JP2004277491A - 水性低汚染被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐汚染性、特に耐雨だれ汚染性に優れ、耐水性、耐候性、各種素材に対する密着性を兼ね備えた水性低汚染被覆材を提供すること。
【解決手段】多段乳化重合法によって得られる異層構造エマルション粒子(A)と、分子中少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体(B)とを含有する水性低汚染被覆材であって、該異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、金属原子含有重合性不飽和単量体0.1〜20質量部と、カルボニル基含有ラジカル重合性単量体0.3〜15質量部とを含む単量体組成物を共重合した共重合体であることを特徴とする水性低汚染被覆材とする(異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合成単量体の質量部の合計は100質量部)。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐汚染性、耐侯性、耐水性に優れた水性低汚染被覆材に関するものであり、特に耐雨だれ汚染性に優れた水性低汚染被覆材に関するものである。本発明の水性低汚染被覆材は、セメントモルタル、スレート板、石膏ボード、押し出し成形板、発泡性コンクリート、金属、ガラス、磁器タイル、アスファルト、木材、防水ゴム材、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用することができ、特に建築物、土木構造物等の躯体保護に使用する水性被覆材として有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物、土木構造物に使用する塗料(被覆材)分野においては、塗装作業者や周辺住民の健康および環境保護を考慮して、有機溶剤を溶媒とする溶剤系被覆材から、水を分散媒とする水性被覆材への変換が図られている。また、建物の美観を長期間保護するというユーザーのニーズに応えるために、耐候性と耐汚染性を兼ね備えた被覆材の開発が行われている。
【0003】
例えば、特許第2637574号公報(特許文献1)には、シクロアルキル基含有ラジカル重合性単量体とピペリジル基を有する耐紫外線ラジカル重合性単量体との共重合体の水性樹脂分散液を使用した水性塗料が、優れた耐候性を示すことが記載されているが、耐汚染性の面ではまだ満足できるものではない。また例えば、特開2000−109729号公報(特許文献2)では、金属原子含有重合性不飽和単量体を共重合した水性樹脂エマルションを用いた水性防汚塗料が記載されているが、塗膜の溶出速度を制御するために主骨格としてメタクリル酸等の親水性の高いモノマーを使用しているため、耐水性、耐侯性の面で満足できるものではなく、建築物、土木構造物等の躯体保護に使用することは困難である。
【0004】
また例えば、特開平4−214747号公報(特許文献3)および特開平9−235507号公報(特許文献4)では、カルボニル基あるいはアルデヒド基を有するシリコーン変性高分子ラテックスとヒドラジン誘導体とを混合した常温自己架橋型水系塗料用樹脂組成物が優れた耐候性、長期の撥水性、長期の耐汚染性を示すことが記載されているが、都市部においては汚染物質の中心がカーボン等の疎水性物質であるために、汚染物質が付着し、さらに固着しやすくなるため、耐汚染性の面でまだ満足できるものではない。
【0005】
【特許文献1】
特許第2637574号公報
【特許文献2】
特開2000−109729号公報
【特許文献3】
特開平4−214747号公報
【特許文献4】
特開平9−235507号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、従来の水性塗料は耐汚染性を十分に満足するに至っていない。さらに、耐候性、耐水性、各種素材に対する密着性を含めるとこれらのバランス化はより一層困難となっている。
【0007】
本発明者らは、耐汚染性、特に耐雨だれ汚染性のさらなる向上を目的として、降雨等による水が塗膜と汚染物質との界面に浸透、流入し、その水とともに汚染物質を洗い流す効果(ローリングアップ機能)に着目し、塗装被膜の親水化による優れた耐汚染性と、優れた耐水性、耐候性、各種素材に対する密着性を兼ね備えた水性被覆材を見出すために鋭意検討を行った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、多段乳化重合法によって得られる異層構造エマルション粒子と、分子中少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体とを含有する水性被覆材であって、異層構造エマルション粒子の最外層を形成する乳化重合体部が、金属原子含有ラジカル重合性単量体と、カルボニル基含有ラジカル重合性単量体とを含む単量体組成物を共重合した共重合体である水性被覆材が優れた耐汚染性、耐候性、耐水性を示すことを見出し、さらに特定のラジカル重合性単量体を使用することにより、さらに優れた耐汚染性、耐候性、耐水性を併せ持つことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
多段乳化重合法によって得られる異層構造エマルション粒子(A)と、分子中少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体(B)とを含有する水性低汚染被覆材であって、該異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、金属原子含有ラジカル重合性単量体0.1〜20質量部と、カルボニル基含有ラジカル重合性単量体0.3〜15質量部とを含む単量体組成物を共重合した共重合体であることを特徴とする水性低汚染被覆材である(異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合成単量体の質量部の合計は100質量部)。
【0010】
