JP2004281850A - 積層複合電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサとインダクタ間の結合が低減でき、小型化が図れる構成の積層複合電子部品を提供する。
【解決手段】複数の誘電体層3a〜3lを導電体と共に積層することにより、内部にコンデンサC0、C17およびインダクタLx(L3、L6、L9、L10)を設ける。前記インダクタLxは、その巻芯方向が、前記誘電体層の積層方向に対して垂直である。インダクタLxを形成する導体パターンの最上層5hから最下層5kと同層および/または最上層5hと最下層5kの間の層にコンデンサ電極を配設してコンデンサC0、C17を横並びに形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】複数の誘電体層3a〜3lを導電体と共に積層することにより、内部にコンデンサC0、C17およびインダクタLx(L3、L6、L9、L10)を設ける。前記インダクタLxは、その巻芯方向が、前記誘電体層の積層方向に対して垂直である。インダクタLxを形成する導体パターンの最上層5hから最下層5kと同層および/または最上層5hと最下層5kの間の層にコンデンサ電極を配設してコンデンサC0、C17を横並びに形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の誘電体層を導電体と共に積層することにより、内部にインダクタを設けた積層複合電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば携帯電話等の移動体通信機器において、複数のコンデンサやインダクタを1つの積層複合電子部品に内蔵して例えばダイプレクサおよび高周波スイッチ回路を構成することが行われる。このような積層複合電子部品として例えば特許文献1や特許文献2がある。このような特許文献に記載のインダクタは、巻芯方向を積層方向に形成され、インダクタとコンデンサは積層方向に配設される。
【0003】
【特許文献1】
特許第2983016号公報
【特許文献2】
特許第3031178号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記積層複合電子部品において、その小型化を進めるとき、内蔵する受動素子間の間隔が狭くなる。このため、受動素子間の結合が問題になりやすい。特に上下に配置されるインダクタとコンデンサ間では、形状が大きく、素子間の間隔が広い場合には問題にならないが、誘電体層を薄くすることで小型化すると、コンデンサとインダクタとの間の間隔が狭くなり、容量結合が大きくなり、小型化が困難になるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、コンデンサとインダクタ間の結合が低減でき、小型化が図れる構成の積層複合電子部品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明による積層複合電子部品は、複数の誘電体層を導電体と共に積層することにより、内部にコンデンサおよびインダクタを設けた積層複合電子部品であって、
前記インダクタは、その巻芯方向が、前記誘電体層の積層方向に対して垂直であり、かつ該インダクタの上下の導体パターン形成層と同層および/またはこれらの層の間の層にコンデンサ電極を配設したことを特徴とする。
【0007】
(2)また、本発明の積層複合電子部品は、前記積層複合電子部品は半導体部品およびチップ部品を搭載したものであることを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明の積層複合電子部品は、前記誘電体層は樹脂材料または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなることを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明の積層複合電子部品は、移動体通信機器のダイプレクサと高周波スイッチ回路を構成するものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による積層複合電子部品を適用する回路の例であり、GSM方式とDCS方式の携帯電話に兼用されるマルチバンド用高周波スイッチモジュールであり、このモジュールはダイプレクサ2を含んで構成される。GSM方式側回路(DCS方式側回路)は、フィルタF1(F2)と高周波スイッチS1(S2)とを備え、通信機器のアンテナと受信回路、送信回路を接続するデュアルバンドのアンテナスイッチ回路を構成している。高周波スイッチS1(S2)は、ダイプレクサ2を介してアンテナ1に接続されると共に、送信回路に繋がる端子Txおよび受信回路につながる端子Rxに信号ラインにより接続される。
【0011】
