JP2004273517A - 砒化ガリウム単結晶の熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶ウェハを得ることのできる砒化ガリウム単結晶の熱処理方法を提供すること。
【解決手段】単結晶の円周を研削してから電気炉に載置し昇温して熱処理するか、又は同じ結晶育成炉において冷却過程で熱処理するに際し、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うこと、好ましくは単結晶内の温度差を40℃以下とし、更に好ましくは昇温及び/又は冷却時の温度勾配の絶対値を40℃/時間以下とする。
【選択図】 なし
【解決手段】単結晶の円周を研削してから電気炉に載置し昇温して熱処理するか、又は同じ結晶育成炉において冷却過程で熱処理するに際し、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うこと、好ましくは単結晶内の温度差を40℃以下とし、更に好ましくは昇温及び/又は冷却時の温度勾配の絶対値を40℃/時間以下とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
砒化ガリウム単結晶の製造方法としては、主に液体封止引上法(以下「LEC法」と記す)及び垂直ブリッジマン法(縦型温度傾斜凝固法も含む総称とする。以下「VB法」と記す。)が一般的である。
【0003】
上記の単結晶から得られた砒化ガリウムウェハは、結晶成長時に不純物を添加した導電性砒化ガリウムウェハと、不純物を添加しない半絶縁性砒化ガリウムウェハに大別される。半絶縁性砒化ガリウムウェハは、FET、HEMT、HBT等の電子デバイス向けに多く使用されている。
【0004】
通常、砒化ガリウムウェハは、鏡面に研磨したウェハがエピタキシャル用ウェハとして使用されるが、砒化ガリウムウェハ表面には、鏡面に研磨した後に、大きさが0.1〜0.5μm程度の欠陥(以下「微小ピット」と記す)が発生し易い。一般的に不純物を添加した導電性ウェハの場合は微小ピットの発生は殆ど無いか微量であるが、不純物添加量を減らすと微小ピットの発生量は増加する。特に不純物を添加しない半絶縁性砒化ガリウムウェハの場合は、微小ピットが最も発生し易い。
【0005】
なお、GaAs単結晶が急激に冷却された際の結晶内の内部歪みを除去し、加工工程でのクラック・スリップの発生をなくす技術としての熱処理方法(例えば、特許文献1参照。)や、GaAsウェハが高価格であることに鑑み、シリコン基板上にGaAsを2段階成長法によりエピタキシャル成長させる際の熱歪をなくす技術としての熱処理方法(例えば、特許文献2参照。)は公知である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−151599号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−36605号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1は、熱処理を、100℃/h以下の温度変化率で750℃以上900℃以下まで昇温し、その温度で30分以上保持した後、100℃/h以下の温度変化率で室温まで冷却する方法であり、半絶縁性砒化ガリウムウェハの特質に特に着目したものではない。
【0009】
また上記特許文献2は、シリコン基板上にGaAsをエピタキシャル成長させた基板の熱処理であり、LEC法やVB法で得られた低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の熱処理に関するものではない。
【0010】
従来技術で記載したように、半絶縁性砒化ガリウムウェハには多数(通常数千個/ウェハ以上)の微小ピットが発生する。微小ピットが発生したウェハは、その表面の凹凸がデバイスの微細加工時の歩留低下の原因大きな原因であった。また、微小ピットの数が多い場合は微細加工が不可能になるなどの問題も発生していた。なお、ここで言うウェハは、成長結晶部直径110mm程度の単結晶から取れるウェハのことである。
【0011】
そこで、本発明の目的は、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶のウェハでの上記従来技術の問題点を解消し、微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶ウェハを得ることのできる砒化ガリウム単結晶の熱処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を提供することにあり、方法は以下の通りである。
【0013】
(1) 転位密度10000個/cm2以下の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うことを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0014】
(2) 前記(1) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、単結晶内の温度差が40℃以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0015】
(3) 前記(1) 又は(2) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、1100℃以上融点以下の温度への昇温、及び1100℃以上融点以下の温度から室温への冷却時のそれぞれの温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0016】
(4) 低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶成長後の冷却過程において、結晶育成炉内にて、1100℃以上融点以下の温度で、育成後の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を10時間以上熱処理を行うことを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0017】
(5) 前記(4) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、前記1100℃以上融点以下の温度による熱処理時における単結晶内の温度差が40℃以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0018】
(6) 前記(4) 又は(5) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、前記1100℃以上融点以下の温度で熱処理した後の冷却時の温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0019】
(7) 前記(1) 〜(6) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、前記低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の組成が砒素過剰組成であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0020】
