JP2004273286A - 電解質膜およびそれを用いた燃料電池 - Google Patents

電解質膜およびそれを用いた燃料電池 Download PDF

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Shunji Kono
俊司 河野
Masayuki Kidai
聖幸 希代
Masataka Nakamura
正孝 中村
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Abstract

【課題】燃料クロスオーバーが少なく、高い伝導度を有する電解質膜およびそれからなる燃料電池を提供する。
【解決手段】アニオン性基を有する高分子(A)と該高分子(A)とは異なる高分子(B)からなる電解質膜であって、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比が厚み方向に分布を持っており、厚み方向の任意の点における高分子(A)と高分子(B)の重量比(A/B)の最大値と最小値の比が2倍以上である電解質膜を用いて燃料電池を構成する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質膜およびそれを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、排出物が少なく、かつ高エネルギー効率で環境への負担の低い発電装置である。このため、近年の地球環境保護への高まりの中で再び脚光を浴びている。従来の大規模発電施設に比べ、比較的小規模の分散型発電施設、自動車や船舶など移動体の発電装置として、将来的にも期待されている発電装置である。また、小型移動機器、携帯機器の電源としても注目されており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池に替わり、携帯電話やパソコンなどへの搭載が期待されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池においては、水素ガスを燃料とする従来の固体高分子型燃料電池に加えて、燃料のアルコールやジメチルエーテル等を水素に改質することなく直接供給する直接型燃料電池も注目されている。直接型燃料電池は従来の固体高分子型燃料電池に比べて出力が低いものの、燃料が液体で改質器を用いないために、エネルギー密度が高くなり、一充填あたりの携帯機器の使用時間が長時間になるという利点がある。直接型燃料電池の中でも燃料にメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池は室温付近での出力が高く、二次電池代替の有力候補として特に注目を集めている。
【0004】
燃料電池は通常、発電を担う反応の起こるアノードとカソードと、アノードとカソード間のプロトン伝導体となる電解質膜とが、膜電極複合体を構成し、この膜電極複合体がセパレータによって挟まれたセルをユニットとして構成されている。ここで、電極は、ガス拡散の促進と集(給)電を行う電極基材(ガス拡散電極あるいは集電体とも云う)と、実際に電気化学的反応場となる電極触媒層とから構成されている。たとえば固体高分子型燃料電池のアノード電極では、水素ガスなどの燃料がアノード電極の触媒層で反応してプロトンと電子を生じ、電子は電極基材に伝導し、プロトンは電解質膜へと伝導する。このため、アノード電極には、ガスの拡散性、電子伝導性、プロトン伝導性が良好なことが要求される。一方、カソード電極では、酸素や空気などの酸化ガスがカソード電極の触媒層で、電解質膜から伝導してきたプロトンと、電極基材から伝導してきた電子とが反応して水を生成する。このため、カソード電極においては、ガス拡散性、電子伝導性、プロトン伝導性とともに、生成した水を効率よく排出することも必要となる。
【0005】
固体高分子型燃料電池用の電解質膜には高プロトン伝導性が要求されるが、直接型燃料電池用の電解質膜においてはさらに燃料の透過抑制も要求される。電解質膜中の燃料透過は、燃料クロスオーバー、ケミカルショートとも呼ばれ、電池出力およびエネルギー効率が低下するという問題を引き起こす。
【0006】
これまで、固体高分子型燃料電池の電解質膜においては、例えば超強酸基含有フッ素系高分子であるナフィオン(Nafion、デュポン社の登録商標。以下同様。)が用いられてきた。しかし、ナフィオンは膜中の水がクラスター構造を形成するためにメタノールなどの燃料クロスオーバーが大きいという課題があった。そこで、これら電解質膜の実用化のためには、ナフィオン並の高プロトン伝導度を有し、かつ燃料クロスオーバーの抑制された電解質が市場から望まれていた。
【0007】
この課題に対して、燃料クロスオーバーを抑制するために、アニオン性基を有する高分子とそれとは異なる高分子の混合物からなる電解質膜が提案されている。例えば特許文献1にはナフィオンとオルガノポリシロキサンの混合物からなる電解質膜が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−110200号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特開2002−110200号公報記載の発明においては、高プロトン伝導度と燃料クロスオーバー抑制を完全には実現できておらず、高プロトン伝導度を維持した場合には燃料クロスオーバー抑制が十分でなく、燃料クロスオーバー抑制が十分な場合にはプロトン伝導度が小さいという問題があった。
【0010】
本発明は、ナフィオン並の高プロトン伝導度を有し、かつ燃料クロスオーバーの抑制された電解質膜を提供することを目的とする。さらに本発明はそれを用いた燃料電池を提供することを目的とし、特に炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液を燃料とする直接型燃料電池の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、本発明は下記の構成を有する。すなわち、
アニオン性基を有する高分子(A)と該高分子(A)とは異なる高分子(B)からなる電解質膜であって、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比が厚み方向に分布を持っており、厚み方向の任意の点における高分子(A)と高分子(B)の重量比(A/B)の最大値と最小値の比が2倍以上であることを特徴とする電解質膜、であり、またその好ましい態様であり、そして係る電解質膜を用いた燃料電池である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明の電解質膜は、アニオン性基を有する高分子(A)と該高分子(A)とは異なる高分子(B)からなる電解質膜であって、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比が厚み方向に分布を持っており、厚み方向の任意の点における高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比が2倍以上であることを特徴とする。
【0014】
本発明に用いるアニオン性基を有する高分子(A)について説明する。アニオン性基とは、水分の存在下で解離してアニオンとプロトンを生成可能な置換基である。このようなアニオン性基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基が好ましく用いられる。ここで、スルホン酸基は式(f1)で表される基、スルホンイミド基は式(f2)で表される基[式中Rは任意の原子団を表す。]、硫酸基は式(f3)で表される基、ホスホン酸基は式(f4)で表される基、リン酸基は式(f5)または(f6)で表される基、カルボン酸基は式(f7)で表される基を意味する。また、これらの塩である場合も含まれる。
【0015】
【化1】
Figure 2004273286
【0016】
[式(f2)中、Rは任意の置換基を表す。]
これらの中でも、高プロトン伝導度の点からスルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基から選ばれた少なくとも1種を有することがより好ましく、耐加水分解性の点からスルホン酸基またはスルホンイミド基を有することが最も好ましい。これらのアニオン性基は前記高分子(A)中に2種類以上含むことができる。
【0017】
このようなアニオン性基を有する高分子の例を以下に例示する。
(1−1)アニオン性基を有するモノマーから得られる高分子
