JP2002540354A - 往復動用途のための長寿命の回転ボールベアリング及びその潤滑方法 - Google Patents

往復動用途のための長寿命の回転ボールベアリング及びその潤滑方法

Info

Publication number
JP2002540354A
JP2002540354A JP2000606912A JP2000606912A JP2002540354A JP 2002540354 A JP2002540354 A JP 2002540354A JP 2000606912 A JP2000606912 A JP 2000606912A JP 2000606912 A JP2000606912 A JP 2000606912A JP 2002540354 A JP2002540354 A JP 2002540354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
lubricant
ball
bearing
track
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000606912A
Other languages
English (en)
Inventor
ブラウン,デイビッド,シー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Scanning Inc
Original Assignee
General Scanning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/274,402 external-priority patent/US6196725B1/en
Application filed by General Scanning Inc filed Critical General Scanning Inc
Publication of JP2002540354A publication Critical patent/JP2002540354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/6659Details of supply of the liquid to the bearing, e.g. passages or nozzles
    • F16C33/6674Details of supply of the liquid to the bearing, e.g. passages or nozzles related to the amount supplied, e.g. gaps to restrict flow of the liquid
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/54Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction
    • F16C19/55Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction with intermediate floating or independently-driven rings rotating at reduced speed or with other differential ball or roller bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6603Special parts or details in view of lubrication with grease as lubricant
    • F16C33/6607Retaining the grease in or near the bearing
    • F16C33/6614Retaining the grease in or near the bearing in recesses or cavities provided in retainers, races or rolling elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/6659Details of supply of the liquid to the bearing, e.g. passages or nozzles
    • F16C33/667Details of supply of the liquid to the bearing, e.g. passages or nozzles related to conditioning, e.g. cooling, filtering
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/6681Details of distribution or circulation inside the bearing, e.g. grooves on the cage or passages in the rolling elements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)
  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 回転ベアリング(20)は、互いに同心で半径方向に隔置された内側、中間、及び外側リングを備え、該リングの対向面が内側及び外側ボールトラックを画定する。内側ボールアレイ(28)は内側トラック(26a)に沿って回転し、外側ボールアレイ(28)は外側トラック(22a)に沿って回転し、該リング(22,24,26)間には粘性潤滑剤がある。内側リング(24)及び外側リング(22)が互いに角度方向に往復動し中間リング(26)が回転軸を中心として所定方向に断続的に移動して、ボール(28)が回転軸を中心として再循環して、潤滑剤をトラック(26a,22a)に沿って再分配する。好適実施例では、内側及び外側リング(24,22)の相対的な角度方向の行程が定期的に所定の最大角を越えて増大され、潤滑剤をラチェット機構として利用して中間リング(26)の進行を生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転ボールベアリングに関し、特にシャフト又はその類の往復動す
る回転動作を容易にするために使用されるベアリング、及びかかるベアリングに
潤滑剤を分配し又は補充する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、往復動する回転シャフト又はその類のための回転ボールベアリングは
、2つのリング、すなわち、シャフトに取り付けられた内リングと、静止支持体
又はハウジングに取り付けられた外リングとを用いて構成される。該2つのリン
グは、対向するレースを画定し、環状をなす複数ボールのアレイにより隔置され
る。これらのリングが相対的に回転すると、該リング内のレースに沿ってボール
が回転することになる。回転摩擦を低減させるため、及びベアリング部品の消耗
