JP2006262422A - 近接センサ - Google Patents

近接センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2006262422A
JP2006262422A JP2005080727A JP2005080727A JP2006262422A JP 2006262422 A JP2006262422 A JP 2006262422A JP 2005080727 A JP2005080727 A JP 2005080727A JP 2005080727 A JP2005080727 A JP 2005080727A JP 2006262422 A JP2006262422 A JP 2006262422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnetic
proximity sensor
circuit
oscillation circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005080727A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Yamaguchi
公一 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2005080727A priority Critical patent/JP2006262422A/ja
Publication of JP2006262422A publication Critical patent/JP2006262422A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 携帯電話などの携帯通信機器への実装が容易であり、検知感度が高く、その調整が容易で検知の信頼性が高い近接センサを得る。
【解決手段】 開磁路型の第1のコイル11、開磁路型の第2のコイル12、第1のコイル11に発振出力を供給する発振回路13a、発振回路13aに供給される電流の変化から第1のコイル11と第2のコイル12の離接を検知して検知信号を出力する電流検知回路14を備えた近接センサ。第1のコイル11と第2のコイル12とが接近して両者が電磁誘導結合したときに発振回路13aの負荷が変化し、発振回路13aの電流が変化する。電流検知回路14はこの電流の変化を検知して検知信号を出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体の離接を検知する近接センサ、特に、高周波磁界により物体の離接を検知して検知信号を出力する近接センサに関する。
例えば、携帯電話などの携帯通信機器には、実使用状態における操作及び表示部の有効面積の増大を図ったり、本体や本体の一部が折り畳める折り畳み開閉機構を備え、音声通信の際に本体や本体の一部を折り畳んだ状態から開いた状態として、音声通信の際の通話を容易にするようにしたものがある。また、折り畳み状態の検知によって、省電力化や付加機能の実現を図っている携帯通信機器もある。これらの携帯通信機器にあっては、携帯用という特に小型化が要求される条件の中で、安定性及び量産性に優れた開閉状態の検知装置が必要とされる。
従来より、この種の検知装置としては、磁石とホール素子などの磁気センサとを組み合わせて非接触で開閉状態を検知するものがよく知られている。
ところで、携帯電話では、近年、多様な機能を搭載したものが登場している。例えば、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話では、地図を実際の方位角に合わせて表示するため、地磁気を利用して方位を検知する方位センサを備えている。このようなナビゲーション機能を備えた携帯電話に、開閉状態の検知装置として、前記のような磁石と磁気センサを使用したものを採用すると、検知装置の磁石により方位センサが検知する地磁気が乱されるので方位センサは正しい方位を検知することができない。このため、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話では、開閉状態の検知装置として磁石を必要としない例えば近接センサなどが採用されている。
ナビゲーション機能を備えた前記のような携帯電話などに採用される近接センサとしては、例えば、特許文献1に開示されている。その具体的な構成を図15に示す。この近接センサは、制御部1を構成する発振回路2と出力回路3、ケーブル4、フェライトからなるつぼ型コア5、該つぼ型コア5内に収容されるとともに前記ケーブル4を通して発振回路2に接続されたコイル6から構成されている。つぼ型コア5はその内部に収容されたコイル6とともに検知部9を構成している。検知部9のコイル6にはケーブル4を通して発振回路2の発振出力が供給され、検知部9の前面に高周波磁界が発生している。
