JP2004272803A - 最大電力追従制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力変化に対する最大電力点の電圧変化が大きい発電機の場合、最大電力点に高速に追従することができない。
【解決手段】発電機2の出力レベルに応じた電力点を最大電力点に追従すべく、発電機の出力電力を交流電力に変換する電力変換装置11の直流動作電圧を設定する最大電力追従制御部12を備えたパワコン装置10であって、最大電力点に関わる近似関数を記憶する近似関数メモリ25と、近似関数に基づいて現在の電力点を最大電力点付近に到達させる追従制御部34と、現在の電力点が最大電力点付近に到達すると、山登り法を使用して現在の電力点を最大電力点に到達する山登り法追従制御部35とを有している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電力を発電する、例えば水力発電機や風力発電機等の発電機と、この発電機からの直流電力を交流電力に変換し、この変換した交流電力を系統等に供給するパワーコンディショナ装置(以下、単にパワコン装置と称する)とを備えた分散型発電システムにおいて、前記パワコン装置内部にて前記発電機の出力特性に対応した最適な発電効率が得られる最大電力追従制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に分散型発電システムとしては、例えば水力発電システム、風力発電システム、太陽光発電システムや燃料エンジン発電システム等、様々なシステムが提案されている。
【0003】
そこで、このような分散型発電システムにおいては、発電機で発生した直流電力をパワコン装置内部の電力変換装置で交流電力に変換し、この交流電力を家庭用電化製品等の負荷や商用電源等の系統等に供給するものである。
【0004】
このような分散型発電システムの発電効率を向上させるためには、発電機の出力電力と、パワコン装置内部の電力変換装置の直流動作電圧、すなわち発電機の出力電圧との関係で、前記直流動作電圧を調整して前記発電機の出力電力の電力点を最大電力点に高速に追従する最大電力追従制御装置が多く提案されている。
【0005】
図15は一般的な太陽光発電機における直流電力及び直流電圧の特性(V−P特性)を示す説明図である。
【0006】
太陽光発電機では、図15に示すように山型の特性となるため、電力点が、山型の頂上、すなわち最大電力点に到達するように、電力変換装置の直流動作電圧を制御することで、太陽光発電機の発電効率を最大限にすることができる。
【0007】
しかしながら、太陽光発電機は、太陽光の照度変化に応じてV−P特性が変動し、この照度変化に応じて最大電力点も変化することになる。
【0008】
そこで、従来の最大電力追従制御装置においては、山登り法を採用したものが知られている(例えば特許文献1参照)。図16は一般的な山登り法の動作アルゴリズムを端的に示す説明図である。
【0009】
この特許文献1の最大電力追従制御装置によれば、電力変換装置の直流動作電圧を所定電圧ΔV分づつ調整し、その調整前後の太陽電池の出力電力が相互比較され、出力電力が増加した場合は直流動作電圧を前回と同じ方向に所定電圧ΔV分変化させ、減少した場合には前回と逆の方向に所定電圧ΔV分変化させ、この直流動作電圧の変化に応じて出力電力の電力点を最大電力点Pmaxに到達させ、この到達したときの直流動作電圧を最適値として求めるようにしている。
【0010】
そして、この最大電力追従制御装置によれば、このように求められた直流動作電圧を電力変換装置に設定することで、電力点が最大電力点に到達することになるため、太陽電池の発電効率を最大限にすることができる。
【0011】
尚、このようなV−P特性は発電機の種別によっても異なる。図17は動力系の発電機のV−P特性、図18は動力系の発電機の内、水力発電機のV−P特性を示す説明図である。
【0012】
このように発電機のV−P特性は、図15の太陽光発電機のV−P特性と、図17及び図18の発電機のV−P特性と比較しても分かるように、発電機の種別によっても異なる。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−181555号公報(段落番号「0004」〜「0006」参照)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に太陽光発電機の場合には太陽光の照度変化によって、図19(a)に示すようにV−P特性が変動し、動力系発電機の場合には動力変化(例えば水力発電機の場合は水量の変化、風力発電機の場合は風力の変化、ガスエンジン発電機の場合はガス量の変化)によって、図19(b)に示すようにV−P特性が変動する。
【0015】
このように太陽光発電機のV−P特性と動力系発電機のV−P特性とを比較すると、太陽光発電機は、図19(a)に示すように照度変化に応じて最大電力点の電圧変化が比較的小さいものの、動力系発電機は、図19(b)に示すように動力変化に応じて最大電力点の電圧変化が大きいことがわかる。
【0016】
そこで、従来の最大電力追従制御装置によれば、太陽光発電機の場合、図19(a)に示すように照度変化に応じて最大電力点の電圧変化が比較的小さいことから、多少の時間は要するものの、山登り法を使用して電力点を最大電力点に到達するまでの時間が、その発電効率に悪影響を及ぼすまでには至らないものの、例えば動力系発電機の場合、図19(b)に示すように動力変化に応じて最大電力点の電圧変化が大きいことから、従来のような追従速度の遅い山登り法を使用しただけでは電力点を最大電力点に到達するまでに多大の時間を要し、その間の発電効率に悪影響を与えてしまう虞がある。
【0017】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば動力変化に対する最大電力点の電圧変化が大きい動力系発電機等の発電機に対しても、その電力点を最大電力点に迅速に追従することができ、ひいては、その発電効率を良好にする最大電力追従制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の最大電力追従制御装置は、発電機の出力レベルに応じた、この発電機の出力電力に関わる電力点を最大電力点に追従すべく、前記発電機の出力電力を交流電力に変換する電力変換装置の動作電圧を設定する最大電力追従制御装置であって、前記出力電力及び前記動作電圧の特性における、前記発電機の出力レベルに対応した最大電力点に関わる近似関数を記憶する近似関数記憶手段と、前記発電機の出力レベルに応じた前記出力電力に関わる電力点を最大電力点に追従すべく、前記近似関数記憶手段に記憶した近似関数に基づいて、現在の出力電力に対応する動作電圧値を算出し、この動作電圧値を前記電力変換装置の動作電圧値として設定する制御手段とを有するようにした。
【0019】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、出力電力及び動作電圧の特性における、前記発電機の出力レベルに対応した最大電力点に関わる近似関数を記憶しておき、現在の出力電力に関わる電力点を最大電力点に追従すべく、前記近似関数に基づいて、現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出し、この動作電圧値を電力変換装置の動作電圧値として設定するようにしたので、近似関数を使用することで、例えば電力点を最大電力点付近に到達させるまでの追従時間を大幅に短縮化することで、動力変化に対する最大電力点の変化が大きい動力系発電機等の発電機であっても、最大電力点への追従を迅速に行うことができ、ひいては発電効率の向上にもつながる。
【0020】