を最小限にするために、ベアリングは通常は、オイル又はグリスといった粘性を
有する潤滑剤で潤滑され、かかる潤滑剤がボールとレース壁面との間を満たす。
ベアリングの各部品間の内部的な隙間を多少なりとも無くすようにベアリングに
軸方向の事前負荷が加えられる場合には、ボールは、ベアリングの通常の動作中
にレース内で無理に「スキッド」させられる。換言すれば、ボールとレースとの
間の初期の関係が固定される。このため、一方のベアリングリングが、他方のベ
アリングリングに対して小さな角度だけ前後に回転して往復動する場合には、ベ
アリングの各ボールは、各リングのレースの限られた部分にわたり回転し、該ベ
アリングが使用されている限り該レースの同一の小さな領域での回転に拘束され
ることになる。
【0003】 かかるベアリングを有する往復動する回転シャフトは、ビームの走査又は操向
用途で使用されるミラーを移動させるために使用されることが多い。かかる用途
としては、シリコンその他の半導体材料の成形(profiling)、マーキング(markin
g)、カッティング、穴あけ、及びトリミングいった作業を実行するようレーザビ
ームを送出する電子機器の製造及び修復動作、半導体上の薄膜又は厚膜のトリミ
ング・ナッド・カッティング、プリント回路基板のバイアホールの穴あけ、及び
プリント回路基板上のはんだペースト及び部品配置の調査、赤外線ビーム走査等
が挙げられる。
【0004】 図3は、検流計等の往復動装置で使用される可能性のある従来の回転ベアリン
グを示している。該ベアリングは、内リング2及びそれと同軸の外リング4とを備
えており、該2つのリングはボール6により半径方向に隔置され、該ボール6は、
該2つのリングの対向する表面により画定されるレース内を回転する。これらの
レースの断面は、円筒形状(より多くは長円形の湾曲)を有しており、このため
、ボールの半径方向内側及び外側の極(pole)がレースの底部に接触する場合にス
トレスが最も高くなる。潤滑剤6は、ベアリング部品の消耗を最小限にするため
にリング間に常に供給される。典型的な用途、例えば検流計用のシャフトベアリ
ングでは、内リング2は、外リング4に対して、軸Aを中心として小さな角度θ(
例えば0〜15°)だけ角度方向に往復動される。ボール6がレースの同一の小さ
な区域に沿って回転するため、たった数分間の動作の後、該往復動ボールベアリ
ング内に存在する潤滑剤がボールとレースとの間の高圧領域(主にレースの底部
と接触するボールの極(pole))外へと押しやられてしまう。ベアリングリング2
のたった数回の角度θ(例えば8°)の往復動の後、各ボールのレースに沿った
行程の両端に、潤滑剤の小さな「丘」8が形成される。ベアリングリング2,4が相
対的に回転する角度θが常に同じであるため、ボールの極とレースの底部との間
におけるベアリングの潤滑剤を必要とする高圧領域へ該潤滑剤の丘8を戻す機構
は存在しない。その結果として、かかる領域が過度に消耗することになる。
【0005】 ここで、ベアリングリング2,4が、特定の理由により大きな角度θ(例えば10
°)だけ相対回転させられる場合には、上述のようにして堆積される潤滑剤の丘
8は、該ベアリングを瞬間的に回転させるのに必要となるトルクを増大させるも
のとなる。勿論、ベアリングリング2の新たな角度方向の行程が確立されると、
元の潤滑剤の丘8が消滅し、該新たな行程の両端でレース上に新たな潤滑剤の丘
が再形成されることになる。このプロセスは、様々な異なる往復動用途で使用さ
れるベアリングにおいて潤滑剤の全寿命にわたり絶えず行われ、これに気づく者
もいない。しかし、最終的にはベアリングボールに許容される行程の両端に過度
の潤滑剤が「駐留」し、その後に該潤滑剤が日々のベアリング動作に大きな影響
を与えることはない。しかし、上述のように、潤滑剤を最も必要とするベアリン
グの高圧領域には潤滑剤は存在しない。その結果として、かかる部位で過度の消
耗が発生し、このためベアリングの耐用寿命が比較的短くなる。実際に、上述の
潤滑剤の駐留現象は、往復動する殆どのベアリングのベアリング不具合の主たる
原因となっている。これは、一方のベアリングリングが他方のベアリングリング
に対して完全に周回することができない限り、前記過度の潤滑剤は事実上、潤滑
剤補充プロセスの対象とならないからである。これが、多くの故障したベアリン
グの内部に十分な潤滑剤が残っているように見える理由である。実際に潤滑剤は
存在するが、該潤滑剤を最も必要としているベアリングの高圧領域で該潤滑剤を
利用することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、往復動用途のための長寿命のボールベアリングを提
供することにある。
【0007】 本発明の別の目的は、検流計の往復動するシャフトのための改善されたボール
ベアリングを提供することにある。
【0008】 本発明の別の目的は、改善された消耗特性を有するかかるタイプのベアリング
を提供することにある。
【0009】 本発明の別の目的は、往復動用途で使用される回転ボールベアリングの寿命を
長くする方法を提供することにある。
【0010】 本発明の別目的は、回転シャフトベアリング内で潤滑剤の再分配を行う方法を
提供することにある。
【0011】 本発明の他の目的は、部分的には上記から自明であり、それ以外の部分につい
ては以下で説明することとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、以下の詳細な説明で例示する、複数のステップ及び該
ステップのうちの1つ又は2つ以上の他のステップとの関係、並びに複数の要素
の機能、特徴、及び関係を処理する手段から構成されるものであり、その範囲は
特許請求の範囲に示すものとする。
【0013】 端的に言うと、本発明による回転ベアリングは、少なくとも3つの半径方向に
隔置された同心リングを備え、該同心リングが、互いに隣接する前記リング間に
配設された複数のボールからなる少なくとも2つの環状アレイにより隔置される
ものとなる。該リングの対向面がレースを形成し、各アレイをなすボールは、該
リングにより画定される前記レースに沿って該ボールが回転することを可能にす
るケージにより隔離される。典型的には、内側アレイのボールは、外側アレイの
ボールよりも少数で一層小さなものとなり、レースの断面は、各種用途に応じて
様々な形状を有することが可能である。何れにせよ、中間にあるリングは内側の
ボールアレイに対して外側リングとして作用し、外側のボールアレイに対しては
内側リングとして作用する。
【0014】 このため、それらのリング及びボールの関係はもはや固定されたものではなく
なる。これは、該中間リングが、内側リング及び外側リングとは無関係に、両方
のボールアレイ上で回転することができるからである。これは、内側リングと外
側リングとが互いに対して相対的に往復動しかしない場合であっても、各ボール
がそれらのレース又はトラックの周囲を周回移動することを可能にするものとな
る、ということが理解されよう。換言すれば、内側リング及び外側リングが相対
的に固定される場合に、中間リングは、依然としてベアリングの軸を中心として
自由に回転することができ、これにより、各アレイ中のボールが、内側リングと
外側リングとの間の角度的な関係にかかわらず、それぞれのレースに沿って回転