例えばアクリル酸、メタアクリル酸、ビニル安息香酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメタクリレートホスフェートなどに代表されるアニオン性基を有するモノマーから得られる高分子が挙げられる。このようなアニオン性基を有するモノマーにアニオン性基を持たないモノマーを共重合させた高分子も好適である。アニオン性基を持たないモノマーとしては重合性官能基を有する化合物であれば特に限定なく用いることができる。好ましくは(メタ)アクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド系化合物、マレイミド系化合物等が挙げられる。本発明に用いる高分子(A)は架橋高分子であってもよい。高分子(A)が架橋高分子であれば燃料クロスオーバー抑制のためには有利である。アニオン性基を有するモノマーから得られる高分子を架橋させる場合には、(メタ)アクリル系化合物、スチレン系化合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド系化合物、マレイミド系化合物等の中で重合性官能基を複数有するものを架橋剤として共重合させればよい。
【0018】
アニオン性基を有するモノマーから得られる高分子を製造する場合には、モノマー組成物には、重合をしやすくするためにパーオキサイド系やアゾ系に代表される熱重合開始剤や、光重合開始剤が添加されるのが一般的である。
【0019】
熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有するものを選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40〜100℃の過酸化物系開始剤が好適であり、かかる開始剤によりひび割れのない電解質膜を製造することができる。
【0020】
光重合開始剤としてはベンゾフェノンのようなカルボニル化合物とアミン併用系や、メルカプタン化合物、ジスルフィド化合物などを挙げることができる。
【0021】
これらの重合開始剤は単独または混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用される。
【0022】
重合方法、成形方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、板間重合法、およびコーティング等の方法で薄膜状にしたモノマー組成物を不活性ガスまたは減圧雰囲気下で重合する方法などである。
【0023】
一例として板間重合法について、次に説明する。モノマー組成物を2枚の板状モールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱重合を行って膜状に賦型する。板状モールドは、樹脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されているが、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通常は樹脂またはガラスが使用される。必要に応じて膜に一定の厚みを与えかつ充填したモノマー組成物の液モレを防止する目的を有するガスケットを併用してもよい。空隙にモノマー組成物を充填した板状モールドは、続いて紫外線のような活性光線を照射されるか、オーブンや液槽に入れて加熱されて重合される。光重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合後に光重合する両者を併用する方法もありうる。光重合の場合は、例えば水銀ランプや捕虫灯を光源とする紫外線を多く含む光を短時間(通常は1時間以下)照射するのが一般的である。熱重合を行う場合には、室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めて行く条件が、均一性、品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
(1−2)アニオン性基を有する芳香族系高分子
芳香族環を含む高分子であってアニオン性基を有するものである。
【0024】
主鎖構造は、特に限定されるものではないが、例えばエンジニアリングプラスチックとして使用されるような十分な機械強度を有する物が好ましい。
【0025】
さらには、少なくとも主鎖にアニオン性基とは異なる1種類以上の極性基を有する高分子が好ましい。この理由は主鎖近傍への水の配位を促し高プロトン伝導性を与えうるためと考えられる。ここで、極性基とは、特に限定されるものではないが、水が配位できる官能基が好ましい。この様な極性基としてスルホニル基(−SO−)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、アミド基(−NRCO−)、イミド基(−CO−N−CO−)、ホスファゼン基(−P=N−)などが好適である。
【0026】
そのような極性基を有する高分子の中でも、式(a1)で示されるポリフェニレンスルフィドスルホン、式(a2)で示されるポリフェニレンスルフィド、式(a3)で示されるポリフェニレン、式(a4)で示されるポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリスルホン、式(a5)で示されるポリフェニレンオキシド、式(a6)で示されるポリエーテルエーテルケトン、式(a7)で示されるポリエーテルケトン、式(a8)で示されるポリエーテルエーテルスルホン、式(a9)で示されるポリエーテルスルホン、および式(a10)で示されるポリホスファゼン、などが特に好ましく用いられる。
【0027】
【化2】
Figure 2004273286
【0028】
(Z、Z,ZおよびZは芳香環を含む有機基を表し、Z、Z,ZおよびZは同じでも異なっていても良い。nは正の整数であり繰り返し単位の数を表す。)
これら芳香族系高分子に対してアニオン性基を導入する方法は、アニオン性基を有するモノマーを用いて重合する方法と、高分子反応でアニオン性基を導入する方法が挙げられる。
【0029】
アニオン性基を有するモノマーを用いて重合する方法としては、繰り返し単位中にアニオン性基を有したモノマーを用いれば良く、必要により適当な保護基を導入して重合後脱保護基を行えばよい。高分子反応でアニオン性基を導入する方法について例を挙げて説明すると、芳香族系高分子へのホスホン酸基の導入は、例えばPolymer Preprints, Japan , 51, 750 (2002) 等に記載の方法によって可能である。芳香族系高分子へのリン酸基の導入は、例えばヒドロキシル基を有する芳香族系高分子のリン酸エステル化によって可能である。芳香族系高分子へのカルボン酸基の導入は、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基を有する芳香族系高分子を酸化することによって可能である。芳香族系高分子への硫酸基の導入は、例えばヒドロキシル基を有する芳香族系高分子の硫酸エステル化によって可能である。芳香族系高分子をスルホン化する方法、すなわちスルホン酸基を導入する方法としては、たとえば特開平2−16126号公報あるいは特開平2−208322号公報等に記載の方法が公知である。具体的には、例えば、芳香族系高分子をクロロホルム等の溶媒中でクロロスルホン酸のようなスルホン化剤と反応させたり、濃硫酸や発煙硫酸中で反応することによりスルホン化することができる。スルホン化剤には芳香族系高分子をスルホン化するものであれば特に制限はなく、上記以外にも三酸化硫黄等を使用することができる。この方法により芳香族系高分子をスルホン化する場合には、スルホン化の度合いはスルホン化剤の使用量、反応温度および反応時間により、容易に制御できる。芳香族系高分子へのスルホンイミド基の導入は、例えばスルホン酸基とスルホンアミド基を反応させる方法によって可能である。
(1−3)アニオン性基を有する含フッ素系高分子
含フッ素系高分子であってアニオン性基を有するものである。
【0030】
最も代表的な例は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、トリフルオロスチレンなどの含フッ素系高分子にアニオン性基が導入された構造である。
【0031】
これら含フッ素系高分子に対してアニオン性基を導入する方法は、アニオン性基を有するモノマーを用いて重合する方法と、高分子反応でアニオン性基を導入する方法が挙げられる。市販されているものとしては、デュポン社製ナフィオン、旭硝子社製フレミオン、旭化成工業社製アシプレックスなどが挙げられる。また、例えば含フッ素系高分子にポリスチレンをグラフト重合させた後スルホン化を行う方法によっても可能である。
(1−4)アニオン性基を有する無機高分子
アニオン性基を有する無機高分子の例としては、アニオン性基を有するオルガノポリシロキサンを挙げることができる。アニオン性基を有するオルガノポリシロキサンは、アニオン性基を有するケイ素化合物から得ることできる。アニオン性基を有するケイ素化合物として好適なものの例を挙げれば下記式(c1)〜(c9)で表される化合物である。
