JP2004284794A - シート搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート搬送制御用パラメータの設定値を容易に変更できるようにすることにより、シート異常搬送の発生を防止すること。
【解決手段】ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧Sd,Smを検出するかまたは前記変化範囲境界値St,Sbに達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧S0から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材を制御する設定動作時ニップ圧制御手段と、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧Sd,Smを検出して記憶し、前記異常発生ニップ圧Sd,Smの値に応じて前記動作中設定ニップ圧SPを再設定するシート搬送装置。
【選択図】 図6
【解決手段】ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧Sd,Smを検出するかまたは前記変化範囲境界値St,Sbに達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧S0から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材を制御する設定動作時ニップ圧制御手段と、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧Sd,Smを検出して記憶し、前記異常発生ニップ圧Sd,Smの値に応じて前記動作中設定ニップ圧SPを再設定するシート搬送装置。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離部材を有する給紙部材を備えたシート搬送装置に関し、特に、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する前記給紙部材を備えたシート搬送装置に関する。
本発明は電子写真方式またはインクジェット記録式の複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置のシート搬送装置に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】
前記種類のシート搬送装置の給紙部材は、前記ニップ部に複数のシートが搬送された場合には、前記ニップ部に搬送されたシートに搬送方向の力を付与するように回転する前記給紙ロールと搬送されるシートに接触して前記シートの搬送を妨げる力を発生する前記分離部材とにより、1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に搬送するように構成されている。また、前記給紙ロールに圧接される分離部材としては、ロール形状または前記給紙ロールとの圧接面を有するパッド形状の部材が使用される。前記分離部材としてロール形状の部材(分離ロール)を使用した場合には、分離ロールをシート搬送方向と逆方向に回転することにより、前記シートの搬送を妨げる力をシートに付与するだけでなく、逆方向に搬送する力も付与することができる。
【0003】
前記給紙部材の給紙ロールと分離部材との圧接力(前記ニップ部の圧接力すなわち、ニップ圧)が小さすぎたり大きすぎる場合、取出ロールの搬送力が大きすぎたり小さすぎたりする場合、または取出ロールの搬送力とニップ圧との関係が不適切な場合等には、給紙部材のシート搬送方向下流側にシートを1枚づつ確実に搬送することができなくなってしまう。
例えば、本発明が対象としているシート搬送装置では、前記給紙部材の給紙ロールと分離部材とのニップ圧(前記ニップ部の圧接力)が小さすぎるとミスフィード(給紙部材によるシート搬送ができないこと)が発生する。また、前記ニップ圧が大きすぎると、前記ニップ部に複数枚のシートが同時に搬送された時にその中の1枚のシートを分離することができず、シート重送(複数枚のシートを分離せずに下流側に搬送すること)が発生する。
【0004】
前述のシート搬送時の異常状態の発生を防止するために、従来種々の提案が行われており、例えば、下記の特許文献(1)〜(3)に記載された技術が従来公知である。
(1)特許文献1(特開平5−32356号公報)記載の技術
この公報記載の技術では、ナジャーローラ(取出ロール)により取り出された用紙を、用紙さばき機構を構成するフィードローラ(給紙ロール)とリタードローラ(分離部材)とのニップ部(圧接領域)に搬送する。前記ニップ部(圧接領域)の下流側に設けたミスフィード検知センサまたは重送検知センサの検知信号により、ミスフィードまたは重送が検知された時に随時自動的にニップ圧(前記ニップ部の圧力)を制御している。
【0005】
(2)特許文献2(特開平9−150990号公報)記載の技術
この公報には、ピックアップローラ20により搬送された用紙を、さばきローラ21と対向部材25との押圧部に搬送し、前記さばきローラ21の周面に接する1枚の用紙を離して用搬送方向下流側に搬送する技術が記載されている。さばきローラ20の下流側に配置された用紙搬送速度検知ローラ41の検知速度に応じて、ピックアップローラ20の押圧力Pおよびさばきローラ21の分離力を制御して用紙搬送速度を適正な値に制御することにより、用紙の搬送を正常に行う技術が記載されている。
【0006】
(3)特許文献3(特開平10−45272号公報)記載の技術
この公報には、給紙方向に回転する搬送ローラと前記搬送ローラに押圧接触し且つ前記給紙方向とは逆方向に回転する分離ローラとを有する分離装置が記載されている。そして、前記搬送ローラと分離ローラとの間の押圧接触力を、シート給紙開始時においてシートが適性に給送されない程度に小さい値とし、この値をシート検知手段がシートが適性に給送されたことを判断する時点まで徐々に増加させ、その後、シートの分離が完了するまで、前記時点における値を維持するように押圧接触力調整手段を制御している。
【0007】
【特許文献1】特開平5−32356号公報(公報段落番号「0009」、図1)
【特許文献2】特開平9−150990号公報)記載の技術(公報段落番号「0015」、「0017」〜「0020」、図1)
【特許文献3】特開平10−45272号公報(公報段落番号「0015」、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記各特許文献1〜3に記載された技術は、いずれも、重送またはミスフィード等のシート異常搬送が発生した場合に、前記シート異常搬送を自動的に解消するため、異常搬送の発生に関係したシート搬送制御用パラメータ(給紙トレイからシートを取り出す取出ロールのシート表面への押圧力、給紙ロールと分離部材とのニップ圧、分離ロール駆動電流等)を調整する技術である。
すなわち、前記従来技術はシート搬送制御用パラメータの設定値でシート搬送制御を行っているときに、シート異常搬送が発生したときに異常搬送を自動的に解消とする技術であって、シート搬送制御用パラメータの設定値を変更する技術ではない。
【0009】
ところが、環境変化、経時変化、使用用紙の変化等に応じて、シート搬送制御用パラメータの設定値の適切な値は変化する。したがって、環境変化、経時変化、使用用紙の変化等に応じて、前記シート搬送制御用パラメータの設定値を適切に変更することにより、前記シート異常搬送の発生が減少するものと考えられる。
【0010】
本発明は、前述の事情に鑑み、画像形成装置において下記(O01),(O02)の記載内容を課題とする。
(O01)シート搬送制御用パラメータの設定値を容易に変更できるようにすることにより、シート異常搬送の発生を防止すること。
(O02)シート搬送制御用パラメータの設定値を自動的に変更することにより、シート異常搬送の発生を防止すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
【0012】
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A01)〜(A09)を備えたことを特徴とする。
(A01)互いに圧接する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(A02)前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)との圧接力であるニップ圧を調整するニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)、
(A03)給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧を記憶する動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)、
(A04)前記動作中設定ニップ圧(SP)の値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧(S0)を記憶する設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)、
(A05)前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別するニップ圧設定動作時期判別手段(C1)、
(A06)前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側のニップ圧変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb)を記憶するニップ圧変化範囲記憶手段(C6)、
(A07)前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する設定動作時ニップ圧制御手段(C2)、
(A08)前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧(Sd,Sm)を検出し記憶する異常発生ニップ圧検出記憶出手段(C5)。
(A09)前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の値に応じて前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定ニップ圧更新手段(C8)。
【0013】
(第1発明の作用)
前記構成を備えた第1発明のシート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)は、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)との圧接力を調整する。
動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)は、給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧(SP)を記憶する。
【0014】
設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)は、前記動作中設定ニップ圧(SP)の値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧(S0)を記憶する。
ニップ圧設定動作時期判別手段(C1)は、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
ニップ圧変化範囲記憶手段(C6)は、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から増加または減少させる側に変化させる際のニップ圧変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb)を記憶する。
【0015】
設定動作時ニップ圧制御手段(C2)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧(Sd,Sm)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
異常発生ニップ圧検出記憶出手段(C5)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧(Sd,Sm)を検出し記憶する。
動作中設定ニップ圧更新手段(C8)は、前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の値に応じて前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる。
【0016】
前記第1発明のシート搬送装置は下記の構成要件(A010)を備えることができる。
(A010)通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する通常時ニップ圧制御手段(C9)。
前記構成要件(A010)を備えたシート搬送装置では、通常時ニップ圧制御手段(C9)は、通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
【0017】
また、前記第1発明のシート搬送装置は下記の構成要件(A011)を備えることができる。
(A011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)の動作を制御する通常時ニップ圧制御手段(C9)。
前記構成要件(A011)を備えたシート搬送装置では、通常時ニップ圧制御手段(C9)は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)の動作を制御する。
【0018】
また、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A012)を備えることができる。
(A012)前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる前記動作中設定ニップ圧更新手段(C8)。
前記構成要件(A012)を備えたシート搬送装置では、前記動作中設定ニップ圧更新手段(C8)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる。
【0019】
また、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A013)を備えることができる。
(A013)前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)を再設定して、設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時ニップ圧更新手段(C4)。
前記構成要件(A013)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時ニップ圧更新手段(C4)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)を再設定して、設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)に記憶させる。
【0020】
また、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A014)を備えることができる。
(A014)前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する前記設定動作時ニップ圧制御手段(C2)。
前記構成要件(A014)を備えたシート搬送装置では、前記設定動作時ニップ圧制御手段(C2)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
【0021】
(第1発明の変更例)
第1発明のシート搬送装置は、互いに圧接する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)を使用し、前記ニップ部の給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)の圧接力であるニップ圧を調整することによりシート異常搬送の発生を防止している。すなわち第1発明では、シート搬送制御用パラメータとして、ニップ圧を採用しているが、第1発明の変更例は、前記ニップ圧の代わりに、互いに隣接して対向するニップ部を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)を使用し、前記ニップ部の給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)のニップ部の間隔であるニップ間隔を調整するように構成することが可能である。その場合、前記第1発明ではニップ圧を調整していたのに対し、第1発明の変更例では、ニップ間隔を調整することにより、前記第1発明と同様の作用を奏することができる。
【0022】
(第2発明)
第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A01),(A02′)〜(A09′)を備えたことを特徴とする。
(A01′)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離ロール(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記シートに前記搬送力と逆向きの力を作用させる分離ロール(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(A02′)前記分離ロール(Rs2)を前記シート搬送方向とは逆方向に回転させる分離ロール駆動モータ(M3)のモータ駆動回路(D3)であって、前記分離ロール駆動モータ(M3)の逆回転方向の回転トルクの大きさに関係するモータ駆動電流を変更することにより前記回転トルクを調整可能な前記モータ駆動回路(D3)、
(A03′)給紙動作中の前記モータ駆動電流(I)の設定値である動作中設定駆動電流(IP)を記憶する動作中設定駆動電流記憶手段(C7)、
(A04′)前記動作中設定駆動電流(IP)の値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記モータ駆動電流(I)の設定値である設定動作開始時駆動電流(I0)を記憶する設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)、
(A05′)前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する駆動電流設定動作時期判別手段(C1)、
(A06′)前記駆動電流設定用給紙動作時の開始時期になった時に実行される前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記モータ駆動電流(I)を前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させる側に変化させる際のモータ駆動電流の上側または下側の駆動電流変化範囲を定める変化範囲境界値(It,Ib)を記憶する駆動電流変化範囲記憶手段(C6)、
(A07′)前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した駆動電流である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(It,Ib)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記モータ駆動電流(I)を、前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する設定動作時駆動電流制御手段(C2)、
(A08′)前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のモータ駆動電流(I)である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出して記憶する異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)、
(A09′)前記異常発生駆動電流(Id,Im)の値に応じて前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定駆動電流更新手段(C8)。
【0023】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明のシート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離ロール(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記シートに前記搬送力と逆向きの力を作用させる分離ロール(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
前記分離ロール(Rs2)を前記シート搬送方向とは逆方向に回転させる分離ロール駆動モータ(M3)のモータ駆動回路(D3)は、前記分離ロール駆動モータ(M3)の逆回転方向の回転トルクの大きさに関係するモータ駆動電流を変更することにより前記回転トルクを調整する。
【0024】
動作中設定駆動電流記憶手段(C7)は、給紙動作中の前記モータ駆動電流の設定値である動作中設定駆動電流(IP)を記憶する。
設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)は、前記動作中設定駆動電流(IP)の値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記モータ駆動電流(I)の設定値である前記設定動作開始時駆動電流(I0)を記憶する。
駆動電流設定動作時期判別手段(C1)は、前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
駆動電流変化範囲記憶手段(C6)は、前記駆動電流設定用給紙動作時の開始時期になった時に実行される前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記モータ駆動電流(I)を前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させる側に変化させる際のモータ駆動電流(I)の変化範囲を定める変化範囲境界値(It,Ib)を記憶する。
【0025】
設定動作時駆動電流制御手段(C2)は、前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した駆動電流(I)である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(It,Ib)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記モータ駆動電流(I)を、前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する。
異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)は、前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記前記シート異常搬送の発生または解消時のモータ駆動電流(I)である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出し記憶する。
動作中設定駆動電流更新手段(C8)は、前記異常発生駆動電流(Id,Im)の値に応じて前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる。
【0026】
前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A010′)を備えることができる。
(A010′)通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路(D3)を制御する通常時駆動電流制御手段(C9)。
前記構成要件(A010′)を備えたシート搬送装置では、通常時駆動電流制御手段(C9)は、通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路(D3)を制御する。
【0027】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A011′)を備えることができる。
(A011′)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記モータ駆動電流(I)を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)の動作を制御する通常時駆動電流制御手段(C9)。
前記構成要件(A011′)を備えたシート搬送装置では、通常時駆動電流制御手段(C9)は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記モータ駆動電流を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)の動作を制御する。
【0028】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A012′)を備えることができる。
(A012′)前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる前記動作中設定駆動電流更新手段(C8)。
前記構成要件(A012′)を備えたシート搬送装置では、前記動作中設定駆動電流更新手段(C8)は、前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる。
【0029】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A013′)を備えることができる。
(A013′)前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流(I0)を再設定して、設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時駆動電流更新手段(C4)。
前記構成要件(A013′)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時駆動電流更新手段(C4)は、前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流(I0)を再設定して、設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)に記憶させる。
【0030】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A014′)を備えることができる。
(A014′)前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記モータ駆動電流を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する前記設定動作時駆動電流制御手段(C2)。
前記構成要件(A014′)を備えたシート搬送装置では、前記設定動作時駆動電流制御手段(C2)は、前記駆動電流設定用給紙動作時に前記シート異常搬送が生じたときには、前記モータ駆動電流(I)を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する。
【0031】
(第3発明)
第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B01)〜(B09)を備えたことを特徴とする。
(B01)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(B02)前記給紙部材(Rs)の給紙動作を制御するパラメータであって、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送の発生に関連するシート搬送パラメータを調整するシート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)、
(B03)給紙動作中の前記シート搬送パラメータの設定値である動作中設定搬送パラメータを記憶する動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)、
(B04)前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を設定するための給紙動作である搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時の前記シート搬送パラメータの設定値である設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を記憶する設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)、
(B05)前記搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する搬送パラメータ設定動作時期判別手段(C1)、
(B06)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時になった時に実行される前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させる側に変化させる際のシート搬送パラメータの上側または下側の変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)を記憶するパラメータ変化範囲記憶手段(C6)、
(B07)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した搬送パラメータ値を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)、
(B08)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のシート搬送パラメータの値である異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)を検出して記憶する異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段(C5)、
(B09)前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)に応じて前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)。
【0032】
(第3発明の作用)
前記構成を備えた第3発明のシート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
【0033】
シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)は、前記給紙部材(Rs)の給紙動作を制御するパラメータであって、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送の発生に関連するシート搬送パラメータを調整する。
動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)は、給紙動作中の前記シート搬送パラメータの設定値である動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を記憶する。
設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)は、前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を設定するための給紙動作である搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時の前記シート搬送パラメータの設定値である設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を記憶する。
搬送パラメータ設定動作時期判別手段(C1)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
【0034】
パラメータ変化範囲記憶手段(C6)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時になった時に実行される前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させる側に変化させる際のシート搬送パラメータの変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)を記憶する。
設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した搬送パラメータ値を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する。
【0035】
異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段(C5)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記前記シート異常搬送の発生または解消時のシート搬送パラメータの値である異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)を検出し記憶する。
動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)は、前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)に応じて前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる。
【0036】
前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B010)を備えることが可能である。
(B010)通常の給紙動作時に前記搬送パラメータ設定用給紙動作時と同様に前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する通常時搬送パラメータ制御手段(C9)。
前記構成要件(B010)を備えたシート搬送装置では、通常時搬送パラメータ制御手段(C9)は、通常の給紙動作時に前記搬送パラメータ設定用給紙動作時と同様に前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する。
【0037】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B011)を備えることが可能である。
(B011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記シート搬送パラメータを前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)の動作を制御する通常時搬送パラメータ制御手段(C9)。
前記構成要件(B011)を備えたシート搬送装置では、通常時搬送パラメータ制御手段(C9)は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記シート搬送パラメータを前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)の動作を制御する。
【0038】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B012)を備えることが可能である。
(B012)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)。
前記構成要件(B012)を備えたシート搬送装置では、動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる。
【0039】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B013)を備えることが可能である。
(B013)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を再設定して、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段(C4)。
【0040】
前記構成要件(B013)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段(C4)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を再設定して、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)に記憶させる。
【0041】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B014)を備えることが可能である。
(B014)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記シート搬送パラメータが前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する前記設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)。