することが可能となる。
【0015】 各ボールアレイが、それに対応する一対の隣接するリングにより画定されるト
ラックの周囲全体に沿って回転することができる限り、該トラックを画定するレ
ースに沿って潤滑剤の丘が形成されることはなくなる、ということが上記から理
解されよう。これは、再循環する(recirculating)ボールアレイが常に潤滑剤を
レースに沿って、特に、最も潤滑剤を必要とするレースの底部に沿って、再分配
又は補充することになるからであり、これによりベアリングの消耗が最小限とな
る。
【0016】 よって、本発明の重要な側面は、ベアリングの使用時に中間リングが回転する
ことを確実にすることである。これは、機械的手段により(例えば外部的な手段
を使用して中間リングを定期的に係合及び回転させることにより)達成すること
が可能である。しかし、内側リング及び外側リングが通常の角度的な行程を越え
て相対的に往復動する際に中間リング上のベアリング潤滑剤により生成される「
ラチェット効果(ratcheting effect)」を利用することにより、最も好適に達成
される。その結果として、ベアリング潤滑剤がベアリングレースの全体にわたり
再循環されることになり、ストレスが最大となるレース底部に潤滑剤が常に存在
するようになり、これによりベアリングの期待される寿命において大幅に長くな
る、ということが理解されよう。
【0017】
【発明の実施の形態】
ここで図1を参照する。同図は、シャフト12を回転可能な状態で支持する全体
的に円筒形状を有するハウジング10を備えた検流計を示している。該シャフトの
一端は、ハウジングから突出して小さなミラー16を支持する。該シャフトの反対
側の端部は、ハウジング内に取り付けられた電気モータ18のアーマチュアに接続
される。該シャフト12は、本発明に従って作成された少なくとも1つの回転ボー
ルベアリング20によりハウジング内に回転可能な状態で支持され、該シャフトを
モータ18によりハウジングに対して回転させることができるようになっている。
少なくとも1つの別の同様のベアリングを、シャフト12に沿って配設することが
可能である。
【0018】 従来の検流計の場合のように、モータ18は、制御回路22からの信号により制御
され、これにより角度θ(例えば0°から15°まで変更することが可能なもの)
だけシャフト12を角度方向に往復動させるようになっている。このため、ミラー
16が光ビームLによって照明されると、旋回する(nutating)ミラー16によって該
光ビームが反射されて図示のように角度2θだけ掃引されることになる。かかる
検流計又は他の往復動用途で使用される従来の回転ボールベアリングは、既述の
欠点を有するものとなる。これを回避するために、各ベアリング20は図2に示す
構成を有している。
【0019】 図2に示すように、ベアリング20は、ハウジング10内に着座させるための外側
リング22(図示のようにフランジを付けても付けなくても良い)、シャフト14の
周囲に係合させるための内側リング24、及び該外側リングと内側リングとの間に
配置される中間リング26を備えており、それらリングの全ては軸Aと同心となる
。中間リング26は、2つの部品からなるものとして図示したが、単一の部品から
構成することも可能である。外側リング22及び中間リング24は、複数のボール28
の環状アレイにより離間される。該ボール28は、外側リング22の半径方向内側の
表面上のレース22aと中間リング26の半径方向外側の表面上のレース26aとに沿っ
て回転する。該2つのレース22a,26aは、ボール28のための周回トラックを画定
し、該ボール28は、従来と同様のケージ32により該トラックに沿って互いに隔置
される。
【0020】 内側リング24及び中間リング26は、複数のボール34からなる第2のアレイによ
り隔置される。該ボール34は、内側リング24の半径方向外側の表面上のレース24
aと中間リング26の半径方向内側の表面上のレース26bとに沿って回転する。該ボ
ール34は、一般的なケージ36により所定位置に保持される。オイル又はグリスと
いった一般的な粘性を有する潤滑剤が、図2の符号38で示すように、上記複数の
リング間の空間内に存在する。
【0021】 モータ18がシャフト12及びミラー16を角度θだけ往復動させると、内側リング
24が同角度だけ往復動し、ハウジング10に固定された外側リング22は静止状態を
維持する。
【0022】 該ベアリング20等の3リング式ベアリングでは、内側アレイをなすボール34は
、外側アレイをなすボール28よりも小さくてその数もより少ない。したがって、
内側アレイにおけるボール34の数が一層少数であると共に該ボールの運動半径が
一層小さい結果として、該ベアリングは通常は、内側リング24と中間リング26と
の間において一層低い動作トルクを呈するものとなる。その結果として、シャフ
ト12は、内側リング24を角度θだけ往復動させる傾向を有することになり、一方
、中間リング26は静止したままとなる。このため、各ボール34は、図4に矢印B
で示すような短い距離だけ、リング24,26間でトラックに沿って前後方向に回転
することになる。よって、図3に関連して上述したように、各ボールの行程経路
の両端でレース内に潤滑剤の丘が形成され得る。しかし、シャフト12を定期的に
図4に示す通常の角度θを越えて角度増分Δθだけ(すなわちθ+Δθだけ)回
転させるようにモータ18が制御回路22により制御される場合には、潤滑剤の丘に
ボール34が接触することで生じるトルクによって、内側リング24及び中間リング
26による動作トルクが中間リング26及び外側リング22による動作トルクを瞬間的
に上回ることになる、その結果として、図4に矢印Cで示すように、中間リング
26が静止状態の外側リング22に対して回転することになる。
【0023】 モータ18が元の角度θでのシャフト12の往復動を再開すると即座に、内側リン
グ24が再び中間リング26に対して回転することになり、該中間リング26は外側リ
ング22に対して再び静止状態となる。しかし、上述のように中間リング26が瞬間
的に回転するため、ボール34は、それが当初に回転していたレース24a,26b上の
区画とは異なる区画に沿って回転することになる。
【0024】 これと同じことがボール28の外側アレイについても言える。換言すれば、図4
の矢印Cで示す上述の中間リング26の回転に起因して、ボール28は、シャフト12
が角度増分Δθで回転する前に該ボール28が回転していたレース22a,26a内の行
程経路とは僅かに異なる行程経路に沿って回転することになる。レース22a,26a
上に当初形成された駐留した潤滑剤38の潤滑剤丘は全て、ボール28と該潤滑剤38
の丘とが接触する結果として、該ボール28の回転によって平坦にされ、及び該潤
滑剤38が前記レースに沿って新たな回転領域へと運ばれることになる。
【0025】 したがって、シャフト12の通常の(最大通常行程15°を越えてもよい)往復運
動に該シャフトの僅かに大きな角度行程を割り込ませるプロセスを繰り返すこと
により、最終的に中間リング26が軸Aを中心として一回転することになる、とい
うことが上記より理解されよう。その結果として、ボール28,34が、それぞれの