各方式の送信回路の端子Txには、主にパワーアンプの高調波の伝送を阻止するために設けられるフィルタF1(F2)が接続される。フィルタF1(F2)は、インダクタL1(L4)とコンデンサC0〜C2(C8〜C10)により構成される。
【0012】
高周波スイッチS1(S2)は、ダイオードD1、D2(D3、D4)と、C3〜C7(C11〜15)と、インダクタL2、L3(L5、L6、L7)と、抵抗R1(R2)とからなる。
【0013】
ダイプレクサ2は、通過帯域の異なるGSM方式、DCS方式の送受信系の受信信号を分波すると共に、一方の送信信号が他方の系に伝播されることを防止する分波回路である。ダイプレクサ2のGSM側回路は、インダクタL8とコンデンサC16、C17とにより構成される。またダイプレクサ2のDCS側回路は、インダクタL9、L10とコンデンサC18とにより構成される。
【0014】
この回路において、送信を行う場合、コントロール端子Vc1(Vc4)に正のバイアス電圧を印加し、コントロール端子Vc2(Vc3)には負のバイアス電圧を印加する。この電圧は、ダイオードD1(D3)、D2(D4)に対して順方向のバイアス電圧として働くため、これらのダイオードD1(D3)、D2(D4)をオンにする。このとき、コンデンサC1〜C7(C8、C10〜C16)によって直流分がカットされ、ダイオードD1(D3)、D2(D4)を含む回路にのみコントロール端子Vc1(Vc4)、Vc2(Vc3)に加えられた電圧が印加される。
【0015】
従ってインダクタL3(L6)がダイオードD2(D4)により接地されて送信周波数で共振し、インピーダンスが無限大となるため、端子Txから加えられる送信信号は受信側端子Rxにはほとんど伝送されず、ダイオードD1(D3)を経てダイプレクサ2からアンテナ1へと伝送される。
【0016】
なおこのとき、チョークコイルとして作用するインダクタL2(L5)のインピーダンスはほぼ無限大となり、送信信号がアース側へ漏れることを防止している。
【0017】
一方、受信時には、コントロール端子Vc1(Vc4)に負のバイアス電圧を印加し、コントロール端子Vc2(Vc3)に正のバイアス電圧を印加する。この電圧はダイオードD1(D3)、D2(D4)に対し逆方向のバイアス電圧として働くため、ダイオードD1(D3)、D2(D4)はオフ状態となり、アンテナ1からの受信信号はインダクタL3(L6)を通して受信側端子Rxに伝送され、送信側端子Txにはほとんど伝送されない。
【0018】
なお、インダクタL7とコンデンサC15との直列回路は、コンデンサC15とオフ時のダイオードD3との合成容量と、インダクタL7のインダクタンス値との間で共振する並列共振回路を形成し、かつその共振周波数を受信信号の周波数と一致させた周波数で共振させることにより、オフ時のダイオードD3とインダクタL7との接続点のインピーダンスを増加させ、挿入損失や反射損失を低減させるのに用いられる。
【0019】
ダイプレクサ2において、インダクタL8とコンデンサC17とで1つ(GSM側)のノッチ回路を構成し、インダクタL9とコンデンサC18とで他の1つ(DCS側)のノッチ回路を構成している。そしてGSM側のノッチ回路は、コンデンサC16およびC5を介して接地される。この2つのコンデンサC16、C5は分波特性のLPF特性を向上させる目的で接続される。DCS側のノッチ回路は、直列に接続されたインダクタL10とコンデンサC12を介して接地される。このインダクタL10とコンデンサC12は分波特性のHPF特性を向上させる目的で設置される。
【0020】
図2は図1の回路を1つの積層複合電子部品として構成した層構成図である。この積層複合電子部品は、受動素子を内蔵した積層体(ベース基板)3とその上に搭載された前記ダイオードD1〜D4等の半導体素子や必要に応じて搭載される後述の受動素子からなる搭載部品4とからなる。
【0021】
3a〜3lは前記積層体3を構成する誘電体層、5a〜5lは誘電体層に設けられた導体パターンである。誘電体層3a〜3lは樹脂材料または樹脂と機能材料粉末をコンポジットした複合材料からなる。また各誘電体層3a〜3lは一般的にはガラスクロスに前記樹脂材料または複合材料を含浸させたものが用いられ、これらを熱プレスすることにより一体化している。
【0022】
この場合の積層体3の構成方法は、本硬化後のコア基板に必要に応じてビアホールを形成すると共に、金属箔のエッチングやサブトラクティブ工法、アディティブ工法あるいはセミアディティブ工法により導体パターンを形成する。そしてそのコア基板の両面または片面にプリプレグを圧着し本硬化させて前記ビアホールや導体パターンの形成を行うという工程(ビルドアップ工法)を繰り返す。この場合、ガラスクロスを用いないビルドアップ工法や厚膜印刷工法を採用することも可能である。
【0023】
