JP2004276502A - 印刷用紙を再利用して行う検査用パターンの印刷 - Google Patents

印刷用紙を再利用して行う検査用パターンの印刷 Download PDF

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郷志 山▲崎▼
Shigeaki Sumiya
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Abstract

【課題】ドット形成要素のドットの記録状態を確認する際に使用する印刷媒体を節約するための技術を提供する。
【解決手段】新しい印刷用紙を使用して検査用パターンT10を印刷する場合には、最初の検査用パターンT12は、上端が印刷用紙Pの上端からAtの位置にくるように印刷される。すでにノズルチェックに使用され、検査用パターンT10が1個以上印刷されている印刷用紙を再使用する場合には、検査用パターンT14等は、その上端が印刷用紙Pの上端から(At+Hb×Np)の位置にくるように、印刷される。Npは、新たに検査用パターンを印刷する時点で、印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数である。このように、印刷用紙上の印刷位置をずらして検査用パターンT10を形成することにより、ノズルの目詰まりをチェックするための印刷用紙を節約することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドット形成要素を使って印刷媒体上にドットを形成することによって画像を印刷する技術に関し、特に、ドット形成要素のドットの記録状態を確認するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷媒体上にドットを形成することによって画像を印刷する印刷装置において、印刷媒体上に実際に検査用パターンを印刷し、その印刷結果に基づいてドット形成要素の調節を行う技術が存在した。たとえば、特許文献1に開示された技術は、各ノズルを使って記録チェックパターンを印刷し、印刷結果に基づいて選択されたノズルについてのみクリーニングを行う、というものである。なお、その他の関連文献として、特許文献2〜4がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−193397号公報
【特許文献2】
特開平10−278287号公報
【特許文献3】
特開平11−78050号公報
【特許文献4】
特開2000−272116号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記技術においては、一度の検査用パターンの印刷で各ノズルの調整が完了せず、複数回、検査用パターンを印刷する場合には、何枚も印刷用紙を使用しなければならなかった。
【0005】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、ドット形成要素のドットの記録状態を確認する際に使用する印刷媒体を節約するための技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、印刷媒体上にドットを形成することにより印刷を行う印刷装置を対象として所定の処理を行う。この印刷装置は、印刷媒体上にドットを形成するためのドット形成要素と、ドット形成要素を制御する制御部と、を備える。
【0007】
そのような印刷装置において、まず、ドットの記録状態を確認するための検査用パターンを形成すべき印刷媒体上の位置を設定する。そして、設定に基づいて、ドット形成要素によって印刷媒体上に検査用パターンを形成する。このような態様とすれば、ドット形成要素のドットの記録状態を確認する際に、1枚の印刷媒体上に位置を変えて複数回、検査用パターンを形成することができる。よって、印刷媒体を節約することができる。
【0008】
なお、検査用パターンの形成位置を設定する際には、印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を設定することが好ましい。そして、検査用パターンを形成する際には、まず、印刷媒体の搬送方向についての検査用パターンの長さを超える所定の寸法Hbを設定することが好ましい。そして、すでに形成されている検査用パターンのうち搬送方向について最も前方にある検査用パターンの搬送方向についての最先端の部分から、搬送方向にHb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの搬送方向についての最先端の部分がくるように、検査用パターンを形成することが好ましい。
【0009】
このような態様とすれば、印刷媒体の搬送方向について、すでに形成されている検査用パターンと重ならない位置に新たに検査用パターンを形成することができ、印刷媒体を有効に活用することができる。
【0010】
また、検査用パターンを形成する際には、まず、印刷媒体の搬送方向に垂直な方向についての検査用パターンの長さを超える所定の寸法Wbを設定することが好ましい。そして、すでに形成されている検査用パターンのうち、搬送方向に垂直な方向について印刷媒体のいずれかの側端に最も近い位置にある検査用パターンの、側端に最も近い部分から、搬送方向に垂直な方向にWb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの側端に最も近い部分がくるように、検査用パターンを形成することが好ましい。
【0011】
このような態様とすれば、印刷媒体の搬送方向に垂直な方向について、すでに形成されている検査用パターンと重ならない位置に新たに検査用パターンを形成することができ、印刷媒体を有効に活用することができる。
【0012】
また、ドット形成要素が、インク滴を吐出してドットを記録するものである場合には、以下のようにすることが好ましい。すなわち、検査用パターンを形成した後、形成された検査用パターンが一定の条件を満たす場合には、ドット形成要素についてインク滴の吐出を行うことが好ましい。このような態様とすれば、形成された検査用パターンに基づいて、ノズルに目詰まりが生じていることを発見し、強制的にインクを吐出することで目詰まりを解消することができる。
【0013】
そして、検査用パターンを形成した後、形成された検査用パターンが一定の条件を満たす場合には、ドット形成要素についてインクの吸引を行う態様とすることもできる。このような態様としても、形成された検査用パターンに基づいて、ノズルに目詰まりが生じていることを発見し、インクの吸引によって目詰まりを解消することができる。
【0014】
さらに、検査用パターンを形成した後、検査用パターンに基づいてドット形成要素のドット形成位置の調整を行う態様とすることもできる。検査用パターンを形成する際には、複数の調整候補値にそれぞれ対応する複数のサブパターンを含む検査用パターンを、印刷媒体上に形成することが好ましい。そして、ドット形成位置の調整を行う際には、複数のサブパターンから好ましい補正状態を示すサブパターンを選択し、選択されたサブパターンに対応する調整候補値に基づいて、ドット形成要素の補正状態の設定を行うことが好ましい。このような態様とすれば、形成された検査用パターンに基づいて、良好なドット形成位置の補正状態を設定することができる。
【0015】
ドット形成位置の補正状態を設定する際には、選択されたサブパターンが示す補正状態が、検査用パターンの形成を開始した時点で設定されていた補正状態とは異なる場合に、複数の調整候補値を設定し直し、再度、検査用パターンを印刷媒体上に形成することが好ましい。このような態様とすれば、再度、検査用パターンを形成して、前回選択したサブパターンに対応する調整候補値を含む複数の調整候補値について、補正状態を検討することができる。
【0016】
なお、調整候補値を設定し直す際には、選択されたサブパターンに対応する第1の調整候補値と、第1の調整候補値よりも大きい第2の調整候補値と、第1の調整候補値よりも小さい第3の調整候補値と、を選択することが好ましい。さらに、設定しなおされた複数の調整候補値は、第1の調整候補値を中心とする複数の調整候補値であることが好ましい。
【0017】
ドット形成位置の補正状態を設定する際には、好ましい補正状態を示すサブパターンが、複数の調整候補値のうち最小または最大の調整候補値に対応するサブパターンである場合に、複数の調整候補値を設定し直し、再度、検査用パターンを、印刷媒体上に形成することが好ましい。このような態様とすれば、短時間で補正状態を設定でき、形成したサブパターンに対応する補正状態以外に、よりよい補正状態が存在する可能性があるときには、その補正状態についてサブパターンを形成して検討することができる。
【0018】
なお、以下のような態様の印刷装置も好ましい。この印刷装置の制御部は、ドット形成要素のドットの記録状態を確認するための検査用パターンを形成すべき、印刷媒体上の位置を設定するための指示を受け取ることができる第1のユーザーインターフェイス部と、指示に基づいて、印刷媒体上の検査用パターンを形成する位置を設定する形成位置設定部と、ドット形成要素によって印刷媒体上の設定された位置に検査用パターンを形成するパターン形成部と、を備える。
【0019】
