JP2004281362A - 偏向ヨークの偏向コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】局部的な構造を安定的に保持して散布を減らすことができるとともに、局部的な画面特性制御によって製品の品質を改善することが可能な偏向ヨークの偏向コイルを提供すること。
【解決手段】スクリーン部、ネック部、及びスクリーン部とネック部とを連結するボディ部からなる主コイルと、前記主コイルによる特性を補完するために前記主コイルに巻線される補助コイルと、前記補助コイルの遊動を防止するように前記補助コイルと主コイルとを連結するブリッジとから構成される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーブラウン管用偏向ヨーク(DY:Deflection Yoke)に関し、さらに詳しくは、偏向ヨークを構成する偏向コイルに設けられた補助コイルを安定的に支持して組立散布を減らすことができるとともに、画面の特性を制御して製品の品質を大幅改善することが可能な偏向ヨークの偏向コイルに関する。
【従来の技術】
通常、陰極線管(Cathode ray tube:以下、「CRT」という)には電子銃から走査された電子ビームの偏向原理が適用され、電子ビームを走査するためには陰極線管のネック部に水平方向の偏向磁界と垂直方向の偏向磁界を印加しなければならない。
このような偏向磁界を作るためのコイルを水平コイル及び垂直コイルという。これら水平コイルと垂直コイルは、基本的に相互直角で組み合わされている。水平偏向コイル、垂直偏向コイル及びフェライトコアからなるものを偏向ヨークという。
通常、CRTは、内面に三色で発光する蛍光膜が設けられたパネル、及び前記パネルの端部に封着されるファンネルを備える。前記ファンネルのネック部内には電子ビームを走査するための電子銃が設置され、前記ファンネルの外周面には前記電子銃から走査された赤、緑、青の電子ビームを偏向させるために偏向ヨークが設置される。
前記蛍光膜から所定の間隔をおいて電子ビーム貫通孔が多数設けられたシャドーマスクがフレームに溶接によって固着されている。また、前記パネルの内側面には前記フレームを支持するスタッドピン(stud pin)が固定されており、前記フレームの側部には前記電子銃から発射された電子ビームの軌道を遮蔽及び制御するインナーシールド(inner shield)が設置されている。
図1は従来のCRTの一例である丸型CRTを概略的に示す側面図である。
図1に示すように、従来の丸型CRTは、丸型でスクリーンの前面に向かって突出するように大きく湾曲しているスクリーンパネル1と、前記スクリーンパネル1の後端にフリットガラスで融着されて陰極線管内を真空化するファンネル2と、前記ファンネル2の後端のネック部7内に装着され、電子ビーム4a、4b、4cを放射する電子銃5と、前記電子銃5から放射された電子ビーム4a、4b、4cをスクリーン全面に左右上下に偏向させる偏向ヨーク6とを含んでなる。
前記偏向ヨーク6は、図2に示すように、陰極線管の電子銃から発射される電子ビーム4a、4b、4cに垂直方向の偏向磁界を印加して前記電子ビーム4a、4b、4cを垂直方向に偏向させる垂直偏向コイル12と、前記電子ビーム4a、4b、4cに水平方向の偏向磁界を印加して前記電子ビーム4a、4b、4cを水平方向に偏向させる水平偏向コイル(図示せず)と、前記水平偏向コイル及び垂直偏向コイルの位置を精密に区分するとともに、前記水平偏向コイルと垂直偏向コイルとを互いに電気的に絶縁させるセパレイター11と、水平偏向コイル及び垂直偏向コイルの磁界を強化させるフェライトコア13とからなる。
前記セパレイター11の内周には上下側に区分される前記水平偏向コイルが組み立てられ、前記セパレイター11の外周には左右側に区分される垂直偏向コイル12が組み立てられる。
すなわち、水平偏向コイルはセパレイター11の内周に密着して水平偏向磁界を形成するように構成され、垂直偏向コイル12はセパレイター11の外周に密着して垂直偏向磁界を形成するように構成される。
ここで、水平偏向コイル及び垂直偏向コイル12は、それぞれ2つが一対をなして別途の生産ラインによって製作された後、セパレイター11の内周及び外周に互いに直角となるように組み立てられ、電子銃5から走査される電子ビームに水平方向の偏向磁界と垂直方向の偏向磁界を加える。
