JP2004273368A - 電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法及びこの方法により得られた電子部品 - Google Patents

電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法及びこの方法により得られた電子部品 Download PDF

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Abstract

【技術課題】射出又は圧縮成形方法により電子部品に絶縁被覆層を形成する際に、射出圧及び熱影響を最小限に抑え、リード線付コイン型電池にあってはこのリード線の対引っ張り強度を高めることができる成形方法及び電子部品を提供する。
【解決手段】電池10を金型1のキャビティ4内に固定すると共に当該電池10とキャビティ4の内壁面との間の空隙18を形成し、この空隙18内に低圧、低温での射出成形が可能なホットメルト接着剤を注入し、この注入したホットメルト接着剤の冷却固化を待ってキャビティ4を開く。このようにすると、電池10の表面にはホットメルト接着剤で覆われ、密着した絶縁被覆層19を形成することができる。同時に、ホットメルト接着剤は、リード線13の被覆と密着するため、リード線13の対引っ張り強度を向上させる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池あるいは電子回路等の電子部品を絶縁被覆する方法及びこの方法により得られた電子部品に関するもので、更に詳しくは、高圧、高温を嫌う電子部品に対して射出又は圧縮成形方法を用いて絶縁被覆層を形成する方法及びこの方法により得られた電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リード線付コイン型電池、あるいは電子ヒューズ等を含む回路基板等の場合、電子機器に実装するために、予め絶縁被覆層が施されるのが一般的である。
この絶縁被覆層の形成方法であって、リード線付コイン型電池の例を図10を参照しながら詳細に説明する。図11(A)〜(D)は、リード線51、51a付きのコイン形電池50を絶縁被覆する方法の例であって、この絶縁被覆方法は、図11(A)(B)に示すように予めコイン形電池50の周縁をポリ塩化ビニル製の熱収縮チューブ50aでドーナツ状に被覆することにより、電極用端子52、52aを電池50に溶接した時に正と負極がショートするのを防止している。その上で、図11(C)に示すように各々リード線51、51aに電極用端子板52、52aを接続させてから、電池50の正と負極面にスポット溶接装置を用いて前記端子板52、52aを溶接させ、次に図11(D)に示すようにポリ塩化ビニル製の熱収縮チューブ53を電池50に被せ、外部からの熱風や輻射熱で熱収縮チューブ53を加熱収縮させて電池50全体に密着させ、この被覆層で絶縁を図っている。
【0003】
この時、本来は電極用端子板52、52aは不要で、リード線51、51aの先端部分を直接電池50に夫々溶接すれば良いが、このように直接溶接すると、リード線51、51aに引っ張りの力がかかった場合、リード線51、51aが細くスポット部分で破断されることが多いため、これを補強するために前記のように電極用端子板52、52aが必要となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記図11(A)〜(D)に示したコイン形電池50を被覆する場合は、
1.スポット溶接部分の補強に電極用端子板52、52aを使用しなければならずコスト高となるばかりでなく強度的にも不完全である。
2.全体を熱収縮チューブ53で覆わなくてはならないために、電池50と熱収縮チューブ53の位置決めが難しく、被覆位置がズレたりして商品価値が低下する。
3.電極用端子板52、52aの加工及び溶接と、コイン形電池50を予めドーナツ状に熱収縮チューブ50aで被覆し、次に全体を熱収縮チューブ53で被覆するため、二度の加熱工程があり、生産性が悪い。
4.ポリ塩化ビニルを用いているため、廃棄物となったときに環境への悪影響が懸念される。
等の問題がある。
【0005】
その他、電池(バッテリー)を絶縁被覆する方法として、射出成形方法を用いて電池を樹脂中にインモールドする方法が特開昭64−72458号や特開2000−315483号公報に掲載されている。
特開2000−315483号公報に掲載されているインモールドの方法は、ポリウレタンやポリアミド樹脂を使用したもので、これらの材料は成形温度が一般的に高く、且つ固化するまでの時間が長くかかる。従って電池をインモールドする場合、電池に与える熱の影響は、高温が長い時間かかることになる。特にコイン型電池には極めて薄く形成されたガスケットが正極と負極の絶縁を兼ね電解液をシールする目的で使用されており、且つこれらガスケットの材質は、パッキン性を確保するために、又、電解液の性質上ポリプロピレン等の軟質材が使われることが多い。
