JP2004273587A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性層中の井戸層と基板との格子不整合性が2%以上の半導体発光素子において、井戸層の構成元素の偏在を防止し、低しきい値電流の半導体発光素子を提供する。
【解決手段】第一の導電型のGaAs基板12上に、第一の導電型の下部Al0.47GaAsクラッド層14、第一の導電型のGaAs下部光ガイド層16、活性層18、第二の導電型のGaAs上部光ガイド層20、第二の導電型の上部Al0.47GaAsクラッド層22、及び第二の導電型のGaAsコンタクト層24の積層構造を有する。活性層は、AlGa1−x−yInAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)から構成されるバリア層18aと、Ga1−aInAs1−b(0<a<1, 0<b<1)から構成される井戸層18bとを交互に積層した多重量子井戸構造として構成されていて、井戸層18bとGaAs基板との格子不整合性は+2%以上である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子に関し、更に詳細には、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上であって、しかもしきい値電流が低い半導体発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波長域1.2μm以上の長波長で発光する半導体発光素子は、主として、光通信用の用途に利用され、今後の通信技術の核となるデバイスである。現在、この長波長域の半導体発光素子の発光層には、様々な材料が用いられている。その中でも、GaInNAsは、比較的基板コストの低いGaAs基板上で作製することが出来る材料系として近年注目を集め、有望視されている。
【0003】
ここで、図5を参照して、波長域が1.3μm帯の端面出射型の従来の半導体レーザ素子の構成の一例を説明する。図5は波長域が1.3μm帯の端面出射型の従来の半導体レーザ素子の構成を示す模式的断面図である。図5に示す部位のうち、図1から図4に示すものと同じものには同じ符号を付している。
従来の半導体レーザ素子50は、図5に示すように、第一の導電型のGaAs基板12上に、順次、エピタキシャル成長した、膜厚lμmで第一の導電型の下部Al0.47Ga0.53Asクラッド層14、膜厚1000Åで第一の導電型のGaAs下部光ガイド層16、活性層34、膜厚1000Åで第一の導電型とは逆の導電型の第二の導電型のGaAs上部光ガイド層20、膜厚lμmで第二の導電型の上部Al0.47Ga0.53Asクラッド層22、及び膜厚1000Åで第二の導電型のGaAsコンタクト層24の積層構造を有する。
【0004】
活性層34は、GaInNAs井戸層及びGaAsバリア層の多重量子井戸構造として構成されている。
また、図示しないが、GaAsコンタクト層24上には第二の導電側の電極が、またGaAs基板12の裏面には第一の導電側の電極が、それぞれ、設けられている。
【0005】
ところで、GaAsを基板として用い、発光層としてGaInNAs層を用いて発振波長1.2μm以上の長波長域の半導体発光素子を実現させるためには、In組成を大にするか、又はN組成を大にする必要があるものの、Nは原子半径が他の構成元素と大きく異なることや、電気陰性度が異なることから、N組成をあまり大きくすることは、半導体レーザ素子の特性上及び信頼性上から好ましくない。
従って、GaInNAs層を用いて長波長で発振する半導体発光素子を作製する場合には、必然的に、GaInNAs層のIn組成を大きくする、例えば20%以上にすることが必要になる。
【0006】
そこで、上述の半導体レーザ素子50の活性層34を構成するGaInNAs井戸層34bをエピタキシャル成長させる際、In組成が20%以上のGaInNAs層をエピタキシャル成長させようとすると、図6に示すように、GaInNAs井戸層34bが、In組成の相互に異なる3つの層に分離する(APL 81(2002) p.2719)。
GaInNAs井戸層34bの構造解析の結果から、GaInNAs井戸層34bは、GaAsバリア層34bに隣接するIn濃度の高い層52と、GaAsバリア層から離隔しているIn濃度の低い中間の層54とに分離し、In濃度の低い層54をIn濃度の高い層52で挟んだ構造になっている。
更に、デバイス特性とGaInNAs井戸層との相関を評価したところ、In濃度の高い上下の層の井戸層全体に占める割合が大きくなると、つまりIn濃度の高い上下の層が厚くなると、デバイス特性のひとつであるしきい値電流Ithが高くなることが判った。
【0007】
