JP6227879B2 - 特定有害物質の不溶化材及びこれを用いた特定有害物質の不溶化方法 - Google Patents

特定有害物質の不溶化材及びこれを用いた特定有害物質の不溶化方法 Download PDF

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Description

本発明は、経済性に優れる特定有害物質(以下、「重金属等」ともいう)の不溶化材に関し、さらに詳しくは、土壌の成分或いは土壌中の成分を活用した特定有害物質(重金属等)の不溶化材、及びこれを用いた特定有害物質(重金属等)の不溶化方法に関する。
例えば、重金属等による健康被害について認識されていなかった時代から操業していた工場跡地等にあっては、重金属等で汚染された汚染土壌が存在している場合がある。また、これらに起因する等して埋め立て用の残土中に重金属等が含有されている場合もある。近年、これらの土壌中に含有されていた重金属等が溶出し、これが地下水中等に侵入して、人の健康を脅かす事態が生じることが知られるようになり、重金属等を土壌中に安定に固定化する技術の重要性が認識されるに至っている。また、埋め立てに用いられる残土は、例えば、工事現場で行われるシールド工法でモルタルが混じるなどしたアルカリ性の土壌が頻繁に排出されることがあるため、アルカリ性である場合も多い。これに対し、環境への配慮から、埋め立てられた土壌は中性であることが望まれている。また、埋め立てに用いられる残土は、排水処理で生じる大量の汚泥や建設残土などの含水泥土など、含水率の高いものも多く、これらを埋め立てに用いる場合には、泥土を固化することが必要になる場合も多い。
先に述べたように、工場跡地等の土壌や、残土で埋め立てた土壌から重金属等が溶出することを防止する必要が認識されたことから、従来より、重金属等の溶出を抑制する目的で、種々の重金属等の不溶化材が使用されており、その効果が確認されている。尚、本発明でいう「重金属等」とは、平成15年施行の土壌汚染対策法の第2条で規定される「特定有害物質である重金属等」(第2種特定有害物質)を言い、具体的には次のものを指す。
・カドミウム及びその化合物
・六価クロム化合物
・シアン化合物
・水銀及びその化合物(アルキル水銀を含む)
・セレン及びその化合物
・鉛及びその化合物
・砒素及びその化合物
・フッ素及びその化合物
・ほう素及びその化合物
従来より、例えば、フッ素汚染土壌等に対するフッ素の難溶化・安定化技術として、石膏、石灰、硫酸鉄及びリン酸化合物を含有する材料で、フッ化アパタイト及びエトリンガイト生成によりフッ素を難溶化・安定化する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、本出願人は、これまでに、排水処理で生じる汚泥或いは建設残土などの泥土に添加混合して使用することで、処理物を中性にすることができ、泥土中に含まれる重金属等を不溶化すると同時に固化して泥土に強度を与えてハンドリング性に優れるものとすることができる、石膏系の重金属等の不溶化固化剤についての提案をしている(特許文献2参照)。具体的には、焼石膏に、水酸化アルミニウム等から選ばれるアルミニウム化合物と、カルシウム又はマグネシウム成分を含む中和剤を含有させてなる重金属等の不溶化固化材の提案をしている。
さらに、重金属等の溶出が防止できる中性の固化材料として、下記に挙げるような提案もある。例えば、浚渫底泥や建設汚泥等の含水土を固化するのに適した含水土用の中性固化材として、アルミニウムの陽極酸化処理工程の中和・凝集により副生した非晶質の水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム化合物を、加熱して酸化処理して製造した水硬性アルミナを利用することについての提案がある(特許文献3、4参照)。これらの文献では、該水硬性アルミナに、炭酸リチウムや炭酸カルシウム等の固化助剤(固化強度増進材)を含有させることで、含水土を、中性状態で十分な強度を有するように固化できるとしている。また、六価クロムや鉛等の重金属の溶出が防止できるとしている。
特開2007−330884号公報 特開2010−207659号公報 特許第4690729号公報 特許第4680549号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、エトリンガイト生成によりフッ素を難溶化・安定化するため、そのpHをアルカリ性に保つことが必要になり、処理物が中性にならないという問題があった。このことは、処理物が、酸性雨のような酸性条件下に晒されると、エトリンガイトが分解し、重金属等が再溶出する可能性があることを意味する。また、特許文献1に記載されているような、酸性材料とアルカリ材料とを混合して利用する方法では、その土壌のpHに応じて不溶化材の組成を調整する必要があるという課題もある。
