JP2004278568A - 制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法 - Google Patents

制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転側フランジ13に結合したロータ2の外径寄り部分両側面の振れを抑えて、制動時に於けるジャダー防止を図る。
【解決手段】回転側フランジ13の片側面にロータ2の内径寄り部分を重ね合わせた状態で、この内径寄り部分に設けた複数の第二の通孔48にスタッド9の中間部を挿通する。次いで、これら各スタッド9の先端寄り部分で、上記ロータ2の内径寄り部分外側面から突出した部分に、ロータ固定用ナット49を結合する事により、この内径寄り部分及び上記回転側フランジ13のうちの互いに重ね合わせた部分に、軸方向両側から互いに等しい大きさの荷重を軸方向に加える。この状態で、ハブ8aを回転させつつ、上記ロータ2の外径寄り部分両側面に旋削加工を施し、この両側面を所定の形状及び寸法に仕上げる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロータ或はドラム等の制動用回転体を支持固定した状態で、懸架装置に対し車輪を回転自在に支持する車輪用軸受ユニット、及び、この様な車輪用軸受ユニットの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を構成するホイール1及び制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2は、例えば図6に示す様な構造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支承している。即ち、このナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、車輪用軸受ユニット5を構成する、静止輪である外輪6を、複数本のボルト7により固定している。一方、この車輪用軸受ユニット5を構成するハブ8に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット10とにより結合固定している。
【0003】
上記外輪6の静止側周面である内周面には、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には固定側フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この固定側フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対し固定している。
【0004】
これに対して、上記ハブ8の外周面の一部で、上記外輪6の外端開口(軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で幅方向外側となる部分を言い、各図の左側。反対に、自動車への組み付け状態で幅方向中央側となる、各図の右側を、軸方向に関する内と言う。)から突出した部分には、回転側フランジ13を形成している。上記ホイール1及びロータ2はこの回転側フランジ13の片側面(図示の例では外側面)に、上記各スタッド9とナット10とにより、結合固定している。又、上記ハブ8の中間部外周面で、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する部分には、回転側軌道である内輪軌道14aを形成している。更に、上記ハブ8の内端部外周面に形成した小径段部15に、上記ハブ8と共に回転部材である回転部材23を構成する、内輪16を外嵌固定している。そして、この内輪16の外周面に形成した回転側軌道である内輪軌道14bを、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向させている。尚、上記ハブ8及び内輪16の外周面が、請求項に記載した回転側周面に相当する。
【0005】
上記各外輪軌道11a、11bと各内輪軌道14a、14bとの間には、それぞれが転動体である玉17、17を複数個ずつ、それぞれ保持器18、18により保持した状態で転動自在に設けている。この構成により、背面組み合わせである複列アンギュラ型の玉軸受を構成し、上記外輪6の内側に上記回転部材23を、回転自在に、且つ、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在に支持している。尚、上記外輪6の両端部内周面と、上記ハブ8の中間部外周面及び上記内輪16の内端部外周面との間には、それぞれシールリング19a、19bを設けて、上記各玉17、17を設けた内部空間36と外部とを遮断している。更に、図示の例は、駆動輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)を支持する為の車輪用軸受ユニット5である為、上記ハブ8の中心部に、スプライン孔20を形成している。そして、使用時には、このスプライン孔20に、等速ジョイント21のスプライン軸22を挿入する。又、上記ハブ8の外周面に設けた回転側フランジ13の外側面にロータ2の内径寄り部分を結合支持して、制動用回転体付車輪用軸受ユニットとしている。又、この制動用回転体付車輪用軸受ユニットの使用時には、上記等速ジョイント21のスプライン軸22を上記スプライン孔20に挿通すると共に、この等速ジョイント22を構成するハウジング62の外側面を上記内輪16の内端面に突き当てた状態で、上記スプライン軸22の先端部で上記ハブ8の外端面から突出した部分にナット63を螺合し、緊締する。そして、この構成により、上記内輪16がこのハブ8に対し軸方向にずれ動く事を防止する。