前記異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体、ポリオキシアルキレン基含有ラジカル重合性単量体の少なくとも一方を含みその合計が0.5〜20質量部である単量体組成物を共重合した共重合体であることが好ましい。また、前記分子中少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体(B)が、ヒダントイン骨格を有する有機ヒドラジン誘導体であることが好ましい。また、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物が、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートの少なくとも一方を含むことが好ましい。また、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物が、シリコン含有ラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の水性低汚染被覆材の主成分である異層構造エマルション粒子(A)は、ラジカル重合性単量体を多段乳化重合することで作られるものである。多段乳化重合法は、水媒体中で、ラジカル重合性単量体を従来から公知の乳化重合法にて2段階以上、通常2〜5段階繰り返し行い、形成されるラジカル重合性単量体の乳化重合体が、異層構造、すなわち、最外層と一層以上の内部層とからなるエマルション粒子を形成させる方法である。
【0012】
本発明の水性低汚染被覆材は、主成分である異層構造エマルション粒子(A)と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体(B)を含有することが必要であり、該異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、金属原子含有ラジカル重合性単量体と、カルボニル基含有ラジカル重合性単量体とを含む単量体組成物を共重合した共重合体であることが必要である。異層構造エマルション粒子(A)の最外層が、金属原子含有ラジカル重合性単量体およびカルボニル基含有ラジカル重合性単量体とを含む単量体組成物を共重合した共重合体とすることにより、乳化重合の安定性を低下させることなく、高度な耐汚染性、耐候性、耐水性等の特性を発現することができる。また、異層構造エマルション粒子(A)を構成する上記以外のラジカル重合性単量体としては、特に限定されないが、ラジカル重合性単量体を含む複数種の単量体を共重合して得たビニル系共重合体が好ましい。そして、更に高度な耐汚染性、耐候性、耐水性等の特性を発現する為には、このビニル系共重合体の共重合成分として、以下に説明するような特定のラジカル重合性単量体を用いることが特に好ましい態様である。
【0013】
まず、本発明においては、異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成するための単量体組成物は、金属原子含有ラジカル重合性単量体を含有することが必要である。使用される金属原子含有ラジカル重合性単量体としては、2個の不飽和基を有する金属原子含有ラジカル重合性単量体(a)および下記式(I)で表される金属原子含有ラジカル重合性単量体(a)等が挙げられる。
【0014】
【化1】
Figure 2004277491
【0015】
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Mは金属原子、Rは(メタ)アクリロイル残基を除く有機酸残基を示す。)
なお、「(メタ)アクリロイル」の表現は、アクリロイルあるいはメタクリロイルの意味であり、以後、類似の表現(例えば「(メタ)アクリレート」等)も含めて同様の意味を表すものとする。
【0016】
2個の不飽和基を有する金属原子含有ラジカル重合性単量体(a)としては、例えば、ジアクリル酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、アクリル酸メタクリル酸マグネシウム、ジアクリル酸カルシウム、ジメタクリル酸カルシウム、アクリル酸メタクリル酸カルシウム、ジアクリル酸鉄、ジメタクリル酸鉄、アクリル酸メタクリル酸鉄、ジアクリル酸銅、ジメタクリル酸銅、アクリル酸メタクリル酸銅、ジアクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛、アクリル酸メタクリル酸亜鉛、ジアクリル酸ジルコニウム、ジメタクリル酸ジルコニウム、アクリル酸メタクリル酸ジルコニウム等が挙げられる。
【0017】
金属原子含有ラジカル重合性単量体(a)は、上記の式(I)で表されるものである。上記の式(I)において、Rは水素原子またはメチル基、MはMg、Ca、Fe、Cu、Zn、Zr等の金属原子を表し、Rは(メタ)アクリロイル残基を除く有機酸残基を示す。Rとなる有機酸残基としては、モノクロル酢酸、モノフルオロ酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、バーサチック酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、クレソチン酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、安息香酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、キノリンカルボン酸、ニトロ安息香酸、ニトロナフタレンカルボン酸、プルビン酸等の一価の有機酸から誘導されるものが例示される。
【0018】