また、特許文献2〜4に記載の技術では、中性の処理物が得られるが、その主たる目的が泥土を固化することにあり、種々の重金属等を、より効率的に不溶化し、長期間、安定して固定化する点では改善の余地があった。また、特許文献2では、安価な石膏を原料とするものであるものの、アルミニウム化合物とカルシウム又はマグネシウム成分を含む中和剤を必要としており、より安価で確実な不溶化の処理方法を提供するという観点では改善の余地があった。また、特許文献3、4に記載の技術では、水硬性アルミナを得るための原料が、アルミニウムの陽極酸化処理工程の中和・凝集により副生した非晶質の水酸化アルミニウムであるものの、これを加熱して酸化処理することを要し、大量の土壌を、より安価な方法でより確実に処理をするという、経済性の観点からの大きな課題がある。また、固化材として開発されたものであり、重金属の不溶化の点では十分とは言い難く、改善の余地があった。
さらに、特に汚染された工場跡地等の土壌の表面近傍には、重金属等が多く存在すると考えられるが、土壌の表面に散布して付与するだけで重金属等を簡便に固定することが可能な、重金属等の不溶化材が開発されれば極めて有用である。
したがって、本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決できる高性能の特定有害物質(重金属等)の不溶化材を提供することである。すなわち、本発明の目的は、土壌に添加混合して行う不溶化処理や、土壌表面へ散布して行う不溶化処理において、安価な原料を用いることができる経済的な材料であるにもかかわらず、土壌中や土壌表面近傍に含有される健康に影響を与える重金属等を効果的に不溶化して固定することができ、しかも、処理物が、再利用が可能な環境に配慮した中性のものであり、さらに、中性条件下や、酸性雨のような酸性条件下に晒された場合においても重金属等が再溶出することがない、実用価値の高い特定有害物質(重金属等)の不溶化材を提供することにある。特に、従来、その処理が問題となっている廃棄物を原料として用いることができれば経済的にも極めて有用であり、本発明の目的は、経済性の観点からも極めて有用な特定有害物質(重金属等)の不溶化材を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、第一の本発明は、土壌に対してpH11以上の強アルカリ域とならない状態で使用される特定有害物質の不溶化材であって、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を主成分とすることを特徴とする特定有害物質の不溶化材を提供する。
また、第二の本発明は、土壌に対してpH11以上の強アルカリ域とならない状態で使用される特定有害物質の不溶化材であって、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を主成分とし、さらに、土壌に含まれる水分と接触した際に酸性、中性或いはpH11未満の弱アルカリ性を示すカルシウム成分を含んでなることを特徴とする特定有害物質の不溶化材を提供する。
また、上記に挙げた本発明の特定有害物質の不溶化材の好ましい形態としては、前記非晶質アルミニウム化合物が、非晶質水酸化アルミニウムであること;前記非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体が、アルミニウムスラッジ由来のものをそのままで、或いは、その性状を変えることなく脱水・乾燥させたものであること;前記特定有害物質が、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその化合物(アルキル水銀を含む)、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、フッ素及びその化合物、及び、ほう素及びその化合物からなる群から選択される少なくともいずれかであること;前記カルシウム成分が、石膏、炭酸カルシウム、過酸化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム及び乳酸カルシウムからなる群から選択される少なくともいずれかであること;が挙げられる。
さらに、本発明の他の実施形態では、土壌に対して、上記いずれかの特定有害物質の不溶化材を添加混合するか或いは散布して、pH11以上の強アルカリ域とならない状態で処理して特定有害物質の不溶化をすることを特徴とする特定有害物質の不溶化方法を提供する。