また、本発明の最大電力追従制御装置は、前記制御手段が、前記近似関数に基づいて、前記発電機の現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出する電圧値算出手段と、この電圧値算出手段にて算出した動作電圧値を、前記電力変換装置の動作電圧値として設定する電圧値設定手段と、この電圧値設定手段にて動作電圧値を設定すると、前記電圧値算出手段にて現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出し、この算出した動作電圧値と現在の動作電圧値との差の絶対値が所定閾値以内であるか否かを判定する判定手段とを有し、この判定手段にて前記動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内であると判定されると、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識するようにした。
【0021】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、電圧値設定手段にて動作電圧値を設定すると、近似関数を使用して現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出し、この算出した動作電圧値と現在の動作電圧値との差の絶対値が所定閾値以内であるか否かを判定し、この動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内であると判定されると、前記発電機の出力レベルに応じて出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したものと認識するようにしたので、近似関数を使用することで、その電力点を最大電力点付近に到達させるまでの追従時間を大幅に短縮化することで、動力変化に対する最大電力点の変化が大きい動力系発電機等の発電機であっても、最大電力点への追従を迅速に行うことができ、ひいては発電効率の向上にもつながる。
【0022】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記制御手段が、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力電力に関わる電力点を最大電力点に到達させるべく、前記電力変換装置の動作電圧値を設定するようにした。
【0023】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力電力に関わる電力点を最大電力点に到達させるべく、前記電力変換装置の動作電圧値を設定するようにしたので、最大電力点付近から最大電力点への追従動作に山登り法を使用することで最大電力点への追従精度を向上させることができる。
【0024】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記制御手段が、前記判定手段にて前記動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内でないと判定されると、前記電圧値算出手段にて前記動作電圧値を算出した後、この算出した動作電圧値を前記電圧値設定手段にて設定し、前記判定手段にて前記動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内となるまで、前記電圧値算出手段、前記電圧値設定手段及び前記判定手段の動作を継続するようにした。
【0025】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内でないと判定されると、この動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内となるまで電圧値算出手段、電圧値設定手段及び判定手段の動作を継続するようにしたので、最大電力点付近へ迅速に追従することができる。
【0026】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記発電機の出力レベル毎に最大電力点を検出し、少なくとも2つの最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成する第1近似関数作成手段を有するようにした。
【0027】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、発電機の出力レベル毎に最大電力点を検出し、少なくとも2つの最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成するようにしたので、簡単に近似関数を作成することができ、さらに、標本とする最大電力点の標本数を増やすことで精度の高い近似関数を作成することができる。
【0028】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記第1近似関数作成手段が、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力レベル毎の最大電力点を検出するようにした。
【0029】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、近似関数を作成するための最大電力点を山登り法で検出するようにしたので、精度の高い近似関数を作成することができる。
【0030】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記第1近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常であると判定されると、前記発電機の異常を報知する異常報知手段を有するようにした。
【0031】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、第1近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常、例えば近似関数の傾きが逆であると判定されると、発電機の異常を報知するようにしたので、発電機若しくは近似関数の異常をユーザに報知することができる。
【0032】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記出力電力を複数のレベル領域に分割し、電力点を順次に検出することで、これら検出した複数の電力点をレベル領域毎に分け、このレベル領域毎に分けた電力点の平均値を算出し、このレベル領域毎の平均値を最大電力点とし、これらレベル領域毎の最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成する第2近似関数作成手段を有するようにした。
【0033】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、出力電力を複数のレベル領域に分割し、レベル領域毎に分けた複数の電力点の平均値をレベル領域毎の最大電力点とし、これらレベル領域毎の最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成するようにしたので、複数の電力点、すなわち標本数が多く、これら標本数を平均化することで、外部環境の変化に対応した精度の高い近似関数を作成することができる。
【0034】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記第2近似関数作成手段が、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記電力点を検出するようにした。