そして、コイルセパレイター11の外周には2つが1対になって略円筒状のフェライトコア13が垂直偏向コイル12を取り囲むように組み立てられる。このフェライトコア13は垂直偏向磁界を強化させる作用をする。
このように構成されたブラウン管用偏向ヨーク6は、水平偏向コイルと垂直偏向コイル12に所定波形の電流を印加することにより、それぞれの偏向磁界を作るが、一般には、それぞれの偏向コイルの分布を調整して、それぞれ異なる箇所から出発した赤、緑、青の電子ビームが画面上で同一の箇所に集束するようにすると同時に、最外郭のラスター形状が所定サイズの直線をなすようにしている。
ここで、前記水平偏向コイルと垂直偏向コイル12によって偏向された前記赤、緑、青の電子ビームがスクリーンの正確な箇所に集束しなければ、スクリーンに映写された画像の色純度が低下するというミスコンバージョンス(Mis−Convergence)が発生するが、このミスコンバージョンスを補完するために、従来ではミスコンバージョンスを補完するための補助コイルが巻線された偏向コイルを使用した。
すなわち、偏向コイルに補助コイルを巻線して、ブラウン管の画面に現われる赤、緑、青の電子ビームがずれるミスコンバージョンスを補正することができるようにした。
図3は従来の補助コイルが設けられた偏向コイルを示す正面図である。図3に示すように、前記偏向コイル20は、セパレイターのネック側の端部に密着するネック部21、前記セパレイターのスクリーン側の端部に密着するスクリーン部22、及び前記スクリーン部22とネック部21とを連結するボディ部23からなる主コイルと、前記主コイルの中央に位置し、前記ネック部21側に両端が連結されて閉鎖された形状に巻線される補助コイル24とから構成されている。
前記補助コイル24は逆「U」字状を有し、前記主コイルと直列に連結されるように巻線されている。
このように構成された偏向コイル20に一定の電圧を印加すると、その印加された電圧の一部が補助コイル24に印加されることにより一定の磁界が形成され、補助コイル24がない際に発生するピン(pin)磁界がバレル(barrel)磁界に変換されるので、ミスコンバージョンスが補正される。
また、ブラウン管用偏向ヨークの主コイルが設置された部分に適用して主磁界による逆起電力を発生させないことにより、偏向ヨークの主コイルによる特性を簡単に補完することができた。
ところが、このように補助コイル24が巻線された偏向コイル20は、補助コイル24の両端が主コイルに連結されて閉鎖された形状を有する独立構造になっているが、補助コイル24の上部エッジ部分の付加的な固定構造がないため、コイルを巻線した後偏向コイルに組み立てる前までの工程を経る間、前記補助コイル24に変形が発生して特性に影響を及ぼす場合があった。
すなわち、前記補助コイル24は、その両端が前記主コイルに連結されているだけで、上部が主コイルに固定されておらず、補助コイル24の形状及び位置が不安定であって最初の巻線状態が保たれないで製品の変形が発生する場合が時々あった。
このように補助コイル24が変形されると、偏向コイルの特性に悪い影響を及ぼすという問題点があった。
従って、従来は、図4に示すように、組立工程で補助コイル24にテープ25を付着させて補助コイル24を固定させる方法を使用した。
ところが、テープ25を用いて補助コイル24を固定させる方法は、テープ25の着脱作業を行わなければならないので、作業が煩わしく工数が多くかかるという問題点があった。
また、テープ25による資材費が追加されるという欠点があった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、補助コイルが巻線された偏向コイルにおける最初の巻線状態を維持し、製品の変形を最小化して組立散布を減らすことが可能な偏向コイルを提供することにある。