前記構成要件(B014)を備えたシート搬送装置では、設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記シート搬送パラメータが前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する。
【0042】
(第4発明)
第4発明シート搬送装置は、下記の構成要件(C01)〜(C09)を備えたことを特徴とする。
(C01)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(C02)前記給紙トレイ(TR1,TR2)のシートに対する前記取出ロール(Rp)の押圧力を調整する押圧力調整部材(M2+D2+2+4)、
(C03)シート取出動作中の前記押圧力(P)の設定値である動作中設定押圧力(Pp)を記憶する動作中設定押圧力記憶手段(C7)、
(C04)前記動作中設定押圧力(Pp)の値を設定するためのシート取出動作である押圧力設定用取出動作の開始時の前記押圧力(P)の設定値である設定動作開始時押圧力(P0)を記憶する設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)、
(C05)前記押圧力設定用取出動作の開始時期になったことを判別する押圧力設定動作時期判別手段(C1)、
(C06)前記押圧力設定用取出動作の開始時期になった時に実行される取出動作である前記押圧力設定用取出動作時に、前記押圧力(P)を前記設定動作開始時押圧力(P0)から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側の押圧力変化範囲を定める変化範囲境界値(Pt,Pb)を記憶する押圧力変化範囲記憶手段(C6)、
(C07)前記押圧力設定用取出動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生した異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記押圧力を、前記設定動作開始時押圧力(P0)から、増加または減少させるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する設定動作時押圧力制御手段(C2)
(C08)前記押圧力設定用取出動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時の押圧力である異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出して記憶する異常発生押圧力検出記憶手段(C5)、
(C09)前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の値に応じて前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定押圧力更新手段(C8)。
【0043】
(第4発明の作用)
前記構成を備えた第4発明シート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
【0044】
押圧力調整部材(M2+D2+2+4)は、前記給紙トレイ(TR1,TR2)のシートに対する前記取出ロール(Rp)の押圧力を調整する。
動作中設定押圧力記憶手段(C7)は、シート取出動作中の前記押圧力の設定値である動作中設定押圧力を記憶する。
設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)は、前記動作中設定押圧力(Pp)の値を設定するためのシート取出動作である押圧力設定用取出動作の開始時の前記押圧力の設定値である設定動作開始時押圧力(P0)であって正常な取出作用が行われると予想される押圧力の範囲内または範囲外に設定された前記設定動作開始時押圧力(P0)を記憶する。
【0045】
押圧力設定動作時期判別手段(C1)は、前記押圧力設定用取出動作の開始時期になったことを判別する。
押圧力変化範囲記憶手段(C6)は、前記押圧力設定用取出動作の開始時期になった時に実行される取出動作である前記押圧力設定用取出動作時に、前記押圧力を前記設定動作開始時押圧力(P0)から増加または減少させる側に変化させる際の押圧力変化範囲を定める変化範囲境界値(Pt,Pb)を記憶する。
【0046】
設定動作時押圧力制御手段(C2)は、前記押圧力設定用取出動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生した異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記押圧力を、前記設定動作開始時押圧力(P0)から、増加または減少させるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する。
異常発生押圧力検出記憶手段(C5)は、前記押圧力設定用取出動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記前記シート異常搬送の発生または解消時の押圧力である異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出して記憶する。
動作中設定押圧力更新手段(C8)は、前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の値に応じて前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる。
【0047】
前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C010)を備えることが可能である。
(C010)通常の取出動作時に、前記押圧力設定用取出動作を行うように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する通常時押圧力制御手段(C9)。
前記構成要件(C010)を備えるたシート搬送装置では、通常時押圧力制御手段(C9)は、通常の取出動作時に、前記押圧力設定用取出動作を行うように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する。
【0048】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C011)を備えることが可能である。
(C011)通常の取出動作時においてシート異常搬送が生じない場合は取出動作の開始時から終了時まで、前記押圧力(P)を前記動作中設定押圧力(Pp)となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)の動作を制御する通常時押圧力制御手段(C9)。
前記構成要件(C011)を備えたシート搬送装置では、通常時押圧力制御手段(C9)は、通常の取出動作時においてシート異常搬送が生じない場合は取出動作の開始時から終了時まで、前記押圧力(P)を前記動作中設定押圧力(Pp)となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)の動作を制御する。
【0049】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C012)を備えることが可能である。
(C012)前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる前記動作中設定押圧力更新手段(C8)。
前記構成要件(C012)を備えたシート搬送装置では、前記動作中設定押圧力更新手段(C8)は、前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力(Pp)を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる。
【0050】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C013)を備えることが可能である。
(C013)前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力(P0)を再設定して、設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時押圧力更新手段(C4)。
前記構成要件(C013)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時押圧力更新手段(C4)は、前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力(P0)を再設定して、設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)に記憶させる。
【0051】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C014)を備えることが可能である。
(C014)前記押圧力設定用取出動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記押圧力が前記動作中設定押圧力となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する前記設定動作時押圧力制御手段(C2)。
前記構成要件(C014)を備えたシート搬送装置では、前記設定動作時押圧力制御手段(C2)は、前記押圧力設定用取出動作時に前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記押圧力が前記動作中設定押圧力となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する。
【0052】
【実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明のシート搬送装置の実施の形態1を備えた画像形成装置の縦断面図である。
図1において、画像形成装置Uは、上面にプラテンガラス(透明な原稿台)PGを有する画像形成装置本体としてのデジタル式の複写機本体U1と、前記プラテンガラスPG上に着脱自在に装着される自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
【0053】
前記複写機U1は、UI(ユーザインタフェース)と、前記プラテンガラスPGの下方に順次配置された画像読取部としてのIIT(イメージインプットターミナル)および画像記録用作動部としてのIOT(イメージアウトプットターミナル)と、前記IITまたはIOTに設けられたIPS(イメージプロセッシングシステム)とを有している。
複写機本体U1上面の透明なプラテンガラスPGの下方に配置された原稿読取装置としてのIITは、プラテンレジ位置に配置された露光系レジセンサ(プラテンレジセンサ)Sp、および露光光学系Aを有している。
【0054】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時はホーム位置に停止している。
前記自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ)U2を使用して複写を行うADFモードの場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行うプラテンモードの場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通ってCCD(固体撮像素子)上に収束される。前記CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0055】
また、IPSは、前記CCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してIOTのレーザ駆動信号出力装置DLに出力する。
前記レーザ駆動信号出力装置DLは、入力された画像データに応じたレーザ駆動信号をROS(潜像書込走査装置)に出力する。前記IPS、前記レーザ駆動信号出力装置DL、電源回路E等は、コンピュータにより構成されたコントローラCにより作動を制御される。
【0056】
前記ROSの下方に配置された感光体ドラム(トナー像担持体)PRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPR表面は、帯電領域Q0において帯電器(チャージロール)CRにより例えば−(マイナス)700Vに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記ROS(潜像書込装置)のレーザビームLにより露光走査されて例えば−300Vの静電潜像が形成される。前記感光体ドラムPRへのレーザビームLによる潜像形成は、シートセンサ(図示せず)がシート先端を検知してから所定の時間経時後に開始される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPR表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域(画像記録位置)Q4を順次通過する。
【0057】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像する現像器Dは、−(マイナス)帯電極性のトナーおよびプラス帯電極性のキャリアを含む現像剤を現像ロールR0により現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する感光体ドラムPR上の静電潜像をトナー像Tnに現像する。
前記転写領域(画像記録位置)Q4において前記感光体ドラムPRに対向する転写ロールTRは、感光体ドラムPR表面のトナー像をシートSに転写する部材であり、現像器Dで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が電源回路Eから供給される。前記帯電ロールに印加する帯電バイアス、現像ロールに印加する現像バイアス、転写ロールTRに印加する転写バイアス等のバイアス、後述の定着装置Fの加熱ロールのヒータを加熱するヒータ電源等を有する電源回路Eは前記コントローラCにより制御される。
【0058】
画像形成装置本体U1の下部には第1給紙トレイTR1および第2第2給紙トレイTR2が上下に並んで配置されている。
前記第1給紙トレイTR1および第2給紙トレイTR2の右端部の上端部には取出ロール(ピックアップロール)Rpが配置されており、前記取出ロールRpにより取り出されたシートは給紙トレイTR1,TR2の右側の給紙路SH1に搬送される。
給紙路SH1には、給紙部材Rsが配置されており、給紙部材Rsは、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部Nを形成する給紙ロールRs1および分離ロール(分離部材)Rs2を有している。前記ニップ部Nに搬送されたシートは給紙部材Rsにより1枚づつ分離されて、シート搬送路SH1の下流側部分に搬送される。シート搬送路SH1の下流側部分は上下に延びており、正逆回転可能な搬送ロール(正逆転回転搬送ロール)Rbが配置されている。シート搬送路SH1に搬送された前記シートSは正逆転回転可能な搬送ロールRbにより、上方の上流側シート搬送路SH2に搬送される。
【0059】
上流側シート搬送路SH2に搬送されたシーヒトSは、搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送されたシートSは、前記感光体ドラムPR上のトナー像が転写領域(画像記録位置)Q4に移動するのにタイミングを合わせて、転写前シートガイドSG1から転写領域Q4に搬送される。
前記感光体ドラムPR表面に現像されたトナー像Tnは、前記転写領域Q4において、転写ロールTRによりシートSに転写される。転写後、感光体ドラムPR表面は、感光体クリーナCL1によりクリーニングされて残留トナーが除去され、次に感光体除電器JLにより除電されてから前記帯電ロールCRにより再帯電される。
前記感光体ドラムPR、帯電ロールCR、ROS(潜像書込装置)、現像装置D、転写ロールTR、感光体クリーナCL1、感光体除電器JL等により画像記録部材G(PR+CR+ROS+D+TR+CL1+JL)が構成されている。
【0060】
前記転写領域(画像記録位置)Q4のシート搬送方向下流側には、前記転写領域Q4でトナー像が記録された記録済シートSを、下流側シート搬送路SH3が設けられている。転写領域(画像記録位置)Q4において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、感光体ドラムPR表面から剥離され、前記下流側シート搬送路SH3のシートガイドSG2、シート搬送ベルトBHにより定着領域Q5に搬送される。前記シートSは、定着領域Q5を通過する際に定着装置Fによりトナー像が加熱定着されてから、シート排出路SH4を通って前記排紙トレイTRhに搬送される。
前記シート排出路SH4には、前記定着装置Fの下流側に切替ゲート(シート搬送方向制御部材)GTが配置されている。切替ゲートGTは、前記定着装置Fを通過したシートSの搬送方向を前記排紙トレイTRh側またはシート反転接続路SH5のいずれかの方向に切り替える。シート反転用接続路SH4は、前記シート排出路SH4の上流端と(定着装置Fの下流側部分)と前記シート搬送路SH1とを接続する。
【0061】
両面複写の場合、1面目のトナー像が記録された片面記録済シートSは、前記切替ゲートGTによりシート反転接続路SH5から、前記給紙路SH1上端の正逆回転搬送ロールRbにより給紙路SH1の下方に搬送されてからスイッチバックして反転した状態で上方の上流側シート搬送路SH2に再送される。
前記反転して上流側シート搬送路SH2に再送された片面記録済シートSは、前記転写領域(画像記録位置)Q4に再送され、2面目にトナー像が転写される。
【0062】
図2は前記実施の形態1の給紙部材の説明図で、図2Aは全体図、図2Bは分離ロールとトルクリミッタとを示す図である。
図2Aにおいて、給紙部材Rsは給紙ロールRs1および分離ロールRs2を有している。前記給紙ロールRs1および分離ロールRs2の圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部Nが形成される。
給紙ロールRs1の軸1には、回動レバー2が回動可能に支持されており、回動レバー2の左端部には取出ロールRpが回転可能に支持されている。前記回動レバー2は引張バネ3により常時下方に引っ張られており、前記軸1周りに反時計方向の回転力を受けている。前記回動レバー2の下面には偏心カム4の上面に当接しており、前記偏心カム4を回転させることにより取出ロールRpのシート押圧力(給紙トレイTR1に収容されたシートS上面を押圧する力)を調整可能である。なお、前記偏心カム4は偏心カムを回転させ押圧力調整モータM2(図4参照)により回転される。
【0063】
分路ロールRS2の軸は回動アーム6に回転可能に支持されており、回動アーム6は軸6a周りに回動可能であり、回動アーム6の右端部は引張バネ7により下方に引っ張られている。引張バネ7の下端は上下に移動可能なラック8の上端に接続されている。ラック8は、ニップ圧調整モータM1により回転駆動されるピニオン9の回転により、ガイド10に沿って上下にスライド移動可能である。前記ニップ圧調整モータM1はコントローラCにより制御されるニップ圧調整モータ駆動回路D1により駆動される。
前記ピニオン9の位置を調整することによりニップ部の圧力(ニップ圧)を調整可能である。
【0064】
前記ニップ部Nを通過するシートの給紙ロールRs1側のシート面の移動速度を検出するための給紙ロール側シート速度センサSN1がニップ部Nの上側に配置されており、ニップ部Nを通過するシートの分離ロールRs2側のシート面の移動速度を検出するための分離ロール側シート速度センサSN2がニップ部Nの舌側に配置されている。
また、ニップ部Nの上側には、前記ニップ部Nに複数のシートが重なって搬送されたことを検出するための重送検出レバー(シート重送検出器)12が軸12a周りに回動可能に支持されており、前記重送検出レバー12の先端部には重送検出ローラ12bが回転可能に支持されている。
【0065】
前記ニップ部Nの下側には、前記重送検出ローラ12bに対向する位置に対向ローラ13が回転可能に支持されている。前記重送検出ローラ12bと前記対向ローラ13との間にシートが侵入した場合、そのシートの厚みに応じて前記重送検出ローラ12bが持ち上げられ、重送検出レバー12が回動する。このときの重送検出レバー12の回動角度を検出するセンサ(シート重送センサ)SN4(図4参照)によりニップ部Nに侵入したシート厚さを検出することができる。前記検出したシート厚さによりシート重送を検出することができる。
また、前記ニップ部Nの下流側にはシートセンサSN3が配置されており、シートセンサSN3がシート先端を検出したときに、前記ニップ部Nをシートが搬送されていることを検出することができる。
【0066】
図2Bにおいて分離ロールRs2に回転力を伝達する分離ロール回転駆動軸14と分離ロールRs2の軸との間にはトルクリミッタTLおよびカップリング15が設けられている。したがって、前記ニップ部Nにシートが搬送された際に給紙ロールRs1がシート搬送方向に回転してシートが搬送される際、前記分離ロールRs2に接触するシートは前記トルクリミッタに応じた摩擦抵抗力を受ける。このため、前記ニップ部Nに複数のシートが重送された場合、分離ロールRs2に接触するシートの搬送が防止できる。
【0067】
前記図2に示した給紙ロール側シート速度センサSN1および分離ロール側シート速度センサSN2は移動するシート表面画像の移動速度によりシートの速度を検出するセンサであり、このようなセンサは市販されている。
図3は前記給紙ロール側シート速度センサSN1および分離ロール側シート速度センサSN2の代わりに使用可能なシート速度センサの他の例を示す図で、図3Aはロール軸に直接取り付けた回転型エンコーダを示すで、図3Bは移動するシートに接触して回転するローラの回転速度を検出する接触ローラ回転型エンコーダを示す図である。
前記図3に示すエンコーダを使用した回転型の速度センサも市販されており、このような回転型の速度センサもシート速度センサとして前記ず2に示すセンサSN1,SN2の代わりに使用可能である。
【0068】
(実施の形態1の制御部の説明)
図4は本発明の実施の形態1の制御部のブロック線図である。
図4において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調整等を行う図示しないI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0069】
(前記コントローラCに接続された信号出力要素)
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)、給紙ロール側シート速度センサSN1、分離ロール側シート速度センサSN2、ニップ部Nにシートが搬送されたことを検出するシートセンサSN3、シート重送センサSN4、その他の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
前記UIは、表示器、トレイ選択キー,モード選択キー等を備えている。
【0070】
(前記コントローラCに接続された被制御要素)
また、ニップ圧調整モータ駆動回路D1、押圧力調整モータ駆動回路D2、分離ロール駆動モータ用のモータ駆動回路D3、その他の被制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
ニップ調整モータ駆動回路D1はニップ圧調整モータM1およびピニオン9を介して前記ラック8(図2A参照)を昇降させることにより、分離ロールRs2を昇降させてニップ圧を調整する。前記符号M1,D1,8,9で示された要素によりニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)が構成されている。
押圧力調整モータ駆動回路D2は押圧力調整モータM2を介してカム4(図2参照)を回転させて回動レバー2を給紙ロールの軸1回りに回転させて取出ロールRpのシート押圧力を調整する。前記符号M2,D2,8,9で示された要素により押圧力調整部材(M2+D2+2+4)が構成されている。
分離ロール駆動モータ用のモータ駆動回路D3は分離ロール駆動モータM3を介して前記分離ロールRs2に作用する逆回転トルクを調整(シート分離能力を調整)する。
【0071】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、下記の制御要素C1〜C12を有しており、前記各制御要素C1〜C12は、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して各被制御要素に制御信号を出力するための、所定の機能を有している。
C1:ニップ圧設定動作時期判別手段
ニップ圧設定動作時期判別手段C1は、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
C2:設定動作時ニップ圧制御手段
設定動作時ニップ圧制御手段C2は、前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生または解消するニップ圧が検出されるかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧S0から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。前記設定動作時ニップ圧制御手段C2は、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が生じたときには、その後、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧SPとなるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
【0072】
C3:設定動作開始時ニップ圧記憶手段
設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3は、前記動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧S0を記憶する。
前記設定動作開始時ニップ圧S0は正常な分離作用が行われると予想されるニップ圧の範囲内または範囲外のいずれかに設定することができる。
C4:設定動作開始時ニップ圧更新手段
設定動作開始時ニップ圧更新手段C4は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段C5に記憶されていた異常発生ニップ圧の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧を増減して更新する。
【0073】
C5:異常発生ニップ圧検出記憶手段
異常発生ニップ圧検出記憶出手段C5は、下記の手段C5a,C5bを有し、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生した場合には、前記シート異常搬送発生時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出して記憶する。
C5a:上側異常発生ニップ圧検出記憶手段
上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aは、前記ニップ圧を高くしたときのシート異常搬送発生時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出して記憶する。C5b:下側異常発生ニップ圧検出記憶手段
下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bは、前記ニップ圧を低くしたときのシート異常搬送発生時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出して記憶する。
【0074】
C6:ニップ圧変化範囲記憶手段
ニップ圧変化範囲記憶手段C6は、上限境界値Stを記憶する上限境界値記憶手段C6aおよび下限境界値Sbを記憶する下限境界値記憶手段C6bを有しており、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧S0から増加または減少させる側に変化させる際のニップ圧変化範囲を定める上限境界値Stおよび下限境界値S0を記憶する。C7:動作中設定ニップ圧記憶手段、
動作中設定ニップ圧記憶手段C7は、通常の給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧SPを記憶する。
【0075】
C8:動作中設定ニップ圧更新手段
動作中設定ニップ圧更新手段C8は、前記異常発生ニップ圧の値に応じて前記動作中設定ニップ圧SPを再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶させる。また、動作中設定ニップ圧更新手段C8は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶記憶手段C5に記憶されていた異常発生ニップ圧の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧SPを再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶させる。
C9:通常時ニップ圧制御手段
通常時ニップ圧制御手段C9は、通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。また、通常時ニップ圧制御手段C9は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧SPとなるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)の動作を制御する。
C10:重送状態判定手段
重送状態判定手段C10は、異常搬送状態判定テーブルC10aを有しており、ニップ部Nに搬送されたシートが異常搬送状態(重送状態またはスベリによる搬送不良等)か否かを判定する。
【0076】
図5はシートの異常搬送状態を判定するためのテーブルC10aである。
図5において、重送センサSN4、給紙ロール側シート速度センサSN1の検出信号V1および分離ロール側シート速度センサSN2の検出信号V2に応じてシート搬送状態を次のように判定する。
(1)SN4=OFF、V2=V1の場合、正常(1枚のみ搬送)
(2)SN4=ON、 V2=0 の場合、正常(2枚目は停止)
(3)SN4=ON、 V2<0 の場合、正常(2枚目は逆送)
(4)SN4=ON、 V2=V1の場合、重送(密着状態)
(5)SN4=ON、V1>V2>0の場合、重送(分離不十分)
(6)SN4の検出信号に関係なく、すべり判定用設定速度Vrに対して、V1<V1rの場合、すべり発生と判定する。
【0077】
(実施の形態1のタイムチャートの説明)
図6は実施の形態1の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図6Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図6BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図6Aは後述の図8に示すフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図6Bは後述の図8に示すフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0078】
図6Aにおいて、ニップ圧Sの下記の各種値の意味は次のとおりである。
S :ニップ圧
St:ニップ圧Sの変化範囲の上限境界値(ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時にニップ圧を変化させる際のニップ圧変化範囲を定める上限境界値)
Sb:ニップ圧Sの変化範囲の下限境界値(ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時にニップ圧を変化させる際のニップ圧変化範囲を定める下限境界値)
Sd:ニップ圧Sの上側異常発生ニップ圧
Sm:ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧
S0:設定動作開始時ニップ圧(動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧の設定値)
SP:動作中設定ニップ圧(通常の給紙動作中の前記ニップ圧の設定値)
【0079】
前記動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作が開始される場合、ニップ圧設定用給紙動作開始時の前記給紙ロールRs1と分離ロールRs2とのニップ圧は、設定動作開始時ニップ圧S0に設定される。この図6Aの場合はS0は異常発生ニップ圧検出記憶手段C5に記憶された下側異常発生ニップ圧Smよりも高い値が設定されている。
図6Aにおいて、ニップ部Nにシートが搬送さたことが検出されるとニップ圧Sは下限境界値Sbに向かって徐々に下降し、その途中ですべりが発生すると、このすべりが発生したときのニップ圧Sが検出されて、それ以前に記憶されていたすべり発生ニップ圧(異常発生下側ニップ圧)Smが更新される。前記すべりが発生した後、ニップ圧Sは上限境界値Stに向かって徐々に増加し、途中で重送が発生すると、その重送が発生したときのニップ圧Sが検出されて、それ以前に記憶されていた重送発生ニップ圧(異常発生上ニップ圧)Sdが更新される。前記SmおよびSdの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0080】
図6Bにおいて、前記動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作が開始される場合、ニップ圧設定用給紙動作開始時の前記給紙ロールRs1と分離ロールRs2とのニップ圧は、設定動作開始時ニップ圧S0に設定される。この図6Bの場合はS0は下側異常発生ニップ圧Smよりも低い値が設定されている。
ニップ部Nにシートが搬送さたことが検出されるとニップ圧Sは下側異常発生ニップ圧Smよりも低い値S0から上限境界値Stに向かって徐々に増加し、その途中でスベリ画像形成装置解消されるとそのすべりが解消したときのニップ圧Sを新しい異常発生下側ニップ圧Smとして記憶する。その後、さらにニップ圧を上限境界値に向かって徐々に増加し、その途中で重送が発生すると、この重送が発生したときのニップ圧Sが検出されて、それ以前に記憶されていた重送発生ニップ圧(異常発生上側ニップ圧)Sdが更新される。前記SmおよびSdの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0081】
(実施の形態1のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
図7は、本発明の実施の形態1〜4のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理の共通のメインフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は、画像形成装置U(図1参照)の他の各処理と平行してマルチタスクで実行される。
図7において、シート搬送異常に関連するシート搬送制御パラメータの設定処理は、電源オンと同時に開始される。
図7のST(ステップ)1において、ジョブ(画像記録動作の開始時から終了時までの一連の画像記録動作)が開始されたか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST1を繰り返す。Y(イエス)の場合はST2に移る。
ST2においてジョブの第1頁の画像記録か否か判断する。イエス(Y)の場合はST3に移り、ノー(N)の場合はST4に移る。
【0082】
ST3において、第1頁の画像記録を行うと同時にニップ圧(シート搬送制御パラメータ)を設定するための設定動作時ニップ圧制御処理を行う。
ST4において、2頁目以降の画像形成動作時には、通常動作時ニップ圧制御処理を行う。通常動作時ニップ圧制御処理では、第1頁の画像記録動作時に設定動作時ニップ圧制御処理を行ったときに設定した通常動作時設定ニップ圧SPに保持するようにニップ圧を制御する。
ST5においてジョブ停止要求フラグFL=「1」か否か判断する。イエス(Y)の場合は前記ST1に戻り、ノー(N)の場合はST6に移る。
ST6において、ジョブ終了か否かを判断する。N(ノー)の場合は、前記ST2戻り、Y(イエス)の場合はST1に戻る。
【0083】
(ST3のサブルーチン)
図8は、本発明の実施の形態1および実施の形態2のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理の共通のフローチャートであり、前記ST3のサブルーチンである。
図8のST11におて、ニップ圧Sを設定動作開始時ニップ圧S0に設定する。次に、ST12に移る。
ST12において、ニップ部を通過するシートを検知したか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST12を繰り返し、Y(イエス)の場合はST13に移る。
ST13において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図9(後述)のST18に移る。Y(イエス)の場合はST14に移る。
ST14において、ニップ圧を上げる。次に、ST15に移る。
ST15おいて、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図9(後述)に示すST26に移る。Y(イエス)の場合はST16に移る。
ST16において、ニップ圧が調整上限値に到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST14に戻り、Y(イエス)の場合はST17に移る。
