金属(M+)が固定化された固定化体を得た。上記固定化剤としてHZr2(PO43を用いた場合の生成物のX線回折法によるピーク位置及び強度を調べた結果を表1〜4に示す。
Figure 2004286739
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これらの結果から、得られた固定化体はすべて結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
固定対象金属の固定量は、原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により決定した。固定量(M+/HZr2(PO43)は、K=0.63、Rb=0.55、Cs=0.49、Ag=0.53となった。
また、固定化剤としてNH4Zr2(PO43又はH3OZr2(PO43を用いた場合も、同様な結果が得られた。
試験例1
実施例1で得られた固定化体について、以下の方法で浸出特性試験を行った。
(a)大気圧下における純水中での固定対象金属イオン(M+)の浸出試験
試料(金属元素固定化体)5.0gをイオン交換水(100ml)中に浸漬し、マグネット式ホツティングスターラーを用いて還流しながら加熱攪拌を7時間行ない、次いで加熱をやめて17時間静置し、これを7回繰り返して行ったときの固定対象金属イオン(M+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。その結果、3種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は、検出限界以下であった。
(b)高温・高圧下における純水中での固定対象金属イオン(M+)の浸出試験
試料5.0g及びイオン交換水(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。その結果、3種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は、検出限界以下であった。
(c)高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(M+)の浸出試験
試料5.0g及び1N−HCl水溶液(100ml)とともにオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。その結果、3種類の各固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は、それぞれ
K=7.8×10-4g/m2/day、
Rb=8.6×10-5g/m2/day、
Cs=1.3×10-3g/m2/day、
Ag=6.2×10-4g/m2/day
となった。固定対象金属イオンの浸出試験の結果、固定対象金属イオン(M+)の浸出は非常に少ないものであった。
従って、上記(a)及び(b)の結果も含めて、1価の各種金属元素を固定化した結晶質リン酸ジルコニウムは、耐水性及び耐薬品性に優れていることがわかる。
実施例2
実施例1で得た固定化剤(NH4Zr2(PO43、HZr2(PO43又はH3OZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してモル比で1/2になるように2価の金属元素イオンMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Mn2+、Co2+、Cu2+、Zn2+、Cd2+、Hg2+又はPb2+を含む水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度250℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出し、十分に水洗浄し、さらに100℃にて乾燥し、固定対象金属(M2+)の固定化体を得た。固定化剤としてHZr2(PO43を用いた場合の生成物のX線回折法によるピーク位置及び強度を調べた結果を表5〜15に示す。
Figure 2004286739
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これらの結果から、得られた金属元素固定化体はすべて結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
固定対象金属の固定量は、原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により決定した。固定量(M2+/HZr2(PO43)は、Mg=0.45、Ca=0.35、Sr=0.27、Ba=0.20、Mn=0.29、Co=0.33、Cu=0.25、Zn=0.32、Cd=0.31、Hg=0.21、Pb=0.47であった。
また、固定化剤としてNH4Zr2(PO43又はH3OZr2(PO43を用いた場合も、同様の結果が得られた。
試験例2
実施例2で得られた金属元素固定化体について、以下の方法で浸出特性試験を行った。
(a)大気圧下における純水中での固定対象金属イオン(M2+)の浸出試験
試料(金属元素固定化体)5.0gをイオン交換水(100ml)中に浸漬し、マグネット式ホツティングスターラーを用いて還流しながら加熱攪拌を7時間行ない、次いで加熱をやめて17時間静置し、これを7回繰り返し行ったときの固定対象金属イオン(M2+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。11種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(b)高温・高圧下における純水中での固定対象金属イオン(M2+)の浸出試験