本例においては、誘電体層3a〜3kの積層は次のように行った。誘電体層7(3c〜3e)を積層し、次に誘電体層8(3b、7、3f)を積層した。またこれとは別に誘電体層9(3h〜3j)を積層し、最後に誘電体層3a、8、3g、9、3k、3lを積層した。また、搭載部品4は、前記ダイオードD1〜D4、前記抵抗R1、R2、インダクタL1、L2、L5、L7、L8およびコンデンサC2、C3、C4、C7、C10、C11、C14、C15とした。
【0024】
図3は前記誘電体層上に設けられている導体パターン5a〜5lを示しており、第1誘電体層3a上には前記搭載部品4を搭載するための導体パターン5aを形成する。また、第2〜第6の誘電体層3b〜3fには前記コンデンサC1、C5、C6、C8、C9、C12、C13、C16、C18の電極を形成しており、これらのコンデンサ電極を図1と同符号で示している。第8〜10誘電体層3h〜3jにはインダクタLx(=L3、L4、L6、L9、L10)とコンデンサCx(Cx=C0、C17)を形成するための導体パターンを形成する。積層体3の裏面にグランド電極Gを形成する。
【0025】
なお、誘電体層3a〜3lを構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オキサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネートエステル)樹脂、フマレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ビニルベンジルエーテル化合物樹脂等が用いられる。
【0026】
また、熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、グラフト樹脂等が用いられる。これらの中でも、特にエポキシ樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネートエステル)樹脂、ビニルベンジルエーテル化合物樹脂等が好ましい。
【0027】
また、混合する機能材料粉末としては、具体的には、誘電体粉末として、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−錫系セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミックス等が挙げられる。さらに、CaWO4系セラミックス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3系セラミックス等が挙げられる。
【0028】
さらに、誘電率をあまり高くせず、高いQを得るためには、アルミナ、ジルコニア、チタン酸カリウムウイスカ、チタン酸カルシウムウイスカ、チタン酸バリウムウイスカ、酸化亜鉛ウイスカ、ガラスチップ、ガラスビース、カーボン繊維、酸化マグネシウム(タルク)等が用いられる。これらの誘電体粉末は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】
さらに、インダクタを構成する誘電体層に次に示すような機能材料粉末として磁性粉末を混合してもよい。その内、磁性粉末のうち、磁性酸化物として、Mn−Zn系フェライト、Nn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mnフェライト、Coフェライト、Liフェライト、Mgフェライト、Niフェライトなどがある。また、Baフェライト等の六方晶フェライトであっても良い。それ以外にもFe2O3、Fe3O4等の酸化鉄でも差し支えない。また、磁性金属粉末や磁性被覆金属粒子を用いてもよい。
【0030】
また、導体パターンを構成する金属としては、金、銀、銅、アルミニウム等の導電性の高いものを用いることが、Qを高める意味において好ましい。
【0031】
図4、図5は前記インダクタL3、L4、L6、L9、L10を構成するための導体パターンを示すもので、上層の導体パターンL3a、L4a、L6a、L9a、L10a(図4上段参照)と下層の導体パターンL3b、L4b、L6b、L9b、L10b(図5下段参照)とはそれぞれ対応するものどうしがビアホール6(図4下段、図5上段参照)によって接続される。
【0032】
図2〜図5から分かるように、インダクタL3、L6、L9、L10については、巻芯方向が誘電体層3a〜3lの積層方向に対して垂直をなすように導体パターンL3aとL3b、L6aとL6b、L9aとL9b、L10aとL10bおよびビアホール6を形成する。また、コンデンサC0、C17の電極については、インダクタL3、L6、L9、L10の最上層の導体パターンL3a、L4a、L6a、L9a、L10aと、最下層の導体パターンL3b、L4b、L6b、L9b、L10bとの間の層5i、5jに形成してコンデンサC0、C17が横並びとなるように形成する。このようにコンデンサC0、C17をインダクタL3、L6、L9、L10に対して横並びに形成することにより、両者の結合を低減する。