<作用>
砒化ガリウムウェハの微小ピットは、前記記載のように不純物を添加した導電性ウェハの場合には殆ど発生しないが、半絶縁性ウェハでは発生量が飛躍的に多くなる。また、半絶縁性ウェハにおいは、砒素が過剰組成である場合とガリウムが過剰組成である場合では、ガリウムが過剰組成である場合が微小ピットが多い傾向がある。現状においては、微小ピットの発生機構は不明の状態である。
【0021】
また、砒化ガリウム単結晶は臨界剪断応力が小さいため、熱的、機械的応力にさらされた場合、転位の導入を招き易い。よって、転位密度10,000個/cm2以下の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の熱処理にあたっては、昇温、冷却時の温度勾配、及び熱処理時の単結晶内の温度差の設定が、低転位を保つための大きな要因となる。
【0022】
単結晶の円周を研削してから電気炉に載置し昇温して熱処理するか、又は同じ結晶育成炉において冷却過程で熱処理するか、のいずれの場合であっても、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うこと、好ましくは単結晶内の温度差が40℃以下であること、更に好ましくは昇温及び/又は冷却時の温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であること、という条件を満たすことにより、熱処理後の微小ピットの発生を少なくすることができる。従って、その後の加工工程において、砒化ガリウムウェハ表面の凹凸をなくし、デバイスの微細加工時の歩留を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0024】
[実施例1]
当該実施例では、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶をVB法で成長し、熱処理を施した場合を例に取り説明する。
【0025】
容器としてPyrolitic Born Nitride(以下「PBN」と記す)製の容器を用い、砒素の組成{(砒素)/(砒素+ガリウム):モル換算}を融液状態で0.005となるように調整し、成長結晶部直径110mm、成長結晶部長さ200mmの半絶縁性砒化ガリウム単結晶の成長を実施した。得られた結晶のシード、テイルを切断し、その転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0026】
上記の転位密度及び微小ピットを確認した後の単結晶について、その円周を研削、エッチング洗浄し、内圧補償用の砒素とともに石英ガラス容器に真空封止した。該石英容器を電気炉(アニール炉)内に載置し、結晶内の温度差を40℃以下に保ちながら、40℃/時間の昇温速度で1100℃まで昇温し、1100℃の熱処理温度に15時間保持した後、−40℃/時間の冷却速度で室温まで冷却し、電気炉から取り出す、という一連の熱処理を実施した。
【0027】
熱処理後の結晶のシード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表1に実施例1として示すように、転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であり、転位の増殖は無かった。また、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と大幅に低減されているのを確認した。
【0028】
[実施例2]
熱処理時の保持温度が1100℃以上融点以下、保持時間が10時間以上以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を50回行った。その結果、表1に実施例2として示すように、熱処理後の転位密度は、シード側、テイル側とも熱処理前からの増殖は無く、全ての結晶において5,000個/cm2以下であった。また、熱処理後の微小ピットは、シード側、テイル側とも全ての結晶において2,000個/ウェハ以下であった。
【0029】
【表1】
【0030】
[実施例3]
当実施例では、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶をVB法で成長し、成長後の冷却過程で結晶育成炉内にて熱処理を施した場合を例に取り説明する。
【0031】
実施例1と同様に容器としてPBN製の容器を用い、砒素の組成{(砒素)/(砒素+ガリウム):モル換算}を融液状態で0.005となるように調整し、成長結晶部直径110mm、成長結晶部長さ200mmの半絶縁性砒化ガリウム単結晶の成長を実施した。
【0032】
その後、同じ成長炉において、炉内の温度分布を調整し、結晶内の温度差を40℃以下、且つ1100℃で15時間保持した。次に、−40℃/時間の冷却速度で室温まで冷却し、結晶育成炉から取り出す熱処理を実施した。
【0033】
熱処理後の結晶は単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認したところ、表2に実施例3として示すように、転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下であった。
【0034】
このように転位密度、微小ピットは結晶育成後に熱処理を施した実施例1の場合と遜色は無かった。
【0035】
[実施例4]
熱処理時の保持温度が1100℃以上融点以下、保持時間が10時間以上以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を50回行った。その結果、表2に実施例4として示すように、熱処理後の転位密度は、シード側、テイル側とも全ての結晶において5,000個/cm2以下であった。また、熱処理後の微小ピットは、シード側、テイル側とも全ての結晶において2,000個/ウェハ以下であった。
【0036】
【表2】
【0037】
[比較例1]
当比較例1では、熱処理時の温度が1100℃未満である以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0038】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0039】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例1として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下であり転位の増殖は無かったが、微小ピットは、シード側で7,000個/ウェハ以上、テイル側で4,000個/ウェハ以上と実施例1に比較して微小ピットは低減されなかった。
【0040】
[比較例2]
当比較例2では、熱処理時の単結晶内の温度差が40℃より大である以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0041】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0042】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例2として示すように、転位密度はシード、テイルとも7,000個/cm2以上と転位が増殖してしまった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と低減していた。