ST17において、ジョブ停止要求フラグFLを「1」にする。前記ジョブ停止要求フラグFLの初期値は「0」に設定されている。次に、前記図7のメインルーチンのST5に移る。
【0084】
図9は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図8の続きのフローチャートである。
図9のST18において、ニップ圧を下げる。次に、ST19に移る。
ST19において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、ニップ圧が下限境界値に到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST23に移る。ST21において、すべり発生ニップ圧(ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧)Smを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、すべり発生ニップ圧Smの更新をし、下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
【0085】
次にST23においてニップ圧Sを上げる。
ST24において重送か否か判断する。ノー(N)の場合はST25に移る。ST25においてニップ圧S=St(ニップ圧変化範囲の上限値)か否か判断する。ノー(N)の場合はST23に戻る。
ST24、ST25においてイエス(Y)の場合は図10のST31に移る。ST26においてニップ圧Sを検知する。
ST27において前記ST26で検知したニップ圧Sをすべり発生ニップ圧Smとする。すなわち、前記検知したニップ圧を、ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
次にST28においてニップ圧Sを上げる。
ST29において重送か否か判断する。ノー(N)の場合は図10のST31に移る。
ST30においてニップ圧S=St(ニップ圧変化範囲の上限値)か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST28に戻る。
ST30においてイエス(Y)の場合は図10のST31に移る。
【0086】
図10は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図9の続きのフローチャートである。
図10のST31において、ニップ圧(上側異常発生ニップ圧)Sdを検知する。
ST32において、上側異常発生ニップ圧検出記憶手段ST11aの記憶値Sdを更新する。
ST33において、更新した上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧(設定動作開始時のニップ圧の初期設定値)S0、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶されている動作中設定ニップ圧SPを更新する。
【0087】
ST34においてニップ圧Sを更新された動作中設定ニップ圧SPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図7のメインルーチンのST5に移る。
【0088】
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態1を備えた画像形成装置では、前記ニップ圧設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、ニップ圧設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、ニップ圧設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記ニップ設定動作により上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生ニップ圧Sd、Smの値に応じて、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶された通常動作時設定ニップ圧SPおよび設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶された設定動作開始時ニップ圧S0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定ニップ圧SPにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定ニップ圧SPを設定することができる。
【0089】
(実施の形態2)
この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態2の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。また、実施の形態2の制御部のブロック線図は前記実施の形態1の図4のブロック線図と同一であり、実施の形態1の図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aと同一の異常搬送状態判定テーブルを有している。
この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0090】
(実施の形態2のタイムチャートの説明)
図11は実施の形態2の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図11Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図11BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図11Aは実施の形態2の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図11Bは実施の形態2の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0091】
図11において、ニップ圧Sの各種値St、Sd,SP,Sm,S0の意味は前記実施の形態1の図6と同様(図6A参照)である。
図11Aでは、下側異常発生ニップ圧Smよりも高い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
また、図11Bでは、下側異常発生ニップ圧Smよりも低い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が解消したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
前記下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0092】
前記図11の説明から分かるように、前記実施の形態1では上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新するのに対して、この実施の形態2では下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新する点で相違している。
【0093】
(実施の形態2のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
この実施の形態2のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは前記実施の形態1の図7と同一である。
また本実施の形態2のメインルーチンのST3(図7参照)のサブルーチン(シート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャート)は、前記実施の形態1の図8に示すST11〜ST17の処理と同じ処理を行う。すなわち、図8のフローチャートは実施の形態1〜4で同一である。
【0094】
図12は実施の形態2の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
図12のST18において、ニップ圧を下げる。次に、ST19に移る。
ST19において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、ニップ圧Sが下限境界値Sbに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、すべり発生ニップ圧(ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧)Sを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、前記検知したニップ圧Sを下側異常発生ニップ圧Smとして、下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
【0095】
次にST33において、更新した下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧(設定動作開始時のニップ圧の初期設定値)S0、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶されている動作中設定ニップ圧SPを更新する。
【0096】
ST34においてニップ圧Sを更新された動作中設定ニップ圧SPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図7のメインルーチンのST5に移る。
【0097】
(実施の形態3)
この実施の形態3の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態3の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。また、実施の形態3の制御部のブロック線図は前記実施の形態1の図4のブロック線図と同一であり、実施の形態1の図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aと同一の異常搬送状態判定テーブルを有している。
この実施の形態3は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0098】
(実施の形態3のタイムチャートの説明)
図13は実施の形態3の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図13Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0>Sdに設定されている場合のタイムチャート、図13BはS0<Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図13Aは実施の形態3の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図13Bは実施の形態3の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0099】
図13において、ニップ圧Sの各種値St、Sd,SP,Sm,S0の意味は前記実施の形態1の図6と同様(図6A参照)である。
図13Aでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも高い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が解消したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。その後、ニップ圧Sをさらに下降させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
【0100】
また、図13Bでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも低い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に上昇させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。その後、ニップ圧Sを下降させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
前記上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0101】
前記実施の形態1の図6では下側異常発生ニップ圧Smを先に検出記憶してから、次に上側異常発生ニップ圧Sdの値を検出記憶しているのに対し、この実施の形態3の図13では、上側異常発生ニップ圧Sdを先に検出記憶してから、次に下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶している。すなわち、本実施の形態3は、上側、下側の異常発生ニップ圧の検出順序が異なる以外は前記実施の形態1と同様である。
【0102】
(実施の形態3のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
この実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは前記実施の形態1の図7と同一である。
また本実施の形態3のメインルーチンのST3(図7参照)のサブルーチン(シート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャート)は、図14〜図16に示されている。
【0103】
(シート搬送制御パラメータ設定処理のフローチャート)すなわち、(ST3のサブルーチン)
図14は、本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記ST3のサブルーチンであり、前記実施の形態1の図8に対応する図である。
図15は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図14の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図9に対応する図である。
図16は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図15の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図10に対応する図である。
【0104】
前記実施の形態1の図8〜図10に示すフローチャートでは最初に下側異常発生ニップ圧(すべり発生ニップ圧)Smを検出、記憶してから、次に上側異常発生ニップ圧(重送発生ニップ圧)Sdを検出、記憶しているのに対し、この前記実施の形態3の図14〜図16に示すフローチャートでは最初に上側異常発生ニップ圧(重送発生ニップ圧)Sdを検出、記憶してから、次に下側異常発生ニップ圧(すべり発生ニップ圧)Smを検出、記憶している点で相違しているが、その他の点では同一である。
【0105】
(実施の形態3の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態3を備えた画像形成装置では前記実施の形態1と同様に、前記ニップ圧設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、ニップ圧設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、ニップ圧設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記ニップ設定動作により上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生ニップ圧Sd、Smの値に応じて、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶された通常動作時設定ニップ圧SPおよび設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶された設定動作開始時ニップ圧S0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定ニップ圧SPにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定ニップ圧SPを設定することができる。
【0106】
(実施の形態4)
この実施の形態4の説明において、前記実施の形態3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態4の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。また、実施の形態4の制御部のブロック線図は前記実施の形態1の図4のブロック線図と同一であり、実施の形態1の図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aと同一の異常搬送状態判定テーブルを有している。
この実施の形態4は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0107】
(実施の形態4のタイムチャートの説明)
図17は実施の形態4の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図17Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0<Sdに設定されている場合のタイムチャート、図17BはS0>Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図17Aは実施の形態4の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図17Bは実施の形態4の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0108】
図17において、ニップ圧Sの各種値St、Sd,SP,Sm,S0の意味は前記実施の形態1の図6と同様(図6A参照)である。
図17Aでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも低い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に上昇させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。
また、図17Bでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも高い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が解消したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。前記上側異常発生ニップ圧Sdの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0109】
前記図17の説明から分かるように、前記実施の形態1では上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新するのに対して、この実施の形態4では上側異常発生ニップ圧Sdの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新する点で相違している。
【0110】
(実施の形態4のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
この実施の形態4のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは前記実施の形態1の図7と同一である。
また本実施の形態4のメインルーチンのST3(図7参照)のサブルーチン(シート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャート)は、前記実施の形態3の図14に示すST11〜ST17の処理と同じ処理を行う。すなわち、図14のフローチャートは実施の形態3,4で同一である。
【0111】
図18は実施の形態4の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
前記図14のST13においてノー(N)の場合は図18のST18に移る。また、図14のST15においてノー(N)の場合は図18のST21に移る。図18のST18において、ニップ圧を上げる。次に、ST19に移る。
ST19において、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、ニップ圧Sが下限境界値Sbに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、ニップ圧Sを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、重送発生ニップ圧(上側異常発生ニップ圧)Sdを更新し(Sd=S)、上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。
【0112】
次にST33において、更新した重送発生ニップ圧(上側異常発生ニップ圧)Sdの値に応じて設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧(設定動作開始時のニップ圧の初期設定値)S0、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶されている動作中設定ニップ圧SPを更新する。
【0113】
ST34においてニップ圧Sを更新された動作中設定ニップ圧SPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は前記図7のメインルーチンのST5に移る。
【0114】
(実施の形態5)
この実施の形態5の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態5の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。
この実施の形態5は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0115】
図19は本発明の実施の形態5の制御部のブロック線図である。
実施の形態5の図19に示す制御部のブロック線図は、分離ロールRs2の駆動モータM3の駆動回路D3の動作を制御する機能を有しており、前記実施の形態1のニップ圧を制御する図4のブロック線図と異なっている。
図19において、コントローラCに接続された信号出力要素および被制御要素は前記実施の形態1の図4と同様である。
【0116】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、下記の制御要素C1〜C12を有しており、前記各制御要素C1〜C12は、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して各被制御要素に制御信号を出力するための、所定の機能を有している。
C1:駆動電流設定動作時期判別手段
駆動電流設定動作時期判別手段C1は、前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
C2:設定動作時駆動電流制御手段
設定動作時駆動電流制御手段C2は、前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生または解消する駆動電流を検出するかまたは駆動電流変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記分離ロールRs2の駆動電流を、前記設定動作開始時駆動電流I0から、増加または減少させるようにモータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3の動作を制御する。前記設定動作時駆動電流制御手段C2は、前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が生じたときには、その後、前記分離ロールRs2の駆動電流を動作中設定駆動電流IPとなるように前記モータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3の動作を制御する。
【0117】
C3:設定動作開始時駆動電流記憶手段
設定動作開始時駆動電流記憶手段C3は、前記動作中設定駆動電流IPの値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記分離ロールRs2の駆動電流の設定値である設定動作開始時駆動電流I0を記憶する。
前記設定動作開始時駆動電流I0は正常な分離作用が行われると予想される駆動電流の範囲内または範囲外のいずれかに設定することができる。
C4:設定動作開始時駆動電流更新手段
設定動作開始時駆動電流更新手段C4は、前記駆動電流設定用給紙動作時の異常発生駆動電流の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段C3に記憶されていた異常発生駆動電流の記憶値Imに比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時駆動電流I0を増減して更新する。
なお、本実施の形態5では、異常発生駆動電流の記憶値Imは下側異常発生駆動電流Imのみを検出記憶し、下側異常発生駆動電流Imの変化(増減)に応じて設定動作開始時駆動電流I0の設定値を変化(増減)させているが、上側異常発生駆動電流Idを検出記憶して、上側異常発生駆動電流Idの変化(増減)に応じて設定動作開始時駆動電流I0の設定値を変化(増減)させることも可能である。
【0118】
C5:異常発生駆動電流検出記憶手段
異常発生駆動電流検出記憶出手段C5は、下記の手段C5bを有し、前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生した場合には、前記シート異常搬送発生時の駆動電流である下側異常発生駆動電流Imを検出して記憶する。
C5b:下側異常発生駆動電流検出記憶手段
下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bは、前記駆動電流を低くしたときのシート異常搬送発生時の駆動電流である異常発生駆動電流を検出して記憶する。なお、前記異常発生駆動電流検出記憶手段C5は、下記の上側異常発生駆動電流検出記憶手段C5aを有することが可能である。
前記上側異常発生駆動電流検出記憶手段C5aは、前記駆動電流を高くしたときのシート異常搬送発生時の駆動電流である異常発生駆動電流を検出して記憶するように構成される。
【0119】
C6:駆動電流変化範囲記憶手段
駆動電流変化範囲記憶手段C6は、上限境界値Itを記憶する上限境界値記憶手段C6aおよび下限境界値Ibを記憶する下限境界値記憶手段C6bを有しており、前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記分離ロールRs2の駆動電流を前記設定動作開始時駆動電流I0から増加または減少させる側に変化させる際の駆動電流変化範囲を定める上限境界値Itおよび下限境界値Ibを記憶する。
C7:動作中設定駆動電流記憶手段、
動作中設定駆動電流記憶手段C7は、通常の給紙動作中の前記駆動電流の設定値である動作中設定駆動電流IPを記憶する。
【0120】
C8:動作中設定駆動電流更新手段
動作中設定駆動電流更新手段C8は、前記異常発生駆動電流Imの値に応じて前記動作中設定駆動電流IPを再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶させる。また、動作中設定駆動電流更新手段C8は、前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶記憶手段C5に記憶されていた異常発生駆動電流の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶されている前記動作中設定駆動電流IPを更新する。
【0121】
C9:通常時駆動電流制御手段
通常時駆動電流制御手段C9は、通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3を制御する。また、通常時駆動電流制御手段C9は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記分離ロールRs2の駆動電流Iを前記動作中設定駆動電流IPとなるように前記モータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3の動作を制御する。
C10:重送状態判定手段
重送状態判定手段C10は、前記図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aを有しており、ニップ部Nに搬送されたシートが異常搬送状態(重送状態またはスベリによる搬送不良等)か否かを判定する。
【0122】
(実施の形態5のタイムチャートの説明)
図20は実施の形態5の画像形成装置のシート搬送装置の駆動電流設定動作が開始されたときに制御される駆動電流のタイムチャートの例を示す図であり、図20Aは前記設定動作開始時駆動電流I0がすべり発生値(下側異常発生駆動電流記憶値)Imに対してI0>Imに設定されている場合のタイムチャート、図20BはI0<Imに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図20Aは実施の形態5の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図20Bは実施の形態5の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0123】
図20Aにおいて、分離ロールRs2の駆動モータの駆動電流Iの各種値Ib,IP,Im,I0の意味は次のとおりである。
I :分離ロールRs2の駆動電流
Ib:駆動電流Iの変化範囲の下限境界値(駆動電流設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記駆動電流設定用給紙動作時に駆動電流を変化させる際の駆動電流変化範囲を定める下限境界値)
Im:駆動電流Iの下側異常発生駆動電流
I0:設定動作開始時駆動電流(動作中設定駆動電流IPの値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材との駆動電流の設定値)
IP:動作中設定駆動電流(通常の給紙動作中の前記駆動電流の設定値)
なお、駆動電流Iを制御する際に下記の値It、Idを使用することも可能である。
It:駆動電流Iの変化範囲の上限境界値(駆動電流設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記駆動電流設定用給紙動作時に駆動電流を変化させる際の駆動電流変化範囲を定める上限境界値)
Id:駆動電流Iの上側異常発生駆動電流
【0124】
図20Aでは、下側異常発生駆動電流Imよりも高い値に設定された設定動作開始時駆動電流I0から駆動電流を徐々に下降させて、異常搬送が発生したときの駆動電流Iを検出し、その検出した異常発生駆動電流Iを下側異常発生駆動電流Imとして下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bに記憶する。
また、図20Bでは、下側異常発生駆動電流Imよりも低い値に設定された設定動作開始時駆動電流I0から駆動電流Iを徐々に上昇させて、異常搬送が解消したときの駆動電流Iを検出し、その検出した異常発生駆動電流Iを下側異常発生駆動電流Imとして下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bに記憶する。
前記下側異常発生駆動電流Imの値に応じて、設定動作開始時駆動電流I0および動作中設定駆動電流IPが更新される。
その後の駆動電流Iは、前記再設定された動作中駆動電流IPに保持される。
【0125】
(実施の形態5のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
図21は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
この実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは、ST3,ST4が前記実施の形態1の図7のフローチャートと異なるがその他のST(ステップ)の処理は同一である。
この実施の形態5のメインルーチンの説明において、前記図7のST(ステップ)と同じ処理については説明を省略する。
ST3において、設定動作時駆動電流制御処理を実行する。
ST4において、通常動作時駆動電流制御処理を実行する。
【0126】
図22は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図21のST3のサブルーチンである。
図22のST11におて、分離ロールRs2の駆動電流(モータ駆動回路D3によるモータ駆動電流)Iを設定動作開始時駆動電流I0に設定する。次に、ST12に移る。
ST12において、ニップ部を通過するシートを検知したか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST12を繰り返し、Y(イエス)の場合はST13に移る。
ST13において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図23(後述)のST18に移る。Y(イエス)の場合はST14に移る。
ST14において、電流値Iを上げる。次に、ST15に移る。
ST15おいて、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図23(後述)に示すST21に移る。Y(イエス)の場合はST16に移る。
ST16において、I≧Itか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST14に戻り、Y(イエス)の場合はST17に移る。
ST17において、ジョブ停止要求フラグFLを「1」にする。前記ジョブ停止要求フラグFLの初期値は「0」に設定されている。次に、図21のメインルーチンのST5に移る。
【0127】
図23は本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図22の続きのフローチャートである。
図23のST18において、駆動電流Iを下げる。次に、ST19に移る。
ST19において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、駆動電流Iが下限境界値Ibに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、駆動電流Iを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、検出した駆動電流Iを、異常発生駆動電流(駆動電流Iの下側異常発生駆動電流)Imとして、下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bに記憶する。
【0128】
次にST33において、設定動作開始時駆動電流記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時駆動電流(設定動作開始時の駆動電流の初期設定値)I0、動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶されている動作中設定駆動電流IPを、前記更新した下側異常発生駆動電流Imの値に応じて更新する。
【0129】
ST34において駆動電流Iを、前記更新された動作中設定駆動電流IPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図21のメインルーチンのST5に移る。
【0130】
(実施の形態5の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態5を備えた画像形成装置では、前記駆動電流設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、駆動電流設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、駆動電流設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記駆動電流設定動作により上側異常発生駆動電流Imを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生駆動電流Imの値に応じて、動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶された通常動作時設定駆動電流IPおよび設定動作開始時駆動電流記憶手段C3に記憶された設定動作開始時駆動電流I0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定駆動電流IPにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定駆動電流IPを設定することができる。
【0131】
(実施の形態6)
この実施の形態6の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態6の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。
この実施の形態6は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0132】
図24は本発明の実施の形態6の制御部のブロック線図である。