上記の式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、モノクロル酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸鉄(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸銅(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸鉄(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸銅(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸鉄(メタ)アクリレート、プロピオン酸銅(メタ)アクリレート、プロピオン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸カルシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸鉄(メタ)アクリレート、オクチル酸銅(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸カルシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸鉄(メタ)アクリレート、バーサチック酸銅(メタ)アクリレート、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸カルシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸鉄(メタ)アクリレート、イソステアリン酸銅(メタ)アクリレート、イソステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、イソステアリン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸鉄(メタ)アクリレート、パルミチン酸銅(メタ)アクリレート、パルミチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、パルミチン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸鉄(メタ)アクリレート、クレソチン酸銅(メタ)アクリレート、クレソチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、クレソチン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸鉄(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸鉄(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、安息香酸鉄(メタ)アクリレート、安息香酸銅(メタ)アクリレート、安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、安息香酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸鉄(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸銅(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸鉄(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸銅(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸鉄(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸銅(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸鉄(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸銅(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸鉄(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸銅(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、プルビン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸鉄(メタ)アクリレートプルビン酸銅(メタ)アクリレート、プルビン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プルビン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
これら金属原子含有ラジカル重合性単量体として用いることができる(a)および(a)は、1種または2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができるが、中でも、亜鉛原子含有ラジカル重合性単量体が好ましい。
【0020】
金属原子含有ラジカル重合性単量体は、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計を100質量部とするとき、0.1〜20質量部の範囲内で含有されていることが好ましい。この含有量が0.1質量部以上であると塗装被膜の耐汚染性が向上し、20質量部以下であると塗装被膜の耐水性および耐候性を低下させることなく耐汚染性をさらに向上することができる。より好ましい含有量は、0.3〜10質量部である。
【0021】
さらに本発明では、塗装被膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、強度、耐溶剤性および各種素材に対する密着性の点から、異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、カルボニル基含有ラジカル重合性単量体を含む単量体組成物を共重合した共重合体であり、この異層構造エマルション粒子(A)が分散した水性低汚染被覆材に、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン化合物(B)を配合する必要がある。これは、塗装被膜の乾燥時に、異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部に存在するカルボニル基と、この異層構造エマルション粒子(A)が分散した水性低汚染被覆材に配合される有機ヒドラジン化合物のヒドラジノ基との間で架橋反応が進行し、さらに優れた塗装被膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、強度、耐溶剤性および各種素材に対する密着性が得られるためである。