【0032】
【化3】
Figure 2004273286
【0033】
[Y〜Yはそれぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアシロキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表し、なおかつY〜Yのうち少なくとも1つは、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアシロキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表し、E、Eはそれぞれ独立にヒドロキシ基、置換されていてもよいシロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表す。]
これらのアニオン性基を有するケイ素化合物の中で、入手の容易さおよびプロトン伝導度の高さの点では式(c4)で表される化合物が特に好ましい。
【0034】
これらのアニオン性基を有するケイ素化合物は、単独で使用してもよいが、アニオン性基を持たないケイ素化合物と併用してもよい。
【0035】
アニオン性基を持たないケイ素化合物として好適なものは下記一般式(d1)で示される化合物および下記一般式(d2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0036】
【化4】
Figure 2004273286
【0037】
[式(d1)および(d2)中、Y〜Yはそれぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基、置換されていてもよいアシロキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表し、なおかつY〜Yのうち少なくとも1つは、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基、置換されていてもよいアシロキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表す。Qは2価の有機基を表す。]
式中Y〜Yはそれぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基、置換されていてもよいアシロキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表し、なおかつY〜Yのうち少なくとも1つは、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリーロキシ基、置換されていてもよいアシロキシ基およびハロゲン基から選ばれた置換基を表す。その具体例としてはメチル基、エチル基、ビニル基、イソプロピル基、t−ブチル基などのアルキル基、クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などのハロゲン化アルキル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基などのエポキシ基含有アルキル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基などの(メタ)アクリル基含有アクリル基、その他としてメルカプト基、シアノ基、アミノ基などの各種置換基を有するアルキル基、フェニル基、ナフチル基、スチリル基などの置換されていてもよいアリール基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基などの置換されていてもよいアルコキシ基、アセトキシ基などの置換されていてもよいアシロキシ基、フェノキシ基などの置換されていてもよいアリーロキシ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、などが挙げられる。
【0038】
〜Yはそれぞれ独立であって、互いに同種であっても異種であってもよい。
【0039】
Qは2価の有機基を表す。Qには酸素原子、窒素原子などの炭素、水素以外の異原子が含まれていても何ら問題はない。さらには、有機基としては鎖状であっても良く、また酸素原子などがエポキシ環などとして存在していても何ら問題はないばかりか、硬化時に官能基として寄与する点からは好ましいものである。
【0040】
その具体例としては、エテンジイル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基 、ノナンジイル基、デカンジイル基、ウンデカンジイル基、ドデカンジイル基、オクタジエンジイル基および下記式(g1)〜(g9)で表される基
【0041】
【化5】
Figure 2004273286
【0042】
などが挙げられる。
【0043】
一般式(d1)および(d2)で表される化合物の具体的な代表例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン、トリアシルオキシシラン、またはトリフェノキシシラン類またはその加水分解物およびジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、などのジアルコキシシラン、ジフェノキシシランまたはジアシルオキシシラン類またはその加水分解物、ビス(トリクロロシリル)メタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,4−ビス(トリクロロシリル)ブタン、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリクロロシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エチレン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ブタン、1,6−ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,1−ビス(トリクロロシリルメチル)エチレン、ビス(トリメトキシシリル)−1,7−オクタジエン、ビス(トリエトキシシリル)−1,7−オクタジエン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]尿素、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]尿素、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどである。
【0044】
これらケイ素化合物の硬化温度を下げ、硬化をより進行させるためには加水分解することが好ましい。加水分解は純水または塩酸、酢酸あるいは硝酸などの酸性水溶液を配合し撹拌することによって行うことができる。また、純水あるいは酸性水溶液の配合量を調節することによって加水分解の度合いをコントロールすることも容易に可能である。加水分解に際しては、ケイ素化合物中の加水分解性基のモル数と等モル以上、3倍モル以下の純水または酸性水溶液の配合が硬化促進の点で好ましい。加水分解に際しては、アルコールなどが生成してくるため無溶媒で加水分解することが可能であるが、加水分解をさらに均一に行う目的でケイ素化合物と溶媒を混合した後に加水分解を行うことも可能である。また目的に応じて加水分解後のアルコールなどを加熱および/または減圧下で適当量除去して使用することも可能であるし、その後に適当な溶媒を配合することも可能である。これらの溶媒としてはアルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲン化炭化水素あるいはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどの溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、必要に応じて2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。また目的に応じて加水分解反応を促進し、さらに予備縮合などの反応を進めるために室温以上に加熱することも可能であるし、予備縮合を抑えるために加水分解温度を室温以下に下げて行うことも可能である。
【0045】
高分子(A)は架橋高分子であってもよい。高分子(A)が架橋高分子であれば燃料クロスオーバー抑制のためには有利である。
【0046】
次に本発明の電解質膜における「高分子(A)とは異なる高分子(B)」について説明する。
【0047】
