JP2004277939A - 細繊度繊維化可能な繊維及びそれからなる不織布 - Google Patents

細繊度繊維化可能な繊維及びそれからなる不織布 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に細繊度繊維に分割が可能で、しかもその分割性が安定しており、色相にも優れた不織布が得られる繊維及びそれからなる不織布を提供する。
【解決手段】繊維横断面形状をコア部と該コア部の長さ方向に沿ってコア部から放射状に突出した複数のフィン部を有する形状である、ポリエステルからなる繊維とし、該ポリエステルに、ポリ乳酸系ポリエステルを0.3〜10重量%含有させ、かつ、該ポリエステルを、特定のチタン化合物成分とリン化合物とを含む触媒の存在下に芳香族ジカルボキシレートエステルを重縮合して得られるポリマーとする。また、上記繊維からなり、フィン部の少なくとも30%がコア部から分離されている不織布とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特殊な異形断面を有し、細繊度繊維に分割可能なポリエステルからなる繊維およびそれからなる不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、品位に優れた、緻密できめ細かなタッチを有する布帛が上市され、そのような布帛を得るために細繊度繊維が多用されている。細繊度繊維を得るための手段としては、一般的に、最初から細い繊度の繊維を製造する方法や、2成分の異なる重合体から複合繊維として得られた繊維を分割、抽出などの工程を経て細化するなどの方法が取られている。しかし、工程の合理化や工程調子などの面から、主として、後者の方法により細繊度繊維に細化可能な複合繊維を製造し、布帛とした後、繊維を細化する方法が用いられている。
【0003】
上記方法としては、例えば、特許文献1、2等には、海島型混合紡糸繊維又は海島型複合繊維からなる不織布を、溶剤処理することにより該繊維の海成分を抽出除去して細繊度繊維不織布を得る方法が提案されている。しかし、該方法では、抽出設備及び抽出工程が必要であることから、コスト面、生産性、環境等の点から改善が望まれている。
【0004】
これに対して、我々は繊維の横断面を分割され易い特殊な異形断面形状とし、これに機械的応力を作用させて繊維を分割し、細繊度化できないかを検討したがそれには限界があった。また、このような特殊な断面横形状を有する繊維の製糸は、通常の丸断面の繊維を製糸するのに場合に比べてかなり工程性が劣るという欠点がある。即ち、紡糸工程において溶融重合体吐出孔周辺に黒色および白色の異物が付着し、これが時間とともに成長してベンディングやニーリングなどを誘起し、単糸切れなどを引き起こすという問題である。また、このように紡糸が不安定となると、断面形状が紡糸時間と共に変化して、細繊度繊維への分割性が悪くなるといった問題があることもわかった。
【0005】
これらの異物はポリエステルの重合触媒として一般的に用いられているアンチモン化合物に由来した昇華異物が原因の一つであることが判明している。これに対して、吐出孔出口に異物を付き難くするため、例えば、シリコーンのような離型剤を吐出孔に塗布したり、紡糸口金に表面処理を施したり、紡糸口金の材質や吐出孔形状を変更するといった方法が試みたが、根本的な対策とはならず十分な効果は得られていない。
【0006】
さらに上記問題をポリマーの面から解決する方法が検討されている。例えば、特許文献3にはゲルマニウム化合物を重合触媒として用いることにより、異物発生の少ないポリエステルを使用して得られる複合繊維が開示されている。しかし、この方法で提案されているポリエステルは触媒化合物が高価であり、紡糸工程での触媒化合物のろ過詰まりを生じやすい他、ジエチレングリコールなどの重合副反応物が多く、コスト、品質的に優れた複合繊維を得にくいといった欠点がある。
【0007】
一方、特許文献4には、アンチモンを実質的に含まないポリエチレンテレフタレートを用いた2成分からなる複合繊維が開示されている。この方法ではアンチモンに由来する異物の低減効果はあるものの、紡糸工程における溶融時のポリエステル重合体の耐熱性が劣り、分解物の発生や黄変などの面で未だ不十分なものである。
【0008】
【特許文献1】
特公昭60−25543号公報
【特許文献2】
特開昭62−97957号公報
【特許文献3】
特開平1−139816号公報
【特許文献4】
特公平3−60933号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、容易に細繊度繊維に分割が可能で、しかもその分割性が安定しており、色相にも優れた不織布が得られる繊維及びそれからなる不織布を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため検討したところ、特殊な繊維横断面とし、しかも、適正な触媒で重縮合して得られたポリエステルに、適度にポリ乳酸を含有させた繊維は、容易に細繊度繊維に分割可能で、紡糸時間と共に断面複合形状が変化することなく安定した分割性を維持しており、しかも良好な色相にも優れていることがわかった。
