JP2004278156A - 防蟻セメント、防蟻モルタル、防蟻コンクリート、防蟻モルタル及び防蟻セメントの使用方法、並びに防蟻セメントの製造方法 - Google Patents

防蟻セメント、防蟻モルタル、防蟻コンクリート、防蟻モルタル及び防蟻セメントの使用方法、並びに防蟻セメントの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学薬剤を用いることなく、比較的低コストでありながら長期間に亘り或いは短期間でシロアリ防除効果を発揮することができる防蟻セメントを提供し、さらにそれを用いた防蟻性のあるモルタルやコンクリートとその使用方法を提供する。
【解決手段】粉末状のセメント粒子2の集合体からなり内部が中空をなす外殻部11と、この外殻部の中空部内に収容されたヒノキチオールを含有する液体3とによってマイクロカプセル化した防蟻セメント1を製造し、この防蟻セメント1を材料とする防蟻モルタルを建築物の基礎コンクリートの表面仕上げ塗装に用い、同じく防蟻セメント1を材料とする防蟻コンクリートを建築物の捨てコンクリートとして用いた。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シロアリ防除作用を有するセメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物へのシロアリ被害の対策として、従来より、床下の土壌に殺虫効果又は防虫効果のある化学薬剤を散布したり、床下の木部に防虫効果のある化学薬剤を塗布することが行われている。しかし、化学薬品を使用すること自体が健康被害をもたらす可能性が指摘されており、殺虫又は防虫薬品の使用が規制されつつある。このような問題から、シロアリに対する忌避効果を有する天然の防虫成分という観点から、ヒノキチオールを含有する天然素材であるヒバ油が注目されてきている。そこで、ヒノキチオールを含んでいる液体、特にヒバ油をマイクロカプセル化してこれを防湿シートに内蔵させ、この防湿シートを建築物の施工時に基礎コンクリートの下方の地面に埋設される防湿シートとして利用することによって、防湿シート中のマイクロカプセルから徐々に放出されるヒバ油の作用で建築物をシロアリ被害から保護する方法が考えられている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−0070034公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような防湿シートに内蔵されるマイクロカプセルは、植物タンパクなどからなる崩壊性粒子とセラミックスなどからなる崩壊性粒子とを複合化した外殻部と、その内部に包含されるヒバ油等のヒノキチオールを含有する液体とから構成されるものであるが、このようなマイクロカプセルを製造するには高いコストを要する。また、マイクロカプセルを内蔵する防湿シートを製造するのにも高いコストがかかる。一方、従来どおりに化学薬品を土壌に散布したり基礎コンクリートに塗布するように、ヒバ油を土壌に散布したり基礎コンクリートに塗布したのでは、ヒバ油が雨水などによって流されてしまったりすぐに揮発してしまうために、長期に亘るシロアリ防除効果を期待することができない。
【0005】
そこで本発明は、以上のような問題を解消すべく、比較的低コストでありながら長期間に亘り或いは短期間でシロアリ防除効果を発揮することができる防蟻セメントを提供し、さらにそれを用いた防蟻性のあるモルタルやコンクリートの提供及びその使用方法の提供を主たる目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の防蟻セメントは、粉末状のセメント粒子の集合体からなり内部が中空をなす外殻部と、この外殻部の包含に収容されたヒノキチオールを含有する液体とによってマイクロカプセルを構成してなることを特徴としている。
【0007】