実施の形態6の図24に示す制御部のブロック線図は、取出ロールRpのシート押圧力を調整する押圧力調整モータM2の駆動回路D2の動作を制御する機能を有しており、前記実施の形態1のニップ圧を制御する図4のブロック線図と異なっている。
図24において、コントローラCに接続された信号出力要素および被制御要素は前記実施の形態1の図4と同様である。
【0133】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、下記の制御要素C1〜C12を有しており、前記各制御要素C1〜C12は、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して各被制御要素に制御信号を出力するための、所定の機能を有している。
C1:押圧力設定動作時期判別手段
押圧力設定動作時期判別手段C1は、前記押圧力設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
【0134】
C2:設定動作時押圧力制御手段
設定動作時押圧力制御手段C2は、前記押圧力設定用給紙動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生または解消する押圧力Pmが検出されるかまたは押圧力変化範囲境界値Pbに達するかのいずれかの状態が生じるまで前記取出ロールRpのシート押圧力を、前記設定動作開始時押圧力P0から、増加または減少させるようにカム4(図2参照)の回転用モータ(押圧力調整モータ)M2の駆動回路(取出ロール押圧力調整モータ駆動回路)D2の動作を制御する。前記カム4、押圧力調整モータM2、および取出ロール押圧力調整モータ駆動回路D2により、押圧力調整部材(D2+M2+4)が構成されている。前記設定動作時押圧力制御手段C2は、前記押圧力設定用給紙動作時にシート異常搬送が生じたときには、その後、前記分離ロールRs2の押圧力を動作中設定押圧力Ppとなるように前記押圧力調整部材(D2+M2+4)の動作を制御する。
【0135】
C3:設定動作開始時押圧力記憶手段
設定動作開始時押圧力記憶手段C3は、前記動作中設定押圧力Ppの値を設定するための給紙動作である押圧力設定用給紙動作の開始時の前記取出ロールRpの押圧力の設定値である設定動作開始時押圧力P0を記憶する。
前記設定動作開始時押圧力P0は正常なシート取出作用が行われると予想される押圧力の範囲内または範囲外のいずれかに設定することができる。
C4:設定動作開始時押圧力更新手段
設定動作開始時押圧力更新手段C4は、前記押圧力設定用給紙動作時の異常発生押圧力の検出値が、その検出以前に異常発生押圧力検出記憶手段C5に記憶されていた異常発生押圧力の記憶値Pdに比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時押圧力P0を増減して更新する。
なお、本実施の形態6では、異常発生押圧力の記憶値Pdは上側異常発生押圧力Pdのみを検出記憶し、上側異常発生押圧力Pdの変化(増減)に応じて設定動作開始時押圧力P0の設定値を変化(増減)させているが、下側異常発生押圧力Pbを検出記憶して、下側異常発生押圧力Pbの変化(増減)に応じて設定動作開始時押圧力P0の設定値を変化(増減)させることも可能である。
【0136】
C5:異常発生押圧力検出記憶手段
異常発生押圧力検出記憶出手段C5は、下記の手段C5aを有し、前記押圧力設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生した場合には、前記シート異常搬送発生時の押圧力である上側異常発生押圧力Pdを検出して記憶する。
C5a:上側異常発生押圧力検出記憶手段
上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aは、前記押圧力Pを高くしたときのシート異常搬送発生時の押圧力Pである異常発生押圧力Pdを検出して記憶する。なお、前記異常発生押圧力検出記憶手段C5は、下記の下側異常発生押圧力検出記憶手段C5bを有することが可能である。
前記下側異常発生押圧力検出記憶手段C5bは、前記押圧力を低くしたときのシート異常搬送発生時の押圧力Pである異常発生押圧力Pbを検出して記憶するように構成される。
【0137】
C6:押圧力変化範囲記憶手段
押圧力変化範囲記憶手段C6は、上限境界値Ptを記憶する上限境界値記憶手段C6aおよび下限境界値Pbを記憶する下限境界値記憶手段C6bを有しており、前記押圧力設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記押圧力設定用給紙動作時に、前記取出ロールRpの押圧力Pを前記設定動作開始時押圧力P0から増加または減少させる側に変化させる際の押圧力変化範囲を定める上限境界値Ptおよび下限境界値Pbを記憶する。
C7:動作中設定押圧力記憶手段、
動作中設定押圧力記憶手段C7は、通常の給紙動作中の前記押圧力の設定値である動作中設定押圧力Ppを記憶する。
【0138】
C8:動作中設定押圧力更新手段
動作中設定押圧力更新手段C8は、前記異常発生押圧力Pdの値に応じて前記動作中設定押圧力Ppを再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶させる。また、動作中設定押圧力更新手段C8は、前記押圧力設定用給紙動作時の前記異常発生押圧力の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶記憶手段C5に記憶されていた異常発生押圧力の記憶値Pdに比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶されている前記動作中設定押圧力Ppを更新する。
【0139】
C9:通常時押圧力制御手段
通常時押圧力制御手段C9は、通常の給紙動作時に、前記押圧力設定用給紙動作を行うように前記押圧力調整部材(D2+M2+4)の動作を制御する。また、通常時押圧力制御手段C9は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記取出ロールRpの押圧力Pを前記動作中設定押圧力Ppとなるように前記押圧力調整部材(D2+M2+4)の動作を制御する。
C10:重送状態判定手段
重送状態判定手段C10は、前記図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aを有しており、ニップ部Nに搬送されたシートが異常搬送状態(重送状態またはスベリによる搬送不良等)か否かを判定する。
【0140】
(実施の形態6のタイムチャートの説明)
図25は実施の形態6の画像形成装置のシート搬送装置の押圧力設定動作が開始されたときに制御される押圧力のタイムチャートの例を示す図であり、図25Aは前記設定動作開始時押圧力P0が重送発生値(上側異常発生押圧力記憶値)Pdに対してP0<Pdに設定されている場合のタイムチャート、図25BはP0>Pdに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図25Aは実施の形態6の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図25Bは実施の形態6の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0141】
図25Aにおいて、取出ロールRpの押圧力Pの各種値Pt,Pp,Pd,P0の意味は次のとおりである。
P :取出ロールRpの押圧力
Pt:押圧力Pの変化範囲の上限境界値(押圧力設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記押圧力設定用給紙動作時に押圧力を変化させる際の押圧力変化範囲を定める上限境界値)
Pd:押圧力Pの上側異常発生押圧力
P0:設定動作開始時押圧力(動作中設定押圧力Ppの値を設定するための給紙動作である押圧力設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールRpのシート押圧力Pの設定値)
Pp:動作中設定押圧力(通常の給紙動作中の前記押圧力Pの設定値)
なお、押圧力Pを制御する際に下記の値Pb、Pmを使用することも可能である。
Pb:押圧力Pの変化範囲の下限境界値(押圧力設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記押圧力設定用給紙動作時押圧力を変化させる際の押圧力変化範囲を定める下限境界値)
Pm:押圧力Pの下側異常発生押圧力
【0142】
図25Aでは、上側異常発生押圧力Pdよりも低い値に設定された設定動作開始時押圧力P0から押圧力を徐々に上昇させて、異常搬送が発生したときの押圧力Pを検出し、その検出した異常発生押圧力Pを上側異常発生押圧力Pdとして上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aに記憶する。
また、図25Bでは、上側異常発生押圧力Pdよりも高い値に設定された設定動作開始時押圧力P0から押圧力Pを徐々に下降させて、異常搬送が解消したときの押圧力Pを検出し、その検出した異常発生押圧力Pを上側異常発生押圧力Pdとして上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aに記憶する。
前記検出して記憶された上側異常発生押圧力Pdの値に応じて、設定動作開始時押圧力P0および動作中設定押圧力Ppが更新される。
その後の押圧力Pは、前記再設定された動作中押圧力Ppに保持される。
【0143】
(実施の形態6のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
図26は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
この実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは、ST3,ST4が前記実施の形態1の図7のフローチャートと異なるがその他のST(ステップ)の処理は同一である。
この実施の形態6のメインルーチンの説明において、前記図7のST(ステップ)と同じ処理については説明を省略する。
ST3において、設定動作時押圧力制御処理を実行する。
ST4において、通常動作時押圧力制御処理を実行する。
【0144】
図27は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図26のST3のサブルーチンである。
図27のST11におて、取出ロールRpのシート押圧力Pを設定動作開始時押圧力P0に設定する。次に、ST12に移る。
ST12において、ニップ部を通過するシートを検知したか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST12を繰り返し、Y(イエス)の場合はST13に移る。
ST13において、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図28(後述)のST18に移る。Y(イエス)の場合はST14に移る。
ST14において、押圧力Pを下げる。次に、ST15に移る。
ST15おいて、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図28(後述)に示すST21に移る。Y(イエス)の場合はST16に移る。
ST16において、P≦Pbか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST14に戻り、Y(イエス)の場合はST17に移る。
ST17において、ジョブ停止要求フラグFLを「1」にする。前記ジョブ停止要求フラグFLの初期値は「0」に設定されている。次に、前記図26のメインルーチンのST5に移る。
【0145】
図28は本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図27の続きのフローチャートである。
図28のST18において、押圧力Pを上げる。次に、ST19に移る。
ST19において、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、押圧力Pが上限境界値Ptに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、押圧力Pを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、前記検知した押圧力Pを、異常発生押圧力(押圧力Pの上側異常発生押圧力)Pdとして、上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aに記憶する。
【0146】
次にST33において、設定動作開始時押圧力記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時押圧力(設定動作開始時の押圧力の初期設定値)P0、動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶されている動作中設定押圧力Ppを、前記更新した下側異常発生押圧力Pdの値に応じて更新する。
【0147】
ST34において押圧力Pを、前記更新された動作中設定押圧力Ppに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図26のメインルーチンのST5に移る。
【0148】
(実施の形態6の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態6を備えた画像形成装置では、前記押圧力設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、押圧力設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、押圧力設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記押圧力設定動作により上側異常発生押圧力Pdを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生押圧力Pdの値に応じて、動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶された通常動作時設定押圧力Ppおよび設定動作開始時押圧力記憶手段C3に記憶された設定動作開始時押圧力P0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定押圧力Ppにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定押圧力Ppを設定することができる。
【0149】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
【0150】
(H01)前記シート搬送制御パラメータであって、シート搬送異常に関連するパラメータ(ニップ圧S、分離ロール駆動電流I、取出ロールのシート押圧力等)の設定動作時期として、ジョブ開始時の1頁目の画像記録動作時を設定する代わりに、次の時期を設定することが可能である。
(H01a)ジャムが生じた後にリカバリーした時
(H01b)シート種類が変更された時
(H01c)所定枚数の画像記録を実行した時
(H01d)所定時間経過した時
(H01e)ユーザの指示が有った時
(H01f)すべりが発生した時
(H01g)重送が発生した時
(H02)前記各実施の形態では、互いに圧接する部分によりニップ部が形成される給紙部材について説明したが、互いに隣接して対向する部分によりニップ部が形成される給紙部材を有するシート搬送装置に対しても、本発明を適用することが可能である。その場合は、ニップ圧を調節する代わりに、互いに隣接して対向する部分の間隔を調節するニップ調節部材を使用することができる。
(H03) 本発明はプリンタ以外の画像形成装置、例えば複写機にも適用することが可能である。
(H04) 本発明はレーザ書込装置以外の画像書込装置、例えば液晶パネル、発光ダイオード、または蛍光表示管等を用いた画像形成装置にも適用することが可能である。
【0151】
【発明の効果】
前述の本発明のシ−ト処理装置は、下記の効果(E01),(E02)を奏することができる。
(E01)シート搬送制御用パラメータの設定値を容易に変更できるようにすることにより、シート異常搬送の発生を防止することができる。
(E02)シート搬送制御用パラメータの設定値を自動的に変更することにより、シート異常搬送の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のシート搬送装置の実施の形態1を備えた画像形成装置の縦断面図である。
【図2】図2は前記実施の形態1の給紙部材の説明図で、図2Aは全体図、図2Bは分離ロールとトルクリミッタとを示す図である。
【図3】図3は前記給紙ロール側シート速度センサSN1および分離ロール側シート速度センサSN2の代わりに使用可能なシート速度センサの他の例を示す図で、図3Aはロール軸に直接取り付けた回転型エンコーダを示すで、図3Bは移動するシートに接触して回転するローラの回転速度を検出する接触ローラ回転型エンコーダを示す図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1の制御部のブロック線図である。
【図5】図5はシートの異常搬送状態を判定するためのテーブルC10aである。
【図6】図6は実施の形態1の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図6Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図6BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1〜4のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理の共通のメインフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1および実施の形態2のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理の共通のフローチャートであり、前記ST3のサブルーチンである。
【図9】図9は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図8の続きのフローチャートである。
【図10】図10は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図9の続きのフローチャートである。
【図11】図11は実施の形態2の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図11Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図11BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
【図12】図12は実施の形態2の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
【図13】図13は実施の形態3の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図13Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0>Sdに設定されている場合のタイムチャート、図13BはS0<Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記ST3のサブルーチンであり、前記実施の形態1の図8に対応する図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図14の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図9に対応する図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図15の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図10に対応する図である。
【図17】図17は実施の形態4の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図17Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0<Sdに設定されている場合のタイムチャート、図17BはS0>Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
【図18】図18は実施の形態4の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
【図19】図19は本発明の実施の形態5の制御部のブロック線図である。
【図20】図20は実施の形態5の画像形成装置のシート搬送装置の駆動電流設定動作が開始されたときに制御される駆動電流のタイムチャートの例を示す図であり、図20Aは前記設定動作開始時駆動電流I0がすべり発生値(下側異常発生駆動電流記憶値)Imに対してI0>Imに設定されている場合のタイムチャート、図20BはI0<Imに設定されている場合のタイムチャートである。
【図21】図21は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
【図22】図22は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図21のST3のサブルーチンである。
【図23】図23は本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図22の続きのフローチャートである。
【図24】図24は本発明の実施の形態6の制御部のブロック線図である。
【図25】図25は実施の形態6の画像形成装置のシート搬送装置の押圧力設定動作が開始されたときに制御される押圧力のタイムチャートの例を示す図であり、図25Aは前記設定動作開始時押圧力P0が重送発生値(上側異常発生押圧力記憶値)Pdに対してP0<Pdに設定されている場合のタイムチャート、図25BはP0>Pdに設定されている場合のタイムチャートである。
【図26】図26は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
【図27】図27は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図26のST3のサブルーチンである。
【図28】図28は本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図27の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
C1…ニップ圧設定動作時期判別手段(駆動電流設定動作時期判別手段、搬送パラメータ設定動作時期判別手段、押圧力設定動作時期判別手段)、
C2…設定動作時ニップ圧制御手段(設定動作時駆動電流制御手段、設定動作時搬送パラメータ制御手段、設定動作時押圧力制御手段)、
C3…設定動作開始時ニップ圧記憶手段(設定動作開始時駆動電流記憶手段、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段、設定動作開始時押圧力記憶手段)
C4…設定動作開始時ニップ圧更新手段(設定動作開始時駆動電流更新手段、設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段、設定動作開始時押圧力更新手段)
C5…異常発生ニップ圧検出記憶出手段(異常発生駆動電流検出記憶手段、異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段、異常発生押圧力検出記憶手段)、
C6…ニップ圧変化範囲記憶手段(駆動電流変化範囲記憶手段、パラメータ変化範囲記憶手段、押圧力変化範囲記憶手段)、
C7…動作中設定ニップ圧記憶手段(動作中設定駆動電流記憶手段、動作中設定搬送パラメータ記憶手段、動作中設定押圧力記憶手段)、
C8…動作中設定ニップ圧更新手段(動作中設定駆動電流更新手段、動作中設定搬送パラメータ更新手段、動作中設定押圧力更新手段)、
C9…通常時ニップ圧制御手段(通常時駆動電流制御手段、通常時搬送パラメータ制御手段、通常時押圧力制御手段)、
D3…モータ駆動回路、
I…モータ駆動電流、
I0…設定動作開始時駆動電流、
Id,Im…異常発生駆動電流、
IP…動作中設定駆動電流、
It,Ib…変化範囲境界値、
M3…分離ロール駆動モータ、
N…ニップ部、
P…押圧力、
P0…設定動作開始時押圧力、
Pd,Pm…異常発生押圧力、
Pp…動作中設定押圧力、
Pt,Pb…変化範囲境界値、
Rp…取出ロール、
Rs…給紙部材、
Rs1…給紙ロール、
Rs2…分離部材(分離ロール)、
S0…設定動作開始時ニップ圧、
S0,I0,P0…設定動作開始時搬送パラメータ設定値、
Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm…異常搬送発生パラメータ値、
SP…動作中設定ニップ圧、
SP,IP,Pp…動作中設定搬送パラメータ、
St,Sb;It,Ib; Pt,Pb…変化範囲境界値、
TR1,TR2…給紙トレイ、
(M1+D1+8+9)…ニップ圧調整部材、
(M2+D2+2+4)…押圧力調整部材、
(M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3…シート搬送パラメータ調整部材、
【産業上の利用分野】
本発明は、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離部材を有する給紙部材を備えたシート搬送装置に関し、特に、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する前記給紙部材を備えたシート搬送装置に関する。
本発明は電子写真方式またはインクジェット記録式の複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置のシート搬送装置に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】
前記種類のシート搬送装置の給紙部材は、前記ニップ部に複数のシートが搬送された場合には、前記ニップ部に搬送されたシートに搬送方向の力を付与するように回転する前記給紙ロールと搬送されるシートに接触して前記シートの搬送を妨げる力を発生する前記分離部材とにより、1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に搬送するように構成されている。また、前記給紙ロールに圧接される分離部材としては、ロール形状または前記給紙ロールとの圧接面を有するパッド形状の部材が使用される。前記分離部材としてロール形状の部材(分離ロール)を使用した場合には、分離ロールをシート搬送方向と逆方向に回転することにより、前記シートの搬送を妨げる力をシートに付与するだけでなく、逆方向に搬送する力も付与することができる。
【0003】
前記給紙部材の給紙ロールと分離部材との圧接力(前記ニップ部の圧接力すなわち、ニップ圧)が小さすぎたり大きすぎる場合、取出ロールの搬送力が大きすぎたり小さすぎたりする場合、または取出ロールの搬送力とニップ圧との関係が不適切な場合等には、給紙部材のシート搬送方向下流側にシートを1枚づつ確実に搬送することができなくなってしまう。
例えば、本発明が対象としているシート搬送装置では、前記給紙部材の給紙ロールと分離部材とのニップ圧(前記ニップ部の圧接力)が小さすぎるとミスフィード(給紙部材によるシート搬送ができないこと)が発生する。また、前記ニップ圧が大きすぎると、前記ニップ部に複数枚のシートが同時に搬送された時にその中の1枚のシートを分離することができず、シート重送(複数枚のシートを分離せずに下流側に搬送すること)が発生する。
【0004】
前述のシート搬送時の異常状態の発生を防止するために、従来種々の提案が行われており、例えば、下記の特許文献(1)〜(3)に記載された技術が従来公知である。
(1)特許文献1(特開平5−32356号公報)記載の技術
この公報記載の技術では、ナジャーローラ(取出ロール)により取り出された用紙を、用紙さばき機構を構成するフィードローラ(給紙ロール)とリタードローラ(分離部材)とのニップ部(圧接領域)に搬送する。前記ニップ部(圧接領域)の下流側に設けたミスフィード検知センサまたは重送検知センサの検知信号により、ミスフィードまたは重送が検知された時に随時自動的にニップ圧(前記ニップ部の圧力)を制御している。
【0005】
(2)特許文献2(特開平9−150990号公報)記載の技術
この公報には、ピックアップローラ20により搬送された用紙を、さばきローラ21と対向部材25との押圧部に搬送し、前記さばきローラ21の周面に接する1枚の用紙を離して用搬送方向下流側に搬送する技術が記載されている。さばきローラ20の下流側に配置された用紙搬送速度検知ローラ41の検知速度に応じて、ピックアップローラ20の押圧力Pおよびさばきローラ21の分離力を制御して用紙搬送速度を適正な値に制御することにより、用紙の搬送を正常に行う技術が記載されている。
【0006】
(3)特許文献3(特開平10−45272号公報)記載の技術
この公報には、給紙方向に回転する搬送ローラと前記搬送ローラに押圧接触し且つ前記給紙方向とは逆方向に回転する分離ローラとを有する分離装置が記載されている。そして、前記搬送ローラと分離ローラとの間の押圧接触力を、シート給紙開始時においてシートが適性に給送されない程度に小さい値とし、この値をシート検知手段がシートが適性に給送されたことを判断する時点まで徐々に増加させ、その後、シートの分離が完了するまで、前記時点における値を維持するように押圧接触力調整手段を制御している。
【0007】
【特許文献1】特開平5−32356号公報(公報段落番号「0009」、図1)
【特許文献2】特開平9−150990号公報)記載の技術(公報段落番号「0015」、「0017」〜「0020」、図1)
【特許文献3】特開平10−45272号公報(公報段落番号「0015」、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記各特許文献1〜3に記載された技術は、いずれも、重送またはミスフィード等のシート異常搬送が発生した場合に、前記シート異常搬送を自動的に解消するため、異常搬送の発生に関係したシート搬送制御用パラメータ(給紙トレイからシートを取り出す取出ロールのシート表面への押圧力、給紙ロールと分離部材とのニップ圧、分離ロール駆動電流等)を調整する技術である。
すなわち、前記従来技術はシート搬送制御用パラメータの設定値でシート搬送制御を行っているときに、シート異常搬送が発生したときに異常搬送を自動的に解消とする技術であって、シート搬送制御用パラメータの設定値を変更する技術ではない。
【0009】
ところが、環境変化、経時変化、使用用紙の変化等に応じて、シート搬送制御用パラメータの設定値の適切な値は変化する。したがって、環境変化、経時変化、使用用紙の変化等に応じて、前記シート搬送制御用パラメータの設定値を適切に変更することにより、前記シート異常搬送の発生が減少するものと考えられる。
【0010】
本発明は、前述の事情に鑑み、画像形成装置において下記(O01),(O02)の記載内容を課題とする。
(O01)シート搬送制御用パラメータの設定値を容易に変更できるようにすることにより、シート異常搬送の発生を防止すること。
(O02)シート搬送制御用パラメータの設定値を自動的に変更することにより、シート異常搬送の発生を防止すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
【0012】
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A01)〜(A09)を備えたことを特徴とする。
(A01)互いに圧接する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(A02)前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)との圧接力であるニップ圧を調整するニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)、
(A03)給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧を記憶する動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)、
(A04)前記動作中設定ニップ圧(SP)の値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧(S0)を記憶する設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)、
(A05)前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別するニップ圧設定動作時期判別手段(C1)、
(A06)前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側のニップ圧変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb)を記憶するニップ圧変化範囲記憶手段(C6)、
(A07)前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する設定動作時ニップ圧制御手段(C2)、
(A08)前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧(Sd,Sm)を検出し記憶する異常発生ニップ圧検出記憶出手段(C5)。
(A09)前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の値に応じて前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定ニップ圧更新手段(C8)。
【0013】
(第1発明の作用)
前記構成を備えた第1発明のシート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)は、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)との圧接力を調整する。
動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)は、給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧(SP)を記憶する。
【0014】
設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)は、前記動作中設定ニップ圧(SP)の値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧(S0)を記憶する。
ニップ圧設定動作時期判別手段(C1)は、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
ニップ圧変化範囲記憶手段(C6)は、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から増加または減少させる側に変化させる際のニップ圧変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb)を記憶する。
【0015】
設定動作時ニップ圧制御手段(C2)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧(Sd,Sm)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
異常発生ニップ圧検出記憶出手段(C5)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧(Sd,Sm)を検出し記憶する。
動作中設定ニップ圧更新手段(C8)は、前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の値に応じて前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる。
【0016】
前記第1発明のシート搬送装置は下記の構成要件(A010)を備えることができる。
(A010)通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する通常時ニップ圧制御手段(C9)。
前記構成要件(A010)を備えたシート搬送装置では、通常時ニップ圧制御手段(C9)は、通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
【0017】
また、前記第1発明のシート搬送装置は下記の構成要件(A011)を備えることができる。
(A011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)の動作を制御する通常時ニップ圧制御手段(C9)。
前記構成要件(A011)を備えたシート搬送装置では、通常時ニップ圧制御手段(C9)は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)の動作を制御する。
【0018】
また、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A012)を備えることができる。
(A012)前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる前記動作中設定ニップ圧更新手段(C8)。