【0035】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、近似関数を作成するための最大電力点を山登り法で検出するようにしたので、精度の高い近似関数を作成することができる。
【0036】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記第2近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常であると判定されると、前記発電機の異常を報知する異常報知手段を有するようにした。
【0037】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、第2近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常、例えば近似関数の傾きが異常であると判定されると、発電機の異常を報知するようにしたので、発電機若しくは近似関数の異常をユーザに報知することができる。
【0038】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記近似関数記憶手段が、前記発電機の種別に応じた近似関数を予め記憶しておくようにした。
【0039】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、発電機の種別に応じた近似関数を予め記憶しておくようにしたので、様々な発電機に対応することができる。
【0040】
本発明の最大電力追従制御装置は、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力レベル毎の最大電力点を検出し、これら検出した最大電力点に基づいて、前記発電機の種別毎に記憶した近似関数を補正する第1近似関数補正手段を有するようにした。
【0041】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、山登り法を使用して最大電力点を検出し、この検出した最大電力点に基づいて発電機の種別毎に記憶した近似関数を補正するようにしたので、発電機の様々な動力変化や照度変化に対応した精度の高い近似関数を作成することができる。
【0042】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力レベル毎の最大電力点を検出し、これら検出した最大電力点に基づいて、前記近似関数記憶手段に記憶中の近似関数を補正する第2近似関数補正手段を有するようにした。
【0043】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、山登り法を使用して最大電力点を検出し、この検出した最大電力点に基づいて、近似関数記憶手段に記憶中の近似関数を補正するようにしたので、発電機の動力変化や照度変化等に対応した精度の高い近似関数を常に確保することができる。
【0044】
本発明の最大電力追従制御装置は、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して最大電力点への追従動作を実行し、この追従動作で検出した電力点に基づいて、前記近似関数の傾きを変更することなく、その切片のみを補正する第3近似関数補正手段を有するようにした。
【0045】
従って、本発明の最大電力追従制御装置によれば、電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、山登り法を使用して最大電力点への追従動作を実行し、この追従動作で検出した電力点に基づいて、前記近似関数の傾きを変更することなく、その切片のみを補正するようにしたので、近似関数の誤差を微調整することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の最大電力追従制御装置に関わる実施の形態を示す分散型発電システムについて説明する。
【0047】
(実施の形態1)
図1は第1の実施の形態を示す分散型発電システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【0048】
図1に示す分散型発電システム1は、直流電力を発電する発電機2と、この発電機2で発生した直流電力を交流電力に変換する電力変換機能を備えたパワコン装置10と、このパワコン装置10で変換した交流電力で駆動する家庭電化製品等の負荷3と、この負荷3への余剰の交流電力を供給する商用電源等の系統4とを有している。尚、負荷3は、パワコン装置10からの電力供給を受けているが、例えばパワコン装置10の出力電力が負荷3の駆動電力に満たないような場合には、パワコン装置10からの電力供給に加え、系統4からの電力供給を受けるようにしている。
【0049】
図1に示すパワコン装置10は、発電機2で発生した直流電力を交流電力に変換する電力変換装置11と、この電力変換装置11の直流動作電圧を制御することで、発電機2の出力電力の電力点を最大電力点に高速に追従する最大電力追従制御部12とを有している。
【0050】
最大電力追従制御部12は、発電機2からの直流電圧を計測する電圧計測部21と、発電機2からの直流電流を計測する電流計測部22と、電圧計測部21にて計測した直流電圧及び電流計測部22にて計測した直流電流に基づいて直流電力を算出する電力算出部23と、V−P特性における出力レベルに対応した最大電力点に関わる近似関数を作成する近似関数作成部24と、この近似関数作成部24にて作成した近似関数を記憶する近似関数メモリ25と、近似関数作成部24にて作成した近似関数が異常であると判定されると、この異常を報知する異常報知部26と、最大電力追従制御部12全体を制御する制御部27とを有している。
【0051】
尚、近似関数メモリ25は、近似関数作成部24に作成される近似関数ばかりでなく、発電機2の種別毎の近似関数を予め記憶しておくようにしても良い。
【0052】
異常報知部26は、近似関数作成部24にて作成した近似関数に異常が発生した場合、例えば近似関数の傾きが逆といった場合、この近似関数が異常であると判断し、この異常発生をユーザに通知するものである。
【0053】
図2は最大電力追従制御部12の要部である制御部内部の概略構成を示すブロック図である。
【0054】
制御部27は、近似関数メモリ25に記憶した近似関数に現在の直流電力値を代入することで直流電圧値を算出する電圧値算出部31と、この電圧値算出部31にて算出した直流電圧値を電力変換装置11の動作電圧として設定する電圧値設定部32と、この電圧値設定部32にて直流電圧値を設定すると、電圧値算出部31にて現在の直流電力に対応した直流電圧値を算出し、この算出した直流電圧値と現在の直流電圧値との差の絶対値が直流電圧閾値以内であるか否かを判定する閾値判定部33と、発電機2の出力レベルに応じた直流電力の電力点を最大電力点付近まで追従させるべく、近似関数を使用しての最大電力追従機能を司る追従制御部34と、山登り法を使用しての最大電力追従機能を司る山登り法追従制御部35とを有している。
【0055】
閾値判定部33は、現在の電力点が最大電力点付近に到達したか否かを判定するものであり、電圧値算出部31にて算出した直流電圧値Vtheと、電圧計測部21にて測定した現在の直流電圧値Vmesとの差の絶対値が直流電圧閾値Vthr以内であると判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達したものと認識し、直流電圧値Vtheと直流電圧値Vmesとの差の絶対値が直流電圧閾値Vthr以内でないと判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達していないものと認識するものである。
【0056】
