JP2004278722A - ボールねじ - Google Patents

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JP2004278722A
JP2004278722A JP2003072923A JP2003072923A JP2004278722A JP 2004278722 A JP2004278722 A JP 2004278722A JP 2003072923 A JP2003072923 A JP 2003072923A JP 2003072923 A JP2003072923 A JP 2003072923A JP 2004278722 A JP2004278722 A JP 2004278722A
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JP2003072923A
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Yasushi Shibata
靖史 柴田
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】潤滑に寄与していないグリースを効果的に必要部分に戻すことができて、潤滑効果の向上とグリース給脂量の低減が図れるボールねじを提供する。
【解決手段】ねじ軸1の外周面とナット2の内周面とにそれぞれねじ溝4,5が設けられ、ねじ軸1およびナット2の対向するねじ溝4,5間に複数のボール3を介在させてボールねじが構成される。対向するねじ溝4,5間にグリースGを封入してボールねじの潤滑を行う。ねじ軸1は、隣合うねじ溝各周部間を繋げる円筒面状のランド部6に、ナット内周面に干渉しない高さの突起8を有するものとする。突起8はナット2に設けても良い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、グリース潤滑で使用されるボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじは、回転運動を直線運動に変換する高効率な装置として、工作機のテーブル送りや搬送装置に使用され、また油圧シリンダー等の置換手段として、電動射出成形機の射出軸や型締め軸等にも使用されている。ボールねじは、一般的に油やグリース等で潤滑して使用するが、適正な潤滑を施さないと、ボールねじ駆動トルクの増大や異常発熱が発生し、ボールねじの早期損傷につながる。
一般的に、安定した動トルク特性やボールねじの発熱を抑える必要がある場合には、潤滑方法として油潤滑が用いられる。一方、高負荷・高面圧下での過酷な運転条件や、油膜の形成が困難な揺動運転下でボールねじを使用する場合、また位置決め精度を要しない搬送関係に使用する場合には、潤滑方法として、油の保持性が高いグリース潤滑が用いられるている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
グリース潤滑では、通常、グリースはねじ軸とナット間に封入される。この場合に、グリースの初期封入時には、ボールがねじ軸およびナットの転走面を公転することにより、封入グリースが攪拌されるため、ある程度の量のグリースが潤滑に寄与する。
しかし、その後、ナット内の大半のグリースは、ねじ軸とナット間にある空間部分に排出され、ボールか、またはねじ軸やナットの転走面に付着しているグリースが、ボールねじの潤滑に寄与するだけとなる。そのため、ごく一部のグリースだけがボールねじの潤滑に寄与する状態となる。
また、転走面にあるグリースが劣化すると、潤滑不良による動トルクの増大や異常発熱が発生するため、その潤滑不良に対する予防策として、必要以上に給脂間隔を短くしたり、給脂量を多くする等の処置を講じていた。このため、ボールねじの運転コストが高くなっていた。
【0004】
この発明の目的は、潤滑に寄与していないグリースを効果的に必要部分に戻すことができて、長期にわたる潤滑の安定とグリース給脂量の低減が図れるボールねじを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明のボールねじは、ねじ軸の外周面とナットの内周面とにそれぞれねじ溝が設けられ、上記ねじ軸およびナットの対向するねじ溝間に複数のボールを介在させ、上記対向するねじ溝間にグリースを封入して潤滑を行うようにしたボールねじにおいて、上記ねじ軸が、隣合うねじ溝各周部間を繋げる円筒面状のランド部に、ナット内周面に干渉しない高さの突起を有することを特徴とする。
この構成によると、回転によりナットのランド部に沿ってねじ軸の突起が移動し、ナットランド部に付着したグリースをなぞることから、ナットランド部のグリースがねじ溝に掃き出される。このねじ溝内面からなる転走面をボールが通過することで、掃き出されたグリースが潤滑に寄与することができる。このように潤滑に寄与していないグリースが必要部分に戻され、潤滑に使用されるため、長期にわたりボールねじの潤滑を安定させることができる。これにより、グリースの給脂量を減らし、また給脂間隔を延ばすことができ、ボールねじにかかる運転コストを抑えることができる。
【0006】
上記突起は、ねじ軸に設ける代わりに、ナットに設けても良い。すなわち、ナットが、隣合うねじ溝各周部間を繋げる円筒面状のランド部に、ねじ軸外周面に干渉しない高さの突起を有するものであっても良い。
この場合、ねじ軸のランド部に付着したグリースがねじ溝に掃き出され、潤滑に寄与する。
【0007】
上記突起は1つであっても良いが、上記ランド部の周方向に離れた複数箇所に設けても良い。複数箇所に上記突起を設けた場合は、ナットのランド部からのグリース掃き出し効果が大きくなり、潤滑効果がより向上する。
上記突起は、上記ランド部に設けられた取付孔に基端を圧入した丸ピン状の部材からなるものであっても良い。このような突起とすることにより、ねじ軸へ上記突起を容易に設けることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。このボールねじは、ねじ軸1の外周面とナット2の内周面に、螺旋状のねじ溝4,5を設け、これら径方向に互いに対向するねじ溝4,5の間に複数のボール3を介在させ、対向するねじ溝4,5間にグリースGを封入して潤滑を行うものである。このボールねじにおいて、ねじ軸1が、そのランド部6に突起8を有するものとしている。突起8は、先端がナット内周面に干渉しない高さとする。ねじ軸1のランド部6は、ねじ軸1の外周面のうち、ねじ溝4の隣合う各周部間を繋げる円筒面状の部分のことである。突起8は、図2に示すように、上記ランド部6の1箇所に設けただけでも良く、また複数箇所に設けても良い。複数箇所に設ける場合、ランド部6の周方向に離して設ける。突起8は、上記ランド部6に設けられた取付孔9に、基端を圧入した丸ピン状の部材からなる。このような構成の突起8とすることにより、ねじ軸1へ突起8を容易に設けることができる。ナット2の内周面の両端には、ねじ軸1のねじ溝4に摺接するシール10,11が設けられ、これによってねじ軸1の外周面とナット2の内周面との間の空間にグリースGが封入される。
【0009】
図1に示すように、ナット2には、ねじ軸1とナット2のねじ溝4,5間に介在したボール3を、これらねじ溝4,5間から取り出して循環させる循環路12が設けられている。循環路12は、各種の形式のものが採用できるが、図示の例では、リターンチューブと呼ばれる循環部品13で構成されている。この循環部品13は、ナット2のねじ溝5に両端が連通して、ボール3を循環させる無端経路を構成するものである。なお、リターンチューブを設ける代わりに、循環部品13として両端にエンドプレート(図示せず)を設けてナット2のねじ溝5の全体を1本の無端経路としたものであっても良い。
【0010】
上記構成の作用を説明する。ナット2内には、初期封入時に、潤滑に十分なだけのグリースGが封入される。この封入されたグリースGは、当初はねじ軸1とナット2のねじ溝4,5間に入り、ボール転走に十分な潤滑をもたらす。しかし、特に、短いストロークで使用されるときは、同じ箇所で繰り返しボール3を駆動することになるので、ねじ溝4,5以外のランド部6,7となる軸外径部やナット内径部に付着し、潤滑に寄与しないことになる。ねじ溝4,5の内面にも少量のグリースGが残るが、常にボール3とねじ溝4,5の間で荷重を受けているため、このままでは、その劣化も早まる。
【0011】
しかし、この実施形態では、ねじ軸1のランド部6に突起8を設けたため、ナット2の内周面がねじ軸1における上記突起8を通過するときに、図3(A)のようにナット2のランド部7に付着したグリースGを、ねじ軸1の回転につれてそのランド部6に設けた突起8がなぞることになるので、図3(B)のようにナットランド部7のグリースGがねじ溝4,5に掃き出される。このねじ溝4,5の内面からなる転走面をボール3が通過することで、掃き出されたグリースGは潤滑に寄与することができる。突起8の設置は1箇所でも良いが、複数箇所に設けておけば、グリース掃き出し効果が大きい。
このように、ナット2内にある潤滑に寄与していないグリースGを潤滑に使用することができるため、長期にわたり、ボールねじの潤滑を安定させることができる。そのため、グリースGの給脂量を減らし、またグリースGの給脂間隔を延ばすことができて、ボールねじにかかる運転コストを抑えることができる。
【0012】
なお、上記実施形態では、突起8をねじ軸1に設けたが、図4に示すように、突起8をナット2に設けても良い。すなわち、ナット2が、ねじ軸外周面に干渉しない高さの突起8をランド部7に有するものであっても良い。
この場合、ねじ軸1のランド部に6に付着したグリースGがねじ溝4,5に掃き出され、循環に利用される。
【0013】
【発明の効果】
この発明のボールねじは、ねじ軸またはナットがランド部に突起を有するものとしたため、潤滑に寄与していないグリースを効果的に必要部分に戻すことができて、潤滑効果の向上とグリース給脂量の低減が図れ、長期にわたりボールねじの潤滑を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかるボールねじの断面図である。
【図2】同ボールねじの部分拡大斜視図である。
【図3】同ボールねじのグリース掃き出し動作を示す説明図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかるボールねじの部分断面図である。
【符号の説明】
1…ねじ軸
2…ナット
3…ボール
4,5…ねじ溝
6…ねじ軸ランド部
8…突起
9…取付孔
G…グリース