また、本発明の特定有害物質の不溶化方法の好ましい形態としては、前記土壌の乾燥質量1kgあたり、前記特定有害物質の不溶化材の主成分である非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を0.5〜50gの範囲内で添加混合するか或いは散布すること;さらに好ましくは、前記土壌の乾燥質量1kgあたり、前記特定有害物質の不溶化材の主成分である非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を10〜40gの範囲内で添加混合するか或いは散布すること;前記不溶化される特定有害物質が、前記土壌に起因するものであるか、或いは、前記不溶化材の構成成分に起因するものであること;該不溶化材の構成成分が、カルシウム成分であることが挙げられる。尚、上記において乾燥質量とは、「土の含水比試験方法JIS A1203」に準拠し、110℃±5℃の乾燥炉で恒量となるまで乾燥させた土壌の質量を意味する。
本発明によれば、pH11以上の強アルカリ域にならない状態、すなわち、エトリンガイトが生成しないpH域において本発明の特定有害物質の不溶化材を使用した場合、土壌中や土壌表面近傍に存在する重金属等が効果的に不溶化され、しかも、不溶化した重金属等が、中性条件下においても酸性条件下においても、再溶出することが抑制された処理物となる優れた特定有害物質の不溶化材が提供される。また、本発明の特定有害物質の不溶化材は、これを土壌に添加混合して処理する方法の場合のみならず、土壌表面に散布するだけで上記効果が発現される簡便なものである。さらに、処理物は、これを埋め立てなどに利用した場合において、環境への影響を配慮した中性のものとなる。また、本発明によれば、本発明を特徴づける非晶質アルミニウム化合物として、大半が廃棄物とされていたアルマイト工場やアルミサッシ工場で発生するアルミニウムスラッジが有効利用できるため、環境配慮型の製品の提供が可能になる。
脱水・乾燥したアルミニウムスラッジのX線回折測定(CuKα線)結果。 本発明の特定有害物質の不溶化材を、pH11以上の強アルカリ域とならない状態で土壌と混合して使用した際に、土壌のみ、養生1週間、養生1ヶ月における各採取サンプルの各X線回折測定(CuKα線)結果を示す図である。 本発明の特定有害物質の不溶化材と、比較例のセメント系固化材とをそれぞれに用いた各処理物についての、中性条件及び酸性条件での溶出試験結果を示す図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく、従来の重金属等を含む土壌の処理において、土壌に含まれる重金属等の溶出を充分に防止できなかった理由について詳細な検討を行った。
本発明者らは、検討の結果、上記したような泥土中の重金属等の不溶化処理に用いられている従来の不溶化材は、重金属等との反応性が充分でなく、完全に不溶化するためには、その使用量が多大になるといった問題があり、また、処理時に不溶化されていたとしても、安定的に不溶化することが達成できておらず、埋め立て後等において重金属等の溶出が認められる場合があることがわかった。また、先に述べたように、従来の不溶化材は、それ自体がアルカリ性を呈するものであることも多く、環境配慮の点で不十分であり、このことも、その処理物を利用し難くしている大きな要因である。さらに、本発明者らは、特に酸性雨のような酸性条件下に処理物が晒されると、不溶化した重金属等が処理物内から再溶出することが生じるという課題があり、処理物がアルカリ性を呈する場合においては顕著であることを認識した。さらに、特に汚染された工場跡地等の土壌の表面近傍には、重金属等が多く存在すると考えられるが、土壌の表面に散布して付与するだけで重金属等を簡便に固定することが可能な重金属等の不溶化材が開発されれば極めて有用である。
本発明者らは、上記した知見に基づき、さらに詳細な検討を行った結果、本発明を達成した。土壌に、アルミニウム化合物の中でも特に、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体(以下、非晶質アルミニウム化合物という)を添加混合或いは散布すれば、重金属等をより確実に安定して不溶化でき、さらに、その処理物は、酸性雨のような酸性条件に晒された場合であっても重金属等が再溶出せずに固定された状態が安定に保たれ、かつ、処理物が中性となる重金属等の不溶化材の提供が可能となることを見出して本発明に至った。尚、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体とは、X線回折で非晶質状態にあると認められるアルミニウム化合物であればよい。また、後述するが、本発明で使用する非晶質アルミニウム化合物は、アルマイト工場やアルミサッシ工場等で生じる、その大半が廃棄処分されていたアルミニウムスラッジをそのまま、或いは簡単な脱水や風乾した状態のものを利用することができるので、本発明の特定有害物質の不溶化材は、その材料構成において極めて経済的なものになる。