レース内で再循環することになり、これにより、検流計が動作している限り、潤
滑剤38の再分配がレースに沿って行われる。このため、ボールと凹部との間の低
圧領域内に蓄積する潤滑剤は、ボールの極とレースの底部との境界に位置する動
作中の高圧領域から押しやられた潤滑剤の膜を常に補充するものとなる。
【0026】 上述のように動作する場合に、各ベアリングボールがその環状トラックの周り
を完全に一周することを可能にする角度よりも小さな角度にわたりシャフトを回
転させる検流計その他の装置で使用される場合における少なくとも3つのリング
を有するベアリングは、従来の2リング式ベアリングと比較して平均寿命が長い
ものとなる。2リング式ベアリングを採用し、外側リングに対する内側リングの
最大回転が30°(典型的には15°未満)である従来の検流計の場合、本発明に従
って動作する3リング式ベアリングへの交換により得られる平均寿命の増大は、
3倍程度になるであろう。
【0027】 したがって、前述の目的(特に上記説明から明らかとなるもの)が効果的に達
成されることが理解されよう。また、上記の方法及び構成を実施するにあたり、
それらに対し本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を加えることが可能
である。例えば、図2に示すように、中間リング26の一方の端部をリング歯車と
して形成し、これを、ステップモータ42により回転される平歯車40により断続的
に回転させることが可能である。また、ベアリングは4つ以上のリングを備える
ことが可能である。したがって、上記で説明し又は図示した全ての事項は本発明
の例示であって制限的な意味を有するものではない、ということが意図されてい
る。
【0028】 また、特許請求の範囲は、本書で説明した本発明の全般的な又は特定の特徴の
全てをカバーすることを意図したものである、ということも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って作成されたベアリングを組み込んだ検流計を示す斜視図である
【図2】 図1のベアリングの断面図である。
【図3】 従来のベアリングの動作を示す説明図である。
【図4】 図2のベアリングの動作を示す図3と類似した説明図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月16日(2000.10.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 往復動用途のための長寿命の回転ボールベアリング及びその潤
滑方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、回転ボールベアリングに関し、特にシャフト又はその類の往復動す
る回転動作を容易にするために使用されるベアリング、及びかかるベアリングに
潤滑剤を分配し又は補充する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 一般に、往復動する回転シャフト又はその類のための回転ボールベアリングは
、2つのリング、すなわち、シャフトに取り付けられた内リングと、静止支持体
又はハウジングに取り付けられた外リングとを用いて構成される。該2つのリン
グは、対向するレースを画定し、環状をなす複数ボールのアレイにより隔置され
る。これらのリングが相対的に回転すると、該リング内のレースに沿ってボール
が回転することになる。回転摩擦を低減させるため、及びベアリング部品の消耗
を最小限にするために、ベアリングは通常は、オイル又はグリスといった粘性を
有する潤滑剤で潤滑され、かかる潤滑剤がボールとレース壁面との間を満たす。
ベアリングの各部品間の内部的な隙間を多少なりとも無くすようにベアリングに
軸方向の事前負荷が加えられる場合には、ボールは、ベアリングの通常の動作中
にレース内で無理に「スキッド」させられる。換言すれば、ボールとレースとの
間の初期の関係が固定される。このため、一方のベアリングリングが、他方のベ
アリングリングに対して小さな角度だけ前後に回転して往復動する場合には、ベ
アリングの各ボールは、各リングのレースの限られた部分にわたり回転し、該ベ
アリングが使用されている限り該レースの同一の小さな領域での回転に拘束され
ることになる。
【0003】 かかるベアリングを有する往復動する回転シャフトは、ビームの走査又は操向
用途で使用されるミラーを移動させるために使用されることが多い。かかる用途
としては、シリコンその他の半導体材料の成形(profiling)、マーキング(markin
g)、カッティング、穴あけ、及びトリミングいった作業を実行するようレーザビ
ームを送出する電子機器の製造及び修復動作、半導体上の薄膜又は厚膜のトリミ
ング及びカッティング、プリント回路基板のバイアホールの穴あけ、プリント回
路基板上のはんだペースト及び部品配置の調査、及び赤外線ビーム走査等が挙げ
られる。
【0004】 図3は、検流計等の往復動装置で使用される可能性のある従来の回転ベアリン
グを示している。該ベアリングは、内リング2及びそれと同軸の外リング4とを備
えており、該2つのリングはボール6により半径方向に隔置され、該ボール6は、
該2つのリングの対向する表面により画定されるレース内を回転する。これらの
レースの断面は、円筒形状(より多くは長円形の湾曲)を有しており、このため
、ボールの半径方向内側及び外側の極(pole)がレースの底部に接触する場合にス
トレスが最も高くなる。潤滑剤は、ベアリング部品の消耗を最小限にするために
リング間に常に供給される。典型的な用途、例えば検流計用のシャフトベアリン
グでは、内リング2は、外リング4に対して、軸Aを中心として小さな角度θ(例
えば0〜15°)だけ角度方向に往復動される。ボール6がレースの同一の小さな
区域に沿って回転するため、たった数分間の動作の後、該往復動ボールベアリン
グ内に存在する潤滑剤がボールとレースとの間の高圧領域(主にレースの底部と
接触するボールの極(pole))外へと押しやられてしまう。ベアリングリング2の
たった数回の角度θ(例えば8°)の往復動の後、各ボールのレースに沿った行
程の両端に、潤滑剤の小さな「丘」8が形成される。ベアリングリング2,4が相対
的に回転する角度θが常に同じであるため、ボールの極とレースの底部との間に
おけるベアリングの潤滑剤を必要とする高圧領域へ該潤滑剤の丘8を戻す機構は
存在しない。その結果として、かかる領域が過度に消耗することになる。
【0005】 ここで、ベアリングリング2,4が、特定の理由により大きな角度θ(例えば10
°)だけ相対回転させられる場合には、上述のようにして堆積される潤滑剤の丘
8は、該ベアリングを瞬間的に回転させるのに必要となるトルクを増大させるも
のとなる。勿論、ベアリングリング2の新たな角度方向の行程が確立されると、
元の潤滑剤の丘8が消滅し、該新たな行程の両端でレース上に新たな潤滑剤の丘
が再形成されることになる。このプロセスは、様々な異なる往復動用途で使用さ
れるベアリングにおいて潤滑剤の全寿命にわたり絶えず行われ、これに気づく者
もいない。しかし、最終的にはベアリングボールに許容される行程の両端に過度
の潤滑剤が「駐留」し、その後に該潤滑剤が日々のベアリング動作に大きな影響