【0006】
上述の様な制動用回転体付車輪用軸受ユニットの使用時には、図6に示す様に、外輪6をナックル3に固定すると共に、ハブ8の回転側フランジ13に、図示しないタイヤを組み合わせたホイール1を、ロータ2に重ね合わせる状態で固定する。又、このロータ2と、上記ナックル3に固定した、図示しないサポート及びキャリパとを組み合わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制動時には、上記ロータ2を挟んで設けた1対のパッドを、このロータ2の制動用摩擦面である両側面に押し付ける。尚、本明細書中で制動用摩擦面とは、制動用回転体がロータである場合には、このロータの軸方向両側面を言い、制動用回転体がドラムである場合には、このドラムの内周面を言う。
【0007】
一方、自動車の制動時にしばしば、ジャダーと呼ばれる、不快な騒音を伴う振動が発生する事が知られている。この様な振動の原因としては、ロータ2の側面とパッドのライニングとの摩擦状態の不均一等、各種の原因が知られているが、上記ロータ2の振れも、大きな原因となる事が知られている。即ち、このロータ2の側面はこのロータ2の回転中心に対して、本来直角となるべきものであるが、不可避な製造誤差等により、完全に直角にする事は難しい。この結果、自動車の走行時に上記ロータ2の側面は、多少とは言え、回転軸方向(図6の左右方向)に振れる事が避けられない。この様な振れ(図6の左右方向への変位量)が大きくなると、制動の為に1対のパッドのライニングを上記ロータ2の両側面に押し付けた場合に、上記ジャダーが発生する。又、上記回転側フランジ13の側面にドラムブレーキを構成するドラムを固定した場合に、このドラムの内周面がドラムの回転中心に対して完全に平行でなければ、シューをこの内周面に押し付けた場合に、やはりジャダーの如き振動が発生する。
【0008】
この様な原因で発生するジャダーを抑える為には、上記ロータ2の側面の軸方向の振れ(アキシアル振れ)、又はドラムの内周面の径方向の振れを抑える(向上させる)事が重要となる。例えば、特許文献1〜4には、上記ロータ2等の制動用回転体の制動用摩擦面の振れを抑える事を考慮した制動用回転体付車輪用軸受ユニットが記載されている。このうちの特許文献1に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、図7に示す様に、ハブ8の回転側フランジ13に結合支持したロータ2の制動用摩擦面を所定の形状及び寸法に加工する場合に、先ず、車輪用軸受ユニット5の各構成部材を組み立てると共に、上記回転側フランジ13の外側面に上記ロータ2の内径寄り部分を結合支持する。次いで、このロータ2の内径寄り部分外側面に抑え板26を重ね合わせた状態で、上記ハブ8に設けたスプライン孔20に支柱部材27を挿通し、この支柱部材27の先端部に設けた雄ねじ部28にナット29を螺合し、更に緊締する。そして、このナット29により、座金74の片側面外径寄り部分を、上記抑え板26の外側面の内径寄り部分に突き当てる。又、上記支柱部材27の頭部30と上記ハブ8の中間部外周面に設けた段差面73との間で、内輪16と、皿ばね31、31とを挟持する。この構成により上記ロータ2が上記ハブ8に固定される。次いで、外輪6の内端部を旋削加工装置32の静止側チャック33により、上記抑え板26の外半部外周面をこの旋削加工装置32の回転側チャック34により、それぞれ掴む。そしてこの状態で、この回転側チャック34を回転させつつ、前記回転側フランジ13の外側面に結合支持したロータ2の制動用摩擦面である、外径寄り部分両側面に精密加工バイト35、35を突き当てて、この両側面を所定の形状及び寸法に仕上げる。この様な仕上げ加工が終了したならば、上記支柱部材27とナット部材29と抑え板26とを制動用回転体付車輪用軸受ユニットから取り外す。この様にして造った特許文献1に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、各構成部材の製造上不可避な寸法誤差や組み付け誤差に拘らず、ハブ8の回転中心に対するロータ2の外径寄り部分両側面の直角度を向上させる事ができて、この両側面の振れを或る程度抑える事ができる。又、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に、特許文献2〜4が存在する。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5,915,502号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,899,305号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,158,124号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,937,499号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図7に示した特許文献1に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、ロータ2の制動用摩擦面の振れを抑える為に、未だ改良の余地がある。