本発明の他の目的は、局部的な巻線構造を制御して画面特性を制御し、品質を向上させる偏向コイルを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、テープの着脱という追加工程を省くことにより、工程の損失を減らし且つ資材を節減することが可能な偏向コイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、スクリーン部、ネック部、及びスクリーン部とネック部とを連結するボディ部からなる主コイルと、前記主コイルによる特性を補完するために前記主コイルに巻線される補助コイルと、前記補助コイルの遊動を防止するように前記補助コイルと主コイルとを連結するブリッジとから構成される、偏向ヨークの偏向コイルを提供する。
また、上記目的を達成するために、本発明は、スクリーン部、ネック部、及びスクリーン部とネック部とを連結するボディ部からなる主コイルと、前記主コイルの中央に位置し、前記ネック部側に両端が連結されて閉鎖された形状に巻線される補助コイルと、前記補助コイルの遊動を防止するように前記補助コイルの閉鎖端部と主コイルとを連結するブリッジとから構成される、偏向ヨークの偏向コイルを提供する。
前記補助コイルは、両端が主コイルに連結された逆「U」字状であり、前記補助コイルの上部エッジに前記ブリッジが巻線される。
また、前記ブリッジは、前記補助コイルの両側に左右対称に形成され、100°〜180°の角度に形成される。
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る偏向ヨークの偏向コイルの一実施例を添付図に基づいて詳細に説明する。
本発明の偏向コイルは、図5に示すように、セパレイターのネック側の端部に密着するネック部31、前記セパレータのスクリーン側の端部に密着するスクリーン部32、及び前記スクリーン部32とネック部31とを連結するボディ部33からなる主コイルと、前記主コイルによる特性を補完するために前記主コイルに巻線される補助コイル34とからなり、前記補助コイル34の遊動を防止するように前記補助コイル34と主コイルとを連結するブリッジ35が形成されている。
前記補助コイル34は、前記主コイルの中央に位置し、前記ネック部31側に両端が連結されて閉鎖された形状に巻線されている。
前記補助コイル34は、両端が主コイルに連結された逆「U」字状を有し、前記主コイルと直列に連結され、偏向コイルに一定の電圧が印加されると、印加された電圧の一部が補助コイル34に印加されて一定の磁界が形成される。これにより、補助コイル34がない際に発生するピン磁界がバレル磁界に変換されるので、ミスコンバージョンスを補正することができる。
本発明の偏向コイルは、前記補助コイル34の遊動を防止するためのブリッジ35が形成されているが、前記ブリッジ35は補助コイル34の両側に左右対称に形成されるもので、補助コイル34の上部両側に形成される。
すなわち、本発明の偏向コイルは、両端が主コイルに連結されて閉鎖された形状を有する独立構造の補助コイル34の上部エッジ部分に、主コイルに連結されるブリッジ35が巻線されている。
従って、前記ブリッジ35が補助コイル34を主コイルに連結させて補助コイル34の遊動を防止し、補助コイル35を固定させることができる。
このため、このようにブリッジ35を備えた本発明の偏向コイルは、コイルを巻線した後偏向ヨークに組み立てる前までの工程を経る間、前記補助コイル34が前記ブリッジ35によって支持されるので、補助コイル34の遊動を防止し、組立工程の際に補助コイル34に変形が発生することを防止することができる。
このように補助コイル34の変形を防止することは、幾つかの効果をもたらす。
1)補助コイル34の変形により偏向ヨークの特性に悪い影響を及ぼすことを防止することができる。
2)これにより、補助コイル34の変形を防止して偏向ヨークの特性を改善し、偏向ヨークが設置されるCRTの品質を向上させることができる。
3)補助コイル34が巻線された偏向コイルにおける最初の巻線状態を維持し、製品の変形を最小化することにより、組立散布を減らすことができるという効果がある。
4)偏向ヨークの組立の際に作業者の作業が容易であるうえ、組立にかかる時間も節減することができるという効果がある。
一方、前記ブリッジ35の形成角度(α)、すなわち前記主コイルと補助コイル34の上部エッジとの連結により形成される角度(α)は100°〜180°とすることが好ましい。
さらに好ましくは、図5に示すように、前記ブリッジ35の形成角度(α)を120°〜135°とする。このように前記ブリッジ35の形成角度(α)を120°〜135°とすることは、本発明の好適な一実施例で提示したものに過ぎず、本発明でこれを数値的に限定するのではない。