追従制御部34は、閾値判定部33にて現在の電力点が最大電力点付近に到達したものと認識されると、山登り法を使用した最大電力追従動作に切替え、閾値判定部33にて現在の電力点が最大電力点付近に到達していないものと認識されると、この近似関数に基づく最大電力追従動作を継続するものである。
【0057】
つまり、追従制御部34では、現在の電力点が最大電力点付近に到達するまで近似関数に基づく最大電力追従動作を継続するものである。
【0058】
山登り法追従制御部35は、追従制御部34にて現在の電力点が最大電力点付近に到達すると、山登り法を使用した最大電力追従動作を開始し、この山登り法を使用して現在の電力点を最大電力点付近から最大電力点に追従すべく、最大電力追従動作を継続するものである。
【0059】
尚、追従制御部34は、山登り法を使用した最大電力追従動作を実行後、例えば発電機2の外部環境変化によって電力点が再び最大電力点付近から外れた場合には、再び近似関数を使用して最大電力点付近に到達するまでの最大電力追従動作を実行するものである。
【0060】
また、山登り法追従制御部35は、近似関数作成部34にて近似関数を作成する際の複数の最大電力点を検出する際にも、山登り法の最大電力追従動作を実行するものである。
【0061】
尚、請求項記載の最大電力追従制御装置は、パワコン装置10内の最大電力追従制御部12、近似関数記憶手段は近似関数メモリ25、制御手段は制御部27(追従制御部34、山登り法追従制御部35)、電圧値算出手段は電圧値算出部31、電圧値設定手段は電圧値設定部32、判定手段は閾値判定部33、第1近似関数作成手段及び第2近似関数作成手段は近似関数作成部24、異常報知手段は異常報知部26に相当するものである。
【0062】
次に第1の実施の形態を示す分散型発電システム1の動作について説明する。図3は第1の実施の形態を示す分散型発電システム1にパワコン装置10の第1最大電力追従制御処理に関わる最大電力追従制御部12の処理動作を示すフローチャートである。
【0063】
図3に示す第1最大電力追従制御処理とは、発電機2の出力レベルに対応したV−P特性における最大電力点の近似関数を使用して、現在の電力点を最大電力点付近に高速に追従した後、山登り法を使用して最大電力点に追従する処理である。
【0064】
図3に示す最大電力追従制御部12の制御部27内の追従制御部34は、近似関数を使用して最大電力点への追従動作を開始する。
【0065】
電圧値算出部31は、電力算出部23を通じて現在の直流電力値Pmesを算出し、近似関数メモリ25から近似関数を読み出し、この近似関数に直流電力値Pmesを代入することで直流電圧値Vtheを算出する(ステップS11)。
【0066】
電圧値設定部32は、電圧値算出部31にて算出した直流電圧値Vtheを電力変換装置11の動作電圧として設定する(ステップS12)。
【0067】
さらに、電圧計測部21は、電圧値設定部32にて直流電圧値Vtheを設定すると、現在の直流電圧値Vmesを検出する(ステップS13)。
【0068】
さらに電圧値算出部31は、電力算出部23を通じて現在の直流電力値Pmesを算出し、近似関数メモリ25から近似関数を読み出し、この近似関数に直流電力値Pmesを代入することで直流電圧値Vtheを算出する(ステップS14)。
【0069】
次に閾値判定部33は、ステップS13にて検出した現在の直流電圧値VmesとステップS14にて算出した直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0070】
追従制御部34は、閾値判定部33にて直流電圧値Vmesと直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内であると判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達したものと判断し、近似関数から山登り法による最大電力点への追従動作を開始すべく、山登り法追従制御部35による最大電力追従動作を開始する(ステップS16)。
【0071】
山登り追従制御部35は、山登り法を使用することで、最大電力点に到達するまで最大電力点への追従動作を継続しながら、現在の直流電力値Pmesを近似関数に代入して現在の電力点が最大電力点付近で動作しているか否かを監視すべく、ステップS13に移行する。
【0072】
また、ステップS15にて直流電圧値Vmesと直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内でないと判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達していないものと判断し、最大電力点付近に到達するまで近似関数に基づく最大電力追従動作を継続すべく、ステップS12に移行する。
【0073】
また、山登り法による最大電力追従動作への切替動作後に、ステップS15にて直流電圧値Vmesと直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内でないと判定されると、現在の電力点が最大電力点付近から外れたものと判断し、最大電力点付近に到達するまで近似関数に基づく最大電力追従動作を開始すべく、ステップS12に移行するものである。
【0074】
では、この第1最大電力追従制御処理の追従動作について具体的に説明する。図4は第1最大電力追従制御処理の動作アルゴリズムを端的に示す動作説明図である。
【0075】
発電機2の近似関数をV=f(P)、発電機2の出力レベルが(i)の状態で電力点A(V0,P0)で動作しているとする。
【0076】
この際に発電機2の出力レベルが(ii)の状態に動力変化すると、電力点B(V0,P1)に移動することになる。この際、第1最大電力追従制御処理が起動することになる。
【0077】
まず、電圧値算出部31は、現在の電力点Bの直流電力値P1を近似関数V=f(P)に代入することで、直流電圧値V1を算出することになる。電圧値設定部32は、直流電圧値V1を設定することで、電力点C(V1,P2)に移動することになる。
【0078】
さらに電圧値算出部31は、現在の電力点Cの直流電力値P2を近似関数V−f(P)に代入することで、直流電圧値V2を算出することになる。この際、閾値判定部33は、現在の直流電圧値V1と近似関数で算出した直流電圧値V2との差の絶対値|V1−V2|が直流電圧閾値Vthr以内にあるか否かを判定し、直流電圧値間の差の絶対値|V1−V2|が直流電圧閾値Vthr以内でないと判定されると、現在の電力点Cが最大電力点付近に到達していないものと判断する。つまり、現在の電力点が最大電力点付近に到達するまで近似関数による最大電力追従動作を継続するものである。
【0079】
さらに電圧値設定部32は、電圧値算出部31にて算出した直流電圧値V2を設定することで、電力点D(V2,P3)に移動することになる。
【0080】
電圧値算出部31は、現在の電力点Dの直流電力値P3を近似関数V=f(P)に代入することで、直流電圧値V3を算出することになる。この際、閾値判定部33は、現在の直流電圧値V2と近似関数で算出した直流電圧値V3との差の絶対値|V2−V3|が直流電圧閾値Vthr以内にあるか否かを判定し、直流電圧値間の差の絶対値|V2−V3|が直流電圧閾値以内であると判定されると、現在の電力点Dが最大電力点付近に到達しているものと判断する。
【0081】
山登り法追従制御部35は、現在の電力点Dが最大電力点付近に到達しているものと判断すると、山登り法を使用した最大電力追従動作を開始し、この山登り法で現在の電力点を最大電力点N(Vn,Pn)へと追従することになる。
【0082】
このように第1最大電力追従制御処理によれば、発電機2の出力レベルに応じた近似関数を使用することで現在の電力点を最大電力点付近まで高速に追従した後に、山登り法で現在の電力点を最大電力点に追従するようにしたので、動力変化に対する最大電力点の電圧変化が大きい動力系発電機等の発電機2であっても、近似関数を使用して電力点を最大電力点付近に到達させるまでの追従時間を大幅に短縮化することで、最大電力点への追従を迅速に行うことができ、ひいては発電効率の向上にもつながる。