すなわち本発明は、セメント粒子自体が粉体であることに着目し、実験の結果、高価なマイクロカプセル製造装置を用いなくても粉体状のセメントとヒノキチオール(C1012)を含有する液体とをマイクロカプセル化することに成功したため、これを建築物のコンクリート部の一部として用いることに有効な防蟻作用を見出したものである。このような防蟻セメントであれば、後述するようにモルタル又はコンクリートとして建築物のコンクリート部に直接塗布しても親和性が良好であり当該コンクリート部と一体となるため、雨水などで流失するおそれが全くない。また、外殻部が部分的に剥離することによって内部のヒノキチオールを含有する液外が放出されることや、外殻部を構成するセメント粒子の細孔を通じて内部のヒノキチオールを含有する液体が放出されることによって、長期間に亘って高い防蟻作用を発揮できることになる。なお、ヒノキチオールは疎水性の物質であるため、ヒノキチオールを含有する液体は、油性の液体であることが望ましい。また、このような防蟻セメントは、粉末状のセメントとヒノキチオールを含有する液体とを混合する工程と、混合したセメントと前記液体とを撹拌することによってセメント粒子の集合体を外殻部としその内部に前記液体を包含したマイクロカプセルを形成する工程とによって、簡単且つ低価格、短時間で製造することができる。特にこのマイクロカプセル一粒子は、ほぼ等重量比の外殻部とヒノキチオールとから構成するとよい。
【0008】
このような防蟻セメントの他にも有用な防蟻セメントとしては、粉末状のセメント粒子と、少なくともこのセメント粒子の表面に開口する細孔に吸着させたヒノキチオールを含有する液体とから構成してなることを特徴とする防蟻セメントを挙げることができる。このものは、粉末状のセメント粒子とヒノキチオールを含有する液体とをマイクロカプセル化したものではないが、多孔質粒子であるセメント粒子の性状を有効に利用することで、ヒノキチオールを含有する液体の使用量を低減し、上述したマイクロカプセル化した防蟻セメントよりも低価格で製造することができるものであり、即効性のある防蟻効果を得ることができる。このようなものにおいては、セメント粒子の表面を部分的にヒノキチオールを含有する液体で被覆するようにしてもよい。
【0009】
なお、上述した各防蟻セメントに使用するヒノキチオールを含有する液体には、青森ヒバ、台湾ヒノキ等のヒノキチオールを含有する木材の抽出物であるヒバ油を用いることが適している。ヒバ油には、ヒノキチオール以外にもその類縁体であるβ−ドラブリン(C1010)などの防蟻作用を示す物質が含まれているため、防蟻作用をより向上することができる。
【0010】
以上のような防蟻セメントの応用物としては、上述したいずれか一種類又は二種類の防蟻セメントと、水と、砂等の細骨材とを所定割合で混合した防蟻モルタルを挙げることができる。このような防蟻モルタルは、建築物の基礎コンクリートや外壁等のコンクリート部の表面に表面仕上げ工程等で塗布することによって、従来の工程を徒に増やすことなくコンクリート部に防蟻性能を付与することができる。これ以外の防蟻モルタルとしては、セメントと、水と、細骨材とを所定割合で混合してなり、細骨材に、ヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着させたものも考えられる。すなわち、細骨材には通常は微少な砂等が用いられるが、砂は多様な鉱物からできており、表面が不均一に凹凸形状をなしていたり多孔性を有しているため、ヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着することができる。このようなものであっても、先述の防蟻モルタルと同様の作用を奏し且つ同様の効果を得ることができる。
【0011】
また、他の防蟻セメントの応用物としては、上述したいずれか一種類又は二種類の防蟻セメントと、水と、細骨材及び砂利等の粗骨材とを所定割合で混合した防蟻コンクリートが挙げられる。さらにこれ以外の防蟻モルタルとしては、セメントと、水と、細骨材及び粗骨材とを所定割合で混合してなり、細骨材又は粗骨材に、ヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着させたものも考えられる。すなわち、粗骨材には通常は砂利等が用いられるが、砂利も砂等の細骨材と同様には多様な鉱物からできており、表面が不均一に凹凸形状をなしていたり表面に微少な孔を有しているため、ヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着することができる。このような防蟻コンクリートはいずれも、特に建築物を施工する土壌に打設する捨てコンクリートとして用いることに適している。ただし、この防蟻コンクリートの使用方法は一例であって、本防蟻コンクリートは、捨てコンクリート以外にも、基礎コンクリートや壁体等のコンクリート部分そのものとして使用することも可能である。なお、ヒノキチオールを含有するヒバ油等の液体は油性であるため水には馴染まないが、その周囲をセメントで覆っているか或いはセメントに吸着させているために、モルタル又はコンクリートとして水に混ざるようになる。また、セメントも本来の機能を失うことはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