を与えることはない。しかし、上述のように、潤滑剤を最も必要とするベアリン
グの高圧領域には潤滑剤は存在しない。その結果として、かかる部位で過度の消
耗が発生し、このためベアリングの耐用寿命が比較的短くなる。実際に、上述の
潤滑剤の駐留現象は、往復動する殆どのベアリングのベアリング不具合の主たる
原因となっている。これは、一方のベアリングリングが他方のベアリングリング
に対して完全に周回することができない限り、前記過度の潤滑剤は事実上、潤滑
剤補充プロセスの対象とならないからである。これが、多くの故障したベアリン
グの内部に十分な潤滑剤が残っているように見える理由である。実際に潤滑剤は
存在するが、該潤滑剤を最も必要としているベアリングの高圧領域で該潤滑剤を
利用することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 従って、本発明の目的は、往復動用途のための長寿命のボールベアリングを提
供することにある。
【0007】 本発明の別の目的は、検流計の往復動するシャフトのための改善されたボール
ベアリングを提供することにある。
【0008】 本発明の別の目的は、改善された消耗特性を有するかかるタイプのベアリング
を提供することにある。
【0009】 本発明の別の目的は、往復動用途で使用される回転ボールベアリングの寿命を
長くする方法を提供することにある。
【0010】 本発明の別目的は、回転シャフトベアリング内で潤滑剤の再分配を行う方法を
提供することにある。
【0011】 本発明の他の目的は、部分的には上記から自明であり、それ以外の部分につい
ては以下で説明することとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】 したがって、本発明は、以下の詳細な説明で例示する、複数のステップ及び該
ステップのうちの1つ又は2つ以上の他のステップとの関係、並びに複数の要素
の機能、特徴、及び関係を処理する手段から構成されるものであり、その範囲は
特許請求の範囲に示すものとする。
【0013】 端的に言うと、本発明による回転ベアリングは、少なくとも3つの半径方向に
隔置された同心リングを備え、該同心リングが、互いに隣接する前記リング間に
配設された複数のボールからなる少なくとも2つの環状アレイにより隔置される
ものとなる。該リングの対向面がレースを形成し、各アレイをなすボールは、該
リングにより画定される前記レースに沿って該ボールが回転することを可能にす
るケージにより隔離される。典型的には、内側アレイのボールは、外側アレイの
ボールよりも少数で一層小さなものとなり、レースの断面は、各種用途に応じて
様々な形状を有することが可能である。何れにせよ、中間にあるリングは内側の
ボールアレイに対して外側リングとして作用し、外側のボールアレイに対しては
内側リングとして作用する。
【0014】 このため、それらのリング及びボールの関係はもはや固定されたものではなく
なる。これは、該中間リングが、内側リング及び外側リングとは無関係に、両方
のボールアレイ上で回転することができるからである。これは、内側リングと外
側リングとが互いに対して相対的に往復動しかしない場合であっても、各ボール
がそれらのレース又はトラックの周囲を周回移動することを可能にするものとな
る、ということが理解されよう。換言すれば、内側リング及び外側リングが相対
的に固定される場合に、中間リングは、依然としてベアリングの軸を中心として
自由に回転することができ、これにより、各アレイ中のボールが、内側リングと
外側リングとの間の角度的な関係にかかわらず、それぞれのレースに沿って回転
することが可能となる。
【0015】 各ボールアレイが、それに対応する一対の隣接するリングにより画定されるト
ラックの周囲全体に沿って回転することができる限り、該トラックを画定するレ
ースに沿って潤滑剤の丘が形成されることはなくなる、ということが上記から理
解されよう。これは、再循環する(recirculating)ボールアレイが常に潤滑剤を
レースに沿って、特に、最も潤滑剤を必要とするレースの底部に沿って、再分配
又は補充することになるからであり、これによりベアリングの消耗が最小限とな
る。
【0016】 よって、本発明の重要な側面は、ベアリングの使用時に中間リングが回転する
ことを確実にすることである。これは、機械的手段により(例えば外部的な手段
を使用して中間リングを定期的に係合及び回転させることにより)達成すること
が可能である。しかし、内側リング及び外側リングが通常の角度的な行程を越え
て相対的に往復動する際に中間リング上のベアリング潤滑剤により生成される「
ラチェット効果(ratcheting effect)」を利用することにより、最も好適に達成
される。その結果として、ベアリング潤滑剤がベアリングレースの全体にわたり
再循環されることになり、ストレスが最大となるレース底部に潤滑剤が常に存在
するようになり、これによりベアリングの期待される寿命が大幅に長くなる、と
いうことが理解されよう。
【0017】
【発明の実施の形態】 ここで図1を参照する。同図は、シャフト12を回転可能な状態で支持する全体
的に円筒形状を有するハウジング10を備えた検流計を示している。該シャフトの
一端は、ハウジングから突出して小さなミラー16を支持する。該シャフトの反対
側の端部は、ハウジング内に取り付けられた電気モータ18のアーマチュアに接続
される。該シャフト12は、本発明に従って作成された少なくとも1つの回転ボー
ルベアリング20によりハウジング内に回転可能な状態で支持され、該シャフトを
モータ18によりハウジングに対して回転させることができるようになっている。
少なくとも1つの別の同様のベアリング(図示せず)を、シャフト12に沿って配
設することが可能である。
【0018】 従来の検流計の場合のように、モータ18は、制御回路22からの信号により制御
され、これにより角度θ(例えば0°から15°まで変更することが可能なもの)
だけシャフト12を角度方向に往復動させるようになっている。このため、ミラー
16が光ビームLによって照明されると、旋回する(nutating)ミラー16によって該
光ビームが反射されて図示のように角度2θだけ掃引されることになる。かかる
検流計又は他の往復動用途で使用される従来の回転ボールベアリングは、既述の
欠点を有するものとなる。これを回避するために、各ベアリング20は図2に示す
構成を有している。
【0019】 図2に示すように、ベアリング20は、ハウジング10(図1)内に着座させるた
めの外側リング22(図示のようにフランジを付けても付けなくても良い)、シャ
フト12の周囲に係合させるための内側リング24、及び該外側リングと内側リング
との間に配置される中間リング26を備えており、それらリングの全ては軸Aと同
心となる。中間リング26は、2つの部品からなるものとして図示したが、単一の
部品から構成することも可能である。外側リング22及び中間リング24は、複数の
ボール28の環状アレイにより離間される。該ボール28は、外側リング22の半径方
向内側の表面上のレース22aと中間リング26の半径方向外側の表面上のレース26a
とに沿って回転する。該2つのレース22a,26aは、ボール28のための周回トラッ
