JP6392129B2 - 樹脂用抗菌剤 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、熱可塑性樹脂に対して、少量の添加で、成形品の機械的強度を維持しつつ優れた抗菌性を発揮し、その抗菌性を持続できる樹脂用抗菌剤を提供することである。
(1)熱可塑性樹脂に優れた抗菌性およびその持続性を付与する。
(2)該抗菌剤と熱可塑性樹脂とを含有してなる抗菌性樹脂組成物の成形品は機械的強度に優れる。
本発明における、対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)には、下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A1);アミド基[アルキル(炭素数10〜24)アミドアルキル(炭素数2〜6)基]または/および炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有する第4級アンモニウム塩(A2);並びに環状アミン(ピリジン、モルホリンなど)型第4級アンモニウム塩(A3)が含まれ、好ましいのは(A1)である。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。これらのうち、好ましいのは炭素数が1〜14、さらに好ましいのは炭素数1〜8、特に好ましいのは炭素数1または2、最も好ましいのはメチル基である。また、R1とR2は同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示したものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基およびフェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基およびシンナミル基などが挙げられる。
R3のうち好ましいのは直鎖もしくは分岐の炭素数が1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数が7〜15のアリールアルキル基、炭素数が7〜15のアリールアルケニル基、さらに好ましいのは直鎖もしくは分岐の炭素数が6〜14の脂肪族炭化水素基である。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基およびオレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。R4のうち好ましいのは直鎖または分岐の炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基、さらに好ましいのは直鎖または分岐の炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基である。X-は超強酸のアニオンを表す。
また、R3がアリールアルキル基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
これらのうち抗菌性の観点から好ましいのは、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であるが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、本発明の一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A)の耐熱性の観点から、好ましいのは、Hammettの酸度関数(H0)が−12.00以下のもの、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、および六フッ化タウリンなど、さらに好ましいのは、トリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸、特に好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸と四フッ化硼素酸である。
本発明におけるポリオレフィン(a)としては、カルボニル基(好ましくはカルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)、およびイソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a4)等が使用できる。 さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)およびアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a7)およびイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a8)等が使用できる。
これらのうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィン(a1)および(a5)が好ましい。
熱減成法による低分子量ポリオレフィンは、例えば特開平3−62804号公報記載の方法により得ることができる。
(a00)は、炭素数1,000当たり0.3〜20個、好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個の二重結合を有するものである。
変性のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィン(特にMnが2,000〜20,000のポリエチレンおよび/またはポリプロピレン)が好ましい。
熱減成法による低分子量ポリオレフィンでは、Mnが5,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの平均末端二重結合量が1〜1.5個のものが得られる。
なお、(a0)および(a00)は、通常これらの混合物として得られるが、これらの混合物をそのまま使用してもよく、精製分離してから使用しても構わない。製造コスト等の観点から、混合物として使用するのが好ましい。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、炭素数(以下、Cと略記することがある)3〜10の、モノ−およびジカルボン酸、およびこれらの無水物、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸(無水物)、フマル酸、イタコン酸(無水物)およびシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。これらのうち好ましいのはマレイン酸(無水物)およびフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
変性に使用するα、β−不飽和カルボン酸(無水物)の量は、ポリオレフィン(a0)の重量に基づき、通常0.5〜40%、好ましくは1〜30%である(上記および以下において、%は重量%を表わす)。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、(a0)の末端二重結合に、溶液
法または溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加
(エン反応)させることにより行うことができる。(a0)にα,β−不飽和カルボン酸
(無水物)を反応させる温度は、通常170〜230℃である。