前記構成要件(A012)を備えたシート搬送装置では、前記動作中設定ニップ圧更新手段(C8)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧(SP)を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段(C7)に記憶させる。
【0019】
また、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A013)を備えることができる。
(A013)前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)を再設定して、設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時ニップ圧更新手段(C4)。
前記構成要件(A013)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時ニップ圧更新手段(C4)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生ニップ圧(Sd,Sm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧(S0)を再設定して、設定動作開始時ニップ圧記憶手段(C3)に記憶させる。
【0020】
また、第1発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A014)を備えることができる。
(A014)前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する前記設定動作時ニップ圧制御手段(C2)。
前記構成要件(A014)を備えたシート搬送装置では、前記設定動作時ニップ圧制御手段(C2)は、前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記給紙ロール(Rs1)と分離部材(Rs2)とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧(SP)となるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
【0021】
(第1発明の変更例)
第1発明のシート搬送装置は、互いに圧接する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)を使用し、前記ニップ部の給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)の圧接力であるニップ圧を調整することによりシート異常搬送の発生を防止している。すなわち第1発明では、シート搬送制御用パラメータとして、ニップ圧を採用しているが、第1発明の変更例は、前記ニップ圧の代わりに、互いに隣接して対向するニップ部を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)を使用し、前記ニップ部の給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)のニップ部の間隔であるニップ間隔を調整するように構成することが可能である。その場合、前記第1発明ではニップ圧を調整していたのに対し、第1発明の変更例では、ニップ間隔を調整することにより、前記第1発明と同様の作用を奏することができる。
【0022】
(第2発明)
第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A01),(A02′)〜(A09′)を備えたことを特徴とする。
(A01′)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離ロール(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記シートに前記搬送力と逆向きの力を作用させる分離ロール(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(A02′)前記分離ロール(Rs2)を前記シート搬送方向とは逆方向に回転させる分離ロール駆動モータ(M3)のモータ駆動回路(D3)であって、前記分離ロール駆動モータ(M3)の逆回転方向の回転トルクの大きさに関係するモータ駆動電流を変更することにより前記回転トルクを調整可能な前記モータ駆動回路(D3)、
(A03′)給紙動作中の前記モータ駆動電流(I)の設定値である動作中設定駆動電流(IP)を記憶する動作中設定駆動電流記憶手段(C7)、
(A04′)前記動作中設定駆動電流(IP)の値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記モータ駆動電流(I)の設定値である設定動作開始時駆動電流(I0)を記憶する設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)、
(A05′)前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する駆動電流設定動作時期判別手段(C1)、
(A06′)前記駆動電流設定用給紙動作時の開始時期になった時に実行される前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記モータ駆動電流(I)を前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させる側に変化させる際のモータ駆動電流の上側または下側の駆動電流変化範囲を定める変化範囲境界値(It,Ib)を記憶する駆動電流変化範囲記憶手段(C6)、
(A07′)前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した駆動電流である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(It,Ib)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記モータ駆動電流(I)を、前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する設定動作時駆動電流制御手段(C2)、
(A08′)前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のモータ駆動電流(I)である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出して記憶する異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)、
(A09′)前記異常発生駆動電流(Id,Im)の値に応じて前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定駆動電流更新手段(C8)。
【0023】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明のシート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離ロール(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記シートに前記搬送力と逆向きの力を作用させる分離ロール(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
前記分離ロール(Rs2)を前記シート搬送方向とは逆方向に回転させる分離ロール駆動モータ(M3)のモータ駆動回路(D3)は、前記分離ロール駆動モータ(M3)の逆回転方向の回転トルクの大きさに関係するモータ駆動電流を変更することにより前記回転トルクを調整する。
【0024】
動作中設定駆動電流記憶手段(C7)は、給紙動作中の前記モータ駆動電流の設定値である動作中設定駆動電流(IP)を記憶する。
設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)は、前記動作中設定駆動電流(IP)の値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記モータ駆動電流(I)の設定値である前記設定動作開始時駆動電流(I0)を記憶する。
駆動電流設定動作時期判別手段(C1)は、前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
駆動電流変化範囲記憶手段(C6)は、前記駆動電流設定用給紙動作時の開始時期になった時に実行される前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記モータ駆動電流(I)を前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させる側に変化させる際のモータ駆動電流(I)の変化範囲を定める変化範囲境界値(It,Ib)を記憶する。
【0025】
設定動作時駆動電流制御手段(C2)は、前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した駆動電流(I)である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(It,Ib)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記モータ駆動電流(I)を、前記設定動作開始時駆動電流(I0)から増加または減少させるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する。
異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)は、前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記前記シート異常搬送の発生または解消時のモータ駆動電流(I)である異常発生駆動電流(Id,Im)を検出し記憶する。
動作中設定駆動電流更新手段(C8)は、前記異常発生駆動電流(Id,Im)の値に応じて前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる。
【0026】
前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A010′)を備えることができる。
(A010′)通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路(D3)を制御する通常時駆動電流制御手段(C9)。
前記構成要件(A010′)を備えたシート搬送装置では、通常時駆動電流制御手段(C9)は、通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路(D3)を制御する。
【0027】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A011′)を備えることができる。
(A011′)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記モータ駆動電流(I)を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)の動作を制御する通常時駆動電流制御手段(C9)。
前記構成要件(A011′)を備えたシート搬送装置では、通常時駆動電流制御手段(C9)は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記モータ駆動電流を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)の動作を制御する。
【0028】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A012′)を備えることができる。
(A012′)前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる前記動作中設定駆動電流更新手段(C8)。
前記構成要件(A012′)を備えたシート搬送装置では、前記動作中設定駆動電流更新手段(C8)は、前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流(IP)を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段(C7)に記憶させる。
【0029】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A013′)を備えることができる。
(A013′)前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流(I0)を再設定して、設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時駆動電流更新手段(C4)。
前記構成要件(A013′)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時駆動電流更新手段(C4)は、前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流(Id,Im)の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生駆動電流(Id,Im)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流(I0)を再設定して、設定動作開始時駆動電流記憶手段(C3)に記憶させる。
【0030】
また、前記第2発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(A014′)を備えることができる。
(A014′)前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記モータ駆動電流を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する前記設定動作時駆動電流制御手段(C2)。
前記構成要件(A014′)を備えたシート搬送装置では、前記設定動作時駆動電流制御手段(C2)は、前記駆動電流設定用給紙動作時に前記シート異常搬送が生じたときには、前記モータ駆動電流(I)を前記動作中設定駆動電流(IP)となるように前記モータ駆動回路(D3)を制御する。
【0031】
(第3発明)
第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B01)〜(B09)を備えたことを特徴とする。
(B01)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(B02)前記給紙部材(Rs)の給紙動作を制御するパラメータであって、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送の発生に関連するシート搬送パラメータを調整するシート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)、
(B03)給紙動作中の前記シート搬送パラメータの設定値である動作中設定搬送パラメータを記憶する動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)、
(B04)前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を設定するための給紙動作である搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時の前記シート搬送パラメータの設定値である設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を記憶する設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)、
(B05)前記搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する搬送パラメータ設定動作時期判別手段(C1)、
(B06)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時になった時に実行される前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させる側に変化させる際のシート搬送パラメータの上側または下側の変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)を記憶するパラメータ変化範囲記憶手段(C6)、
(B07)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した搬送パラメータ値を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)、
(B08)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のシート搬送パラメータの値である異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)を検出して記憶する異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段(C5)、
(B09)前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)に応じて前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)。
【0032】
(第3発明の作用)
前記構成を備えた第3発明のシート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
【0033】
シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)は、前記給紙部材(Rs)の給紙動作を制御するパラメータであって、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送の発生に関連するシート搬送パラメータを調整する。
動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)は、給紙動作中の前記シート搬送パラメータの設定値である動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を記憶する。
設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)は、前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を設定するための給紙動作である搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時の前記シート搬送パラメータの設定値である設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を記憶する。
搬送パラメータ設定動作時期判別手段(C1)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
【0034】
パラメータ変化範囲記憶手段(C6)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時になった時に実行される前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させる側に変化させる際のシート搬送パラメータの変化範囲を定める変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)を記憶する。
設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した搬送パラメータ値を検出するかまたは前記変化範囲境界値(St,Sb;It,Ib; Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)から増加または減少させるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する。
【0035】
異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段(C5)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記前記シート異常搬送の発生または解消時のシート搬送パラメータの値である異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)を検出し記憶する。
動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)は、前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)に応じて前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる。
【0036】
前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B010)を備えることが可能である。
(B010)通常の給紙動作時に前記搬送パラメータ設定用給紙動作時と同様に前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する通常時搬送パラメータ制御手段(C9)。
前記構成要件(B010)を備えたシート搬送装置では、通常時搬送パラメータ制御手段(C9)は、通常の給紙動作時に前記搬送パラメータ設定用給紙動作時と同様に前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する。
【0037】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B011)を備えることが可能である。
(B011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記シート搬送パラメータを前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)の動作を制御する通常時搬送パラメータ制御手段(C9)。
前記構成要件(B011)を備えたシート搬送装置では、通常時搬送パラメータ制御手段(C9)は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記シート搬送パラメータを前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)の動作を制御する。
【0038】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B012)を備えることが可能である。
(B012)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)。
前記構成要件(B012)を備えたシート搬送装置では、動作中設定搬送パラメータ更新手段(C8)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)を再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段(C7)に記憶させる。
【0039】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B013)を備えることが可能である。
(B013)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を再設定して、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段(C4)。
【0040】
前記構成要件(B013)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段(C4)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値(Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値(S0,I0,P0)を再設定して、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段(C3)に記憶させる。
【0041】
また、前記第3発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(B014)を備えることが可能である。
(B014)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記シート搬送パラメータが前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する前記設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)。
前記構成要件(B014)を備えたシート搬送装置では、設定動作時搬送パラメータ制御手段(C2)は、前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記シート搬送パラメータが前記動作中設定搬送パラメータ(SP,IP,Pp)となるように前記シート搬送パラメータ調整部材((M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3)を制御する。
【0042】
(第4発明)
第4発明シート搬送装置は、下記の構成要件(C01)〜(C09)を備えたことを特徴とする。
(C01)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有し、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材(Rs)、
(C02)前記給紙トレイ(TR1,TR2)のシートに対する前記取出ロール(Rp)の押圧力を調整する押圧力調整部材(M2+D2+2+4)、
(C03)シート取出動作中の前記押圧力(P)の設定値である動作中設定押圧力(Pp)を記憶する動作中設定押圧力記憶手段(C7)、
(C04)前記動作中設定押圧力(Pp)の値を設定するためのシート取出動作である押圧力設定用取出動作の開始時の前記押圧力(P)の設定値である設定動作開始時押圧力(P0)を記憶する設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)、
(C05)前記押圧力設定用取出動作の開始時期になったことを判別する押圧力設定動作時期判別手段(C1)、
(C06)前記押圧力設定用取出動作の開始時期になった時に実行される取出動作である前記押圧力設定用取出動作時に、前記押圧力(P)を前記設定動作開始時押圧力(P0)から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側の押圧力変化範囲を定める変化範囲境界値(Pt,Pb)を記憶する押圧力変化範囲記憶手段(C6)、
(C07)前記押圧力設定用取出動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生した異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記押圧力を、前記設定動作開始時押圧力(P0)から、増加または減少させるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する設定動作時押圧力制御手段(C2)
(C08)前記押圧力設定用取出動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時の押圧力である異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出して記憶する異常発生押圧力検出記憶手段(C5)、
(C09)前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の値に応じて前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる動作中設定押圧力更新手段(C8)。
【0043】
(第4発明の作用)
前記構成を備えた第4発明シート搬送装置では、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部(N)を形成する給紙ロール(Rs1)および分離部材(Rs2)であって前記ニップ部(N)に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロール(Rs1)および前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材(Rs2)を有する給紙部材(Rs)は、給紙トレイ(TR1,TR2)から取出ロール(Rp)により取り出された複数のシートが前記ニップ部(N)に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する。
【0044】
押圧力調整部材(M2+D2+2+4)は、前記給紙トレイ(TR1,TR2)のシートに対する前記取出ロール(Rp)の押圧力を調整する。
動作中設定押圧力記憶手段(C7)は、シート取出動作中の前記押圧力の設定値である動作中設定押圧力を記憶する。
設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)は、前記動作中設定押圧力(Pp)の値を設定するためのシート取出動作である押圧力設定用取出動作の開始時の前記押圧力の設定値である設定動作開始時押圧力(P0)であって正常な取出作用が行われると予想される押圧力の範囲内または範囲外に設定された前記設定動作開始時押圧力(P0)を記憶する。
【0045】
押圧力設定動作時期判別手段(C1)は、前記押圧力設定用取出動作の開始時期になったことを判別する。
押圧力変化範囲記憶手段(C6)は、前記押圧力設定用取出動作の開始時期になった時に実行される取出動作である前記押圧力設定用取出動作時に、前記押圧力を前記設定動作開始時押圧力(P0)から増加または減少させる側に変化させる際の押圧力変化範囲を定める変化範囲境界値(Pt,Pb)を記憶する。
【0046】
設定動作時押圧力制御手段(C2)は、前記押圧力設定用取出動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生した異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出するかまたは前記変化範囲境界値(Pt,Pb)に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記押圧力を、前記設定動作開始時押圧力(P0)から、増加または減少させるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する。
異常発生押圧力検出記憶手段(C5)は、前記押圧力設定用取出動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記前記シート異常搬送の発生または解消時の押圧力である異常発生押圧力(Pd,Pm)を検出して記憶する。
動作中設定押圧力更新手段(C8)は、前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の値に応じて前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる。
【0047】
前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C010)を備えることが可能である。
(C010)通常の取出動作時に、前記押圧力設定用取出動作を行うように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する通常時押圧力制御手段(C9)。
前記構成要件(C010)を備えるたシート搬送装置では、通常時押圧力制御手段(C9)は、通常の取出動作時に、前記押圧力設定用取出動作を行うように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する。
【0048】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C011)を備えることが可能である。
(C011)通常の取出動作時においてシート異常搬送が生じない場合は取出動作の開始時から終了時まで、前記押圧力(P)を前記動作中設定押圧力(Pp)となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)の動作を制御する通常時押圧力制御手段(C9)。
前記構成要件(C011)を備えたシート搬送装置では、通常時押圧力制御手段(C9)は、通常の取出動作時においてシート異常搬送が生じない場合は取出動作の開始時から終了時まで、前記押圧力(P)を前記動作中設定押圧力(Pp)となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)の動作を制御する。
【0049】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C012)を備えることが可能である。
(C012)前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる前記動作中設定押圧力更新手段(C8)。
前記構成要件(C012)を備えたシート搬送装置では、前記動作中設定押圧力更新手段(C8)は、前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力(Pp)を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段(C7)に記憶させる。
【0050】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C013)を備えることが可能である。
(C013)前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力(P0)を再設定して、設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)に記憶させる設定動作開始時押圧力更新手段(C4)。
前記構成要件(C013)を備えたシート搬送装置では、設定動作開始時押圧力更新手段(C4)は、前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力(Pd,Pm)の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段(C5)に記憶されていた異常発生押圧力(Pd,Pm)の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力(P0)を再設定して、設定動作開始時押圧力記憶手段(C3)に記憶させる。
【0051】
また前記第4発明のシート搬送装置は、下記の構成要件(C014)を備えることが可能である。
(C014)前記押圧力設定用取出動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記押圧力が前記動作中設定押圧力となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する前記設定動作時押圧力制御手段(C2)。
前記構成要件(C014)を備えたシート搬送装置では、前記設定動作時押圧力制御手段(C2)は、前記押圧力設定用取出動作時に前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記押圧力が前記動作中設定押圧力となるように前記押圧力調整部材(M2+D2+2+4)を制御する。
【0052】
【実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明のシート搬送装置の実施の形態1を備えた画像形成装置の縦断面図である。
図1において、画像形成装置Uは、上面にプラテンガラス(透明な原稿台)PGを有する画像形成装置本体としてのデジタル式の複写機本体U1と、前記プラテンガラスPG上に着脱自在に装着される自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
【0053】
前記複写機U1は、UI(ユーザインタフェース)と、前記プラテンガラスPGの下方に順次配置された画像読取部としてのIIT(イメージインプットターミナル)および画像記録用作動部としてのIOT(イメージアウトプットターミナル)と、前記IITまたはIOTに設けられたIPS(イメージプロセッシングシステム)とを有している。
複写機本体U1上面の透明なプラテンガラスPGの下方に配置された原稿読取装置としてのIITは、プラテンレジ位置に配置された露光系レジセンサ(プラテンレジセンサ)Sp、および露光光学系Aを有している。
【0054】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時はホーム位置に停止している。
前記自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ)U2を使用して複写を行うADFモードの場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行うプラテンモードの場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通ってCCD(固体撮像素子)上に収束される。前記CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0055】