高分子(B)はメタノールの透過を抑制することに有効であることから電解質膜を40℃で10Mメタノール水溶液にて処理した時に該高分子(B)は不溶であることが好ましい。不溶であるとは、電解質膜を40℃の10Mメタノール水溶液に8時間浸漬した後、濾紙で濾過し、濾液から検出される高分子(B)の量が、電解質膜全体に含まれる高分子(B)の量の5重量%以下であることを意味する。
【0048】
以下に高分子(B)として好適なものの例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。ナイロン6,ナイロン66などのポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ラジカル(またはイオン)重合系高分子、メラミン系高分子、フェノール樹脂系高分子、オルガノポリシロキサン、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの無機系高分子などである。
【0049】
燃料クロスオーバー抑制効果が高いことから高分子(B)が架橋高分子からなることが好ましい。
【0050】
前記ポリアミドは3官能以上のアミンまたは3官能以上のカルボン酸を原料とすることで架橋高分子とすることができる。
【0051】
前記ポリウレタンは3官能以上のイソシアネートまたは3官能以上のポリオールを原料とすることで架橋高分子とすることができる。
【0052】
前記ポリウレアは3官能以上のイソシアネートまたは3官能以上のアミンを原料とすることで架橋高分子とすることができる。
【0053】
前記ラジカル(またはイオン)重合系高分子としては、(メタ)アクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド系化合物、マレイミド系化合物等の(共)重合体が挙げられる。また、ラジカル(またはイオン)重合系高分子を架橋させる場合には、(メタ)アクリル系化合物、スチレン系化合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド系化合物、マレイミド系化合物等の中で重合性官能基を複数有するものを架橋剤として共重合させればよい。
【0054】
前記エポキシ系高分子の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、ビスフェノキシエタノールフルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用することも可能である。
【0055】
前記オルガノポリシロキサンの具体例としては前記(1−4)中で挙げたものを挙げることができる。
【0056】
本発明の電解質膜は、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比が厚み方向に分布を持っており、厚み方向の任意の点における高分子(A)と高分子(B)の重量比(A/B)の最大値と最小値の比が2倍以上であることを特徴とする。これによって高プロトン伝導度と燃料クロスオーバー抑制の両立が可能となるが、この理由は、高分子(A)と高分子(B)の組成が膜厚方向に分布を持つことにより、プロトン伝導の妨げにはならずかつ燃料クロスオーバーを抑制可能な適度に緻密な構造が電解質膜内に形成されるためと推定される。厚み方向の任意の点における高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比は、3倍以上がより好ましく、3倍以上かつ20倍以下がさらに好ましい。高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比が2未満であると、厚み方向の組成分布は均一に近くなり、高プロトン伝導度と燃料クロスオーバー抑制の両立が困難になる。また高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比が大きすぎると膜厚方向の組成分布が多層構造に近くなってしまい、高プロトン伝導度が得られない場合がある。
【0057】
次に本発明の電解質膜の製膜方法の1例について説明する。もちろん本発明は係る説明により限定されるものではない。
【0058】
本発明の電解質膜は溶液状態より製膜する方法、溶融状態より製膜する方法、等が挙げられる。電解質膜の原料、すなわち高分子またはその前駆体(モノマー、オリゴマーなど)を溶液状態または溶融状態として用いる。電解質膜が架橋高分子からなる場合は、前駆体を用いて製膜することが好ましい。
【0059】
溶液状態より製膜する方法では、たとえば、該溶液を平板またはフィルム上に適当なコーティング法で塗布し、溶媒を除去することにより製膜する方法が例示できる。コーティング法としてはスプレーコート、刷毛塗り、ディップコート、ダイコート、カーテンコート、フローコート、スピンコート、スクリーン印刷などの手法が適用できるがこれらに限定されるものではない。製膜に用いる溶媒は、原料を溶解し、その後に加熱や減圧によって除去し得るものであるならば特に制限はない。膜厚は、溶液濃度あるいは基板上への塗布厚みにより制御できる。
【0060】
溶融状態より製膜する場合は、溶融プレス法あるいは溶融押し出し法等が可能である。また原料として前駆体を用いる場合には、室温で溶融している場合があるので、その場合は平板またはフィルム(高分子(B)であってもよい)上へのコーティングなども可能となる。 前駆体を製膜した場合には、熱、光、エネルギー線などを加えることにより反応を完結させ、前駆体を高分子へと転化させる。
【0061】
次に、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比を厚み方向に分布を持たせる方法の例を説明する。これらは例示であって他の方法を採用しても何ら問題はない。
【0062】
第1の方法は、溶液状態または溶融状態の高分子(A)またはその前駆体と、溶液状態または溶融状態の高分子(B)またはその前駆体とを混合し、適当な基板面に接触させて適当な時間をかけて製膜する方法である。適当な基板面に接触させる方法は、基板上に塗布する、2枚の基板間に挟むなどである。この方法によれば高分子(A)と高分子(B)の親水性・疎水性の違い、比重の違い等によって膜厚方向に高分子(A)と高分子(B)の組成の分布が生じる。例えば高分子(A)と高分子(B)の親水性・疎水性の違いによって膜厚方向に高分子(A)と高分子(B)の組成の分布が生じる場合には、基板が親水性であれば、基板面近くでは高分子(A)、(B)のうち親水性の高い方の組成比が相対的に大きくなる。基板が疎水性であればその逆である。また高分子(A)と高分子(B)の比重の違いによって膜厚方向に組成分布が生じる場合には、膜の下側では比重の重い方の組成比が相対的に大きくなり、膜の下側では比重の軽い方の組成比が相対的に大きくなる。ただしこの第1の方法は、高分子(A)と高分子(B)(またはそれらの前駆体)の相溶性が適度に悪い場合に適用可能である。高分子(A)と高分子(B)の相溶性が良いと均一膜が得られ、重量比の膜厚分布は起こらない場合が多い。
【0063】
第2の方法は、高分子(A)または高分子(B)からなる単独膜に、溶液状態または溶融状態の他方の高分子またはその前駆体を接触させて適当な時間をかけて製膜する方法である。高分子(A)または高分子(B)からなる単独膜へ、溶液状態または溶融状態の他方の高分子またはその前駆体が完全に浸透するのには一定時間を要することから、その途中で製膜を完了させれば膜厚方向に高分子(A)と高分子(B)の組成比の分布が生じる。
【0064】
第3の方法は、溶液状態または溶融状態の高分子(A)またはその前駆体を膜状に塗付したものと、溶液状態または溶融状態の高分子(B)またはその前駆体を膜状に塗布したものとを接触させ、適当な時間をかけて製膜する方法である。、溶液状態または溶融状態の高分子(A)と高分子(B)(またはそれらの前駆体)が完全に混合するのには一定時間を要することから、その途中で製膜を完了させれば膜厚方向に高分子(A)と高分子(B)の組成比の分布が生じる。また、溶液状態または溶融状態の高分子(A)またはその前駆体を膜状に塗付したものの上に、溶液状態または溶融状態の高分子(B)またはその前駆体を膜状に塗布し、適当な時間をかけて製膜しても同様の結果が得られる。溶液状態または溶融状態の高分子(B)またはその前駆体を膜状に塗付したものの上に、溶液状態または溶融状態の高分子(A)またはその前駆体を膜状に塗布し、適当な時間をかけて製膜しても同様の結果が得られる。
【0065】
第4の方法は、高分子(A)または高分子(B)からなる単独膜に対して、これらを反応によって他方に変換可能な手段を膜表面から作用させる方法である。これらを反応によって他方に変換可能な手段とは、変性剤(化学薬品)、熱エネルギー、電磁波や物質線の照射などである。これらの手段を膜表面から作用させることにより変成の度合いが膜厚方向に分布を持つようになり、目的が達成される。
【0066】