即ち、上記特許文献1に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、ロータ2の外径寄り部分両側面に旋削加工を施す場合に、支柱部材27に螺合したナット部材29から、座金74及び抑え板26を介して、ロータ2及び回転側フランジ13の内周縁部に、軸方向内側に向いた力が加わっている。この為、上記旋削加工時に、これら回転側フランジ13及びロータ2が、それぞれの中心軸に対し直交する仮想平面に対し傾斜する様に弾性変形した状態になる。この状態でこのロータ2の外径寄り部分両側面に、精密加工バイト35、35の先端を移動させつつ、この両側面を所定の形状及び寸法に(例えば振れ精度を10μm以内に抑える様に)精度良く仕上げても、上記支柱部材27及びナット部材29を取り外した状態で、上記回転側フランジ13及びロータ2が弾性復帰する事により、このロータ2の外径寄り部分両側面がこのロータ2の回転中心軸に対し直角でなくなる。この為、使用時でのこの両側面の振れ精度が悪化する可能性がある。
【0011】
これに対して、特許文献2に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、ロータの両側面の旋削加工時に、抑え板の径方向中間部乃至外径寄り部分に、回転軸に結合固定した回転部材の先端面も突き当てている。この為、回転側フランジ及びロータの弾性変形量が更に大きくなり、上記振れ精度が更に悪化してしまう。又、特許文献3に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、回転軸に結合固定した回転部材の先端面を、ロータの内径寄り部分に重ね合わせた抑え板の外側面の内径寄り部分に突き当てている。この為、やはり特許文献1、2の場合と同様に、このロータの両側面の振れ精度が悪化してしまう。
【0012】
又、特許文献4に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、回転側フランジに固定されたスタッドを使用する事なく、この回転側フランジの一部に設けたねじ孔に螺合し更に緊締したビスの頭部をロータの外側面に押し付ける事のみにより、これら回転側フランジとロータとを結合している。この構造は、ビスの頭がロータの外側面から突出していない為、このビスを十分な締付けトルクで締め付ける事ができない。この為、これら回転側フランジとロータとの結合強度を十分に大きくする事ができず、加工時にこれら両部材の相対的な動きが発生して、このロータの両側面を精度良く仕上げる事が難しい。更に、特許文献4に記載された制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、ロータの両側面の加工時に、支柱部材にハブを固定する為に、この支柱部材をこのハブの中心部に設けた貫通孔に挿通しなければならない。この為、このハブの中心部に軸方向に貫通する貫通孔を形成していない、従動輪(FR車及びRR車の前輪、FF車の後輪)を支持する為の構造には適用できないと言った問題がある。又、上記加工時に、旋削加工装置を構成する回転軸からハブへの回転力の伝達を、上記回転側フランジに固定したスタッドのねじ部に、支柱部材に結合した円板状部材の一部を押圧しながら行なっている為、このねじ部が傷付けられると言った問題もある。
本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法は、この様な事情に鑑みて、ロータの制動用摩擦面の振れ精度の向上を図るべく発明したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法のうち、請求項1に記載した制動用回転体付車輪用軸受ユニットは、前述した従来の制動用回転体付車輪用軸受ユニットと同様に、静止輪と、回転部材と、複数個の玉と、制動用回転体とを備える。
そして、このうちの静止輪は、静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない。
又、上記回転部材は、回転側周面に回転側軌道を、外周面に回転側フランジを、それぞれ有し、使用時に回転する。
又、上記各玉は、上記静止側軌道と回転側軌道との間に設けられている。
又、上記制動用回転体は、上記回転側フランジの側面に結合支持された、制動時に摩擦材を押し付けられる制動用摩擦面を有する制動用回転体とを備える。
【0014】
特に、請求項1に記載した制動用回転体付車輪用軸受ユニットに於いては、上記制動用回転体の制動用摩擦面は、上記回転側フランジの側面にこの制動用回転体を結合支持すると共に、これら回転側フランジ及び制動用回転体のうちの互いに重ね合わせた部分に、この回転側フランジに圧入固定されたスタッドと固定用ナットとにより軸方向両側から互いに等しい大きさの荷重を軸方向に加えた状態で、上記静止輪に対し上記回転部材を回転させつつ、所定の形状及び寸法に加工されたものである。
【0015】
又、請求項2に記載した制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法は、上記請求項1に記載した車輪用軸受ユニットの製造方法であって、上記回転側フランジの側面に上記制動用回転体を結合支持すると共に、これら回転側フランジ及び制動用回転体のうちの互いに重ね合わせた部分に、この回転側フランジに圧入固定されたスタッドと固定用ナットとにより軸方向両側から互いに等しい大きさの荷重を軸方向に加えた状態で、上記静止輪に対し上記回転部材を回転させつつ、この制動用回転体の制動用摩擦面を所定の形状及び寸法に加工する。