以下、本発明の特定有害物質の不溶化材を構成する各資材について説明する。
(非晶質アルミニウム化合物)
本発明者らは、後述する検証結果から、本発明の特定有害物質の不溶化材を特徴づける非晶質アルミニウム化合物が、処理物内に重金属等を効果的に固定化でき、しかも、中性条件下でも酸性条件下でも、処理物中から固定された重金属等が再溶出することを効果的に抑制できる、優れた不溶化成分として機能できた理由を下記のように考えている。本発明の特定有害物質の不溶化材を、土壌に対して、pH11以上の強アルカリ域とならない状態、すなわち、エトリンガイトが生成しないpH域で使用すると、非晶質アルミニウム化合物中のアルミニウム成分と、処理対象の土壌に含有されているシリカ成分やカルシウム成分と、土壌や不溶化材に含まれる重金属等の成分によって、エトリンガイトではない鉱物が生成し、この結果、土壌中の重金属等が鉱物の構成成分として固定化され、本発明の優れた効果が達成できたものと考えられる。
本発明者らの詳細な検討によれば、非晶質アルミニウム化合物は、結晶質のものと比較すると重金属等の吸着能力に優れるので、土壌中や土壌表面に非晶質アルミニウム化合物を添加すると、土壌中や土壌表面、又は不溶化材自身に含有されている重金属等を容易に吸着する。さらに、土壌内で、非晶質アルミニウム化合物が結晶質へと変化する過程で、吸着した重金属等と、土壌中に含有されているシリカ成分やカルシウム成分を取り込んで鉱物化し、この結果、重金属等を安定的に不溶化することができたものと考えられる。本発明者らの検討によれば、本発明を特徴づける非晶質アルミニウム化合物は、土壌中に含有されている特定有害物質、例えば、砒素、セレン、カドミウム、水銀、シアン、鉛及び六価クロム等の重金属や、フッ素やほう素などの無機物を不溶化し、処理物中に安定に固定する機能を有する。
本発明者らは、非晶質アルミニウム化合物の上記機能を確認すべく、pH11以上の強アルカリ域とならない状態で、非晶質アルミニウム化合物と、土壌とを混合して養生し、養生後の固化物の性状についての調査を行った。具体的には、上記試験に用いた土壌のみのサンプルと、養生1週間後のサンプルと、養生1ヶ月後のサンプルのそれぞれについてX線回折を測定した。図2に得られたX線回折の結果を示した。図中の1は、土壌のみのサンプルについてのX線回折であり、図中の2は、養生1週間後のサンプルのX線回折であり、図中の3は、養生1ヶ月後のサンプルのX線回折である。なお、上記試験では、非晶質アルミニウム化合物に石膏を併用したが、これは下記の理由による。検討の結果として判明した本発明の不溶化技術に必要な成分は、カルシウムとシリカとアルミニウムであるが、これらの成分のうち、積極的に添加する非晶質アルミニウム化合物と、積極的に添加せずに、土壌より供給されてくるシリカ成分と比較して、土壌より供給されるカルシウム成分は極端に少ない。これに対して、石膏は中性の材料であるので土壌と混合処理した場合に、その状態が強アルカリ域となることがなく、しかも、処理域を、カルシウム成分が豊富に存在した状態に確実にできるため、上記試験にあたり添加したものである。
図2に示したように、養生1週間後のサンプル、さらには養生1ヶ月後のサンプルでは、2θ=28.5°の近傍に、不溶化材や、併用した石膏や、土壌の構成成分に起因するピークでないことが明らかなピークが出現していることを確認した。また、養生1週間後のサンプルについての結果と、養生1ヶ月後のサンプルについての結果を比較すると、出現した2θ=28.5°の近傍のピークは、養生1週間後のサンプルのピークよりも養生1ヶ月後のサンプルの方が成長していた。これらのことは、上記の処理をしたことで、処理物中に何らかの結晶性の化合物(鉱物)が生成したことを示している。尚、図2に示した結果から、エトリンガイトに該当する特徴的なピーク(2θ=9.1°、15.8°)の出現がないことも確認できた。
上記で得た結果に対し、本発明者らは、本発明の特定有害物質の不溶化材の構成成分と、該不溶化材を添加混合した土壌の成分とを勘案して、様々な組成式を持つ結晶性の化合物の合成を行い、得られた化合物についてのX線回折を測定した。その結果、得られた2θ=28.5°の近傍にピークを有する化合物は、CaAl2Si616・6H2O、Ca(Si,Al)1632・13H2O、CaAl2Si718・5.5H2O、Ca12Al2Si1851・18H2O、CaAl2Si1024・7H2O、(Ca,Na2,K2)Al2Si1024・7H2O、CaAl2Si718・6H2O、CaAl2Si616・4H2O、Ca3Al2(SiO4)(OH)8、Ca3Al2Si312のいずれかであることがわかった。これらは、鉱物種の化学組成に一致するものであることから、本発明の特定有害物質の不溶化材を使用して行った処理によって、何らかの結晶性の化合物(鉱物)が生成し、その結果として、X線回折において2θ=28.5°の近傍にピークが出現したものと考えられる。