いずれの方法においても、高分子(A)と高分子(B)の重量比の分布の度合いは、以下の実施例において具体的な例を挙げて説明しているように、液粘度、製膜時間、製膜温度等によって制御可能であり、高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比も同様に制御可能である。
【0067】
本発明の電解質膜は、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比が厚み方向に分布を持つが、その分布の仕方として好ましいものは、(1)一方の面から他方の面に向かって変化する分布あるいは(2)膜の中心部から膜の両面に向かって変化する分布である。また、分布は連続的であっても断続的であっても構わない。また、分布は厚み方向の一部分のみが分布を持っていればよい。もちろん厚み方向全域に分布があってもよいのは言うまでもない。高い伝導度を保持するという観点からは高分子(A)は厚み方向の8割以上、より好ましくは9割以上の部分において存在することが好ましい。
【0068】
本発明の電解質膜において、高分子(A)と高分子(B)の重量比を求める方法としては、例えばSTEM−EDX法(Scanning Transmission Electron Microscope−Energy Dispersion X−ray Spectroscopy;走査透過型電子顕微鏡にエネルギー分散X線分光法を組み合わせた組成分析法)を用いることができる。STEM−EDX法では、試料構成元素の原子数比を測定することができ、その原子数比から高分子(A)と高分子(B)の組成比を算出することができる。
【0069】
本発明の電解質膜において、高分子(A)と高分子(B)とは、均一に混ざり合っていることが燃料クロスオーバー抑制のために好ましい。均一に混ざり合っている状態とは高分子(A)と高分子(B)とが1μm以上のサイズの相分離構造を取らずに混ざり合っている状態である。この状態では互いの高分子鎖どうしが十分にからみ合っている状態と考えられ、互いの動きを拘束し燃料透過を妨げるものと考えられる。このような相状態は光学顕微鏡または電子顕微鏡観察によって確認が可能である。このような状態を作るためには高分子(A)、(B)の少なくともいずれかを前駆体(モノマーまたはオリゴマー)の状態として混ぜ合わせ、その後重合を行って電解質膜を作製する方法が挙げられる。
【0070】
本発明の電解質膜の厚みは特に限定されないが、通常は1μm〜2mmの範囲から選ばれるのが適当である。
【0071】
本発明の電解質膜におけるアニオン性基密度は特に限定されるものではないが、プロトン交換能および耐水性の点から0.1〜5.0mmol/gであることが好ましく、さらに好ましくは、1.0〜3.5mmol/gである。アニオン性基密度が小さすぎるとプロトン伝導度が低くなりすぎることがあり、アニオン性基密度が大きすぎるとと耐水性および含水時の機械的強度が得られないことがあるのでそれぞれ好ましくない。ただし本発明においてアニオン性基密度とは電解質膜単位グラム当たりに導入されたアニオン性基のモル量であり、乾燥状態の電解質膜の重量を基準として算出される。また電解質膜全体を対象にして算出される(高分子(A)、(B)を分けて求めない)。乾燥状態の電解質膜の重量とは、電解質膜を40℃、3hPa以下の条件下で24時間乾燥した後、25℃、乾燥窒素ガス雰囲気下に取り出し、乾燥窒素ガス中で重量測定した値とする。アニオン性基密度は、核磁気共鳴スペクトル法、元素分析、中和滴定等により測定が可能である。
【0072】
電解質膜中に複数種類のアニオン性基が存在する場合には、それらのモル量の合計からアニオン性基密度は算出される。
【0073】
本発明の電解質膜は、例えば、可塑剤、安定剤、離型剤、等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有することができる。
【0074】
本発明の電解質膜は、25℃でのプロトン伝導度(S/cm)が0.02以上が好ましく、0.04以上がより好ましい。ここでプロトン伝導度は、電解質膜を25℃の純水に24時間浸漬した後、25℃、相対湿度50〜80%の雰囲気中に取り出し、定電位交流インピーダンス法で抵抗を測定して得られる値である。純水中から取り出してから測定終了までの時間は5分以内とする。
【0075】
本発明の電解質膜は、燃料クロスオーバー量の指標である20℃での単位体積・単位時間当りのメタノール透過量(nmol/cm・分)が、60以下が好ましく、40以下がより好ましい。ここでメタノール透過量は以下の方法で測定した値である。電解質膜を25℃の純水に24時間浸漬した後、取り出して、H型セル間に電解質膜を挟み、一方のセルには純水(60mL)を入れ、他方のセルには1Mメタノール水溶液(60mL)を入れる。セルの容量は各80mLである。セル間の開口部は直径1.5cmの円形であり有効膜面積は1.77cmである。20℃において両方のセルを撹拌する。1時間,2時間および3時間経過時点で純水中に溶出したメタノール量をガスクロマトグラフィーで測定し定量する。グラフの傾きから単位体積・単位時間当りのメタノール透過量を求める。
【0076】
次に本発明の電解質膜を用いた燃料電池について説明する。本発明の電解質膜は電極基材と電極触媒層とから構成される電極と組み合わせて膜電極複合体として燃料電池に用いられる。
【0077】
本発明の燃料電池における電極触媒層は、特に限定されることなく公知のものを利用することが可能である。電極触媒層とは、電極反応を促進する電子伝導やプロトン伝導に寄与する物質を含む層である。また燃料が液体や気体の場合には、その液体や気体が透過しやすい構造を有していることが好ましく、電極反応に伴う副生成物質の排出も促す構造が好ましい。本発明の燃料電池の燃料としては、水素などの気体、アルコールなどの液体が挙げられ、1種または2種以上の混合物でもよい。特に反応効率や電池全体のシステム簡素化の観点から炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液が好適に使用される。また、電極触媒層に含まれる触媒としては公知の触媒を用いることができ、特に限定されるものではないが、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、金などの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、これらの貴金属触媒の合金、混合物など、2種以上の元素が含まれていても構わない。
【0078】
電極触媒層に含まれる電子伝導体(導電材)としては、特に限定されるものではないが、電子伝導性や化学的な安定性の点から炭素材料、無機導電材料が好ましく用いられる。なかでも、非晶質、結晶質の炭素材が挙げられる。例えば、チャネルブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。ファーネスブラックとしては、キャボット社製バルカンXC−72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブラックパールズ2000、リーガル400、ケッチェンブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC、EC600JD、三菱化学社製#3150、#3250などが挙げられ、アセチレンブラックとしては電気化学工業社製デンカブラックなどが挙げられる。またカーボンブラックのほか、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素なども使用することができる。これらの炭素材の形態としては特に限定されず、不定形粒子状のほか繊維状、鱗片状、チューブ状、円錐状、メガホン状のものも用いることができる。また、これら炭素材を後処理加工した炭素材も用いることが可能である。また、電子伝導体は、触媒粒子と均一に分散していることが電極性能の点で好ましいものである。このため、触媒粒子と電子伝導体は予め塗液として良く分散しておくことが好ましい。さらに、電極触媒層として、触媒と電子伝導体とが一体化した触媒担持カーボン等を用いることも好ましい実施態様である。この触媒担持カーボンを用いることにより、触媒の利用効率が向上し、電池性能の向上および低コスト化に寄与できる。ここで、電極触媒層に触媒担持カーボンを用いた場合においても、電子伝導性をさらに高めるために導電剤を添加することも可能である。このような導電剤としては、上述のカーボンブラックが好ましく用いられる。
【0079】