又、好ましくは、請求項3に記載した制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法の様に、静止輪が外輪であり、回転部材が少なくともこの外輪の内側に配置したハブを備えたものであり、このハブの中心部に、軸方向に貫通する貫通孔が形成されていない制動用回転体付車輪用軸受ユニットを製造する。
【0016】
【作用】
上述の様に構成する本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法によれば、制動用回転体の制動用摩擦面を所定の形状及び寸法に仕上げる場合に、この制動用回転体及び回転側フランジが弾性変形した状態のまま、この制動用摩擦面に仕上げ加工が施される事を防止できる。従って、この仕上げ加工の終了後にこの制動用回転体が弾性復帰して上記制動用摩擦面がこの制動用回転体の回転中心に対し傾斜した状態になる事を防止できる。しかも、上記回転側フランジと制動用回転体とを十分な強度で結合した状態のまま、上記制動用摩擦面に仕上げ加工を施す事ができる。又、静止輪が外輪であり、回転部材が少なくともこの外輪の内側に配置したハブを備えたものであり、このハブの中心部に軸方向に貫通する貫通孔が形成されていない構造にも、上記制動用摩擦面に同様な状態で仕上げ加工を施す事ができる。この結果、この制動用摩擦面の振れ精度を向上できて、制動時に於けるジャダー防止を図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、制動用回転体に設けた制動用制動用摩擦面の振れ精度の向上を図るべく、この制動用摩擦面の加工時での、この制動用回転体と回転側フランジ13との結合状態を工夫した点にある。その他の構成及び作用は、前述の図6に示した従来構造とほぼ同様であるから、この同様部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分並びに前述の図6に示した従来構造と異なる部分を中心に説明する。
【0018】
本例の場合には、ハブ8aの内端寄り部分外周面に設けた小径段部15から、内輪16が抜け出るのを防止する為に、このハブ8aの内端部にかしめ部37を形成している。即ち、上記小径段部15にこの内輪16を外嵌した後、上記ハブ8aの内端部でこの内輪16の内端面から突出した部分に設けた円筒部38を径方向外側に塑性変形させて上記かしめ部37を形成し、このかしめ部37により上記内輪16の内端面を抑え付けている。この構成により、この内輪16は、上記ハブ8aの内端部に外嵌固定される。又、上記かしめ部37を形成する以前の状態で、上記小径段部15に上記内輪16を、締り嵌めにより外嵌固定する事により、各玉17、17に所定の予圧を付与している。
【0019】
又、本例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットは、自動車の従動輪を支持する為のものである為、上記ハブ8aには、等速ジョイントのスプライン軸を挿通する為のスプライン孔を形成していない。又、本例の場合には、上記ハブ8aの外端面中心部に設けた凹部39の内周面の円周方向複数個所に、後述する旋削加工装置32aの回転軸40の外周面に設けた複数の溝部41、41と係合する突部42、42を形成している。
【0020】
又、上記回転側フランジ13の外側面に制動用回転体である、ロータ2を結合固定する為に、この回転側フランジ13の円周方向複数個所に、仮止め用ねじ43を螺合する為のねじ孔44を形成している。又、上記ハブ8aの外端寄り部分外周面で、上記回転側フランジ13よりも軸方向外側に隣接する部分に設けた円筒部46に上記ロータ2の内径寄り部分を、隙間嵌めにより外嵌している。そして、上記回転側フランジ13の外側面にこのロータ2の内径寄り部分の内側面を重ね合わせると共に、このロータ2に設けた第一の通孔45に頭部を挿通させた仮止め用ねじ43の雄ねじ部を、上記回転側フランジ13のねじ孔44に螺合し、更に緊締している。又、本例の場合には、上記ロータ2の制動用摩擦面である外径寄り部分の両側面に、所定の状態で旋削加工を施して、これら両側面を所定の形状及び寸法に仕上げている。
【0021】
即ち、上記ロータ2の外径寄り部分両側面に旋削加工を施す場合、車輪用軸受ユニット5の各構成部材を、図1に示す状態に組み立てる。即ち、外輪6の内周面に設けた外輪軌道11a、11bと上記ハブ8a及び内輪16の外周面に設けた内輪軌道14a、14bとの間に複数の玉17、17を設けた状態で、上記外輪6とハブ8aと内輪16と各玉17、17とを組み立てる。又、これら外輪6の両端部内周面とハブ8aの中間部外周面及び内輪16の内端部外周面との間に、1対のシールリング19a、19bを設ける。次いで、上記回転側フランジ13に上記ロータ2の内径寄り部分を重ね合わせた状態で、この回転側フランジ13のねじ孔44に、このロータ2の第一の通孔45に挿通した上記仮止め用ねじ43を螺合し、更に緊締する。又、この回転側フランジ13に設けた各取付孔47にそれぞれの基端部を圧入固定した複数本のスタッド9の中間部を、上記ロータ2の内径寄り部分に設けた各第二の通孔48に挿通する。これと共に、これら各スタッド9の先端部でこのロータ2の外側面から突出した部分に、それぞれが請求項1、2に記載した固定用ナットである、ロータ固定用ナット49を結合する。そして、これら各スタッド9の頭部50と各ロータ固定用ナット49との間で、上記ロータ2の内径寄り部分と上記回転側フランジ13とを挟持する。この構成により、これらロータ2及び回転側フランジ13のうちの互いに重ね合わせた部分には、図1に矢印で示す様に、これら両部材2、13の軸方向両側から互いに等しい大きさの荷重が軸方向に加わった状態になる。