【0006】
従って、このポリプロピレンの熱的物性を考えた時、電池に与える熱影響は温度と時間の関係で見なければならない。この場合、特開2000−315483号の公報に掲載された方法ではコイン電池のポリプロピレン製ガスケットを保護できる温度にはなり得ない。
それ故に、特開昭64−72458号には、電池を保護することを目的に一部ないし、全部を断熱性材料により包被し、更に断熱材料の周囲から熱可塑性樹脂により包被する方法が開示されている。
【0007】
しかし、この方法によると、先ず発電要素を断熱被覆し、次に熱可塑性樹脂で包被する、と云う2工程が必要になることから、生産コストが上昇すると共に被複層が2層構造となるため、その分大型化、重量増の要因となる。
また、この公知例の場合、電池に接続されたリード体は、熱可塑性樹脂が固化してしまうと、このリード体に曲げの力が作用したとき、このリード体の基部に応力が集中し、曲ったり、折損したりする欠点がある。また、熱可塑性樹脂を用いたインモールド方法で電池を被覆した場合、この樹脂と電池とは接着せず、また樹脂が冷却固化するときに収縮を伴うことから、被覆と電池の密着性に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来例の欠点を解消することが可能なリード線付コイン型電池や回路基板に代表される電子部品の絶縁被覆方法及びこの方法により得られた電子部品を提供するのが目的であって、具体的には、射出又は圧縮成形方法により絶縁被覆層を形成する際に、射出圧及び溶融した樹脂の熱影響で電子部品が変調を来さない、又は機能が破壊されない絶縁被覆方法とこの方法により得られた電子部品を提供するのが第1の目的である。
更に、小型化と軽量化及び絶縁被覆層で電子部品の耐衝撃性を向上させたり、リード線付コイン型電池にあってはリード線に対する引っ張り強度の強化及びリード線に対する曲げの力を緩和することができる絶縁被覆方法とこの方法により得られた電子部品を提供するのが第2の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法において、放熱性に優れた金型で形成されたキャビティ内に被覆層分の空隙を周囲の一部又は全部に空けて電子部品を固定する、
前記キャビティ内に溶融したホットメルト接着剤を注入する、
前記ホットメルト接着剤の固化を待って金型を開き、ホットメルト接着剤で周囲の一部又は全部が被覆された電子部品を取り出す、
ことを特徴とするものである。
このように、ホットメルト接着剤を絶縁被覆層とすることにより、低圧、低温での成形が可能となる。加えて、ホットメルト接着剤の接着力、収縮作用による密着力により、被覆層は電子部品の外側に確実に形成することができる。また、低圧、低温成形が可能であることから、軽量な金型を用いて射出又は圧縮成形が可能である。
【0010】
更に、請求項2に記載の発明においては、請求項1の金型は、アルミニウム製であることを特徴とするものである。
このように、金型をアルミニウム製とすることにより、ホットメルト接着剤の固化促進を図ることができる。
【0011】
更に、請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2の金型において、キャビティ内に出入り自在の絶縁性保持ピンを設け、この保持ピンで電子部品をキャビティ内に固定することにより、電子部品の周囲の一部又は全部に空隙を形成することを特徴とするものである。
この絶縁性の保持ピンの作用により、電子部品を固定したときにショートしたりするのを防止できる。
【0012】
更に、請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の保持ピンは、ホットメルト接着剤にスキン層が形成され、且つ保圧が加えられている段階でキャビティ内から後退させることにより、ホットメルト接着剤層内に形成された保持ピンの孔内に溶融状態のホットメルト接着剤を侵入させてこの孔を閉塞することを特徴とするものである。
このように、保持ピンの孔を閉塞することにより、完全密閉された、防水、防埃に優れた被覆層の形成が可能である。
【0013】
更に、請求項5に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の金型において、そのキャビティ面の一部に電子部品固定用の突起物を形成し、この突起物で電子部品をキャビティ内に固定することを特徴とするものである。
【0014】