【0033】
図6は従来のようにインダクタLの巻芯方向を積層方向とし、かつコンデンサCとインダクタLとを積層方向に並べた場合のモデルB、図7は本発明のようにインダクタLとコンデンサCとを横並びに形成した場合のモデルAである。
【0034】
図8は本発明による効果を確認するため、誘電体層を構成する樹脂として、前記モデルA、Bにおいて、誘電体層樹脂としてビニルエステル系樹脂を用い、誘電体粉末としてチタン−バリウム−ネオジウム系セラミックスを用いてその含有率を35VOL%とし、また、誘電体層の厚みを40μm、100μmとし、インダクタ用の導体及びコンデンサ電極として銅を用い、図6、図7のいずれの場合もインダクタLとコンデンサCとの間隔を0.3mmとした場合のアイソレーション特性を示す図である。図8から分かるように、本発明のようにインダクタLとコンデンサCとを横並びに形成することにより、インダクタとコンデンサとの結合が低減できる。
【0035】
なお、図2〜図5に示した実施の形態においては、コンデンサ電極を、インダクタを構成する最上層、最下層の導体パターン5h、5kの間の層5i、5jに形成したが、コンデンサ電極は、最上層5hと最下層5kまたは最上層5i(あるいは最下層5k)と中間層5i、5jの双方または片方、もしくは最上層5hから最下層5kの全層に設けてもよい。
【0036】
なお、本実施の形態においては、図4、図5から分かるように、比較的巻数の多いインダクタL3、L6、L9、L10については、巻芯方向が誘電体層3a〜3lの積層方向に対して垂直をなすように導体パターンL3aとL3b、L6aとL6b、L9aとL9b、L10aとL10bおよびビアホール6を形成し、これにより、インダクタL3、L6、L9、L10により発生する磁束が積層方向に隣接するコンデンサC1、C5、C6、C8、C13、C18やグランド電極Gと鎖交する度合いを低減でき、これにより、L値やQ値の低下を防ぐ効果も得られるようにしている。
【0037】
また、巻数が比較的少ないインダクタL4については、巻芯方向が積層方向となるように導体パターンL4aとL4bおよびこれらの間を接続するビアホール6を形成している。
【0038】
一般的には、誘電体層3a〜3lの厚みは40〜100μm程度に形成され、コンデンサ電極やグランド電極の存在がインダクタの特性に影響を与えるのは、前記厚みの誘電体層が2層以内でインダクタとコンデンサ電極やグランド電極と対向する場合である。本実施の形態においても、前記インダクタL3、L4、L6、L9、L10はコンデンサ電極C1、C5、C6、C8、C13、C18やグランド電極Gと2層以内で上下に近接して対向している。
【0039】
また、本実施の形態においては、巻芯方向が積層方向のインダクタL4に対して隣接するインダクタL6、L10は巻芯方向は積層方向に対して垂直方向としており、これにより、これらの隣接するインダクタの発生磁束の干渉を可及的に低減し、インダクタ間のアイソレーション化を高めている。
【0040】
また、巻芯方向が積層方向に対して垂直方向のインダクタL3、L6、L9、L10のうち、一部のインダクタL3(またはL6)に対して隣接するインダクタL9、L10は、発生磁束が直角をなすように形成する。これにより、インダクタL3、L6、L9、L10間のアイソレーション化を高めている。
【0041】
本発明の構造は、小型化の要求が強く、MHz帯以上の高周波で使用される積層電子部品において好適に用いられ、特に前記携帯電話等の移動体通信機器において、前記ダイプレクサと高周波スイッチ回路等を1つの部品として含んで構成する高周波部品等において用いる場合に好適である。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、インダクタとコンデンサとを横並びに形成したので、インダクタとコンデンサとの間の結合を低減することができる。このため、インダクタとコンデンサとの近接配置が可能となり、積層複合電子部品の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する積層複合電子部品の一例である携帯電話における高周波スイッチおよびダイプレクサを含む部品を示す回路図である。
【図2】図1の積層複合電子部品の層構造図である。
【図3】図2の積層複合電子部品の導体パターンを示す図である。
【図4】図3の導体パターンの一部を拡大して示す図である。
【図5】図3の導体パターンの一部を拡大して示す図である。
【図6】従来の電子部品のインダクタとコンデンサとの配置を示す模式図である。
【図7】本発明の電子部品のインダクタとコンデンサ配置の一例を示す模式図である。
【図8】図6、図7のモデルの周波数変化に対するアイソレーション特性を示す図である。
【符号の説明】