上記した検討の結果、本発明の不溶化技術に必要な成分は、カルシウムとシリカとアルミニウムであることが判明したが、先に述べたように、土壌より供給されるシリカ成分と比較してカルシウム成分は極端に少ないことから、本発明の特定有害物質の不溶化材は、非晶質アルミニウム化合物に、カルシウム成分を併用したものであることが好ましい。非晶質アルミニウム化合物と併用するカルシウム成分は、先に挙げた石膏に限定されることはないが、石膏を使用する場合は、安価に入手可能であり、焼成処理することなく使用することができる二水石膏が好ましい。しかし、これに限定されず、焼石膏(β型半水石膏、α型半水石膏、III型無水石膏、II型無水石膏又はそれらの混合物)も使用することができ、これらを使用した場合は、本発明の特定有害物質の不溶化材に、上記した石膏の水和反応による土壌の固化性能が付与されることになる。また、廃石膏のように、石膏自体に起因する重金属等の存在が懸念される場合であっても、これらの重金属類も処理物内に安定に固定されるため使用することができる。
本発明において、非晶質アルミニウム化合物と併用可能なカルシウム成分は、上記した石膏に限定されるものでなく、土壌に含まれる水分と接触した際に、酸性、中性又はpH11未満の弱アルカリ性を示すカルシウム成分であればいずれのものでもよい。その理由は、併用したカルシウム成分が、上記したような土壌に含まれる水分と接触した際にpH11以上(強アルカリ性)とならないものであれば、これを使用した場合に土壌のpHが11以上とならない、すなわち、エトリンガイトが生成しない状態で重金属等の不溶化処理ができるからである。より具体的には、石膏(硫酸カルシウム)、炭酸カルシウム、過酸化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム及び乳酸カルシウム等が安価に使用できて好ましい。例えば、土壌が酸性土壌(pH4以下の土壌)の場合には、カルシウム成分として、酸化カルシウムや水酸化カルシウム等のものを使用することもできる。また、使用するカルシウム成分自体に起因する重金属等が存在するか、或いは重金属等が存在することが懸念される場合であっても、本発明の特定有害物質の不溶化材を使用した場合は、これら重金属類も処理物内に安定に固定されることになる。
[非晶質水酸化アルミニウム]
本発明者らのさらなる検討によれば、本発明の目的を高度に達成するためには、非晶質アルミニウム化合物として、非晶質水酸化アルミニウムを用いることが特に好ましい。また、このようなものとしては、火山灰土やアルマイト工場やアルミサッシ工場において発生したアルミニウムスラッジが挙げられる。さらに、驚くべきことに、本発明では、アルミニウムスラッジをそのまま、或いは性状を変えることなく脱水・乾燥させたものを用いることで、本発明の顕著な効果が得られることがわかった。本発明者らの検討によれば、アルマイト工場やアルミサッシ工場において発生したアルミニウムスラッジは、工程等によって性状が異なり、その性状を特定することが難しいが、少なくとも多量の非晶質水酸化アルミニウムが含まれている。本発明者らは、本発明の不溶化材においては、このような非晶質水酸化アルミニウムが多く存在している材料であれば有効であり、重金属等を不溶化でき、その後の再溶出も含めて、重金属等の溶出を安定して抑制する効果が得られることを見出した。
具体的には、この非晶質水酸化アルミニウムを多量に含むアルミニウムスラッジを、土壌に添加混合させるだけで、或いは、土壌表面に散布するだけで、その処理物は、重金属等の溶出が効果的に抑制され、しかも、処理物は中性であり、さらに、中性条件下の場合は勿論、酸性雨のような酸性条件下に処理物が晒されても、処理物から固定された重金属等が再溶出することがない。本発明においては、特に、本発明を特徴づける非晶質アルミニウム化合物として、非晶質水酸化アルミニウムを含むアルミニウムスラッジをそのまま、或いは、性状を変えることなく脱水・乾燥させて使用することが好ましい。このような材料を使用すれば、より経済的な処理が可能になる。本発明では、特許文献3、4に記載の技術と異なり、アルミニウムスラッジに含まれる非晶質水酸化アルミニウムを酸化させないようにして使用することが必要になる。尚、非晶質水酸化アルミニウムを酸化させないようにする手段については、従来行われている任意の手段を、適宜に用いることができる。図1に、脱水・乾燥したアルミニウムスラッジのX線回折測定結果を示した。