制御部は、さらに、印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を設定するパターン数設定部を備えることが好ましい。そして、形成位置設定部は、すでに形成されている検査用パターンのうち搬送方向について最も前方にある検査用パターンの搬送方向についての最先端の部分から、搬送方向にHb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの搬送方向についての最先端の部分がくるように、検査用パターンを形成する位置を設定するように構成することが好ましい。
【0020】
また、形成位置設定部は、すでに形成されている検査用パターンのうち、搬送方向に垂直な方向について印刷媒体のいずれかの側端に最も近い位置にある検査用パターンの側端に最も近い部分から、搬送方向に垂直な方向にWb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの側端に最も近い部分がくるように、検査用パターンを形成する位置を設定するように構成することもできる。
【0021】
なお、第1のユーザーインターフェイス部は、検査用パターンを形成する位置を設定するための指示の少なくとも一部として、検査用パターンの数Npを受け取ることができるように構成することが好ましい。そして、パターン数設定部は、第1のユーザーインターフェイス部から検査用パターンの数Npを受け取ることができるように構成することが好ましい。このような態様とすれば、ユーザの指定した数Npに基づいて新たな検査用パターンの形成位置を設定できるので、すでに検査用パターンが印刷されている任意の印刷媒体を使用して、新たに検査用パターンを形成することができる。
【0022】
また、パターン数設定部は、パターン形成部が検査用パターンを形成するたびに検査用パターンの数Npを増やすことが好ましい。このような態様とすれば、連続して複数回、同じ印刷媒体上に検査用パターンを印刷する際、ユーザがいちいち検査用パターンの数Npを指定する必要がない。
【0023】
さらに、パターン数設定部は、所定の条件が満たされた場合に検査用パターンの数Npを0とするように構成することが好ましい。このような態様とすれば、連続して複数回、同じ印刷媒体上に検査用パターンを印刷した後、新しい印刷用紙を使用して検査用パターンの印刷するという状況にも、対応することができる。すなわち、印刷媒体上に検査用パターンが形成されていないものとして、新たな検査用パターンを形成する位置を設定することができる。
【0024】
ある態様においては、検査用パターンの数Npを0とする所定の条件は、直前に検査用パターンが形成されてから一定の時間が経過したという条件である。このような態様とすれば、いったん検査用パターンの印刷を終了した後、所定時間経過後に、新たに検査用パターンを印刷する際、印刷媒体上に効率的に検査用パターンを形成することができる。すなわち、印刷媒体上に検査用パターンが形成されていないものとして、自動的に好適な位置に検査用パターンを形成する位置を設定することができる。
【0025】
第1のユーザーインターフェイス部は、検査用パターンを形成する位置を設定するための指示の少なくとも一部として、検査用パターンが形成されていない印刷媒体を使用する旨の指示を受け取ることができるように構成することが好ましい。そして、パターン数設定部が検査用パターンの数Npを0とする所定の条件は、検査用パターンが形成されていない印刷媒体を使用する旨の指示を受け取ったという条件とすることが好ましい。このような態様とすれば、ユーザの指示に基づいて、印刷媒体上に検査用パターンが形成されていないものとして、検査用パターンを形成する位置を設定することができる。
【0026】
そして、制御部が、さらに、検査用パターンが一定の条件を満たす場合に出される、ノズルのクリーニングを行うべき旨の指示を受け取ることができる第2のユーザーインターフェイス部と、クリーニングを行うべき旨の指示に基づいてドット形成要素からインク滴の吐出を行い、またはドット形成要素のインクの吸引を行うクリーニング部と、を備えるように構成することも好ましい。
【0027】
また、複数の調整候補値にそれぞれ対応する複数のサブパターンを含む検査用パターンを、印刷媒体上に形成する場合には、制御部は、さらに、以下のような第2のユーザーインターフェイス部と、補正状態設定部と、を備えることが好ましい。この第2のユーザーインターフェイス部は、複数のサブパターンから好ましい補正状態を示すサブパターンとして選択されたサブパターンに対応する調整候補値を、受け取るように構成される。そして、補正状態設定部は、受け取った調整候補値に基づいて、補正状態の設定を行うように構成される。
【0028】
また、制御部は、さらに、第3のユーザーインターフェイス部と、調整候補値再設定部と、を備えることが好ましい。第3のユーザーインターフェイス部は、選択されたサブパターンが示す補正状態が、検査用パターンの形成を開始した時点で設定されていた補正状態とは異なる場合に、複数の調整候補値を設定し直す旨の指示を受け取ることができるように構成される。調整候補値再設定部は、好ましい補正状態を示すサブパターンの調整候補値と、再設定の指示と、に基づいて、複数のサブパターンを形成するための複数の調整候補値を設定し直す。
【0029】
なお、第3のユーザーインターフェイス部は、好ましい補正状態を示すサブパターンが、複数の調整候補値のうち最小または最大の調整候補値に対応するサブパターンである場合に、複数の調整候補値を設定し直す旨の指示を受け取ることができるように構成されてもよい。
【0030】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。
(1)検査用パターン形成方法、ドット形成要素の目詰まり解消方法、ドット形成位置の調整方法、調整値決定方法、印刷方法、印刷制御方法。
(2)印刷装置、印刷制御装置。
(3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施形態の概要:
B.第1実施例:
B−1.装置の構成:
B−2.検査用パターンによるノズル検査およびクリーニング:
C.第2実施例:
C−1.双方向印刷におけるドット形成位置ずれの発生:
C−2.検査用パターンを使用したドット形成位置の調整:
D.変形例:
【0032】
A.実施形態の概要:
図1は、ノズルの目詰まりをチェックするための検査用パターンT10の印刷結果を示す平面図である。検査用パターンT10は、印刷ヘッド上のすべてのノズルを使用して印刷されるパターンである。この検査用パターンT10の印刷結果にドット抜けがある場合には、そのドットを印刷すべきであったノズルが目詰まりを起こしていると判断することができる。なお、この明細書では、ノズルの目詰まりをチェックするための検査用パターン一般をさすときには、検査用パターンT10と表記し、個々の具体的な検査用パターンをさすときには、検査用パターンT12,T14等と表記する。
【0033】
まだ何も印刷されていない印刷用紙を使用して検査用パターンT10を印刷する場合には、最初の検査用パターンT12は、その上端Et2が印刷用紙Pの上端からAtの位置にくるように、印刷される。そして、すでに一度、ノズルチェックに使用され、検査用パターンT12が印刷されている印刷用紙を再度使用して、検査用パターンT10を印刷する場合には、検査用パターンT14は、その上端Et4が印刷用紙Pの上端Ptから(At+Hb)の位置にくるように、印刷される。その結果、検査用パターンT14の上端Et4が、検査用パターンT12の上端Et2とはHbだけ副走査方向SSの下流に位置するように、検査用パターンT14は形成される。
【0034】
さらに、検査用パターンT12,T14がすでに印刷されている印刷用紙を再度使用して、検査用パターンT10を印刷する場合には、検査用パターンT16は、その上端が印刷用紙Pの上端から(At+Hb×2)の位置にくるように、印刷される。このように、印刷用紙上の印刷位置をずらして検査用パターンT10を形成することにより、ノズルの目詰まりをチェックするための印刷用紙を節約することができる。
【0035】
B.第1実施例:
B−1.装置の構成:
図2は、プリンタ20を含むコンピュータシステムの全体構成を示す説明図である。このコンピュータシステムは、プリンタ20と、プリンタ20が接続されているホストコンピュータ100と、ホストコンピュータ100に接続されている液晶ディスプレイ110と、同じくホストコンピュータ100に接続されているキーボード120と、マウス130を備えている。ユーザは、液晶ディスプレイ110に出力された表示を見て、キーボード120、マウス130を操作して、自らの意志決定の結果をコンピュータ100に入力する。なお、このコンピュータシステム全体が、特許請求の範囲にいう「印刷装置」に相当する。そして、液晶ディスプレイ110に表示を行い、キーボード120およびマウス130からの入力信号を受け取るコンピュータ100のCPU102が、特許請求の範囲にいう「ユーザーインターフェイス部」に相当する。
【0036】
このプリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向SSに搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によって印刷用紙Pの搬送方向に垂直な方向(主走査方向MS)にキャリッジ30を往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32を制御する制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ100に接続されている。