この実施形態では、主に、セメント粒子2とヒバ油3とをマイクロカプセル化した防蟻セメント1の製造方法、この防蟻セメント1を用いた防蟻モルタル4及び防蟻コンクリート5とその使用例について説明する。
【0014】
以下、はじめに防蟻セメント1の製造方法及びその構造について説明する。この防蟻セメント1は、粉末状のセメント粒子2の集合物(セメント20)と、ヒノキチオールを組成として含有しているヒバ油3とから構成される。セメント20には、家屋の建築に通常用いられるポルトランドセメントを使用する。また、ヒバ油3は、青森ヒバ、台湾ヒノキ、木曽ヒノキ等ヒノキ科の植物の抽出油として得られるものであるが、本実施形態では例えばヒノキチオールの含有量が多い青森ヒバの木片、枝葉の水蒸気抽出により得られる油性成分のうちの酸性油を用いている。このようにして得られるヒバ油3には、ヒノキ科特有の7員環化合物であるトロポロン類が含まれており、そのなかでも特にシロアリに対して高い忌避効果を有する成分であるヒノキチオール(C1012)及びその類縁体であるβ−ドラブリン(C1010)との含有量が約2%で品質がほぼ一定に安定したものを利用している。なお、ヒバ油3の抽出装置に鉄釜等の鉄製のものを使用することにより、得られるヒバ油3中のヒノキチオールを鉄錯体としてもよく、この場合に得られるヒバ油3は赤褐色を呈している。
【0015】
そして、図1に概略工程図を示すように、セメント20とヒバ油3とをほぼ50:50の重量比で同一の容器に投入して混合し(同図(a))、それを所定時間撹拌した後に乾燥させると、マイクロカプセル化した防蟻セメント1が得られる(同図(b))。なお、必要に応じてセメント20とヒバ油3との混合比を、50:50〜65:35の範囲で適宜変更しても構わない。ここで図2に、防蟻セメント1を拡大した斜視図(部分的に内部を示している)を示す。すなわち防蟻セメント1は、多数のセメント粒子2が中空のほぼ休憩場をなす集合体となって外殻部11を形成しており、この外殻部11の中空部内にヒバ油3が包含され収容された状態となっている。したがってこの防蟻セメント1は、外殻部11を構成するセメント粒子2が図3に示すように部分的に剥落することによって中空部が外部に露出されるとヒバ油3が外部へ放出されることになる。また、セメント粒子2自体が多孔質の粒子であるため、その細孔を通じてもヒバ油3が外部へ放出される。
【0016】
このような防蟻セメント1を材料として、次に説明するような防蟻モルタル4及び防蟻コンクリート5を得ることができる。すなわち、防蟻モルタル4は、例えば23重量%の防蟻セメント1、14%の水W、及び細骨材として63%の砂FAを混合し練り混ぜることによって製造することができる(図1(c),(d))。一方、防蟻コンクリート5は、例えば14重量%の防蟻セメント1、10%の水W、及び細骨材として41%の砂FA、粗骨材として35%の砂利RAを混合し練り混ぜることによって製造することができる(図1(e),(f))。このようにして得られた防蟻モルタル4及び防蟻コンクリート5は、次のようにして建築物の基礎工事に使用することができる。
【0017】
図4に示すように、建築物を施工すべき土壌の所定位置を掘り下げるなどして根切りなどの作業をすませた後、割栗石6を敷き詰め、さらに防湿シート7を敷設した上に、上述したように製造した防蟻コンクリート5を30〜50mm程度の厚さに打設し、これを捨てコンクリート8とする。さらに、この捨てコンクリート8の養生後、ベースコンクリート部91及び立ち上がりコンクリート部92からなる基礎コンクリート9を施工し、この基礎コンクリート9の表面仕上げ用のモルタルとして、上述した防蟻モルタル4をコテ等を用いて平滑に塗布する。ここで、防蟻モルタル4の塗布範囲は、(財)木材保存協会が推奨する防蟻方法である、基礎コンクリートの外周から20cmの幅で防蟻剤を散布する方法に準じて、水平方向基礎コンクリート9の外周から約20cm以上幅寸法とすることが望ましい。