【0043】
[比較例3]
当比較例3では、昇降温時の温度勾配の絶対値が40℃/時間より大である以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0044】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0045】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例3として示すように、転位密度はシード、テイルとも10,000個/cm2以上と転位が増殖してしまった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と低減していた。
【0046】
[比較例4]
当比較例4では、半絶縁性砒化ガリウムの組成をガリウム過剰とした以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0047】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で20,000個/ウェハ以上、テイル側で10,000個/ウェハ以上と砒素過剰組成である半絶縁性砒化ガリウム単結晶よりも微小ピットは多かった。
【0048】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例4として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下であり転位の増殖は無かった。微小ピットは、シード側で15,000個/ウェハ以上、テイル側で8,000個/ウェハ以上と実施例1に比較して微小ピット数は多かった。
【0049】
[比較例5]
当比較例5では、熱処理時の温度が1100℃未満である以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0050】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例5として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下であり転位の増殖は無かったが、微小ピットは、シード側で7,000個/ウェハ以上、テイル側で4,000個/ウェハ以上と実施例2に比較して微小ピットは低減されなかった。
【0051】
[比較例6]
当比較例6では、熱処理時の単結晶内の温度差が40℃より大である以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0052】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例6として示すように、転位密度はシード、テイルとも7,000個/cm2以上と実施例2に比較して転位が多かった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と実施例2並であった。
【0053】
[比較例7]
当比較例7では、降温時の温度勾配の絶対値が40℃/時間より大である以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0054】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例7として示すように、転位密度はシード、テイルとも10,000個/cm2以上と実施例2に比較して転位が多かった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と実施例2並であった。
【0055】
[比較例8]
当比較例8では、半絶縁性砒化ガリウムの組成をガリウム過剰とした以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0056】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例8として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下と実施例2並であった。なお、微小ピットは、シード側で15,000個/ウェハ以上、テイル側で8,000個/ウェハ以上と実施例2に比較して微小ピットが多かった。
【0057】
上記の例では、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の場合の熱処理方法について説明したが、InP、GaP、InAs等の化合物半導体の低転位単結晶の熱処理方法に応用が可能であり、同様の効果が期待される。
【0058】
本発明による熱処理方法で得られる低転位半絶緑性砒化ガリウム単結晶ウェハは、従来法よりも微小ピットが大幅に少ない。したがって、これを用いてFET、HEMT、HBT等の電子デバイス素子を作成した場合、微小ピットに基づく素子歩留の低下を防止できる。よって工業生産における経済的効果は多大なものがある。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、単結晶の円周を研削してから電気炉に載置し昇温して熱処理するか、又は同じ結晶育成炉において冷却過程で熱処理するかのいずれの場合において、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うものであり、これにより熱処理後の微小ピットの発生を少なくすることができる。従って、その後の加工工程において、砒化ガリウムウェハ表面の凹凸をなくし、デバイスの微細加工時の歩留を向上させることができる。
【0060】
上記の効果は、好ましくは単結晶内の温度差が40℃以下とすること、更に好ましくは昇温及び/又は冷却時の温度勾配の絶対値を40℃/時間以下とすることにより、より顕著なものとすることができ、微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶ウェハを得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
砒化ガリウム単結晶の製造方法としては、主に液体封止引上法(以下「LEC法」と記す)及び垂直ブリッジマン法(縦型温度傾斜凝固法も含む総称とする。以下「VB法」と記す。)が一般的である。
【0003】
上記の単結晶から得られた砒化ガリウムウェハは、結晶成長時に不純物を添加した導電性砒化ガリウムウェハと、不純物を添加しない半絶縁性砒化ガリウムウェハに大別される。半絶縁性砒化ガリウムウェハは、FET、HEMT、HBT等の電子デバイス向けに多く使用されている。
【0004】
通常、砒化ガリウムウェハは、鏡面に研磨したウェハがエピタキシャル用ウェハとして使用されるが、砒化ガリウムウェハ表面には、鏡面に研磨した後に、大きさが0.1〜0.5μm程度の欠陥(以下「微小ピット」と記す)が発生し易い。一般的に不純物を添加した導電性ウェハの場合は微小ピットの発生は殆ど無いか微量であるが、不純物添加量を減らすと微小ピットの発生量は増加する。特に不純物を添加しない半絶縁性砒化ガリウムウェハの場合は、微小ピットが最も発生し易い。