1:アンテナ、2:ダイプレクサ、3:積層体、3a〜3l:誘電体層、4:搭載部品、5a〜5l:導体パターン、6:ビアホール、C0〜C18:コンデンサ、L1〜L10:インダクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の誘電体層を導電体と共に積層することにより、内部にインダクタを設けた積層複合電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば携帯電話等の移動体通信機器において、複数のコンデンサやインダクタを1つの積層複合電子部品に内蔵して例えばダイプレクサおよび高周波スイッチ回路を構成することが行われる。このような積層複合電子部品として例えば特許文献1や特許文献2がある。このような特許文献に記載のインダクタは、巻芯方向を積層方向に形成され、インダクタとコンデンサは積層方向に配設される。
【0003】
【特許文献1】
特許第2983016号公報
【特許文献2】
特許第3031178号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記積層複合電子部品において、その小型化を進めるとき、内蔵する受動素子間の間隔が狭くなる。このため、受動素子間の結合が問題になりやすい。特に上下に配置されるインダクタとコンデンサ間では、形状が大きく、素子間の間隔が広い場合には問題にならないが、誘電体層を薄くすることで小型化すると、コンデンサとインダクタとの間の間隔が狭くなり、容量結合が大きくなり、小型化が困難になるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、コンデンサとインダクタ間の結合が低減でき、小型化が図れる構成の積層複合電子部品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明による積層複合電子部品は、複数の誘電体層を導電体と共に積層することにより、内部にコンデンサおよびインダクタを設けた積層複合電子部品であって、
前記インダクタは、その巻芯方向が、前記誘電体層の積層方向に対して垂直であり、かつ該インダクタの上下の導体パターン形成層と同層および/またはこれらの層の間の層にコンデンサ電極を配設したことを特徴とする。
【0007】
(2)また、本発明の積層複合電子部品は、前記積層複合電子部品は半導体部品およびチップ部品を搭載したものであることを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明の積層複合電子部品は、前記誘電体層は樹脂材料または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなることを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明の積層複合電子部品は、移動体通信機器のダイプレクサと高周波スイッチ回路を構成するものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による積層複合電子部品を適用する回路の例であり、GSM方式とDCS方式の携帯電話に兼用されるマルチバンド用高周波スイッチモジュールであり、このモジュールはダイプレクサ2を含んで構成される。GSM方式側回路(DCS方式側回路)は、フィルタF1(F2)と高周波スイッチS1(S2)とを備え、通信機器のアンテナと受信回路、送信回路を接続するデュアルバンドのアンテナスイッチ回路を構成している。高周波スイッチS1(S2)は、ダイプレクサ2を介してアンテナ1に接続されると共に、送信回路に繋がる端子Txおよび受信回路につながる端子Rxに信号ラインにより接続される。
【0011】
各方式の送信回路の端子Txには、主にパワーアンプの高調波の伝送を阻止するために設けられるフィルタF1(F2)が接続される。フィルタF1(F2)は、インダクタL1(L4)とコンデンサC0〜C2(C8〜C10)により構成される。
【0012】
高周波スイッチS1(S2)は、ダイオードD1、D2(D3、D4)と、C3〜C7(C11〜15)と、インダクタL2、L3(L5、L6、L7)と、抵抗R1(R2)とからなる。
【0013】
ダイプレクサ2は、通過帯域の異なるGSM方式、DCS方式の送受信系の受信信号を分波すると共に、一方の送信信号が他方の系に伝播されることを防止する分波回路である。ダイプレクサ2のGSM側回路は、インダクタL8とコンデンサC16、C17とにより構成される。またダイプレクサ2のDCS側回路は、インダクタL9、L10とコンデンサC18とにより構成される。
【0014】
この回路において、送信を行う場合、コントロール端子Vc1(Vc4)に正のバイアス電圧を印加し、コントロール端子Vc2(Vc3)には負のバイアス電圧を印加する。この電圧は、ダイオードD1(D3)、D2(D4)に対して順方向のバイアス電圧として働くため、これらのダイオードD1(D3)、D2(D4)をオンにする。このとき、コンデンサC1〜C7(C8、C10〜C16)によって直流分がカットされ、ダイオードD1(D3)、D2(D4)を含む回路にのみコントロール端子Vc1(Vc4)、Vc2(Vc3)に加えられた電圧が印加される。