【0022】
使用されるカルボニル基含有ラジカル重合性単量体としては、例えば、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキルケトン等があり、好ましくは、炭素数4〜7個のビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナールの他、(メタ)アクリルアミド、ピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニトリルアクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、中でも、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトンが特に好ましい。これらは、必要に応じて1種類以上を適宜選択して使用することができる。
【0023】
異層構造エマルション粒子(A)が分散した水性低汚染被覆材に配合される分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン化合物(B)としては、例えば、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の炭素数2〜15のジカルボン酸ヒドラジドおよび1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−(2−メチルメルカプトエチル)ヒダントイン、1−ヒドラジノカルボエチル−3−ヒドラジノカルボイソプロピル−5−(2−メチルメルカプトエチル)ヒダントイン等のヒダントイン骨格を有する有機ヒドラジン化合物が挙げられる。これらは必要に応じて1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、塗装被膜の耐汚染性の点から、ヒダントイン骨格を有する有機ヒドラジン化合物が好ましく、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインが特に好ましい。
【0024】
また、それぞれの使用量としては、異層構造エマルション粒子(A)中のカルボニル基含有ラジカル重合性単量体のカルボニル基のモル数を(P)、異層構造エマルション粒子(A)が分散した水性低汚染被覆材に配合されるの有機ヒドラジン化合物のヒドラジノ基のモル数を(Q)としたとき、0.1<(P)/(Q)<10の範囲とすることが好ましく、0.8<(P)/(Q)<2の範囲とすることがより好ましい。これは、(P)/(Q)が0.1以下ではカルボニル基と架橋反応を起こさない有機ヒドラジン化合物が大過剰に存在するため耐水性が低下し、(P)/(Q)が10以上では、架橋度が低いために架橋の効果が得られないためである。
【0025】
カルボニル基含有ラジカル重合性単量体の使用量は、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計を100質量部とするとき0.3〜15質量部、好ましくは0.5〜12質量部であり、(P)/(Q)が好ましい範囲内で有機ヒドラジン化合物を配合する必要がある。その使用量が0.3質量部以上であると、塗装被膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、強度、耐溶剤性および各種素材に対する密着性が向上し、12質量部以下であると、重合安定性や塗装被膜の伸び性を損なうことなく優れた塗装被膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、強度、耐溶剤性および各種素材に対する密着性を発現することができる。
【0026】
本発明の異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中に含まれる上記以外のラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、p−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(3−)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−テトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシド基含有(メタ)アクリレート;p−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシシクロアルキル(メタ)アクリレート;ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ラジカル重合性単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のシリコン含有(メタ)アクリレート;2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールや、1−(メタ)アクリロイル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−アミノ−4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の耐紫外線基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等の他の(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル系単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系単量体;(メタ)アクリル酸や、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸やそのハーフエステル等、2−(メタ)アクリロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、ラジカル重合可能なものであればこれらに限られるものではない。