Claims (4)

  1. ねじ軸の外周面とナットの内周面とにそれぞれねじ溝が設けられ、上記ねじ軸およびナットの対向するねじ溝間に複数のボールを介在させ、上記対向するねじ溝間にグリースを封入して潤滑を行うようにしたボールねじにおいて、上記ねじ軸が、隣合うねじ溝各周部間を繋げる円筒面状のランド部に、ナット内周面に干渉しない高さの突起を有することを特徴とするボールねじ。
  2. ねじ軸の外周面とナットの内周面とにそれぞれねじ溝が設けられ、上記ねじ軸およびナットの対向するねじ溝間に複数のボールを介在させ、上記対向するねじ溝間にグリースを封入して潤滑を行うようにしたボールねじにおいて、上記ナットが、隣合うねじ溝各周部間を繋げる円筒面状のランド部に、ねじ軸外周面に干渉しない高さの突起を有することを特徴とするボールねじ。
  3. 請求項1または2において、上記突起が上記ランド部の周方向に離れた複数箇所に設けられているボールねじ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、上記突起が、上記ランド部に設けられた取付孔に基端を圧入した丸ピン状の部材からなるボールねじ。
JP2003072923A 2003-03-18 2003-03-18 ボールねじ Pending JP2004278722A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012037062A (ja) * 2011-11-25 2012-02-23 Nsk Ltd 直動ねじ装置

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