また、IPSは、前記CCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してIOTのレーザ駆動信号出力装置DLに出力する。
前記レーザ駆動信号出力装置DLは、入力された画像データに応じたレーザ駆動信号をROS(潜像書込走査装置)に出力する。前記IPS、前記レーザ駆動信号出力装置DL、電源回路E等は、コンピュータにより構成されたコントローラCにより作動を制御される。
【0056】
前記ROSの下方に配置された感光体ドラム(トナー像担持体)PRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPR表面は、帯電領域Q0において帯電器(チャージロール)CRにより例えば−(マイナス)700Vに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記ROS(潜像書込装置)のレーザビームLにより露光走査されて例えば−300Vの静電潜像が形成される。前記感光体ドラムPRへのレーザビームLによる潜像形成は、シートセンサ(図示せず)がシート先端を検知してから所定の時間経時後に開始される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPR表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域(画像記録位置)Q4を順次通過する。
【0057】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像する現像器Dは、−(マイナス)帯電極性のトナーおよびプラス帯電極性のキャリアを含む現像剤を現像ロールR0により現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する感光体ドラムPR上の静電潜像をトナー像Tnに現像する。
前記転写領域(画像記録位置)Q4において前記感光体ドラムPRに対向する転写ロールTRは、感光体ドラムPR表面のトナー像をシートSに転写する部材であり、現像器Dで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が電源回路Eから供給される。前記帯電ロールに印加する帯電バイアス、現像ロールに印加する現像バイアス、転写ロールTRに印加する転写バイアス等のバイアス、後述の定着装置Fの加熱ロールのヒータを加熱するヒータ電源等を有する電源回路Eは前記コントローラCにより制御される。
【0058】
画像形成装置本体U1の下部には第1給紙トレイTR1および第2第2給紙トレイTR2が上下に並んで配置されている。
前記第1給紙トレイTR1および第2給紙トレイTR2の右端部の上端部には取出ロール(ピックアップロール)Rpが配置されており、前記取出ロールRpにより取り出されたシートは給紙トレイTR1,TR2の右側の給紙路SH1に搬送される。
給紙路SH1には、給紙部材Rsが配置されており、給紙部材Rsは、互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部Nを形成する給紙ロールRs1および分離ロール(分離部材)Rs2を有している。前記ニップ部Nに搬送されたシートは給紙部材Rsにより1枚づつ分離されて、シート搬送路SH1の下流側部分に搬送される。シート搬送路SH1の下流側部分は上下に延びており、正逆回転可能な搬送ロール(正逆転回転搬送ロール)Rbが配置されている。シート搬送路SH1に搬送された前記シートSは正逆転回転可能な搬送ロールRbにより、上方の上流側シート搬送路SH2に搬送される。
【0059】
上流側シート搬送路SH2に搬送されたシーヒトSは、搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送されたシートSは、前記感光体ドラムPR上のトナー像が転写領域(画像記録位置)Q4に移動するのにタイミングを合わせて、転写前シートガイドSG1から転写領域Q4に搬送される。
前記感光体ドラムPR表面に現像されたトナー像Tnは、前記転写領域Q4において、転写ロールTRによりシートSに転写される。転写後、感光体ドラムPR表面は、感光体クリーナCL1によりクリーニングされて残留トナーが除去され、次に感光体除電器JLにより除電されてから前記帯電ロールCRにより再帯電される。
前記感光体ドラムPR、帯電ロールCR、ROS(潜像書込装置)、現像装置D、転写ロールTR、感光体クリーナCL1、感光体除電器JL等により画像記録部材G(PR+CR+ROS+D+TR+CL1+JL)が構成されている。
【0060】
前記転写領域(画像記録位置)Q4のシート搬送方向下流側には、前記転写領域Q4でトナー像が記録された記録済シートSを、下流側シート搬送路SH3が設けられている。転写領域(画像記録位置)Q4において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、感光体ドラムPR表面から剥離され、前記下流側シート搬送路SH3のシートガイドSG2、シート搬送ベルトBHにより定着領域Q5に搬送される。前記シートSは、定着領域Q5を通過する際に定着装置Fによりトナー像が加熱定着されてから、シート排出路SH4を通って前記排紙トレイTRhに搬送される。
前記シート排出路SH4には、前記定着装置Fの下流側に切替ゲート(シート搬送方向制御部材)GTが配置されている。切替ゲートGTは、前記定着装置Fを通過したシートSの搬送方向を前記排紙トレイTRh側またはシート反転接続路SH5のいずれかの方向に切り替える。シート反転用接続路SH4は、前記シート排出路SH4の上流端と(定着装置Fの下流側部分)と前記シート搬送路SH1とを接続する。
【0061】
両面複写の場合、1面目のトナー像が記録された片面記録済シートSは、前記切替ゲートGTによりシート反転接続路SH5から、前記給紙路SH1上端の正逆回転搬送ロールRbにより給紙路SH1の下方に搬送されてからスイッチバックして反転した状態で上方の上流側シート搬送路SH2に再送される。
前記反転して上流側シート搬送路SH2に再送された片面記録済シートSは、前記転写領域(画像記録位置)Q4に再送され、2面目にトナー像が転写される。
【0062】
図2は前記実施の形態1の給紙部材の説明図で、図2Aは全体図、図2Bは分離ロールとトルクリミッタとを示す図である。
図2Aにおいて、給紙部材Rsは給紙ロールRs1および分離ロールRs2を有している。前記給紙ロールRs1および分離ロールRs2の圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部Nが形成される。
給紙ロールRs1の軸1には、回動レバー2が回動可能に支持されており、回動レバー2の左端部には取出ロールRpが回転可能に支持されている。前記回動レバー2は引張バネ3により常時下方に引っ張られており、前記軸1周りに反時計方向の回転力を受けている。前記回動レバー2の下面には偏心カム4の上面に当接しており、前記偏心カム4を回転させることにより取出ロールRpのシート押圧力(給紙トレイTR1に収容されたシートS上面を押圧する力)を調整可能である。なお、前記偏心カム4は偏心カムを回転させ押圧力調整モータM2(図4参照)により回転される。
【0063】
分路ロールRS2の軸は回動アーム6に回転可能に支持されており、回動アーム6は軸6a周りに回動可能であり、回動アーム6の右端部は引張バネ7により下方に引っ張られている。引張バネ7の下端は上下に移動可能なラック8の上端に接続されている。ラック8は、ニップ圧調整モータM1により回転駆動されるピニオン9の回転により、ガイド10に沿って上下にスライド移動可能である。前記ニップ圧調整モータM1はコントローラCにより制御されるニップ圧調整モータ駆動回路D1により駆動される。
前記ピニオン9の位置を調整することによりニップ部の圧力(ニップ圧)を調整可能である。
【0064】
前記ニップ部Nを通過するシートの給紙ロールRs1側のシート面の移動速度を検出するための給紙ロール側シート速度センサSN1がニップ部Nの上側に配置されており、ニップ部Nを通過するシートの分離ロールRs2側のシート面の移動速度を検出するための分離ロール側シート速度センサSN2がニップ部Nの舌側に配置されている。
また、ニップ部Nの上側には、前記ニップ部Nに複数のシートが重なって搬送されたことを検出するための重送検出レバー(シート重送検出器)12が軸12a周りに回動可能に支持されており、前記重送検出レバー12の先端部には重送検出ローラ12bが回転可能に支持されている。
【0065】
前記ニップ部Nの下側には、前記重送検出ローラ12bに対向する位置に対向ローラ13が回転可能に支持されている。前記重送検出ローラ12bと前記対向ローラ13との間にシートが侵入した場合、そのシートの厚みに応じて前記重送検出ローラ12bが持ち上げられ、重送検出レバー12が回動する。このときの重送検出レバー12の回動角度を検出するセンサ(シート重送センサ)SN4(図4参照)によりニップ部Nに侵入したシート厚さを検出することができる。前記検出したシート厚さによりシート重送を検出することができる。
また、前記ニップ部Nの下流側にはシートセンサSN3が配置されており、シートセンサSN3がシート先端を検出したときに、前記ニップ部Nをシートが搬送されていることを検出することができる。
【0066】
図2Bにおいて分離ロールRs2に回転力を伝達する分離ロール回転駆動軸14と分離ロールRs2の軸との間にはトルクリミッタTLおよびカップリング15が設けられている。したがって、前記ニップ部Nにシートが搬送された際に給紙ロールRs1がシート搬送方向に回転してシートが搬送される際、前記分離ロールRs2に接触するシートは前記トルクリミッタに応じた摩擦抵抗力を受ける。このため、前記ニップ部Nに複数のシートが重送された場合、分離ロールRs2に接触するシートの搬送が防止できる。
【0067】
前記図2に示した給紙ロール側シート速度センサSN1および分離ロール側シート速度センサSN2は移動するシート表面画像の移動速度によりシートの速度を検出するセンサであり、このようなセンサは市販されている。
図3は前記給紙ロール側シート速度センサSN1および分離ロール側シート速度センサSN2の代わりに使用可能なシート速度センサの他の例を示す図で、図3Aはロール軸に直接取り付けた回転型エンコーダを示すで、図3Bは移動するシートに接触して回転するローラの回転速度を検出する接触ローラ回転型エンコーダを示す図である。
前記図3に示すエンコーダを使用した回転型の速度センサも市販されており、このような回転型の速度センサもシート速度センサとして前記ず2に示すセンサSN1,SN2の代わりに使用可能である。
【0068】
(実施の形態1の制御部の説明)
図4は本発明の実施の形態1の制御部のブロック線図である。
図4において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調整等を行う図示しないI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0069】
(前記コントローラCに接続された信号出力要素)
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)、給紙ロール側シート速度センサSN1、分離ロール側シート速度センサSN2、ニップ部Nにシートが搬送されたことを検出するシートセンサSN3、シート重送センサSN4、その他の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
前記UIは、表示器、トレイ選択キー,モード選択キー等を備えている。
【0070】
(前記コントローラCに接続された被制御要素)
また、ニップ圧調整モータ駆動回路D1、押圧力調整モータ駆動回路D2、分離ロール駆動モータ用のモータ駆動回路D3、その他の被制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
ニップ調整モータ駆動回路D1はニップ圧調整モータM1およびピニオン9を介して前記ラック8(図2A参照)を昇降させることにより、分離ロールRs2を昇降させてニップ圧を調整する。前記符号M1,D1,8,9で示された要素によりニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)が構成されている。
押圧力調整モータ駆動回路D2は押圧力調整モータM2を介してカム4(図2参照)を回転させて回動レバー2を給紙ロールの軸1回りに回転させて取出ロールRpのシート押圧力を調整する。前記符号M2,D2,8,9で示された要素により押圧力調整部材(M2+D2+2+4)が構成されている。
分離ロール駆動モータ用のモータ駆動回路D3は分離ロール駆動モータM3を介して前記分離ロールRs2に作用する逆回転トルクを調整(シート分離能力を調整)する。
【0071】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、下記の制御要素C1〜C12を有しており、前記各制御要素C1〜C12は、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して各被制御要素に制御信号を出力するための、所定の機能を有している。
C1:ニップ圧設定動作時期判別手段
ニップ圧設定動作時期判別手段C1は、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
C2:設定動作時ニップ圧制御手段
設定動作時ニップ圧制御手段C2は、前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生または解消するニップ圧が検出されるかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧S0から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。前記設定動作時ニップ圧制御手段C2は、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が生じたときには、その後、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧SPとなるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。
【0072】
C3:設定動作開始時ニップ圧記憶手段
設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3は、前記動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧S0を記憶する。
前記設定動作開始時ニップ圧S0は正常な分離作用が行われると予想されるニップ圧の範囲内または範囲外のいずれかに設定することができる。
C4:設定動作開始時ニップ圧更新手段
設定動作開始時ニップ圧更新手段C4は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段C5に記憶されていた異常発生ニップ圧の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧を増減して更新する。
【0073】
C5:異常発生ニップ圧検出記憶手段
異常発生ニップ圧検出記憶出手段C5は、下記の手段C5a,C5bを有し、前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生した場合には、前記シート異常搬送発生時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出して記憶する。
C5a:上側異常発生ニップ圧検出記憶手段
上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aは、前記ニップ圧を高くしたときのシート異常搬送発生時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出して記憶する。C5b:下側異常発生ニップ圧検出記憶手段
下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bは、前記ニップ圧を低くしたときのシート異常搬送発生時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出して記憶する。
【0074】
C6:ニップ圧変化範囲記憶手段
ニップ圧変化範囲記憶手段C6は、上限境界値Stを記憶する上限境界値記憶手段C6aおよび下限境界値Sbを記憶する下限境界値記憶手段C6bを有しており、前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧S0から増加または減少させる側に変化させる際のニップ圧変化範囲を定める上限境界値Stおよび下限境界値S0を記憶する。C7:動作中設定ニップ圧記憶手段、
動作中設定ニップ圧記憶手段C7は、通常の給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧SPを記憶する。
【0075】
C8:動作中設定ニップ圧更新手段
動作中設定ニップ圧更新手段C8は、前記異常発生ニップ圧の値に応じて前記動作中設定ニップ圧SPを再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶させる。また、動作中設定ニップ圧更新手段C8は、前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶記憶手段C5に記憶されていた異常発生ニップ圧の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧SPを再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶させる。
C9:通常時ニップ圧制御手段
通常時ニップ圧制御手段C9は、通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)を制御する。また、通常時ニップ圧制御手段C9は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧SPとなるように前記ニップ圧調整部材(M1+D1+8+9)の動作を制御する。
C10:重送状態判定手段
重送状態判定手段C10は、異常搬送状態判定テーブルC10aを有しており、ニップ部Nに搬送されたシートが異常搬送状態(重送状態またはスベリによる搬送不良等)か否かを判定する。
【0076】
図5はシートの異常搬送状態を判定するためのテーブルC10aである。
図5において、重送センサSN4、給紙ロール側シート速度センサSN1の検出信号V1および分離ロール側シート速度センサSN2の検出信号V2に応じてシート搬送状態を次のように判定する。
(1)SN4=OFF、V2=V1の場合、正常(1枚のみ搬送)
(2)SN4=ON、 V2=0 の場合、正常(2枚目は停止)
(3)SN4=ON、 V2<0 の場合、正常(2枚目は逆送)
(4)SN4=ON、 V2=V1の場合、重送(密着状態)
(5)SN4=ON、V1>V2>0の場合、重送(分離不十分)
(6)SN4の検出信号に関係なく、すべり判定用設定速度Vrに対して、V1<V1rの場合、すべり発生と判定する。
【0077】
(実施の形態1のタイムチャートの説明)
図6は実施の形態1の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図6Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図6BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図6Aは後述の図8に示すフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図6Bは後述の図8に示すフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0078】
図6Aにおいて、ニップ圧Sの下記の各種値の意味は次のとおりである。
S :ニップ圧
St:ニップ圧Sの変化範囲の上限境界値(ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時にニップ圧を変化させる際のニップ圧変化範囲を定める上限境界値)
Sb:ニップ圧Sの変化範囲の下限境界値(ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時にニップ圧を変化させる際のニップ圧変化範囲を定める下限境界値)
Sd:ニップ圧Sの上側異常発生ニップ圧
Sm:ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧
S0:設定動作開始時ニップ圧(動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧の設定値)
SP:動作中設定ニップ圧(通常の給紙動作中の前記ニップ圧の設定値)
【0079】
前記動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作が開始される場合、ニップ圧設定用給紙動作開始時の前記給紙ロールRs1と分離ロールRs2とのニップ圧は、設定動作開始時ニップ圧S0に設定される。この図6Aの場合はS0は異常発生ニップ圧検出記憶手段C5に記憶された下側異常発生ニップ圧Smよりも高い値が設定されている。
図6Aにおいて、ニップ部Nにシートが搬送さたことが検出されるとニップ圧Sは下限境界値Sbに向かって徐々に下降し、その途中ですべりが発生すると、このすべりが発生したときのニップ圧Sが検出されて、それ以前に記憶されていたすべり発生ニップ圧(異常発生下側ニップ圧)Smが更新される。前記すべりが発生した後、ニップ圧Sは上限境界値Stに向かって徐々に増加し、途中で重送が発生すると、その重送が発生したときのニップ圧Sが検出されて、それ以前に記憶されていた重送発生ニップ圧(異常発生上ニップ圧)Sdが更新される。前記SmおよびSdの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0080】
図6Bにおいて、前記動作中設定ニップ圧SPの値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作が開始される場合、ニップ圧設定用給紙動作開始時の前記給紙ロールRs1と分離ロールRs2とのニップ圧は、設定動作開始時ニップ圧S0に設定される。この図6Bの場合はS0は下側異常発生ニップ圧Smよりも低い値が設定されている。
ニップ部Nにシートが搬送さたことが検出されるとニップ圧Sは下側異常発生ニップ圧Smよりも低い値S0から上限境界値Stに向かって徐々に増加し、その途中でスベリ画像形成装置解消されるとそのすべりが解消したときのニップ圧Sを新しい異常発生下側ニップ圧Smとして記憶する。その後、さらにニップ圧を上限境界値に向かって徐々に増加し、その途中で重送が発生すると、この重送が発生したときのニップ圧Sが検出されて、それ以前に記憶されていた重送発生ニップ圧(異常発生上側ニップ圧)Sdが更新される。前記SmおよびSdの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0081】
(実施の形態1のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
図7は、本発明の実施の形態1〜4のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理の共通のメインフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は、画像形成装置U(図1参照)の他の各処理と平行してマルチタスクで実行される。
図7において、シート搬送異常に関連するシート搬送制御パラメータの設定処理は、電源オンと同時に開始される。
図7のST(ステップ)1において、ジョブ(画像記録動作の開始時から終了時までの一連の画像記録動作)が開始されたか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST1を繰り返す。Y(イエス)の場合はST2に移る。
ST2においてジョブの第1頁の画像記録か否か判断する。イエス(Y)の場合はST3に移り、ノー(N)の場合はST4に移る。
【0082】
ST3において、第1頁の画像記録を行うと同時にニップ圧(シート搬送制御パラメータ)を設定するための設定動作時ニップ圧制御処理を行う。
ST4において、2頁目以降の画像形成動作時には、通常動作時ニップ圧制御処理を行う。通常動作時ニップ圧制御処理では、第1頁の画像記録動作時に設定動作時ニップ圧制御処理を行ったときに設定した通常動作時設定ニップ圧SPに保持するようにニップ圧を制御する。
ST5においてジョブ停止要求フラグFL=「1」か否か判断する。イエス(Y)の場合は前記ST1に戻り、ノー(N)の場合はST6に移る。
ST6において、ジョブ終了か否かを判断する。N(ノー)の場合は、前記ST2戻り、Y(イエス)の場合はST1に戻る。
【0083】
(ST3のサブルーチン)
図8は、本発明の実施の形態1および実施の形態2のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理の共通のフローチャートであり、前記ST3のサブルーチンである。
図8のST11におて、ニップ圧Sを設定動作開始時ニップ圧S0に設定する。次に、ST12に移る。
ST12において、ニップ部を通過するシートを検知したか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST12を繰り返し、Y(イエス)の場合はST13に移る。
ST13において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図9(後述)のST18に移る。Y(イエス)の場合はST14に移る。
ST14において、ニップ圧を上げる。次に、ST15に移る。
ST15おいて、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図9(後述)に示すST26に移る。Y(イエス)の場合はST16に移る。
ST16において、ニップ圧が調整上限値に到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST14に戻り、Y(イエス)の場合はST17に移る。
ST17において、ジョブ停止要求フラグFLを「1」にする。前記ジョブ停止要求フラグFLの初期値は「0」に設定されている。次に、前記図7のメインルーチンのST5に移る。
【0084】
図9は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図8の続きのフローチャートである。
図9のST18において、ニップ圧を下げる。次に、ST19に移る。
ST19において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、ニップ圧が下限境界値に到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST23に移る。ST21において、すべり発生ニップ圧(ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧)Smを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、すべり発生ニップ圧Smの更新をし、下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
【0085】
次にST23においてニップ圧Sを上げる。
ST24において重送か否か判断する。ノー(N)の場合はST25に移る。ST25においてニップ圧S=St(ニップ圧変化範囲の上限値)か否か判断する。ノー(N)の場合はST23に戻る。
ST24、ST25においてイエス(Y)の場合は図10のST31に移る。ST26においてニップ圧Sを検知する。
ST27において前記ST26で検知したニップ圧Sをすべり発生ニップ圧Smとする。すなわち、前記検知したニップ圧を、ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
次にST28においてニップ圧Sを上げる。
ST29において重送か否か判断する。ノー(N)の場合は図10のST31に移る。
ST30においてニップ圧S=St(ニップ圧変化範囲の上限値)か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST28に戻る。
ST30においてイエス(Y)の場合は図10のST31に移る。
【0086】
図10は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図9の続きのフローチャートである。
図10のST31において、ニップ圧(上側異常発生ニップ圧)Sdを検知する。
ST32において、上側異常発生ニップ圧検出記憶手段ST11aの記憶値Sdを更新する。
ST33において、更新した上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧(設定動作開始時のニップ圧の初期設定値)S0、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶されている動作中設定ニップ圧SPを更新する。
【0087】
ST34においてニップ圧Sを更新された動作中設定ニップ圧SPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図7のメインルーチンのST5に移る。
【0088】
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態1を備えた画像形成装置では、前記ニップ圧設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、ニップ圧設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、ニップ圧設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記ニップ設定動作により上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生ニップ圧Sd、Smの値に応じて、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶された通常動作時設定ニップ圧SPおよび設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶された設定動作開始時ニップ圧S0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定ニップ圧SPにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定ニップ圧SPを設定することができる。
【0089】
(実施の形態2)
この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態2の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。また、実施の形態2の制御部のブロック線図は前記実施の形態1の図4のブロック線図と同一であり、実施の形態1の図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aと同一の異常搬送状態判定テーブルを有している。
この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0090】
(実施の形態2のタイムチャートの説明)
図11は実施の形態2の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図11Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図11BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図11Aは実施の形態2の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図11Bは実施の形態2の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0091】
図11において、ニップ圧Sの各種値St、Sd,SP,Sm,S0の意味は前記実施の形態1の図6と同様(図6A参照)である。
図11Aでは、下側異常発生ニップ圧Smよりも高い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
また、図11Bでは、下側異常発生ニップ圧Smよりも低い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が解消したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
前記下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0092】
前記図11の説明から分かるように、前記実施の形態1では上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新するのに対して、この実施の形態2では下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新する点で相違している。
【0093】
(実施の形態2のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
この実施の形態2のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは前記実施の形態1の図7と同一である。
また本実施の形態2のメインルーチンのST3(図7参照)のサブルーチン(シート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャート)は、前記実施の形態1の図8に示すST11〜ST17の処理と同じ処理を行う。すなわち、図8のフローチャートは実施の形態1〜4で同一である。
【0094】
図12は実施の形態2の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
図12のST18において、ニップ圧を下げる。次に、ST19に移る。
ST19において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、ニップ圧Sが下限境界値Sbに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、すべり発生ニップ圧(ニップ圧Sの下側異常発生ニップ圧)Sを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、前記検知したニップ圧Sを下側異常発生ニップ圧Smとして、下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
【0095】
次にST33において、更新した下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧(設定動作開始時のニップ圧の初期設定値)S0、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶されている動作中設定ニップ圧SPを更新する。
【0096】
ST34においてニップ圧Sを更新された動作中設定ニップ圧SPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図7のメインルーチンのST5に移る。
【0097】
(実施の形態3)
この実施の形態3の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態3の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。また、実施の形態3の制御部のブロック線図は前記実施の形態1の図4のブロック線図と同一であり、実施の形態1の図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aと同一の異常搬送状態判定テーブルを有している。
この実施の形態3は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0098】
(実施の形態3のタイムチャートの説明)
図13は実施の形態3の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図13Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0>Sdに設定されている場合のタイムチャート、図13BはS0<Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図13Aは実施の形態3の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図13Bは実施の形態3の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0099】
図13において、ニップ圧Sの各種値St、Sd,SP,Sm,S0の意味は前記実施の形態1の図6と同様(図6A参照)である。
図13Aでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも高い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が解消したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。その後、ニップ圧Sをさらに下降させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