試料5.0g及びイオン交換水(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M2+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した11種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(c)高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(M2+)の浸出試験
試料5.0g及び1N−HCl水溶液(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M2+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。11種類の各固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は、Mg=3.9×10-3g/m2/day、Ca=6.0×10-3g/m2/day、Sr=9.8×10-3g/m2/day、Ba=7.81.5×10-3g/m2/day、Mn=4.0×10-3g/m2/day、Co=5.8×10-3g/m2/day、Cu=4.8×10-4g/m2/day、Zn=6.3×10-4g/m2/day、Cd=9.8×10-4g/m2/day、Hg=1.0×10-2g/m2/day、Pb=1.0×10-2g/m2/dayであった。固定対象金属イオンの浸出試験の結果、固定対象金属イオン(M2+)の浸出は非常に少ないものであった。
このように、上記(a)及び(b)の結果も含めて、2価の各種金属元素を固定化した結晶質リン酸ジルコニウムは、耐水性、耐薬品性に優れていることがわかる。
実施例3
実施例1で得た固定化剤(NH4Zr2(PO43、HZr2(PO43又はH3OZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してモル比で1/3になるように3価の金属元素イオンCr3+、Fe3+、Ni3+、Bi3+、In3+、La3+、Gd3+、Y3+又はYb3+を含む水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度250℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水洗浄し、さらに100℃にて乾燥して、固定対象金属(M3+)の固定化体を得た。固定化剤としてHZr2(PO43を用いた場合の生成物のX線回折法によるピーク位置及び強度を調べた結果を表16〜24に示す。
Figure 2004286739
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これらの結果から、得られた金属元素固定化体はすべて結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
固定対象金属の固定量は、原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により決定した。固定量(M3+/HZr2(PO43)は、Cr=0.23、Fe=0.31、Ni=0.20、Bi=0.33、In=0.25、La=0.25、Gd=0.30、Y=0.30、Yb=0.33となった。
また、固定化剤としてNH4Zr2(PO43又はH3OZr2(PO43を用いた場合も、同様な結果が得られた。
試験例3
実施例3で得られた金属元素固定化体について、以下の方法で浸出特性試験を行った。
(a)大気圧下における純水中での固定対象金属イオン(M3+)の浸出試験
試料(金属元素固定化体)5.0g及びイオン交換水(100ml)中に浸漬し、マグネット式ホツティングスターラーを用いて還流しながら加熱攪拌を7時間行ない、次いで加熱をやめて17時間静置し、これを7回繰返し行ったときの固定対象金属イオン(M3+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。9種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(b)高温・高圧下における純水中での固定対象金属イオン(M3+)の浸出試験
試料5.0g及びイオン交換水(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M3+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。9種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(c)高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(M3+)の浸出試験
試料5.0g及び1N−HCl水溶液(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M3+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。9種類の各固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量はCr=3.6×10-3g/m2/day、Fe=8.2×10-3g/m2/day、Ni=1.3×10-3g/m2/day、Bi=1.5×10-3g/m2/day、In=8.2×10-3g/m2/day、La=2.9×10-3g/m2/day、Gd=4.7×10-3g/m2/day、Y=3.3×10-3g/m2/day、Yb=6.9×10-3g/m2/dayであった。固定対象金属イオンの浸出試験の結果、固定対象金属イオン(M3+)の浸出は非常に少ないものであった。
このように、上記(a)及び(b)の結果も含めて、3価の各種金属元素を固定化した結晶質リン酸ジルコニウムは、耐水性及び耐薬品性に優れていることがわかる。