クを画定し、該ボール28は、従来と同様のケージ32により該トラックに沿って互
いに隔置される。
【0020】 内側リング24及び中間リング26は、複数のボール34からなる第2のアレイによ
り隔置される。該ボール34は、内側リング24の半径方向外側の表面上のレース24
aと中間リング26の半径方向内側の表面上のレース26bとに沿って回転する。該ボ
ール34は、一般的なケージ36により所定位置に保持される。オイル又はグリスと
いった一般的な粘性を有する潤滑剤が、図2の符号38で示すように、上記複数の
リング間の空間内に存在する。
【0021】 モータ18がシャフト12及びミラー16を角度θだけ往復動させると、内側リング
24が同角度だけ往復動し、ハウジング10に固定された外側リング22は静止状態を
維持する。
【0022】 該ベアリング20等の3リング式ベアリングでは、内側アレイをなすボール34は
、外側アレイをなすボール28よりも小さくてその数もより少ない。したがって、
内側アレイにおけるボール34の数が一層少数であると共に該ボールの運動半径が
一層小さい結果として、該ベアリングは通常は、内側リング24と中間リング26と
の間において一層低い動作トルクを呈するものとなる。その結果として、シャフ
ト12は、内側リング24を角度θだけ往復動させる傾向を有することになり、一方
、中間リング26は静止したままとなる。このため、各ボール34は、図4に矢印B
で示すような短い距離だけ、リング24,26間でトラックに沿って前後方向に回転
することになる。よって、図3に関連して上述したように、各ボールの行程経路
の両端でレース内に潤滑剤の丘が形成され得る。しかし、シャフト12を定期的に
図4に示す通常の角度θを越えて角度増分Δθだけ(すなわちθ+Δθだけ)回
転させるようにモータ18(図1)が制御回路22により制御される場合には、潤滑
剤の丘にボール34が接触することで生じるトルクによって、内側リング24及び中
間リング26による動作トルクが中間リング26及び外側リング22による動作トルク
を瞬間的に上回ることになる、その結果として、図4に矢印Cで示すように、中
間リング26が静止状態の外側リング22に対して回転することになる。
【0023】 モータ18が元の角度θでのシャフト12の往復動を再開すると即座に、内側リン
グ24が再び中間リング26に対して回転することになり、該中間リング26は外側リ
ング22に対して再び静止状態となる。しかし、上述のように中間リング26が瞬間
的に回転するため、ボール34は、それが当初に回転していたレース24a,26b上の
区画とは異なる区画に沿って回転することになる。
【0024】 これと同じことがボール28の外側アレイについても言える。換言すれば、図4
の矢印Cで示す上述の中間リング26の回転に起因して、ボール28は、シャフト12
が角度増分Δθで回転する前に該ボール28が回転していたレース22a,26a内の行
程経路とは僅かに異なる行程経路に沿って回転することになる。レース22a,26a
上に当初形成された駐留した潤滑剤38の丘は全て、ボール28と該潤滑剤38の丘と
が接触する結果として、該ボール28の回転によって平坦にされ、及び該潤滑剤38
が前記レースに沿って新たな回転領域へと運ばれることになる。
【0025】 したがって、シャフト12の通常の最大行程の往復運動に、該シャフトの僅かに
大きな角度行程を割り込ませるプロセスを繰り返すことにより、最終的に中間リ
ング26が軸Aを中心として一回転することになる、ということが上記より理解さ
れよう。その結果として、ボール28,34が、それぞれのレース内で再循環するこ
とになり、これにより、検流計が動作している限り、潤滑剤38の再分配がレース
に沿って行われる。このため、ボールとレースとの間の低圧領域内に蓄積する潤
滑剤は、ボールの極とレースの底部との境界に位置する動作中の高圧領域から押
しやられた潤滑剤の膜を常に補充するものとなる。
【0026】 上述のように動作する場合に、各ベアリングボールがその環状トラックの周り
を完全に一周することを可能にする角度よりも小さな角度にわたりシャフトを回
転させる検流計その他の装置で使用される場合における少なくとも3つのリング
を有するベアリングは、従来の2リング式ベアリングと比較して平均寿命が長い
ものとなる。2リング式ベアリングを採用し、外側リングに対する内側リングの
最大回転が30°(典型的には15°未満)である従来の検流計の場合、本発明に従
って動作する3リング式ベアリングへの交換により得られる平均寿命の増大は、
3倍程度になるであろう。
【0027】 したがって、前述の目的(特に上記説明から明らかとなるもの)が効果的に達
成されることが理解されよう。また、上記の方法及び構成を実施するにあたり、
それらに対し本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を加えることが可能
である。例えば、図2に示すように、中間リング26の一方の端部をリング歯車と
して形成し、これを、ステップモータ42により回転される平歯車40により断続的
に回転させることが可能である。また、ベアリングは4つ以上のリングを備える
ことが可能である。したがって、上記で説明し又は図示した全ての事項は本発明
の例示であって制限的な意味を有するものではない、ということが意図されてい
る。
【0028】 また、特許請求の範囲は、本書で説明した本発明の全般的な又は特定の特徴の
全てをカバーすることを意図したものである、ということも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って作成されたベアリングを組み込んだ検流計を示す斜視図である
【図2】 図1のベアリングの断面図である。
【図3】 従来のベアリングの動作を示す説明図である。
【図4】 図2のベアリングの動作を示す図3と類似した説明図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月30日(2001.3.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CN,JP,K R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の内側リングと、 該内側リングから半径方向に隔置された環状の中間リングと、 該中間リングから半径方向に隔置された環状の外側リングとを備えており、該
    全てのリングが共通の軸に対して同軸となっており、前記内側リング及び前記中
    間リングが、環状の第1のボールトラックを画定する互いに対向する表面を有し
    ており、前記中間リング及び前記外側リングが、環状の第2のボールトラックを
    画定する互いに対向する表面を有しており、更に、 前記第1のトラックに受容された複数のボールからなる第1のアレイと、 前記第2のトラックに受容された複数のボールからなる第2のアレイと、 それらトラック内の粘性を有する潤滑剤と、 前記内側リング及び前記外側リングを相対的に所定の最大角までの角度範囲で
    角度方向に往復動させる往復動手段と、 前記相対的な角度方向の往復動を断続的に前記最大角を越えて増大させるよう