古河電気工業(株)などは、活性層のGaInNAs系井戸層全体にSbを添加することにより、井戸層とバリア層の界面の急峻性を向上させ、しきい値電流Ithを改善できると報告している(古河電工時報第108号p.41)ものの、上述した活性層の井戸層の三層構造を解消することができる方策は、今のところ明確には提案されていない。
【0008】
【非特許文献1】
古河電工時報第108号第41頁、1300nm帯のGaInNAs系高温度特性レーザ
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、GaInNAs系で、In組成が大きくなると、格子不整合性が大きくなり、結晶転位が生じて、非発光再結合が引き起こされ、電流効率が低下し、しきい値電流Ithが高くなる。
以上の説明では、活性層としてGaInNAs層を例に挙げて説明しているが、GaInNAs層に限らず、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上存在する半導体発光素子では、井戸層を構成する一部元素の偏在が著しく、しきい値電流Ith等のレーザ特性が悪くなる。
ここで、格子不整合性S(%)とは、
S={(a−a)/a}×100
で表されるSであって、aは活性層の井戸層の格子定数、及びaは基板の格子定数を表す。
【0010】
そこで、本発明の目的は、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上の半導体発光素子であっても、井戸層の構成元素の偏在を防止して、しきい値電流の低い半導体発光素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、Inの界面偏在が、井戸層とバリア層との界面での歪み差に依存しており、歪み差を小さくすることにより緩和できると考え、バリア層或いは光ガイド層として井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層を歪み緩和層として設けることを着想した。そして、実験により着想が有効であることを確認して、本発明を発明するに到った。
【0012】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る半導体発光素子(以下、第1の発明と言う)は、基板上に多重量子井戸構造の活性層を含む積層構造を備え、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子において、
活性層を構成する複数層のバリア層のうち少なくとも一つのバリア層の全層又は井戸層に接する領域層が、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層であることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る別の半導体発光素子(以下、第2の発明と言う)は、基板上に多重量子井戸構造の活性層を含む積層構造を備え、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子において、
活性層の上下にそれぞれ延在する光ガイド層のうち少なくとも一つの光ガイド層の全層又は活性層に接する領域層が、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層であることを特徴としている。
【0014】
更に、本発明に係る更に別の半導体発光素子(以下、第3の発明と言う)は、第1及び第2の発明の特徴を兼ね備えている。つまり、第3の発明に係る半導体発光素子は、基板上に多重量子井戸構造の活性層を含む積層構造を備え、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子において、
活性層を構成する複数層のバリア層のうち少なくとも一つのバリア層の全層又は井戸層に接する領域層、及び活性層の上下にそれぞれ延在する光ガイド層のうち少なくとも一つの光ガイド層の全層又は活性層に接する領域層が、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層であることを特徴としている。
【0015】
第1から第3の発明で、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する層とは、例えば井戸層の歪量が基板に対して+2%程度であるとき、基板に対して+0.5%程度のプラス歪を有する層である。
第1から第3の発明では、バリア層或いは光ガイド層として井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層を歪み緩和層として基板と活性層の井戸層との間に設けることにより、井戸層とバリア層との界面での歪み差を小さくして、井戸層を構成する元素、例えばGaInNAsのInの界面偏在を抑制することができる。
【0016】