上記、触媒と電子伝導体類は通常粉体であるので、これらを固めるためにプロトン伝導性を有する物質を使用する。電極触媒層に用いられるプロトン伝導体としては、一般的に、種々の有機、無機材料が公知であるが、燃料電池に用いる場合には、プロトン伝導性を向上するスルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基などのアニオン性基を有するポリマが好ましく用いられる。なかでも、アニオン性基の安定性の観点から、フルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロアルキル主鎖とから構成されるプロトン交換基を有するポリマが好ましく用いられる。たとえば、デュポン社製のナフィオン、旭化成社製のアシプレックス、旭硝子社製フレミオンなどが好ましく用いられる。これらのプロトン交換ポリマは、溶液または分散液の状態で電極触媒層中に設ける。この際に、ポリマを溶解あるいは分散化する溶媒は特に限定されるものではないが、プロトン交換ポリマの溶解性の点から極性溶媒が好ましい。
【0080】
プロトン伝導体は、電極触媒層を作製する際に電極触媒粒子と電子伝導体とを主たる構成物質とする塗液に予め添加し、均一に分散した状態で塗布することが電極性能の点から好ましいものであるが、電極触媒層を塗布した後にプロトン伝導体を塗布してもかまわない。ここで、電極触媒層にプロトン伝導体を塗布する方法としては、スプレーコート、刷毛塗り、ディップコート、ダイコート、カーテンコート、フローコートなどが挙げられ、特に限定されるものではない。電極触媒層に含まれるプロトン伝導体の量としては、要求される電極特性や用いられるプロトン伝導体の伝導度などに応じて適宜決められるべきものであり、特に限定されるものではないが、重量比で1〜80%の範囲が好ましく、5〜50%の範囲がさらに好ましい。プロトン伝導体は、少な過ぎる場合はプロトン伝導性が低く、多過ぎる場合はガス透過性を阻害する点で、いずれも電極性能を低下させることがある。
【0081】
電極触媒層には、上記の触媒、電子伝導体、プロトン伝導体の他に、種々の物質を含んでいてもかまわない。特に電極触媒層中に含まれる物質の結着性を高めるために、上述のプロトン交換樹脂以外のポリマを含んでもよい。このようなポリマとしては、フッ素原子を含むポリマが挙げられ、特に限定されるものではないが、たとえば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロアルキルビニルエーテルなど、あるいはこれらの共重合体、これらのポリマを構成するモノマ単位とエチレンやスチレンなどの他のモノマとの共重合体、さらには、ブレンドなども用いることができる。これらポリマの電極触媒層中の含有量としては、重量比で5〜40%の範囲が好ましい。ポリマ含有量が多すぎる場合、電子およびイオン抵抗が増大し電極性能が低下する傾向がある。
【0082】
本発明の燃料電池においては、電極基材は特に限定されることなく公知のものを用いることが可能であり、電気抵抗が低く、集(給)電を行えるものであれば用いることができる。また、前記電極触媒層を集電体兼用で使用する場合は、特に電極基材を用いなくてもよい。電極基材の構成材としては、たとえば、炭素質、導電性無機物質が挙げられ、例えば、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛などの炭素材、ステンレススチール、モリブデン、チタンなどが例示される。これらの、形態は特に限定されず、たとえば繊維状あるいは粒子状で用いられるが、燃料透過性の点から炭素繊維などの繊維状導電性物質(導電性繊維)が好ましい。導電性繊維を用いた電極基材としては、織布あるいは不織布いずれの構造も使用可能である。たとえば、東レ(株)製カーボンペーパーTGPシリーズ、SOシリーズ、E−TEK社製カーボンクロスなどが用いられる。織布としては、平織、斜文織、朱子織、紋織、綴織など、特に限定されること無く用いられる。また、不織布としては、抄紙法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法によるものなど特に限定されること無く用いられる。また編物であっても構わない。これらの布帛において、特に炭素繊維を用いた場合、耐炎化紡績糸を用いた平織物を炭化あるいは黒鉛化した織布、耐炎化糸をニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法などによる不織布加工した後に炭化あるいは黒鉛化した不織布、耐炎化糸あるいは炭化糸あるいは黒鉛化糸を用いた抄紙法によるマット不織布などが好ましく用いられる。特に、薄く強度のある布帛が得られる点から不織布を用いるのが好ましい。
【0083】
電極基材に炭素繊維からなる導電性繊維を用いた場合、炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などがあげられる。
【0084】
本発明の燃料電池に用いられる電極基材に、水の滞留によるガス拡散・透過性の低下を防ぐために行う撥水処理、水の排出路を形成するための部分的撥水、親水処理や、抵抗を下げるために行われる炭素粉末の添加等を行うこともできる。
【0085】
本発明の燃料電池においては、電極基材と電極触媒層の間に、少なくとも無機導電性物質と疎水性ポリマを含む導電性中間層を設けることが好ましい。特に、電極基材が空隙率の大きい炭素繊維織物や不織布である場合、導電性中間層を設けることで、電極触媒層が電極基材にしみ込むことによる性能低下を抑えることができる。
【0086】
本発明の電解質膜、電極触媒層あるいは電極触媒層と電極基材を用いて膜電極複合体とする際の作製方法は特に限定されるものではなく、公知の方法(例えば、電気化学,1985, 53, 269.記載の化学メッキ法、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209. 記載のガス拡散電極の熱プレス接合法など)を適用することが可能である。
【0087】
本発明の電解質膜は、種々の用途に適用可能である。例えば、イオン交換膜として水浄化装置、燃料電池、水電解装置、クロロアルカリ電解装置等の各種電気化学装置が挙げられるが、中でも燃料電池がもっとも好ましい。燃料電池のなかでも固体高分子型燃料電池に好適であり、さらに炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液若しくは水懸濁液を燃料とする直接型燃料電池にはより好適であり、メタノールを燃料とする直接メタノール型燃料電池に最も好適である。
【0088】
さらに、本発明の燃料電池の用途としては、特に限定されないが、移動体の電力供給源が好ましいものである。特に、携帯電話、パソコン、PDA(personal digital assistant)などの携帯機器、掃除機等の家電、乗用車、バス、トラックなどの自動車や船舶、鉄道などの移動体の電力供給源として好ましく用いられる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各物性の測定条件は次の通りである。
【0090】
(1)イオン性基密度測定方法
乾燥後の電解質膜を元素分析により測定した。炭素、水素、窒素の分析は全自動元素分析装置varioEL(エレメンタール社製)、硫黄の分析はフラスコ燃焼法・酢酸バリウム滴定で実施した。測定結果から単位グラムあたりのイオン性基密度(mmol/g)を算出した。
【0091】
(2)電解質膜のプロトン伝導度測定法
電解質膜を25℃の純水に24時間浸漬した後、25℃、相対湿度50〜80%の雰囲気中に取り出し、定電位交流インピーダンス法で抵抗を測定して求めた。
【0092】
北斗電工製電気化学測定システムHAG5010(HZ−3000 50V 10A Power Unit, HZ−3000 Automatic Polarization System)およびエヌエフ回路設計ブロック製周波数特性分析器(Frequency Response Analyzer)5010を使用し、25℃において、2端子法で定電位インピーダンス測定を行い、Nykist図からプロトン伝導度を求めた。交流振幅は500mVとした。サンプルは幅10mm程度、長さ10〜30mm程度の膜を用いた。サンプルは測定直前まで水中に浸漬したものを用いた。電極として直径100μmの白金線(2本)を使用した。電極はサンプル膜の表側と裏側に、互いに平行にかつサンプル膜の長手方向に対して直交するように配置した。
(3)電解質膜のメタノール透過量測定法
電解質膜を25℃の純水に24時間浸漬した後、取り出して、図1に示すアクリル樹脂製H型セル間に電解質膜を挟み、一方のセルには純水(60mL)を入れ、他方のセルには1Mメタノール水溶液(60mL)を入れた。セルの容量は各80mLであった。またセル間の開口部は直径1.5cmの円形であり有効膜面積は1.77cmであった。20℃において両方のセルを撹拌した。1時間,2時間および3時間経過時点で純水中に溶出したメタノール量を島津製作所製ガスクロマトグラフィ(GC−2010)で測定し定量した。グラフの傾きから単位時間、単位体積あたりのメタノール透過量を求めた。
