JP2004284007A - 工作機械 - Google Patents

Abstract

【課題】縁部を据えて工作される大面積の工作物加工用の工作機械、それも比較的簡単な構造設計を有し、広い加工空間内で各工具を精密に位置決めでき、加工荷重下でも十分に固定が可能な工作機械を製造する。
【解決手段】機械加工ユニットが、中心の支持管１０と、該支持管を中心として各１２０°の角位置にある３本のテレスコープ式脚１４，１５，１６とを有する３脚ユニットであり、前記可動コラム４が、中央の穴８内に、長手方向に滑動可能な支持管１０用の自在軸受９を、また下部の２個の穴及び上部の１個の穴各々の内には、テレスコープ式脚１４，１５，１６用の自在軸受２１，２２，２３を有し、前記旋回可能な工作主軸１３の、支持管軸線を中心として回転可能な保持体１２が、支持管１０の上端１１に配置されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、縁部が据えられる大面積の工作物を機械加工するための工作機械、それも長尺のベッドにわたりＸ軸に沿って移動させ得る可動のコラムと、可動のコラムを介して少なくともＹ軸とＸ軸とに沿って可動な機械加工ユニット、それも旋回可能の工作主軸を有するユニットと、少なくとも１つのほぼプレート状の工作物キャリアとを含み、該キャリアが水平の準備位置から垂直の機械加工位置へ旋回可能である形式のものに関する。

この種の工作機械又は機械加工センターは、自動車工業、航空機製造、その他で使用される大型の、特に大面積の工作物をフライス削りや穴あけするために、暫時、使用されてきた。通例、各工作機械は、２つの工作物ステーションを有し、該ステーションが、長尺のベッドの後側に互いに隣接して配置され、かつその大面積の工作物キャリアが、交互に水平の工作物準備位置から垂直の加工位置へ旋回せしめられる。これにより、連続的な製造が可能になる。なぜなら、垂直位置の工作物が機械加工されると同時に、機械加工済みの工作物が水平位置の工作物キャリアから取外されるか、又は該キャリアに新たな工作物が取付けられるからである。事実上プレート状の工作物キャリアを旋回させるためには、後側に接触する十分に長尺の圧力媒体シリンダを使用するのが好ましい。ベッドとベッドに取付けられる案内との長さは、可動コラムが一方のステーション又は他方のステーションの前方に交互に移動できるように選択される。大面積の工作物を機械加工する場合には、高い切削性能の機械加工ユニットが使用されるため、しばしば、極めて多量のチップが発生する。工作機械の近辺がチップや液体で汚れるのを防止するため、両ステーションの前方の加工区域は、連続的な保護キャビンで囲まれる。加えて、水平の準備位置へ旋回させられる工作物キャリアの前方の加工区域は、周囲に飛散るチップや液体による準備ステーションの汚れ防止のため、ドアにより隔離される。公知のこの種の工作機械は、従来式の可動コラムを使用しており、その場合、機械加工ユニットを形成する切削ヘッドは、座標軸に沿って可動のスライダ内に配置され、しかも、工作主軸は、機械加工ユニット内の長手軸線に沿って可動である。これらの工作機械は、長い間、実際に効果が証明されているが、各工作空間の最適利用の面では限界がある。加えて、既述の種類の工作機械で６脚原理に従って設計されたものについては、既に複数の提案がなされている。しかし、それらの提案は、切削加工段階中の工具の精密かつ安定的な位置決めに関しては問題があり、まだ実用化はされていない。

本発明の目的は、縁部が据えられる大面積の工作物用の一般的な工作機械、それも比較的簡単な構造設計を有し、広い工作空間内で各工具が精密に位置決めされ、工作荷重下でも十分に固定が可能な工作機械を製造することである。

この目的は、本発明により、機械加工ユニットが３脚ユニットを有し、該３脚ユニットが、中心の支持管と、該支持管に対し各１２０゜の角位置にあるテレスコープ式３（入れ子式）脚とを備え、ほぼ水平な中心の穴内には、長手方向に滑動可能な支持管の自在軸受を、下部の２つ穴内及び上部の１つの穴内には、各テレスコープ式脚用の各１つの自在軸受を有しており、旋回可能な工作主軸用の回転軸を中心として回転可能な保持体が、支持管上端に配置されることによって達成された。

可動コラム内のほぼ中心に設けた自在軸受内の自体剛性な支持管の長手方向に滑動可能な支持体が、３個のテレスコープ式脚の動作モードと関連して、切削ヘッド又は工作主軸に挿入された工具を、所定工作位置に対し極めて正確かつ固定的に位置決めする。加えて、３脚原理により、利用可能な工作空間の最適利用が可能になるが、これは、広い加工区域内でテレスコープ式脚及び支持管の簡単な滑動運動により、極端な位置の場合でも、各工具を正確に位置決めできるからである。更に、比較可能な出力を有する従来式の機械より、所要空間が減少する。