【0083】
次に近似関数メモリ25に記憶した近似関数V=f(P)の作成方法としては、様々な方法が考えられるが、ここでは3つの方法を例にあげて説明する。
【0084】
図5は第1近似関数作成処理に関わる近似関数作成部24の処理動作を示すフローチャート、図6は第1近似関数作成処理の動作アルゴリズムを端的に示す説明図である。
【0085】
図5に示す第1関数作成処理とは、山登り法を使用して発電機2の最大電力点を複数検出し、これら複数の最大電力点に基づいて近似関数を作成する処理である。
【0086】
図5において近似関数作成部24は、山登り法追従制御部35を通じて山登り法による最大電力追従動作の運転を開始し(ステップS21)、所定時間T秒を計時する運転開始タイマをスタートする(ステップS22)。
【0087】
近似関数作成部24は、直流電圧値をN回変動させた時の各直流電力値の差の絶対値|ΔP|の移動平均値|ΔP|avrを算出する(ステップS23)。
【0088】
近似関数作成部24は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0089】
近似関数作成部24は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であると判定されると、移動平均値|ΔP|avrがある程度小さいということは直流電圧値を変動させても電力の変動が少ないということで、現在の電力点が最大電力点付近に到達しているものと判断し、この電力点を最大電力点M(V,P)として記憶する(ステップS25)。尚、この最大電力点Mは、直流電圧値をN回変動させた時の電圧値の平均値(V1,V2、V3…VN)/Nと、電力値の平均値(P1,P2,P3…PN)/Nとで構成することになる。
【0090】
近似関数作成部24は、最大電力点Mを記憶すると、ステップS22にてスタートした運転開始タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS26)。
【0091】
近似関数作成部24は、運転開始タイマがタイムアップしたのでなければ、さらに新たな最大電力点Mを検出して記憶すべく、ステップS23に移行する。
【0092】
近似関数作成部24は、ステップS26にて運転開始タイマがタイムアップしたのであれば、図6に示すように現在記憶中の最大電力点M(M1〜Mn)に基づいて最小二乗法により近似関数V=f(P)=aP+bのa,bの定数を算出することで近似関数を作成し(ステップS27)、この作成した近似関数を近似関数メモリ25に記憶して、この処理動作を終了する。
【0093】
第1近似関数作成処理によれば、運転開始タイマがタイムアップするまで山登り法の最大電力追従動作を実行し、複数の最大電力点を検出し、これら複数の最大電力点に基づいて近似関数を作成するようにしたので、精度の高い近似関数を得ることができる。
【0094】
尚、運転開始タイマのタイマ時間を長く設定すると、例えば水の流量や風速等の外部環境が変化する確率が高くなるので、最大電力点の標本点が増加して近似関数の精度が向上するものである。
【0095】
しかしながら、第1近似関数作成処理によれば、外部環境の変化が速く頻繁に発生する場合には最大電力点に到達する前に外部環境が変化してしまうことから、最大電力点の標本点数が減るため、その結果、近似関数の精度が悪くなると言った事態も考えられる。
【0096】
そこで、このような事態に対処すべく、第2近似関数作成処理の方法が考えられる。図7は第2近似関数作成処理に関わる近似関数作成部24の処理動作を示すフローチャート、図8は第1近似関数作成処理の動作アルゴリズムを端的に示す説明図、図9は第2近似関数作成処理の平均電力点算出処理に関わる近似関数作成部24の処理動作を示すフローチャートである。
【0097】
図7に示す第2近似関数作成処理とは、発電機2の電力を複数のレベル領域に分割し、山登り法を使用してレベル領域毎に電力点の標本を複数採り、レベル領域毎の電力点の標本を平均化することで、このレベル領域毎の平均値を平均電力点とし、これら複数の平均電力点に基づいて近似関数を作成する処理である。
【0098】
図7において近似関数作成部24は、山登り法追従制御部35を通じて山登り法による最大電力追従動作の運転を開始し(ステップS31)、第1運転開始タイマ及び第2運転開始タイマの計時動作をスタートする(ステップS32)。尚、第1運転開始タイマは、全レベル領域での電力点の標本検出終了時間(T秒)を計時するタイマであり、第2運転開始タイマは、レベル領域毎の電力点の標本検出終了時間(S秒)を計時するタイマである。
【0099】
近似関数作成部24は、第2運転開始タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS33)。近似関数作成部24は、第2運転開始タイマがタイムアップしたのであれば、山登り法で現在の電力点D(Vn、Pn)を検出し、この現在の電力点Dを標本として記憶する(ステップS34)。
【0100】
近似関数作成部24は、図8に示すように、標本として記憶した電力点に基づいて同レベル領域に対応した平均電力点を算出する、図9の平均電力点算出処理(ステップS35)を実行した後、第2運転開始タイマの計時動作をクリアにして再びスタートする(ステップS36)。
【0101】
近似関数作成部24は、第1運転開始タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS37)。
【0102】
近似関数作成部24は、第1運転開始タイマがタイムアップしたのであれば、レベル領域毎の平均電力点E(A)〜E(X)に基づいて最小二乗法により近似関数V=f(P)=aP+bのa,bの定数を算出することで近似関数を作成し(ステップS38)、この作成した近似関数を近似関数メモリ25に記憶して、この処理動作を終了する。
【0103】
近似関数作成部24は、ステップS37にて第1運転開始タイマがタイムアップしたのでなければ、さらに平均電力点を算出すべく、ステップS33に移行する。
【0104】
図9の平均電力点算出処理とは、図8に示すように複数の電力点の標本からレベル領域毎に平均化して、各レベル領域の平均電力点を算出する処理である。
【0105】
図9において近似関数作成部24は、標本として記憶した電力点から直流電力値を検出し、この直流電力値に基づいて電力点がレベル領域Aであるか否かを判定する(ステップS41)。
【0106】
近似関数作成部24は、直流電力値に基づいて電力点がレベル領域Aであると判定されると、レベル領域Aの標本数nを+1インクリメントし(ステップS42)、レベル領域Aの標本の直流電圧値を平均化し、レベル領域Aの直流電圧平均値V(A)avr_nを算出する(ステップS43)。
【0107】
尚、近似関数作成部24は、(前回の直流電圧平均値V(A)avr_(n−1)*(n−1)+今回の標本直流電圧値Vn)/標本点数nの式で、レベル領域Aの直流電圧平均値V(A)avr_nを算出するものである。
【0108】
近似関数作成部24は、レベル領域Aの標本の直流電力値を平均化し、レベル領域Aの直流電力平均値P(A)avr_nを算出する(ステップS44)。
【0109】
尚、近似関数作成部24は、(前回の直流電力平均値P(A)avr_(n−1)*(n−1)+今回の標本直流電力値Pn)/標本点数nの式で、レベル領域Aの直流電力平均値P(A)avr_nを算出するものである。
【0110】
