JP2004285157A - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂に対して従来よりも少量の抗菌剤の添加で抗菌性が発揮できる抗菌性樹脂組成物、および該組成物を成型してなる成型体を提供する。
【解決手段】対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)および吸水率が10〜300%である親水性樹脂(B)を含有してなる樹脂配合用抗菌剤組成物、該抗菌剤組成物および吸水率が10%未満の疎水性樹脂(C)を含有してなる抗菌性樹脂組成物、並びに該抗菌性樹脂組成物を成型してなる抗菌性樹脂成型体である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌剤組成物および抗菌性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、第4級アンモニウム塩型抗菌剤を含む樹脂配合用の抗菌剤組成物、該抗菌剤組成物を含む抗菌性樹脂組成物および該組成物を成型してなる成型体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、衛生上のニーズ等から、樹脂に抗菌剤を添加して抗菌性を付与することが行われてきた。添加する抗菌剤としては、無機系の抗菌剤、例えば銀、銅および亜鉛ゼオライト(特許文献−1参照)や、有機系の抗菌剤、例えばイミダゾール系抗菌剤(特許文献−2参照)、チアゾリン系抗菌剤(特許文献−3および−4参照)およびアニオン性高分子と第4級アンモニウム塩との塩(特許文献−5参照)が知られている。
【0003】
【特許文献−1】特開平6−116458号公報、
【特許文献−2】特開昭52−7435号公報、
【特許文献−3】特開平8−310903号公報、
【特許文献−4】特開平11−207880号公報、
【特許文献−5】特開2000−154105号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の抗菌剤は、樹脂に対して多量の配合をしなければ、その効果が発揮できず、多量の添加による樹脂の着色または成型体の物理的物性の低下などが起こり易かった。本発明の目的は、樹脂に対して従来よりも少量の抗菌剤の添加で抗菌性が発揮できる抗菌性樹脂組成物、および該組成物を成型してなる成型体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)および吸水率が10〜300%である親水性樹脂(B)を含有してなる樹脂配合用抗菌剤組成物、該抗菌剤組成物および吸水率が10%未満の疎水性樹脂(C)を含有してなる抗菌性樹脂組成物、並びに該抗菌性樹脂組成物を成形してなる抗菌性樹脂成型体である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)には、下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A1);アミド基[アルキル(炭素数10〜24)アミドアルキル(炭素数2〜6)基]または/および炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有する第4級アンモニウム塩(A2);並びに環状アミン(ピリジン、モルホリンなど)型第4級アンモニウム塩(A3)が含まれ、好ましいのは(A1)である。
【0007】
【化2】
Figure 2004285157
【0008】
一般式(1)におけるRおよびRは炭素数1〜22(好ましくは1〜14)の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基およびアルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。これらのうち、好ましいのは炭素数が1〜14、さらに炭素数1〜8、特に炭素数1または2、最も好ましくはメチル基である。また、R1とR2は同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
【0009】
は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基を表す。直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示したものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基およびフェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基およびシンナミル基などが挙げられる。
のうち好ましいのは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜15のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、さらに好ましくは炭素数が6〜14の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基である。
【0010】
は炭素数8〜22の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基およびオレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。Rのうち好ましいのは炭素数8〜18の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは炭素数10〜16の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基である。Xは超強酸のアニオンを表す。
【0011】
(A1)を構成する第4級アンモニウム基の具体例としては、Rが脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、)、2つの長鎖アルキル基(炭素数6〜22)を有するもの(ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウムおよびジメチルジドデシルアンモニウム)、1つの長鎖アルケニル基(炭素数8〜22)を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウム)が挙げられる。