【0011】
かくして、本発明によれば、繊維横断面形状がコア部と該コア部の長さ方向に沿ってコア部から放射状に突出した複数のフィン部を有する形状である、ポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルに、ポリ乳酸系ポリエステルが0.3〜10重量%含有されており、かつ、該ポリエステルが、チタン化合物成分とリン化合物とを含む触媒の存在下に芳香族ジカルボキシレートエステルを重縮合して得られるポリマーであり、該チタン化合物成分が下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシド及び下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシドと下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む成分であり、該リン化合物が下記一般式(III)で表される化合物であり、チタンとリンの含有濃度が下記数式(1)及び(2)を同時に満足することを特徴とする細繊度繊維化可能な繊維が提供される。
【0012】
【化6】
Figure 2004277939
【0013】
【化7】
Figure 2004277939
【0014】
【化8】
Figure 2004277939
【0015】
【数2】
Figure 2004277939
【0016】
また、本発明によれば、上記の細繊度繊維化可能な繊維からなり、フィン部の少なくとも30%がコア部から分離されている不織布が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維は、繊維横断面形状がコア部と該コア部の長さ方向に沿ってコア部から放射状に突出した複数のフィン部を有する形状(例えば図1)である、ポリエステルからなる繊維である。コア部は円形、楕円形、多角形など形は問わず、フィン部は棒状の形状が後の機械適応力による分割工程で応力がかかりやすくなり、フィン部とコア部の分割が起こり望ましい。コア部に対するフィン部の数は2〜12個が好ましく、より好ましくは4〜8個である。2個に満たないと、分割してもその効果は薄く極細の風合いを得難くなる傾向にあり、逆に12個を越えると紡糸性が悪くなる傾向にある。コア部とフィン部の境界(コア部が真円でない場合はその外接円)で囲まれたコア部の面積(SA)とフィン部一つの面積(SB)との比(SB/SA)は、フィン部の数により一概には言えないが、0.05〜0.5であることが好ましい。0.05に満たないと、フィン部が小さすぎ、繊維の分割性が低下する傾向にあり、0.5を超えると分割時にコア部で繊維が切断しやすくなり強度が下がる傾向にある。SB/SAのより好ましい範囲は0.1〜0.3である。さらに、コア部の繊度としては1〜6dtexが好ましく、より好ましくは1〜4dtexである。一方、フィン部の1箇所の繊度としては0.05〜1dtexが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4dtex以下である。フィン部の繊度が大きくなるとであると極細な風合いが得られ難くなる傾向にあり、コア部が逆に細すぎると紡糸安定性に低下する傾向にある。
【0018】
本発明においては、上記ポリエステルにポリ乳酸系ポリエステルが含有されている必要がある。このポリ乳酸系ポリエステルとは、L−乳酸及び/またはD−乳酸成分が50重量%以上の重合体でありポリL−乳酸ホモポリマー、ポリD−乳酸ホモポリマー、L−乳酸/D−乳酸共重合ポリマー及びそれらに50重量%以下の第2又は第3成分を共重合及び/又は混合したものを包含する。ポリ乳酸はL−乳酸及び/またはD−乳酸を加熱溶融重合又は溶剤中で重合することにより得ることができる。また、L−乳酸又はD−乳酸の環状2量体である。L−ラクチド及び/またはD−ラクチドを加熱溶融して開環重合させることもできる。これらの溶融重合、溶剤重合及び開環重合時に50重量%以下の共重合可能な第2成分または第3成分などを添加、反応せしめてポリ乳酸を主成分とする共重合ポリマーを得ることができる。共重合成分としては、例えばエチレングルコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどのジオール、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ピバロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0019】
本発明の繊維においては、ポリエステルに含有するポリ乳酸系ポリエステルの含有率を、0.3〜10重量%とする必要がある。ポリ乳酸系ポリエステルの含有率が0.3重量%未満であると、本発明の目的とする易分割性を得ることができず、10重量%を超えると曳糸性が不良となり、繊維を得ることができない。より好ましい含有率は、1〜5重量%である。
【0020】