二次変性に用いるラクタムとしては、C6〜12のラクタム、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタム等が挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、C2〜12のアミノカルボン酸、例えば、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、およびフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、および12−アミノドデカン酸が挙げられる。これらのうち好ましいのは、カプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
二次変性に用いるラクタムまたはアミノカルボン酸の量は、(a11)中のα、β−不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜50個、好ましくは0.3〜20個、特に好ましくは0.5〜10個、最も好ましくは1個である。
また、該(a1)の酸価は、通常4〜280(mgKOH/g、以下、数値のみを記載する。)、好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。酸価がこの範囲であると、後述する親水性ポリマー(b)との反応性の点で好ましい。
変性に使用できるヒドロキシルアミンとしては、C2〜10のヒドロキシルアミン、例えば、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、2−アミノエタノールである。
ことにより行うことができる。反応温度は、通常120〜230℃である。
変性に用いるヒドロキシルアミンのヒドロキシル基の量は、(a1)中のα、β−不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜2個、好ましくは0.3〜1.5個、特に好ましくは0.5〜1.2個、最も好ましくは1個である。
また、(a2)の水酸基価は、通常4〜280(mgKOH/g、以下、数値のみを記載する。)、好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。水酸基価がこの範囲であると、後述する親水性ポリマー(b)との反応性の点で好ましい。
この変性に用いるジアミン(Q13)としては、C2〜18(好ましくは2〜12)のジアミン、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、エチレンジアミンである。
変性に用いるジアミンのアミノ基の量は、(a1)中のα、β−不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜2個、好ましくは0.3〜1.5個、特に好ましくは0.5〜1.2個、最も好ましくは1個である。
PIとしては、C(NCO基中のCを除く、以下同様)6〜20の芳香族PI、C2〜18の脂肪族PI、C4〜15の脂環式PI、C8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性体およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
イソシアネート変性ポリオレフィンを形成する際の、PIと(a2)との当量比(NCO/OH比)は、通常1.8/1〜3/1、好ましくは2/1である。
本発明における親水性ポリマー(b)としては、特許第3488163号に記載の親水性ポリマー(b)に含まれるものが挙げられる。すなわち、(b)としては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)およびアニオン性ポリマー(b4)が使用できる。
親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値(単位:Ω・cm)は、1×105〜1×1011、好ましくは1×106〜1×109である。体積固有抵抗値が1×105未満のものは存在せず、1×1011を超えると後述する成形品の抗菌性が低下する。
なお、体積固有抵抗値は、上記親水性ポリマー(b)を射出成形機「PS40E5ASE」[日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度190℃、金型温度50℃で成形して、射出成形品(100×100×2mm)を作製し、 ASTM D257(2007年)に準拠し、該射出成形品を超絶縁計「DSM−8103」[東亜ディーケーケー(株)製]を用いて23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した値である。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオール(b11)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b21)、同じく(b11)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b22)、同じく(b11)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b23)、同じく(b12)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b24)および同じく(b11)または(b12)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b25)が使用できる。 カチオン性ポリマー(b3)としては、非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を分子内に有するカチオン性ポリマーが使用できる。
アニオン性ポリマー(b4)としては、スルホニル基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b0)またはポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが使用できる。
(b1)のうち、ポリエーテルジオール(b11)は、ジオール(b0)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記)を付加反応させることにより得られる構造のものであり、一般式:H−(OA1)m−O−E1−O−(A1O)m'−Hで示されるものが挙げられる。
上記式中、E1はジオール(b0)から水酸基を除いた残基、A1はC2〜4のアルキレン基、mおよびm’はジオール(b0)の水酸基1個当たりのAO付加数を表す。m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは、同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。mおよびm’は、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100の整数である。また、mとm’とは、同一でも異なっていてもよい。
脂肪族二価アルコールとしては、例えば、アルキレングリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール(以下それぞれEG、PGと略記)]、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール(以下それぞれ1,4−BD、1,6−HD、NPGと略記)、1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