尚、車輪用軸受ユニット5を自動車に取り付ける際には、回転側フランジ13に結合したスタッド9の中間部を、ロータ2に設けた第二の通孔48と、ホイール1(図6参照)に設けた通孔とに挿通した状態で、このスタッド9の雄ねじ部がこのホイール1の外側面から突出していれば、このスタッド9にナット10(図6参照)を結合して、上記回転側フランジ13に上記ロータ2及びホイール1を結合できる。この為、スタッド9の先半部でロータ2の外側面から突出する部分の基端部までには、雄ねじ部を設けない場合もある。この様な構造に本例を適用する場合には、上記ロータ2の外径寄り部分両側面の仕上げ加工時に、その軸方向寸法を通常の構造よりも大きくすると共に、ロータ2の外側面に対向させるその内端側に座ぐりを形成した、固定用ナットを使用する事により、上記スタッド9に螺合し、緊締したこの固定用ナットの片側面を、ロータ2の外側面に突き当てられる様にする。
【0022】
そしてこの状態で、ロータ2の外径寄り部分両側面に旋削加工を施すべき制動用回転体付車輪用軸受ユニットを、旋削加工装置32aに設置する。この場合には、上記外輪6の外周面で固定側フランジ12よりも軸方向内側に外れた部分を、上記旋削加工装置32aを構成するコレットチャック51の先端部により掴む。このコレットチャック51は、所謂引き型と呼ばれるもので、円筒部の先端面の円周方向複数個所に軸方向に突出した突部54、54を設けて成る。又、これら各突部54、54の外周面を、先端に向かう程直径が大きくなった円すい面の一部としている。そして、固定軸52の先端部に設けたテーパ孔53の内側に上記コレットチャック51を挿入した状態で、このコレットチャック51をこの固定軸52の基端側に引き込む事により、上記複数の突部54、54の内接円の直径を縮小自在としている。そして、この様なコレットチャック51により、上記外輪6の内端寄り部分を締め付けて、この外輪6を上記固定軸52に固定する。又、この固定軸52の先端部には、上記コレットチャック51の各突部54、54の間部分から突出する状態で設けた複数の突き当て部55、55の先端縁を、上記固定側フランジ12の内側面に突き当てて、上記固定軸52の中心軸に対し上記外輪6の中心軸が不一致になる(傾斜する)事を防止する。
【0023】
更に、上記旋削加工装置32aを構成する回転軸40の外周面に設けた複数の溝部41、41の端部を、上記ハブ8aの外端面の凹部39の内周面に設けた複数の突部42、42に係合させる。そして、この状態で、上記回転軸40を回転駆動する事により上記ハブ8aをその中心軸を中心に回転させつつ、上記ロータ2の外径寄り部分両側面に2本の精密加工バイト35、35の先端を突き当てて、これら各部分に旋削加工を施し、上記ロータ2の両側面を所定の形状及び寸法に仕上げる。この場合に、上記各精密加工バイト35、35は、上記ハブ8aの回転中心軸に対し直交する平面上を移動しつつ、上記両側面に旋削加工を施す。又、これら各精密加工バイト35、35は、上記ロータ2の両側面で円周方向に関する位相及び径方向に関する位置がほぼ同じ位置に、両側面同士で同じ量だけ削り取る様に突き当てる。この構成により、上記ロータ2が、上記各精密加工バイト35、35により、軸方向片側に押される事がなくなり、このロータ2の両側面に精度良く旋削加工を施す事ができる。この様なロータ2の両側面の旋削加工が終了したならば、制動用回転体付車輪用軸受ユニットを旋削加工装置32aから取り外すと共に、上記各スタッド9から前記各ロータ固定用ナット49を取り外して、制動用回転体付車輪用軸受ユニットの完成品とする。
【0024】
尚、この様な制動用回転体付車輪用軸受ユニットは、制動用回転体付車輪用軸受ユニットのメーカーから自動車の完成品メーカーに搬送する。そして、この完成品メーカーで、上記ロータ2の内径寄り部分外側面に車輪を構成するホイール1を重ね合わせつつ、このホイール1に設けた複数の通孔に上記各スタッド9の先端部を挿通した後に、この先端部でこのホイール1の片側面から突出した部分にナット10を螺合し、更に緊締する事で、上記回転側フランジ13にこのホイール1を結合固定する。
【0025】
上述の様に構成する本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法によれば、ロータ2の外径寄り部分両側面を所定の形状及び寸法に仕上げる場合に、このロータ2及び回転側フランジ13のうちの互いに重ね合わせた部分に、複数ずつのスタッド9の頭部とロータ固定用ナット49とにより、軸方向両側から同じ大きさの荷重を軸方向に加えている。この為、これら両部材2、13が弾性変形した状態のまま、上記ロータ2の両側面に仕上げ加工が施される事を防止できる。従って、ロータ固定用ナット49をスタッド9から取り外した場合に、このロータ2が弾性復帰してこのロータ2の両側面で仕上げ加工を施した部分がこのロータ2の回転中心に対し傾斜した(回転中心に対し直交する仮想平面からずれた)状態になる事を防止できる。しかも、本発明の場合には、上記回転側フランジ13とロータ2とを十分な強度で結合した状態のまま、このロータ2の両側面に仕上げ加工を施す事ができる。この結果、このロータ2の外径寄り部分両側面の振れ精度を向上できて、制動時に於けるジャダー防止を図れる。
【0026】