本発明の好適な実施態様では、基板がGaAs基板であり、井戸層がGaInNAs層であるとき、バリア層がAlGa1−x−y InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)である。
更に詳しくは、井戸層がGaInNAs層であるとき、バリア層は、好適には、xが0.50≧x≧0、yが0.35≧y≧0.001のAlGa1−x−y InAsであり、又はxが0.50≧x≧0.001のAlGa1−x Asであり、更にはyが0.35≧y≧0.001のGa1−y InAs層である。
【0017】
また、本発明の別の好適な実施態様では、基板がGaAs基板であり、井戸層がGaInNAs層であるとき、光ガイド層がAlGa1−x−y InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)である。
更に詳しくは、井戸層がGaInNAs層であるとき、好適には、光ガイド層は、xが0.50≧x≧0、yが0.35≧y≧0.001のAlGa1−x−y InAsであり、又はxが0.50≧x≧0.001のAlGa1−x Asであり、更にはyが0.35≧y≧0.001のGa1−y InAs層である。
【0018】
好適には、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層がInを構成元素として有するとき、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層のIn組成は、井戸層のIn組成より少ない。
つまり、例えばバリア層がGa1−y InAs層(0.35≧y≧0.001)のときには、バリア層のIn組成yは、井戸層のIn組成aに対して、a≧yの関係を有するようにする。これにより、歪を段階的に変化させることが可能になる結果として界面へのInの析出を抑制できるという効果が生じる。
【0019】
活性層は井戸層とバリア層の超格子多層膜として構成されていても良い。また、光ガイド層が超格子多層膜として構成された、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する層でも良い。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。尚、以下の実施形態例で示した導電型、膜種、膜厚、成膜方法、その他寸法等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、本発明はこれら例示に限定されるものではない。
実施形態例1
本実施形態例は第1の発明に係る半導体発光素子を半導体レーザ素子に適用した実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の半導体レーザ素子の構成を示す模式的断面図及び図2は活性層の構成を示す模式的断面図である。
本実施形態例の半導体レーザ素子10は、波長域が1.3μm帯の端面出射型の半導体レーザ素子であって、図1に示すように、第一の導電型のGaAs基板12上に、順次、エピタキシャル成長させた、膜厚lμmで第一の導電型の下部Al0.47Ga0.53Asクラッド層14、膜厚1000Åで第一の導電型のGaAs下部光ガイド層16、活性層18、膜厚1000Åで第一の導電型とは逆の導電型の第二の導電型のGaAs上部光ガイド層20、膜厚lμmで第二の導電型の上部Al0.47Ga0.53Asクラッド層22、及び膜厚1000Åで第二の導電型のGaAsコンタクト層24の積層構造を有する。
【0021】
図示しないが、GaAsコンタクト層24上には第二の導電側の電極が、またGaAs基板12の裏面には第一の導電側の電極が、それぞれ、設けられている。
以上のように、本実施形態例の半導体レーザ素子10は、活性層18の構成を除いて、基本的には、図5に示した従来の半導体レーザ素子50と同じ構成を備えている。
【0022】
活性層18は、図2に示すように、膜厚100ÅのAlGa1−x−y InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)バリア層18aと、膜厚100ÅのGa1−a InAs1−b (0<a<1, 0<b<1)井戸層18bとを交互に積層した多重量子井戸構造として構成されていて、井戸層18bとGaAs基板12との格子不整合性Sは、+2.7%であって、+2%以上である。
尚、活性層がAlGa1−x−y InAsバリア層と、Ga1−a InAs1−b 井戸層との超格子多層膜として構成されていても良い。
GaAsコンタクト層24は、第二の導電側の電極とのオーミック接触を可能にするために、不純物として例えばZnを高濃度、例えば1x1019cm−3に添加したZnドープド層である。
【0023】
井戸層18bが、GaAs基板12に対する格子不整合性S+2.7%のGa0.65In0.350.01As0.99層であるとき、バリア層18aを構成するAlGa1−x−y InAsは、具体的には、例えばxが0.50≧x≧0、yが0.35≧y≧0.001のAlGa1−x−y InAs、例えばGa0.70In0.30As層である。このとき、バリア層18aの歪量は+2.5%であり、井戸層18bの歪量は+2.7%である。