脂環含有二価アルコールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールが挙げられ、芳香環含有二価アルコールとしては、例えば、キシリレンジオール等が挙げられる。 二価フェノールとしては、例えば、単環二価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、−Fおよび−S、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル等)および縮合多環二価フェノール(ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等)が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、脂肪族二価アルコールおよびビスフェノール、特に好ましいのはEGおよびビスフェノールAである。
AOとしては、C2〜4のAO[エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド(以下それぞれEO、PO、BOと略記)、およびこれらの2種以上の併用系が用いられるが、必要により他のAOまたは置換AO(以下、これらも含めてAOと総称する。)、例えばC5〜12のα−オレフィン、スチレンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)を少しの割合(例えば、全AOの重量に基づいて30%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独およびEOと他のAOとの併用(ランダムおよび/またはブロック付加)である。AOの付加数は、ジオール(b0)の水酸基1個当り、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100の整数である。
ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、通常5〜100%、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%、特に好ましくは60〜100%である。
(b12)は、(b11)の水酸基を公知の方法によりアミノ基に変えることにより得ることができ、例えば、(b11)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端を還元してアミノ基としたものが使用できる。
例えば(b11)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物を水素添加することにより製造することができる。
アミノカルボン酸変性物は、(b11)または(b12)と、アミノカルボン酸またはラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、(b11)または(b12)と、後述のようなポリイソシアネートとを反応させるか、(b12)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、(b11)または(b12)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル、脂環式ジエポキシドなどのエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、(b11)とエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
装置 :高温GPC
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :135℃
(Q1)としては、C4〜20のラクタム(Q11)(前記のもの)の開環重合体;C2〜20のアミノカルボン酸(Q12)(前記のもの)の重縮合体;ジアミン(Q13)(前記のもの)(C2〜20の脂肪族ジアミン、C6〜15の脂環式ジアミン、C8〜15の芳香脂肪族ジアミンおよびC6〜15の芳香族ジアミン等)とC2〜20のジカルボン酸(Q14)(前記のもの)〔脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜6)エステル、無水物等]等〕とのポリアミド(Q15);およびこれらの混合物が挙げられる。
(Q1)として抗菌性およびその持続性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体およびアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミド、さらに好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
(Q2)としては、C4〜20のラクタム(Q11)と少なくとも1個のイミド環を形成しうる3価または4価の芳香族ポリカルボン酸(Q21)とからなる重合体;C2〜20のアミノカルボン酸(Q12)と(Q21)とからなる重合体;ポリアミド(Q15)と(Q21)とからなる重合体;およびこれらの混合物が挙げられる。
(Q3)としては、C2〜20のジカルボン酸(Q14)とグリコール[前記ジオール(b0)中の二価アルコール等]とのポリエステル;C6〜12のラクトン(前記のもの)もしくはC2〜20のヒドロキシカルボン酸のポリエステル;およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエーテルアミド(b24)は、ポリアミド(Q1)とポリエーテルジアミン(b12)とから構成される。
ポリエーテルウレタン(b25)は、前記ポリイソシアネートのうちのジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(b11)またはポリエーテルジアミン(b12)および必要により鎖伸長剤[前記ジオール(b0)中の二価アルコール、ジアミン(Q13)等]とから構成される。
(b2)中のオキシエチレン基の含量は、成形性の観点から、(b2)の重量に基づいて30〜80%、さらに好ましくは40〜70%である。
(b2)のMnは、抗菌性およびその持続性、耐熱性の観点から好ましい下限は800、さらに好ましくは1,000、ポリオレフィン(a)との反応性の観点から好ましい上限は50,000、さらに好ましくは30,000である。
カチオン性基(c2)としては、4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩を有する基が挙げられる。(c2)の対アニオンとしては、超強酸アニオンおよびその他のアニオンが挙げられる。
超強酸アニオンとしては、プロトン酸(d1)とルイス酸(d2)との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸等)のアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸のアニオンが挙げられる。
その他のアニオンとしては、例えばハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-、I-等)、OH-、PO4 -、CH3OSO4 -、C2H5OSO4 -、ClO4 -等が挙げられる。
超強酸を誘導する上記プロトン酸(d1)の具体例としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。
また、ルイス酸(d2)の具体例としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタル等が挙げられる。
これらの(c1)のうち好ましいのは、二価の炭化水素基およびエーテル結合を有する二価の炭化水素基である。
ジカルボン酸(e1)としては、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸およびこれらのスルホニル基のみが塩となったものが使用できる。
スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、例えばスルホコハク酸及びそのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステルなど)、酸無水物等]が挙げられる。
これらのスルホニル基のみが塩となったものとしては、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)の塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(C2〜4)基を有するモノ−、ジ−もしくはトリ−アミン(モノ−、ジ−もしくはトリ−エチルアミン、モノ−、ジ−もしくはトリ−エタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の有機アミン塩)等のアミン塩、これらアミンの四級アンモニウム塩およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、さらに好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩、とくに好ましくは5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩および5−スルホイソフタル酸カリウム塩である。
(b4)の製法としては、通常のポリエステルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応は、通常減圧下150〜240℃の温度範囲で行われ、反応時間は0.5〜20時間である。また、該エステル化反応においては、必要により通常のエステル化反応に用いられる触媒を用いてもよい。
エステル化触媒としては、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(ジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等)、酢酸金属塩触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。
本発明におけるブロックポリマー(B)は、前記ポリオレフィン(a)のブロックと、前記親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合およびウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有するものである。
これらのうち抗菌性、その持続性、および成形品の機械的強度の観点から好ましいのは、(b)がポリエーテル(b1)であるブロックポリマー(B1)、(b)がカチオン性ポリマー(b3)であるブロックポリマー(B3)、および(b)がアニオン性ポリマー(b4)であるブロックポリマー(B4)である。
本発明の樹脂用抗菌剤(X)は、前記第4級アンモニウム塩(A)と前記ブロックポリマー(B)とを含有してなる。
本発明の樹脂用抗菌剤における(A)と(B)の重量比[(A)/(B)]は、抗菌性および成形品の機械的強度の観点から好ましくは3/97〜30/70、さらに好ましくは5/95〜20/80である。
本発明の抗菌性樹脂組成物は、前記樹脂用抗菌剤(X)と後述の熱可塑性樹脂(D)を含有してなる。
樹脂用抗菌剤(X)と熱可塑性樹脂(D)との重量比[(X)/(D)]は、抗菌性および機械的強度の観点から、好ましくは3/97〜30/70、さらに好ましくは5/95〜20/80である。
本発明における熱可塑性樹脂(D)としては、ポリオレフィン樹脂[たとえばポリプロレン(PP)、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂など];ポリアクリル樹脂[たとえばポリメタクリル酸メチルなど];ポリスチレン樹脂[たとえばポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)など];ポリエステル樹脂[たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなど];ポリアミド樹脂[たとえばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12など];ポリカーボネート樹脂[たとえばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイ等];ポリ塩化ビニル樹脂;ポリアセタール樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂(D)のうち好ましいものは、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、さらに好ましいものはポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、とくに好ましいのはポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂である。
本発明の成形品は、前記抗菌性樹脂組成物を成形してなる。
成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形あるいは発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。成形品の形態としては、板状、シート状、フィルム、織物、繊維(不織布等も含む)等が挙げられる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられ、これらのいわゆる極性の比較的高い塗料でも、また極性の低い塗料(オレフィン系等)でも使用することができる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
<製造例1>
加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、メタノール56部、メチルジn−デシルアミン163部(0.88モル)、および炭酸ジメチル144部(1.6モル)を仕込み、120℃で20時間反応させた後、メタノールと炭酸ジメチルの一部を留去してジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液250部(0.52モル)を得た。さらに、30〜60℃に昇温したのち、その温度に保ちながら42%四フッ化硼素酸水溶液114部(0.55モル)を2時間で徐々に加えた。その後、さらに、同温度で1時間攪拌した後、静置分液した上層を分取し、メタノールと水を減圧下、80〜100℃で留去して、さらに減圧乾燥(減圧度950hpa、105℃×3時間)した後、80℃で溶融状態にして、析出した塩を200メッシュ金網で濾過して除き、常温で固体のジメチルジn−デシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩(A−1)206部を得た。
製造例1と同様にして得られたジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液250部(0.52モル)に、室温でトリフルオロメタンスルホン酸79.5部(0.53モル)を加え、2時間攪拌した。この反応溶液に粒状苛性カリを添加して中和(ph:6〜8)し、析出する塩を濾過後、濾液のメタノールを留去し、減圧乾燥(前記条件に同じ)して120℃で溶融状態にして取り出し、常温で固体のジメチルジn−デシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(A−2)250部を得た。