【0100】
また、図13Bでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも低い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に上昇させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。その後、ニップ圧Sを下降させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを下側異常発生ニップ圧Smとして下側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5bに記憶する。
前記上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0101】
前記実施の形態1の図6では下側異常発生ニップ圧Smを先に検出記憶してから、次に上側異常発生ニップ圧Sdの値を検出記憶しているのに対し、この実施の形態3の図13では、上側異常発生ニップ圧Sdを先に検出記憶してから、次に下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶している。すなわち、本実施の形態3は、上側、下側の異常発生ニップ圧の検出順序が異なる以外は前記実施の形態1と同様である。
【0102】
(実施の形態3のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
この実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは前記実施の形態1の図7と同一である。
また本実施の形態3のメインルーチンのST3(図7参照)のサブルーチン(シート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャート)は、図14〜図16に示されている。
【0103】
(シート搬送制御パラメータ設定処理のフローチャート)すなわち、(ST3のサブルーチン)
図14は、本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記ST3のサブルーチンであり、前記実施の形態1の図8に対応する図である。
図15は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図14の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図9に対応する図である。
図16は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図15の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図10に対応する図である。
【0104】
前記実施の形態1の図8〜図10に示すフローチャートでは最初に下側異常発生ニップ圧(すべり発生ニップ圧)Smを検出、記憶してから、次に上側異常発生ニップ圧(重送発生ニップ圧)Sdを検出、記憶しているのに対し、この前記実施の形態3の図14〜図16に示すフローチャートでは最初に上側異常発生ニップ圧(重送発生ニップ圧)Sdを検出、記憶してから、次に下側異常発生ニップ圧(すべり発生ニップ圧)Smを検出、記憶している点で相違しているが、その他の点では同一である。
【0105】
(実施の形態3の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態3を備えた画像形成装置では前記実施の形態1と同様に、前記ニップ圧設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、ニップ圧設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、ニップ圧設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記ニップ設定動作により上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生ニップ圧Sd、Smの値に応じて、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶された通常動作時設定ニップ圧SPおよび設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶された設定動作開始時ニップ圧S0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定ニップ圧SPにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定ニップ圧SPを設定することができる。
【0106】
(実施の形態4)
この実施の形態4の説明において、前記実施の形態3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態4の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。また、実施の形態4の制御部のブロック線図は前記実施の形態1の図4のブロック線図と同一であり、実施の形態1の図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aと同一の異常搬送状態判定テーブルを有している。
この実施の形態4は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0107】
(実施の形態4のタイムチャートの説明)
図17は実施の形態4の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図17Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0<Sdに設定されている場合のタイムチャート、図17BはS0>Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図17Aは実施の形態4の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図17Bは実施の形態4の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0108】
図17において、ニップ圧Sの各種値St、Sd,SP,Sm,S0の意味は前記実施の形態1の図6と同様(図6A参照)である。
図17Aでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも低い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に上昇させて、異常搬送が発生したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。
また、図17Bでは、上側異常発生ニップ圧Sdよりも高い値に設定された設定動作開始時ニップ圧S0からニップ圧を徐々に下降させて、異常搬送が解消したときのニップ圧Sを検出し、その検出した異常発生ニップSを上側異常発生ニップ圧Sdとして上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。前記上側異常発生ニップ圧Sdの値に応じて、設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPが更新される。
その後のニップ圧Sは、前記再設定された動作中ニップ圧SPに保持される。
【0109】
前記図17の説明から分かるように、前記実施の形態1では上側異常発生ニップ圧Sdおよび下側異常発生ニップ圧Smの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新するのに対して、この実施の形態4では上側異常発生ニップ圧Sdの値を検出記憶して、その値に応じて設定動作開始時ニップ圧S0および動作中設定ニップ圧SPを更新する点で相違している。
【0110】
(実施の形態4のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
この実施の形態4のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは前記実施の形態1の図7と同一である。
また本実施の形態4のメインルーチンのST3(図7参照)のサブルーチン(シート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャート)は、前記実施の形態3の図14に示すST11〜ST17の処理と同じ処理を行う。すなわち、図14のフローチャートは実施の形態3,4で同一である。
【0111】
図18は実施の形態4の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
前記図14のST13においてノー(N)の場合は図18のST18に移る。また、図14のST15においてノー(N)の場合は図18のST21に移る。図18のST18において、ニップ圧を上げる。次に、ST19に移る。
ST19において、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、ニップ圧Sが下限境界値Sbに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、ニップ圧Sを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、重送発生ニップ圧(上側異常発生ニップ圧)Sdを更新し(Sd=S)、上側異常発生ニップ圧検出記憶手段C5aに記憶する。
【0112】
次にST33において、更新した重送発生ニップ圧(上側異常発生ニップ圧)Sdの値に応じて設定動作開始時ニップ圧記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時ニップ圧(設定動作開始時のニップ圧の初期設定値)S0、動作中設定ニップ圧記憶手段C7に記憶されている動作中設定ニップ圧SPを更新する。
【0113】
ST34においてニップ圧Sを更新された動作中設定ニップ圧SPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は前記図7のメインルーチンのST5に移る。
【0114】
(実施の形態5)
この実施の形態5の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態5の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。
この実施の形態5は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0115】
図19は本発明の実施の形態5の制御部のブロック線図である。
実施の形態5の図19に示す制御部のブロック線図は、分離ロールRs2の駆動モータM3の駆動回路D3の動作を制御する機能を有しており、前記実施の形態1のニップ圧を制御する図4のブロック線図と異なっている。
図19において、コントローラCに接続された信号出力要素および被制御要素は前記実施の形態1の図4と同様である。
【0116】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、下記の制御要素C1〜C12を有しており、前記各制御要素C1〜C12は、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して各被制御要素に制御信号を出力するための、所定の機能を有している。
C1:駆動電流設定動作時期判別手段
駆動電流設定動作時期判別手段C1は、前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
C2:設定動作時駆動電流制御手段
設定動作時駆動電流制御手段C2は、前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生または解消する駆動電流を検出するかまたは駆動電流変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記分離ロールRs2の駆動電流を、前記設定動作開始時駆動電流I0から、増加または減少させるようにモータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3の動作を制御する。前記設定動作時駆動電流制御手段C2は、前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が生じたときには、その後、前記分離ロールRs2の駆動電流を動作中設定駆動電流IPとなるように前記モータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3の動作を制御する。
【0117】
C3:設定動作開始時駆動電流記憶手段
設定動作開始時駆動電流記憶手段C3は、前記動作中設定駆動電流IPの値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記分離ロールRs2の駆動電流の設定値である設定動作開始時駆動電流I0を記憶する。
前記設定動作開始時駆動電流I0は正常な分離作用が行われると予想される駆動電流の範囲内または範囲外のいずれかに設定することができる。
C4:設定動作開始時駆動電流更新手段
設定動作開始時駆動電流更新手段C4は、前記駆動電流設定用給紙動作時の異常発生駆動電流の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段C3に記憶されていた異常発生駆動電流の記憶値Imに比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時駆動電流I0を増減して更新する。
なお、本実施の形態5では、異常発生駆動電流の記憶値Imは下側異常発生駆動電流Imのみを検出記憶し、下側異常発生駆動電流Imの変化(増減)に応じて設定動作開始時駆動電流I0の設定値を変化(増減)させているが、上側異常発生駆動電流Idを検出記憶して、上側異常発生駆動電流Idの変化(増減)に応じて設定動作開始時駆動電流I0の設定値を変化(増減)させることも可能である。
【0118】
C5:異常発生駆動電流検出記憶手段
異常発生駆動電流検出記憶出手段C5は、下記の手段C5bを有し、前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生した場合には、前記シート異常搬送発生時の駆動電流である下側異常発生駆動電流Imを検出して記憶する。
C5b:下側異常発生駆動電流検出記憶手段
下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bは、前記駆動電流を低くしたときのシート異常搬送発生時の駆動電流である異常発生駆動電流を検出して記憶する。なお、前記異常発生駆動電流検出記憶手段C5は、下記の上側異常発生駆動電流検出記憶手段C5aを有することが可能である。
前記上側異常発生駆動電流検出記憶手段C5aは、前記駆動電流を高くしたときのシート異常搬送発生時の駆動電流である異常発生駆動電流を検出して記憶するように構成される。
【0119】
C6:駆動電流変化範囲記憶手段
駆動電流変化範囲記憶手段C6は、上限境界値Itを記憶する上限境界値記憶手段C6aおよび下限境界値Ibを記憶する下限境界値記憶手段C6bを有しており、前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記分離ロールRs2の駆動電流を前記設定動作開始時駆動電流I0から増加または減少させる側に変化させる際の駆動電流変化範囲を定める上限境界値Itおよび下限境界値Ibを記憶する。
C7:動作中設定駆動電流記憶手段、
動作中設定駆動電流記憶手段C7は、通常の給紙動作中の前記駆動電流の設定値である動作中設定駆動電流IPを記憶する。
【0120】
C8:動作中設定駆動電流更新手段
動作中設定駆動電流更新手段C8は、前記異常発生駆動電流Imの値に応じて前記動作中設定駆動電流IPを再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶させる。また、動作中設定駆動電流更新手段C8は、前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶記憶手段C5に記憶されていた異常発生駆動電流の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶されている前記動作中設定駆動電流IPを更新する。
【0121】
C9:通常時駆動電流制御手段
通常時駆動電流制御手段C9は、通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3を制御する。また、通常時駆動電流制御手段C9は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記分離ロールRs2の駆動電流Iを前記動作中設定駆動電流IPとなるように前記モータ駆動回路(駆動電流調整部材)D3の動作を制御する。
C10:重送状態判定手段
重送状態判定手段C10は、前記図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aを有しており、ニップ部Nに搬送されたシートが異常搬送状態(重送状態またはスベリによる搬送不良等)か否かを判定する。
【0122】
(実施の形態5のタイムチャートの説明)
図20は実施の形態5の画像形成装置のシート搬送装置の駆動電流設定動作が開始されたときに制御される駆動電流のタイムチャートの例を示す図であり、図20Aは前記設定動作開始時駆動電流I0がすべり発生値(下側異常発生駆動電流記憶値)Imに対してI0>Imに設定されている場合のタイムチャート、図20BはI0<Imに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図20Aは実施の形態5の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図20Bは実施の形態5の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0123】
図20Aにおいて、分離ロールRs2の駆動モータの駆動電流Iの各種値Ib,IP,Im,I0の意味は次のとおりである。
I :分離ロールRs2の駆動電流
Ib:駆動電流Iの変化範囲の下限境界値(駆動電流設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記駆動電流設定用給紙動作時に駆動電流を変化させる際の駆動電流変化範囲を定める下限境界値)
Im:駆動電流Iの下側異常発生駆動電流
I0:設定動作開始時駆動電流(動作中設定駆動電流IPの値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材との駆動電流の設定値)
IP:動作中設定駆動電流(通常の給紙動作中の前記駆動電流の設定値)
なお、駆動電流Iを制御する際に下記の値It、Idを使用することも可能である。
It:駆動電流Iの変化範囲の上限境界値(駆動電流設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記駆動電流設定用給紙動作時に駆動電流を変化させる際の駆動電流変化範囲を定める上限境界値)
Id:駆動電流Iの上側異常発生駆動電流
【0124】
図20Aでは、下側異常発生駆動電流Imよりも高い値に設定された設定動作開始時駆動電流I0から駆動電流を徐々に下降させて、異常搬送が発生したときの駆動電流Iを検出し、その検出した異常発生駆動電流Iを下側異常発生駆動電流Imとして下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bに記憶する。
また、図20Bでは、下側異常発生駆動電流Imよりも低い値に設定された設定動作開始時駆動電流I0から駆動電流Iを徐々に上昇させて、異常搬送が解消したときの駆動電流Iを検出し、その検出した異常発生駆動電流Iを下側異常発生駆動電流Imとして下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bに記憶する。
前記下側異常発生駆動電流Imの値に応じて、設定動作開始時駆動電流I0および動作中設定駆動電流IPが更新される。
その後の駆動電流Iは、前記再設定された動作中駆動電流IPに保持される。
【0125】
(実施の形態5のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
図21は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
この実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは、ST3,ST4が前記実施の形態1の図7のフローチャートと異なるがその他のST(ステップ)の処理は同一である。
この実施の形態5のメインルーチンの説明において、前記図7のST(ステップ)と同じ処理については説明を省略する。
ST3において、設定動作時駆動電流制御処理を実行する。
ST4において、通常動作時駆動電流制御処理を実行する。
【0126】
図22は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図21のST3のサブルーチンである。
図22のST11におて、分離ロールRs2の駆動電流(モータ駆動回路D3によるモータ駆動電流)Iを設定動作開始時駆動電流I0に設定する。次に、ST12に移る。
ST12において、ニップ部を通過するシートを検知したか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST12を繰り返し、Y(イエス)の場合はST13に移る。
ST13において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図23(後述)のST18に移る。Y(イエス)の場合はST14に移る。
ST14において、電流値Iを上げる。次に、ST15に移る。
ST15おいて、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図23(後述)に示すST21に移る。Y(イエス)の場合はST16に移る。
ST16において、I≧Itか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST14に戻り、Y(イエス)の場合はST17に移る。
ST17において、ジョブ停止要求フラグFLを「1」にする。前記ジョブ停止要求フラグFLの初期値は「0」に設定されている。次に、図21のメインルーチンのST5に移る。
【0127】
図23は本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図22の続きのフローチャートである。
図23のST18において、駆動電流Iを下げる。次に、ST19に移る。
ST19において、すべりが発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、駆動電流Iが下限境界値Ibに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、駆動電流Iを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、検出した駆動電流Iを、異常発生駆動電流(駆動電流Iの下側異常発生駆動電流)Imとして、下側異常発生駆動電流検出記憶手段C5bに記憶する。
【0128】
次にST33において、設定動作開始時駆動電流記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時駆動電流(設定動作開始時の駆動電流の初期設定値)I0、動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶されている動作中設定駆動電流IPを、前記更新した下側異常発生駆動電流Imの値に応じて更新する。
【0129】
ST34において駆動電流Iを、前記更新された動作中設定駆動電流IPに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図21のメインルーチンのST5に移る。
【0130】
(実施の形態5の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態5を備えた画像形成装置では、前記駆動電流設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、駆動電流設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、駆動電流設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記駆動電流設定動作により上側異常発生駆動電流Imを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生駆動電流Imの値に応じて、動作中設定駆動電流記憶手段C7に記憶された通常動作時設定駆動電流IPおよび設定動作開始時駆動電流記憶手段C3に記憶された設定動作開始時駆動電流I0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定駆動電流IPにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定駆動電流IPを設定することができる。
【0131】
(実施の形態6)
この実施の形態6の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態6の機械的構成は前記実施の形態1の図1〜図3に示した構成と同一である。
この実施の形態6は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
【0132】
図24は本発明の実施の形態6の制御部のブロック線図である。
実施の形態6の図24に示す制御部のブロック線図は、取出ロールRpのシート押圧力を調整する押圧力調整モータM2の駆動回路D2の動作を制御する機能を有しており、前記実施の形態1のニップ圧を制御する図4のブロック線図と異なっている。
図24において、コントローラCに接続された信号出力要素および被制御要素は前記実施の形態1の図4と同様である。
【0133】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、下記の制御要素C1〜C12を有しており、前記各制御要素C1〜C12は、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して各被制御要素に制御信号を出力するための、所定の機能を有している。
C1:押圧力設定動作時期判別手段
押圧力設定動作時期判別手段C1は、前記押圧力設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する。
【0134】
C2:設定動作時押圧力制御手段
設定動作時押圧力制御手段C2は、前記押圧力設定用給紙動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生または解消する押圧力Pmが検出されるかまたは押圧力変化範囲境界値Pbに達するかのいずれかの状態が生じるまで前記取出ロールRpのシート押圧力を、前記設定動作開始時押圧力P0から、増加または減少させるようにカム4(図2参照)の回転用モータ(押圧力調整モータ)M2の駆動回路(取出ロール押圧力調整モータ駆動回路)D2の動作を制御する。前記カム4、押圧力調整モータM2、および取出ロール押圧力調整モータ駆動回路D2により、押圧力調整部材(D2+M2+4)が構成されている。前記設定動作時押圧力制御手段C2は、前記押圧力設定用給紙動作時にシート異常搬送が生じたときには、その後、前記分離ロールRs2の押圧力を動作中設定押圧力Ppとなるように前記押圧力調整部材(D2+M2+4)の動作を制御する。
【0135】
C3:設定動作開始時押圧力記憶手段
設定動作開始時押圧力記憶手段C3は、前記動作中設定押圧力Ppの値を設定するための給紙動作である押圧力設定用給紙動作の開始時の前記取出ロールRpの押圧力の設定値である設定動作開始時押圧力P0を記憶する。
前記設定動作開始時押圧力P0は正常なシート取出作用が行われると予想される押圧力の範囲内または範囲外のいずれかに設定することができる。
C4:設定動作開始時押圧力更新手段
設定動作開始時押圧力更新手段C4は、前記押圧力設定用給紙動作時の異常発生押圧力の検出値が、その検出以前に異常発生押圧力検出記憶手段C5に記憶されていた異常発生押圧力の記憶値Pdに比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時押圧力P0を増減して更新する。
なお、本実施の形態6では、異常発生押圧力の記憶値Pdは上側異常発生押圧力Pdのみを検出記憶し、上側異常発生押圧力Pdの変化(増減)に応じて設定動作開始時押圧力P0の設定値を変化(増減)させているが、下側異常発生押圧力Pbを検出記憶して、下側異常発生押圧力Pbの変化(増減)に応じて設定動作開始時押圧力P0の設定値を変化(増減)させることも可能である。
【0136】
C5:異常発生押圧力検出記憶手段
異常発生押圧力検出記憶出手段C5は、下記の手段C5aを有し、前記押圧力設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生した場合には、前記シート異常搬送発生時の押圧力である上側異常発生押圧力Pdを検出して記憶する。
C5a:上側異常発生押圧力検出記憶手段
上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aは、前記押圧力Pを高くしたときのシート異常搬送発生時の押圧力Pである異常発生押圧力Pdを検出して記憶する。なお、前記異常発生押圧力検出記憶手段C5は、下記の下側異常発生押圧力検出記憶手段C5bを有することが可能である。
前記下側異常発生押圧力検出記憶手段C5bは、前記押圧力を低くしたときのシート異常搬送発生時の押圧力Pである異常発生押圧力Pbを検出して記憶するように構成される。
【0137】
C6:押圧力変化範囲記憶手段
押圧力変化範囲記憶手段C6は、上限境界値Ptを記憶する上限境界値記憶手段C6aおよび下限境界値Pbを記憶する下限境界値記憶手段C6bを有しており、前記押圧力設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記押圧力設定用給紙動作時に、前記取出ロールRpの押圧力Pを前記設定動作開始時押圧力P0から増加または減少させる側に変化させる際の押圧力変化範囲を定める上限境界値Ptおよび下限境界値Pbを記憶する。
C7:動作中設定押圧力記憶手段、
動作中設定押圧力記憶手段C7は、通常の給紙動作中の前記押圧力の設定値である動作中設定押圧力Ppを記憶する。
【0138】
C8:動作中設定押圧力更新手段
動作中設定押圧力更新手段C8は、前記異常発生押圧力Pdの値に応じて前記動作中設定押圧力Ppを再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶させる。また、動作中設定押圧力更新手段C8は、前記押圧力設定用給紙動作時の前記異常発生押圧力の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶記憶手段C5に記憶されていた異常発生押圧力の記憶値Pdに比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶されている前記動作中設定押圧力Ppを更新する。
【0139】
C9:通常時押圧力制御手段
通常時押圧力制御手段C9は、通常の給紙動作時に、前記押圧力設定用給紙動作を行うように前記押圧力調整部材(D2+M2+4)の動作を制御する。また、通常時押圧力制御手段C9は、通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記取出ロールRpの押圧力Pを前記動作中設定押圧力Ppとなるように前記押圧力調整部材(D2+M2+4)の動作を制御する。
C10:重送状態判定手段
重送状態判定手段C10は、前記図5に示す異常搬送状態判定テーブルC10aを有しており、ニップ部Nに搬送されたシートが異常搬送状態(重送状態またはスベリによる搬送不良等)か否かを判定する。
【0140】
(実施の形態6のタイムチャートの説明)
図25は実施の形態6の画像形成装置のシート搬送装置の押圧力設定動作が開始されたときに制御される押圧力のタイムチャートの例を示す図であり、図25Aは前記設定動作開始時押圧力P0が重送発生値(上側異常発生押圧力記憶値)Pdに対してP0<Pdに設定されている場合のタイムチャート、図25BはP0>Pdに設定されている場合のタイムチャートである。
なお、図25Aは実施の形態6の後述するフローチャートのST13でノー(N)の場合のタイムチャートであり、図25Bは実施の形態6の後述するフローチャートのST13でイエス(Y)の場合のタイムチャートである。
【0141】
図25Aにおいて、取出ロールRpの押圧力Pの各種値Pt,Pp,Pd,P0の意味は次のとおりである。
P :取出ロールRpの押圧力
Pt:押圧力Pの変化範囲の上限境界値(押圧力設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記押圧力設定用給紙動作時に押圧力を変化させる際の押圧力変化範囲を定める上限境界値)
Pd:押圧力Pの上側異常発生押圧力
P0:設定動作開始時押圧力(動作中設定押圧力Ppの値を設定するための給紙動作である押圧力設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールRpのシート押圧力Pの設定値)
Pp:動作中設定押圧力(通常の給紙動作中の前記押圧力Pの設定値)
なお、押圧力Pを制御する際に下記の値Pb、Pmを使用することも可能である。
Pb:押圧力Pの変化範囲の下限境界値(押圧力設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記押圧力設定用給紙動作時押圧力を変化させる際の押圧力変化範囲を定める下限境界値)
Pm:押圧力Pの下側異常発生押圧力
【0142】
図25Aでは、上側異常発生押圧力Pdよりも低い値に設定された設定動作開始時押圧力P0から押圧力を徐々に上昇させて、異常搬送が発生したときの押圧力Pを検出し、その検出した異常発生押圧力Pを上側異常発生押圧力Pdとして上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aに記憶する。
また、図25Bでは、上側異常発生押圧力Pdよりも高い値に設定された設定動作開始時押圧力P0から押圧力Pを徐々に下降させて、異常搬送が解消したときの押圧力Pを検出し、その検出した異常発生押圧力Pを上側異常発生押圧力Pdとして上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aに記憶する。
前記検出して記憶された上側異常発生押圧力Pdの値に応じて、設定動作開始時押圧力P0および動作中設定押圧力Ppが更新される。
その後の押圧力Pは、前記再設定された動作中押圧力Ppに保持される。
【0143】
(実施の形態6のフローチャートの説明)
(メインルーチン)
図26は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
この実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のメインフローチャートは、ST3,ST4が前記実施の形態1の図7のフローチャートと異なるがその他のST(ステップ)の処理は同一である。
この実施の形態6のメインルーチンの説明において、前記図7のST(ステップ)と同じ処理については説明を省略する。
ST3において、設定動作時押圧力制御処理を実行する。
ST4において、通常動作時押圧力制御処理を実行する。
【0144】
図27は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図26のST3のサブルーチンである。
図27のST11におて、取出ロールRpのシート押圧力Pを設定動作開始時押圧力P0に設定する。次に、ST12に移る。
ST12において、ニップ部を通過するシートを検知したか否かを判断する。N(ノー)の場合、前記ST12を繰り返し、Y(イエス)の場合はST13に移る。
ST13において、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図28(後述)のST18に移る。Y(イエス)の場合はST14に移る。
ST14において、押圧力Pを下げる。次に、ST15に移る。
ST15おいて、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合、図28(後述)に示すST21に移る。Y(イエス)の場合はST16に移る。
ST16において、P≦Pbか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST14に戻り、Y(イエス)の場合はST17に移る。
ST17において、ジョブ停止要求フラグFLを「1」にする。前記ジョブ停止要求フラグFLの初期値は「0」に設定されている。次に、前記図26のメインルーチンのST5に移る。
【0145】
図28は本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図27の続きのフローチャートである。
図28のST18において、押圧力Pを上げる。次に、ST19に移る。