また、Rがアリールアルキル基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
【0012】
これらのうち抗菌性の観点から好ましいのは、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。
【0013】
(A2)を構成する第4級アンモニウム基としては、例えばオレアミドエチルジエチルメチルアンモニウム、ステアラミドエチルジエチルベンジルアンモニウム、およびステアラミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基などが挙げられる。
【0014】
(A3)を構成する第4級アンモニウム基をしては、アルキロキシ(炭素数8〜24)メチルピリジニウム基(例えばステアリロキシメチルピリジニウム基)、アルキル(炭素数8〜24)オキシメチルピリジニウム基(例えば、ヘキサデシルオキシメチルピリジニウム基)、およびアルキル(炭素数10〜24)ピリジニウム基(例えば、テトラデシルピリジニウム基)などが挙げられる。
【0015】
(A)の対イオンである超強酸は、100%硫酸より強い酸強度を有する酸(「超強酸・超強塩基」田部浩三、野依良治著、講談社サイエンティフィック刊、p1参照)であり、Hammettの酸度関数(H)が100%硫酸の−11.93以下のものであり、プロトン酸、およびプロトン酸/ルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H=−14.00)などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であるが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、本発明の一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A)の耐熱性の観点から、好ましいのは、Hammettの酸度関数(H)が−12.00以下のもの、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、および六フッ化タウリンなど、さらに好ましいのは、トリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸、特に好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸と四フッ化硼素酸である。
【0016】
(A)のうち、耐熱性と持続性の観点から好ましいのは(A1)であり、特に好ましいのはジメチルジデシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩、ジデシルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム四フッ化硼素酸塩およびジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸ある。
【0017】
(A)の製造方法としては限定はなく公知の方法でよく例えば下記の[I]および[II]の方法が挙げられる。好ましいのは[II]の方法である。
【0018】
[I] 第4級アンモニウム塩〔例えば、クロルアニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に前記超強酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリウム塩など)を加え(第4級アンモニウム塩/超強酸塩の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合して得られる水溶液を70〜80℃で約1時間撹拌後、静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。
【0019】
[II] 第3級アミンと同当量以上(好ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10〜1000%)または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当量)し、10〜50℃で1時間撹拌して塩交換する。溶媒を80〜120℃で減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。炭酸ジアルキルエステルとしては、炭酸ジメチルおよび炭酸ジエチルが挙げられ、残存する炭酸ジエステルの含量(測定法:ガスクロマトグラフィー法)は(A)の重量に基づいて好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは0〜100ppm、とくに好ましくは0〜50ppmである。該炭酸ジアルキルエステルが200ppm以下であればを本発明の後述の抗菌性樹脂組成物を成形してなる成型体の樹脂強度が低下することがないので好ましい。
【0020】
本発明の(A)は、通常は個体であり、その融点は通常30〜100℃であり、好ましくは40〜80℃である。
【0021】
本発明における親水性樹脂(B)は、吸水率が10〜300%、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは40〜90%である。本発明において吸水率はASTM−D570法(23℃、24時間後)で測定されるものである。
(B)の吸水率が10〜300%であることにより、後述の抗菌性樹脂組成物の抗菌性が向上できる。
【0022】
(B)は、通常、常温で液状または固状の樹脂であって、数平均分子量(測定法はGPC;以下、Mnと略記する)が500〜100,000の親水性の熱可塑性樹脂である。(B)には、(b1)重付加系樹脂(例えばポリウレタン樹脂)、(b2)重縮合系樹脂(例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂およびポリカーボネート樹脂)、(b3)付加縮合系樹脂(例えばフェノール樹脂およびアミノ樹脂)、(b4)開環重合系樹脂(例えばポリエーテル樹脂およびエポキシ樹脂)、(b5)付加重合系樹脂(例えばアクリル樹脂など)および(b6)これらの重合様式を併用した樹脂が含まれる。
これらのうち、好ましいのは(b2)、(b4)、(b5)および(b6)、さらに好ましいのは(b6)である。