【0037】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転を用紙搬送ローラ(図示せず)に伝達するギヤトレインを備える(図示せず)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、主走査方向に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24と自らとの間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
【0038】
図3は、制御回路40の構成およびCPU102の機能部を示すブロック図である。プリンタ20の制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ100から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。なお、CPU102の各機能部については後述する。
【0039】
図4は、印刷ヘッド28に設けられた複数列のノズルを示す説明図である。このプリンタ20は、ブラック(K)、濃シアン(C)、淡シアン(LC)、濃マゼンタ(M)、淡マゼンタ(LC)、イエロ(Y)の6色のインクを用いて印刷を行う印刷装置であり、各インク用のノズル列をそれぞれ備えている。なお、濃シアンと淡シアンとは、ほぼ同じ色相を有し、濃度が異なるシアンインクである。濃マゼンタインクと淡マゼンタインクも同様である。
【0040】
図5は、クリーニング機構200aの構成を示す概念図である。プリンタ20には、クリーニング機構200aが設けられている。このクリーニング機構200aは、プラテン26の外側に設けられており、図示するように、プラテン26の外側に搬送された印刷ヘッド28に対して正対することができる位置に設けられている。このクリーニング機構200aは、ヘッドキャップ210aと、ホース220a,220b,220cと、ポンプローラ230bを含む三つのポンプローラと、を備えている。なお、図5においては、ホース220aと220cは途中までしか示されておらず、ポンプローラ230b以外のポンプローラは、図示を省略されている。
【0041】
ヘッドキャップ210aは、図5に示すように、その内部空間が三つの吸引室Va,Vb,Vcに分かれている。そして、ヘッドキャップ210aが上昇し、印刷ヘッド28の下面に密着すると、吸引室Vaはノズル列KとC(図4参照)を覆う閉空間を形成し、吸引室Vbはノズル列LCとM を覆う閉空間を形成し、吸引室Vcはノズル列LMとYを覆う閉空間を形成する。そして、ヘッドキャップ210aの吸引室Va,Vb,Vcには、それぞれホース220a,220b,220cが接続されている。
【0042】
ポンプローラ230bは、その周縁部の近傍に2つの小ローラ232b,234bを有している。これらの2つの小ローラ232b,234bの周囲には、ホース220bが巻回されている。紙送りモータ22(図2参照)に駆動されてポンプローラ230bが矢印A方向に回転すると、小ローラ232b,234bによってホース220b内の空気が押され、これによってヘッドキャップ210a内の閉空間Vbが排気される。この結果、印刷ヘッド28のノズル列LC,Mのノズルからインクが吸引され、ホース220bを介して図示しない廃インク排出部に排出される。また、ノズル先端に存在するインクが排出されると、インクカートリッジ側から新しいインクがノズルに供給される。
【0043】
このようにして、インクの吸引によるクリーニングが行われる。他のホース220a,220cのためのポンプローラも上述したポンプローラ230bと同じ構成を有している。以下、これらポンプローラを使用したインクの吸引によるクリーニングを、「インク吸引」と表記する。
【0044】
また、ヘッドキャップ210aとポンプローラとの間には、ホース220a,220b,220cを挟むためのピンチ241,242が設けられている。ピンチ241,242は、図5に双方向矢印で示すように開閉可能に設けられている。ピンチ241,242を用いたクリーニングでは、まず、ピンチ241,242でホース220a,220b,220cを前後から挟み、ポンプローラ230b他のポンプローラで吸引を行う。その後、ピンチ241,242を解放すると、吸引力が急激に吸引室Va,Vb,Vcに伝えられる。このようにすれば、前述の通常のインク吸引よりも強力なクリーニングを行うことができる。このようにして行うピンチングを伴う吸引クリーニングを、以下で「ピンチングクリーニング」と呼ぶ。
【0045】
これらの、インク吸引およびピンチングクリーニングは、コンピュータ100のCPU102が紙送りモータ22やキャリッジモータ24を制御して実行する。なお、プリンタ20のCPU41も独自にこれらインク吸引およびピンチングクリーニングを行うことができる、
【0046】
B−2.検査用パターンによるノズル検査およびクリーニング:
図6は、第1実施例においてノズルの目詰まりを解消するための手順を示すフローチャートである。ユーザは、図6に示す手順で、プリンタ20のノズルの目詰まりの有無を検査し、目詰まりがある場合にはクリーニングを行ってこれを解消する。
【0047】
図7は、プリンタ20の各主設定を行い、またノズル検査等の動作を行わせるためのプロパティ画面を示す説明図である。ノズル検査を行う際には、ユーザは、まず、キーボード120やマウス130を操作して、コンピュータ100のディスプレイ110上にプリンタ20のプロパティ画面を表示する。そして、上から二つ目の「ノズルチェック」のボタンをクリックする。この操作により、ノズル検査の手順が開始される。具体的には、コンピュータ100のCPU102(図2参照)でドット抜け検査プログラム102aが実行される。
【0048】
ノズルチェックのボタンをクリックしてノズル検査の手順を開始すると、ユーザは、図6のステップS2で、プリンタ20に印刷用紙Pをセットする。ここで、印刷用紙Pは、すでに過去においてノズル検査に使用された用紙であってもよいが、ここでは、新しい用紙を使用するものとして説明する。
【0049】
図8は、図6のステップS4において、「使用する印刷用紙上にすでに印刷されている検査用パターンがあるか否か」の情報をコンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図である。図7のノズルチェックのボタンがクリックされると、ディスプレイ110には、図8のユーザーインターフェイス画面が表示される。プリンタ20にセットした印刷用紙が新しい用紙であり、まだ検査用パターンが印刷されていない場合は、ステップS4において、ユーザはマウス130を操作して、左側の「いいえ(新しい紙を使用)」のボタンをクリックする。なお、図中のCSは、マウスカーソルである。その結果、処理は図6のステップS8にすすみ、印刷用紙に印刷されている検査用パターンの数Npは0とされる。そして、処理はステップS10にすすむ。
【0050】
ドット抜け検査プログラム102aを実行されることによって、CPU102は、検査用パターンの数Npを設定する機能を果たす。このCPU102の機能をパターン数設定部102kとして、図3に示す。
【0051】
図9は、使用する印刷用紙に検査用パターンがいくつあるかを指示するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図である。プリンタ20にセットした印刷用紙P上にすでに検査用パターンが印刷されている場合には、ユーザは、図8のユーザーインターフェイス画面において、「はい」のボタンをクリックする。すると、図9のユーザーインターフェイス画面が表示される。ユーザは、マウス130,キーボード120を操作して、ステップS6で、図9のユーザーインターフェイス画面に対して、印刷用紙上にすでに印刷されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を入力する。具体的には、キーボード120のテンキーによって検査用パターンの数を入力するか、または、マウス130で画面左側に表示されている検査用パターンの数を増減させて、画面右下の「OK」ボタンをクリックする。
【0052】
なお、ここで、「検査用パターンの数」とは、印刷装置のノズル(ドット形成要素)の調整を1回行うために印刷される検査用パターン全体を1個として、数えられる。「ノズルの調整」には、第1実施例で説明しているノズルの目詰まりのチェックや、第2実施例で説明するノズルのドット形成位置の調整などが含まれる。
【0053】
ドット抜け検査プログラム102aを実行されることによって、CPU102は、図9のユーザーインターフェイス画面を表示し、検査用パターンの数Npを受け取る機能を果たす。このCPU102の機能を第1のユーザーインターフェイス部102cとして、図3に示す。そして、CPU102は、それまでに記憶していた検査用パターンの数Npを、図9のユーザーインターフェイス画面を介して受け取った値に置き換える。この機能は、CPU102のパターン数設定部102k(図3参照)が果たす。