ST19において、重送が発生したか否かを判断する。N(ノー)の場合はST20に移り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST20において、、押圧力Pが上限境界値Ptに到達したか否かを判断する。N(ノー)の場合は前記ST18に戻り、Y(イエス)の場合はST21に移る。
ST21において、押圧力Pを検知する。次に、ST22に移る。
ST22において、前記検知した押圧力Pを、異常発生押圧力(押圧力Pの上側異常発生押圧力)Pdとして、上側異常発生押圧力検出記憶手段C5aに記憶する。
【0146】
次にST33において、設定動作開始時押圧力記憶手段C3に記憶されている設定動作開始時押圧力(設定動作開始時の押圧力の初期設定値)P0、動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶されている動作中設定押圧力Ppを、前記更新した下側異常発生押圧力Pdの値に応じて更新する。
【0147】
ST34において押圧力Pを、前記更新された動作中設定押圧力Ppに保持する制御を実行する。
ST35においてシート後端がニップ部Nを通過したか否か判断する。ノー(N)の場合はST34に戻り、イエス(Y)の場合は図26のメインルーチンのST5に移る。
【0148】
(実施の形態6の作用)
前記構成を備えた本発明のシート処理装置の実施の形態6を備えた画像形成装置では、前記押圧力設定動作時期判別手段C1は、ジョブの第1頁の画像記録動作時には、押圧力設定動作時期であると判断する。そして、ジョブの第1頁の画像記録動作では、押圧力設定動作を行いながら、画像記録動作を行う。そして、前記押圧力設定動作により上側異常発生押圧力Pdを検出して記憶し、前記検出、記憶される異常発生押圧力Pdの値に応じて、動作中設定押圧力記憶手段C7に記憶された通常動作時設定押圧力Ppおよび設定動作開始時押圧力記憶手段C3に記憶された設定動作開始時押圧力P0を更新する。
そして、ジョブの2頁目以降の画像記録は、新たに設定された通常動作時設定押圧力Ppにより画像記録を行う。したがって、給紙トレイTR1,TR2に収容された用紙が交換されて用紙の厚さが変化した場合や、湿度等の画像記録動作環境が変化した場合等に、それらの変化に対応した適切な通常動作時設定押圧力Ppを設定することができる。
【0149】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
【0150】
(H01)前記シート搬送制御パラメータであって、シート搬送異常に関連するパラメータ(ニップ圧S、分離ロール駆動電流I、取出ロールのシート押圧力等)の設定動作時期として、ジョブ開始時の1頁目の画像記録動作時を設定する代わりに、次の時期を設定することが可能である。
(H01a)ジャムが生じた後にリカバリーした時
(H01b)シート種類が変更された時
(H01c)所定枚数の画像記録を実行した時
(H01d)所定時間経過した時
(H01e)ユーザの指示が有った時
(H01f)すべりが発生した時
(H01g)重送が発生した時
(H02)前記各実施の形態では、互いに圧接する部分によりニップ部が形成される給紙部材について説明したが、互いに隣接して対向する部分によりニップ部が形成される給紙部材を有するシート搬送装置に対しても、本発明を適用することが可能である。その場合は、ニップ圧を調節する代わりに、互いに隣接して対向する部分の間隔を調節するニップ調節部材を使用することができる。
(H03) 本発明はプリンタ以外の画像形成装置、例えば複写機にも適用することが可能である。
(H04) 本発明はレーザ書込装置以外の画像書込装置、例えば液晶パネル、発光ダイオード、または蛍光表示管等を用いた画像形成装置にも適用することが可能である。
【0151】
【発明の効果】
前述の本発明のシ−ト処理装置は、下記の効果(E01),(E02)を奏することができる。
(E01)シート搬送制御用パラメータの設定値を容易に変更できるようにすることにより、シート異常搬送の発生を防止することができる。
(E02)シート搬送制御用パラメータの設定値を自動的に変更することにより、シート異常搬送の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のシート搬送装置の実施の形態1を備えた画像形成装置の縦断面図である。
【図2】図2は前記実施の形態1の給紙部材の説明図で、図2Aは全体図、図2Bは分離ロールとトルクリミッタとを示す図である。
【図3】図3は前記給紙ロール側シート速度センサSN1および分離ロール側シート速度センサSN2の代わりに使用可能なシート速度センサの他の例を示す図で、図3Aはロール軸に直接取り付けた回転型エンコーダを示すで、図3Bは移動するシートに接触して回転するローラの回転速度を検出する接触ローラ回転型エンコーダを示す図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1の制御部のブロック線図である。
【図5】図5はシートの異常搬送状態を判定するためのテーブルC10aである。
【図6】図6は実施の形態1の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図6Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図6BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1〜4のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理の共通のメインフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1および実施の形態2のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理の共通のフローチャートであり、前記ST3のサブルーチンである。
【図9】図9は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図8の続きのフローチャートである。
【図10】図10は本発明の実施の形態1のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図9の続きのフローチャートである。
【図11】図11は実施の形態2の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図11Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0がすべり発生値(下側異常発生ニップ圧記憶値)Smに対してS0>Smに設定されている場合のタイムチャート、図11BはS0<Smに設定されている場合のタイムチャートである。
【図12】図12は実施の形態2の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
【図13】図13は実施の形態3の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図13Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0>Sdに設定されている場合のタイムチャート、図13BはS0<Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記ST3のサブルーチンであり、前記実施の形態1の図8に対応する図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図14の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図9に対応する図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態3のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで前記図15の続きのフローチャートであり、前記実施の形態1の図10に対応する図である。
【図17】図17は実施の形態4の画像形成装置のシート搬送装置のニップ圧設定動作が開始されたときに制御されるニップ圧のタイムチャートの例を示す図であり、図17Aは前記設定動作開始時ニップ圧S0が重送発生値(上側異常発生ニップ圧記憶値)Sdに対してS0<Sdに設定されている場合のタイムチャート、図17BはS0>Sdに設定されている場合のタイムチャートである。
【図18】図18は実施の形態4の前記図8フローチャートの続きのフローチャートである。
【図19】図19は本発明の実施の形態5の制御部のブロック線図である。
【図20】図20は実施の形態5の画像形成装置のシート搬送装置の駆動電流設定動作が開始されたときに制御される駆動電流のタイムチャートの例を示す図であり、図20Aは前記設定動作開始時駆動電流I0がすべり発生値(下側異常発生駆動電流記憶値)Imに対してI0>Imに設定されている場合のタイムチャート、図20BはI0<Imに設定されている場合のタイムチャートである。
【図21】図21は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
【図22】図22は、本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図21のST3のサブルーチンである。
【図23】図23は本発明の実施の形態5のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図22の続きのフローチャートである。
【図24】図24は本発明の実施の形態6の制御部のブロック線図である。
【図25】図25は実施の形態6の画像形成装置のシート搬送装置の押圧力設定動作が開始されたときに制御される押圧力のタイムチャートの例を示す図であり、図25Aは前記設定動作開始時押圧力P0が重送発生値(上側異常発生押圧力記憶値)Pdに対してP0<Pdに設定されている場合のタイムチャート、図25BはP0>Pdに設定されている場合のタイムチャートである。
【図26】図26は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータ(シート異常搬送に関連するシート搬送制御パラメータ)の設定処理のメインフローチャートである。
【図27】図27は、本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートであり、前記図26のST3のサブルーチンである。
【図28】図28は本発明の実施の形態6のシート搬送装置のシート搬送制御パラメータの設定処理のフローチャートで、前記図27の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
C1…ニップ圧設定動作時期判別手段(駆動電流設定動作時期判別手段、搬送パラメータ設定動作時期判別手段、押圧力設定動作時期判別手段)、
C2…設定動作時ニップ圧制御手段(設定動作時駆動電流制御手段、設定動作時搬送パラメータ制御手段、設定動作時押圧力制御手段)、
C3…設定動作開始時ニップ圧記憶手段(設定動作開始時駆動電流記憶手段、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段、設定動作開始時押圧力記憶手段)
C4…設定動作開始時ニップ圧更新手段(設定動作開始時駆動電流更新手段、設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段、設定動作開始時押圧力更新手段)
C5…異常発生ニップ圧検出記憶出手段(異常発生駆動電流検出記憶手段、異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段、異常発生押圧力検出記憶手段)、
C6…ニップ圧変化範囲記憶手段(駆動電流変化範囲記憶手段、パラメータ変化範囲記憶手段、押圧力変化範囲記憶手段)、
C7…動作中設定ニップ圧記憶手段(動作中設定駆動電流記憶手段、動作中設定搬送パラメータ記憶手段、動作中設定押圧力記憶手段)、
C8…動作中設定ニップ圧更新手段(動作中設定駆動電流更新手段、動作中設定搬送パラメータ更新手段、動作中設定押圧力更新手段)、
C9…通常時ニップ圧制御手段(通常時駆動電流制御手段、通常時搬送パラメータ制御手段、通常時押圧力制御手段)、
D3…モータ駆動回路、
I…モータ駆動電流、
I0…設定動作開始時駆動電流、
Id,Im…異常発生駆動電流、
IP…動作中設定駆動電流、
It,Ib…変化範囲境界値、
M3…分離ロール駆動モータ、
N…ニップ部、
P…押圧力、
P0…設定動作開始時押圧力、
Pd,Pm…異常発生押圧力、
Pp…動作中設定押圧力、
Pt,Pb…変化範囲境界値、
Rp…取出ロール、
Rs…給紙部材、
Rs1…給紙ロール、
Rs2…分離部材(分離ロール)、
S0…設定動作開始時ニップ圧、
S0,I0,P0…設定動作開始時搬送パラメータ設定値、
Sd,Sm;Id,Im;Pd,Pm…異常搬送発生パラメータ値、
SP…動作中設定ニップ圧、
SP,IP,Pp…動作中設定搬送パラメータ、
St,Sb;It,Ib; Pt,Pb…変化範囲境界値、
TR1,TR2…給紙トレイ、
(M1+D1+8+9)…ニップ圧調整部材、
(M2+D2+2+4)…押圧力調整部材、
(M1+D1+8+9),(M2+D2+2+4),D3…シート搬送パラメータ調整部材、
Claims (29)
- 下記の構成要件(A01)〜(A09)を備えたシート搬送装置、
(A01)互いに圧接する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離部材であって前記ニップ部に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロールおよび前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材を有し、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材、
(A02)前記給紙ロールと分離部材との圧接力であるニップ圧を調整するニップ圧調整部材、
(A03)給紙動作中の前記ニップ圧の設定値である動作中設定ニップ圧を記憶する動作中設定ニップ圧記憶手段、
(A04)前記動作中設定ニップ圧の値を設定するための給紙動作であるニップ圧設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧の設定値である設定動作開始時ニップ圧を記憶する設定動作開始時ニップ圧記憶手段、
(A05)前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になったことを判別するニップ圧設定動作時期判別手段、
(A06)前記ニップ圧設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記設定動作開始時ニップ圧から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側のニップ圧変化範囲を定める変化範囲境界値を記憶するニップ圧変化範囲記憶手段、
(A07)前記ニップ圧設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ圧である異常発生ニップ圧を検出するかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を、前記設定動作開始時ニップ圧から、増加または減少させるように前記ニップ圧調整部材を制御する設定動作時ニップ圧制御手段
(A08)前記ニップ圧設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ圧である異常発生ニップ圧を検出し記憶する異常発生ニップ圧検出記憶出手段、
(A09)前記異常発生ニップ圧の値に応じて前記動作中設定ニップ圧を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段に記憶させる動作中設定ニップ圧更新手段。 - 下記の構成要件(A010)を備えた請求項1記載のシート搬送装置、
(A010)通常の給紙動作時に、前記ニップ圧設定用給紙動作を行うように前記ニップ圧調整部材を制御する通常時ニップ圧制御手段。 - 下記の構成要件(A011)を備えた請求項1記載のシート搬送装置、
(A011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧となるように前記ニップ圧調整部材の動作を制御する通常時ニップ圧制御手段。 - 下記の構成要件(A012)を備えた請求項1ないし3のいずれか記載のシート搬送装置、
(A012)前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段に記憶されていた異常発生ニップ圧の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ圧を再設定して前記動作中設定ニップ圧記憶手段に記憶させる前記動作中設定ニップ圧更新手段。 - 下記の構成要件(A013)を備えた請求項1ないし4のいずれか記載のシート搬送装置、
(A013)前記ニップ圧設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ圧の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ圧検出記憶手段に記憶されていた異常発生ニップ圧の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ圧を再設定して、設定動作開始時ニップ圧記憶手段に記憶させる設定動作開始時ニップ圧更新手段。 - 下記の構成要件(A014)を備えた請求項1ないし5のいずれか記載のシート搬送装置、
(A014)前記ニップ圧設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記給紙ロールと分離部材とのニップ圧を前記動作中設定ニップ圧となるように前記ニップ圧調整部材を制御する前記設定動作時ニップ圧制御手段。 - 下記の構成要件(A01′)〜(A09′)を備えたシート搬送装置、
(A01′)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離ロールであって前記ニップ部に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロールおよび前記シートに前記搬送力と逆向きの力を作用させる分離ロールを有し、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材、
(A02′)前記分離ロールを前記シート搬送方向とは逆方向に回転させる分離ロール駆動モータのモータ駆動回路であって、前記分離ロール駆動モータの逆回転方向の回転トルクの大きさに関係するモータ駆動電流を変更することにより前記回転トルクを調整可能な前記モータ駆動回路、
(A03′)給紙動作中の前記モータ駆動電流の設定値である動作中設定駆動電流を記憶する動作中設定駆動電流記憶手段、
(A04′)前記動作中設定駆動電流の値を設定するための給紙動作である駆動電流設定用給紙動作の開始時の前記モータ駆動電流の設定値である設定動作開始時駆動電流を記憶する設定動作開始時駆動電流記憶手段、
(A05′)前記駆動電流設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する駆動電流設定動作時期判別手段、
(A06′)前記駆動電流設定用給紙動作時の開始時期になった時に実行される前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記モータ駆動電流を前記設定動作開始時駆動電流から増加または減少させる側に変化させる際のモータ駆動電流の上側または下側の駆動電流変化範囲を定める変化範囲境界値を記憶する駆動電流変化範囲記憶手段、
(A07′)前記駆動電流設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した駆動電流である異常発生駆動電流を検出するかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記モータ駆動電流を、前記設定動作開始時駆動電流から増加または減少させるように前記モータ駆動回路を制御する設定動作時駆動電流制御手段、
(A08′)前記駆動電流設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のモータ駆動電流である異常発生駆動電流を検出して記憶する異常発生駆動電流検出記憶手段、
(A09′)前記異常発生駆動電流の値に応じて前記動作中設定駆動電流を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段に記憶させる動作中設定駆動電流更新手段。 - 下記の構成要件(A010′)を備えた請求項7記載のシート搬送装置、
(A010′)通常の給紙動作時に、前記駆動電流設定用給紙動作を行うように前記モータ駆動回路を制御する通常時駆動電流制御手段。 - 下記の構成要件(A011′)を備えた請求項7記載のシート搬送装置、
(A011′)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記モータ駆動電流を前記動作中設定駆動電流となるように前記モータ駆動回路の動作を制御する通常時駆動電流制御手段。 - 下記の構成要件(A012′)を備えた請求項7ないし9のいずれか記載のシート搬送装置、
(A012′)前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段に記憶されていた異常発生駆動電流の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定駆動電流を再設定して前記動作中設定駆動電流記憶手段に記憶させる前記動作中設定駆動電流更新手段。 - 下記の構成要件(A013′)を備えた請求項7ないし10のいずれか記載のシート搬送装置、
(A013′)前記駆動電流設定用給紙動作時の前記異常発生駆動電流の検出値が、その検出以前に前記異常発生駆動電流検出記憶手段に記憶されていた異常発生駆動電流の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時駆動電流を再設定して、設定動作開始時駆動電流記憶手段に記憶させる設定動作開始時駆動電流更新手段。 - 下記の構成要件(A014′)を備えた請求項7ないし11のいずれか記載のシート搬送装置、
(A014′)前記駆動電流設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記モータ駆動電流を前記動作中設定駆動電流となるように前記モータ駆動回路を制御する前記設定動作時駆動電流制御手段。 - 下記の構成要件(B01)〜(B09)を備えたシート搬送装置、
(B01)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離部材であって前記ニップ部に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロールおよび前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材を有し、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材、
(B02)前記給紙部材の給紙動作を制御するパラメータであって、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送の発生に関連するシート搬送パラメータを調整するシート搬送パラメータ調整部材、
(B03)給紙動作中の前記シート搬送パラメータの設定値である動作中設定搬送パラメータを記憶する動作中設定搬送パラメータ記憶手段、
(B04)前記動作中設定搬送パラメータを設定するための給紙動作である搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時の前記シート搬送パラメータの設定値である設定動作開始時搬送パラメータ設定値を記憶する設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段、
(B05)前記搬送パラメータ設定用給紙動作の開始時期になったことを判別する搬送パラメータ設定動作時期判別手段、
(B06)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時になった時に実行される前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値から増加または減少させる側に変化させる際のシート搬送パラメータの上側または下側の変化範囲を定める変化範囲境界値を記憶するパラメータ変化範囲記憶手段、
(B07)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生した搬送パラメータ値を検出するかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記シート搬送パラメータを前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値から増加または減少させるように前記シート搬送パラメータ調整部材を制御する設定動作時搬送パラメータ制御手段、
(B08)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のシート搬送パラメータの値である異常搬送発生パラメータ値を検出して記憶する異常搬送発生パラメータ値検出記憶手段、
(B09)前記異常搬送発生パラメータ値に応じて前記動作中設定搬送パラメータを再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段に記憶させる動作中設定搬送パラメータ更新手段。 - 下記の構成要件(B010)を備えた請求項13記載のシート搬送装置、
(B010)通常の給紙動作時に前記搬送パラメータ設定用給紙動作時と同様に前記シート搬送パラメータ調整部材を制御する通常時搬送パラメータ制御手段。 - 下記の構成要件(B011)を備えた請求項13記載のシート搬送装置、
(B011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記シート搬送パラメータを前記動作中設定搬送パラメータとなるように前記シート搬送パラメータ調整部材の動作を制御する通常時搬送パラメータ制御手段。 - 下記の構成要件(B012)を備えた請求項13ないし15のいずれか記載のシート搬送装置、
(B012)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定搬送パラメータを再設定して前記動作中設定搬送パラメータ記憶手段に記憶させる動作中設定搬送パラメータ更新手段。 - 下記の構成要件(B013)を備えた請求項13ないし16のいずれか記載のシート搬送装置、
(B013)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に検出された前記異常搬送発生パラメータ値が、その検出以前に前記異常発生パラメータ値記憶手段に記憶されていた異常搬送発生パラメータ値の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時搬送パラメータ設定値を再設定して、設定動作開始時搬送パラメータ設定値記憶手段に記憶させる設定動作開始時搬送パラメータ設定値更新手段。 - 下記の構成要件(B014)を備えた請求項13ないし17のいずれか記載のシート搬送装置、
(B014)前記搬送パラメータ設定用給紙動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記シート搬送パラメータが前記動作中設定搬送パラメータとなるように前記シート搬送パラメータ調整部材を制御する前記設定動作時搬送パラメータ制御手段。 - 下記の構成要件(C01)〜(C09)を備えたシート搬送装置、
(C01)互いに圧接する部分または互いに隣接して対向する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離部材であって前記ニップ部に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロールおよび前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材を有し、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材、
(C02)前記給紙トレイのシートに対する前記取出ロールの押圧力を調整する押圧力調整部材、
(C03)シート取出動作中の前記押圧力の設定値である動作中設定押圧力を記憶する動作中設定押圧力記憶手段、
(C04)前記動作中設定押圧力の値を設定するためのシート取出動作である押圧力設定用取出動作の開始時の前記押圧力の設定値である設定動作開始時押圧力を記憶する設定動作開始時押圧力記憶手段、
(C05)前記押圧力設定用取出動作の開始時期になったことを判別する押圧力設定動作時期判別手段、
(C06)前記押圧力設定用取出動作の開始時期になった時に実行される取出動作である前記押圧力設定用取出動作時に、前記押圧力を前記設定動作開始時押圧力から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側の押圧力変化範囲を定める変化範囲境界値を記憶する押圧力変化範囲記憶手段、
(C07)前記押圧力設定用取出動作時には、シートの異常搬送状態であるシート異常搬送が発生した異常発生押圧力を検出するかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記押圧力を、前記設定動作開始時押圧力から、増加または減少させるように前記押圧力調整部材を制御する設定動作時押圧力制御手段
(C08)前記押圧力設定用取出動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時の押圧力である異常発生押圧力を検出して記憶する異常発生押圧力検出記憶手段、
(C09)前記異常発生押圧力の値に応じて前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段に記憶させる動作中設定押圧力更新手段。 - 下記の構成要件(C010)を備えた請求項19記載のシート搬送装置、
(C010)通常の取出動作時に、前記押圧力設定用取出動作を行うように前記押圧力調整部材を制御する通常時押圧力制御手段。 - 下記の構成要件(C011)を備えた請求項19記載のシート搬送装置、
(C011)通常の取出動作時においてシート異常搬送が生じない場合は取出動作の開始時から終了時まで、前記押圧力を前記動作中設定押圧力となるように前記押圧力調整部材の動作を制御する通常時押圧力制御手段。 - 下記の構成要件(C012)を備えた請求項19ないし21いずれか記載のシート搬送装置、
(C012)前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段に記憶されていた異常発生押圧力の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定押圧力を再設定して前記動作中設定押圧力記憶手段に記憶させる前記動作中設定押圧力更新手段。 - 下記の構成要件(C013)を備えた請求項19ないし22のいずれか記載のシート搬送装置、
(C013)前記押圧力設定用取出動作時の前記異常発生押圧力の検出値が、その検出以前に前記異常発生押圧力検出記憶手段に記憶されていた異常発生押圧力の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時押圧力を再設定して、設定動作開始時押圧力記憶手段に記憶させる設定動作開始時押圧力更新手段。 - 下記の構成要件(C014)を備えた請求項19ないし23のいずれか記載のシート搬送装置、
(C014)前記押圧力設定用取出動作時に、前記シート異常搬送の発生または解消が検出されたときにはその後、前記押圧力が前記動作中設定押圧力となるように前記押圧力調整部材を制御する前記設定動作時押圧力制御手段。 - 下記の構成要件(D01)〜(D09)を備えたシート搬送装置、
(D01)互いに隣接して対向する部分によりニップ部を形成する給紙ロールおよび分離部材であって前記ニップ部に搬送されたシートに搬送力を付与するように回転する前記給紙ロールおよび前記搬送力に対する抵抗力を前記シートに付与する前記分離部材を有し、給紙トレイから取出ロールにより取り出された複数のシートが前記ニップ部に搬送された際に、前記複数のシートの中の前記給紙ロール側の1枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に給紙する給紙部材、
(D02)前記給紙ロールと分離部材との間のニップ間隔圧を調整するニップ間隔調整部材、
(D03)給紙動作中の前記ニップ間隔の設定値である動作中設定ニップ間隔を記憶する動作中設定ニップ間隔記憶手段、
(D04)前記動作中設定ニップ間隔の値を設定するための給紙動作であるニップ間隔設定用給紙動作の開始時の前記給紙ロールと分離部材とのニップ間隔の設定値である設定動作開始時ニップ間隔を記憶する設定動作開始時ニップ間隔記憶手段、
(D05)前記ニップ間隔設定用給紙動作の開始時期になったことを判別するニップ間隔設定動作時期判別手段、
(D06)前記ニップ間隔設定用給紙動作の開始時期になった時に実行される給紙動作である前記ニップ間隔設定用給紙動作時に、前記給紙ロールと分離部材とのニップ間隔を前記設定動作開始時ニップ間隔から増加または減少させる側に変化させる際の上側または下側のニップ間隔変化範囲を定める変化範囲境界値を記憶するニップ間隔変化範囲記憶手段、
(D07)前記ニップ間隔設定用給紙動作時には、シートの異常搬送が発生したニップ間隔である異常発生ニップ間隔を検出するかまたは前記変化範囲境界値に達するかのいずれかの状態が生じるまで前記給紙ロールと分離部材とのニップ間隔を、前記設定動作開始時ニップ間隔から、増加または減少させるように前記ニップ間隔調整部材を制御する設定動作時ニップ間隔制御手段
(D08)前記ニップ間隔設定用給紙動作時にシート異常搬送が発生または解消した場合には、前記シート異常搬送の発生または解消時のニップ間隔である異常発生ニップ間隔を検出し記憶する異常発生ニップ間隔検出記憶出手段、
(D09)前記異常発生ニップ間隔の値に応じて前記動作中設定ニップ間隔を再設定して前記動作中設定ニップ間隔記憶手段に記憶させる動作中設定ニップ間隔更新手段。 - 下記の構成要件(D010)を備えた請求項25記載のシート搬送装置、
(D010)通常の給紙動作時に、前記ニップ間隔設定用給紙動作を行うように前記ニップ間隔調整部材を制御する通常時ニップ間隔制御手段。 - 下記の構成要件(D011)を備えた請求項25記載のシート搬送装置、
(D011)通常の給紙動作時においてシート異常搬送が生じない場合は給紙動作の開始時から終了時まで、前記給紙ロールと分離部材とのニップ間隔を前記動作中設定ニップ間隔となるように前記ニップ間隔調整部材の動作を制御する通常時ニップ間隔制御手段。 - 下記の構成要件(D012)を備えた請求項25ないし27のいずれか記載のシート搬送装置、
(D012)前記ニップ間隔設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ間隔の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ間隔検出記憶手段に記憶されていた異常発生ニップ間隔の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記動作中設定ニップ間隔を再設定して前記動作中設定ニップ間隔記憶手段に記憶させる前記動作中設定ニップ間隔更新手段。 - 下記の構成要件(D013)を備えた請求項25ないし28のいずれか記載のシート搬送装置、
(D013)前記ニップ間隔設定用給紙動作時の前記異常発生ニップ間隔の検出値が、その検出以前に前記異常発生ニップ間隔検出記憶手段に記憶されていた異常発生ニップ間隔の記憶値に比較して増減した場合にはその増減に応じて、前記設定動作開始時ニップ間隔を再設定して、設定動作開始時ニップ間隔記憶手段に記憶させる設定動作開始時ニップ間隔更新手段。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008127155A (ja) * | 2006-11-21 | 2008-06-05 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
US8478561B2 (en) | 2009-11-02 | 2013-07-02 | Ricoh Company, Ltd. | Rotation measuring mechanism, sheet conveyance apparatus, original reading apparatus, and image forming apparatus |
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2003
- 2003-03-24 JP JP2003081637A patent/JP2004284794A/ja active Pending
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US8478561B2 (en) | 2009-11-02 | 2013-07-02 | Ricoh Company, Ltd. | Rotation measuring mechanism, sheet conveyance apparatus, original reading apparatus, and image forming apparatus |
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