実施例4
実施例1で得た固定化剤(NH4Zr2(PO43、HZr2(PO43又はH3OZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してモル比で1/4になるように4価の各金属元素イオンTi4+、Zr4+、Sn4+又はCe4+を含む水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度250℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水洗浄し、さらに100℃にて乾燥し、対象金属元素(M4+)固定化体を得た。固定化剤としてHZr2(PO43を用いた場合の生成物のX線回折法によるピーク位置及び強度を調べた結果を表25〜28に示す。
Figure 2004286739
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これらの結果から、得られた金属元素固定化体はすべて結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
固定対象金属の固定量は、原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により決定した。固定量(M4+/HZr2(PO43)は、Ti=0.24、Zr=0.25、Sn=0.25、Ce=0.25となった。
また、固定化剤としてNH4Zr2(PO43又はH3OZr2(PO43を用いた場合も、同様の結果が得られた。
試験例4
実施例4で得られた金属元素固定化体について、以下の方法で浸出特性試験を行った。
(a)大気圧下における純水中での固定対象金属イオン(M4+)の浸出試験
試料(金属元素固定化体)5.0gをイオン交換水(100ml)中に浸漬し、マグネット式ホツティングスターラーを用いて還流しながら加熱攪拌を7時間行ない、次いで加熱をやめて17時間静置し、これを7回繰返し行ったときの固定対象金属イオン(M4+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。4種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(b)高温・高圧下における純水中での固定対象金属イオン(M4+)の浸出試験
試料5.0g及びイオン交換水(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(M4+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。4種類のすべての固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(c)高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(M4+)の浸出試験
試料5.0g及び1N−HCl水溶液(100ml)とともにオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定金属元素イオン(M4+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。4種類の各固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は、Ti=4.3×10-3g/m2/day、Zr=4.1×10-3g/m2/day、Sn=9.5×10-3g/m2/day、Ce=7.7×10-3g/m2/dayとなった。固定対象金属イオンの浸出試験の結果、固定対象金属イオン(M4+)の浸出は非常に少ないものであった。
このように、上記(a)及び(b)の結果も含めて、4価の各種金属元素を固定化した結晶質リン酸ジルコニウムは、耐水性及び耐薬品性に優れていることが明らかである。
実施例5
実施例1で得た固定化剤(NH4Zr2(PO43、HZr2(PO43又はH3OZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してそれぞれモル比で1/5又は1/6になるように5価の金属元素イオンAs5+又は6価の金属元素イオンMo6+を含む水溶液50mlとをオートクレーブ中に入れた。オートクレーブを処理温度250℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水洗浄し、さらに100℃にて乾燥し、対象金属元素(As5+、Mo6+)固定化体を得た。固定化剤としてHZr2(PO43を用いた場合の生成物のX線回折法によるピーク位置及び強度を調べた結果を表29〜30に示す。
Figure 2004286739
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これらの結果から、得られたどちらの金属元素固定化体も、結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
固定対象金属の固定量は、原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により決定した。固定量(As5+又はMo6+/HZr2(PO43)は、As=0.035、Mo=0.075となった。
また、固定化剤としてNH4Zr2(PO43又はH3OZr2(PO43を用いた場合も、同様な結果が得られた。
試験例5
実施例5で得られた金属元素固定化体について、以下の方法で浸出特性試験を行った。
(a)大気圧下における純水中での固定対象金属イオン(As5+、Mo6+)の特性浸出試験