【0054】
ステップS10では、CPU102が検査用パターンを印刷する位置を設定する。検査用パターンの印刷位置は、印刷用紙の上端から(At+Hb×Np)の位置に検査用パターンの上端がくるような位置である。ここで、印刷用紙および検査用パターンの「上端」とは、印刷媒体の搬送方向についての先端を意味する。Atは、印刷用紙の上端Ptから最初に印刷される検査用パターンT12の上端Et2までの余白の寸法である。そして、Hbは、検査用パターンT10の縦方向の長さHpよりも長い寸法である。ノズルの目詰まりのチェックのために新しい用紙が使用される場合には、Npは0であるから、最初に印刷される検査用パターンT12の印刷位置は、印刷用紙の上端からAtの位置となる。
【0055】
ドット抜け検査プログラム102aを実行されることによって、CPU102は、検査用パターンの印刷位置を設定する機能を果たす。このCPU102の機能を形成位置設定部102eとして、図3に示す。
【0056】
図6のステップS12では、ステップS10で設定した印刷用紙上の位置に、実際に検査用パターンT10が印刷される。図1に示したように、印刷用紙P上に初めて印刷された検査用パターンT12は、印刷用紙Pの上端PtからAtの距離にその上端Et2がくるように印刷される。なお、図1においては、検査用パターンT12の印刷結果を一部簡略化した形で記載している。図1において、検査用パターンT12の印刷結果のうち斜線で示されている部分は、実際には、主走査方向MSに伸びる0.3〜1mmの線分が、順に副走査方向SSにずらして記録されている部分である。
【0057】
ドット抜け検査プログラム102aを実行されることによって、CPU102は、検査用パターンを形成する機能を果たす。このCPU102の機能をパターン形成部102fとして、図3に示す。
【0058】
図10は、ステップS14でユーザが、「検査用パターンT10にドット抜けがあるか否か」の判断結果をコンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図である。検査用パターンT10が印刷されると、ユーザは、ステップS14において、検査用パターンT10を目視で確認して、ドット抜けがあるか否かを判断する。ドット抜けがない場合には、図10のユーザーインターフェイス画面において右下の「終了」のボタンをクリックし、処理を終了する。
【0059】
一方、ドット抜けがある場合は、図10のユーザーインターフェイス画面において「クリーニング」のボタンを押す。すると、コンピュータ100は、図6のステップS16で、キャリッジ30およびクリーニング機構200aを制御して、前述のピンチングクリーニングを行う。その後、処理はステップS2に戻る。
【0060】
ドット抜け検査プログラム102aを実行されることによって、CPU102は、ユーザからのクリーニングの指示を受け取る機能、およびピンチングクリーニングを実行する機能を果たす。クリーニングを行うなど、ノズルの状態を改善するための作業や設定を行う旨のユーザの指示を受け取る機能を、第2のユーザーインターフェイス部102dとして図3に示す。そして、クリーニングを行う機能をクリーニング部102gとして、図3に示す。
【0061】
ステップS2では、先に検査用パターンT12が印刷された印刷用紙Pが再びプリンタ20にセットされる。印刷用紙Pには、すでに検査用パターンT12が印刷されているので、ステップS4では、ユーザは、図8のユーザーインターフェイス画面において「はい」のボタンをクリックする。そして、ステップS6において、ユーザは、図9のユーザーインターフェイス画面上で、印刷用紙にすでに印刷されている検査用パターンの数「1」を入力する。
【0062】
ステップS10では、コンピュータ100が検査用パターンT14を印刷する位置を設定する。検査用パターンT14の印刷位置は、印刷用紙の上端から(At+Hb×Np)の位置に検査用パターンT14の上端がくる位置である。ここでは、Npは1であるので、次に印刷される検査用パターンT14の印刷位置は、印刷用紙の上端Ptから(At+Hb)の位置となる。そして、ステップS12で、その位置に検査用パターンT14が印刷される。検査用パターンT14の印刷結果を、図1において破線で示す。
【0063】
以下、同様にして、ノズルの目詰まりがなくなるまで上記の手順が繰り返される。その結果、検査用パターンを1回印刷する毎に、各検査用パターンの上端の間隔がHbとなるように位置をずらされて、順に各検査用パターンT16,T18が形成される。印刷用紙P上に検査用パターンT10を印刷することができるスペースがなくなった場合には、ステップS2で、新たな印刷用紙がプリンタ20にセットされる。
【0064】
このような手順で検査用パターンT10を印刷すれば、図1に示すよう各検査用パターンT12〜T18は、互いにHbの間隔を開けて印刷される。Hbは、検査用パターンT10の縦方向の長さHpよりも長い寸法であるので、各検査用パターンT12〜T18は、印刷用紙P上において、互いに重ならないようにそれぞれ領域Av1〜Av4に印刷されることになる。このため、上記のような手順で検査用パターンT10を印刷すれば、1枚の印刷用紙を複数回、検査用パターンT10の印刷に使用することができる。よって、印刷用紙を節約することができる。なお、図8に示すインターフェイス画面の表示を行わず、図9のインターフェイス画面について「印刷されている検査用パターンの数」を0とするためのリセットボタンを設けた態様としてもよい。
【0065】
C.第2実施例:
C−1.双方向印刷におけるドット形成位置ずれの発生:
第2実施例では、双方向印刷の往路と復路におけるドットの記録位置ずれを減少させるための、検査用パターンの印刷について説明する。第2実施例のプリンタ20は第1実施例のプリンタと同じである。
【0066】
プリンタ20は、調整値を用いて双方向印刷時の記録位置を調整する。そこで、調整値の決定について説明する前に、以下ではまず、双方向印刷時の記録位置ずれの発生について説明する。なお、「双方向印刷」とは、主走査を双方向に行いつつ、主走査の往路と復路の両方において印刷媒体上にドットを形成し、画像を印刷する印刷方式である。これに対して、主走査の往路と復路のうちの一方においてのみ印刷媒体上にドットを形成し、画像を印刷する印刷方式を「単方向印刷」という。
【0067】
図11は、双方向印刷時の位置ずれを示す説明図である。図11(a)は、往路の印刷時のドットの着弾位置を示す説明図であり、図11(b)は、復路の印刷時のドットの着弾位置を示す説明図である。ノズルnは、印刷用紙Pの上方において双方向に水平に移動しており、往路と復路においてそれぞれインクを吐出することによって印刷用紙P上にドットを形成する。インクは、鉛直下方に向けて吐出速度Vkで吐出されるものと仮定している。各インクの合成速度ベクトルCVkは、下方への吐出速度ベクトルと、ノズルnの主走査速度ベクトルVsとを合成したものとなる。したがって、主走査の往路と復路において、印刷用紙Pと印刷ヘッド28(ノズルn)とが同じ位置関係にあるときにインク滴を吐出したのでは、インク滴の印刷媒体上への着弾位置がずれてしまう。そこで、インク滴の印刷媒体上への着弾位置が一致するように、主走査の往路と復路でインク滴の吐出タイミングが調整される。
【0068】
図11においては、往路と復路とで、インク滴吐出時のノズルの位置に対してドット形成位置ずれがほぼ対称となっている。しかし、主走査方向の駆動機構のバックラッシュや、印刷媒体を下で支えているプラテンの反りなど、往路と復路とでずれが対称とはならないような要素も存在する。そのような要素に起因するドット形成位置ずれを吸収するためにも、主走査の往路と復路でインク滴の吐出タイミングを調整することが好ましい。
【0069】
そこで、第2実施例では、往路と復路でそれぞれインク滴を吐出して一つのパッチを形成し、そのパッチの印刷結果の品質がもっともよくなるような、インク滴の吐出タイミングを選択する。
【0070】
図12は、双方向印刷における位置ずれ調整用の検査用パターンT20の印刷結果を示す平面図である。なお、この明細書では、双方向印刷におけるドット形成位置を調整するための検査用パターン一般をさすときには、検査用パターンT20と表記し、個々の具体的な検査用パターンをさすときには、検査用パターンT22,T24等と表記する。
【0071】
双方向印刷における位置ずれ検査用パターンT20は、淡シアン、淡マゼンタ、イエロの各ノズル列を用いて往路と復路の両方を使ってそれぞれ印刷された複数のグレーパッチで構成されている。たとえば、検査用パターンT22を構成するグレーパッチT22a〜T22eを図12に示す。各グレーパッチは等しい色を再現する矩形のパッチである。各グレーパッチは、副走査方向SS、すなわち印刷用紙Pを搬送する方向に並ぶように印刷される。
【0072】
なお、「グレーパッチ」という用語は、このパッチが人の目に常に「グレー」の色に見えることを意味するものではない。すなわち、ドットの位置ずれ状態によっては他の色に見えることもある。このグレーパッチT22a〜T22eが、特許請求の範囲にいう「サブパターン」に相当する。
【0073】
