JP2004275969A - 排水の処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排水中に含まれる難分解性有機化合物を反応の終盤においても高い効率で分解して処理時間を短くする。
【解決手段】オゾンを添加した被処理排水に紫外線ランプから紫外線を照射し処理排水として排出する排水処理において、被処理排水または処理排水中の過酸化水素濃度を測定し、測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少し、紫外線ランプの出力を増加するように制御する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾンと紫外線を用いる促進酸化法を利用してダイオキシン類などの有機化合物を含む排水を処理するための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、上水、下水、工場排水などの排水について、トリハロメタンやダイオキシンなど有機化合物による汚染が問題となっている。こうした有機化合物を分解する方法として、一般にオゾンと紫外線などを組み合わせて排水中の有機化合物を酸化分解する促進酸化法が知られている。
【0003】
たとえば、特開2000−51875号公報(特許文献1)には、オゾン処理反応槽で原水にオゾンを添加した後、紫外線照射槽で紫外線照射することによって有機化合物を分解する装置が開示されている。この装置は、紫外線照射槽から排水される処理水の水質を水質計の測定値と設定値との差に基づいて、オゾン発生量を所定の値に制御すると同時に、紫外線強度計の測定値と設定値の差、及び紫外線処理前後に設けた溶存オゾン計の測定値と設定値の差に基づいて、紫外線ランプ出力を制御するものである。
【0004】
しかし、この装置は、高価な溶存オゾン計及び紫外線強度計を用いるために設備コストが高くなるという問題を有する。
【0005】
また、上記技術の高価な設備コストの問題を解決するために、特開2002−233883号公報(特許文献2)には、紫外線ランプを収容する紫外線照射槽と、被処理排水または処理排水の水質指標となる汚染成分の濃度を測定する濃度計と、当該濃度計で測定された汚染成分濃度に基づいてオゾン添加量、紫外線の照射強度を制御する排水処理槽が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−233883号公報
【特許文献2】
特開2000−51875号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の各装置では、反応の終盤に分解効率が低下するという問題があった。このため、特に回分処理により処理を行う場合は、分解に要する処理時間が長くなるという問題が生じ、このため、添加されるオゾンの総量の増加及び処理時間の延長につながり、消費電力量などランニングコストが高くなるという問題があった。
【0008】
また、促進酸化法の別の方法には、オゾンと過酸化水素を排水中に添加し、有機化合物を酸化促進する方法が存在し、当該促進酸化法においては、オゾンにより発生したOHラジカルと過酸化水素が反応することから、ラジカルスカベンジャーとして機能する過酸化水素には、最適値が存在することが知られている。
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、オゾンと紫外線を利用した促進酸化法において、排水中に含まれる難分解性有機化合物を常に高い効率で分解して処理時間を短くするための方法及び装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の排水処理装置を提供する。
【0011】
排水処理装置は、オゾンを添加した被処理排水に紫外線ランプから紫外線を照射し処理排水として排出するものである。そして、被処理排水または処理排水中の過酸化水素濃度を測定する濃度計と、前記濃度計で測定された過酸化水素濃度に基づいて、オゾン添加量及び紫外線ランプの出力のうち少なくとも一方を制御する制御装置とを備える。
【0012】
難分解性有機物を含む排水を促進酸化法で処理する場合において、有機物の分解やオゾン、過酸化水素、紫外線等の相互作用により、排水中に過酸化水素が生成され、系内に蓄積される。本出願の発明者は、促進酸化法において、系内に高濃度に過酸化水素が蓄積した場合、紫外線の遮断により光化学反応が阻害され、また、低濃度であってもラジカルスカベンジャーとして働くため、反応効率が低下することを見出した。
【0013】