【0024】
また、xが0.50≧x≧0.001のAlGa1−x As層、例えばAl0.30Ga0.7 As層、更にはyが0.35≧y≧0.001のGa1−y InAs層、例えばGa0.95In0.05Asで、バリア層18aを形成しても良い。
バリア層18aがGa1−y InAs層(0.35≧y≧0.001)のときには、Ga1−y InAs層のIn組成yは、井戸層18bのIn組成aに対して、a≧yの関係を有するようにする。
【0025】
本実施形態例の半導体レーザ素子10では、Al及びInの少なくともいずれかを含むAlGa1−x−y InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)で、活性層18のバリア層18aを構成することにより、バリア層18aが井戸層18bの歪量より少ないプラス歪を有し、井戸層18bのInの偏在を防止することができるので、しきい値電流Ithが、図5及び図6に示す従来の半導体レーザ素子に比べて、10mA程度低下する。
【0026】
実施形態例1の半導体レーザ素子を作製する際には、第一の導電型のGaAs基板12上に、順次、MOCVD法により膜厚lμmで第一の導電型の下部Al0.47Ga0.53Asクラッド層14、及び膜厚1000Åで第一の導電型のGaAs下部光ガイド層16をエピタキシャル成長させる。
続いて、上述のように特定したバリア層18a及び井戸層18bを交互にMOCVD法によりエピタキシャル成長させて活性層18を形成する。
更に、活性層18上に、膜厚1000Åで第一の導電型とは逆の導電型の第二の導電型のGaAs上部光ガイド層20、膜厚lμmで第二の導電型の上部Al0.47Ga0.53Asクラッド層22、及び膜厚1000Åで第二の導電型のGaAsコンタクト層24をMOCVD法によりエピタキシャル成長させて、半導体レーザ素子10を構成する積層構造を形成する。
【0027】
次いで、積層構造の上部にリッジを形成し、リッジ上及びGaAs基板12の裏面に金属膜を蒸着させて電極メタルを形成する。
尚、本実施形態例では、MOCVD法により化合物半導体層をエピタキシャル成長させているが、MOCVD法に限らず、MBE法やCBE法などの他の結晶成長方法を用いても良い。
【0028】
実施形態例2
本実施形態例は第2の発明に係る半導体発光素子を半導体レーザ素子に適用した実施形態の一例であって、図3は本実施形態例の半導体レーザ素子の主要部の構成を示す断面図である。
本実施形態例の半導体レーザ素子は、光ガイド層の構成を除いて、基本的には、図5に示した従来の半導体レーザ素子50と同じ構成を備えている。
つまり、本実施形態例の半導体レーザ素子の活性領域30は、図3に示すように、膜厚が1000Åで第一の導電型のAlGa(1−x−y )InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)から構成される下部光ガイド層32と、GaAsバリア層34aとGaInNAs井戸層34bとを交互に積層した活性層34と、下部光ガイド層32と同じ膜厚、組成で第二の導電型の上部光ガイド層36とから構成されている。
【0029】
活性層34の井戸層34bが、GaAs基板12に対する格子不整合性S+2.7%のGa0.65In0.350.01As0.99層であるとき、下部及び上部光ガイド層32、36を構成するAlGa1−x−y InAsは、具体的には、例えばxが0.50≧x≧0、yが0.35≧y≧0.001のAlGa1−x−y InAs、例えばGa0.70In0.30As層である。
このとき、下部及び上部光ガイド層32、36の歪量は+2.5%であり、井戸層34bの歪量は2.7%である。
【0030】
また、xが0.50≧x≧0のAlGa1−x As層、例えばAl0.30Ga0.70As層で、更には、yが0.35≧y≧0.001のGa1−y InAs層、例えばGa0.95In0.05As層で、下部及び上部光ガイド層32、36を構成しても良い。
下部及び上部光ガイド層32、36がGa1−y InAs層(0.35≧y≧0.01)のときには、Ga1−y InAs層のIn組成yは、井戸層34bのIn組成aに対して、a≧yの関係を有するようにする。
【0031】
本実施形態例の半導体レーザ素子では、上述のように特定したIn組成及びAl組成を有する化合物半導体層で下部光ガイド層32及び上部光ガイド層36を形成することにより、下部光ガイド層32及び上部光ガイド層36は井戸層34bよりも歪量の少ないプラス歪を有する。
これにより、更に井戸層34bのInの偏在を防止することができるので、半導体レーザ素子のしきい値電流Ithが、図5及び図6に示す従来の半導体レーザ素子に比べて、10mA程度低下する。