又、本例の場合には、車輪用軸受ユニット5の各構成部材を組み立てた状態で、ロータ2を結合固定したハブ8a及び内輪16を上記外輪6に対し回転させつつ、このロータ2の外径寄り部分両側面に旋削加工を施して、この両側面を所定の形状及び寸法に仕上げている。この為、本例の場合には、このロータ2の外径寄り部分両側面を所定の形状及び寸法に加工する場合に、ナックル3(図6参照)と上記ロータ2との間に存在する複数の部品の製造上不可避な寸法誤差や組み付け誤差が、上記ハブ8a及び内輪16の回転中心に対する上記両側面の直角度の悪化に結び付く事をなくせる。この為、この両側面の振れ精度を、より向上できる。又、上記ナックル3とロータ2との間に存在する複数の部品の形状精度を特に向上させる必要がなくなって、上記両側面の振れを抑える為に要するコストを、十分に低く抑える事ができる。尚、本例で使用する施削加工装置32aの場合、回転軸40を車輪用軸受ユニット5に押し付ける事なくロータ2の両側面の加工を行なえるので、施削加工装置32aの構造を単純にでき、この加工に要するコストを低減できる。
【0027】
次に、図2は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した第1例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットが従動輪を支持する為のものであったのに対し、本例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットは、駆動輪を支持する為のものである。この為に、本例の場合には、ハブ8bの中心部に、使用時に等速ジョイント21のスプライン軸22(図6参照)を挿通する為のスプライン孔20を、軸方向に貫通する状態で形成している。
【0028】
又、本例の場合には、ロータ2の外径寄り部分両側面に仕上げ加工を施す場合に、回転側フランジ13とこのロータ2の内径寄り部分とを、複数本ずつのスタッド9及びロータ固定用ナット49と、ロータ抑え板57とにより結合固定する。このうちのロータ固定用ナット57は、合成樹脂に射出成形等を施す等により造っている。又、上記ロータ抑え板57は、鋼又はアルミニウム合金等から成る金属板により造った、車輪を構成するホイール1(図6参照)の径方向中間部乃至外径寄り部分を切り落とす事により造っている。図示の例の場合には、このロータ抑え板57の中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が波形になっている。上記ロータ2の外径寄り部分両側面に仕上げ加工を施す場合には、上記回転側フランジ13の外側面にこのロータ2の内径寄り部分を重ね合わせると共に、上記各スタッド9の先端部でこのロータ2に設けた各第二の通孔48から突出した部分を、上記ロータ抑え板57の円周方向複数個所に設けた通孔58に挿通する。そして、上記各スタッド9の先端部で、このロータ抑え板57の外側面から突出した部分にロータ固定用ナット49を螺合し、更に緊締し、使用時のナット10(図6参照)の場合と同じ締付けトルクで締め付ける。この構成により、このロータ抑え板57は、上記各ロータ固定用ナット49とロータ2の内径寄り部分との間で挟持される。尚、図示の例の場合には、この状態で、このロータ抑え板57の径方向に離隔した2個の円周上の位置から上記ロータ2に、軸方向内側に向いた力が加わる。
【0029】
次いで、ロータ2の両側面に旋削加工を施すべき制動用回転体付車輪用軸受ユニットを、旋削加工装置32bに設置する。この場合、この旋削加工装置32bの回転軸40の先端部に結合したスプライン軸59を、前記ハブ8bのスプライン孔20に挿通し、このスプライン孔20の内周面に設けた雌スプライン部とこのスプライン軸59の外周面に設けた雄スプライン部とをスプライン係合させる。又、外輪6の内端部をコレットチャック51により掴む。そして、この状態で、上記回転軸40を回転駆動する事により、上記ハブ8b及びロータ2を上記外輪6に対し回転させつつ、このロータ2の外径寄り部分両側面に上記旋削加工装置32bの精密加工バイト35の先端を突き当てて、この両側面を所定の形状及び寸法に仕上げる。この両側面の仕上げ加工が終了したならば、ロータ2を結合した車輪用軸受ユニット5を上記旋削加工装置32bから取り外すと共に、上記各スタッド9から上記ロータ抑え板57及びロータ固定用ナット49を取り外して、制動用回転体付車輪用軸受ユニットの完成品とする。
【0030】
上述の様に構成する本例の場合には、ロータ2の内径寄り部分外側面に、ホイール1の径方向中間部乃至外径寄り部分を切り落とす事により造った、ロータ抑え板57の片側面を突き当てて、使用時のスタッド9及びナット10の場合と同じ締付けトルクで締め付けている。そしてこの状態で、上記ロータ2の外径寄り部分両側面を所定の形状及び寸法に仕上げている。この為、この両側面の仕上げ加工時にこのロータ2及び回転側フランジ13に力が加わる状態が使用時の状態に近くなって、この使用時に於けるこのロータ2の外径寄り部分両側面の振れ精度の向上を図れる。
【0031】
又、本例の場合には、各ロータ固定用ナット49を合成樹脂製としている為、ロータ2の両側面の仕上げ加工時に、これら各ロータ固定用ナット49により各スタッド9の先半部に設けた雄ねじ部が傷付けられる事を抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0032】