これにより、液中の過酸化水素濃度を濃度計により検出し、その結果に基づいてオゾン添加量と紫外線ランプの出力のうち少なくとも一方を適正に制御することにより、過酸化水素の生成を抑えることができる。具体的には、連続処理の場合は、過酸化水素濃度に応じてオゾン添加量または紫外線ランプの出力を対応させて調整する。一方、回分処理の場合は、過酸化水素濃度の閾値を予め設定しておき、当該設定値を超えないようにオゾン添加量または紫外線ランプの出力を調整する。
【0014】
上記構成によれば、分解効率の低下を抑え、短時間で高い効率で有機物の分解処理を行うことができる。よって、ランニングコストを低く抑えることができる。
【0015】
本発明の排水処理装置は、具体的には以下のように種々の態様で構成することができる。
【0016】
好ましくは、前記制御装置は、回分処理を行う場合において、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少する。また、制御装置は、回分処理を行う場合において、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、紫外線ランプの出力を増加する。
【0017】
上記構成において、過酸化水素は、紫外線ランプからの紫外線を遮蔽し、光化学反応の阻害要因となることから、この発生を抑えることが必要となる。過酸化水素の生成機構は次の化学式の通りであることから、オゾンの供給を減少させ、また、紫外線の出力を増加させることにより、過酸化水素の発生を抑え、また、蓄積した過酸化水素を積極的に分解することにより液中の過酸化水素濃度を少なくすることができる。紫外線の出力は、点灯させる紫外線ランプの数及び紫外線ランプに印加する電力などにより調整することができる。
【0018】
【化1】
Figure 2004275969
式(3)においてRは有機化合物を示す。
【0019】
好ましくは、前記濃度計として可視紫外線分光光度計を用いることにより、溶存オゾン濃度及び有機汚濁物質濃度も測定する。
【0020】
上記構成によれば、可視紫外光分光光度計を用いることで過酸化水素濃度を容易に測定することができ、また、装置をコンパクトに構成することができ、設備コストも少なくすることができる。また、同時に溶存オゾン濃度及び有機汚濁物質(COD)濃度の測定も可能であるため、これらの値を用いて、オゾン添加量または紫外線ランプの出力の制御などの分解処理の制御を行うことができ、有機汚濁物質濃度についてのフィードバック制御が可能となるため処理排水の水質安定性が向上する。
【0021】
上記構成において、好ましくは、前記制御装置は、回分処理を行う場合において、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値以下であって、溶存オゾン濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少する。
【0022】
また、本発明は、オゾンを添加した被処理排水に紫外線ランプから紫外線を照射し処理排水として排出する排水処理方法において、被処理排水または処理排水中の過酸化水素濃度を測定し、当該測定された過酸化水素濃度に基づいて、オゾン添加量及び紫外線ランプの出力のうち少なくとも一方を制御することを特徴とする排水の処理方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る排水処理装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる排水処理装置の構成図である。図1に示すように、被処理排水は、導入ライン51を通って、オゾン塔10へ貯留される。導入ライン51には、バルブ(図示なし)などの手段により被処理排水の流量を変更することができる。
【0024】
オゾン塔10では、オゾナイザー12によって発生したオゾンが被処理排水に添加される。オゾナイザー12は、電源の電圧に応じて発生させるオゾン量を調整することができ、後述するように、制御装置15によって当該電圧が調整され、オゾンの添加量を変更することができる。
【0025】
オゾン塔10によってオゾンが添加された被処理排水は導入ライン52によってUV塔11に送られる。UV塔11は、2重筒形の本体の内筒内に紫外線ランプを複数本配置した構成であり、被処理排水は当該内筒と外筒との間を流動する。被処理排水へは、紫外線ランプから所定量の紫外線が照射され、後述するような反応機構により、被処理排水中に含まれる難分解性有機化合物を促進酸化法により分解する。紫外線ランプからの紫外線の照度は、後述するように制御装置15によって制御されるUV調整器13により、紫外線ランプの点灯本数及び紫外線ランプに印加される電圧に応じて変更することができる。