【0032】
実施形態例3
本実施形態例は第2の発明に係る半導体発光素子を半導体レーザ素子に適用した実施形態の別の例であって、図4は本実施形態例の半導体レーザ素子の主要部の構成を示す断面図である。
本実施形態例の半導体レーザ素子は、光ガイド層の構成を除いて、基本的には、図5に示した従来の半導体レーザ素子50と同じ構成を備えている。
つまり、本実施形態例の半導体レーザ素子の活性領域40は、図4に示すように、膜厚1000Åの第一の導電型の下部光ガイド層42と、GaAsバリア層34aとGaInNAs井戸層34bとを交互に積層した活性層34と、下部光ガイド層42と同じ膜厚、組成で第二の導電型の上部光ガイド層44とから構成されている。
【0033】
下部光ガイド層42は、下部光ガイド層42の下層部を構成するGaAs光ガイド層42aと、GaAs光ガイド層42aとGaAsバリア層34aとの間に介在する膜厚の薄い層(例えば膜厚1nmの層)として下部光ガイド層42の上層部に設けられ、AlGa(1−x−y )InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)からなる光ガイド層42bとから構成されている。
【0034】
上部ガイド層44は、上部光ガイド層44の上層部を構成するGaAs光ガイド層44aと、GaAs光ガイド層44aとGaAsバリア層34aとの間に介在する膜厚の薄い層(例えば膜厚1nmの層)として上部光ガイド層44の下層部に設けられ、AlGa(1−x−y )InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)からなる光ガイド層44bとから構成されている。
【0035】
活性層34の井戸層34bが、GaAs基板12に対する格子不整合性S+2.7%のGa0.65In0.350.01As0.99層であるとき、光ガイド層42b、44bを構成するAlGa1−x−y InAsは、具体的には、xが0.50≧x≧0、yが0.35≧y≧0.001のAlGa1−x−y InAs、例えばGa0.70In0.30As層である。
このとき、光ガイド層42b、44bの歪量は2.5%であり、井戸層34bの歪量は2.7%である。
【0036】
また、xが0.50≧x≧0のAlGa1−x As層、例えばAl0.30Ga0.70As層で、更にはyが0.35≧y≧0.01のGa1−y InAs層、例えばGa0.95In0.05As層で、光ガイド層42b、44bを構成しても良い。
光ガイド層42b、44bがGa1−y InAs層(0.35≧y≧0.01)のときには、Ga1−y InAs層のIn組成yは、井戸層34bのIn組成aに対して、a≧yの関係を有するようにする。
【0037】
本実施形態例の半導体レーザ素子では、下部光ガイド層42の上層及び上部光ガイド層44の下層が、上述のように特定したIn組成及びAl組成の化合物半導体層で形成されているので、井戸層34bよりも歪量の少ないプラス歪を有する。
これにより、更に井戸層34bのInの偏在を防止することができ、半導体レーザ素子のしきい値電流Ithが、図5及び図6に示す従来の半導体レーザ素子に比べて、10mA程度低下する。
【0038】
上述の実施形態例1から3では、端面出射型の半導体レーザ素子を例に挙げて本発明を説明しているが、本発明は、端面出射型の半導体レーザ素子のレーザ構造の構成に制約なく適用でき、例えば埋め込み型にも、リッジ型にも適用できる。
更には、本発明は発光領域である活性層周辺に関するものであるから、他のレーザ構造、例えば面発光半導体レーザ素子にも適用でき、更にはフォトダイオードにも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、活性層を構成する複数層のバリア層のうち少なくとも一つのバリア層の全層又は井戸層に接する領域層、及び/又は活性層の上下にそれぞれ延在する光ガイド層のうち少なくとも一つの光ガイド層の全層又は活性層に接する領域層の少なくとも一つを井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層として構成することにより、井戸層の構成元素のバリア層界面での偏在を抑制して、半導体発光素子のしきい値電流の低下を実現することができる。
また、しきい値電流の低下と共に動作電流も低下するので、半導体発光素子の素子寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の半導体レーザ素子の構成を示す模式的断面図である。
【図2】活性層の構成を示す模式的断面図である。
【図3】実施形態例2の半導体レーザ素子の主要部の構成を示す断面図である。
【図4】実施形態例3の半導体レーザ素子の主要部の構成を示す断面図である。
【図5】波長域が1.3μm帯の端面出射型の従来の半導体レーザ素子の構成を示す模式的断面図である。