(B)は、(b1)〜(b6)のうちの2種以上の混合物、または(b1)〜(b6)のそれぞれのうちの2種以上の混合物であってもよい。
(b4)としては、ポリアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜6:ただしアルキレン基のうちのエチレン基の割合は50モル%以上)、並びにエピハロヒドリン/アルキレンオキシド共重合体(アルキレン基の炭素数2〜6:ただしアルキレン基のうちのエチレン基の割合は30モル%以上)などが挙げられる。
(b5)としては、アクリルアミド系共重合体、エチレン/不飽和カルボン酸(塩)系共重合体、例えばエチレン/アクリル酸(塩)共重合体およびエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/アクリル酸(塩)共重合体などが挙げられる。(b6)のうち、開環重合と重縮合から得られる樹脂としては、ポリアルキレングリコールと末端カルボキシ基のポリアミド樹脂から得られるポリエーテルエステルアミド樹脂、末端カルボキシル基のポリアルキレングリコールと末端アミノ基のポリイミド樹脂から得られるポリエーテルアミドイミド樹脂、並びにポリアルキレングリコールとポリカルボン酸から得られるポリエーテルエステル樹脂などが挙げられる。
(b6)のうち、開環重合と付加重合から得られる樹脂としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート系共重合体、ポリオキシエチレン基含有エチレン/酢酸ビニル共重合体(エチレン/酢酸ビニル共重合体の加水分解物のエチレンオキシド付加物)などが挙げられる。
これらのうち、さらに好ましいのは、(A)の添加量が少なくても(A)による抗菌性が十分に発揮できるという観点でポリエーテルエステルアミド樹脂である。
ポリエーテルエステルアミド樹脂のうち特に好ましいのは、特開平6−287547号公報に記載の、両末端にカルボキシル基を有するMn200〜5,000のポリアミド樹脂(b61)と、Mn300〜5,000のビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(b62)および/またはポリアルキレングリコール(b63)とから誘導されるポリエーテルエステルアミドなどである。
【0023】
上記(b61)としては、(1)炭素数4〜20のジカルボン酸を分子量調整剤として使用し、これの存在下に、炭素数6〜12またはそれ以上のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等)を開環重合して得られるポリアミド樹脂または炭素数6〜12またはそれ以上のアミノカルボン酸(ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、12−アミノドデカン酸等)を重縮合して得られるポリアミド樹脂;または(2)炭素数4〜20のジカルボン酸(アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウム等)と炭素数が4〜12またはそれ以上のジアミン(ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン等)を重縮合して得られるポリアミド樹脂が用いられる。
これらのうち好ましいものは、(1)のポリアミド樹脂、特にカプロラクタムから得られるポリアミド樹脂である。
【0024】
ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(b62)はビスフェノール類に炭素数が2〜4のアルキレンオキシドを付加することにより得られる。該ビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げられ、これらのうち好ましいものはビスフェノールAである。
該炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−もしくは1,4−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち特に好ましいものはエチレンオキシドである。
【0025】
ポリアルキレングリコール(b63)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体、 エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体等が 挙げられ、これらのうち好ましいものはポリエチレングリコールである。
【0026】
上記(b61)〜(b63)のそれぞれのMnは通常200〜5,000、好ましくは500〜3,000、更に好ましくは1,000〜3,000であり、(b62)および(b63)の場合は特に1,600〜3,000である。Mnが200未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。
【0027】
ポリエーテルエステルアミドを構成する(b62)および/または(b63)は、ポリエーテルエステルアミドの重量に基づいて通常20〜80%(以下において特に限定しない限りは%は重量%を表す。)の範囲で用いられる。20%以上であればポリエーテルエステルアミド自体の吸水率が向上するため帯電防止性が十分に発揮でき、80%以下であれば吸水率が300%以下であるため、抗菌性樹脂組成物の耐水性が低下しない。
また、(b62)/(b63)の比率は広範囲に変え得るが、重量比で100/0〜5/95、特に100/0〜50/50が好ましい。
【0028】
(B)は通常、固状であり、軟化点は通常100〜250℃である。
【0029】
本発明の抗菌剤組成物における(A)と(B)の重量比(A:B)は通常1〜50:99〜50であり、好ましくは3〜30:97〜70、特に好ましくは5〜20:95〜80である。(A)の重量比が1以下では抗菌性が不十分であり、50以上では充分な抗菌性能を出す為に必要な(A)の含量が多くなり経済的に不利となる。
【0030】
本発明の抗菌剤組成物は(A)と(B)を溶融混練した後、ペレットまたは粉末などの形状に成形することによって製造できる。例えば、(A)と(B)をヘンシェルミキサーなどの混合機で混合した後、2軸押出機で溶融混練(150〜260℃)して、さらにペレット化することにより製造できる。
【0031】