本発明の有用な別の開発によれば、工作機械は、交互に準備と加工とが行なわれる２つのステーションを有し、該ステーションは、Ｘ軸方向で見て一方が他方の後方に配置され、各ステーションが旋回可能な工作物キャリアを有し、各準備空間が可動のドアによって加工区域から隔離される。このドアは、単一部分から成るスライド式ドアであり、該スライド式ドアが、各々倒された工作物キャリアの前方に交互に移動することで、加工区域の一方の半部は、縁部が据えられた工作物キャリアによって隔離され、加工区域の他方の半部は、スライド式ドアによって隣接空間から隔離される。
現在の機械加工センターで普通な、異なる機械加工段階の自動化されたシーケンスを確実にするために、スライド式ドアは、プログラム制御された線形駆動装置、例えば圧力媒体シリンダ、線形電動モータ、ウォームギヤ、ベルト駆動装置等によって適宜に滑動可能である。

以下で、本発明の一好適実施例を図面につき詳説する。図面は、本発明による工作機械の略示斜視図である。

図示の工作機械は、比較的長尺の浅いベッド１を含み、該ベッドの上側に２個の案内レール２，３が取付けられている。可動コラム４は、これらの案内レール２，３上を線形駆動装置（図示せず）、例えばウォームギヤ、線形電動モータ、その他類似の装置によって、案内レール２，３の延びにより規定されるＸ軸方向に移動させることができる。前方から見ると、この可動コラム４は、ほぼ家屋の形状を有し、案内ソケット５を備えた比較的広幅の基部と、屋根状に上方へ先細になった上部７とを有している。外壁により画成された可動コラムの内部は、仕切り壁と補強リブとを含み、結果として、全体的に極めて剛度の高い構造物が得られる。可動コラムのほぼ中心部には、自在軸受９が穴８内に配置され、該軸受が、自体寸法安定的な支持管１０を長手方向に滑動可能に受容している。図面では、支持管１０の上端が円錐形に末広がりの鐘状部１１として形成され、該鐘状部には、揺動ヘッド１２が取付けられ、支持管１０の長手方向に軸線を中心として回転可能である。この揺動ヘッド１２は、付加軸を中心として旋回可能な工作主軸１３のためのキャリアを形成している。更に、テレスコープ式３脚１４，１５，１６のテレスコープ式部分が、複数軸を中心として可動となるように鐘状部１１の側部に取付けられており、各脚が、例えば液圧式線形駆動装置１７，１８，２０を有している。これらのテレスコープ式３脚の各々は、支持管１０の長手方向軸線を中心として互いに１２０゜の角度で位置し、可動コラム４内の自在軸受２１，２２，２３内に支承されている。図示のように、上部に１個の、下部に２個のテレスコープ式脚が配置されることで、機械加工ユニットの全体的な安定性に好影響が及ぼされる。

図示の工作機械は、工作ステーションＩ及び／又は準備ステーションＩＩの２つのステーションを含み、各ステーションが、プレート状の工作物キャリア３０，３１を有し、該キャリアが互いに隣接して、長尺のベッド１の後方に位置している。双方の工作物キャリア３０，３１は、水平位置と垂直位置との間を別個に旋回可能である。図示の状態では、ステーションＩの工作物キャリア３０は、水平位置にあり、ベース３２上に載置されている。このベース３２は、各工作物キャリア３０，３１当り１つの圧力媒体シリンダ（図示せず）を含み、該シリンダのピストンが、各工作物キャリアの後側に接触し、それによってキャリアを水平位置から垂直位置へ、またその逆へ旋回させる。長尺のベッド１のほとんど全長にわたって延在する、機械加工ユニットの加工空間と、関連工作物キャリアが水平位置にある交互に準備されるステーションＩ又はＩＩとの間には、スライドドア３５が配置され、該ドアは、上部の長手方向レール３６と下部のレール（図示せず）とに沿って、線形駆動装置（同じく図示せず）により移動させることができる。このスライドドア３５は、観察窓３７を含んでいる。

垂直の工作位置にある工作物キャリア３１にクランプされた工作物を機械加工するために、可動コラム４は、工作主軸１３を含む機械加工ユニットが工作物キャリア３１にクランプされた工作物の前方を、案内レール２，３に沿って右方へ移動せしめられる。揺動ヘッド１２の回転可能な保持体と、工作主軸又は切削ヘッド１３の旋回可能な支持体とが組み合わされることで、３脚原理により、工作物キャリア３１の最も外縁区域の前方でも各工作物の位置決めが可能になり、工作主軸１３にクランプされた工具が空間内で、どの角位置にも適応できる。支持管１１の高い固有剛性と、テレスコープ式３脚を介してのその支持とにより、また工作主軸１３の精密かつ安定的な位置決めも可能になり、それによりチップ排出量を高め、かつ公差を小さくすることができる。