各パッチを構成する各色のドットは、往路では各パッチについて主走査方向の一定の位置に記録されるが、復路では、各パッチごとに主走査方向の位置を1/2880インチ単位で順次ずらした位置に記録される。なお、各パッチを構成する各色のドットは、復路において共通のずらし量でずらされる。この結果、印刷用紙P上には、往路で形成されるドットと復路で形成されるドットとの相対位置が1/2880インチずつずれていくような複数のグレーパッチT22a〜T22eが印刷される。各グレーパッチの往路と復路のドットのずらし量が特許請求の範囲にいう「調整候補値」である。グレーパッチT22a〜T22eの左側には、図12に示すように、ズレ調整番号の数字が印刷される。ズレ調整番号は、好ましい補正状態を示す補正情報としての機能を有する。ここで、「好ましい補正状態」とは、往路または復路における記録位置(または記録タイミング)を適切な調整値で補正したときに、グレーパッチの見た目のざらつきがもっとも少なくなる状態をいう。したがって、好ましい補正状態は、適切な調整値によって実現される。
【0074】
なお、これらのグレーパッチT22a〜T22eは、互いに等しい色を再現するものであり、同一の印刷データに基づいて形成される。グレーパッチT22a〜T22eのもととなる印刷データは、一様な濃度の画素の集合を表すカラー画像データを、複数のインク色のドットの記録状態を表すデータに変換したものである。この印刷データは、コンピュータ100内のハードディスク(記憶部)に格納されている。また、各グレーパッチT22a〜T22eは、実際の印刷で行われる副走査送りパターンで印刷される。
【0075】
C−2.検査用パターンを使用したドット形成位置の調整:
図13は、第2実施例において双方向印刷のドット形成位置ずれを解消するための手順を示すフローチャートである。ユーザは、図13に示す手順で、好ましい補正状態を実現する調整値を決定し、プリンタの補正状態を決定する。
【0076】
双方向印刷における往路と復路のドット形成位置の調整を行う際には、ユーザは、まず、ディスプレイ110上に図7のプリンタ20のプロパティ画面を表示する。そして、上から四つ目の「ギャップ調整」のボタンをクリックする。この操作により、往路と復路のドット形成位置を調整する手順が開始される。具体的には、コンピュータ100のCPU102(図2参照)でドット形成位置調整プログラム102bが実行される。
【0077】
双方向印刷のドット形成位置ずれを解消する際には、CPU102は、まず、図13のステップS1で、ドット形成位置ずれを解消するための調整値の候補である、調整候補値を設定する。調整候補値は、たとえば以下のようなものとすることができる。往路のインク滴の着弾位置に対する復路のインク滴の着弾位置のずらし量0となる調整候補値、復路のインク滴の着弾位置が、往路のインク滴の着弾位置に対して左に1/2880インチずれるはずの調整候補値、左に2/2880インチずれるはずの調整候補値、右に1/2880インチずれるはずの調整候補値、および右に2/2880インチずれるはずの調整候補値、の5個の調整候補値である。
【0078】
図13のフローチャートにおいては、その後、ステップS2〜S4の手続きが行われる。ステップS2〜S4の手続きは、図6のフローチャートと同様である。ステップS6またはS8で、すでに印刷用紙に印刷されている検査用パターンの数Npが設定されると(図6参照)、処理はステップS11にすすむ。
【0079】
ステップS11では、図6のステップS10と同様、CPU102が検査用パターンT20を印刷する位置を設定する。ただし、検査用パターンT20の印刷位置は、印刷用紙Pの左端から(Al+Wb×Np)の位置に検査用パターンの左端がくるような位置である。ここで、印刷用紙および検査用パターンの「左端」とは、図1に示すように、印刷用紙Pのインク滴が着弾する側の面がこちらを向き印刷用紙Pの搬送方向が「上」となる姿勢に印刷用紙Pを配したときに、左側に位置する側の端である。Alは、印刷用紙の左端Plから最初に印刷される検査用パターンT22の左端El2までの余白の寸法である。そして、Wbは、検査用パターンT20の横方向の幅Wpよりも長い寸法である。
【0080】
双方向印刷におけるドット形成位置を調整するために新しい用紙が使用される場合には、Npは0であるから、最初に印刷される検査用パターンT22の印刷位置は、印刷用紙の左端からAlの位置となる。
【0081】
図13のステップS13では、ステップS11で設定した印刷用紙上の位置に、実際に検査用パターンT20が印刷される。図12に示したように、印刷用紙P上に初めて印刷された検査用パターンT22は、印刷用紙Pの左端PlからAlの距離に検査用パターンT22の左端がくるように印刷される。なお、印刷用紙の左端Plから検査用パターンT22の左端までの余白の寸法Alは、印刷用紙の右端Prから検査用パターンT22の右端までの余白の寸法Arよりも小さい。すなわち、検査用パターンT22の印刷位置は、印刷用紙P上において左寄りの位置に印刷される。
【0082】
図14は、ステップS15でユーザが、最も印刷結果の品質のよいグレーパッチの番号をコンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図である。検査用パターンT20が印刷されると、ユーザは、図13のステップS15において、グレーパッチを目視で確認して、最も印刷結果の品質のよいグレーパッチを選択する。そして、そのグレーパッチの番号を、図14のユーザーインターフェイス画面を通じてコンピュータ100に入力する。なお、ドット形成位置調整プログラム102bを実行されることによって、CPU102は、図14のユーザーインターフェイス画面を表示し、グレーパッチの番号を受け取る機能を果たす。
【0083】
図13のステップS17では、CPU102は、ステップS15で選択され、番号を入力されたグレーパッチの調整候補値が、その時点でプリンタ20において設定されている調整値に等しいか否かを判定する。図12の例では、印刷されたグレーパッチの番号の最大値は5であり、最小値は1である。
【0084】
ステップS15で選択され、番号を入力されたグレーパッチの調整候補値が、その時点で設定されている調整値に等しく、ステップS17の判定結果がYesである場合には、処理はステップS23にすすむ。ステップS23では、CPU102は、選択されたグレーパッチに対応する調整候補値を調整値として設定する。そして、処理を終了する。このような処理を行うことで、好ましい補正状態を実現できる調整値を設定することができる。
【0085】
ドット形成位置調整プログラム102bを実行されることによって、CPU102は、調整値を設定する機能を果たす。このCPU102の機能を補正状態設定部102hとして、図3に示す。
【0086】
一方、ステップS15で選択され、番号を入力されたグレーパッチの調整候補値が、その時点で設定されている調整値とは異なり、ステップS17の判定結果がNoである場合には、処理はステップS19にすすむ。
【0087】
図15は、調整値を設定し直すか否かの判断結果を、コンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図である。ステップS19では、CPU102は、図15のユーザーインターフェイス画面をディスプレイ110に表示する。ドット形成位置調整プログラム102bを実行されることによって、CPU102は、図15のユーザーインターフェイス画面をディスプレイ110に表示する機能を果たす。このCPU102の機能を第3のユーザインターフェイス部102jとして、図3に示す。
【0088】
なお、印刷されたグレーパッチの番号のうち最大値または最小値に対応するグレーパッチの印刷結果が最もよい場合は、印刷された各グレーパッチに対応する調整値の中では、選択されたグレーパッチに対応する調整値が最も印刷結果の品質を高くする、ということを意味する。しかし、選択されたグレーパッチの調整値よりもさらにずらし量を大きくまたは小さくした方が、印刷結果の品質はより高くなるかもしれない。たとえば、「1」のグレーパッチが、復路のインク滴の着弾位置が2/2880インチだけ左に寄っており、調整候補値の中では最も復路のインク滴の着弾位置が左に寄っているグレーパッチであるとする。そして、この「1」のグレーパッチがステップS15で「印刷結果が最良のグレーパッチ」として選択されたとする。この場合、最適なずらし量は「1」のグレーパッチに対応する、左寄りの2/2880インチではなく、復路のインク滴の着弾位置をさらに大きく左にずらすずらし量であるかもしれない。そこで、コンピュータプログラム102aは、図15のユーザーインターフェイス画面をディスプレイ110に表示して、ユーザに再調整の機会を与える。
【0089】
ユーザは、調整値の再設定を行うのではなく、ステップS15で選んだ番号に基づいて調整値を設定してよいと判断した場合には、ステップS19で、図15のユーザーインターフェイス画面の右側の「No」のボタンをクリックする。すると、処理はステップS23にすすむ。
【0090】
一方、ユーザが再調整を希望する場合は、ステップS19において、図15のユーザーインターフェイス画面の左側の「Yes」のボタンをクリックする。すると、CPU102は、ステップS21で調整候補値を再設定する。再設定された調整候補値は、選択されたグレーパッチに対応する調整候補値を中心とする5個の調整候補値である。その後、処理はステップS2にすすむ。
【0091】
