JP2004276152A - 動力工具の作業用治具 - Google Patents

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Daisuke Yamaguchi
大介 山口
Takao Hayashi
隆夫 林
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Nissan Motorsports and Customizing Co Ltd
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Abstract

【課題】可搬性に優れ、動力工具の上下動を容易に行える動力工具の作業用治具の提供。
【解決手段】地面Gに垂直に接地する棒状の支持部材1の上部に、該支持部材1に対して上下動自在に設けられ、かつ、動力工具(電動ドリル6)を保持するためのホルダ3が固定された可動部材2と、可動部材2の上下動を操作するための手動レバー4と、を備え、手動レバー4の一端側(先端部4c)を力点とし、他端側(基端部4a)を作用点として可動部材2に回動自在に固定し、前記手動レバー4の支点(屈折部4b)を支持部材1の上端に回動自在に結合し、前記手動レバー4の一端側(先端部4c)を押し下げると、可動部材2が上方に移動することとした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動力工具を上方に押し上げて作業する際に用いる動力工具の作業用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動力工具を上方に押し上げて作業するケースが数多くあり、例えば、図5に示すように、自動車01のサイドメンバ02の底部03に、図外のサイドスポイラーを取付けるための孔を形成する際には、作業者は自動車01の下方で電動ドリル04を手で抱えて低い姿勢を保った状態で、電動ドリル04を前記孔が形成されるまで上方へ押し上げ続けなければならず、時間と手間が大変かかって作業者の身体的負担が大きいという問題点があった。
【0003】
なお、前記孔をサイドスポイラーの側部に形成することは、外観上の意匠性に劣るため好ましくない。
【0004】
そこで、動力工具を上方に押し上げて作業する際に用いる動力工具の作業用治具の技術が公知となっている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−104909号公報 (第1−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の動力工具の作業用治具は、支え台を設置するためのスペースが必要である上、重量が重いため可搬性に乏しく、移動を繰り返して次々と孔を形成する作業は実際上困難であった。
【0007】
また、動力工具を上方に押し上げる作業を足でもって行うため、作業者の注意が足元に集中して動力工具の微妙な上下動を行えないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、可搬性に優れ、動力工具の上下動を容易に行える動力工具の作業用治具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、地面に垂直に接地する棒状の支持部材の上部に、該支持部材に対して上下動自在に設けられ、かつ、動力工具を保持するためのホルダが固定された可動部材と、前記可動部材の上下動を操作するための手動レバーと、を備え、前記手動レバーの一端側を力点とし、前記手動レバーの他端側を作用点として可動部材に回動自在に固定し、前記手動レバーの支点を支持部材の上端に回動自在に結合し、前記手動レバーの一端側を押し下げると、可動部材が上方に移動することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の動力工具の作業用治具において、動力工具が、ドリルの先端を上方に向けた状態でホルダに保持される電動ドリルであることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の動力工具の作業用治具において、電動ドリルを用いて孔を形成する個所が、自動車のサイドメンバの底部であることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれかに記載の動力工具の作業用治具において、前記手動レバーの支点と支持部材の上端を、これら両者に回動自在に固定されたリンク部材を介して結合したことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれかに記載の動力工具の作業用治具において、前記支持部材を上下方向に高さ調整自在に形成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、地面に垂直に接地する棒状の支持部材の上部に、該支持部材に対して上下動自在に設けられ、かつ、動力工具を保持するためのホルダが固定された可動部材と、前記可動部材の上下動を操作するための手動レバーが設けられる。
【0015】