前記検知部9の近傍に金属製の検知物体7が接近すると、高周波磁界による磁束φの一部が検知物体7と交差し、該検知物体7の内部に渦電流8が発生する。このように、検知物体7に渦電流8が流れると、検知物体7内部の電気抵抗による電力損失(渦電流損)が生じる。この渦電流損によって消費される電力は、コイル6側、即ち、発振回路2から電磁誘導現象によって供給されたものであるから、発振回路2の負荷が変化して発振電圧が低下したり、発振が停止したりする。制御部1の出力回路3は発振回路2のこの発振状態の変化を検知して、検知信号を出力する。
ところで、高周波磁界を使用した前記のような構成を有する近接センサは、検知部9により検知される検知物体7として金属板を使用している。しかしながら、このような金属板と検知部9とを開閉状態の検知装置として携帯電話に組み込もうとすると、前記金属板は比較的大きなスペースを占有するので、小型でハンディさが優先される携帯電話などの携帯通信機器には、実装が困難であるという問題点があった。また、前記近接センサでは、検知物体7として単に金属板を使用しているので、それに発生する渦電流損が小さく検知感度が低いうえに、金属板を構成する金属材料の電気伝導度により検知感度が規定されるので、検知感度の調整も困難であるという問題点もあった。
特開平6−334507号公報
そこで、本発明の目的は、携帯電話などの小型の携帯通信機器への実装が容易であり、検知感度が高くしかもその調整が容易で検知の信頼性が高い近接センサを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る近接センサは、発振回路及び該発振回路に接続された開磁路型の第1のコイルを有する検知部と、開磁路型の第2のコイルを有する被検知部と、を備え、前記検知部と前記被検知部とが相対的に接離可能に配置され、前記検知部が前記第1のコイルと前記第2のコイルとの電磁結合を検知して近接信号を出力することを特徴とする。
本発明に係る近接センサにおいて、第1のコイルの開放された磁束が分布する空間領域に第2のコイルの開磁路を構成する空間領域が接近すると、開放された磁束は磁気抵抗の低い第2のコイルと電磁誘導結合し、発振回路から第1のコイルに供給される発振出力が第2のコイルに供給されるようになる。これにより、発振回路の負荷が急激に変化して発振回路に供給される電流が急激に変化する。この電流の急激な変化は渦電流を用いたものよりも格段に大きい。従って、発振回路に供給される電流を検知することにより、第1のコイルと第2のコイルの接近が高感度で、簡単かつ確実に検出されることになる。また、渦電流を検出するもののように、金属板を必要としないので、実装スペースも小さくなる。
本発明に係る近接センサは、前記発振回路はその発振周波数が一定周期で変化し、前記第2のコイルはコンデンサが並列に接続されてLC並列共振回路を構成しており、該LC並列共振回路が発振回路の発振周波数に同調するように構成してもよい。
これにて、第1のコイルと第2のコイルとが接近して両者が電磁的に結合すると、第2のコイルとコンデンサとにより構成されるLC並列共振回路が掃引発振回路に励振されて周期的に共振し、それに同期して発振回路の負荷が周期的に変化し、掃引発振回路の発振電圧も周期的に繰り返して変化する。よって、周期的に繰り返して変化する掃引発振回路の発振電圧の変化を検知することにより、第1のコイルと第2のコイルの接近を両者の距離が大きくなっても高感度で確実に検知することができ、検知の信頼性が大幅に向上する。
また、第1及び第2のコイルは、それぞれの開磁路部分が互いに離接するように配置されていてもよい。第1のコイルと第2のコイルの開磁路部分に開放された磁束により両者が電磁結合する。これにより、第1及び第2のコイルの接近の検出距離が拡大され、第1及び第2のコイルの接近をより高感度で確実に検出できるようになる。
さらに、第1及び第2のコイルの少なくとも一方は、下鍔部と該下鍔部に接合しかつ下鍔部に対して略垂直に設けられた胴部とからなる磁性体コアと、前記胴部に巻回された巻線と、前記胴部の開放上面と前記巻線の上面とを被覆して開磁路を構成する非磁性材とからなり、該非磁性材は上面が平面状であってもよい。
磁性体コアの胴部の開放上面と巻線の上面に配置される非磁性材により、磁束が胴部から効率よく開放されて検知領域が拡大され、検出距離がより拡大される。また、組立て時において、非磁性材の平面部により実装機の吸引ノズルによるコイルの確実な吸着を可能にするとともに、吸引ノズルによる吸着の際に巻線に乱れが発生する不具合が防止される。