たとえば、ステップS15で「1」のグレーパッチが選択された場合には、番号「1」、「2」、「3」のグレーパッチに対応する調整候補値は、ステップS21において、再び調整候補値として選択される。なお、直前のグレーパッチの印刷時において、番号「1」のグレーパッチに対応していた調整候補値は、今度は、番号「3」のグレーパッチに対応することになる。すなわち、後のステップS13では、前回、番号「1」のグレーパッチに対応していた調整候補値で、番号「3」のグレーパッチが印刷される。そして、前回のグレーパッチの印刷時に番号「2」のグレーパッチに対応していた調整候補値は、番号「4」のグレーパッチに対応することになる。番号「3」のグレーパッチに対応していた調整候補値は、番号「5」のグレーパッチに対応することになる。
【0092】
また、ステップS15で番号「1」のグレーパッチが選択された場合には、復路のインク滴の着弾位置をさらに大きく左にずらす調整候補値が二つ、新たに選択される。たとえば、復路のインク滴の着弾位置が、往路のインク滴の着弾位置に対して左に3/2880インチと、4/2880インチだけずれるはずの調整候補値である。これらは、それぞれ番号「2」と「1」のグレーパッチに対応する。すなわち、後のステップS13では、復路のインク滴の着弾位置が左に4/2880インチだけずれるはずの調整候補値で、番号「1」のグレーパッチが印刷され、3/2880インチだけずれるはずの調整候補値で、番号「2」のグレーパッチが印刷される。
【0093】
ドット形成位置調整プログラム102bを実行されることによって、CPU102は、調整候補値を再設定する機能を果たす。このCPU102の機能を調整候補値再設定部102iとして、図3に示す。
【0094】
ステップS2では、印刷用紙Pがプリンタ20にセットされる。ここでは、先に検査用パターンT22が印刷された印刷用紙Pが再びプリンタ20にセットされるものとする。印刷用紙Pには、すでに検査用パターンT22が印刷されているので、印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Npは1である。よって、ステップS11では、検査用パターンT24の印刷位置は、印刷用紙の左端から(Al+Wb)の位置に検査用パターンT24の左端がくる位置に設定される。そして、ステップS13で、その位置に検査用パターンT24が印刷される。検査用パターンT24の印刷結果を、図12において破線で示す。
【0095】
以下、同様にして、好ましい補正状態が決定されるまで上記の手順が繰り返される。検査用パターンT24においても、番号「1」のグレーパッチの品質が最も良い場合は、同様の手順で3個目の検査用パターンT26が印刷される。すでに検査用パターンT22,T24が印刷されている印刷用紙Pを使用して、検査用パターンT20の印刷を行う場合には、3回目の検査用パターンT26は、以下のように印刷される。
【0096】
すでに形成されている検査用パターンT22,T24のうち、主走査方向MSについて印刷媒体Pのいずれかの側端Pl,Prに最も近い位置にある検査用パターンT22の、近い方の側端Plに最も近い部分Et2から、主走査方向MSにWb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンT26の、側端Plに最も近い部分El6がくるように、新たに検査用パターンT26は形成される。Npは、印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンT20の数であり、ここでは2である。検査用パターンT26の印刷結果を図12において破線で示す。このような印刷を行うと、検査用パターンT26の左端El6が、検査用パターンT24の左端Et4とは距離Wbだけ主走査方向MSの右側に位置するように、検査用パターンT26が形成される。
【0097】
印刷用紙P上に検査用パターンT20を印刷することができるスペースがなくなった場合には、ステップS2で、新たな印刷用紙がプリンタ20にセットされる。
【0098】
以上で説明したような手順で検査用パターンT20を印刷すれば、各検査用パターンT22、T24は、印刷用紙P上において、互いに重ならないようにそれぞれ領域Ah1、Ah2、Ah3等に印刷される。このため、1枚の印刷用紙を複数回、検査用パターンT10の印刷に使用することができる。
【0099】
また、第2実施例においては、好ましい補正状態を示すものとして選択されたグレーパッチの調整候補値が、その時点でプリンタ20において設定されている調整値とは異なる場合には、調整候補値を設定し直し、再び検査用パターンを印刷して調整値を選択することができる。このため、好ましい補正状態を示すものとして選択されたグレーパッチの調整候補値を中心とする複数の調整候補値について、再度、グレーパッチを印刷して、それぞれの補正状態を確認することができる。そして、補正状態を確認した結果、他のグレーパッチの補正状態の方が好ましいものであることがわかれば、そのグレーパッチを選択して、そのグレーパッチが対応する調整候補値を調整値とすることができる。
【0100】
また、第2実施例においては、好ましい補正状態を示すグレーパッチが、複数の調整候補値のうち最小または最大の調整候補値に対応するグレーパッチである場合に、調整候補値を設定し直し、再び検査用パターンを印刷して調整値を選択することができる。このため、より印刷結果の品質を高める調整値が存在する可能性がある場合には、他の調整候補値を検討して、最適な調整値を設定することができる。また、最初から大量の調整候補値に対応する大量のグレーパッチを印刷して調整値の決定に長時間要をすることなく、状況に応じて必要なだけの時間で好ましい調整値を設定することができる。
【0101】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0102】
(1)上記実施例では、印刷用紙P上にすでに印刷されている検査用パターンの数Npは、ユーザがコンピュータに入力していた(図9参照)。しかし、印刷用紙P上にすでに印刷されている検査用パターンの数Npは、検査用パターンの印刷回数に基づいて、コンピュータ100や制御回路40(図3参照)が記憶していることとしてもよい。
【0103】
たとえば、検査用パターンを1回印刷するたびに、コンピュータ100のCPU102の機能部であるパターン数設定部102gが検査用パターンの数Npの数を自動的に1ずつ増やし、ユーザが図8のユーザーインターフェイス画面において「新しい用紙を使用する。」旨の指示をコンピュータに与えない限り、その値を使用することとしてもよい。そのような態様においては、ユーザが「新しい用紙を使用する。」旨の指示をコンピュータに与えた場合には、パターン数設定部102gによってNpは0に更新される。また、一定時間、検査用パターンが印刷されない場合に、パターン数設定部102gがNpを0とする態様としてもよい。すなわち、検査用パターンの形成に際しては、何らかの方法で、印刷用紙P上にすでに印刷されている検査用パターンの数Npに基づいて、検査用パターンを形成すべき位置を設定することとすればよい。
【0104】
(2)上記第1実施例では、ステップS14において、検査用パターンT10の印刷結果にドット抜けがある場合に、ノズルクリーニングを行っていた。しかし、ノズルクリーニングは、ドット抜けがある場合に常に行わなければならないわけではない。すなわち、ユーザは、ドット抜けが3箇所以上ある場合に図10の「クリーニング」ボタンをクリックして、クリーニングを行うこととしてもよい。また、ドット抜けが5箇所以上ある場合にクリーニングを行うこととしてもよい。さらには、印刷された検査用パターンのうち特定の領域内にドット抜けがある場合に、クリーニングを行うこととしてもよい。すなわち、形成された検査用パターンが、本来ドットが形成されているべき部分について少なくとも一部に欠損を有するなど、一定の条件を満たす場合に、クリーニングを行うものであればよい。
【0105】
また、上記第1実施例では、ピンチングクリーニングを行うことによってノズルの目詰まりの解消を図っていた。しかし、ノズルの目詰まりを他の方法で解消することとしてもよい。たとえば、ピンチ241,242(図5参照)を開いたままで、ポンプローラ230b等でノズルからインク吸引を行うこととしてもよい。また、各ノズルにインク滴の吐出指示を出して、ノズルに詰まっている固化したインク、粘度が高くなったインク、または空気を排出することによって、ノズルの目詰まりを解消してもよい。
【0106】
(3)上記第2実施例では、主走査の往路と復路におけるドット形成位置ずれの調整をするに当たって、復路の記録位置(または記録タイミング)を調整することによって位置ずれを補正していたが、往路の記録位置を調整することによって位置ずれを補正するようにしてもよい。また、往路と復路の記録位置の両方を調整することによって位置ずれを補正するようにしてもよい。すなわち、一般には、往路と復路の記録位置の少なくとも一方を調整することによって位置ずれを補正するようにすればよい。
【0107】
(4)上記第1実施例では、同じ目詰まりを解消するために何回も検査用パターンT10を印刷して、ドットの記録状態を確認する例について説明した。しかし、第1実施例の手順は、そのような場合以外にも適用することができる。すなわち、いったんノズル目詰まりが解消した後、印刷を行ったりプリンタを放置したりしてしばらく時間がたってから、再びドットの記録状態を確認する際に、すでに検査用パターンが印刷されている印刷用紙を再使用する場合にも、適用できる。