試料(金属元素固定化体)5.0g及びイオン交換水(100ml)中に浸漬し、マグネット式ホツティングスターラーを用いて還流しながら加熱攪拌を7時間行ない、次いで加熱をやめて17時間静置し、これを7回繰り返し行ったときの固定対象金属イオン(As5+、Mo6+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。どちらの固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
(b)高温・高圧下における純水中での固定対象金属イオン(As5+、Mo6+)の浸出試験
試料5.0g及びイオン交換水(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(As5+、Mo6+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。2種類の固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量はAs=1.1×10-5g/m2/day、Mo=1.9×10-5g/m2/dayとなった。
(c)高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(As5+、Mo6+)の浸出試験
試料5.0g及び1N−HCl水溶液(100ml)をオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときの固定対象金属イオン(As5+、Mo6+)の浸出量を原子吸収光度法、ICP法及び蛍光X線分析法により測定した。どちらの固定化体からの固定対象金属イオンの浸出量は検出限界以下であった。
このように、(a)及び(b)の結果も含めて、5価又は6価の各種金属元素を固定化した結晶質リン酸ジルコニウムは、耐水性及び耐薬品性に優れていることがわかる。
実施例6
実施例1で得た固定化剤(HZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してモル比で1/1になるようにCs+金属元素イオンを含む水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度100〜400℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水で洗浄し、さらに100℃にて乾燥し、Cs固定化体を得た。Cs固定化体は、そのX線回折法によるピーク位置及び強度から、得られたどのCs固定化体も、結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
Cs金属元素固定量は、蛍光X線分析法により測定した。固定量(Cs+/HZr2(PO43)を図2に示す。図2に示すように、処理温度が高くなるのに従って固定量が多くなり、400℃付近でほぼ8割のH+がCs+にイオン置換されたことになると考えられる。また、処理温度が100℃では、Csの固定化は認められなかった。
Cs金属元素固定化体について、高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(Cs+)浸出特性試験を行った。試料5.0gを100mlの1N−HCl水溶液とともにオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときのCs+イオンの浸出量を原子吸収光度法により測定した。各固定化体からのCs+イオンの浸出量は、図3に示す。処理温度が200℃付近で、浸出量が最高になるものの、絶対的なCs+イオンの浸出量は非常に少ないものであった。
実施例7
実施例1で得た固定化剤(HZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してモル比で1/2になるようにSr2+金属元素イオンを含む水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度100〜400℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水で洗浄し、さらに100℃にて乾燥して、Sr固定化体を得た。得られたSr固定化体は、そのX線回折法によるピーク位置及び強度から、結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
Sr金属元素固定量は、蛍光X線分析法により測定した。固定量(Sr2+/HZr2(PO43)を図4に示す。図4に示すように、処理温度が高くなるの従い多くなり、400℃付近でほぼ9割以上のH+がSr2+にイオン置換されたことになると考えられる。また、処理温度が100℃では、Csの固定化は認められなかった。
Sr金属元素固定化体について、高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン(Sr2+)浸出特性試験を行った。試料5.0g及び1N−HCl水溶液(100ml)とをオートクレーブに入れ、160℃の条件下で24時間放置したときのSr2+イオンの浸出量を原子吸収光度法により測定した。各固定化体からのSr2+イオンの浸出量を図5に示す。図5からもわかるように、処理温度が200〜250℃付近で浸出量が最高になるものの、絶対的なSr2+イオンの浸出量は非常に少ないものであった。
実施例8
図6に固定化剤(HZr2(PO43)の窒素ガスの吸着等温線を示す。図6より、吸着点として数〜十数Å以下の半径をもつ細孔などが多く存在することがわかる。実施例1で得た固定化剤(HZr2(PO43)5gと、固定化剤に対してモル比で1/1〜3/1になるようにCs+金属元素イオンを含むCsNO3水溶液50mlとをオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度150〜400℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水で洗浄し、さらに700℃にて熱処理し、Cs固定化体を得た。Cs固定化体は、そのX線回折法によるピーク位置及び強度から、得られたどのCs固定化体も、結晶質リン酸ジルコニウムNH4Zr2(PO43、HZr2(PO43及びH3OZr2(PO43と同じNASICON型構造を維持していることが判明した。