また、第1及び第2のコイルの少なくとも一方は、複数の磁性体層を積層してなる磁性体部と、該磁性体部の少なくとも最上層に位置する磁性体層に形成されたスパイラル状コイル導体と、前記磁性体部の上面を被覆する少なくとも1層の非磁性体層をと備えていてもよい。第1及び第2のコイルの少なくとも一方がチップ化されるので、近接スイッチがより小型化されてその実装スペースが削減され、より小型の携帯通信機器にも容易に実装することができる。
さらに、前記磁性体部と前記非磁性体層との間に、少なくとも一層のスパイラル状コイル導体が形成された非磁性体層を有していてもよい。磁性体部と非磁性体層との間に位置するスパイラル状コイル導体により発生する磁束は非磁性体層でより拡散されやすくなり、開磁路部分の領域が拡大され、検知距離が拡大される。
本発明に係る近接センサによれば、二つのコイルの電磁結合を利用して、これらコイルの一方を駆動する発振回路や掃引発振回路に供給される電流変化などを検出することにより、二つのコイルの離接を検出するようにしたので、渦電流を利用するものよりも、二つのコイルの離接による発振回路や掃引発振回路の負荷変動が格段に大きくなり、携帯通信機器などに実装が容易なコンパクトな構成で簡単かつ確実に離接を検出することができる。
以下、本発明に係る近接センサの実施例を添付図面を参照して説明する。
(第1実施例、図1〜図6参照)
図1に第1実施例である近接センサのブロック構成を、図2に該近接センサを実装した携帯電話の外観をそれぞれ示す。この近接センサは、開磁路型の第1のコイル11、開磁路型の第2のコイル12、第1のコイル11に接続されて発振出力を供給する発振回路13a、該発振回路13aに供給される電流の変化から第1のコイル11に対する第2のコイル12の離接を検知して検知信号を出力する電流検知回路14を備えている。
第1のコイル11、発振回路13a及び電流検知回路14は、第2のコイル12の離接を検知する検知部15を構成している。また、第2のコイル12は、その両端に接続された抵抗Rとともに検知部15の第1のコイル11に対する離接が検知される被検知部16を構成している。
発振回路13aは、例えば、13.56MHzなどのIMS帯で発振し、その発振出力により第1のコイル11を励振する。なお、図1において、第2のコイル12の両端間に接続された抵抗Rは、第1のコイル11と第2のコイル12とが接近して両者が電磁誘導結合したときに発振回路13aの負荷となり、その抵抗値により検知部15の検知感度が調節される。
検知部15は、図2に示すように、折り畳み式の携帯電話20のダイヤルキー21が設けられた本体部22側に、折り畳み機構23とは反対側に実装されている。また、被検知部16は、携帯電話20のディスプレイ24が設けられた蓋部25側に、折り畳み機構23とは反対側に実装される。
被検知部16の第2のコイル12は、携帯電話20の蓋部25を本体部22に対して矢印Aで示すように開閉することにより、検知部15の第1のコイル11に対して離接するようになっている。検知部15の電流検知回路14は、携帯電話20の蓋部25が本体部22の上に折り畳まれて第2のコイル12が第1のコイル11に接近したとき、発振回路13aの負荷電流量が変化して該発振回路13aに流れる電流が変化するので、この電流変化を検知して近接信号を出力する。
ここで、第1のコイル11についてその構造を説明するが、第2のコイル12も同じ構造を有している。図3に第1のコイル11の外観を示し、図4にその垂直断面を示す。開磁路型の第1のコイル11は、下鍔部31と胴部32とからなる磁性体コア33と、胴部32に巻回された巻線34と、その上面に位置する非磁性材35とで構成されている。
磁性体コア33の胴部32は、その底部が下鍔部31に接合し、かつ、該下鍔部31に対して垂直に設けられている。つまり、第1のコイル11は、磁気抵抗の低い磁性体コア33を磁路として通過した磁束φを、該磁性体コア33の胴部32の開放上面36を上側にし、磁気抵抗の大きい非磁性材35を通して上方に開放する開磁路型のコイル構造を有している。
磁性体コア33の胴部32に巻回された巻線34は、銅線材にポリウレタンなどの絶縁皮膜を施したものである。巻線34の両終端部34a,34bは、下鍔部31の底面から側面にわたって形成されている外部電極37a,37bに熱圧着などの方法により電気的に接続されている。