【0027】
上記のラジカル重合性単量体の中でも、下記に示す特定のラジカル重合性単量体を共重合することにより、より高度な耐汚染性、耐候性、耐水性等の特性を発現することができる。
【0028】
まず、本発明では水性低汚染被覆材の配合安定性や塗装被膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、および各種素材に対する密着性の点から、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物は、ヒドロキシルキル基含有ラジカル重合性単量体、ポリオキシアルキレン基含有ラジカル重合性単量体の少なくとも一方を含有することが好ましい。この含有量は、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計を100質量部とするとき、0.5〜20質量部の範囲内が好ましい。この含有量が0.5質量部以上であると水性低汚染被覆材の配合安定性や塗装被膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、および各種素材に対する密着性が向上し、20質量部以下であると、塗装被膜の耐水性および耐候性を低下させることなく水性低汚染被覆材の配合安定性や塗装被膜の耐汚染性、および各種素材に対する密着性をさらに向上することができる。より好ましい含有量は、1〜12質量部である。
【0029】
ヒドロキシルキル基含有ラジカル重合性単量体としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
また、ポリオキシアルキレン基含有ラジカル重合性単量体としては、例えばヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−テトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等の末端ヒドロキシ型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体や、メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のアルキル基末端型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体が挙げられる。これらは必要に応じて1種、または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0031】
さらに、異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成するための単量体組成物中に、上記のヒドロキシルキル基含有ラジカル重合性単量体、ポリオキシアルキレン基含有ラジカル重合性単量体の少なくとも一方が含まれることが好ましい。これにより、耐汚染性がさらに向上する。
【0032】
また、塗装被膜の耐候性、耐水性の点から、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物は、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートの少なくとも一方を含有することが好ましい。この含有量は、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計を100質量部とするとき、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートの合計が5〜80質量部の範囲内が好ましい。この含有量が5質量部以上であると、塗装被膜の耐水性および耐候性が向上し、80質量部以下であると、塗装被膜の可撓性を低下させることなく耐水性および耐侯性をさらに向上できる。より好ましい含有量は、10〜70質量部である。
【0033】
また、塗装被膜の耐候性、耐水性の点から、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物は、シリコン含有ラジカル重合性化合物を含有することが好ましい。この含有量は、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計を100質量部とするとき、0.1〜30質量部の範囲内が好ましい。この含有量が0.1質量部以上であると塗装被膜の耐候性、耐水性が向上し、30質量部以下であると、重合安定性を低下させることなく耐候性、耐水性をさらに向上できる。より好ましい含有量は、0.3〜20質量部である。
【0034】
この、シリコン含有ラジカル重合性化合物としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランや、シリコン系マクロモノマーである例えば、チッソ(株)社製のFM0711、FM0721、FM0725、東亜合成(株)社製のAK−5、AK−30、AK−32、信越化学工業(株)社製のX−22−174DX(以上、商品名)等が挙げられる。
【0035】
本発明における異層構造エマルション粒子(A)の内層部は、1層以上であれば何層にしてもかまわない。生産性の観点から内層部としては4層以下が好ましい。内層部に用いる単量体としては、最外層部で記述した単量体を用いることができる。
【0036】
上述した異層構造エマルション粒子(A)を構成する好ましいラジカル重合性単量体、すなわち、ヒドロキシルキル基含有ラジカル重合性単量体、ポリオキシアルキレン基含有ラジカル重合性単量体、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シリコン含有ラジカル重合性化合物は、必要に応じて2種以上を併用することも好ましい。
【0037】
異層構造エマルション粒子(A)を構成する共重合体のガラス転移温度(Tg(℃))は特に制約を受けないが、塗装被膜の非粘着性および耐汚染性の点から、−30℃以上であることが好ましく、−20℃以上がより好ましい。また、温冷繰り返し試験や凍結融解試験等での耐クラック性の点から70℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