【0005】
なお、GaAs単結晶が急激に冷却された際の結晶内の内部歪みを除去し、加工工程でのクラック・スリップの発生をなくす技術としての熱処理方法(例えば、特許文献1参照。)や、GaAsウェハが高価格であることに鑑み、シリコン基板上にGaAsを2段階成長法によりエピタキシャル成長させる際の熱歪をなくす技術としての熱処理方法(例えば、特許文献2参照。)は公知である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−151599号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平5−36605号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1は、熱処理を、100℃/h以下の温度変化率で750℃以上900℃以下まで昇温し、その温度で30分以上保持した後、100℃/h以下の温度変化率で室温まで冷却する方法であり、半絶縁性砒化ガリウムウェハの特質に特に着目したものではない。
【0009】
また上記特許文献2は、シリコン基板上にGaAsをエピタキシャル成長させた基板の熱処理であり、LEC法やVB法で得られた低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の熱処理に関するものではない。
【0010】
従来技術で記載したように、半絶縁性砒化ガリウムウェハには多数(通常数千個/ウェハ以上)の微小ピットが発生する。微小ピットが発生したウェハは、その表面の凹凸がデバイスの微細加工時の歩留低下の原因大きな原因であった。また、微小ピットの数が多い場合は微細加工が不可能になるなどの問題も発生していた。なお、ここで言うウェハは、成長結晶部直径110mm程度の単結晶から取れるウェハのことである。
【0011】
そこで、本発明の目的は、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶のウェハでの上記従来技術の問題点を解消し、微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶ウェハを得ることのできる砒化ガリウム単結晶の熱処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を提供することにあり、方法は以下の通りである。
【0013】
(1) 転位密度10000個/cm2以下の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うことを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0014】
(2) 前記(1) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、単結晶内の温度差が40℃以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0015】
(3) 前記(1) 又は(2) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、1100℃以上融点以下の温度への昇温、及び1100℃以上融点以下の温度から室温への冷却時のそれぞれの温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0016】
(4) 低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶成長後の冷却過程において、結晶育成炉内にて、1100℃以上融点以下の温度で、育成後の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を10時間以上熱処理を行うことを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0017】
(5) 前記(4) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、前記1100℃以上融点以下の温度による熱処理時における単結晶内の温度差が40℃以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0018】
(6) 前記(4) 又は(5) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、前記1100℃以上融点以下の温度で熱処理した後の冷却時の温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0019】
(7) 前記(1) 〜(6) 記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、前記低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の組成が砒素過剰組成であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
【0020】
<作用>
砒化ガリウムウェハの微小ピットは、前記記載のように不純物を添加した導電性ウェハの場合には殆ど発生しないが、半絶縁性ウェハでは発生量が飛躍的に多くなる。また、半絶縁性ウェハにおいは、砒素が過剰組成である場合とガリウムが過剰組成である場合では、ガリウムが過剰組成である場合が微小ピットが多い傾向がある。現状においては、微小ピットの発生機構は不明の状態である。
【0021】
また、砒化ガリウム単結晶は臨界剪断応力が小さいため、熱的、機械的応力にさらされた場合、転位の導入を招き易い。よって、転位密度10,000個/cm2以下の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の熱処理にあたっては、昇温、冷却時の温度勾配、及び熱処理時の単結晶内の温度差の設定が、低転位を保つための大きな要因となる。
【0022】
単結晶の円周を研削してから電気炉に載置し昇温して熱処理するか、又は同じ結晶育成炉において冷却過程で熱処理するか、のいずれの場合であっても、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うこと、好ましくは単結晶内の温度差が40℃以下であること、更に好ましくは昇温及び/又は冷却時の温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であること、という条件を満たすことにより、熱処理後の微小ピットの発生を少なくすることができる。従って、その後の加工工程において、砒化ガリウムウェハ表面の凹凸をなくし、デバイスの微細加工時の歩留を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0024】
[実施例1]
当該実施例では、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶をVB法で成長し、熱処理を施した場合を例に取り説明する。