さらに、胴部32の開放上面36と巻線34の上面を被覆するように、非磁性材35が形成されており、該非磁性材35の上面は平面状とされている。非磁性材35がこのように形成される理由は、第1のコイル11(及び第2のコイル12)を、図5に示すように、回路基板41(及び回路基板42)に実装する際に、図示しない実装機の吸引ノズルによる第1のコイル11(及び第2のコイル12)の確実な吸着を可能にするとともに、吸引ノズルによる吸着の際に巻線34に乱れが発生するのを防止するためである。
非磁性材35の形成は、例えば、巻線34が巻回された磁性体コア33を、胴部32の開放上面36側から樹脂浴(図示せず)に浸漬して巻線34の上部及び胴部32の上部に樹脂を付与した後、樹脂浴から引き揚げ、光又は熱などにより樹脂を硬化させることにより行われる。なお、この際に、樹脂が巻線34の外周面にも形成されるように、樹脂浴への浸漬を行ってもよい。また、非磁性材35は、板状部材を貼着することにより設置してもよい。
図5に示すように、第1のコイル11は携帯電話20の本体部22側に収容される本体部側基板41に実装される。また、第2のコイル12は、携帯電話20の蓋部25側に収容される蓋部側基板42に実装される。これら第1及び第2のコイル11,12は、折り畳み機構23により蓋部25を本体部22に折り畳んだときに第1のコイル11の中心軸と第2のコイル12の中心軸とがほぼ合致し、両者の磁気回路の開磁路部分38が対向するように、基板41,42にそれぞれ実装される。蓋部側基板42にはチップ状の抵抗Rが実装され、該抵抗Rは蓋部側基板42に形成された導体パターン43を通して第2のコイル12の外部電極37a,37b間に接続されている。
以上の構成を有する近接センサにあっては、図4に示すように、第1のコイル11の磁性体コア33の胴部32に巻回された巻線34に発振回路13aの発振出力が供給されると、巻線34に鎖交するように発生する磁束φは、磁気抵抗の低い磁性体コア33を磁路の一部として通過し、胴部32の開放上面36に配置された磁気抵抗の高い非磁性材35の開磁路部分38から上方の空間に開放されたあと、磁性体コア33の下鍔部31に戻る。
携帯電話20の蓋部25が本体部22に向かって矢印Aで示すように折り畳まれると、回路基板42が回路基板41に向かって移動し、図6に示すように、第1のコイル11の開磁路部分38で開放された磁束φが分布する空間領域に第2のコイル12の磁性体コア33の胴部32上端が侵入し、開放された磁束φは磁気抵抗の低い第2のコイル12の磁性体コア33を流れる。
これにより、第1のコイル11と第2のコイル12とが電磁誘導結合し、発振回路13aから第1のコイル11に供給される発振出力(電力)が第2のコイル12からそれに接続された抵抗Rに供給されるようになる。即ち、抵抗Rは発振回路13aの発振出力の負荷抵抗となる。この状態では、発振回路13aの発振出力(電力)は抵抗Rにてジュール熱として消費される。よって、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれると、発振回路13aに供給される電流が急激に増大する。電流検知回路14は、この電流の急激な増大を検知して第2のコイル12が第1のコイル11に接近したこと、即ち、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれたことを示す信号を出力することになる。
このように、本第1実施例では、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれて第2のコイル12が第1のコイル11に接近すると、第2のコイル12に接続された抵抗Rが発振回路13aの発振出力の負荷抵抗となり、発振回路13aの発振出力(電力)は抵抗Rにてジュール熱として消費される。このジュール熱は一般に金属板などの内部に発生する渦電流損よりも格段に大きいので、本第1実施例では、検知感度が従来のものに比して格段に高くなる。また、抵抗Rはその抵抗値を自由に選択することができるので、発振回路13aの負荷抵抗を調節することにより、発振回路13aに流れる電流を調整して、検知感度を大きな範囲で自由に調整することができる。
(第2実施例、図7及び図8参照)
図7に第2実施例である近接センサのブロック構成を示す。この近接センサは、図1〜図6を参照して説明した第1実施例において、第2のコイル12に接続される抵抗Rに代えてコンデンサCを第2のコイル12に並列に接続する一方、発振回路13aに代えて掃引発振回路13bを使用するようにした。
なお、本第2実施例にあっては、他の構成は前記第1実施例と同様であり、同じ部材、部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