このような本発明の偏向コイルは、前記ブリッジ35によって独立に構成された補助コイル34が主コイルの中央部における局部的なマグネチックポテンシャル(magnetic potential)を制御して、図6に示すように、全体画面における上下中間部A、B及びその他の影響の範囲内に位置した局部的な画面特性を制御することができる。
また、本発明の偏向コイルは、前記ブリッジ35が補助コイル34の遊動を防止するので、従来の技術による組立工程で補助コイル34に付着させたテープ25を省くことができる。
従って、テープ25を補助コイル34に着脱する作業が不要なので、作業者の作業が容易で、工数が減少するという利点がある。
また、テープ25を省略するので、資材費が節減されるという利点がある。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、独立に構成された補助コイルの上部両端に、主コイルと連結させるブリッジを巻線することにより、補助コイルの変形による組立散布を最小化することができる。
すなわち、偏向コイルの局部的な構造を安定に維持及び支持することができるため、散布を改善することができるという効果がある。
また、補助コイルの遊動を防止して最初の巻線状態を維持し、製品の変形を最小化することにより、補助コイルが主コイルの中央部における局部的なマグネチックポテンシャルを制御して、全体画面における上下中間部及びその他の影響の範囲内に位置した局部的な画面特性を制御することができ、これによる製品の品質を改善することができるという効果がある。
また、既存の製品工程で使用したテープを省くことにより、テープの着脱段階が略されて作業者の作業が容易になり、従来の技術に比べて工数が減るという効果がある。
従って、テープによる追加工程を略して工程の損失を改善し、テープによる資材の追加を無くすことにより、資材を節減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のCRTの一例の構成を概略的に示す側面図である。
【図2】従来の偏向ヨークを示す正面図である。
【図3】従来の補助コイルが設けられた偏向コイルを示す正面図である。
【図4】従来の補助コイルにテープを貼り付けた偏向ヨークを示す正面図である。
【図5】本発明に係る偏向コイルを示す正面図である。
【図6】一般的なスクリーンを示す正面図である。
【符号の説明】
31 ネック部
32 スクリーン部
33 ボディ部
34 補助コイル
35 ブリッジ

Claims (7)

  1. スクリーン部、ネック部、及びスクリーン部とネック部とを連結するボディ部からなる主コイルと、
    前記主コイルによる特性を補完するために前記主コイルに巻線される補助コイルと、
    前記補助コイルの遊動を防止するように前記補助コイルと主コイルとを連結するブリッジとから構成されることを特徴とする偏向ヨークの偏向コイル。
  2. 前記ブリッジは前記補助コイルの両側に左右対称に形成されることを特徴とする請求項1記載の偏向ヨークの偏向コイル。
  3. 前記ブリッジは100°〜180°の角度に形成されることを特徴とする請求項2記載の偏向ヨークの偏向コイル。
  4. スクリーン部、ネック部、及びスクリーン部とネック部とを連結するボディ部からなる主コイルと、
    前記主コイルの中央に位置し、前記ネック部側に両端が連結されて閉鎖された形状に巻線される補助コイルと、
    前記補助コイルの遊動を防止するように前記補助コイルの閉鎖端部と主コイルとを連結するブリッジとから構成されることを特徴とする偏向ヨークの偏向コイル。
  5. 前記補助コイルは、両端が主コイルに連結された逆「U」字状であり、前記補助コイルの上部エッジに前記ブリッジが巻線されることを特徴とする請求項4記載の偏向ヨークの偏向コイル。
  6. 前記ブリッジは前記補助コイルの両側に左右対称に形成されることを特徴とする請求項5記載の偏向ヨークの偏向コイル。
  7. 前記ブリッジは100°〜180°の角度に形成されることを特徴とする請求項6記載の偏向ヨークの偏向コイル。
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