工作物キャリア３１にクランプされた工作物の機械加工が完了すると、工作物キャリア３１は、その背方のアクチュエータにより水平位置へ戻し旋回される。その結果生じる自由空間は、ドア３５を右方へ移動させることで閉じられる。次いで、新しい工作物を装着された工作物キャリア３０が、図示の水平位置から垂直の機械加工位置へ旋回せしめられ、可動コラム４が図示の位置へ移動した後、新しい工作物の機械加工が可能になる。その場合、また前方の機械加工空間は、一方では、移動したスライド式ドア３５により、他方では、その場合に直立する工作物キャリア３０により、後方の準備空間から隔離される。

図示の機械加工工具の特別の利点は、機械加工段階に時としてかなりの量で発生するチップの処理又は除去によるものである。供給される液体と共に、前記チップは細長のタブ２４内へ落下する。該タブは、加工空間内に設けられ、かつ円錐形トラフの形状を有しており、トラフの底部には従来式のチップコンベアが配置されている。

本発明は、図示の実施例に限定されるものではない。例えば、水平平面内に配置した２つの案内レール２，３の代わりに、可動コラムを傾斜平面内に配置して、前方の案内レール２が後方の案内レール３より高い位置を占めるように長尺のベッドを延在させることもできる。更に、支持管の末広がりの上端部には、異なる設計の切削ヘッドを取付けることも可能であり、空間内で異なる角位置での工作主軸１３の整合も可能である。極端に長い工作物の機械加工の場合は、２ステーション原則は放棄して、２つの別個のキャリア３０，３１の代わりに、単一の連続する工作物キャリアを使用でき、その場合には、スライドドア３５は除去される。

本発明の一実施例の斜視図である。

符号の説明

１ ベッド
２，３ 案内レール
４ 可動コラム
５ 案内ソケット
６ 基部
７ 上部
８ 穴
９ 自在軸受
１０ 支持管
１１ 鐘状部
１２ 旋回ヘッド
１３ 工作主軸
１４，１５，１６ テレスコープ状脚
１７，１８，２０ 線形液圧駆動装置
２１，２２，２３ 自在軸受
３０，３１ 工作物キャリア
３２ ベース
３５ スライドドア
３６ 長手方向レール
３７ 観察窓

Claims (4)

1. 縁部を据えて加工される大面積の工作物の機械加工用の工作機械であって、
   長尺のベッド（１）にわたり座標軸に沿って移動可能な可動コラム（４）と、
   少なくとも２つの別の座標軸に沿って可動コラム（４）を介して移動可能な機械加工ユニット、それも旋回可能な工作主軸（１３）を有する機械加工ユニットと、
   水平の準備位置から垂直の機械加工位置へ旋回可能な、少なくとも１つのほぼプレート状の工作物キャリア（３０，３１）とを含む形式のものにおいて、
   前記機械加工ユニットが、中心の支持管（１０）と、該支持管を中心として各１２０゜の角位置にある３本のテレスコープ式脚（１４，１５，１６）とを有する３脚ユニットであり、
   前記可動コラム（４）が、中央の穴（８）内に、長手方向に滑動可能な支持管（１０）のための自在軸受（９）を有し、かつまた下部の２個の穴と上部の１個の穴各々の内には、テレスコープ式脚（１４，１５，１６）のための自在軸受（２１，２２，２３）を有しており、
   前記旋回可能な工作主軸（１３）用の、支持管軸線を中心として回転可能な保持体（１２）が、支持管（１０）の上端（１１）に配置されていることを特徴とする、縁部を据えて加工される大面積の工作物の機械加工用の工作機械。
2. ２つの交互に工作物の準備と加工を行う２つのステーション（Ｉ，ＩＩ）を含み、該ステーションが、長尺のベッド（１）の後方に隣接配置され、該ステーションの各々が旋回可能な工作物キャリア（３０，３１）を有し、各準備空間が加工区域から可動ドア（３５）によって隔離される形式のものにおいて、
   前記ドア（３５）が単一部分からなるスライド式ドアであり、該ドアが、水平の準備位置へ旋回する工作物キャリア（３０，３１）の前方に交互に移動可能であることを特徴とする、請求項１に記載された工作機械。
3. 前方スライド式ドア（３５）が、プログラム制御式線形駆動装置により移動せしめられることを特徴とする、請求項２に記載された工作機械。
4. 連続的な円錐形トラフ（２４）として構成されたチップ捕集部材が、長尺のベッド（１）とスライド式ドア（３５）又は垂直の工作物キャリアとの間の、加工区域下方に配置されていることを特徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載された工作機械。

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