【0026】
UV塔11内を流動する被処理排水の一部は、ライン53に示すようにオゾン塔10へ返還され、オゾン塔10及びUV塔11を繰り返し流動する。この間に後述するように被処理排水中の有機化合物の大部分が分解される。
【0027】
UV塔11で大部分の有機物が分解された処理排水は、ライン54を通って外部に排出される。ライン54は途中に可視紫外線分光光度計からなる濃度計14を備えており、処理排水中の各種成分を分析する。
【0028】
濃度計14は、可視紫外線分光光度計からなり、処理排水中の過酸化水素、オゾン、有機汚濁物質の濃度を測定することができる。濃度計によって測定された各成分の値の情報は制御装置15に送信される。
【0029】
制御装置15は、オゾナイザー12及びUV調整器13に接続されており、濃度計によって測定された各成分の値の情報に基づいて、オゾナイザー12に印加される電圧を制御してオゾン発生量を変更し、UV調整器13を制御することによって点灯する紫外線ランプの数及び照射紫外線量を変更する。
【0030】
次に本実施形態にかかる排水処理装置を用いた排水処理方法について説明する。本排水処理装置は、被処理排水のオゾン塔10への供給及び被処理排水の排出を制御して、回分式処理及び連続的処理の双方で、有機化合物の分解処理を行うことができる。被処理排水がオゾン塔10に導入されると、オゾナイザー12から供給ライン55を通ってオゾンが添加される。被処理排水中のオゾンは溶解し、オゾンを含んだ被処理排水がUV塔11に導入される。
【0031】
UV塔11では、紫外線ランプ11aからオゾンを含む被処理排水に紫外線が照射され、オゾンと水とが反応することにより過酸化水素と酸素が発生する。この過酸化水素は分解されてOHラジカルとなり、被処理排水中の有機化合物が酸化分解に用いられる。この反応機構は以下に示す化学式(1)乃至(3)の通りである。
【0032】
【化2】
Figure 2004275969
式(3)においてRは有機化合物を示す。
【0033】
UV塔11内で紫外線照射された被処理排水の一部はライン53を通って再びオゾン塔10へ返還され、ここでオゾンの再供給を受ける。
【0034】
また、UV塔11で紫外線照射された被処理排水の残りは、ライン54を通って処理排水として、排出される。この処理排水について濃度計14によって過酸化水素などの濃度が測定され、その結果が制御装置15に送信される。
【0035】
図2は、回分式で処理を行う場合の制御装置における処理の流れを示すフロー図である。図2に示すように、濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値以上であるか否かが判断される(#1)。過酸化水素濃度が設定値以上である場合は、過酸化水素が過剰であるので、制御装置15は、オゾナイザーの電圧を制御し、オゾン塔10内へのオゾンの添加量を減少(#11)させると共に、UV調整器13を制御して、紫外線量を増加(#12)させて過酸化水素の分解を促進する。
【0036】
このように過酸化水素の量に応じてオゾンの添加量及び紫外線の照射量を制御するのは、以下の理由による。すなわち、排水中の過酸化水素は、紫外線を遮蔽し、OHラジカルを無効消費する効果があり、紫外線が排水中に透過されないことから、化学式(3)の反応が進行しないため、有機化合物の分解が行われない。したがって、オゾンの供給を減少させて過酸化水素の発生を抑え、処理液内の過酸化水素量を少なくすることにより、有機物の反応を促進することができる。
【0037】
一方、過酸化水素濃度が設定値以内である場合は、オゾン濃度が設定値以上であるか否かが判断される(#2)。オゾン濃度が設定値以上である場合は、制御装置15は、オゾナイザーの電圧を制御し、オゾン塔10内へのオゾンの添加量を減少(#21)させる。必要に応じて紫外線ランプの照射量を増大させてもよい。このように、処理を行うことにより、化学式(1)の反応を進行させ、オゾンの分解に伴うOHラジカルの生成(化学式(2))を促進する。
【0038】
ステップ#2においてオゾン濃度が設定値以下である場合は、現在の制御をそのまま継続する。
【0039】
なお、回分式処理の場合は、目的である有機汚濁物質濃度が設定値以上であるか否かが適当なタイミングで判断される(#3)。有機汚濁物質濃度が設定値以上である場合は、オゾンを供給し、現制御をそのまま継続する(#31)。一方、有機汚濁物質濃度が設定値より低くなった場合は、有機化合物が十分に分解できたとして、処理を終了させる(#32)。
【0040】
このように促進酸化法を制御することにより、常に過酸化水素を過剰に発生させることがないため、有機化合物の分解効率を高めることができる。したがって、短時間で処理を行うことができ、ランニングコストを抑えることができる。