更に、請求項6に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の金型には、絶縁被覆が施されたリード線付のコイン型電池をキャビティ内に固定した時、前記リード線のネック部分を包含するネック部キャビティを形成すると共にホットメルト接着剤を注入するためのゲートをこのネック部キャビティに設け、注入時のホットメルト接着剤は、前記ネック部キャビティを経由してキャビティ内に注入されることを特徴とするものである。
このように、ネック部からホットメルト接着剤を注入すると、リード線の絶縁被覆にホットメルト接着剤は強固に接着するため、リード線の接続強度が高まり、引っ張りに対して強くなる。同時に、ホットメルト接着剤の柔軟性により、リード線のネック部分の変形に対する自由度が増し、破断に対する強度が増す。
【0015】
更に、請求項7に記載の発明においては、請求項6に記載のリード線付コイン型電池におけるリード線の先端露出部分は、正と負の極面においてハの字状に開いてスポット溶接が行われていることを特徴とするものである。
このように、リード線の先端をハの字状にスポット溶接すると、ネック部分から流入したホットメルト接着剤の流れ方向が拡散されて均一化する。
【0016】
更に、請求項8に記載の発明においては、請求項1に記載のホットメルト接着剤を用いた被覆層は、複数の物品を一体化するために形成されることを特徴とするものである。
この発明によると、電子部品等をまとめて固定する手段を軽減することができる。
【0017】
更に、請求項9に記載の発明においては、請求項1〜8の何れか一つの項に該当する方法により、電子部品は、その一部又は全部がホットメルト接着剤にする絶縁被覆層で覆われていることを特徴とするものである。
このように、ホットメルト接着剤で被覆された電子部品は、絶縁に加えて、その弾力性により耐衝撃性が向上すると共に小型化、軽量化する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、コイン型電池等の電子部品に絶縁被覆層を形成することが目的であるが、併せて、防水、防埃あるいは緩衝の目的のためにも有効な絶縁被覆層を形成することである。
ホットメルト接着剤の特性を100%活用する意味で使用する金型は、放熱性の良い金型材、例えばアルミニウム製の金型が有効である。
ホットメルト接着剤は溶融粘度が低く、放熱しやすい特性を有するので、低温で注入出来、高温の材料であっても、金型に接した瞬間に放熱し冷却する。この特性を利用したのが本発明であり、電子部品への影響が皆無の理由である。
従って、金型(特にキャビティ)は対象となる電子部品の大きさ、更に被覆層の厚さ、形状によってその必要とする放熱量を決め、その形状が決定される。このキャビティ内での電子部品の固定は、キャビティの内面に形成した突起物あるいは可動ピンで行う。
【0019】
絶縁被覆層で電子部品を密封する場合には、ホットメルト接着剤を注入し、保圧をかけている過程で保持ピンを後退させることにより、この保持ピンが後退して出来た孔内にホットメルト接着剤が侵入してこの孔を塞ぐようにする成形法をとることにより可能である。なお、電池の場合、保持する突起物や保持ピンは、正と負極が金型を経由して導通しないようにするために、正又は負極に接する突起物あるいは保持ピンは絶縁すること、又は絶縁材で構成することが必要である。
【0020】
使用するホットメルト接着剤は、公知の接着剤としての用途として開発し、市販されている合成樹脂を主材としたものをそのまま利用することができる。例えばエチレン含量が約70%のもので、融点約120℃以上のホットメルト接着剤は、各種の材料に馴染みがよい。
ホットメルト接着剤には、樹脂のほか、粘着付与剤、ワックス、充填剤(フィラー)、可塑剤(軟化剤)、安定剤などが、性能改善のために配合しても良い。粘着付与剤は、溶融したときEVA樹脂だけでは材料にすばやく密着しにくいので、粘着性を与えて均一に接着できるようにするために、松ヤニやその変成物、石油樹脂などを用いても良い。
【0021】
ワックスは、溶融しやすくすると共に、溶融物の粘度を下げてキャビティ内での流動を良くする効果がある。100℃までの加熱でシャープに溶融させることを目的として、主としてパラフィンワックスを使用することもできる。
充填剤は、耐熱性の向上、接着面のベタつき防止、コスト低下などのために加えられる。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、クレーなどを用いることもできる。
【0022】
可塑剤には、ジブチルフタレート、塩素化パラフィンなどの液体を用いることができる。この可塑剤は、溶融物の流動性をよくして電池へよく馴染むようにさせるとともに、接着部分が低温でもろくなることを防ぐ効果がある。
安定剤は、フェノール類、含窒素有機化合物など、溶融した接着剤の分解や着色を防止するために使用する。
【0023】
これらを混合したホットメルト接着剤の配合例を次に挙げる。