本発明の樹脂配合用抗菌剤組成物は、吸水率が10%以下の疎水性樹脂(C)と配合されて抗菌性樹脂組成物となる。
(C)としては熱可塑性樹脂(C1)および熱硬化性樹脂(C2)が挙げられる。
(C1)としては ポリオレフィン系樹脂[たとえばポリプロレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂など];ポリアクリル系樹脂[たとえばポリメタクリル酸メチルなど];ポリスチレン系樹脂[たとえばポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)など];ポリエステル系樹脂[たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなど];ポリアミド系樹脂[たとえばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12など];ポリカーボネート系樹脂[たとえばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイ等];ポリアセタール樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられる。該(B)のメルトインデックス(230C、2.16kg)は通常0.1〜100である。
これらのうち好ましいものは、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂であり、特に好ましいものはポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂である。
【0032】
(C2)としては、不飽和ポリエステル樹脂(グリコールと、不飽和および飽和二塩基酸から誘導される不飽和ポリエステルと他のビニルモノマーとの架橋共重合物など)、エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂の、ポリアミン、酸無水物などによる硬化樹脂など)、熱硬化性ポリウレタン樹脂(ポリウレタンフォームを含む)、高吸水性樹脂(架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体など)などが挙げられる。
【0033】
本発明の(C)の重量に基づく抗菌剤組成物の添加量は、(C)の重量に基づいて(A)が通常10%以下、抗菌効果と樹脂物性の観点から好ましくは0.1〜5%、とくに好ましくは0.3〜3%となるような添加量である。
【0034】
本発明の抗菌性樹脂組成物は、必要によりさらに顔料、核剤、可塑剤、安定剤、充填材、難燃剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤から選ばれるその他の添加剤を含有させることができる。
【0035】
顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、カドミウム、群青、アゾ系、フタロシアニン系、建染染料系、キナクリドン系、ジオキサジン系、染付レーキなど;核剤としては、ジベンジリデンソルビトールなど;可塑剤としては、フタル酸エステル系(ジオクチルフタレートなど)、リン酸エステル系、アジピン酸系、セバチン酸エステル系、グリコール酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ系など;安定剤としては、鉛白、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈けい酸鉛、液状金属系、ラウレート系有機スズ、マレエート系有機スズ、メルカプタイド系有機スズ、アンチモン系、エポキシ系、亜リン酸エステル系など;充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカ、チタンウィスカなど;難燃剤としては、リン酸エステル系[トリクレジルホスフェート、トリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートなど]、臭素系(デカブロモビフェニルエーテルなど)、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩系(ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなど)、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム、ヘット酸、テトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。
【0036】
また、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など];硫黄系酸化防止剤[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など];リン系酸化防止剤[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など];アミン系酸化防止剤[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]など;紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよびその(共)重合体など]、アクリル系[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど]など;が挙げられる。
【0037】
上記その他の添加剤の使用量は、(C)の重量に基づいて、可塑剤、充填材は通常80%以下、好ましくは10〜50%、難燃剤は通常40%以下、好ましくは10〜30%、顔料は通常40%以下、好ましくは1〜10%、核剤、安定剤は通常10%以下、好ましくは1〜5%、酸化防止剤、紫外線防止剤は通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
【0038】
本発明の抗菌性樹脂組成物は、樹脂配合用抗菌剤組成物と(C)および必要によりその他の添加剤を溶融混練した後、成形して得られるが、他の方法として、(A)と(B)をそれぞれ別にして配合してもよい。
溶融混練は、ヘンシェルミキサーなどの混合機で混合した後、2軸押出機などを用いて混練(150〜250℃)して行われ、さらにペレット、粉末またはブロック状などに成形される。