次に、図3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合には、上述した各例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの場合と異なり、ハブ8cの内端部に内輪16の内端面を抑え付ける為のかしめ部37(図1)を形成していない。その代わりに、本例の場合には、上記ハブ8cの内端面の中心部にねじ軸部60を、軸方向に突出する状態で形成している。そして、このハブ8cの内端寄り部分に内輪16を外嵌すると共に、上記ねじ軸部60の外周面に設けた雄ねじ部でこの内輪16の内端面から突出した部分にナット61を螺合し、更に緊締する事により、この内輪16の内端面をこのナット61により抑え付けている。この構成により、この内輪16が上記ハブ8cに結合固定される。又、このハブ8cにこのナット61を結合固定する以前の状態で、このハブ8cに上記内輪16を締り嵌めにより外嵌する事により、各玉17、17に所定の予圧を付与している。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0033】
次に、図4は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、前述の図1に示した第1例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの構造で、前述の図2に示した第2例の場合と同様に、ハブ8bの中心部に軸方向に貫通するスプライン孔20を形成している。又、本例の場合には、このハブ8bの内端寄り部分に小径段部15を形成すると共に、この小径段部15に内輪16を、締り嵌めにより外嵌固定する事により、各玉17、17に所定の予圧を付与している。又、本例の場合には、上記ハブ8bの内端部に上記内輪16の内端面を抑え付ける為のかしめ部37(図1、2参照)を形成していない。この様な本例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの使用時には、前述の図6に示した従来構造の場合と同様に、等速ジョイント21のスプライン軸22を上記スプライン孔20に挿通すると共に、この等速ジョイント22を構成するハウジング62の外側面を上記内輪16の内端面に突き当てた状態で、上記スプライン軸22の先端部でハブ8bの外端面から突出した部分にナット63を螺合し、緊締する。そしてこの構成により、上記内輪16がこのハブ8bに対し軸方向にずれ動く事を防止する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0034】
次に、図5は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットは、前述の図2に示した第2例の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの構造で、ロータ2の両側面に仕上げ加工を施す場合に、旋削加工装置32cを構成するロータ抑え治具64に、このロータ2及びハブ8bを固定している。このロータ抑え治具64は、この旋削加工装置32cを構成する回転軸40の先端部に結合固定したもので、円板部65とスプライン軸66とを備える。このうちの円板部65は、片側面(図5の右側面)の中心部に円形の凹部67を形成すると共に、この凹部67の底面の中心部にこの凹部67と同心の円形の突部68を形成している。又、上記スプライン軸66は、この突部68の先端面に突出形成している。又、上記円板部65の円周方向複数個所に、スタッド9の中間部を挿通自在な通孔69を形成している。
【0035】
上記ロータ2の両側面に仕上げ加工を施す場合には、上記ハブ8bに設けた回転側フランジ13の外側面に、上記ロータ2の内径寄り部分と、上記ロータ抑え治具64を構成する円板部65の外径寄り部分とを重ね合わせた状態で、このロータ2に設けた各第二の通孔48とこの円板部65に設けた各通孔69とに、上記各スタッド9の中間部を挿通する。次いで、これら各スタッド9の先端部で、上記円板部65の他側面(図5の左側面)から突出した部分にナット70を螺合し、更に緊締する。そして、上記各スタッド9の頭部50と各ナット70との間で、上記回転側フランジ13とロータ2の内径寄り部分と円板部65とを挟持する。又、上記ロータ抑え治具64に設けたスプライン軸66を、上記ハブ8bのスプライン孔20に挿通し、このスプライン軸66の外周面に設けた雄スプライン部と、このスプライン孔20の内周面に設けた雌スプライン部とをスプライン係合させる。
【0036】
又、本例の場合には、前記旋削加工装置32cを構成するコレットチャック51の先端部により外輪6の内端部を掴んで、この外輪6をこの旋削加工装置32cを構成する固定軸52に固定する。又、この固定軸52の先端部に回り止め用突部71を、軸方向に延びる状態で形成している。そして、上記外輪6の内端部をこの固定軸52に固定した場合に、この外輪6の外周面に設けた固定側フランジ12の一部で、それぞれが外径側に大きく突出する複数の固定用突部72のうちの隣り合う突部72同士の間部分に、上記回り止め用突部71を挿入している。この構成により、上記外輪6の回転が、より効果的に阻止される。そして、この状態で、前記回転軸40を回転駆動する事により上記ハブ8b及びロータ2を回転させつつ、上記ロータ2の外径寄り部分両側面に精密加工バイト35、35の先端を突き当てる事により、この両側面を所定の形状及び寸法に仕上げる。又、この両側面の旋削加工が終了したならば、各スタッド9の先端部から各ナット70を取り外すと共に、ロータ2を結合した車輪用軸受ユニット5を、旋削加工装置32cから取り外して、制動用回転体付車輪用軸受ユニットの完成品とする。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図2に示した第2例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0037】