【0038】
多段乳化重合法を用いて異層構造エマルション粒子(A)を得る為には、例えば、界面活性剤の存在下、ラジカル重合性単量体が配合された単量体組成物を重合系内に供給し、水溶性開始剤により重合を行わせる方法、また例えば、有機過酸化物とチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤により重合を行わせる方法等の公知の方法を使用することができる。
【0039】
開始剤は一般的にラジカル重合に使用されるものが使用可能であり、その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類や2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]等の水溶性アゾ化合物、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類等が挙げられる。これらの開始剤は単独でも使用できるほか、2種類以上の混合物としても使用できる。また、重合速度の促進、および70℃以下での低温の重合を望まれるときには、例えば、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
【0040】
異層構造エマルション粒子(A)を形成する共重合体の分子量を調整する場合には、分子量調整剤として、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いることで、その調整が可能である。
【0041】
また、異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計を100質量部に対し、界面活性剤を0.1〜10質量部含むことが好ましい。界面活性剤が0.1質量部以上存在することによって、水性低汚染被覆材の重合安定性および貯蔵安定性が向上する。また、界面活性剤を10質量部以下とすることによって、耐水性を損なうことなく塗料化配合時の安定性、経時的安定性等を維持することができる。より好ましい含有量は、0.5〜8質量部である。
【0042】
この界面活性剤としては、従来より知られる各種のアニオン性、カチオン性、またはノニオン性の界面活性剤、さらには高分子乳化剤が挙げられる。また、界面活性剤成分中に不飽和結合を持つ、いわゆる反応性乳化剤も使用できる。なかでも塗装被膜の耐候性、耐水性の点から反応性乳化剤を使用することが好ましい。
【0043】
乳化重合法により得たエマルションは、重合後、塩基性化合物の添加により系のpHを中性領域〜弱アルカリ性、すなわちpH6.5〜10.0程度の範囲に調整することで系の安定性を高めることができる。この塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0044】
本発明の水性低汚染被覆材は、通常、固形分20〜80質量部の範囲で使用される。また、コーティング材料として高度な性能を発現させるために、各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、造膜助剤等を含んでもよい。さらに、他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤、メラミン類等の硬化剤と混合して使用してもよい。
【0045】
造膜助剤の具体例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル等が挙げられる。
【0046】
本発明の水性低汚染被覆材を用いて各種材料の表面に被膜を形成する為には、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法等の各種の塗装法を適宜選択して実施すればよい。また、本発明の水性低汚染被覆材は、室温乾燥または50〜180℃で加熱乾燥することで、十分に造膜した被膜を得ることができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は重量基準である。水性被覆材の物性試験については、下記配合組成で塗料を調整し、下記方法に従って試験を実施した。
【0048】
<白エナメル塗料の作製>
タイペークCR−97(商品名、石原産業(株)社製、塩素法酸化チタン)707g、アデカコール W−193(商品名、旭電化工業(株)社製、顔料分散剤)12g、サーフィノール DF−58(エア・プロダクツ(株)社製、消泡剤)25g、脱イオン水256gを十分に混合し、ガラスビーズを加えて高速分散機で30分間顔料分散を行い、次いでガラスビーズ等を300メッシュナイロン紗で濾別し、評価用ミルベースを得た(固形分71質量部)。
【0049】
次に、水性被覆材100g(固形分45質量部基準)に対し、上記の評価用ミルベースを42.7g、キョウワノールM(商品名、協和発酵(株)社製、造膜助剤)を最低造膜温度が0℃となるように適量(例えば、実施例1の水性被覆材においては7g)、プロピレングリコールを3g、RHEOLATE350(商品名、RHEOX(株)社製、増粘剤)を0.5g、順に加え、十分に攪拌し、フォードカップ #4で測定した流出時間が15秒程度になるように脱イオン水を加えて粘度を調整した。その後、再度300メッシュナイロン紗を用いて濾過を行い、評価用白エナメル塗料を得た。
【0050】
<試験板の作製>
リン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、70mm×150mm、日本ルートサービス株式会社)に評価用白エナメル塗料を乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装し、その後室温で3時間放置し、再度乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装して、室温で1週間放置したものを、耐水性、耐候性評価用の塗板とした。
【0051】