【0015】
従ってインダクタL3(L6)がダイオードD2(D4)により接地されて送信周波数で共振し、インピーダンスが無限大となるため、端子Txから加えられる送信信号は受信側端子Rxにはほとんど伝送されず、ダイオードD1(D3)を経てダイプレクサ2からアンテナ1へと伝送される。
【0016】
なおこのとき、チョークコイルとして作用するインダクタL2(L5)のインピーダンスはほぼ無限大となり、送信信号がアース側へ漏れることを防止している。
【0017】
一方、受信時には、コントロール端子Vc1(Vc4)に負のバイアス電圧を印加し、コントロール端子Vc2(Vc3)に正のバイアス電圧を印加する。この電圧はダイオードD1(D3)、D2(D4)に対し逆方向のバイアス電圧として働くため、ダイオードD1(D3)、D2(D4)はオフ状態となり、アンテナ1からの受信信号はインダクタL3(L6)を通して受信側端子Rxに伝送され、送信側端子Txにはほとんど伝送されない。
【0018】
なお、インダクタL7とコンデンサC15との直列回路は、コンデンサC15とオフ時のダイオードD3との合成容量と、インダクタL7のインダクタンス値との間で共振する並列共振回路を形成し、かつその共振周波数を受信信号の周波数と一致させた周波数で共振させることにより、オフ時のダイオードD3とインダクタL7との接続点のインピーダンスを増加させ、挿入損失や反射損失を低減させるのに用いられる。
【0019】
ダイプレクサ2において、インダクタL8とコンデンサC17とで1つ(GSM側)のノッチ回路を構成し、インダクタL9とコンデンサC18とで他の1つ(DCS側)のノッチ回路を構成している。そしてGSM側のノッチ回路は、コンデンサC16およびC5を介して接地される。この2つのコンデンサC16、C5は分波特性のLPF特性を向上させる目的で接続される。DCS側のノッチ回路は、直列に接続されたインダクタL10とコンデンサC12を介して接地される。このインダクタL10とコンデンサC12は分波特性のHPF特性を向上させる目的で設置される。
【0020】
図2は図1の回路を1つの積層複合電子部品として構成した層構成図である。この積層複合電子部品は、受動素子を内蔵した積層体(ベース基板)3とその上に搭載された前記ダイオードD1〜D4等の半導体素子や必要に応じて搭載される後述の受動素子からなる搭載部品4とからなる。
【0021】
3a〜3lは前記積層体3を構成する誘電体層、5a〜5lは誘電体層に設けられた導体パターンである。誘電体層3a〜3lは樹脂材料または樹脂と機能材料粉末をコンポジットした複合材料からなる。また各誘電体層3a〜3lは一般的にはガラスクロスに前記樹脂材料または複合材料を含浸させたものが用いられ、これらを熱プレスすることにより一体化している。
【0022】
この場合の積層体3の構成方法は、本硬化後のコア基板に必要に応じてビアホールを形成すると共に、金属箔のエッチングやサブトラクティブ工法、アディティブ工法あるいはセミアディティブ工法により導体パターンを形成する。そしてそのコア基板の両面または片面にプリプレグを圧着し本硬化させて前記ビアホールや導体パターンの形成を行うという工程(ビルドアップ工法)を繰り返す。この場合、ガラスクロスを用いないビルドアップ工法や厚膜印刷工法を採用することも可能である。
【0023】
本例においては、誘電体層3a〜3kの積層は次のように行った。誘電体層7(3c〜3e)を積層し、次に誘電体層8(3b、7、3f)を積層した。またこれとは別に誘電体層9(3h〜3j)を積層し、最後に誘電体層3a、8、3g、9、3k、3lを積層した。また、搭載部品4は、前記ダイオードD1〜D4、前記抵抗R1、R2、インダクタL1、L2、L5、L7、L8およびコンデンサC2、C3、C4、C7、C10、C11、C14、C15とした。
【0024】
図3は前記誘電体層上に設けられている導体パターン5a〜5lを示しており、第1誘電体層3a上には前記搭載部品4を搭載するための導体パターン5aを形成する。また、第2〜第6の誘電体層3b〜3fには前記コンデンサC1、C5、C6、C8、C9、C12、C13、C16、C18の電極を形成しており、これらのコンデンサ電極を図1と同符号で示している。第8〜10誘電体層3h〜3jにはインダクタLx(=L3、L4、L6、L9、L10)とコンデンサCx(Cx=C0、C17)を形成するための導体パターンを形成する。積層体3の裏面にグランド電極Gを形成する。
【0025】