【0041】
次に連続処理により有機化合物を分解する場合の制御処理について説明する。図3に連続処理で処理を行う場合の制御装置における処理の流れを示す。連続式処理においては、所定のタイミングで連続して、過酸化水素濃度、有機汚濁物質濃度、オゾン濃度の測定が順次になされ、これらそれぞれのパラメータにより、濃度に変動があった場合にオゾン添加量およびUV照射量を調整する。
【0042】
過酸化水素濃度については、過酸化水素濃度が変動(#4)すると、オゾンの添加量および紫外線の照射量を調整する(#41、#42)。具体的な制御例を図4に示す。図4に示すように、連続処理において、過酸化水素濃度が増大すると、オゾン添加量を減少し、紫外線照射量を増加させるように制御する。また、過酸化水素濃度が減少すると、オゾン添加量と紫外線照射量を増加させるように制御する。一方、濃度の変動がない場合は、現在の制御をそのまま継続する。
【0043】
オゾン濃度については、同様に、オゾン濃度が変動すると、オゾンの添加量を調整する(#51)。具体的な制御例を図5に示す。図5に示すように、連続処理において、オゾン濃度が増大すると、オゾン添加量を減少させるように制御する。また、オゾン濃度が減少すると、オゾン添加量を増加させるように制御する。一方、濃度の変動がない場合は、現在の制御をそのまま継続する。なお、オゾン濃度の変動に合わせて紫外線照射量も調整するように制御してもよい。
【0044】
有機汚濁物質濃度、すなわち、被処理排水の有機化合物の濃度については、この変動に応じてオゾン濃度を調整する(#61)。具体的な制御例を図6に示す。図6に示すように、連続処理において、有機汚濁物質濃度が増大すると、オゾン添加量を増加させるように制御する。また、有機汚濁物質濃度が減少すると、オゾン添加量を減少させるように制御する。一方、濃度の変動がない場合は、現在の制御をそのまま継続する。なお、有機汚濁物質濃度の変動に合わせて紫外線照射量も調整するように制御してもよい。
【0045】
排水中に含まれる過酸化水素の量が有機化合物の分解に与える影響を調べるために以下の実験を行った。
【0046】
(実施例)
図1に示す排水処理装置を用いて、ダイオキシン等の難分解性有機物を含む排水の分解試験を実施した。濃度計により処理液中の過酸化水素濃度がほぼ一定の濃度を維持するようにオゾン注入量及び紫外線ランプ照度を制御しながら運転した。試験として300lの回分処理を行い、処理時間と有機汚濁物質濃度の関係を観察した。また、処理排水について波長254nmでの光透過率を測定し、処理時間との関係を観察した。結果を図7に示す。
【0047】
図7に示すように、有機汚濁物質濃度は、処理時間と共に減少する結果が得られた。処理時間120分での有機汚濁物質濃度は、3.6mgであり、分解率94%を得た。有機汚濁物質の減少に伴い紫外線の透過率も上昇し、有機物の分解が効率よく行われていることが確認された。
【0048】
(比較例)
図1に示す排水処理装置を用いて、ダイオキシン等の難分解性有機物を含む排水の分解試験を実施した。オゾン注入率は300mg/l・hrとし、オゾンガス注入量及び紫外線ランプ照度の制御を行わずに処理した。試験として300lの回分処理を行い、処理時間と有機汚濁物質濃度の関係を観察した。また、処理排水について波長254nmでの光透過率を測定し、処理時間との関係を観察した。結果を図8に示す。
【0049】
図8に示すように、有機汚濁物質濃度は、処理時間80分以降の有機汚濁物質の分解が進んでいないことが判明した。処理時間80分における排水の波長254nmでの光透過率はほぼ0%であり、このときの過酸化水素濃度は約2000mg/lであった。このことから、反応終盤における分解効率の低下は、有機物の分解工程である化学式(3)の進行が、過酸化水素の蓄積とともに紫外線の遮蔽によって阻害されることによって、徐々に低下していくためと考えられる。処理時間120分での有機汚濁物質濃度は、12mg/lであり、分解率は約76%であった。
【0050】
以上説明したように、本実施形態にかかる排水処理装置によれば、処理の途中で分解効率が低下することなく、終盤における処理を迅速に行うことができる。したがって、処理のためのランニングコストを抑えることができる。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【0052】
たとえば、UV塔の構成は、本実施形態にかかるものに関わらず、処理する有機化合物や処理条件などに応じて適宜別の構成のものを用いることができる。たとえば、特開2002−119982号公報に開示された分解装置などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる排水処理装置の構成図である。