【図6】従来の半導体レーザ素子の活性層の問題を説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
10……実施形態例1の半導体レーザ素子、12……第一の導電型のGaAs基板、14……第一の導電型の下部Al0.47Ga0.53Asクラッド層、16……第一の導電型のGaAs下部光ガイド層、18……活性層、18a……AlGa1−x−y InAsバリア層、18b……Ga1−a InAs1−b 井戸層、20……第二の導電型のGaAs上部光ガイド層、22……第二の導電型の上部Al0.47Ga0.53Asクラッド層、24……第二の導電型のGaAsコンタクト層、30……実施形態例2の半導体レーザ素子の活性領域、32……第一の導電型のAlGa(1−x−y )InAs下部光ガイド層、34……活性層、34a……GaAsバリア層、34b……GaInNAs井戸層、36……第二の導電型のAlGa(1−x−y )InAs上部光ガイド層、40……実施形態例3の半導体レーザ素子の活性領域、42……下部光ガイド層、42a……GaAs光ガイド層、42b……AlGa(1−x−y )InAs光ガイド層、44……上部ガイド層、44a……GaAs光ガイド層、44b……AlGa(1−x−y )InAs光ガイド層、50……従来の半導体レーザ素子、52……In濃度の高い層、54……In濃度の低い層。

Claims (7)

  1. 基板上に多重量子井戸構造の活性層を含む積層構造を備え、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子において、
    活性層を構成する複数層のバリア層のうち少なくとも一つのバリア層の全層又は井戸層に接する領域層が、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 基板上に多重量子井戸構造の活性層を含む積層構造を備え、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子において、
    活性層の上下にそれぞれ延在する光ガイド層のうち少なくとも一つの光ガイド層の全層又は活性層に接する領域層が、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層であることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 基板上に多重量子井戸構造の活性層を含む積層構造を備え、活性層を構成する井戸層と基板との格子不整合性が+2%以上である半導体発光素子において、
    活性層を構成する複数層のバリア層のうち少なくとも一つのバリア層の全層又は井戸層に接する領域層、及び活性層の上下にそれぞれ延在する光ガイド層のうち少なくとも一つの光ガイド層の全層又は活性層に接する領域層が、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪を有する化合物半導体層であることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層は、In及びAlの少なくとも一つを構成元素として有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 基板がGaAs基板であり、井戸層がGaInNAs層であって、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層として設けられているバリア層が、AlGa1−x−y InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)層であることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
  6. 基板がGaAs基板であり、井戸層がGaInNAs層であるとき、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層として設けられている光ガイド層がAlGa1−x−y InAs(0≦x<1,0≦y<1;但しx=0のときはy≠0であり、y=0のときはx≠0)層であることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
  7. 井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層がInを構成元素として有するとき、井戸層の歪量よりも少ないプラス歪みを有する化合物半導体層のIn組成は、井戸層のIn組成より少ないことを特徴とする請求項4から6のうちのいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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