    前記往復動手段を制御する制御手段であって、前記第1及び第2のアレイを前記
    第1及び第2のトラックに沿って所定の方向にそれぞれ進行させて、前記ボール
    が前記軸を中心として再循環して前記潤滑剤を前記トラックに沿って再分配する
    ようにする、制御手段と を備えている、回転ベアリング。
  2. 【請求項2】 互いに同心の内側リング、中間リング、及び外側リングを有するタイプの回転
    ベアリングの動作方法であって、該リングが、複数のボールからなる環状の内側
    アレイ及び外側アレイにより互いに隔置されており、該ボールが、前記リングに
    より画定されるトラックに沿って回転し及び粘性を有する潤滑剤により潤滑され
    たものであり、該方法が、 前記内側リング及び前記外側リングを1つの軸を中心として相対的に角度方向
    に所定の最大角までの角度範囲で往復動させ、 前記中間リングを前記軸を中心として所定の方向に進行させるよう前記最大角
    を越えて前記内側リング及び前記外側リングの相対的な角度の行程を増大させる
    ように前記角度方向の往復動を断続的に制御して、前記ボールが前記トラック内
    を再循環して前記潤滑剤を該トラックに沿って再分配するようにする、 という各ステップを有する、回転ベアリングの動作方法。
  3. 【請求項3】 互いに同心の内側リング、中間リング、及び外側リングを有するタイプの回転
    ベアリングであって、該リングが、複数のボールからなる環状の内側アレイ及び
    外側アレイにより互いに隔置されており、該ボールが、前記リングにより画定さ
    れるトラックに沿って回転し及び粘性を有する潤滑剤で潤滑されたものである、
    回転ベアリングにおいて、 前記内側リング及び前記外側リングを1つの軸を中心として角度方向に所定の
    最大角まで相対的に往復動させる手段と、 前記内側リング及び前記外側リングの相対的な角度方向の往復動を定期的に変
    更して、前記軸を中心とした前記中間リングの単一方向の運動を前記潤滑剤を介
    して生じさせ、前記ボールが前記軸を中心として循環して前記潤滑剤を前記トラ
    ックに沿って再分配するようにする手段と を配設した、回転ベアリング。
  4. 【請求項4】 互いに同心の内側リング、中間リング、及び外側リングを有するタイプの回転
    ベアリングの動作方法であって、該リングが、複数のボールからなる環状の内側
    アレイ及び外側アレイにより互いに隔置されており、該ボールが、前記リングに
    より画定されるトラックに沿って回転し及び粘性を有する潤滑剤により潤滑され
    たものであり、該方法が、 前記内側リング及び前記外側リングを1つの軸を中心として相対的に角度方向
    に往復動させ、 前記内側リング及び前記外側リングの相対的な角度方向の往復運動を定期的に
    変更して、前記軸を中心とした前記中間リングの単一方向の運動を前記潤滑剤を
    介して生じさせ、前記ボールが前記軸を中心として再循環して前記潤滑剤を前記
    トラックに沿って再分配するようにする、 という各ステップを有する、回転ベアリングの動作方法。
JP2000606912A 1999-03-23 1999-11-19 往復動用途のための長寿命の回転ボールベアリング及びその潤滑方法 Pending JP2002540354A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/274,402 US6196725B1 (en) 1999-03-23 1999-03-23 Long-lived rotary ball bearing for reciprocating applications and method of lubricating same
US09/274,402 1999-03-23
US34275599A 1999-06-29 1999-06-29
US09/342,755 1999-06-29
PCT/US1999/027601 WO2000057071A1 (en) 1999-03-23 1999-11-19 Long-lived rotary ball bearing for reciprocating applications and method of lubricating same

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002540354A true JP2002540354A (ja) 2002-11-26

Family

ID=26956783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000606912A Pending JP2002540354A (ja) 1999-03-23 1999-11-19 往復動用途のための長寿命の回転ボールベアリング及びその潤滑方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6302588B1 (ja)
EP (1) EP1163456B1 (ja)
JP (1) JP2002540354A (ja)
KR (1) KR20020006687A (ja)
CN (1) CN1102707C (ja)
AT (1) ATE237755T1 (ja)
DE (1) DE69907034T2 (ja)
WO (1) WO2000057071A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011151876A1 (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 三菱重工業株式会社 風力発電装置の転がり軸受および風力発電装置

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10051985A1 (de) 2000-10-20 2002-05-02 Ina Schaeffler Kg Lüfterkupplung
US6712515B2 (en) * 2002-01-02 2004-03-30 Intel Corporation Redundant ball bearing
DE102004035587A1 (de) * 2004-07-22 2006-02-09 Ina-Schaeffler Kg Mehrringlager
JP2006179104A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv 磁気ディスク装置
DE102007013826A1 (de) * 2007-03-22 2008-09-25 Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg Axiallager mit einem radial inneren und einem radial äußeren Wälzlager
EP2372146B1 (en) * 2010-03-29 2012-12-05 Vestas Wind Systems A/S A wind turbine and a pitch bearing for a wind turbine