本発明においては、上記ポリエステルが、チタン化合物成分とリン化合物とを含む触媒の存在下に芳香族ジカルボキシレートエステルを重縮合して得られるポリマーであり、該チタン化合物成分が下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシド及び下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシドと下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む成分であり、該リン化合物が後述する一般式(III)で表される化合物であることが肝要である。これによって、容易に細繊度繊維に分割できる、上記のような特殊な断面形状を有する繊維を安定して製造することができる。しかも、紡糸時間と共に断面複合形状が変化せず、安定した分割性能を維持することができる。
【0021】
この本発明で用いられる、重縮合反応に触媒として用いられるチタン化合物成分は、最終製品の触媒に起因する異物を低減する観点から、ポリマー中に可溶なチタン化合物であることが必要であり、該チタン化合物成分としては、下記一般式(I)で表される化合物、若しくは一般式(II)で表される化合物と下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた生成物である必要がある。
【0022】
【化9】
Figure 2004277939
【0023】
【化10】
Figure 2004277939
【0024】
ここで、一般式(I)で表されるチタンアルコキシドとしては、具体的にはテトライソプロポキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラフェノキシチタン、オクタアルキルトリチタネート、及びヘキサアルキルジチタネートなどが好ましく用いられる。
【0025】
また、本発明の該チタンアルコキシドと反応させる一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物が好ましく用いられる。
【0026】
上記チタンアルコキシドと芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させる場合には、溶媒に芳香族多価カルボン酸又はその無水物の一部または全部を溶解し、この混合液にチタンアルコキシドを滴下し、0〜200℃の温度で少なくとも30分間、好ましくは30〜150℃の温度で40〜90分間加熱することによって行われる。この際の反応圧力については特に制限はなく、常圧で十分である。なお、芳香族多価カルボン酸またはその無水物を溶解させる溶媒としては、エタノール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ベンゼン及びキシレン等から所望に応じていずれを用いることもできる。
【0027】
ここで、チタンアルコキシドと芳香族多価カルボン酸またはその無水物との反応モル比には特に限定はないが、チタンアルコキシドの割合が高すぎると、得られるポリエステルの色調が悪化したり、軟化点が低下したりすることがあり、逆にチタンアルコキシドの割合が低すぎると重縮合反応が進みにくくなることがある。このため、チタンアルコキシドと芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応モル比は、2/1〜2/5の範囲内とすることが好ましい。
【0028】
本発明で用いられる重縮合用の触媒系は、上記のチタン化合物成分と、下記一般式(III)により表されるリン化合物とを含むものであり、両者の未反応混合物から実質的になるものである。
【0029】
【化11】
Figure 2004277939
【0030】
上記一般式(III)のリン化合物(ホスホネート化合物)としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボブトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシフェニルメタンホスホン酸、カルボエトキシフェニルメタンホスホン酸、カルボプロトキシフェニルメタンホスホン酸、カルボブトキシフェニルメタンホスホン酸等のホスホン酸誘導体のジメチルエステル類、ジエチルエステル類、ジプロピルエステル類、ジブチルエステル類等から選ばれることが好ましい。
【0031】
上記のホスホネート化合物は、通常安定剤として使用されるリン化合物に比較して、チタン化合物との反応が比較的緩やかに進行するので、反応中における、チタン化合物の触媒活性持続時間が長く、結果として該チタン化合物のポリエステルへの添加量を少なくすることができる。また、一般式(III)のリン化合物を含む触媒系に多量に安定剤を添加しても、得られるポリエステルの熱安定性を低下させることがなく、その色調を不良化することが無い。
【0032】
本発明では、上記のチタン化合物成分とリン化合物とを含む触媒が、下記数式(1)及び(2)を同時に満足するものである必要がある。
【0033】
【数3】
Figure 2004277939
【0034】