そして、前記手動レバーの一端側を力点とし、前記手動レバーの他端側を作用点として可動部材に回動自在に固定し、前記手動レバーの支点を支持部材の上端に回動自在に結合したため、手動レバーの一端側を押し下げると、てこの原理で支持部材を支点として可動部材が上方に移動する。
【0016】
従って、作業者は、動力工具を作業用治具のホルダに保持させて支持部材にて地面に垂直に接地させ、手動レバーを手で押し下げる動作でもって動力工具を少ない労力で容易に上方へ押し上げることができる。
【0017】
また、従来の発明に比べて、ホルダ、可動部材、手動レバーの全てが棒状の支持部材の上部に支持されているため、可搬性に優れ、狭いスペースで移動しながら連続的に作業を行うことができる。
【0018】
さらに、手動レバーを押し下げる作業を手で行うため、動力工具の微妙な上下動の操作が可能となる。
【0019】
請求項2記載の発明にあっては、動力工具がドリルの先端を上方に向けた状態でホルダに保持される電動ドリルであるため、下方から電動ドリルで穴を形成する作業に適用でき、この種の作業の大幅な効率化と作業者の身体的負担を軽減することができる。
【0020】
請求項3記載の発明にあっては、電動ドリルを用いて孔を形成する個所を自動車のサイドメンバの底部としたため、車体の中でも特に厚く形成されたサイドメンバの底部に孔を容易に形成することができ、作業者の身体的負担の軽減と作業の効率化を実現でき、外観上の意匠性を低下させるなくサイドスポイラー等の部品を取付けることができる。
【0021】
請求項4記載の発明にあっては、手動レバーの支点と支持部材の上端を、これら両者に回動自在に固定されたリンク部材を介して結合したため、前記手動レバーを押し下げた際に、リンク部材が回動して手動レバーの支点の位置を移動させ、結果、可動部材にかかる回動方向への力を緩和させて可動部材を上方にスムーズに移動させることができる。
【0022】
請求項5記載の発明にあっては、支持部材を上下方向に高さ調整自在に形成したため、ホルダの初期位置の高さを調整することができ、種々の動力工具に対応できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の動力工具の作業用治具の実施の形態を説明する。
【0024】
なお、本実施の形態では動力工具を電動ドリルに適用した場合について説明する。
【0025】
図1は本発明の実施の形態の動力工具の作業用治具を示す全体図、図2は電動ドリルを上方に押し上げる前の作業用治具を示す図、図3は電動ドリルを上方に押し上げた後の作業用治具を示す図である。
【0026】
先ず、全体の構成を説明する。
図1に示すように、本実施の形態の動力工具の作業用治具Aは、支持部材1と、可動部材2と、ホルダ3と、手動レバー4を主要な構成としている。
【0027】
前記支持部材1は地面Gに対して垂直に接地する棒状に形成され、本体部1aと延設部1bで構成されている。
【0028】
前記本体部1aの下部にはゴム製の突き当て部1cが設けられ、一方、本体部1aの上部にはネジ孔1dが形成されている。
【0029】
前記延設部1bの下部には前記ネジ孔1dと蝶合するネジ溝1eが形成されており、これらネジ孔1dとネジ溝1eを適宜蝶合させることにより支持部材1の地面Gからの高さを調整可能できるようになっている。
【0030】
さらに、前記延設部1の上端には後述するリンク部材5の一端側がピンP1を介して回動自在に固定されている。
【0031】
前記可動部2の下部は、前記延設部1bが挿通された摺動溝2aが形成され、該摺動溝2aを延設部1に摺動させながら上下動自在に形成されている(図2参照)。
【0032】
前記可動部2の上部は、ドリル6aの先端を上方に向けた状態の電動ドリル6を保持するためのホルダ3が固定されている。
【0033】
さらに、前記可動部2の上部には、基端部4aから斜め下方に延びて屈折部4bで屈折し、先端部4cまで水平方向に延びる手動レバー4がピンP2を介して回動自在に固定されている。
【0034】
また、前記屈設部4bにはリンク部材5の他端側がピンP3を介して回動自在に固定されている。
【0035】
よって、前記リンク部材5は支持部材1の上端と手動レバー4の屈折部4bをP1,P3を介してそれぞれ回動自在に結合している。
【0036】
なお、前記リンク部材5は、前記屈折部4bから略鉛直方向に延びて中途部で屈折して支持部材1の上端へ延びる形状に形成され、特に上下方向の剛性が高められている。
【0037】
次に、本実施の形態の動力工具の作業用治具Aを用いて、電動ドリルで自動車のサイドメンバSの底部にサイドスポイラーを固定するための孔を形成する際の動作について説明する。
【0038】
図2に示すように、先ず、作業用治具Aのホルダ3に電動ドリル6を保持させた状態とし、該作業用治具Aを自動車の下方で、ドリル6aの先端がサイドメンバSの底部の予め決められた所定位置となるように支持部材1を地面Gに対して垂直に接地させる。
【0039】
この際、支持部材1の本体部1aのネジ孔1dと延設部1bのネジ溝1eを適宜蝶合させて該支持部材1の高さを調整し、ドリル6aの先端が前記所定位置に近接するようにする。
【0040】