上記した構成を有する本発明の特定有害物質の不溶化材は、先にも述べたように、その詳細は不明であるが、非晶質アルミニウム化合物が、土壌中或いは土壌表面、又は不溶化材自身に含まれる重金属等を吸着した後、これらの重金属等を取り込んで鉱物化し、これによって重金属を安定的に不溶化することができ、この結果、本発明の顕著な効果が得られたものと考えられる。本発明の顕著な結果は、後述するような中性条件下或いは酸性条件下で溶出試験を行うことで確認できる。また、本発明で使用する非晶質アルミニウム化合物は水に不溶性であるが、アルカリに対しては緩やかに反応して中和剤として機能し得ることがわかった。このため、現場発生の多くの土壌等は、アルカリ性を示すが、本発明の特定有害物質の不溶化材によって処理した場合、効果的にpHが中性に保たれた処理物が得られることを確認した。
本発明の特定有害物質の不溶化材は、土壌に添加混合することで効果的に使用できるが、該不溶化材を、土壌の表面近傍に散布することでも本発明の効果を得られ、かつ、簡便に使用することができる。
本発明の特定有害物質の不溶化方法の好ましい形態について説明する。本発明の特定有害物質の不溶化方法は、前述した本発明の特定有害物質の不溶化材を土壌に添加混合するか或いは散布して処理することを特徴とするが、その場合の不溶化材の添加混合或いは散布は、下記のような基準で行うことが好ましい。このようにすれば、本発明の効果を十分に得ることができ、しかも経済的な処理が可能になる。すなわち、本発明の特定有害物質の不溶化材の土壌への添加量は、土壌の乾燥質量1kgあたりに、特定有害物質の不溶化材の主成分である非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体が0.5〜50gの範囲内で、さらに好ましくは、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体が10〜40gの範囲内で添加混合或いは散布されるようにすることが好ましい。添加混合或いは散布させる非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体量が0.5gよりも少なくと、少なすぎてこれらの化合物が土壌中で均一に分散し難いので好ましくない。一方、非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を50gよりも多く添加混合或いは散布させても、さらなる効果は得難く、コストが高くなって経済的ではない。また、本発明の特定有害物質の不溶化材を土壌に添加混合を行う場合には、混合作業を容易にするために、必要に応じて土壌に水を適量加えてもよい。処理物は、その後に埋立て等に利用されることを考えると、上記に加えて、処理した土壌のpHが5.6〜8.6の範囲になるようにすることが好ましいが、本発明の特定有害物質の不溶化材の量を上記のように調整して添加混合すれば、その後に特別にpH調整を行うことなく、上記範囲のpH値を達成できる。この結果、例えば、処理物を利用して埋立した土壌において、重金属等の溶出試験を行った場合、より確実に重金属等の溶出を抑制することができる。
上記の各値の測定は、以下に示す各試験方法に準拠し、下記に述べる方法で実施した。
(1)含水比試験:「土の含水比試験方法JIS A1203」に準拠した。含水比w(%)は、次の式によって算出する。
w=(ma−mb)×100/(mb−mc
a:試料と容器の質量(g)
b:炉乾燥試料と容器の質量(g)
c:容器の質量(g)
(2)平成15年環境省告示第18号溶出試験法(以下「第18号試験」ともいう)
対象となる土壌を乾燥し、乾燥後に2mmの篩を通過させ、さらに、溶媒として水を用い、通過した乾燥土壌の10倍量の水を加えて試験用試料を調製する。これを6時間、200回/分、振り幅4〜5cmで連続して振り混ぜる。その後、遠心分離、ろ過後、得られたろ液を測定用サンプルとした。JISで標準化されているそれぞれの金属分析の方法に準拠した方法で、該サンプル中の金属分析を行った。
(3)長期安定化試験
上記の溶媒の水を、0.769mmol/Lの硫酸水溶液(実測pH値=2.9)に代えた以外は上記したと同様にして、酸性条件における溶出試験を行った。このように、溶媒を硫酸溶液として上記の条件で溶出試験をした理由は、処理物が放置される自然界において生じる酸性雨を想定したものである。具体的には、上記した条件は、処理物が、pH4.0、年間降雨量2000mmで100年間晒された場合として算出したものである〔土壌環境センター技術標準「重金属等不溶化処理土のpH変化に対する安定性の相対的評価法」(以下、「酸添加溶出試験」ともいう)に準拠〕。