ここで、(P/Ti)は1以上15以下であるが、2以上15以下であることが好ましく、さらには10以下であることが好ましい。この(P/Ti)が1未満の場合、ポリエステルの色相が黄味を帯びたものであり、好ましくない。また、(P/Ti)が15を越えるとポリエステルの重縮合反応性が大幅に低下し、目的とするポリエステルを得ることが困難となる。この(P/Ti)の適正範囲は通常の金属触媒系よりも狭いことが特徴的であるが、適正範囲にある場合、本発明のような従来にない効果を得ることができる。
【0035】
一方、(Ti+P)は10以上100以下であるが、20以上70以下であることがより好ましい。(Ti+P)が10に満たない場合は、製糸プロセスにおける生産性が大きく低下し、満足な性能が得られなくなる。また、(Ti+P)が100を越える場合には、触媒に起因する異物が少量ではあるが発生し好ましくない。
【0036】
上記式中、Tiの量としては2〜15ミリモル%程度が適当である。本発明で用いられているポリエステルポリマーは、上記のチタン化合物成分とリン化合物とを含む触媒の存在下に芳香族ジカルボキシレートエステルを重縮合して得られるポリマーであるが、本発明においては、芳香族ジカルボキシレートエステルが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールからなるジエステルであることが好ましい。
【0037】
ここで芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸を主とすることが好ましい。より具体的には、テレフタル酸が全芳香族ジカルボン酸を基準として70モル%以上を占めていることが好ましく、さらには該テレフタル酸は、全芳香族ジカルボン酸を基準として80モル%以上を占めていることが好ましい。ここでテレフタル酸以外の好ましい芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等を挙げることができる。
【0038】
もう一方の脂肪族グリコールとしては、アルキレングリコールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリコールを用いることができるが、特にエチレングリコールであることが好ましい。
【0039】
本発明ではポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。ここでポリエステルが、テレフタル酸とエチレングリコールからなるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであることも好ましい。ここで「主たる」とは該エチレンテレフタレート繰り返し単位がポリエステル中の全繰り返し単位を基準として70モル%以上を占めていることをいう。
【0040】
また本発明で用いるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールからなる主たる繰り返し単位以外に、酸成分またはジオール成分としてポリエステルを構成する成分を共重合した、共重合ポリエステルとしてもよい。
【0041】
共重合する成分としては、酸成分として、上記の芳香族ジカルボン酸はもちろん、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などの二官能性カルボン酸成分又はそのエステル形成性誘導体を原料として使用することができる。また、共重合するジオール成分としては上記の脂肪族ジオールはもちろん、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式グリコール、ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。
【0042】
さらに、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として共重合させ使用することができる。
これらは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0043】
本発明においては、上記のような芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールからなる芳香族ジカルボキシレートエステルが用いられるが、この芳香族ジカルボキシレートエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとのジエステル化反応により得ることもできるし、あるいは芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステルと脂肪族グリコールとのエステル交換反応により得ることもできる。ただし、芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステルを原料とし、エステル交換反応を経由する方法とした方が、芳香族ジカルボン酸を原料としジエステル化反応させる方法に比較し、重縮合反応中に安定剤として添加したリン化合物の飛散が少ないという利点がある。
【0044】