なお、誘電体層3a〜3lを構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オキサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネートエステル)樹脂、フマレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ビニルベンジルエーテル化合物樹脂等が用いられる。
【0026】
また、熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、グラフト樹脂等が用いられる。これらの中でも、特にエポキシ樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネートエステル)樹脂、ビニルベンジルエーテル化合物樹脂等が好ましい。
【0027】
また、混合する機能材料粉末としては、具体的には、誘電体粉末として、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−錫系セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミックス等が挙げられる。さらに、CaWO4系セラミックス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3系セラミックス等が挙げられる。
【0028】
さらに、誘電率をあまり高くせず、高いQを得るためには、アルミナ、ジルコニア、チタン酸カリウムウイスカ、チタン酸カルシウムウイスカ、チタン酸バリウムウイスカ、酸化亜鉛ウイスカ、ガラスチップ、ガラスビース、カーボン繊維、酸化マグネシウム(タルク)等が用いられる。これらの誘電体粉末は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】
さらに、インダクタを構成する誘電体層に次に示すような機能材料粉末として磁性粉末を混合してもよい。その内、磁性粉末のうち、磁性酸化物として、Mn−Zn系フェライト、Nn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mnフェライト、Coフェライト、Liフェライト、Mgフェライト、Niフェライトなどがある。また、Baフェライト等の六方晶フェライトであっても良い。それ以外にもFe2O3、Fe3O4等の酸化鉄でも差し支えない。また、磁性金属粉末や磁性被覆金属粒子を用いてもよい。
【0030】
また、導体パターンを構成する金属としては、金、銀、銅、アルミニウム等の導電性の高いものを用いることが、Qを高める意味において好ましい。
【0031】
図4、図5は前記インダクタL3、L4、L6、L9、L10を構成するための導体パターンを示すもので、上層の導体パターンL3a、L4a、L6a、L9a、L10a(図4上段参照)と下層の導体パターンL3b、L4b、L6b、L9b、L10b(図5下段参照)とはそれぞれ対応するものどうしがビアホール6(図4下段、図5上段参照)によって接続される。
【0032】
図2〜図5から分かるように、インダクタL3、L6、L9、L10については、巻芯方向が誘電体層3a〜3lの積層方向に対して垂直をなすように導体パターンL3aとL3b、L6aとL6b、L9aとL9b、L10aとL10bおよびビアホール6を形成する。また、コンデンサC0、C17の電極については、インダクタL3、L6、L9、L10の最上層の導体パターンL3a、L4a、L6a、L9a、L10aと、最下層の導体パターンL3b、L4b、L6b、L9b、L10bとの間の層5i、5jに形成してコンデンサC0、C17が横並びとなるように形成する。このようにコンデンサC0、C17をインダクタL3、L6、L9、L10に対して横並びに形成することにより、両者の結合を低減する。
【0033】
図6は従来のようにインダクタLの巻芯方向を積層方向とし、かつコンデンサCとインダクタLとを積層方向に並べた場合のモデルB、図7は本発明のようにインダクタLとコンデンサCとを横並びに形成した場合のモデルAである。
【0034】
図8は本発明による効果を確認するため、誘電体層を構成する樹脂として、前記モデルA、Bにおいて、誘電体層樹脂としてビニルエステル系樹脂を用い、誘電体粉末としてチタン−バリウム−ネオジウム系セラミックスを用いてその含有率を35VOL%とし、また、誘電体層の厚みを40μm、100μmとし、インダクタ用の導体及びコンデンサ電極として銅を用い、図6、図7のいずれの場合もインダクタLとコンデンサCとの間隔を0.3mmとした場合のアイソレーション特性を示す図である。図8から分かるように、本発明のようにインダクタLとコンデンサCとを横並びに形成することにより、インダクタとコンデンサとの結合が低減できる。
【0035】
なお、図2〜図5に示した実施の形態においては、コンデンサ電極を、インダクタを構成する最上層、最下層の導体パターン5h、5kの間の層5i、5jに形成したが、コンデンサ電極は、最上層5hと最下層5kまたは最上層5i(あるいは最下層5k)と中間層5i、5jの双方または片方、もしくは最上層5hから最下層5kの全層に設けてもよい。