【0108】
第2実施例についても同様である。第2実施例では、ドット形成位置の調整を1回行うために、何回も検査用パターンT20を印刷して、ドットの記録状態を確認する例について説明した。しかし、第2実施例の手順は、いったんドット形成位置の調整が完了した後、印刷を行ったりプリンタを放置したりしてしばらく時間がたってから、すでに検査用パターンが印刷されている印刷用紙を再使用して、再びドットの記録状態を確認する際にも適用することができる。
【0109】
(5)上記各実施例で示した検査用パターンT10,T20は、一例にすぎない。たとえば、主走査方向のドット形成位置ずれを調整するために、副走査方向に伸びる一対の罫線を、一方の罫線の形成位置を主走査方向に少しずつずらして、複数組、形成するような調整用パターンとしてもよい。そして、各パターンは、ドットの形成の有無を確認するためのパターンであってもよいし、ドットの形成位置や大きさを確認するためのパターンであってもよい。さらに、印刷結果の明度や彩度を確認するためのテスト印刷用のパターンであってもよい。すなわち、印刷媒体の一部に形成され、印刷用紙上に複数印刷できるようなパターンであれば、どのようなパターンにも本発明は適用できる。
【0110】
(6)上記各実施例では、印刷媒体は印刷用紙であるとしたが、印刷媒体は紙製のものに限らず、樹脂製のもの、布製のものなど、他の素材のものであってもよい。ただし、シート状の印刷媒体であるときに、上記技術は特に有効である。シート状の印刷媒体とは、ロール状に巻かれた印刷媒体以外の印刷媒体である。
【0111】
(7)上記各実施例では、インクジェットプリンタについて説明したが、本発明はインクジェットプリンタに限らず、一般に、印刷ヘッドを用いて印刷を行う種々の印刷装置に適用可能である。また、本発明は、インク滴を吐出する方法や装置に限らず、他の手段でドットを記録する方法や装置にも適用可能である。
【0112】
(8)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、各プログラムは、コンピュータ100で実行されてもよいし、プリンタ側で実行されてもよい。たとえば、図2に示したCPU102で実行されるプログラム102a,bをプリンタ20上のCPU41によって実行することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノズルの目詰まりをチェックするための検査用パターンT10の印刷結果を示す平面図。
【図2】プリンタ20を含むコンピュータシステムの全体構成を示す説明図。
【図3】制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図。
【図4】印刷ヘッド28に設けられた複数列のノズルを示す説明図。
【図5】クリーニング機構200aの構成を示す概念図。
【図6】第1実施例においてノズルの目詰まりを解消するための手順を示すフローチャート。
【図7】プリンタ20の各主設定を行い、またノズル検査等の動作を行わせるためのプロパティ画面を示す説明図。
【図8】ステップS4において、「使用する印刷用紙上にすでに印刷されている検査用パターンがあるか否か」の情報をコンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図。
【図9】使用する印刷用紙に検査用パターンがいくつあるかを指示するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図。
【図10】ステップS14でユーザが、「検査用パターンT10にドット抜けがあるか否か」の判断結果をコンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図。
【図11】双方向印刷時の位置ずれを示す説明図。
【図12】双方向印刷における位置ずれ調整用の検査用パターンT20の印刷結果を示す平面図。
【図13】第2実施例において双方向印刷のドット形成位置ずれを解消するための手順を示すフローチャート。
【図14】ステップS15でユーザが、最も印刷結果の品質のよいグレーパッチの番号をコンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図。
【図15】調整値を設定し直すか否かの判断結果を、コンピュータ100に入力するためのユーザーインターフェイス画面を示す説明図。
【符号の説明】
20…プリンタ
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
41…CPU
44…RAM
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
100…ホストコンピュータ
102…CPU
102a…ドット抜け検査プログラム
102b…ドット形成位置調整プログラム
102c…第1のユーザーインターフェイス部
102d…第2のユーザーインターフェイス部
102e…形成位置設定部
102f…パターン形成部
102g…クリーニング部
102h…補正状態設定部
102i…再設定部
110…液晶ディスプレイ
120…キーボード
130…マウス
200a…クリーニング機構
210a…ヘッドキャップ
220a,220b,220c…ホース
230b…ポンプローラ
232b,234b…小ローラ
241,242…ピンチ
A…ポンプローラ230bの回転方向を示す矢印
Ah1…最初に検査用パターンT20が印刷される領域
Ah2…2個目の検査用パターンT20が印刷される領域
Al…印刷用紙の左端Plから最初に印刷される検査用パターンT22の左端までの余白の寸法
Ar…印刷用紙の右端Prから検査用パターンT22の右端までの余白の寸法
Av1〜Av4…検査用パターンT10がそれぞれ印刷される領域
CS…マウスカーソル
CVk…合成速度ベクトル
Et2〜Et8…検査用パターンT12〜T18の上端
El2,El4…検査用パターンT22,T24の左端
K…ブラックインクのノズル列
LC…ライトシアンインクのノズル列
LM…ライトマゼンタインクのノズル列
MS…主走査方向
Np…印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数
P…印刷用紙
PS…印刷信号
Pl…印刷用紙Pの左端
Pr…印刷用紙Pの右端
Pt…印刷用紙Pの上端
ROM…プログラマブル
SS…副走査方向
T10…検査用パターン
T12,T14,T16…検査用パターン
T20…検査用パターン
T22,T24,T26…検査用パターン
T22a〜T22e,T24a〜T24e,T26a〜T26e…グレーパッチ
Va,Vb,Vc…吸引室
Vk…吐出速度
Vs…主走査速度ベクトル
n…ノズル

Claims (18)

  1. 印刷媒体にドットを記録するドット形成要素のドットの記録状態を確認するための検査用パターンを形成する方法であって、
    (a)前記ドットの記録状態を確認するための前記検査用パターンを形成すべき前記印刷媒体上の位置を設定する工程と、
    (b)前記設定に基づいて、前記ドット形成要素によって前記印刷媒体上に前記検査用パターンを形成する工程と、を含む検査用パターンの形成方法。
  2. 請求項1記載の検査用パターンの形成方法であって、
    前記工程(a)は、
    前記印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を設定する工程を含み、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記印刷媒体の搬送方向についての前記検査用パターンの長さを超える所定の寸法Hbを設定する工程と、
    (b2)すでに形成されている検査用パターンのうち前記搬送方向について最も前方にある検査用パターンの前記搬送方向についての最先端の部分から、前記搬送方向にHb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの前記搬送方向についての最先端の部分がくるように、前記検査用パターンを形成する工程と、を含む検査用パターンの形成方法。
  3. 請求項1記載の検査用パターンの形成方法であって、
    前記工程(a)は、
    前記印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を設定する工程を含み、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記印刷媒体の搬送方向に垂直な方向についての前記検査用パターンの長さを超える所定の寸法Wbを設定する工程と、
    (b2)すでに形成されている検査用パターンのうち、前記搬送方向に垂直な方向について前記印刷媒体のいずれかの側端に最も近い位置にある検査用パターンの前記側端に最も近い部分から、前記搬送方向に垂直な方向にWb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの前記側端に最も近い部分がくるように、前記検査用パターンを形成する工程と、を含む検査用パターンの形成方法。
  4. 印刷媒体にドットを記録するためのドット形成要素のドット形成位置の調整を行う方法であって、