(4)pH試験:「土懸濁液のpH試験方法 JGS0211」に準拠した。
試料をビーカーに入れ、試料の乾燥質量に対する水(試料中の水を含む)の質量比が5になるように水を加える。試料を撹拌棒で懸濁させ、30分以上、3時間以内静置したものを測定用の試料液とする。ビーカー内の試料液を撹拌した後、ガラス電極pH計で測定する。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
<評価サンプルの調製>
110℃±5℃の乾燥炉で恒量となるまで乾燥させた土壌を用意した。そして、該土壌に、砒素及びフッ素を添加して、砒素の溶出量が0.1mg/L、フッ素の溶出量が2.5mg/Lになるように模擬汚染土壌を調製した。
<評価1>
上記で得た模擬汚染土壌1kgを含水比率40%に調整し、表1に示したように、添加する非晶質水酸化アルミニウムの量をそれぞれに変えて模擬汚染土壌に添加混合することで、実施例1〜4の本発明の特定有害物質の不溶化材を用いての土壌中の砒素及びフッ素の不溶化を実施した。また、非晶質水酸化アルミニウムを用いなかったものを比較例1とし、実施例で使用した非晶質水酸化アルミニウムに変えて、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウムをそれぞれに用い、乾燥させた上記の模擬汚染土壌1kgに、これらの化合物を10g添加混合することで処理したものを比較例2、3とした。
Figure 0006227879
具体的には、処理対象の模擬土壌に対して、実施例及び比較例の各特定有害物質の不溶化材を所望量添加後、十分に混練して不溶化処理を行った。処理後、1日養生した後、処理土壌からの砒素とフッ素の溶出量と処理土壌のpHを測定した。その際における測定は、先に述べた方法で行った。得られた結果を表2に示した。表2に示された通り、実施例の特定有害物質の不溶化材を用いた場合は、いずれにおいても砒素及びフッ素の溶出が抑制されていることが確認された。さらに、処理物は中性であることを確認した。また、実施例の特定有害物質の不溶化材を用いたものについては、上記の処理を行った処理物を6カ月間放置し、上記と同様に、砒素とフッ素の溶出量を測定したところ、表2に示した測定値が維持されていることを確認した。
Figure 0006227879
<評価2>
さらに、実施例の特定有害物質の不溶化材である非晶質水酸化アルミニウムを用い、実施例2と同様にして下記の重金属類を不溶化処理し、得られた処理物について溶出試験を行って評価した。具体的には、鉛、六価クロム及びセレンを添加して、鉛の溶出量を0.1mg/L、六価クロムの溶出量を0.5mg/L、セレンの溶出量を0.1mg/Lに調整した模擬汚染土壌を用意し、含水比率40%に調整した。そして、該土壌に対し、評価1の実施例2と同様に特定有害物質の不溶化材を添加・混練し、その後に溶出試験を行った。また、比較例1〜3で使用した前記の各化合物を用いて実施例2と同様の処理を行った。その結果、いずれの金属についても、実施例2の特定有害物質の不溶化材を用いた場合は、比較例に比して明らかに不溶化の効果が得られることを確認した。
Figure 0006227879
<実施例5、比較例4>
非晶質アルミニウム化合物として、非晶質水酸化アルミニウムを多量に含むアルミニウムスラッジを25質量部に、カルシウム成分の添加と固化機能を持たせる目的で焼石膏を100質量部加えて、実施例5の特定有害物質の不溶化材を調製した。比較のために、市販のセメント系固化材を用い、処理後における重金属の溶出試験を行った。各材を用い、処理対象の模擬泥土1600kg(1m3)に対して、各材を100kg添加後、十分に混練して処理を行った。その後、60日養生した。そして、初日、30日目、60日目におけるサンプルをそれぞれ採取し、第18号試験と酸添加溶出試験を行った。得られた試験結果を図3に示した。
図3から明らかなように、実施例5の特定有害物質の不溶化材を用いた場合と、比較例4の固化材を用いた場合とでは、溶出量が明らかに異なり、比較例4の固化材を用いた場合よりも実施例5の特定有害物質の不溶化材を用いた場合の方が、フッ素の溶出量は格段に少ないことが確認された。また、実施例5の特定有害物質の不溶化材を用いた場合は、処理後の初期段階では、溶媒として硫酸溶液を用いて試験した結果の方が、水による溶出の場合よりもむしろ溶出量が少なかった。これに対し、比較例4の固化材を用いた場合は、硫酸溶液を用いた酸性条件においては、その溶出量は水を溶媒とした場合よりも明らかに増大しており、特に固定した重金属等が再溶出する問題があることが示された。
<実施例6>