リン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、100mm×300mm、日本ルートサービス株式会社)に上記と同様に塗装、乾燥させた塗板を上部より100mmの部位で45°の角度に曲げ全体汚染性、雨染み汚染性評価用の塗板とした。
【0052】
<試験方法>
(1)全体汚染性
試験板を屋外の暴露台(名古屋市東区)に上部10cmを45°、下部20cmが垂直となるように設置し、2002年6月〜11月の6ヶ月間暴露し、45°で暴露された塗装被膜面の汚れを全体汚染とし、塗膜の暴露前後の白さの差△Lを色差計により測定し、以下の基準で評価した。塗装被膜面の垂直面における雨染みの発生の有無とその度合いを雨染み汚染として以下の基準での基準で評価した。雨染み汚染の評価は1ヵ月後(短期間)と6ヵ月後(長期間)の2回で行った。
(a)全体汚染性評価基準
「◎」 :2.5未満
「○」 :2.5以上、5.0未満
「○△」 :5.0以上、7.5未満
「△」 :7.5以上、10.0未満
「△×」 :10.0以上、12.5未満
「×」 :12.5以上
(b)雨染み汚染性評価基準
◎:目立った雨染みが確認されない
○:僅かな雨染みののみ確認される
△:雨染みが確認される
×:明確な雨染みが確認される
【0053】
(2)耐候性
試験板を70mm×50mmの大きさに切り取り、ダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(ダイプラ・ウィンテス(株)社製)にこの試験板を入れ、試験サイクル:照射6時間/結露2時間、UV強度:65mW/cm、ブラックパネル温度:照射時63℃/結露時30℃、湿度:照射時50%RH/結露時96%RHの条件で、600時間経過後の60゜グロスの保持率を耐候性の指標とし、以下の基準で判定した。
「◎」 :80%以上
「○」 :70%以上、80%未満
「○△」:60%以上、70%未満
「△」 :50%以上、60%未満
「△×」:40%以上、50%未満
「×」 :40%未満
【0054】
(3)耐水性
試験板を20±2℃の水中に1ヶ月間浸した後、室温で2時間乾燥した。塗装被膜の状態および60゜グロスの保持率を耐水性の指標とし、以下の基準で判定した。
「◎」 :割れ・膨れ・剥がれが認められず、60゜グロスの保持率が90%以上。
「○」 :割れ・膨れ・剥がれが認められず、60゜グロスの保持率が80%以上90%未満。
「○△」:割れ・膨れ・剥がれが認められず、60゜グロスの保持率が70%以上80%未満。
「△」 :割れ・膨れ・剥がれが認められず、60゜グロスの保持率が60%以上70%未満。
「△×」:割れ・膨れ・剥がれが認められず、60゜グロスの保持率が40%以上60%未満。
「×」 :割れ・膨れ・剥がれのいずれかが認められる、あるいは、60゜グロスの保持率が40%未満。
【0055】
(4)重合安定性
乳化重合後の壁面および浮遊カレットを収集し、その発生量を計量し下記の基準で判定した。
「○」 :総カレット量がエマルションの固形分に対して0.5%未満(重合中の凝集なし)
「○△」:総カレット量がエマルションの固形分に対して0.5%以上1.0%未満(重合中の凝集なし)
「△」 :総カレット量がエマルションの固形分に対して1.0%以上2.0%未満(重合中の凝集なし)
「×」 :総カレット量がエマルションの固形分に対して2.0%以上、または重合中に凝集したもの。
【0056】
<実施例>
(実施例1〜21、比較例2〜8)
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水50部、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸ナトリウム塩(乳化剤)(アデカリアソープSE−10N:旭電化工業製)1部をそれぞれ仕込み、反応容器内部を窒素で置換しながら、80℃まで昇温した後、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.2部を3部の水に溶解した開始剤溶液と表1、2、3に示す乳化物Aを内温80℃で2時間かけて滴下し、1時間熟成後、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.2部を3部の水に溶解した開始剤溶液と表1、2、3に示す乳化物Bを内温80℃で2時間かけて滴下し、滴下が終了してからさらに80℃で2時間保持した後に、室温まで冷却し、28%アンモニア水溶液でpHが8.5〜9.0になるよう中和を行った。
【0057】
実施例1〜5、比較例3については最後に有機ヒドラジン化合物APDHの20%水分散液を、実施例6〜21、比較例4、6、8については最後に有機ヒドラジン化合物VDHの20%水溶液を添加して目的の水性被覆材を得た。比較例5については乳化物Aを滴下中凝集が起こり重合を中止した為、目的とする水性被覆材は得られなかった。
【0058】
(比較例1)
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水50部、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸ナトリウム塩(乳化剤)(アデカリアソープSE−10N:旭電化工業製)1部をそれぞれ仕込み、反応容器内部を窒素で置換しながら、80℃まで昇温した後、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.4部を6部の水に溶解した開始剤溶液と表2に示す乳化物Aを内温80℃で4時間かけて滴下し、滴下が終了してからさらに80℃で2時間保持した後、室温まで冷却し28%アンモニア水溶液でpHが8.5〜9.0になるよう中和を行った。最後に有機ヒドラジン化合物APDHの20%水分散液を添加して目的の水性被覆材を得た。
【0059】
得られた水性被覆材の固形分、粘度、pHは下記表1、2、3に、重合安定性については表4、5、6に示す。この水性被覆材を用いて塗料を調整し、耐汚染性、耐雨染み性、耐候性、耐水性の試験を行った。その結果を下記表4、5、6に示す。
【0060】
【表1】
Figure 2004277491
【0061】
【表2】
Figure 2004277491
【0062】
【表3】
Figure 2004277491