【図2】回分式で処理を行う場合の制御装置における処理の流れを示すフロー図である。
【図3】連続処理で処理を行う場合の制御装置における処理の流れを示すフロー図である。
【図4】連続処理で処理を行う場合の過酸化水素濃度に対する制御例である。
【図5】連続処理で処理を行う場合のオゾン濃度に対する制御例である。
【図6】連続処理で処理を行う場合の有機汚濁物質濃度に対する制御例である。
【図7】実施例の結果を示すグラフである。
【図8】比較例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 排水処理装置
10 オゾン塔
11 UV塔
11a 紫外線ランプ
12 オゾナイザー
13 UV調整器
14 濃度計
15 制御装置

Claims (14)

  1. オゾンを添加した被処理排水に紫外線ランプから紫外線を照射し処理排水として排出する排水処理装置において、
    被処理排水または処理排水中の過酸化水素濃度を測定する濃度計と、
    前記濃度計で測定された過酸化水素濃度に基づいて、オゾン添加量及び紫外線ランプの出力のうち少なくとも一方を制御する制御装置とを備えることを特徴とする、排水処理装置。
  2. 前記制御装置は、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度に対し、オゾン添加量を逆比例制御することを特徴とする、請求項1に記載の排水処理装置。
  3. 前記制御装置は、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度に対し、紫外線照射量を比例制御することを特徴とする、請求項1又は2に記載の排水処理装置。
  4. 回分処理を行う場合において、前記制御装置は、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少することを特徴とする、請求項1に記載の排水処理装置。
  5. 回分処理を行う場合において、制御装置は、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、紫外線ランプの出力を増加することを特徴とする、請求項1又は4に記載の排水処理装置。
  6. 前記濃度計として可視紫外線分光光度計を用いることにより、溶存オゾン濃度及び有機汚濁物質濃度も測定することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の排水処理装置。
  7. 回分処理を行う場合において、前記制御装置は、前記濃度計によって測定された過酸化水素濃度が所定値以下であって、溶存オゾン濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少することを特徴とする、請求項6に記載の排水処理装置。
  8. オゾンを添加した被処理排水に紫外線ランプから紫外線を照射し処理排水として排出する排水処理方法において、被処理排水または処理排水中の過酸化水素濃度を測定し、当該測定された過酸化水素濃度に基づいて、オゾン添加量及び紫外線ランプの出力のうち少なくとも一方を制御することを特徴とする排水の処理方法。
  9. 前記測定された過酸化水素濃度に対し、オゾン添加量を逆比例制御することを特徴とする、請求項8に記載の排水処理方法。
  10. 前記測定された過酸化水素濃度に対し、紫外線照射量を比例制御することを特徴とする、請求項8又は9に記載の排水処理装置。
  11. 回分処理を行う場合において、測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少することを特徴とする、請求項8に記載の排水の処理方法。
  12. 回分処理を行う場合において、測定された過酸化水素濃度が所定値を超える場合は、紫外線ランプの出力を増加することを特徴とする、請求項8に記載の排水の処理方法。
  13. 前記過酸化水素濃度の測定に可視紫外線分光光度計を用いることにより、溶存オゾン濃度及び有機汚濁物質濃度も測定することを特徴とする、請求項8乃至12のいずれか1つに記載の排水の処理方法。
  14. 回分処理を行う場合において、測定された過酸化水素濃度が所定値以下であって、溶存オゾン濃度が所定値を超える場合は、オゾン添加量を減少することを特徴とする、請求項13に記載の排水の処理方法。
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