さらに、チタン化合物の一部及び/又は全量をエステル交換反応開始前に添加し、エステル交換反応触媒と重縮合反応触媒との二つの触媒として兼用させることが好ましい。このようにすることにより、最終的にポリエステル中のチタン化合物の含有量を低減することができる。ポリエチレンテレフタレートの例で、さらに具体的に述べると、テレフタル酸を主とする芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応を、下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシド、及び下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシドと下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むチタン化合物成分の存在下に行い、このエステル交換反応により得られた、芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとのジエステルを含有する反応混合物に、更に下記一般式(III)により表されるリン化合物を添加し、これらの存在下に重縮合することが好ましい。
【0045】
【化12】
Figure 2004277939
【0046】
【化13】
Figure 2004277939
【0047】
【化14】
Figure 2004277939
【0048】
なお、該エステル交換反応を行う場合には通常は常圧下で実施されるが、0.05〜0.20MPaの加圧下に実施すると、チタン化合物成分の触媒作用による反応が更に促進され、かつ副生物のジエチレングリコールが大量に発生することもないので、熱安定性などの特性が更に良好なものとなる。温度としては160〜260℃が好ましい。
【0049】
また、本発明において、芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である場合には、ポリエステルの出発原料としてテレフタル酸及びテレフタル酸ジメチルが用いられるが、その場合にはポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られた回収テレフタル酸ジメチル又はこれを加水分解して得られる回収テレフタル酸を、ポリエステルを構成する全酸成分を基準として70重量%以上使用することもできる。この場合、前記ポリアルキレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、特に回収されたPETボトル、回収された繊維製品、回収されたポリエステルフィルム製品、さらには、これら製品の製造工程において発生するポリマー屑などをポリエステル製造用原料源とする再生ポリエステルを用いることは、資源の有効活用の観点から好ましいことである。
【0050】
ここで、回収ポリアルキレンテレフタレートを解重合してテレフタル酸ジメチルを得る方法には特に制限はなく、従来公知の方法をいずれも採用することができる。また、上記、回収された、テレフタル酸ジメチルからテレフタル酸を回収する方法にも特に制限はなく、従来方法のいずれを用いてもよい。テレフタル酸に含まれる不純物については、4−カルボキシベンズアルデヒド、パラトルイル酸、安息香酸及びヒドロキシテレフタル酸ジメチルの含有量が、合計で1ppm以下であることが好ましい。また、テレフタル酸モノメチルの含有量が、1〜5000ppmの範囲にあることが好ましい。回収されたテレフタル酸と、アルキレングリコールとを直接エステル化反応させ、得られたエステルを重縮合することによりポリエステルを製造することができる。
本発明では、ポリエステルが上記のような再生ポリエステルであることがより好ましい。
【0051】
本発明で用いられるポリエステルの固有粘度は、0.40〜0.80の範囲にあることが好ましく、さらに0.45〜0.75、特に0.50〜0.70の範囲が好ましい。固有粘度が0.40未満であると、繊維の強度が不足するため好ましくない。他方、固有粘度が0.80を越えると、原料ポリマーの固有粘度を過剰に引き上げる必要があり不経済である。
【0052】
本発明で用いるポリエステルは、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、艶消剤等を含んでいてもよく、特に艶消剤として酸化チタン、安定剤としての酸化防止剤は好ましく添加され、酸化チタンとしては、平均粒径が0.01〜2μmの酸化チタンを、最終的に得られるポリエステル組成物中に0.01〜10重量%含有させるように添加することが好ましい。
【0053】
また、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤が好ましいが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量は1重量%以下であることが好ましい。1重量%を越えると製糸時のスカムの原因となり得る他、1重量%を越えて添加しても溶融安定性向上の効果が飽和してしまう為好ましくない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量は0.005〜0.5重量%の範囲が更に好ましい。またこれらヒンダードフェノール系酸化防止とチオエーテル系二次酸化防止剤を併用して用いることも好ましく実施される。