水1,100部に四フッ化硼素酸ナトリウム293部(2.67モル)と30%苛性ソーダ水溶液65部(0.49モル)を室温で配合し、さらにジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド80%メタノール溶液1058部(2.39モル)を加え2時間撹拌した。この反応溶液を50〜60℃でさらに攪拌した後、同温度で1時間静置した。下層(水層)を分液除去し、さらに上層のメタノールと水を留去して、常温で固体のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム四フッ化硼素酸塩(A−3)を得た。
<製造例4>[カルボキシル基を両末端に有するポリオレフィン(a11α)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a11α)95部を得た。(a11α)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
[(a11α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a12α)の製造]
製造例4と同様の耐圧反応容器に、(a11α)88部及び12−アミノドデカン酸12部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(a11α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a12α)96部を得た。(a12α)の酸価は24.8、Mnは4,000であった。
[水酸基を両末端に有するポリオレフィン(a21)の製造]
製造例4において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体94部及び無水マレイン酸6部に変更した以外は製造例4と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a11β)98部を得た。(a11β)の酸価は9.9、Mnは10,200であった。
なお、前記の熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn:10,000、炭素数1,000個当たりの二重結合数:2.5、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:2重量%、MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、14分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例4と同様の耐圧反応容器に、(a11β)97部及びエタノールアミン5部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のエタノールアミンを減圧下(0.013MPa以下)、180℃で2時間かけて留去し、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21)を得た。(a21)の水酸基価は9.9、アミン価は0.01、Mnは10,200であった。
[アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a31)の製造]
製造例4において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン80部及び無水マレイン酸20部に変更した以外は製造例4と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a11γ)92部を得た。(a11γ)の酸価は64.0、Mnは1,700であった。なお、前記の熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn:1,500、炭素数1,000個当たりの二重結合数:17.8、1分子当たりの二重結合の平均数:1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:98重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:3重量%、MFR:7g/10min)を410±0.1℃、18分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例4と同様の耐圧反応容器に、(a11γ)90部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a31)を得た。(a31)のアミン価は64.0、Mnは1,700であった。
[カチオン性ポリマー(b3α)の製造]
製造例4と同様の耐圧反応容器に、N−メチルジエタノールアミン41部、アジピン酸49部及び酢酸ジルコニル0.3部を投入し、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.013MPaまで減圧してポリエステル化反応させた。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100部を加えて溶解した。撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31部を3時間かけて滴下し、同温度で6時間熟成させた。室温まで冷却後、60重量%ヘキサフルオロリン酸水溶液100部を加え、室温で1時間撹拌した。次いでメタノールを減圧留去し、4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(b3α)(水酸基価:30.1、酸価:0.5、体積固有抵抗値:1×105Ω・cm)を得た。
[アニオン性ポリマー(b4α)の製造]
製造例4と同様の耐圧反応容器に、PEG(Mn:300)67部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩49部及びジブチルスズオキシド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(b4α)(水酸基価:29.6、酸価:0.4、体積固有抵抗値:2×106Ω・cm)を得た。
[ブロックポリマー(B−1)の製造]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、(a11α)67.1部、ポリエーテルジアミン(b12α)[α,ω−ジアミノPEG(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]32.9部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(B−1)を得た。(B−1)のMnは50,000であった。
[ブロックポリマー(B−2)の製造]
製造例10において、(a11α)67.1部及び(b12α)32.9部を、(a12α)60.1部及びポリエーテルジオール(b11α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部に変更した以外は、製造例10と同様にして、ブロックポリマー(B−2)を得た。(B−2)のMnは30,000であった。
[ブロックポリマー(B−3)の製造]
製造例10において、(a11α)67.1部及び(b12α)32.9部を、(a21)48.0部、(b3α)48.0部及びドデカン二酸4部に変更した以外は製造例10と同様にして、ブロックポリマー(B−3)を得た。(B−3)のMnは100,000であった。
[ブロックポリマー(B−4)の製造]