非晶質アルミニウム化合物として、非晶質水酸化アルミニウムを多量に含むアルミニウムスラッジを25質量部に、カルシウム成分の添加と固化機能を持たせる目的でフッ素の含有が認められた廃石膏を原料とする焼石膏を100質量部加えて、実施例6の特定有害物質の不溶化材を調製した。これを、土壌表面に散布して60日養生した。そして、初日と60日目に、散布した部分の土壌の表面から不溶化材の部分をサンプリングして、実施例5と同様に溶出試験を行った。その結果、初日のサンプルからの溶出量に比べて、明らかに60日目のサンプルからの溶出量が低減されたことを確認した。
本発明の活用例としては、土壌中や土壌表面近傍に含まれる重金属等の確実な不溶化と、その後に、酸性雨等に処理物が晒された場合であっても、処理物から不溶化した重金属等が再溶出することがなく、土壌に含まれる成分を利用して特定有害物質を安定して不溶化でき、しかも処理物が安定して中性のものとなる土壌の処理に好適な特定有害物質の不溶化材が挙げられる。本発明の活用例としては、さらに、いずれも大半が廃棄物となっている廃石膏やアルミニウムスラッジの有効利用を可能にした、経済性に優れる特定有害物質の不溶化材が挙げられ、当該不溶化材を用いての処理方法が極めて簡単であることからその利用が期待される。

Claims (10)

  1. 土壌に対してpH11以上の強アルカリ域とならない状態で使用される特定有害物質の不溶化材であって、
    非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を主成分とし、さらに、土壌に含まれる水分と接触した際に酸性、中性或いはpH11未満の弱アルカリ性を示すカルシウム成分を含んでなることを特徴とする特定有害物質の不溶化材(但し、リン酸カルシウム化合物を含むものを除く)
  2. 前記非晶質アルミニウム化合物が、非晶質水酸化アルミニウムである請求項1に記載の特定有害物質の不溶化材。
  3. 前記非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体が、アルミニウムスラッジ由来のものをそのままで、或いは、その性状を変えることなく脱水・乾燥させたものである請求項1又は2に記載の特定有害物質の不溶化材。
  4. 前記特定有害物質が、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその化合物(アルキル水銀を含む)、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、フッ素及びその化合物、及び、ほう素及びその化合物からなる群から選択される少なくともいずれかである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の特定有害物質の不溶化材。
  5. 前記カルシウム成分が、石膏、炭酸カルシウム、過酸化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム及び乳酸カルシウムからなる群から選択される少なくともいずれかである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の特定有害物質の不溶化材。
  6. 前記カルシウム成分が、石膏である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の特定有害物質の不溶化材。
  7. 土壌に対して、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の特定有害物質の不溶化材を添加混合するか或いは散布して、pH11以上の強アルカリ域とならない状態で処理して特定有害物質の不溶化をすることを特徴とする特定有害物質の不溶化方法。
  8. 前記土壌の乾燥質量1kgあたり、前記特定有害物質の不溶化材の主成分である非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を0.5〜50gの範囲内で添加混合するか或いは散布する請求項7に記載の特定有害物質の不溶化方法。
  9. 前記土壌の乾燥質量1kgあたり、前記特定有害物質の不溶化材の主成分である非晶質アルミニウム化合物又はその誘導体を10〜40gの範囲内で添加混合するか或いは散布する請求項7に記載の特定有害物質の不溶化方法。
  10. 前記不溶化される特定有害物質が、前記土壌に起因するものであるか、或いは、前記不溶化材の構成成分に起因するものである請求項7乃至9のいずれか1項に記載の特定有害物質の不溶化方法。
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