【0054】
該酸化防止剤のポリエステルへの添加方法は特に制限はないが、好ましくはエステル交換反応、またはエステル化反応終了後、重合反応が完了するまでの間の任意の段階で添加する方法が挙げられる。
【0055】
本発明の繊維は例えば次の方法によって製造することができる。該繊維の溶融紡糸に際し、コア部形成用吐出孔とは別に該吐出孔周囲に間隔を置いてフィン部形成用スリット状吐出孔を配置(例えば図2(ア)、(イ))し、それぞれの孔から吐出されたポリマーを吐出直後に溶融状態で接合し、冷却固化させる方法が望ましい。この場合、フィン部形成用スリット状吐出孔から吐出されるポリマーの方がコア部吐出孔から吐出されるポリマーよりも紡糸ドラフトがより大きくかかるため、フィン部とコア部で分子配向が異なり、両者の境界面での接合力が弱くなっていると推定される。本発明の繊維の場合は、上記に加えて主たる繊維形成ポリエステルとは相溶性の低いポリ乳酸系ポリエステルが混合されているため、ポリ乳酸系ポリエステルがその界面に存在すると応力がかかった際にさらに容易に分割されることになる。
【0056】
ポリエステルにポリ乳酸系ポリエステルを含有させる方法は、ポリエステル重合時にポリ乳酸系ポリエステルを添加する方法、繊維を溶融紡糸する際にポリエステルとポリ乳酸系ポリエステルとを混合した後に溶融混練する方法、別々に溶融したポリエステルとポリ乳酸系ポリエステルとを溶融紡糸する前に混練する方法等任意の方法を採用することができる。
【0057】
本発明の繊維は、これを用いて細繊度繊維からなる不織布とすることができる。
【0058】
上記のようにして得られた分割性長繊維は、スパンボンド法または、紡糸した糸条を延伸して一旦巻き取った後に高速の牽引流体により開繊しながら多孔補集面上にウェブとして補集するなど公知の方法によりウェブ化される。口金より紡出された糸条を高速牽引し、補集ネット上に噴射・補集するスパンボンド法が生産性の点から特に好ましく用いられる。ここで、高速牽引の速度としては、2000〜8000m/分程度、好ましくは3000〜6000m/分であればよく、紡糸口金から吐出した該長繊維をエジェクターやエアサッカーなどにより上述の速度にて高速牽引すればよい。長繊維を高速牽引して得た細化物は、開繊されながら補集ネット上に補集される。その際、コロナ放電による帯電や接触帯電などの従来公知の方法で繊維を帯電させてもよい。
【0059】
ネット上に補集される際、他の短繊維を混綿、または長繊維を積層、混合することも可能である。混綿またはされる場合の素材としては、特に限定はされないが、例えば、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ウール等の天然繊維、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維等から任意に1あるいは2種以上選択して使用することができる。もちろん繊維形状等も限定されず、上記の熱可塑性樹脂を組み合わせた芯鞘型複合繊維、剥離分割型複合繊維、異形断面を有する繊維等を任意に用いることができる。
【0060】
このようにして得られた不織布は、複数枚を集積して、または単独で、必要に応じて予備的に熱接着し、一旦巻き取った後に、あるいはそのままで連続して分割処理される。また、高圧水流交絡処理やニードルパンチ処理などを施し、交絡不織布とする、または熱的に接着させる事がワイピングクロスとしての強度を付与するうえで特に好ましい。
【0061】
3次元的な繊維の交絡または熱的な接着は、分割処理の後に行うと繊維が損傷し、切断しやすくなり、例えばワイピングクロスとして使用する場合、発塵の原因となる場合があるため、分割処理と同時、または分割処理の前に行うことが好ましい。
【0062】
本発明の不織布は、例えば上記のような機械的応力により、フィン部の少なくとも30%がコア部から分離されている。このフィン部からコア部から分離されている割合(以下、分割率と称することがある)が30%に満たないと細繊度繊維としての機能、風合いに欠けるものとなる。分割率は50%以上が好ましく、70%以上であるとより好ましく用いられる。本発明の繊維は、繊維軸に対して垂直方向の応力がフィン部へ選択的にかかりやすくなるため、上述した通り機械的応力を作用させることにより、フィン部全数の30%以上をコア部から分割させ、容易に細繊度化することができる。
【0063】
上記の機械的応力による分割方法としては、上記熱接着や交絡処理が施される前、または該処理と同時、または後の不織布を機械的に処理して、分割細繊度化するものであるが、分割細繊度化が確実に遂行できる方法であれば任意であり、特に限定されず、また複数の方法を組合わせても構わない。例えば機械的な分割処理方法としては、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を行なう方法、衝撃を与える方法、揉み処理をする方法、高圧柱状水流処理による方法を例示することができる。高圧柱状水流処理による方法は、事前に交絡処理が施されていなくても、分割と交絡を同時に行うことができるため、好ましい。しかしながら、不織布の目付が大きい場合には、分割化がし難くなるため、その場合は交絡後加圧する方法や揉み処理をする方法が好ましく、もちろんどの方法においても他の分割細繊度化の方法と組み合わせることができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。なお、実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノール溶媒にて、常法により35℃で測定した。