【0036】
なお、本実施の形態においては、図4、図5から分かるように、比較的巻数の多いインダクタL3、L6、L9、L10については、巻芯方向が誘電体層3a〜3lの積層方向に対して垂直をなすように導体パターンL3aとL3b、L6aとL6b、L9aとL9b、L10aとL10bおよびビアホール6を形成し、これにより、インダクタL3、L6、L9、L10により発生する磁束が積層方向に隣接するコンデンサC1、C5、C6、C8、C13、C18やグランド電極Gと鎖交する度合いを低減でき、これにより、L値やQ値の低下を防ぐ効果も得られるようにしている。
【0037】
また、巻数が比較的少ないインダクタL4については、巻芯方向が積層方向となるように導体パターンL4aとL4bおよびこれらの間を接続するビアホール6を形成している。
【0038】
一般的には、誘電体層3a〜3lの厚みは40〜100μm程度に形成され、コンデンサ電極やグランド電極の存在がインダクタの特性に影響を与えるのは、前記厚みの誘電体層が2層以内でインダクタとコンデンサ電極やグランド電極と対向する場合である。本実施の形態においても、前記インダクタL3、L4、L6、L9、L10はコンデンサ電極C1、C5、C6、C8、C13、C18やグランド電極Gと2層以内で上下に近接して対向している。
【0039】
また、本実施の形態においては、巻芯方向が積層方向のインダクタL4に対して隣接するインダクタL6、L10は巻芯方向は積層方向に対して垂直方向としており、これにより、これらの隣接するインダクタの発生磁束の干渉を可及的に低減し、インダクタ間のアイソレーション化を高めている。
【0040】
また、巻芯方向が積層方向に対して垂直方向のインダクタL3、L6、L9、L10のうち、一部のインダクタL3(またはL6)に対して隣接するインダクタL9、L10は、発生磁束が直角をなすように形成する。これにより、インダクタL3、L6、L9、L10間のアイソレーション化を高めている。
【0041】
本発明の構造は、小型化の要求が強く、MHz帯以上の高周波で使用される積層電子部品において好適に用いられ、特に前記携帯電話等の移動体通信機器において、前記ダイプレクサと高周波スイッチ回路等を1つの部品として含んで構成する高周波部品等において用いる場合に好適である。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、インダクタとコンデンサとを横並びに形成したので、インダクタとコンデンサとの間の結合を低減することができる。このため、インダクタとコンデンサとの近接配置が可能となり、積層複合電子部品の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する積層複合電子部品の一例である携帯電話における高周波スイッチおよびダイプレクサを含む部品を示す回路図である。
【図2】図1の積層複合電子部品の層構造図である。
【図3】図2の積層複合電子部品の導体パターンを示す図である。
【図4】図3の導体パターンの一部を拡大して示す図である。
【図5】図3の導体パターンの一部を拡大して示す図である。
【図6】従来の電子部品のインダクタとコンデンサとの配置を示す模式図である。
【図7】本発明の電子部品のインダクタとコンデンサ配置の一例を示す模式図である。
【図8】図6、図7のモデルの周波数変化に対するアイソレーション特性を示す図である。
【符号の説明】
1:アンテナ、2:ダイプレクサ、3:積層体、3a〜3l:誘電体層、4:搭載部品、5a〜5l:導体パターン、6:ビアホール、C0〜C18:コンデンサ、L1〜L10:インダクタ
Claims (4)
- 複数の誘電体層を導電体と共に積層することにより、内部にコンデンサおよびインダクタを設けた積層複合電子部品であって、
前記インダクタは、その巻芯方向が、前記誘電体層の積層方向に対して垂直であり、かつ該インダクタの上下の導体パターン形成層と同層および/またはこれらの層の間の層にコンデンサ電極を配設したことを特徴とする積層複合電子部品。 - 請求項1に記載の積層複合電子部品において、
前記積層複合電子部品は半導体部品およびチップ部品を搭載したものであることを特徴とする積層複合電子部品。 - 請求項1または2に記載の積層複合電子部品において、
前記誘電体層は樹脂材料または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなることを特徴とする積層複合電子部品。 - 請求項1から3までのいずれかに記載の積層複合電子部品が、移動体通信機器のダイプレクサと高周波スイッチ回路を構成するものであることを特徴とする積層複合電子部品。
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