尚、上述した各例の場合には、ロータ固定用ナット49とナット70とを、使用時にスタッド9に結合するナット10とは別部材としているが、このナット10と同じ部材を使用する事もできる。又、上述した各例は、車輪用軸受ユニット5を構成する転がり軸受が、複数の転動体として玉17、17を使用した玉軸受である場合に就いて説明した。但し、本発明は、この様な構造に限定するものではなく、車輪用軸受ユニット5を構成する転がり軸受が、複数の転動体として、円すいころ等を使用したころ軸受等の他の転がり軸受である場合でも適用できる。又、上述した各例では、ロータ2の両側面を旋削加工により、所定の形状及び寸法に加工した場合に就いて説明した。但し、本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットは、制動用回転体の制動用摩擦面を、回転部材を静止輪に対し回転させつつ、研削加工、超仕上加工等の他の加工を施す事により、所定の形状及び寸法により加工した構造も含む。
【0038】
【発明の効果】
本発明の制動用回転体付車輪用軸受ユニットとその製造方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、制動時に発生する不快な騒音や振動を抑える事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、ロータの両側面に旋削加工を施す状態で示す断面図。
【図2】同第2例を示す、図1と同様の図。
【図3】同第3例を示す、図1と同様の図。
【図4】同第4例を示す、図1と同様の図。
【図5】同第5例を示す、図1と同様の図。
【図6】従来構造の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの組み付け状態の1例を示す断面図。
【図7】従来構造の制動用回転体付車輪用軸受ユニットの別例を、ロータの両側面に旋削加工を施す状態で示す断面図。
【符号の説明】
1 ホイール
2 ロータ
3 ナックル
4 支持孔
5 車輪用軸受ユニット
6 外輪
7 ボルト
8、8a、8b、8c ハブ
9 スタッド
10 ナット
11a、11b 外輪軌道
12 固定側フランジ
13 回転側フランジ
14a、14b 内輪軌道
15 小径段部
16 内輪
17 玉
18 保持器
19a、19b シールリング
20 スプライン孔
21 等速ジョイント
22 スプライン軸
23 回転部材
26 抑え板
27 支柱部材
28 雄ねじ部
29 ナット
30 頭部
31 皿ばね
32、32a、32b、32c 旋削加工装置
33 静止側チャック
34 回転側チャック
35 精密加工バイト
36 内部空間
37 かしめ部
38 円筒部
39 凹部
40 回転軸
41 溝部
42 突部
43 仮止め用ねじ
44 ねじ孔
45 第一の通孔
46 円筒部
47 取付孔
48 第二の通孔
49 ロータ固定用ナット
50 頭部
51 コレットチャック
52 固定軸
53 テーパ孔
54 突部
55 突き当て部
57 ロータ抑え板
58 通孔
59 スプライン軸
60 ねじ軸部
61 ナット
62 ハウジング
63 ナット
64 ロータ抑え治具
65 円板部
66 スプライン軸
67 凹部
68 突部
69 通孔
70 ナット
71 回り止め用突部
72 固定用突部
73 段差面
74 座金

Claims (3)

  1. 静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、回転側周面に回転側軌道を、外周面に回転側フランジを、それぞれ有し、使用時に回転する回転部材と、これら静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体と、上記回転側フランジの側面に結合支持された、制動時に摩擦材を押し付けられる制動用摩擦面を有する制動用回転体とを備えた制動用回転体付車輪用軸受ユニットであって、この制動用回転体の制動用摩擦面は、上記回転側フランジの側面にこの制動用回転体を結合支持すると共に、これら回転側フランジ及び制動用回転体のうちの互いに重ね合わせた部分に、この回転側フランジに圧入固定されたスタッドと固定用ナットとにより軸方向両側から互いに等しい大きさの荷重を軸方向に加えた状態で、上記静止輪に対し上記回転部材を回転させつつ、所定の形状及び寸法に加工されたものである事を特徴とする制動用回転体付車輪用軸受ユニット。
  2. 請求項1に記載した制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法であって、回転側フランジの側面に制動用回転体を結合支持すると共に、これら回転側フランジ及び制動用回転体のうちの互いに重ね合わせた部分に、この回転側フランジに圧入固定されたスタッドと固定用ナットとにより軸方向両側から互いに等しい大きさの荷重を軸方向に加えた状態で、静止輪に対し回転部材を回転させつつ、この制動用回転体の制動用摩擦面を所定の形状及び寸法に加工する、制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法。
  3. 静止輪が外輪であり、回転部材が少なくともこの外輪の内側に配置したハブを備えたものであり、このハブの中心部に、軸方向に貫通する貫通孔が形成されていない制動用回転体付車輪用軸受ユニットを製造する、請求項2に記載した制動用回転体付車輪用軸受ユニットの製造方法。
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