近似関数作成部24は、ステップS43にて算出したレベル領域Aの直流電圧平均値V(A)avr_nと、ステップS44にて算出したレベル領域Aの直流電力平均値P(A)avr_nとでレベル領域Aの平均電力点とし、このレベル領域Aの平均電力点を記憶することで(ステップS45)、図7のステップS36に移行する。
【0111】
また、近似関数作成部24は、ステップS41にて標本の電力点の直流電力値がレベル領域Aでないと判定されると、標本電力点の直流電力値がレベル領域Bであるか否かを判定する(ステップS46)。
【0112】
近似関数作成部24は、標本電力点の直流電力値がレベル領域Bであると判定されると、ステップS42と同様の趣向でレベル領域Bの標本数nを+1インクリメントする(ステップS47)。
【0113】
近似関数作成部24は、ステップS43と同様の趣向でレベル領域Bの直流電圧平均値を算出する(ステップS48)。
【0114】
さらに近似関数作成部24は、ステップS44と同様の趣向でレベル領域Bの直流電力平均値を算出する(ステップS49)。
【0115】
近似関数作成部24は、ステップS48にて算出したレベル領域Bの直流電圧平均値とステップS49にて算出したレベル領域Bの直流電力平均値とでレベル領域Bの平均電力点とし、このレベル領域Bの平均電力点を記憶することで(ステップS50)、図7のステップS36に移行する。
【0116】
このように近似関数作成部24は、ステップS46にて標本電力点の直流電力値がレベル領域Bでないと判定されると、標本電力点の直流電力値がレベル領域C、レベル領域D…レベル領域Xの夫々について同様の処理動作を経て、その標本電力点に対応したレベル領域での直流電圧平均値及び直流電力平均値を夫々算出することで、同レベル領域の平均電力点とし、このレベル領域の平均電力点を記憶することで、図7のステップS36に移行する。
【0117】
このように第2近似関数作成処理によれば、発電機2の電力を複数のレベル領域に分割し、山登り法を使用してレベル領域毎に電力点の標本を複数採り、レベル領域毎に標本電力点の直流電圧平均値及び直流電力平均値を算出し、これら直流電圧平均値及び直流電力平均値を平均電力点とし、レベル領域毎の平均電力点を記憶し、これらレベル領域毎の電力平均点に基づいて近似関数を作成するようにしたので、第1近似関数作成処理に比較して、外部環境の変化が速く頻繁に発生したとしても、精度の高い近似関数を作成することができる。
【0118】
次に第3近似関数作成処理について説明する。図10は第3近似関数作成処理に関わる近似関数作成部24の処理動作を示すフローチャート、図11は第3近似関数作成処理の動作アルゴリズムを端的に示す説明図である。
【0119】
図10に示す近似関数作成処理とは、山登り法を使用して発電機2の最大電力点を2個検出し、この2点の最大電力点に基づいて近似関数を作成する処理である。
【0120】
図10において近似関数作成部24は、山登り法追従制御部35を通じて山登り法による最大電力追従動作の運転を開始し(ステップS61)、直流電圧値をN回変動させた時の各直流電力値の差の絶対値|ΔP|の移動平均値|ΔP|avrを算出する(ステップS62)。
【0121】
近似関数作成部24は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であるか否かを判定する(ステップS63)。
【0122】
近似関数作成部24は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であると判定されると、移動平均値|ΔP|avrがある程度小さいということは直流電圧値を変動させても電力の変動が少ないということで、現在の電力点が最大電力点付近に到達しているものと判断し、この電力点を1点目の最大電力点M1(Vavr1,Pavr1)として記憶する(ステップS64)。尚、この最大電力点M1は、直流電圧値をN回変動させた時の電圧値の平均値(V1,V2、V3…VN)/Nと、電力値の平均値(P1,P2,P3…PN)/Nとで構成することになる。
【0123】
近似関数作成部24は、直流電圧値をN回変動させた時の各直流電力値の差の絶対値|ΔP|の移動平均値|ΔP|avrを算出する(ステップS65)。
【0124】
近似関数作成部24は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であるか否かを判定する(ステップS66)。
【0125】
近似関数作成部24は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であると判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達しているものと判断し、この電力点を最大電力点M(Vavr,Pavr)として取得する(ステップS67)。
【0126】
近似関数作成部24は、記憶中の最大電力点M1の直流電圧値Vavr1と、取得した最大電力点Mの直流電圧値Vavrとの差の絶対値|Vavr1−Vavr|が最大電力点取得閾値Vthrx以上であるか否かを判定する(ステップS68)。尚、この最大電力点取得閾値Vthrxは、近似関数の誤差をある程度少なくするため、図11に示すように1点目の最大電力点M1から、なるべく離れた2点目の最大電力点M2を取得するための閾値である。
【0127】
近似関数作成部24は、直流電圧値間の差の絶対値|Vavr1−Vavr|が最大電力点取得閾値Vthrx以上であると判定されると(図11の最大電力点M2参照)、ステップS67にて取得した最大電力点Mを2点目の最大電力点M2とし、この最大電力点M2(Vavr2,Pavr2)を記憶する(ステップS69)。
【0128】
近似関数作成部24は、現在記憶中の最大電力点M1、M2に基づいて最小二乗法により近似関数V=f(P)=aP+bのa,bの定数を算出することで近似関数を作成し(ステップS70)、この作成した近似関数を近似関数メモリ25に記憶して、この処理動作を終了する。
【0129】
また、ステップS63にて移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内でないと判定されると、さらに、新たな最大電力点を検出すべく、ステップS62に移行する。
【0130】
また、ステップS66にて移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内でないと判定されると、さらに、新たな最大電力点を検出すべく、ステップS65に移行する。
【0131】
また、ステップS68にて直流電圧値間の差の絶対値|Vavr1−Vavr|が最大電力点取得閾値Vthrx以上でないと判定されると(例えば図11の最大電力点M3参照)、ステップS67にて取得した最大電力点Mと1点目の最大電力点M1とが離れていないものと判断し、新たな最大電力点を検出すべく、ステップS65に移行する。
【0132】
第3近似関数作成処理によれば、山登り法の最大電力追従動作を実行し、最大電力点取得閾値Vthrx以上離れた2点の最大電力点を検出し、これら最大電力点に基づいて近似関数を作成するようにしたので、第1近似関数作成処理及び第2近似関数作成処理に比較すると若干精度は落ちるものの、迅速に近似関数を作成することができる。
【0133】
このように第1の実施の形態によれば、発電機2の出力レベルに応じた近似関数を使用することで現在の電力点を最大電力点付近まで高速に追従した後に、山登り法で現在の電力点を最大電力点に到達させるようにしたので、動力変化に対する最大電力点の電圧変化が大きい動力系発電機等の発電機2であっても、近似関数を使用することで、最大電力点付近への到達時間を大幅に短縮化することで、その最大電力点への追従動作を高速に行うことができ、ひいては発電効率の向上を図ることができる。
【0134】