(2)ポリエステル中のチタン、リン含有量
サンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成型体に形成し、蛍光X線測定装置(理学電機工業株式会社製3270型)に供して、定量分析した。
(3)ジエチレングリコール(DEG)量
抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマトグラフィ−(株式会社日立製作所製「263−70」)を用い、常法に従って測定した。
(4)ポリマー吐出状態
複合紡糸中に、紡糸口金より吐出されているポリマーの吐出状態を観察し、次の基準で吐出状態を格付けした。複合紡糸開始1日後、3日後および、5日後に観察を行った。
レベル1:吐出糸条がほぼ一定の流下線を描いて、安定に走行している。
レベル2:吐出糸条に小さな屈曲、屈曲の繰り返し、旋回等が見られる。
レベル3:吐出糸条が大きく屈曲、屈曲の繰り返しあるいは旋回している。一部ポリマーが紡糸口金面に接触し、断糸が頻発している。
(5)分割前繊度
JIS−L1015 7−5−1A法により測定した。
(6)コア部とフィン部の面積比
画像解析システム、ピアス−2(ピアス(株)製)を用いて分割前の単繊維のセクション断面画像を500倍に拡大し、繊維のコア部断面積(SA)とフィン部断面積(SB)を測定して次式求めた。
コア部とフィン部の面積比=SB/SA
(7)分割率
12hr後、3日後に得られた各不織布を1対のフラット金属ローラー(室温)で線圧70kg/cmでニップして5回通過させた後、不織布の断面を電子顕微鏡にて200倍で撮影し、50本の繊維の断面を測定して、分離しているフィン部の数とフィン部全数から次式により求めた。
分割率(%)=(分離しているフィン部の数)/(フィン部全数)×100
(8)不織布のポリマー欠点
12hr後、1日後、3日後に得られた各不織布を500mの長さで巻き返し、ポリマードリップなどの混入状態を調べ、1箇所を1欠点として数えた。
【0065】
[実施例1]
ポリエステルは次の方法で製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部との混合物に、テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)0.009部を加圧反応が可能なステンレス製容器に仕込み、0.07MPaの加圧を行い140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、トリエチルホスホノアセテート(TEPA)0.035部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物を重合容器に移し、290℃まで昇温し、26.67Pa以下の高真空にて重縮合反応を行って、固有粘度0.64、ジエチレングリコール量が1.5%であるポリエステルを得、常法に従いチップ化した。
【0066】
一方、ポリ乳酸系ポリエステルとして、ポリ乳酸(PLA)(島津製作所(株)製ラクティ:融点175℃、重量平均分子量200,000)のチップを準備した。
【0067】
上記のポリエステルとポリ乳酸のそれぞれのチップを、重量比97:3で2軸混練機を用いて溶融し、ポリマー温度277℃で、図1(イ)に示すような丸断面のコア部形成用吐出孔とその周囲に等間隔で配置された4個のフィン部形成用吐出孔を有する紡糸口金より単孔当たりの吐出量を2g/分として吐出し、空気圧力0.35MPaにて高速牽引した後、−30kVで高電圧印加処理し、空気流とともに分散板に衝突させ、フィラメントを開繊し、補集ネットコンベアーで幅1mのウェブとして補集した。ウェブを構成する繊維の単糸繊度は3.9dtexであった。さらに得られたウェブを連続で上下150℃のエンボスカレンダーにて熱接着を行い、次いで速度10m/分で移動しているメッシュ状のスクリーンの上に供給し、水を付与された後、高圧(7.5×103kPa)の水流によって、分割処理を行った。その際、高圧水流の噴出口の孔径0.1mm、孔数601個、孔ピッチ1mm、噴射孔群列6列で、ウェブを表裏と一回ずつ通過させた。この後、マングルロールにて水分を絞り、98℃の雰囲気に保たれた乾燥・熱処理装置で処理して、目付80g/mの不織布とした。不織布は黄変も認められず良好な色相を示していた。この不織布の評価結果を表1に示す。
【0068】
[実施例2、比較例1及び2]
ポリ乳酸の含有率を、表1のように変更した実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示す。色相はいずれも良好であった。
【0069】
[実施例3]