【0025】
容器としてPyrolitic Born Nitride(以下「PBN」と記す)製の容器を用い、砒素の組成{(砒素)/(砒素+ガリウム):モル換算}を融液状態で0.005となるように調整し、成長結晶部直径110mm、成長結晶部長さ200mmの半絶縁性砒化ガリウム単結晶の成長を実施した。得られた結晶のシード、テイルを切断し、その転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0026】
上記の転位密度及び微小ピットを確認した後の単結晶について、その円周を研削、エッチング洗浄し、内圧補償用の砒素とともに石英ガラス容器に真空封止した。該石英容器を電気炉(アニール炉)内に載置し、結晶内の温度差を40℃以下に保ちながら、40℃/時間の昇温速度で1100℃まで昇温し、1100℃の熱処理温度に15時間保持した後、−40℃/時間の冷却速度で室温まで冷却し、電気炉から取り出す、という一連の熱処理を実施した。
【0027】
熱処理後の結晶のシード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表1に実施例1として示すように、転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であり、転位の増殖は無かった。また、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と大幅に低減されているのを確認した。
【0028】
[実施例2]
熱処理時の保持温度が1100℃以上融点以下、保持時間が10時間以上以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を50回行った。その結果、表1に実施例2として示すように、熱処理後の転位密度は、シード側、テイル側とも熱処理前からの増殖は無く、全ての結晶において5,000個/cm2以下であった。また、熱処理後の微小ピットは、シード側、テイル側とも全ての結晶において2,000個/ウェハ以下であった。
【0029】
【表1】
【0030】
[実施例3]
当実施例では、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶をVB法で成長し、成長後の冷却過程で結晶育成炉内にて熱処理を施した場合を例に取り説明する。
【0031】
実施例1と同様に容器としてPBN製の容器を用い、砒素の組成{(砒素)/(砒素+ガリウム):モル換算}を融液状態で0.005となるように調整し、成長結晶部直径110mm、成長結晶部長さ200mmの半絶縁性砒化ガリウム単結晶の成長を実施した。
【0032】
その後、同じ成長炉において、炉内の温度分布を調整し、結晶内の温度差を40℃以下、且つ1100℃で15時間保持した。次に、−40℃/時間の冷却速度で室温まで冷却し、結晶育成炉から取り出す熱処理を実施した。
【0033】
熱処理後の結晶は単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認したところ、表2に実施例3として示すように、転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下であった。
【0034】
このように転位密度、微小ピットは結晶育成後に熱処理を施した実施例1の場合と遜色は無かった。
【0035】
[実施例4]
熱処理時の保持温度が1100℃以上融点以下、保持時間が10時間以上以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を50回行った。その結果、表2に実施例4として示すように、熱処理後の転位密度は、シード側、テイル側とも全ての結晶において5,000個/cm2以下であった。また、熱処理後の微小ピットは、シード側、テイル側とも全ての結晶において2,000個/ウェハ以下であった。
【0036】
【表2】
【0037】
[比較例1]
当比較例1では、熱処理時の温度が1100℃未満である以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0038】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0039】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例1として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下であり転位の増殖は無かったが、微小ピットは、シード側で7,000個/ウェハ以上、テイル側で4,000個/ウェハ以上と実施例1に比較して微小ピットは低減されなかった。
【0040】
[比較例2]
当比較例2では、熱処理時の単結晶内の温度差が40℃より大である以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0041】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0042】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例2として示すように、転位密度はシード、テイルとも7,000個/cm2以上と転位が増殖してしまった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と低減していた。
【0043】
[比較例3]
当比較例3では、昇降温時の温度勾配の絶対値が40℃/時間より大である以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0044】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で10,000個/ウェハ以上、テイル側で5,000個/ウェハ以上であった。
【0045】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例3として示すように、転位密度はシード、テイルとも10,000個/cm2以上と転位が増殖してしまった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と低減していた。
【0046】
[比較例4]
当比較例4では、半絶縁性砒化ガリウムの組成をガリウム過剰とした以外は、実施例1と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0047】
熱処理前の転位密度、微小ピットを確認した。転位密度は、シード、テイルとも転位密度は5,000個/cm2以下であった。また、微小ピットは、シード側で20,000個/ウェハ以上、テイル側で10,000個/ウェハ以上と砒素過剰組成である半絶縁性砒化ガリウム単結晶よりも微小ピットは多かった。
【0048】
次に、熱処理後の結晶は、表1に比較例4として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下であり転位の増殖は無かった。微小ピットは、シード側で15,000個/ウェハ以上、テイル側で8,000個/ウェハ以上と実施例1に比較して微小ピット数は多かった。