また、同防蟻方法では、有効な防蟻効果を得るためには、土壌から約1mの高さの範囲に防蟻剤を散布することが推奨されているため、これに準じて基礎コンクリート9のみならずその立ち上がりコンクリート部92上に施工される木製の土台(図示省略)の表面にも、防蟻モルタル4を塗布するとよい。さらに、その土台上に施工される建築壁、特に外壁の下地塗りとしてモルタルを塗布する場合には、このモルタルとして防蟻モルタル4を使用することができる。この場合、なお、同図には省略してあるが捨てコンクリート8及び基礎コンクリート9には、適宜鉄筋が配筋される。以上のように、捨てコンクリート8に防蟻セメント1を用いた防蟻コンクリート5を使用し、基礎コンクリート9の表面仕上げに防蟻セメント1を用いた防蟻モルタル4を使用した場合、防蟻モルタル4又は防蟻コンクリート5の表面側の防蟻セメント1における外殻部11を構成するセメント粒子1が経時的に剥落すると、マイクロカプセル化された防蟻セメント1の内部のヒバ油3が外部に放出されるので、シロアリに対する忌避作用が発揮され、安価且つ有効に防蟻作用を得ることができる。すなわち、捨てコンクリート8及び基礎コンクリート9自体が防蟻作用を奏することになる。したがってその防蟻効果は、極めて長期間に亘って発揮される。
【0018】
なお、防蟻セメントとしては、上述のようなマイクロカプセル化されたものに限らず、図3に示すようなものを利用することも可能である。すなわち、同図に一粒子を拡大して概略的に示す防蟻セメント10は、多孔質であるセメント粒子2の細孔21にヒバ油3を吸着させた基本構成を有している。このような防蟻セメント10は、粉末状のセメントにヒバ油をスプレーすることによって製造することができるが、この場合、上述の防蟻セメント1とは異なり、重量比でセメントを70〜90%、ヒバ油を30〜10%程度として使用する。なお、この範囲でヒバ油の量が比較的多い場合には、セメント粒子1の表面の一部がヒバ油3で被覆された状態となる。このような防蟻セメント10を使用して上述したような防蟻モルタルや防蟻コンクリートを製造し、同様の使用方法をすると、防蟻モルタルや防蟻コンクリートの表面にヒバ油が露出しているので、ヒバ油の外部への放出が施工後すぐに始まるため、即効性のある防蟻対策をおこなうことができるようになる。また、ヒバ油の使用量が防蟻セメント1の場合よりも少ないため、コストの節減を図ることができる。したがって、防蟻作用の長期持続性と即効性の両方を得る必要がある場合には、コスト面を考慮しつつ、二種類の防蟻セメント1、10を適宜の割合で併用して、防蟻モルタルや防蟻コンクリートを製造し、それを用いるようにすればよい。
【0019】
また、防蟻モルタルや防蟻コンクリートは、上述したものに限らず、通常のセメント及び水と、それらに混合する細骨材(モルタルの場合)又は粗骨材(コンクリートの場合)にヒバ油等のヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着させたものとを混練することによっても、上述した防蟻モルタルや防蟻コンクリートと同等の効果を奏するものを製造することができる。
【0020】
その他、ヒノキチオールを含有する液体として、天然抽出物又は化学合成物であるヒノキチオールの溶液を適用するなど、各部の具体的構成や配合割合についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明の防蟻セメントは、以上に詳述したように、多数のセメント粒子の集合体を外殻部とし、その内部にヒバ油等のヒノキチオールを成分として含有する液体を包含したマイクロカプセル化されたものである。また、それとは異なる本発明の防蟻セメントは、セメント粒子の細孔にヒバ油等のヒノキチオールを成分として含有する液体を吸着させ、或いは更にセメント粒子の表面に当該液体を被覆させたものである。前者の防蟻セメントは、外殻部を構成するセメント粒子が経時的に剥離することによって、或いはセメント粒子の細孔を通じて、内部の液体が外部へと放出され、防蟻作用を奏し、その効果は極めて長期に亘って持続される。他方、後者の防蟻セメントは、セメント粒子の細孔からそれに吸着された液体が外部へ放出され、或いはセメント粒子の表面にコーティングされている液体が揮発することによって即効性のある防蟻作用を奏する。
【0022】