第2のコイル12とコンデンサCとは、掃引発振回路13bの発振出力により励振されるLC並列共振回路17を構成している。また、掃引発振回路13bは、その発振周波数がコンデンサCと第2のコイル12が形成するLC並列共振回路17の共振周波数f0を含む予め設定した周波数範囲で一定の周期で掃引(スイープ)される。
このような構成を有する近接センサにあっては、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれ、図8に示すように、第1のコイル11の開磁路部分38で開放された磁束が分布する空間領域に第2のコイル12の磁性体コア33の胴部32上端が侵入すると、開放された磁束φは磁気抵抗の低い第2のコイル12の磁性体コア33を流れ、第1のコイル11と第2のコイル12とが電磁誘導結合する。
これにより、第2のコイル12とコンデンサCとにより構成されるLC共振回路17は、掃引発振回路13bの発振出力により励振され、該発振出力がLC共振回路17の共振周波数f0と合致すると、LC共振回路17のインピーダンスが急激に減少する。そして、掃引発振回路13bの発振負荷が発振周波数の掃引の周期と同期して急激に小さくなり、定電流モードで動作する掃引発振回路13bの発振電圧も前記周期に同期して急激に小さくなる。電流検知回路14は、掃引発振回路13bの発振電圧のこの周期的な減少を検知して第2のコイル12が第1のコイル11に接近したこと、即ち、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれたことを示す信号を掃引発振回路13bの掃引周期に同期して繰り返し出力する。
このように、本第2実施例では、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれて第2のコイル12が第1のコイル11に接近すると、第2のコイル12とコンデンサCとにより構成されるLC並列共振回路17が掃引発振回路13bに励振されて周期的に共振し、それに応じて電流検知回路14は第2のコイル12が第1のコイル11に接近したこと、即ち、携帯電話20の蓋部25が本体部22に折り畳まれたことを示す信号を、掃引発振回路13bの掃引周期に同期して繰り返し出力する。
これにより、本第2実施例の近接センサは、前記第1実施例の近接センサが奏する効果に加えて、検知の信頼性が大幅に向上する。特に、第2のコイル12のQ値を大きなものとすることにより、LC共振回路17の共振特性が急峻になり、検知感度が高く雑音などの影響を少なくすることができる。
(第3実施例、図9〜図11参照)
第3実施例である近接センサは、前記第1及び第2実施例である近接センサにおいて採用した第1のコイル11及び第2のコイル12に代えて、図9に示すようなチップ型の開磁路積層型コイル部品60を使用するようにしたものである。
本第3実施例にあっても、チップ型の開磁路積層型コイル部品60以外の構成は第1及び第2実施例である近接センサと同じであり、他の構成要素についての重複した説明は省略する。
また、以下の説明では、開磁路型積層コイル部品60は、1個1個製作する場合について説明しているが、量産する場合には、多数の内部導体パターンをマザーセラミックグリーンシートの表面に印刷し、このマザーセラミックグリーンシートを複数枚積層及び圧着させて未焼成のセラミック積層体ブロックを形成する。そして、このセラミック積層体ブロックを内部導体パターンの配置に合わせてカットし、個々の積層セラミックチップを切り出してそれを焼成し、焼成された積層セラミックチップに外部電極を形成することにより生産される。セラミックグリーンシートは未焼成の積層セラミックチップの焼成により、焼成された積層セラミックチップ内でセラミック層となる。
開磁路型積層コイル部品60は、図10及び図11に示すように、複数枚の磁性セラミックグリーンシート61と、非磁性セラミックグリーンシート62とを順次積層し、図9に示すようなチップ状に形成し、焼成してなるチップ状のセラミック積層体63からなる。
複数枚の磁性セラミックグリーンシート61のうち最上層に位置するものの主面には、スパイラル状のコイル導体パターン64が形成されている。また、非磁性セラミックグリーンシート62の主面には引出導体パターン65が形成されている。該引出導体パターン65は、その一端が非磁性セラミックグリーンシート62に形成されたビアホール導体66を通してスパイラル状のコイル導体パターン64の中心側の端部64aに電気的に接続され、他端が図9のセラミック積層体63の一端側に形成された外部電極67に電気的に接続されている。スパイラル状のコイル導体パターン64の外側の端部64bは、セラミック積層体63の他端側に形成されたいま一つの外部電極68に引き出されている。