EVA樹脂 50%
粘着付与剤 40%
充填剤 5%
可塑剤 4.8%
安定剤 0.2%
【0024】
ホットメルト接着剤を注入する装置は、ホットメルト接着剤を均一な温度で溶融し、一定速度でキャビティ内に注入することが必要である。このような装置としては、ギア駆動プランジャーポンプが最適である。この装置と金型との間は、ホットメルト接着剤が冷えて固化しないように、ヒーター線を捲きつけたヒートホースで結ぶ。勿論、ホットメルト接着剤が冷えない距離の場合は、ヒートホースでなくても良い。
【0025】
【実施例1】
本実施例1は、コイン形電池に絶縁被覆層を形成する時の例である。図1に被覆装置の全体を示し、図2に金型を示し、図3に絶縁被覆層形成対象であるリード線付コイン形電池を示し、図4(A)、(B)に絶縁被覆層成形工程を示す。先ず、図1において、1はアルミニウム製の金型であって、この金型1は、図1、2に示すように固定型2及び可動型3と、固定型2と可動型3の合せ面にキャビティ4を形成し、更に、キャビティ4の内面には、コイン形電池を保持するために、絶縁性を有する保持ピン5を要所に設けている。また、キャビティ4にはリード線のネック部分を保持固定するネック部キャビティ4aが形成され、ゲート4bはこのネック部キャビティ4aに位置し、スプルー4cがゲート4bに連通しており、ホットメルト接着剤は、スプルー4c→ゲート4b→ネック部キャビティ4aを経由してキャビティ4内に注入される。4dは金型1に形成されたリード線収容溝を示す。
【0026】
図3に示すリード線付コイン型電池10は、一面が正極面11で他面が負極面12から成り、樹脂で絶縁被覆されたリード線13の露出した先端13a、13bは、正極面11側と負極面12側において、ハの字状となるように裏表の正、負極面11、12に夫々スポット溶接14、14aされている。なお、このリード線13の先端13a、13bのスポット溶接14、14aの位置は、スポット溶接時の加圧を確実に受けとめるためにコイン形電池10の周辺部に近い位置が有効である。
【0027】
図1において、15はホットメルト接着剤注入装置であって、このホットメルト接着剤注入装置15は、ホットメルト接着剤溶融タンク16と、この溶融タンク16内の溶融状態のホットメルト接着剤をヒートホース17を経由して金型1のスプルー4cからゲート4b及びネック部キャビティ4aを介してキャビティ4内に注入する注入ポンプ(図示せず)と、制御回路(図示せず)で構成されている。
【0028】
上記構成の被覆層形成装置とコイン形電池10を前提として、その被覆層の成形方法を次に説明する。
先ず、金型1において、可動型3を後退させて図2に示すようにキャビティ4を開き、固定型2のキャビティ4内にコイン形電池10(以下単に「電池10」と云う)をセットする。このとき、キャビティ4内には電池10を保持する絶縁性を有する保持ピン5が突設されているため、電池10とキャビティ4の内壁面との間には、図4(A)に示すような空隙18が形成される。このようにして電池10を固定型2内に固定したのち、可動型3を前進させて金型1(キャビティ4)を閉じる。この閉じた状態を示したのが図4(A)である。
【0029】
次に、ホットメルト接着剤注入装置15の注入ポンプを駆動して、溶融した一定量のホットメルト接着剤をヒートホース17からスプルー4c及びゲート4b、ネック部キャビティ4aを経由してキャビティ4内に注入する。この注入した状態を図4(B)に示す。そして、ホットメルト接着剤が十分に固化した状態を計って可動型3を後退させ、キャビティ4を開き、中からホットメルト接着剤で被覆された電池10をとり出す。このとり出した電池10を図5に示す。この図5で明らかなように、電池10の周囲には、ホットメルト接着剤層、つまり絶縁被覆層19が密着して形成されており、また、リード線13の引き出し部(ネック部)も絶縁被覆層19aで覆われ、且つ、リード線13の樹脂被覆層とこの絶縁被覆層19aは融着している。
【0030】
この時、ホットメルト接着剤の溶融温度は190℃〜200℃で、注入圧は10kg/cm〜20kg/cm、注入時間は2秒、保圧時間は10秒であり、この成形条件によると、電池10に対するリード線13a、13bのスポット溶接14、14a部分を破断するには至らない。
なお、本実施例1においては、電池10をキャビティ4内において保持する保持ピン5が存在していたため、絶縁被覆層19には図5に示すように、この保持ピン5の跡、つまり孔20が残っているが、この孔20は小さく、また、絶縁のためには何等支障を来すものではないので、そのまま残しておくことができる。次に、図7は金型内にホットメルト接着剤を注入した時の電池10の表面の温度の変化を示したもので、注入後1秒で約70℃に上昇するが、2秒後には約40℃に低下し、5秒後には約22℃に低下している。このデータから判るように、ホットメルト接着剤と放熱性に優れたアルミニウム製金型の作用により、注入されたホットメルト接着剤は、急冷し、電池10に対する熱影響は全く無視できる。