したがって、このような防蟻セメントの何れか一方、又は両方を組み合わせてモルタル又はコンクリートの材料とすると、それ自体が防蟻作用を有するモルタルや防蟻コンクリートが得られる。そして、このようなモルタル、すなわち本発明でいうところの防蟻モルタルを、建築物の基礎コンクリートや壁等のコンクリート部分への表面塗装に用いることで、防蟻作用を有するコンクリート部分を得ることができる。また、このようなコンクリート、すなわち本発明でいうところの防蟻コンクリートを、建築物の施工時に基礎コンクリートの下地となる捨てコンクリートそのものに適用すれば、防蟻作用を有する捨てコンクリートが得られることになる。以上のことから、本発明の防蟻セメントによって、建築物のコンクリート部分自体が、極めて有効な防蟻効果作用を奏することになり、安価で長期又は短期のいずれのシロアリ防除対策を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である防蟻セメントの製造工程を示す概略説明図。
【図2】同防蟻セメントの構成を模式的に示す概略断面図。
【図3】本発明の他の実施形態である防蟻セメントを模式的に示す概略断面図。
【図4】同防蟻セメントを利用した防蟻モルタル及び防蟻コンクリートの施工例を模式的に示す建築物の基礎部における概略断面図。
【符号の説明】
1、10…防蟻セメント
2…セメント粒子
3…ヒバ油(ヒノキチオールを含有する液体)
4…防蟻モルタル
5…防蟻コンクリート

Claims (15)

  1. 粉末状のセメント粒子の集合体からなり内部が中空をなす外殻部と、この外殻部の内部に包含されたヒノキチオールを含有する液体とによってマイクロカプセルを構成してなることを特徴とする防蟻セメント。
  2. マイクロカプセル一粒子が、ほぼ等重量比の外殻部とヒノキチオールとから構成される請求項1記載の防蟻セメント。
  3. 粉末状のセメント粒子と、少なくともこのセメント粒子の表面に開口する細孔に吸着させたヒノキチオールを含有する液体とから構成してなることを特徴とする防蟻セメント。
  4. セメント粒子の表面を部分的にヒノキチオールを含有する液体で被覆している請求項3記載の防蟻セメント。
  5. ヒノキチオールを含有する液体が、青森ヒバ、台湾ヒノキ等のヒノキチオールを含有する木材の抽出物であるヒバ油である請求項1、2、3又は4記載の防蟻セメント。
  6. 請求項1又は4記載の防蟻セメントから選択される一種類又は二種類の防蟻セメントと、水と、細骨材とを所定割合で混合してなることを特徴とする防蟻モルタル。
  7. セメントと、水と、細骨材とを所定割合で混合してなり、細骨材に、ヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着させていることを特徴とする防蟻モルタル。
  8. ヒノキチオールを含有する液体が、青森ヒバ、台湾ヒノキ等のヒノキチオールを含有する木材の抽出物であるヒバ油である請求項7記載の防蟻モルタル。
  9. 請求項1又は4記載の防蟻セメントから選択される一種類又は二種類の防蟻セメントと、水と、細骨材及び粗骨材とを所定割合で混合してなることを特徴とする防蟻コンクリート。
  10. セメントと、水と、細骨材及び粗骨材とを所定割合で混合してなり、細骨材又は粗骨材に、ヒノキチオールを含有する液体を付着又は吸着させていることを特徴とする防蟻コンクリート。
  11. ヒノキチオールを含有する液体が、青森ヒバ、台湾ヒノキ等のヒノキチオールを含有する木材の抽出物であるヒバ油である請求項10記載の防蟻コンクリート。
  12. 請求項6、7又は8記載の防蟻モルタルを、建築物の基礎コンクリートや外壁等のコンクリート部の表面に塗布することを特徴とする防蟻モルタルの使用方法。
  13. 請求項9、10又は11記載の防蟻コンクリートを、建築物を施工する捨てコンクリートとして用いることを特徴とする防蟻コンクリートの使用方法。
  14. 粉末状のセメントとヒノキチオールを含有する液体とを混合する工程と、混合したセメントと前記液体とを撹拌することによってセメント粒子の集合体を外殻部としその内部に前記液体を包含したマイクロカプセルを形成する工程とからなることを特徴とする防蟻セメントの製造方法。
  15. ヒノキチオールを含有する液体として、青森ヒバ、台湾ヒノキ等のヒノキチオールを含有する木材の抽出物であるヒバ油を用いる請求項14記載の防蟻セメントの製造方法。
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