    (a)前記ドットの記録状態を確認するための前記検査用パターンを形成すべき前記印刷媒体上の位置を設定する工程と、
    (b)前記設定に基づいて、前記ドット形成要素によって前記印刷媒体上に前記検査用パターンを形成する工程と、
    (c)前記検査用パターンに基づいて前記ドット形成要素のドット形成位置の調整を行う工程と、を含み、
    前記工程(b)は、
    (b1)複数の調整候補値にそれぞれ対応する複数のサブパターンを含む前記検査用パターンを、前記印刷媒体上に形成する工程を含み、
    前記工程(c)は、
    (c1)前記複数のサブパターンから好ましい補正状態を示すサブパターンを選択する工程と、
    (c2)選択されたサブパターンに対応する調整候補値に基づいて、前記ドット形成要素の補正状態の設定を行う工程と、を含むドット形成位置の調整方法。
  5. 請求項4記載のドット形成要素の調整方法であって、
    前記工程(c)は、さらに、
    (c3)前記選択されたサブパターンが示す補正状態が、前記工程(b)を開始した時点で設定されていた補正状態とは異なる場合に、前記複数の調整候補値を設定し直し、前記工程(b)に移行する工程を含む、ドット形成要素の調整方法。
  6. 印刷媒体上にドットを形成することにより印刷を行う印刷装置であって、
    印刷媒体上にドットを形成するためのドット形成要素と、
    前記ドット形成要素を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ドット形成要素のドットの記録状態を確認するための検査用パターンを形成すべき、前記印刷媒体上の位置を設定するための指示を受け取ることができる第1のユーザーインターフェイス部と、
    前記指示に基づいて、前記印刷媒体上の検査用パターンを形成する位置を設定する形成位置設定部と、
    前記ドット形成要素によって前記印刷媒体上の前記設定された位置に前記検査用パターンを形成するパターン形成部と、を備える印刷装置。
  7. 請求項6記載の印刷装置であって、さらに、
    前記制御部は、さらに、前記印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を設定するパターン数設定部を備え、
    前記形成位置設定部は、
    Hbを、前記検査用パターンの、印刷媒体の搬送方向についての長さを超える寸法としたとき、
    すでに形成されている検査用パターンのうち前記搬送方向について最も前方にある検査用パターンの前記搬送方向についての最先端の部分から、前記搬送方向にHb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの前記搬送方向についての最先端の部分がくるように、前記検査用パターンを形成する位置を設定する、印刷装置。
  8. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、さらに、前記印刷媒体上にすでに形成されている検査用パターンの数Np(Npは0以上の整数)を設定するパターン数設定部を備え、
    前記形成位置設定部は、
    Wbを、前記印刷媒体の搬送方向に垂直な方向についての前記検査用パターンの長さを超える寸法としたとき、
    すでに形成されている検査用パターンのうち、前記搬送方向に垂直な方向について前記印刷媒体のいずれかの側端に最も近い位置にある検査用パターンの前記側端に最も近い部分から、前記搬送方向に垂直な方向にWb×Npだけずれた位置に、新たに形成する検査用パターンの前記側端に最も近い部分がくるように、前記検査用パターンを形成する位置を設定する、印刷装置。
  9. 請求項7または8記載の印刷装置であって、
    前記第1のユーザーインターフェイス部は、前記検査用パターンを形成する位置を設定するための指示の少なくとも一部として、前記検査用パターンの数Npを受け取ることができ、
    前記パターン数設定部は、前記第1のユーザーインターフェイス部から前記検査用パターンの数Npを受け取ることができる、印刷装置。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の印刷装置であって、前記パターン数設定部は、前記パターン形成部が前記検査用パターンを形成するたびに前記検査用パターンの数Npを増やす、印刷装置。
  11. 請求項10記載の印刷装置であって、
    前記パターン数設定部は、所定の条件が満たされた場合に前記検査用パターンの数Npを0とする、印刷装置。
  12. 請求項11記載の印刷装置であって、
    前記所定の条件は、直前に前記検査用パターンが形成されてから一定の時間が経過したという条件である、印刷装置。
  13. 請求項11記載の印刷装置であって、
    前記第1のユーザーインターフェイス部は、前記検査用パターンを形成する位置を設定するための指示の少なくとも一部として、前記検査用パターンが形成されていない印刷媒体を使用する旨の指示を受け取ることができ、
    前記所定の条件は、前記検査用パターンが形成されていない印刷媒体を使用する旨の指示を受け取ったという条件である、印刷装置。
  14. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記ドット形成要素は、インク滴を吐出するノズルであり、
    前記制御部は、さらに、
    前記検査用パターンが一定の条件を満たす場合に出される、前記ノズルのクリーニングを行うべき旨の指示を受け取ることができる第2のユーザーインターフェイス部と、
    前記クリーニングを行うべき旨の指示に基づいてドット形成要素からインク滴の吐出を行うクリーニング部と、を備える印刷装置。
  15. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記ドット形成要素は、インク滴を吐出するノズルであり、
    前記印刷装置は、さらに、前記ドット形成要素からインクを吸引する吸引部を有し、
    前記制御部は、さらに、
    前記検査用パターンが一定の条件を満たす場合に出される、前記ノズルのクリーニングを行うべき旨の指示を受け取ることができる第2のユーザーインターフェイス部と、
    前記クリーニングを行うべき旨の指示に基づいて前記吸引部を制御してインクの吸引を行うクリーニング部と、を備える印刷装置。
  16. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記パターン形成部は、複数の調整候補値にそれぞれ対応する複数のサブパターンを含む前記検査用パターンを、前記印刷媒体上に形成し、
    前記制御部は、さらに、
    前記複数のサブパターンから好ましい補正状態を示すサブパターンとして選択されたサブパターンに対応する、調整候補値を受け取る前記第2のユーザーインターフェイス部と、
    受け取った前記調整候補値に基づいて、補正状態の設定を行う補正状態設定部と、を備える印刷装置。
  17. 請求項16記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、さらに、
    前記選択されたサブパターンが示す補正状態が、前記検査用パターンの形成を開始した時点で設定されていた補正状態とは異なる場合に、複数の調整候補値を設定し直す旨の指示を受け取ることができる第3のユーザーインターフェイス部と、
    前記好ましい補正状態を示すサブパターンの調整候補値と、前記再設定の指示と、に基づいて、複数のサブパターンを形成するための複数の調整候補値を設定し直す調整候補値再設定部と、を含む印刷装置。
  18. 印刷媒体にドットを記録するドット形成要素のドットの記録状態を確認するための検査用パターンを形成するためのコンピュータプログラムであって、
    前記ドット形成要素のドットの記録状態を確認するための検査用パターンを形成すべき、前記印刷媒体上の位置を設定するための指示を受け取ることができる第1のサブプログラムと、
    前記指示に基づいて、前記印刷媒体上の検査用パターンを形成する位置を設定する第2のサブプログラムと、
    前記ドット形成要素によって前記印刷媒体上の前記設定された位置に前記検査用パターンを形成する第3のサブプログラムと、を備えるコンピュータプログラム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006110939A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Brother Ind Ltd インクジェットプリンタ
JP2011218556A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Nec Corp 印刷装置、テストパターン印刷方法及びプログラム
JP2011227218A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Sharp Corp 画像形成装置
JP2012162031A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Canon Inc プリント方法およびプリント装置

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