CN108843760A (zh) * 2012-05-25 2018-11-20 詹尼斯高级技术有限公司 变速装置
RU2520844C1 (ru) * 2013-03-05 2014-06-27 Дмитрий Алексеевич Викторов Трёхъярусный самоустанавливающийся радиальный подшипник качения с отверстиями
US8780479B1 (en) 2013-05-17 2014-07-15 Western Digital Technologies, Inc. Disk drive executing jerk seeks to rotate pivot ball bearings relative to races
CN103362951B (zh) * 2013-08-09 2016-06-22 戴瑞炎 一种双层轴承
CN104595353A (zh) * 2013-10-31 2015-05-06 武汉蜀泰科技有限公司 一种新型滚动轴承
JP5788468B2 (ja) * 2013-11-28 2015-09-30 ファナック株式会社 駆動部品の摩耗を抑える機能を有するワイヤ放電加工機
DE102016118360A1 (de) 2016-09-28 2018-03-29 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Axiallageranordnung
CN108999886A (zh) * 2018-08-24 2018-12-14 苏州卓诚钛设备有限公司 一种组合式轴承

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1574470A (en) * 1923-08-03 1926-02-23 Safety Car Heating & Lighting Bearing construction
FR706196A (fr) * 1930-02-12 1931-06-19 J Carpentier Atel Perfectionnements aux roulements
US2647807A (en) * 1951-06-30 1953-08-04 Standard Oil Co Nonfretting antifriction bearing
CH479001A (de) * 1967-07-12 1969-09-30 Industriezweiginstitut Gummi U Lagerstelle mit geringem, zeitlich konstantem Reibmoment und hoher Lebensdauer für Lagerungen mit Pendelbewegung
US3597029A (en) * 1969-08-18 1971-08-03 Elias M Marcum Planetary bearing assembly
DE1965117A1 (de) * 1969-12-27 1971-07-08 Demag Ag Drehlager

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011151876A1 (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 三菱重工業株式会社 風力発電装置の転がり軸受および風力発電装置
US8348598B2 (en) 2010-05-31 2013-01-08 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Wind turbine generator and rolling bearing for wind turbine generator
JP5222364B2 (ja) * 2010-05-31 2013-06-26 三菱重工業株式会社 風力発電装置の転がり軸受および風力発電装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69907034D1 (de) 2003-05-22
US6302588B1 (en) 2001-10-16
WO2000057071A1 (en) 2000-09-28
CN1102707C (zh) 2003-03-05
EP1163456B1 (en) 2003-04-16
CN1350620A (zh) 2002-05-22
DE69907034T2 (de) 2003-12-18
EP1163456A1 (en) 2001-12-19
ATE237755T1 (de) 2003-05-15
KR20020006687A (ko) 2002-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002540354A (ja) 往復動用途のための長寿命の回転ボールベアリング及びその潤滑方法
JPH1026133A (ja) 軸受装置
US6196725B1 (en) Long-lived rotary ball bearing for reciprocating applications and method of lubricating same
US5830103A (en) Toroidal type continuously variable transmission
JP2008196589A (ja) 遊星減速機用自動調心ころ軸受
US5265334A (en) Device for manufacturing a groove bearing, and method of manufacturing a groove bearing by means of the device
US6431755B1 (en) Drive train for use with a kneader apparatus
JP2880378B2 (ja) 搬送位置決め装置
JP2017508928A (ja) 滑り軸受を潤滑化するためのシステム及び方法
CN112443645B (zh) 马达组件
JP2000120707A (ja) 転がり軸受
KR0141865B1 (ko) 헤드드럼 조립체
CA1142986A (en) Bearing arrangement for oscillating shafts
JPH0628394U (ja) ピン歯車減速機
GB2080888A (en) Bearing assembly
JP3905347B2 (ja) ボールねじ装置
JP2002039187A (ja) 転がり軸受用保持器
JPH10252746A (ja) 通電式玉軸受
JP2005069871A (ja) 旋回テーブル装置
US10955007B2 (en) Bearing retaining mechanism
JP2502648Y2 (ja) 旋回軸受
KR20010107170A (ko) 볼 스플라인
JPS6014042Y2 (ja) 高速送り用ネジ装置
JP2002266883A (ja) アンギュラ玉軸受及び組合せアンギュラ玉軸受
JP3106503B2 (ja) ボールねじ装置