【0093】
製造例1 スルホン化ポリフェニレンオキシドの合成
攪拌装置を備えた反応器に窒素雰囲気下にて三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製ポリフェニレンオキシド(品番:YPX−100L)100gをクロロホルム1000gに室温で攪拌溶解させた後、攪拌を継続しながらクロロスルホン酸34mlを滴下し、滴下終了後室温で30分間攪拌を継続した。次に析出したポリマーを濾布を用いて濾別した。その後、ミルを用いて粉砕し、純水で十分に洗浄した後に真空乾燥を行った。
【0094】
実施例1
(1)スルホン化ポリフェニレンオキシドの溶解
製造例1によって得られたスルホン化ポリフェニレンオキシド10gをN,N−ジメチルアセトアミド40gに室温で攪拌溶解させ、20重量%溶液を得た。
【0095】
(2)ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解
攪拌装置を備えた反応器にN,N−ジメチルアセトアミド21.69g、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン8.67gを仕込み、室温で攪拌しながら0.01規定塩酸水溶液2.87gを滴下し、滴下終了後室温で30分間攪拌した後、氷水下で30分間攪拌を継続しビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解物を得た。
【0096】
(3)電解質膜の作製
前記(1)によって得られたポリマー溶液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付し(溶液厚み500μm)室温で1時間放置した。この上に前記(2)によって得られた加水分解物溶液を静かに流延塗付した(溶液厚み50μm)。室温で30分間放置した後、100℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0097】
(4)評価結果
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したスルホン化ポリフェニレンオキシドとビス(トリメトキシシリル)ヘキサン縮合硬化物の重量比は膜の一方の表面では100/0、膜の他方の表面では5/95、膜の中央付近では95/5であった。したがって重量比が膜厚方向に分布を持っており、その最大値と最小値の比が2以上であることが確認された。得られた電解質膜のスルホン酸基密度は、2.6mmol/g、メタノール透過量は21nmol/cm/min、プロトン伝導度は78mS/cmであった。メタノール透過量が小さくかつプロトン伝導度が大きく、好ましい物性であった。
【0098】
比較例1
(1)スルホン化ポリフェニレンオキシドの溶解
製造例1によって得られたスルホン化ポリフェニレンオキシド10gをN,N−ジメチルアセトアミド40gに室温で攪拌溶解させ、20重量%溶液を得た。
【0099】
(2)ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解
攪拌装置を備えた反応器にN,N−ジメチルアセトアミド21.69g、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン8.67gを仕込み、室温で攪拌しながら0.01規定塩酸水溶液2.87gを滴下し、滴下終了後室温で30分間攪拌した後、氷水下で30分間攪拌を継続しビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解物を得た。
【0100】
(3)電解質膜の作製
前記(1)によって得られたポリマー溶液と前記(2)によって得られた加水分解物溶液を10/1の体積比で均一に混合した。この混合液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付した(溶液厚み550μm)。100℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0101】
(4)評価結果
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したスルホン化ポリフェニレンオキシドとビス(トリメトキシシリル)ヘキサン縮合硬化物の重量比は膜の一方の表面、膜の他方の表面および膜の中央付近で一様であった。得られた電解質膜のメタノール透過量は75nmol/cm/min、プロトン伝導度は85mS/cmであった。プロトン伝導度は高いものの、メタノール透過量が大きすぎて好ましい物性ではなかった。
【0102】
比較例2
(1)スルホン化ポリフェニレンオキシドの溶解
製造例1によって得られたスルホン化ポリフェニレンオキシド10gをN,N−ジメチルアセトアミド40gに室温で攪拌溶解させ、20重量%溶液を得た。
【0103】
(2)電解質膜の作製
前記(1)によって得られたポリマー溶液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付した(溶液厚み550μm)。100℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0104】
(3)評価結果
得られた電解質膜のメタノール透過量は102nmol/cm/min、プロトン伝導度は95mS/cmであった。プロトン伝導度は高いものの、メタノール透過量が大きすぎて好ましい物性ではなかった。
【0105】
実施例2
(1)スルホン化ポリフェニレンオキシドの溶解
製造例1によって得られたスルホン化ポリフェニレンオキシド10gをN,N−ジメチルアセトアミド40gに室温で攪拌溶解させ、20重量%溶液を得た。
【0106】
(2)エポキシ溶液の調製
攪拌装置を備えたガラス容器にビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)社製:商品名“エピコート827”)4.0g、2,4,6−トリスジメチルアミノフェノール0.8g、N,N−ジメチルアセトアミド16gを室温で混合溶解させた。
【0107】
(3)電解質膜の作製
前記(1)によって得られたポリマー溶液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付し(溶液厚み500μm)室温で1時間放置した。この上に前記(2)によって得られたエポキシ溶液を静かに流延塗付した(溶液厚み50μm)。室温で30分間放置した後、100℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0108】
(4)評価結果
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したスルホン化ポリフェニレンオキシドとエピコート827の重量比は膜の一方の表面では100/0、膜の他方の表面では2/98、膜の中央付近では97/3であった。したがって組成比が膜厚方向に分布を持っており、その最大値と最小値の比が2以上であることが確認された。得られた電解質膜のスルホン酸基密度は2.5mmol/g、メタノール透過量は18nmol/cm/min、プロトン伝導度は73mS/cmであった。メタノール透過量が小さくかつプロトン伝導度が大きく、好ましい物性であった。
【0109】
実施例3
(1)ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解
攪拌装置を備えた反応器に2−プロパノール21.69g、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン8.67gを仕込み、室温で攪拌しながら0.01規定塩酸水溶液2.87gを滴下し、滴下終了後室温で30分間攪拌した後、氷水下で30分間攪拌を継続しビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解物を得た。
【0110】
(2)電解質膜の作製
Nafion溶液(デュポン社製、濃度約20重量%)をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付した(溶液厚み500μm)。この上に前記(1)によって得られた加水分解物溶液を静かに流延塗付した(溶液厚み50μm)。室温で30分間放置した後、60℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0111】
(3)評価結果