チタン化合物を、下記方法にて合成したトリメリット酸チタン(TMT)0.016部に変更したこと以外は同様にしてポリエステルのチップを得、不織布とした。この不織布の物性を表1に示す。得られた不織布は、黄変も認められず良好な色相を示していた。
トリメリット酸チタンの合成方法:
無水トリメリット酸のエチレングリコール溶液(0.2%)にテトラブトキシチタンを無水トリメリット酸に対して1/2モル添加し、空気中常圧下で80℃に保持して60分間反応させて、その後、常温に冷却し、10倍量のアセトンによって生成触媒を再結晶化させ、析出物をろ紙によって濾過し、100℃で2時間乾燥させて、目的とするチタン化合物を得た。
【0070】
[比較例3]
テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコール70部との混合物に、酢酸カルシウム一水和物0.064重量部を加圧反応が可能なステンレス製容器に仕込み、0.07MPaの加圧を行い140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、56重量%濃度のリン酸水溶液0.044重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物を重合容器に移し、三酸化二アンチモンを表に示す量を添加して290℃まで昇温し、26.67Pa以下の高真空にて重縮合反応を行ってポリエステルを得、常法に従いチップ化した。
【0071】
このポリエステルのチップを用いた以外は実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示す。色相は実施例1と比較して少し悪かった。
【0072】
[実施例4、比較例4]
フィン部の数を、表1のように変更した実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示す。色相はいずれも良好であった。
【0073】
【表1】
Figure 2004277939
【0074】
【発明の効果】
本発明の繊維は、機械的応力により容易に分割され、細繊度繊維化させることができ、しかもその分割性能が経時的に変化せず安定しているため、該繊維からは、欠点が少ない品位の高い不織布を得ることができる。このため、上記繊維から得られた本発明の不織布は、ワイピングクロスの他、フィルター、衣料用途、高品質印刷紙、人工皮革等、広い用途に応用が可能であり、その工業的意義は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(ア)及び(イ)は、それぞれ本発明で使用される紡糸口金の吐出孔形状の1例を示す模式図である。
【図2】本発明にかかる細繊度繊維化可能な繊維の横断面の1例を示す模式図である。

Claims (3)

  1. 繊維横断面形状がコア部と該コア部の長さ方向に沿ってコア部から放射状に突出した複数のフィン部を有する形状である、ポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルに、ポリ乳酸系ポリエステルが0.3〜10重量%含有されており、かつ、該ポリエステルが、チタン化合物成分とリン化合物とを含む触媒の存在下に芳香族ジカルボキシレートエステルを重縮合して得られるポリマーであり、該チタン化合物成分が下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシド及び下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシドと下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む成分であり、該リン化合物が下記一般式(III)で表される化合物であり、チタンとリンの含有濃度が下記数式(1)及び(2)を同時に満足することを特徴とする細繊度繊維化可能な繊維。
    Figure 2004277939
    Figure 2004277939
    Figure 2004277939
    Figure 2004277939
  2. 芳香族ジカルボキシレートエステルが、チタン化合物成分を含む触媒の存在下で、芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステルと脂肪族グリコールとのエステル交換反応により得られたジエステルであり、該チタン化合物成分が下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシド及び下記一般式(I)で表されるチタンアルコキシドと下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む成分である細繊度繊維化可能な繊維。
    Figure 2004277939
    Figure 2004277939
  3. 請求項1または2に記載の細繊度繊維化可能な繊維からなり、フィン部の少なくとも30%がコア部から分離されている不織布。
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