また、予め抗菌剤組成物を少量の(C)[抗菌剤組成物中の(A)/(C)=11〜60/89〜40重量比]と加熱溶融混練しておきマスターバッチを製造し、さらに(C)と加熱溶融混練して抗菌性樹脂組成物を製造することもできる。
【0039】
本発明の抗菌性樹脂組成物は、(B)以外の親水性化合物で従来から公知の帯電防止剤として使用されているMn500未満の化合物(例えば、脂肪酸スルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル)を併用することができる。併用の比率は抗菌性樹脂組成物中の(B)の重量に基づいて10%以下、好ましくは1〜5%である。
【0040】
本発明における抗菌性樹脂組成物を成形して得られる成型体は、上記抗菌性樹脂組成物のペレットまたは粉末等を、さらに加圧成型機もしくは射出成型機等により成型加工する方法、または抗菌性樹脂組成物の各成分を加熱溶融混練した後、連続的に加圧成型機もしくは射出成型機等により成型加工する方法により得られる。成型加工時の温度は、(C)の種類によって適宜選択されるが、通常180〜250℃、好ましくは200〜230℃である。
【0041】
本発明の成型体の形状は、ブロック状物、板状物、シート、フィルムおよび糸などである。成型体は浴槽・洗面台等のサニタリー用品、冷蔵庫・洗濯機等の家電用品、食卓・台所等の家庭用品、塩ビパイプ等の建築用品、ポリエステル・ナイロン・スパンデックス等の繊維および繊維製品、ポリエチレンシート等の包装用品などの各種用途に使用できる。
【0042】
【実施例】
以下実施例および製造例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
【0043】
[(A)の製造例]
製造例1
加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、メタノール56部、メチルジn−デシルアミン163部(0.88モル)、および炭酸ジメチル144部(1.6モル)を仕込み、120℃で20時間反応させた後、メタノールと炭酸ジメチルの一部を留去してジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液250部(0.52モル)を得た。さらに、30〜60℃に昇温したのち、その温度に保ちながら42%四フッ化硼素酸水溶液114部(0.55モル)を2時間で徐々に加えた。その後、さらに、同温度で1時間攪拌した後、静置分液した上層を分取し、メタノールと水を減圧下、80〜100℃で留去して、さらに減圧乾燥(減圧度950hpa、105℃×3時間)した後、80℃で溶融状態にして、析出した塩を200メッシュ金網で濾過して除き、常温で固体のジメチルジn−デシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩(A1−1)206部を得た。
【0044】
製造例2
製造例1と同様にして得られたジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液250部(0.52モル)に、室温でトリフルオロメタンスルホン酸79.5部(0.53モル)を加え、2時間攪拌した。この反応溶液に粒状苛性カリを添加して中和(ph:6〜8)し、析出する塩を濾過後、濾液のメタノールを留去し、減圧乾燥(前記条件に同じ)して120℃で溶融状態にして取り出し、常温で固体のジメチルジn−デシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(A1−2)250部を得た。
【0045】
製造例3
水1,100部に四フッ化硼素酸ナトリウム293部(2.67モル)と30%苛性ソーダ水溶液65部(0.49モル)を室温で配合し、さらにジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド80%メタノール溶液1058部(2.39モル)を加え2時間撹拌した。この反応溶液を50〜60℃でさらに攪拌した後、同温度で1時間静置した。下層(水層)を分液除去し、さらに上層のメタノールと水を留去して、常温で固体のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム四フッ化硼素酸塩(A1−3)を得た。
【0046】
(A1−1)〜(A1−3)の各々の炭酸ジメチルエステルは検出限界(10ppm)以下であった。
【0047】
[(B)の製造例]
製造例4
3Lステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム83.5部、テレフタル酸16.5部、酸化防止剤としての「イルガノックス1010」(チバガイギー社製)0.3部および水6部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱撹拌し、両末端にカルボキシル基を有する酸価112のポリアミドオリゴマー96部を得た。次にMn2,000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物192部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘稠なポリマーを得た。このポリマ−をベルト上にストランド状で取り出し、ペレタイズする事によってポリエーテルエステルアミド(B−1)を得た。(B−1)の吸水率は72%であった。
【0048】
製造例5
ε−カプロラクタムを105部とし、テレフタル酸をアジピン酸17.1部としたこと以外は製造例4と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価110のポリアミドオリゴマーを117部得た。次にポリエーテルとしてMn1,500のポリオキシエチレングリコール175部を使用したこと以外は製造例4と同様にしてポリエーテルエステルアミド(B−2)を得た。(B−2)の吸水率は120%であった。
【0049】
実施例1〜5
表1に示す部数の(A)および(B)をヘンシェルミキサーで50〜60℃に加温して1時間混合した後、ベント付き2軸押出機にて200℃で溶融混練し、ペレット化して本発明抗菌剤組成物を得た。