【0063】
(MAA)Zn:ジメタクリル酸亜鉛
(AA)Zn:ジアクリル酸亜鉛
t−BMA:ターシャリーブチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
DAAm:ダイアセトンアクリルアミド
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
ブレンマー70PEP350B:ヒドロキシ(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名、日本油脂(株)社製)
GMA:グリシジルメタクリレート
N−BMAAm:N−ブトキシメチルアクリルアミド
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
n−BMA:ノルマルブチルメタクリレート
EA:エチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
n−BA:ノルマルブチルアクリレート
アデカリアソープ SE−10N:反応型アニオン性界面活性剤(商品名、旭電化(株)社製)
APDH:アジピン酸ジヒドラジド
VDH(アミキュアVDH):1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(商品名、味の素ファインテクノ(株)社製)
【0064】
【表4】
Figure 2004277491
【0065】
【表5】
Figure 2004277491
【0066】
【表6】
Figure 2004277491
【0067】
表4、5より、最外層部を形成するための乳化物Bが、金属原子含有ラジカル重合性単量体[(AA)Znあるいは(MAA)Zn]0.1〜20重量部と、およびカルボニル基含有ラジカル重合性単量体(DAAm)0.3〜15重量部を含有し、水性被覆材中が少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン化合物[APDHあるいはVDH]を含有することで、耐水性(△以上)、耐候性(△以上)のレベルを低下させること無く、優れた耐汚染性(全体汚染性:○△以上、雨染み汚染性:1ヶ月○/6ヶ月○以上)と重合安定性(○△以上)を実現できることがわかる。一方、表6の比較例より、単層のエマルジョン粒子を利用した比較例1では耐汚染性の面からは優れているものの重合時の安定性(△)に欠けており、安定に製造することが困難である。金属原子含有ラジカル重合性単量体を用いなかった比較例2、3においては、耐汚染性が悪い(全体汚染性:△以下、雨染み汚染性:1ヶ月○/6ヶ月△以下)。金属原子含有ラジカル重合性単量体を20重量部より多く用いた比較例6においては、耐候性(×)、耐水性(×)が悪い。また内層部を形成するための乳化物Aに金属原子含有ラジカル重合性単量体であるジメタクリル酸亜鉛(MAA)Znを共重合させた比較例4、5についても重合時の安定性(△、×)が悪い。カルボニル基含有ラジカル重合性単量体を用いなかった比較例7においては、雨染み汚染性が悪く(1ヶ月○/6ヶ月△)、15重量部より多く用いた比較例8においては、耐水性(△×)が悪い。
【0068】
これらのことからも優れた耐汚染性を発揮する乳化重合体を安定に得る為には、多段乳化重合法を用い最外層部に前述した単量体を所定量含む単量体組成物を共重合した共重合体とすることが必要であると言える。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、従来の水性塗料では困難であった耐候性、耐水性、耐汚染性のすべてにおいて優れる水性低汚染被覆材を提供するものであり、具体的には、金属、ガラス、磁器タイル、コンクリート、アスファルト、スレート、木材、ALC、サイディングボード、防水ゴム材、押出成形板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用することができ、工業上非常に有益なものである。

Claims (5)

  1. 多段乳化重合法によって得られる異層構造エマルション粒子(A)と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体(B)とを含有する水性低汚染被覆材であって、該異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、金属原子含有ラジカル重合性単量体0.1〜20質量部と、カルボニル基含有ラジカル重合性単量体0.3〜15質量部とを含む単量体組成物を共重合した共重合体であることを特徴とする水性低汚染被覆材。
    (異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物中のラジカル重合性単量体の質量部の合計は100質量部)
  2. 前記異層構造エマルション粒子(A)の最外層を形成する乳化重合体部が、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体、ポリオキシアルキレン基含有ラジカル重合性単量体の少なくとも一方を含みその合計が0.5〜20質量部である単量体組成物を共重合した共重合体であることを特徴とする請求項1記載の水性低汚染被覆材。
  3. 前記分子中少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン誘導体(B)が、ヒダントイン骨格を有する有機ヒドラジン誘導体であることを特徴とする請求項1〜2何れか一項記載の水性低汚染被覆材。
  4. 異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物が、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の水性低汚染被覆材。
  5. 異層構造エマルション粒子(A)を構成するための単量体組成物が、シリコン含有ラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4何れか一項記載の水性低汚染被覆材。
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