磁性セラミックグリーンシート61のそれぞれは、以下のようにして製造される。酸化第二鉄(Fe23)、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式混合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で一時間仮焼する。この仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤剤、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレードを用いて、シート状に形成して乾燥させ、所望の膜厚の磁性セラミックグリーンシート61を作製する。
また、非磁性セラミックグリーンシート62は、以下のようにして製造される。酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式混合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で一時間仮焼する。この仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、非磁性セラミック粉末を得る。
この非磁性セラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤剤、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレードを用いて、シート状に形成して乾燥させ、所望の膜厚の非磁性セラミックグリーンシート62を作製する。非磁性セラミックグリーンシート62の膜厚は、例えば、20μmとする。
非磁性セラミックグリーンシート62に形成されるビアホール導体66は、レーザビームなどを用いて非磁性セラミックグリーンシート62に貫通孔を形成し、この貫通孔にAg,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの手法により充填することによって形成される。また、非磁性セラミックグリーンシート62に形成される引出導体パターン65及び最上層の磁性セラミックグリーンシート61に形成されるスパイラル状のコイル導体パターン64は、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストをスクリーン印刷法などで塗布することにより、あるいは、フォトリソグラフィ法などの手法で形成される。
磁性セラミックグリーンシート61は、主面にコイル導体パターン64が形成された磁性セラミックグリーンシート61が最上位となるように順次積み重ねられ、その上に非磁性セラミックグリーンシート62が積層される。そして、焼成工程を経て、セラミック積層体63が形成され、外部電極67,68が形成される。
このようにして得られた開磁路型積層コイル部品60は、前記第1及び第2実施例における第1のコイル11及び第2のコイル12と同様に、コイル導体パターン64の下側に磁性セラミックグリーンシート61が焼成された磁性体層が位置し、コイル導体パターン64の上側に非磁性セラミックグリーンシート62が焼成された非磁性セラミック層が位置することになるので、コイル導体パターン64に高周波電流が供給されたときに生じる磁束は、非磁性セラミック層及びその上方の空間に開放される。
これにより、開磁路型積層コイル部品60を用いた本第3実施例にあっても、第1及び第2実施例と同様の効果を奏する。また、本第3実施例では、第1のコイル11及び第2のコイル12としてチップ型を有する小型のものを使用しているので、より小型の携帯通信機器にも容易に実装することが可能となる。
(第4実施例、図12〜図14参照)
図12〜図14に示すように、本第4実施例では、開磁路積層型コイル部品70として、前記開磁路積層型コイル部品60において、主面にコイル導体パターン64を形成した磁性セラミック層61と非磁性セラミック層62との間に、主面にスパイラル状のコイル導体パターン74が形成されたいま一つの非磁性セラミック層72を設け、該非磁性セラミック層72に形成したビアホール導体73を通して、コイル導体パターン64の内側の端部64aとコイル導体パターン74の内側の端部74aとを接続したものを使用している。そして、コイル導体パターン64,74の外側の端部64b,74bは、セラミック積層体63に形成された外部電極68,67にそれぞれ電気的に接続されている。
本第4実施例にあっても、チップ型の開磁路積層型コイル部品70以外の構成は前記第1及び第2実施例と同じであり、他の構成要素についての重複した説明は省略する。
本第4実施例では、コイル導体パターン64とコイル導体パターン74とを直列に接続しているので、検出磁界の強度が大きくなり、第3実施例の近接センサが奏する効果に加えて、距離が大きくなっても確実に検知することができる。