また、上記第1の実施の形態においては、近似関数を使用して最大電力点付近への追従動作を実行した後、山登り法を使用して、最終的に最大電力点への追従動作を実行するようにしたが、この山登り法で最大電力点への追従動作を実行中に近似関数の誤差を補正する補正機能を備えるようにしても良く、このような実施の形態を第2の実施の形態として説明する。
【0135】
(実施の形態2)
図12は第2の実施の形態に関わるパワコン装置10の制御部27内部の概略構成を示すブロック図である。尚、第1の実施の形態を示す分散型発電システム1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0136】
図12に示す制御部27は、電圧値算出部31、電圧値設定部32、閾値判定部33、追従制御部34及び山登り法追従制御部35を有し、山登り法追従制御部35の山登り法を使用して、近似関数メモリ25に記憶中の近似関数の誤差を補正する近似関数補正部36を有している。
【0137】
尚、請求項記載の第1近似関数補正手段、第2近似関数補正手段及び第3近似関数補正手段は近似関数補正部36に相当するものである。
【0138】
では、第2の実施の形態を示す分散型発電システム1の動作について説明する。図13は第2最大電力追従制御処理に関わる最大電力追従制御部12の処理動作を示すフローチャートである。
【0139】
図13に示す第2最大電力追従制御処理とは、近似関数を使用して現在の電力点を最大電力点付近に高速に追従した後、山登り法を使用して現在の電力点を最大電力点に追従すると共に、この山登り法の追従動作を実行しながら、近似関数の誤差を補正する処理である。
【0140】
図13において最大電力追従制御部12の制御部27内の追従制御部34は、近似関数を使用して最大電力点への追従動作を開始する。
【0141】
電圧値算出部31は、電力算出部23を通じて現在の直流電力値Pmesを算出し、近似関数メモリ25から近似関数を読み出し、この近似関数に直流電力値Pmesを代入することで直流電圧値Vtheを算出する(ステップS81)。
【0142】
電圧値設定部32は、電圧値算出部31にて算出した直流電圧値Vtheを電力変換装置11の動作電圧として設定する(ステップS82)。
【0143】
さらに電圧計測部21は、電圧値設定部32にて直流電圧値Vtheを設定すると、現在の直流電圧値Vmesを検出する(ステップS83)。
【0144】
さらに電圧値算出部31は、電力算出部23を通じて現在の直流電力値Pmesを算出し、近似関数メモリ25から近似関数を読み出し、この近似関数に直流電力値Pmesを代入することで直流電圧値Vtheを算出する(ステップS84)。
【0145】
次に閾値判定部33は、ステップS33にて検出した現在の直流電圧値VmesとステップS34にて算出した直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内であるか否かを判定する(ステップS85)。
【0146】
追従制御部34は、閾値判定部33にて直流電圧値Vmesと直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内であると判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達したものと判断し、近似関数から山登り法による最大電力点への追従動作を開始すべく、山登り法追従制御部35による最大電力追従動作を開始する(ステップS86)。尚、図14の電力点Aが最大電力点付近であると判断されると、最大電力点Nに向けて電力点を山登り法で移動を開始し、例えば電力点A→電力点B→電力点C…といった具合に移動することになる。
【0147】
近似関数補正部36は、現在の電力点から近似関数の切片を再計算する(ステップS87)。尚、近似関数の切片の再計算は、現在の電力点に基づいて近似関数の切片の定数のみを算出し、この近似関数の傾きは変更することなく、この切片のみを変更することになる。従って、近似関数は、図14に示すように(a)→(b)→(c)→(n)のように更新されていく。
【0148】
近似関数補正部36は、直流電圧値をN回変動させた時の各直流電力値の差の絶対値|ΔP|の移動平均値|ΔP|avrを算出する(ステップS89)。
【0149】
近似関数補正部36は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であるか否かを判定する(ステップS90)。
【0150】
近似関数補正部36は、移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内であると判定されると、移動平均値|ΔP|avrがある程度小さいということは直流電圧値を変動させても電力の変動が少ないということで、現在の電力点が最大電力点付近に到達しているものと判断し、この電力点を最大電力点M(Vavr,Pavr)として記憶すると共に、最新最大電力標本点フラグをONすることで(ステップS91)、ステップS83に移行する。尚、この最大電力点Mは、直流電圧値をN回変動させた時の電圧値の平均値(V1,V2、V3…VN)/Nと、電力値の平均値(P1,P2,P3…PN)/Nとで構成することになる。また、最新の最大電力標本点フラグとは、この山登り法で既に最大電力点を標本として記憶しているか否かを示すフラグである。
【0151】
近似関数補正部36は、ステップS85にて直流電圧値Vmesと直流電圧値Vtheとの差の絶対値|Vmes−Vthe|が直流電圧閾値Vthr以内でないと判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達していないものと判断し、最新最大電力標本点フラグがONであるか否かを判定する(ステップS92)。尚、近似関数による追従動作後に山登り法で追従動作を実行したとしても、外部環境等の変化で、現在の電力点が最大電力点付近から外れた場合、近似関数による追従動作に切り替わるものである。
【0152】
近似関数補正部36は、最新最大電力標本点フラグがONであると判定されると、この最新の最大電力点が記憶されているものと判断し、近似関数を作成した過去の最大電力点の内、最古の最大電力点の標本を削除し、最新の最大電力点を標本として追加することで、これら最大電力点の標本点に基づいて近似関数を作成し、この近似関数を近似関数メモリ25に記憶更新する(ステップS93)。
【0153】
つまり、最新の最大電力点を含めた標本点に基づいて近似関数を作成するようにしたので、その近似関数の誤差を補正することができるものである。
【0154】
そして、近似関数補正部36は、最新最大電力標本点フラグをOFFとし(ステップS94)、近似関数による最大電力点付近への追従動作を実行すべく、ステップS82に移行する。
【0155】
近似関数補正部36は、ステップS90にて移動平均値|ΔP|avrが最大電力点記憶用閾値Pthr以内でないと判定されると、現在の電力点が最大電力点付近に到達していないものと判断し、ステップS83に移行する。
【0156】
第2の実施の形態によれば、近似関数を使用して電力点を最大電力点付近へ到達した後、山登り法を使用して最大電力点に到達させるようにしたが、その際に山登り法を使用して電力点を検出し、この電力点に基づいて近似関数の切片の誤差を補正するようにしたので、近似関数の誤差を補正することができる。
【0157】
さらに第2の実施の形態によれば、山登り法を使用して最大電力点に到達した後、この最大電力点を標本として記憶しておき、外部環境の変化等が生じた場合には、最新の最大電力点を標本として含めた標本点に基づいて近似関数を作成するようにしたので、外部環境の変化等に対応した誤差の最新の近似関数を提供することができる。
【0158】
尚、上記実施の形態においては、近似関数作成部24にて近似関数を作成する場合、複数の最大電力点(平均電力点)に基づいて最小二乗法により近似関数を算出するようにしたが、最小二乗法以外の方法を使用しても良いことは言うまでもない。