製造例10において、(a11α)67.1部及び(b12α)32.9部を、(a31)31.6部、(b4α)68.4部及びドデカン二酸8部に変更した以外は製造例10と同様にして、ブロックポリマー(B−4)を得た。(B−4)のMnは10,000であった。
[ブロックポリマー(B−5)の製造]
製造例10において、(a11α)67.1部及び(b12α)32.9部を、(a12α)71.5部及びポリエーテルジオール(b11β)[ポリテトラメチレングリコール(Mn:1,800、体積固有抵抗値:1×1011Ω・cm)28.5部に変更した以外は製造例10と同様にして、ブロックポリマー(B−5)を得た。(B−5)のMnは40,000であった。
[ブロックポリマー(B−6)の製造]
製造例10において、(a11α)67.1部及び(b12α)32.9部を、(a21)48.0部、(b3α)48.0部及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3部に変更した以外は製造例10と同様にして、ブロックポリマー(B−6)を得た。(B−6)のMnは100,000であった。
[ブロックポリマー(比B−1)の製造]
耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム83.5部、テレフタル酸16.5部、酸化防止剤としての「イルガノックス1010」(BASF社製)0.3部および水6部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱撹拌し、両末端にカルボキシル基を有する酸価112のポリアミドオリゴマー96部を得た。次にMn2,000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物192部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、0.2kPa以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘稠なブロックポリマー(比B−1)を得た。(比B−1)の80,000であった。
表1に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間混合した後、2軸押出機で100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、さらにペレット化することにより実施例1〜9、比較例1〜3の樹脂用抗菌剤(X−1)〜(X−8)、(X’−1)〜(X’−3)を得た。結果を表1に示す。
(比A−1):塩化ジメチルジn−デシルアンモニウム
表2に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシエルミキサーで3分間混合した後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃[(D−1、2、4)使用の場合]又は190℃[(D−3)使用の場合]、滞留時間5分の条件で溶融混練して、抗菌性樹脂組成物を得た。
次に、得られた抗菌性樹脂組成物を射出成形機「PS40E5ASE」[日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度220℃[(D−1、2、4)使用の場合]又は190℃[(D−3)使用の場合]、金型温度50℃で成形して射出成形品(100×100×2mm)および射出成形品(127×10×4mm)を作製し、下記の性能試験により評価した。結果を表2に示す。
得られた射出成形品の抗菌性をJIS Z 2801(抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)に従って評価した。
普通ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍希釈した液で菌数を2.5×105〜10×105個/mlとなるように調製した試験菌液を、射出成形品(100×100×2mm)を50mm×50mm×2mmに切り出した試験片上に0.4ml滴下して、乾かないように上からフィルムをかぶせ温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。その後、試験片とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗いだし、その液を速やかに生菌数測定に供して生菌数(コロニーを形成するユニット数/ml)を求めた。
<抗菌性の持続性の評価>
得られた射出成形品を水洗して、循風乾燥機で80℃で3時間乾燥した。この操作を合計10回繰り返した後、上記の方法と同様に射出成形品の抗菌性を評価した。
(1)アイゾット衝撃値
ASTM D256(1984 年)に準拠して、MethodAにて測定した。なお、試験片は射出成形品(127×10×4mm)から63.5mm×10mm×4mmに切り出し、ノッチ(3.2 mm厚)を付けた。
(2)相溶性
射出成形品(100×100×2mm )を25℃ で折り曲げて破断させ、その破断面を観察することによって以下の基準で評価した。
評価基準 ◎:表層部が全く剥離しない。
○:表層部がごくわずかに剥離する。
△:表層部が一部剥離する。
×:表層部が大きく剥離する。
(Y−1):2−(4’−チアゾリル)−ベンズイミダゾール
[東京化成工業(株)製]
(D−1):PP樹脂「PM771M」[サンアロマー(株)製]
(D−2):ABS樹脂「セビアンV 320F」[ダイセルポリマー(株)製]
(D−3):塩化ビニル樹脂「ビニカCB55EB」[(株)三菱化学製]
(D−4):HDPE樹脂(高密度ポリエチレン樹脂)
「ノバテックHJ580N」[日本ポリエチレン(株)]
Claims (10)
- 対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)、並びにポリオレフィン(a)のブロックと体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合およびウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー(B)を含有してなり、前記(A)が、25℃で固体であって、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩である樹脂用抗菌剤(X)。
- 超強酸が−12.00以下のHammett酸度関数(H0)を有する請求項1記載の樹脂用抗菌剤。
- 超強酸が、プロトン酸とルイス酸との組み合わせからなる超強酸である請求項1または2に記載の樹脂用抗菌剤。
- (B)の数平均分子量が、6,000〜100,000である請求項1〜3のいずれか記載の樹脂用抗菌剤。
- (a)が、熱減成法によるポリオレフィンである請求項1〜4のいずれか記載の樹脂用抗菌剤。
- (A)と(B)の重量比[(A)/(B)]が3/97〜30/70である請求項1〜5のいずれか記載の樹脂用抗菌剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の樹脂用抗菌剤(X)と熱可塑性樹脂(D)とを含有してなる抗菌性樹脂組成物。
- (X)と(D)の重量比[(X)/(D)]が3/97〜30/70である請求項7記載の抗菌性樹脂組成物。
- 請求項7または8記載の抗菌性樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 請求項9記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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