【0049】
[比較例5]
当比較例5では、熱処理時の温度が1100℃未満である以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0050】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例5として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下であり転位の増殖は無かったが、微小ピットは、シード側で7,000個/ウェハ以上、テイル側で4,000個/ウェハ以上と実施例2に比較して微小ピットは低減されなかった。
【0051】
[比較例6]
当比較例6では、熱処理時の単結晶内の温度差が40℃より大である以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0052】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例6として示すように、転位密度はシード、テイルとも7,000個/cm2以上と実施例2に比較して転位が多かった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と実施例2並であった。
【0053】
[比較例7]
当比較例7では、降温時の温度勾配の絶対値が40℃/時間より大である以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0054】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例7として示すように、転位密度はシード、テイルとも10,000個/cm2以上と実施例2に比較して転位が多かった。なお、微小ピットは、シード側で2,000個/ウェハ以下、テイル側で1,000個/ウェハ以下と実施例2並であった。
【0055】
[比較例8]
当比較例8では、半絶縁性砒化ガリウムの組成をガリウム過剰とした以外は、実施例2と同様の方法により結晶成長、熱処理を10回実施した。
【0056】
熱処理後の結晶は、単結晶であり、シード、テイルを切断し、転位密度、微小ピットを確認した。表2に比較例8として示すように、転位密度はシード、テイルとも5,000個/cm2以下と実施例2並であった。なお、微小ピットは、シード側で15,000個/ウェハ以上、テイル側で8,000個/ウェハ以上と実施例2に比較して微小ピットが多かった。
【0057】
上記の例では、低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の場合の熱処理方法について説明したが、InP、GaP、InAs等の化合物半導体の低転位単結晶の熱処理方法に応用が可能であり、同様の効果が期待される。
【0058】
本発明による熱処理方法で得られる低転位半絶緑性砒化ガリウム単結晶ウェハは、従来法よりも微小ピットが大幅に少ない。したがって、これを用いてFET、HEMT、HBT等の電子デバイス素子を作成した場合、微小ピットに基づく素子歩留の低下を防止できる。よって工業生産における経済的効果は多大なものがある。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、単結晶の円周を研削してから電気炉に載置し昇温して熱処理するか、又は同じ結晶育成炉において冷却過程で熱処理するかのいずれの場合において、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うものであり、これにより熱処理後の微小ピットの発生を少なくすることができる。従って、その後の加工工程において、砒化ガリウムウェハ表面の凹凸をなくし、デバイスの微細加工時の歩留を向上させることができる。
【0060】
上記の効果は、好ましくは単結晶内の温度差が40℃以下とすること、更に好ましくは昇温及び/又は冷却時の温度勾配の絶対値を40℃/時間以下とすることにより、より顕著なものとすることができ、微小ピットの少ない低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶ウェハを得ることができる。
Claims (7)
- 転位密度10000個/cm2以下の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を、1100℃以上融点以下の温度で10時間以上熱処理を行うことを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
- 請求項1記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、
単結晶内の温度差が40℃以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。 - 請求項1又は2記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、
1100℃以上融点以下の温度への昇温、及び1100℃以上融点以下の温度から室温への冷却時のそれぞれの温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。 - 低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶成長後の冷却過程において、結晶育成炉内にて、1100℃以上融点以下の温度で、育成後の低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶を10時間以上熱処理を行うことを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
- 請求項4記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、
前記1100℃以上融点以下の温度による熱処理時における単結晶内の温度差が40℃以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。 - 請求項4又は5記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、
前記1100℃以上融点以下の温度で熱処理した後の冷却時の温度勾配の絶対値が40℃/時間以下であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。 - 請求項1〜6記載の砒化ガリウム単結晶の熱処理方法において、
前記低転位半絶縁性砒化ガリウム単結晶の組成が砒素過剰組成であることを特徴とする砒化ガリウム単結晶の熱処理方法。
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CN110629289A (zh) * | 2019-11-01 | 2019-12-31 | 中国电子科技集团公司第四十六研究所 | 一种低亮暗点的4和6英寸半绝缘砷化镓抛光片制备方法 |
-
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