これらの抗菌剤組成物に更に表1に示す部数の疎水性樹脂(C)をヘンシェルミキサーで混合した後、ベント付き2軸押出機にて200℃で溶融混練してペレット状の抗菌性樹脂組成物を得た。さらにこれらのペレットを射出成型形して、本発明例および比較例の成型体(50mm×50mm×2mm)を得た。 尚、疎水性樹脂(C)としては電気化学工業製「透明ABS樹脂(以下ABSと略)」とカルプ工業製「ポリプロピレン樹脂(以下PPと略)」をもちいた。
【0050】
比較例1〜3
表1に示す部数の(A)と、表1に示す(C)のうちの10部とをヘンシェルミキサーで混合した後、ベント付き2軸押出機にて200℃で溶融混練してペレット状のマスターバッチを得た。このマスターバッチにさらに残りの(C)を同じミキサーで混合し、同じ押出機にて200℃で溶融混練しペレット状の比較の抗菌性樹脂組成物を得た。さらにこれらを実施例1と同様にして成型体を得た。
【0051】
比較例4〜6
(A1−1)を、表1記載の比較の抗菌剤に代えたこと以外は実施例1と同様にして比較例4〜6の成型体を得た。なお、表1中の(Y−1)は銀ゼオライト、(Y−2)は2−(4‘−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、(Y−3)は塩化ジメチルジn−デシルアンモニウムを表す。
【0052】
<抗菌性樹脂組成物の抗菌性評価>
本発明の抗菌性樹脂組成物からなる成型体(実施例1〜6)および比較の成型体(比較例1〜6)の抗菌性をJIS Z 2801(抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)に従って評価した。
即ち、普通ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍希釈した液で菌数を2.5×10〜10×10個/mlとなるように調製した試験菌液を、試験片(成型体試験片;50mm×50mm×2mm)上に0.4ml滴下して、乾かないように上からフィルムをかぶせ温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。その後、試験片とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗いだし、その液を速やかに生菌数測定に供して生菌数を求めた。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 2004285157
【0054】
表1から、本発明の抗菌性樹脂組成物からなる成型体(実施例1〜5)は、(B)を含まない成型体(比較例1〜3)に比較して少量で効果があり、また従来の抗菌剤を用いた成型体(比較例4〜6)と比べ優れた抗菌性を有することがわかる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の樹脂配合用抗菌剤組成物からなる抗菌性樹脂組成物を成型して得られる成型体は、
1.抗菌剤の添加量が従来の抗菌剤の添加量に比べて少なくても優れた抗菌効果を発揮する。従って樹脂の着色が少なく、成型体の物理的物性を低下させることもなく、かつ経済的である。
2.帯電防止効果が優れている。
3.樹脂の成型時に熱分解を起こしにくいので、抗菌性が低下したり成型体が着色するという問題が起こりにくい。
4.耐水性および機械的強度が良好である。

Claims (12)

  1. 対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)および吸水率が10〜300%である親水性樹脂(B)を含有してなる樹脂配合用抗菌剤組成物。
  2. (A)が、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩である請求項1記載の樹脂配合用抗菌剤組成物。
    Figure 2004285157
    (式中、RおよびRは同一の又は異なる、炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基又は炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、Rは炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、Xは超強酸のアニオンを表す。)
  3. 超強酸が−12.00以下のHammett酸度関数(H)を有する請求項1または2記載の抗菌剤組成物。
  4. 超強酸がプロトン酸とルイス酸との組み合わせからなる超強酸である請求項1〜3のいずれか記載の抗菌剤組成物。
  5. (B)の数平均分子量が500〜100,000である請求項1〜4のいずれか記載の抗菌剤組成物。
  6. (B)がポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、エピハロヒドリン/アルキレンオキシド共重合体、アクリルアミド系共重合体およびエチレン/不飽和カルボン酸(塩)系共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれか記載の抗菌剤組成物。
  7. (B)が、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量200〜5,000のポリアミド(b61)と、数平均分子量300〜5,000のビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(b62)および/またはポリアルキレングリコール(b63)とから誘導されるポリエーテルエステルアミドである請求項6記載の抗菌剤組成物。
  8. (A)と(B)の重量比(A:B)が1〜50:99〜50である請求項1〜7のいずれか記載の抗菌剤組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の抗菌剤組成物および吸水率が10%未満の疎水性樹脂(C)を含有してなる抗菌性樹脂組成物。
  10. (C)の重量に基づく(A)の含量が10%以下である請求項9記載の抗菌性樹脂組成物。
  11. さらに顔料、核剤、可塑剤、安定剤、充填材、難燃剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上を含有させてなる請求項9または10記載の抗菌性樹脂組成物。
  12. 請求項9〜11のいずれか記載の抗菌性樹脂組成物を成型してなる抗菌性樹脂成型体。
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