(他の実施例)
本発明に係る近接センサは前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の構成とすることができる。
特に、電流の変化を検知する他に、周波数の変化や発信の有無を検知するようにしてもよい。あるいは、各実施例では自励振を示したが、他励振であってもよい。また、第1実施例の近接センサにおいて、抵抗Rを省略し、第2のコイル12の両端を短絡するようにしてもよい。
本発明の第1実施例である近接センサの構成を示すブロック図である。 本発明に係る近接センサを実装した携帯電話の一例を示す斜視図である。 本発明に係る近接センサの第1及び第2のコイルの構成を示す斜視図である。 図3に示したコイルの断面図である。 図3に示したコイルを実装した携帯電話の基板を示す斜視図である。 図1に示した近接センサの動作説明図である。 本発明の第2実施例である近接センサの構成を示すブロック図である。 図7に示した近接センサの動作説明図である。 本発明の第3実施例である近接センサにおける第1及び第2のコイルの外観を示す斜視図である。 図9に示したコイルの断面図である。 図9に示したコイルの分解斜視図である。 本発明の第4実施例である近接センサにおける第1及び第2のコイルの外観を示す斜視図である。 図12に示したコイルの断面図である。 図12に示したコイルの分解斜視図である。 従来の近接センサの構成を示すブロック図である。
符号の説明
11…第1のコイル
12…第2のコイル
13a…発振回路
13b…掃引発振回路
14…電流検知回路
15…検知部
16…被検知部
31…下鍔部
32…胴部
33…磁性体コア
35…非磁性材
36…開放上面
38…開磁路部分
41,42…回路基板
60…第1のコイル(第2のコイル)
61…磁性セラミックグリーンシート
62…非磁性セラミックグリーンシート
64…コイル導体パターン
70…第1のコイル(第2のコイル)
74…コイル導体パターン

Claims (6)

  1. 発振回路及び該発振回路に接続された開磁路型の第1のコイルを有する検知部と、開磁路型の第2のコイルを有する被検知部と、を備え、
    前記検知部と前記被検知部とが相対的に離接可能に配設され、
    前記検知部が前記第1のコイルと前記第2のコイルとの電磁結合を検知して近接信号を出力すること、
    を特徴とする近接センサ。
  2. 前記発振回路はその発振周波数が一定周期で変化し、前記第2のコイルはコンデンサが並列に接続されてLC並列共振回路を構成しており、該LC並列共振回路が発振回路の発振周波数に同調することを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  3. 前記第1及び第2のコイルは、それぞれの開磁路部分が互いに離接するように配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接センサ。
  4. 前記第1及び第2のコイルの少なくとも一方は、下鍔部と該下鍔部に接合しかつ下鍔部に対して略垂直に設けられた胴部とからなる磁性体コアと、前記胴部に巻回された巻線と、前記胴部の開放上面と前記巻線の上面とを被覆して開磁路を構成する非磁性材とからなり、該非磁性材は上面が平面状であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の近接センサ。
  5. 前記第1及び第2のコイルの少なくとも一方は、複数の磁性体層を積層してなる磁性体部と、該磁性体部の少なくとも最上層に位置する磁性体層に形成されたスパイラル状コイル導体と、前記磁性体部の上面を被覆する少なくとも1層の非磁性体層とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の近接センサ。
  6. 前記磁性体部と前記非磁性体層との間に、少なくとも一層のスパイラル状コイル導体が形成された非磁性体層を有していることを特徴とする請求項5に記載の近接センサ。
JP2005080727A 2005-03-18 2005-03-18 近接センサ Pending JP2006262422A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005080727A JP2006262422A (ja) 2005-03-18 2005-03-18 近接センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005080727A JP2006262422A (ja) 2005-03-18 2005-03-18 近接センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006262422A true JP2006262422A (ja) 2006-09-28