【0031】
【実施例2】
本実施例2は、絶縁可動ピンで電池10をキャビティ内に保持することにより、電池10を絶縁被覆層19で完全に密封する例である。このためには、実施例1において、金型1のキャビティ4内に形成した保持ピン5を可動するタイプとすることが必要である。この例を図6(A)〜(C)に基づいて説明する。キャビティ4内に電池10をセットする際には、図6(A)に示すように、絶縁性を有する可動保持ピン21をキャビティ4内に前進させておき、この可動保持ピン21で電池10を保持し、金型を閉じて電池10をキャビティ4内に固定し、併せてキャビティ内壁面との間に空隙18を形成しておく。
【0032】
その上で、ホットメルト接着剤注入装置15を駆動してゲート4bからキャビティ4内にホットメルト接着剤を注入し(図6(B))、スキン層が形成され、保圧状態の時、可動保持ピン21をキャビティ4内から、図6(C)に示すように、少なくとも絶縁被覆層19の肉厚分後退させる。この後退により、未だ溶融状態のホットメルト接着剤が孔内に流入し、孔は閉塞される。この結果、電池10は絶縁被覆層19で完全に密封される。
【0033】
【実施例3】
本実施例3は、請求項8に対応しており、複数の部品のホットメルト接着剤の被覆層で一体化する例である。この一体化のための被覆層の形成手段は、実施例1又は2と同様の手段で可能であり、図8に、電池22、22aを被覆層23で一体化した状態を示す。
なお、上記実施例1、2、3において用いたホットメルト接着剤はポリアミド系ホットメルト接着剤であって、テルメルト(アロンエバーグリップリミテット社製の商品名)を用い、ホットメルト接着剤注入装置はノードソン社製のホットメルト接着剤アプリケーターを使用した。
【0034】
【実施例4】
本実施例4は、回路基板にレイアウトされた集積回路、ヒューズ、その他の電子回路部品をホットメルト接着剤で絶縁被覆する実施例である。
図9(A)は回路基板を示し、図9(B)は射出成形用金型で絶縁被覆層を形成している状態の説明図、図10(A)は絶縁被覆層を形成した回路基板の説明図、図10(B)はA−A´線断面図である。
【0035】
上記図9(A)において、30は回路基板、31はこの回路基板30にレイアウトされた集積回路、32はヒューズ、33はその他の電子回路部品であって、この回路基板30は、図9(B)に示すように、金型40で形成されたキャビティ41内に回路基板30をセットし、前記集積回路31、ヒューズ32、その他の電子回路部品33の周囲に空隙42を形成し、ゲート43からホットメルト接着剤を空隙42内に注入することにより、図10(A)(B)に示すように回路基板30上の集積回路31、ヒューズ32、その他の電子回路部品33の周囲にホットメルト接着剤による絶縁被覆層34を形成する例である。
なお、成形条件は実施例1と同じであったので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0036】
【発明の効果】
本発明による効果は次のとおりである。
1.ホットメルト接着剤を絶縁被覆材料として用いたことにより、低圧、低温での射出又は圧縮成形が可能である。このため、高圧、高温を嫌う電子部品の絶縁被覆層の形成において、射出又は圧縮成形法を用いることができる。
2.絶縁被覆層の形成に射出又は圧縮成形法を用いることにより、低コストにより大量生産が可能である。
3.ホットメルト接着剤が有する低圧、低温成形性の特徴は、成形用金型をアルミニウム製とすることができる。この結果、金型の軽量化、小型化により、成形機械の小型化、運転コストの低減が可能である。
4.ホットメルト接着剤は、他の樹脂に比較して固化時の収縮性に優れているため、電子部品に対する密着性が高い。
5.ホットメルト接着剤は、固化後も柔軟性があるため、例えばリード線付電子部品においては、ネック部分(カシメ部分)においてリード線に作用する曲げの力に追従し、断線を防ぐ効果があると共に衝撃から電子部品を守る効果もある。
6.ホットメルト接着剤の固有の機能である接着力の作用により、絶縁被覆の施されているリード線の場合、この接着力でリード線の絶縁被覆に密着する。こ
の結果、リード線の引っ張り強度を向上させることができる。
7.リード線付コイン型電池において、そのリード線の先端をハ字状にスポット溶接することにより、注入されたホットメルト接着剤はこのハ字状に沿って拡散する。この結果、ホットメルト接着剤を素早くキャビティ内に均一に充満することが可能である。また、固化後はハ字状の係止作用で引っ張り(引き抜き
)強度が増す。