また、本体部1aの突き当て部1cが地面Gに接地して作業用治具Aを安定して接地できるようになっている。
【0041】
続いて、電動ドリル6を作動させて手動レバー4の先端部4cを矢印Q方向へ手で押し下げると、リンク部材5がピンP1にて矢印T方向に回動すると共に、基端部4bがピンP3にて回動しながら可動部材2を上方へ押し上げ、結果、図3に示すようにドリル6aの先端が上方へ移動してサイドメンバSの所定位置に孔が形成される。
【0042】
この際、手動レバー4の先端部4cが力点、基端部4aが作用点、屈折部4bが支点として作用し、支持部材1を介した地面Gからの反力でもってドリル6aがサイドメンバSの底部に穴を形成するため、てこの原理を利用して弱い力で手動レバー4を押し下げて電動ドリル6を強力に押し上げることができ、厚く形成されたサイドメンバSの底部に少ない労力と時間でもって容易に孔を形成することができる。
【0043】
また、作業者は作業中にドリル6aのサイドメンバSの底部への挿入状態を目視しながら手動レバー4を手で押し下げる作業を行うことができ、孔の形成具合によっては体重を掛けて手で手動レバー4を押し下げるなど電動ドリル6の微妙な上下動を行うことができる。
【0044】
また、前記手動レバー4を押し下げた際に、基端部4aがピンP3にて回動して可動部材2の上部に該回動方向への力が作用するが、リンク部材5が矢印T方向に回動することにより支点としての屈折部4bの位置が移動し、結果、可動部材2にかかる回動方向への力を緩和させて該可動部材2をスムーズに上方へ移動させることができる。
【0045】
そして、前記孔を形成した後は、手動レバー4を押し上げて電動ドリル6を下げて元の位置に戻し、作業用治具Aを移動させながら次々と所定の箇所に孔を形成して該孔にてビス等を用いて図外のサイドスポイラーを固定する。
【0046】
従って、本実施の形態の作業用治具Aにあっては、ホルダ3に電動ドリル6を保持させてドリル6aの先端が所定位置に近接するように支持部材1を地面に対して垂直に接地させ、電動ドリル6を作動させて手動レバー4の押し下げるという簡便な作業でもって、電動ドリル6を上方へ押し上げてサイドメンバSの底部に所望の孔を形成することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0048】
例えば、図4に示すように、手動レバー4を水平方向に突設した状態の棒状に形成し、ピンP3を支持部材1の先端に直接結合しても良い。
【0049】
また、支持部材や手動レバーの形状、長さについては適宜設定しても良いし、これらを折畳み自在に形成しても良い。
【0050】
さらに、本実施の形態では動力工具を電動ドリルに適用した場合について説明したが、動力工具の種類・作業の内容については適宜自由に選択して組み合わせ可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の動力工具の作業用治具を示す全体図である。
【図2】電動ドリルを上方に押し上げる前の作業用治具を示す図である。
【図3】動力ドリルを上方に押し上げた後の作業用治具を示す図である。
【図4】その他の一実施例を示す作業用治具を示す拡大図である。
【図5】従来の動力工具を上方に押し上げる作業を示す図である。
【符号の説明】
A 作業用治具
P1、P2、P3 ピン
S サイドメンバ
1 支持部材
1a 本体部
1b 延設部
1c 突き当て部
1d ネジ孔
1e ネジ溝
2 可動部材
3 ホルダ
4 手動レバー
4a 基端部
4b 屈折部
4c 先端部
5 リンク部材
6 電動ドリル
6a ドリル

Claims (5)

  1. 地面に垂直に接地する棒状の支持部材の上部に、
    該支持部材に対して上下動自在に設けられ、かつ、動力工具を保持するためのホルダが固定された可動部材と、
    前記可動部材の上下動を操作するための手動レバーと、
    を備え、
    前記手動レバーの一端側を力点とし、
    前記手動レバーの他端側を作用点として可動部材に回動自在に固定し、
    前記手動レバーの支点を支持部材の上端に回動自在に結合し、
    前記手動レバーの一端側を押し下げると、可動部材が上方に移動することを特徴とする動力工具の作業用治具。
  2. 請求項1記載の動力工具の作業用治具において、
    前記動力工具が、ドリルの先端を上方に向けた状態でホルダに保持される電動ドリルであることを特徴とする動力工具の作業用治具。
  3. 請求項2記載の動力工具の作業用治具において、
    前記電動ドリルを用いて孔を形成する個所が、自動車のサイドメンバの底部であることを特徴とする動力工具の作業用治具。
  4. 請求項1〜3のうちいずれかに記載の動力工具の作業用治具において、
    前記手動レバーの支点と支持部材の上端を、これら両者に回動自在に固定されたリンク部材を介して結合したことを特徴とする動力工具の作業用治具。
  5. 請求項1〜4のうちいずれかに記載の動力工具の作業用治具において、
    前記支持部材を上下方向に高さ調整自在に形成したことを特徴とする動力工具の作業用治具。
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