Family

ID=37101103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005080727A Pending JP2006262422A (ja) 2005-03-18 2005-03-18 近接センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006262422A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102195592A (zh) * 2010-03-17 2011-09-21 精工爱普生株式会社 电路装置、电子设备以及电源电路
JP2013232895A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Ntt Docomo Inc デバイス間のインタラクションを検出する方法及び装置
JP2016133483A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 公益財団法人電磁材料研究所 金属検出機
JP6462913B1 (ja) * 2018-02-01 2019-01-30 株式会社エー・アンド・デイ 金属検出機におけるセンサヘッド

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102195592A (zh) * 2010-03-17 2011-09-21 精工爱普生株式会社 电路装置、电子设备以及电源电路
JP2013232895A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Ntt Docomo Inc デバイス間のインタラクションを検出する方法及び装置
JP2016133483A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 公益財団法人電磁材料研究所 金属検出機
JP6462913B1 (ja) * 2018-02-01 2019-01-30 株式会社エー・アンド・デイ 金属検出機におけるセンサヘッド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9705192B2 (en) Antenna device and communication terminal apparatus
JP5403279B2 (ja) Rfタグの製造方法、磁性体アンテナの製造方法及び当該rfタグを実装した基板、通信システム
KR101274354B1 (ko) 자성체 안테나
KR101397241B1 (ko) 자성체 안테나를 실장한 기판
CN208157197U (zh) 线圈内置部件
JP5634717B2 (ja) 磁性体アンテナ及びrfタグ並びに該rfタグを実装した基板
JP6500992B2 (ja) コイル内蔵部品
US20130113593A1 (en) Multilayer type inductor and method of manufacturing the same
JP2002319508A (ja) 積層型インピーダンス素子
JP2009044030A (ja) 積層電子部品
CN105305996B (zh) 复合电子组件及具有该复合电子组件的板
JP6011377B2 (ja) アンテナ、アンテナ装置、及び携帯端末
JP2006262422A (ja) 近接センサ
JP2002190410A (ja) 積層型トランス
JP2004281847A (ja) 積層複合電子部品
JP2010141191A (ja) インダクタおよびその製造方法
KR20010114120A (ko) 피씨비 인덕터 및 그를 이용한 변압기
JP6204181B2 (ja) コイル内蔵基板およびdc−dcコンバータ
JP2005259774A (ja) 開磁路型積層コイル部品
JP2003197426A (ja) インダクタンス素子を含む複合電子部品
JPH1197245A (ja) 積層型インダクタンス素子
JP4295660B2 (ja) バラントランス
JP2005340586A (ja) 積層型電子部品
JP2013168780A (ja) 表面実装型アンテナ
JP2012138535A (ja) 積層型電子部品