8.請求項4に記載の発明によると、保持ピンを保圧中に後退させることにより、保持ピンの孔が絶縁被覆層に残らないため、密封状態の絶縁被覆層の形成が可能である。この結果、防水、防埃性にも優れた密封タイプの電子部品の提供
が可能である。
9.電子部品は、ホットメルト接着剤による絶縁被覆層で保持されているため、絶縁効果は勿論のこと、衝撃に強く、小型化、軽量化が可能である。この結果、電子機器への実装がしやすくなると共に電子機器の小型化、軽量化にも寄与
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのホットメルト接着剤注入装置と金型の説明図。
【図2】金型の説明図。
【図3】絶縁被覆前のリード線付コイン型電池の説明図。
【図4】(A)はキャビティ内にホットメルト接着剤を注入する前の説明図、(B)はホットメルト接着剤を注入した後の説明図。
【図5】ホットメルト接着剤による絶縁被覆層を形成したリード線付コイン型電池の説明図。
【図6】(A)は可動保持ピン利用の成形方法において、可動保持ピンで電池をキャビティ内に保持し、固定している状態の説明図、(B)はキャビティ内にホットメルト接着剤を注入した状態の説明図、(C)は可動保持ピンをキャビティ内から後退させた状態の説明図。
【図7】射出成形時の金型の温度変化を説明図。
【図8】電池2本をホットメルト接着剤で一体化した状態の説明図。
【図9】(A)は回路基板の説明図、(B)は射出成形法により回路基板に絶縁被覆層を形成している状態の説明図。
【図10】(A)は絶縁被覆層を形成した回路基板の説明図、(B)はA−A´線断面図。
【図11】(A)は従来のコイン型電池の説明図、(B)は熱収縮チューブで絶縁被覆した状態の説明図。
【符号の説明】
1 金型
2 固定型
3 可動型
4 キャビティ
5 保持ピン
10 コイン型電池
15 ホットメルト接着剤注入装置

Claims (9)

  1. 放熱性に優れた金型で形成されたキャビティ内に被覆層分の空隙を周囲の一部又は全部に空けて電子部品を固定する、
    前記キャビティ内に溶融したホットメルト接着剤を注入する、
    前記ホットメルト接着剤の固化を待って金型を開き、ホットメルト接着剤で周囲の一部又は全部が被覆された電子部品を取り出す、
    ことを特徴とする電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  2. 請求項1の金型は、アルミニウム製であることを特徴とする電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  3. 請求項1又は2の金型において、キャビティ内に出入り自在の絶縁性保持ピンを設け、この保持ピンで電子部品をキャビティ内に固定することにより、電子部品の周囲の一部又は全部に空隙を形成する電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  4. 請求項3に記載の保持ピンは、ホットメルト接着剤にスキン層が形成され、且つ保圧が加えられている段階でキャビティ内から後退させることにより、ホットメルト接着剤層内に形成された保持ピンの孔内に溶融状態のホットメルト接着剤を侵入させてこの孔を閉塞することを特徴とする電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  5. 請求項1又は2に記載の金型において、そのキャビティ面の一部に電子部品固定用の突起物を形成し、この突起物で電子部品をキャビティ内に固定することを特徴とする電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  6. 請求項1又は2に記載の金型には、絶縁被覆が施されたリード線付のコイン型電池をキャビティ内に固定した時、前記リード線のネック部分を包含するネック部キャビティを形成すると共に、ホットメルト接着剤を注入するためのゲートをこのネック部キャビティに設け、注入時のホットメルト接着剤は、前記ネック部キャビティを経由してキャビティ内に注入されることを特徴とする電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  7. 請求項6に記載のリード線付コイン型電池におけるリード線の先端露出部分は、正と負の極面においてハの字状に開いてスポット溶接が行われていることを特徴とする電子部品の低圧、低温絶縁被覆方法。
  8. 請求項1に記載のホットメルト接着剤を用いた被覆層は、複数の物品を一体化するために形成されることを特徴とする物品の表面に被覆層を形成する方法。
  9. 請求項1〜8の何れか一つの項に該当する方法によりその一部又は全部がホットメルト接着剤による絶縁被覆層で覆われている電子部品。
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