Cs金属元素固定量は、蛍光X線分析法により測定した。Cs固定量(Cs+/HZr2(PO43)と、Cs固定化体0.2gを純水50ml中に放置した場合の溶液のpH値との関係を図7に示す。図7に示すように、固定化剤(HZr2(PO43)のみでは固定化剤中に含まれるH+の影響で溶液中のpHは酸性を示すが、そのH+が徐々にCs+に置換されることによりpHは中性に近づくことがわかる。一方、H+がすべてCs+に置換されたCs固定量が1以上の1.5のCs固定化体も先に述べたように、そのX線回折からNASICON型構造を維持している。この場合におけるCs固定化場所は固定化剤(HZr2(PO43)のH+サイトだけなく、結晶質リン酸ジルコニウムの表面及び/又は細孔の吸着サイトも含まれる。Cs固定量が1.5の場合は、溶液中のpHはアルカリ性を示し、結晶質リン酸ジルコニウムの表面及び/又は細孔の吸着サイトのCs2Oが影響を考えられる。さらに、700℃の熱処理を行う前の上記固定化体(Cs固定量=1.5)の赤外吸収スペクトルを図8に示す。図8によれば、そのスペクトル中にはNO3基が観測されている。このことは、H+サイトを置換したCs+以外のCsからなるCsNO3がCs固定化体中に存在していることを示す。
また、Sr2+、Y3+、Ti4+、As5+、Mo6+等の2〜6価の金属元素でも同様な結果が得られた。また、価数が大きくなるにつれて、その中で、固定化剤(HZr2(PO43)のH+サイトをすべて置換する前から、結晶質リン酸ジルコニウムの表面及び/又は細孔の吸着サイトへの固定化対象金属元素化合物の固定化が顕著である。
上記のような場合の金属元素固定化体の高温・高圧下における1N−HCl水溶液中での固定対象金属イオン浸出特性試験も行ったが、固定対象金属イオンの浸出は非常に少ないものであった。
このことから、本発明の金属元素固定化方法では、固定化剤(HZr2(PO43)のH+サイト置換による金属元素の安定な固定化に加え、結晶質リン酸ジルコニウムの表面及び細孔の吸着サイトへの金属元素化合物の安定な固定化も起こることが明らかである。
試験例6
本発明の固定化剤について、金属元素を微量に含む水溶液における当該金属元素の除去能力を調べた。
表31に示すように、金属元素イオン(Cr3+、Cu2+、Zn2+、Pb2+、Cd2+、Hg2+又はAs5+)を所定量含有する水溶液(20ml)に対し、実施例1で得た固定化剤(HZr2(PO43)(NZP)を表31に示す量で添加し、得られた混合液をオートクレーブに入れた。オートクレーブを処理温度250℃の条件下で24時間放置した後、固体粉末を取り出して十分に水で洗浄し、さらに100℃にて乾燥して、各金属元素の固定化体を得た。処理後の混合液の金属元素イオンの濃度を測定した。その結果を表31に示す。
Figure 2004286739
表31に示すように、処理後の混合液の金属イオン濃度は、いずれも排水基準値よりも低い値になっており、本発明方法が微量含有溶液の排水処理にも適していることがわかる。
本発明で使用する結晶性リン酸ジルコニウム製造のためのジルコニウム化合物(Zrとして)、カルボン酸化合物(C24として)及びリン化合物(PO4として)の配合範囲を示すモル比三角成分図である。 本発明の固定化方法に従った場合の処理温度とCs固定量の関係を示す図である。 本発明の固定化方法により作製されたCs固定化体の1N−HCl中、160℃−24時間でのCs浸出量と処理温度の関係を示す図である。 本発明の固定化方法に従った場合の処理温度とCs固定量の関係を示す図である。 本発明の固定化方法により作製されたCs固定化体の1N−HCl中、160℃−24時間でのCs浸出量と処理温度の関係を示す図である。 固定化剤(HZr2(PO43)の窒素ガスの吸着等温線である。 Cs固定量(Cs+/HZr2(PO43)と、固定化体0.2gを純水50ml中に放置した場合の溶液のpH値との関係を示す図である。 Cs固定量が1.5のCs固定化体の赤外吸収スペクトルである。

Claims (5)

  1. 一般式RZr2(PO43(ただし、Rは、H、H3O又はNH4カチオンを示す。)で表わされ、かつ、分析的計算による酸化物として式4ZrO2・3P25により表わされる結晶質リン酸ジルコニウムに1種又は2種以上の金属元素Mを固定化する方法であって、
    (1)当該結晶質リン酸ジルコニウムと当該金属元素の金属イオンMn+(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。)を含む混合液を調製する第一工程、
    (2)前記混合液を100℃以上で熱処理する第二工程
    を有する金属元素の固定化方法。
  2. 第一工程として、金属元素の金属イオン濃度が500重量ppm以下である溶液と結晶質リン酸ジルコニウムとを混合することにより混合液を調製する請求項1記載の方法。
  3. 第二工程を温度100〜500℃及び圧力0.1〜40MPaの条件下にて実施する請求項1又は2記載の方法。
  4. 結晶質リン酸ジルコニウムに金属元素Mが固定化されてなる固定化体が、一般式[M(Zr2(PO43n]m・[RZr2(PO43]1-mn(ただし、nは、金属元素Mの平均価数を示す。0<m≦1)で表わされるものである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 固定化体の表面及び/又は細孔に当該金属元素が化合物の形態で吸着している請求項4記載の方法。
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