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したNafionとビス(トリメトキシシリル)ヘキサン縮合硬化物の重量比は膜の一方の表面では100/0、膜の他方の表面では3/97、膜の中央付近では99/1であった。したがって組成比が膜厚方向に分布を持っており、その最大値と最小値の比が2以上であることが確認された。得られた電解質膜のスルホン酸基密度は、0.8mmol/g、メタノール透過量は10nmol/cm/min、プロトン伝導度は68mS/cmであった。メタノール透過量が小さくかつプロトン伝導度が大きく、好ましい物性であった。
【0112】
比較例3
(1)電解質膜の作製
Nafion溶液(デュポン社製、濃度約20重量%)をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付した(溶液厚み550μm)。室温で30分間放置した後、60℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0113】
(2)評価結果
得られた電解質膜のメタノール透過量は102nmol/cm/min、プロトン伝導度は85mS/cmであった。プロトン伝導度は高いものの、メタノール透過量が大きすぎて好ましい物性ではなかった。
【0114】
実施例4
(1)スルホン化ポリフェニレンオキシドの溶解
実施例1−(1)と同様に行った。
【0115】
(2)ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解
実施例1−(2)と同様に行った。
【0116】
(3)電解質膜の作製
前記(1)によって得られたポリマー溶液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付し(溶液厚み500μm)室温で1時間放置した。この上に前記(2)によって得られた加水分解物溶液を静かに流延塗付した(溶液厚み50μm)。50℃で30分間放置した後、100℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0117】
(4)評価結果
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したスルホン化ポリフェニレンオキシドとビス(トリメトキシシリル)ヘキサン縮合硬化物の重量比は膜の一方の表面では100/0、膜の他方の表面では20/80、膜の中央付近では90/10であった。したがって重量比が膜厚方向に分布を持っており、その最大値と最小値の比が2以上であることが確認された。得られた電解質膜のスルホン酸基密度は、2.6mmol/g、メタノール透過量は30nmol/cm/min、プロトン伝導度は79mS/cmであった。メタノール透過量が小さくかつプロトン伝導度が大きく、好ましい物性であった。
実施例5
(1)スルホン化ポリフェニレンオキシドの溶解
実施例1−(1)と同様に行った。
【0118】
(2)ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンの加水分解
実施例1−(2)と同様に行った。
【0119】
(3)電解質膜の作製
前記(1)によって得られたポリマー溶液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付し(溶液厚み500μm)室温で1時間放置した。この上に前記(2)によって得られた加水分解物溶液を静かに流延塗付した(溶液厚み50μm)。室温で3時間放置した後、100℃、3時間加熱した。その後、ガラス板から得られたフィルムを剥離して電解質膜を得た。
【0120】
(4)評価結果
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したスルホン化ポリフェニレンオキシドとビス(トリメトキシシリル)ヘキサン縮合硬化物の重量比は膜の一方の表面では100/0、膜の他方の表面では19/81、膜の中央付近では91/9であった。したがって重量比が膜厚方向に分布を持っており、その最大値と最小値の比が2以上であることが確認された。得られた電解質膜のスルホン酸基密度は、2.6mmol/g、メタノール透過量は29nmol/cm/min、プロトン伝導度は78mS/cmであった。メタノール透過量が小さくかつプロトン伝導度が大きく、好ましい物性であった。
実施例6
ポリ(2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキシド)(信和化工社製“Tenax TA”、以下PPPOと略す)をクロロホルムに溶解し10重量%溶液とした。この溶液をガラス板上にバーコート法で塗布し、室温で30分間放置した後、50℃、1時間加熱した。その後、ガラス板から得られた膜を剥離した。膜厚は20μmであった。
【0121】
ジクロロエタン(40重量部)、デカン(60重量部)およびクロロスルホン酸(3重量部)からなる溶液を調整した。前記の膜を該溶液に室温で2分間浸漬し、その後純水に浸漬して洗浄した。
【0122】
得られた電解質膜の断面をSTEM−EDX法で分析した。硫黄濃度を基準に算出したスルホン化PPPOとPPPOの重量比は膜の一方の表面では100/0、膜の他方の表面では100/0、膜の中央付近では5/95であった。したがって組成比が膜厚方向に分布を持っており、その最大値と最小値の比が2以上であることが確認された。得られた電解質膜のスルホン酸基密度は3.2mmol/g、メタノール透過量は31nmol/cm/min、プロトン伝導度は90mS/cmであった。メタノール透過量が小さくかつプロトン伝導度が大きく、好ましい物性であった。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、ナフィオン並の高プロトン伝導度を有し、かつ燃料クロスオーバーの抑制された電解質膜を得ることができる。また、その電解質膜を用いた燃料電池は、特に好ましく炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液若しくは水懸濁液を燃料とすることで、非常に効率の高い燃料電池の提として得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解質膜のメタノール透過量を測定するための装置の概略横面図である。

Claims (11)

  1. アニオン性基を有する高分子(A)と該高分子(A)とは異なる高分子(B)からなる電解質膜であって、前記高分子(A)と高分子(B)の重量比が厚み方向に分布を持っており、厚み方向の任意の点における高分子(A)と高分子(B)の重量比(A/B)の最大値と最小値の比が2倍以上であることを特徴とする電解質膜。
  2. 前記高分子(A)と高分子(B)は均一に混ざり合っていることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜。
  3. 前記高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比が3倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解質膜。
  4. 前記高分子(A)と高分子(B)の重量比の最大値と最小値の比が3倍以上かつ20倍以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の電解質膜。
  5. 電解質膜中の高分子(B)が40℃で10Mメタノール水溶液に不溶な高分子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解質膜。
  6. 高分子(B)が架橋高分子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電解質膜。
  7. 高分子(A)がスルホン酸基、スルホンイミド基および硫酸基からなる群から選ばれた少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電解質膜。
  8. アニオン性基密度が0.1〜5.0mmol/gであることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の電解質膜。
  9. アニオン性基密度が1.0〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項8に記載の電解質膜。
  10. 請求項1〜9いずれかに記載の電解質膜を用いた燃料電池。
  11. 炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液若しくは水懸濁液を燃料とする直接型燃料電池であることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池。
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