【0159】
【発明の効果】
上記のように構成された本発明の最大電力追従制御装置によれば、出力電力及び動作電圧の特性における、前記発電機の出力レベルに対応した最大電力点に関わる近似関数を記憶しておき、現在の出力電力に関わる電力点を最大電力点に追従すべく、前記近似関数に基づいて、現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出し、この動作電圧値を電力変換装置の動作電圧値として設定するようにしたので、近似関数を使用することで、例えば電力点を最大電力点付近に到達させるまでの追従時間を大幅に短縮化することで、動力変化に対する最大電力点の変化が大きい動力系発電機等の発電機であっても、最大電力点への追従を迅速に行うことができ、ひいては発電効率の向上にもつながる。
【0160】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、電圧値設定手段にて動作電圧値を設定すると、近似関数を使用して現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出し、この算出した動作電圧値と現在の動作電圧値との差の絶対値が所定閾値以内であるか否かを判定し、この動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内であると判定されると、前記発電機の出力レベルに応じて出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したものと認識するようにしたので、近似関数を使用することで、その電力点を最大電力点付近に到達させるまでの追従時間を大幅に短縮化することで、動力変化に対する最大電力点の変化が大きい動力系発電機等の発電機であっても、最大電力点への追従を迅速に行うことができ、ひいては発電効率の向上にもつながる。
【0161】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力電力に関わる電力点を最大電力点に到達させるべく、前記電力変換装置の動作電圧値を設定するようにしたので、最大電力点付近から最大電力点への追従動作に山登り法を使用することで最大電力点への追従精度を向上させることができる。
【0162】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内でないと判定されると、この動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内となるまで電圧値算出手段、電圧値設定手段及び判定手段の動作を継続するようにしたので、最大電力点付近へ迅速に追従することができる。
【0163】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、発電機の出力レベル毎に最大電力点を検出し、少なくとも2つの最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成するようにしたので、簡単に近似関数を作成することができ、さらに、標本とする最大電力点の標本数を増やすことで精度の高い近似関数を作成することができる。
【0164】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、近似関数を作成するための最大電力点を山登り法で検出するようにしたので、精度の高い近似関数を作成することができる。
【0165】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、第1近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常、例えば近似関数の傾きが逆であると判定されると、発電機の異常を報知するようにしたので、発電機若しくは近似関数の異常をユーザに報知することができる。
【0166】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、出力電力を複数のレベル領域に分割し、レベル領域毎に分けた複数の電力点の平均値をレベル領域毎の最大電力点とし、これらレベル領域毎の最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成するようにしたので、複数の電力点、すなわち標本数が多く、これら標本数を平均化することで、外部環境の変化に対応した精度の高い近似関数を作成することができる。
【0167】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、近似関数を作成するための最大電力点を山登り法で検出するようにしたので、精度の高い近似関数を作成することができる。
【0168】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、第2近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常、例えば近似関数の傾きが異常であると判定されると、発電機の異常を報知するようにしたので、発電機若しくは近似関数の異常をユーザに報知することができる。
【0169】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、発電機の種別に応じた近似関数を予め記憶しておくようにしたので、様々な発電機に対応することができる。
【0170】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、山登り法を使用して最大電力点を検出し、この検出した最大電力点に基づいて発電機の種別毎に記憶した近似関数を補正するようにしたので、発電機の様々な動力変化や照度変化に対応した精度の高い近似関数を作成することができる。
【0171】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、山登り法を使用して最大電力点を検出し、この検出した最大電力点に基づいて、近似関数記憶手段に記憶中の近似関数を補正するようにしたので、発電機の動力変化や照度変化等に対応した精度の高い近似関数を常に確保することができる。
【0172】
本発明の最大電力追従制御装置によれば、電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、山登り法を使用して最大電力点への追従動作を実行し、この追従動作で検出した電力点に基づいて、前記近似関数の傾きを変更することなく、その切片のみを補正するようにしたので、近似関数の誤差を微調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最大電力追従制御装置に関わる第1の実施の形態を示す分散型発電システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に関わるパワコン装置の最大電力追従制御部の要部である制御部内部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における第1最大電力追従制御処理に関わる最大電力追従制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】第1最大電力追従制御処理の動作アルゴリズムを端的に示す動作説明図である。
【図5】第1の実施の形態における第1近似関数作成処理に関わる近似関数作成部の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】第1近似関数作成処理の動作アルゴリズムを端的に示す動作説明図である。
【図7】第2近似関数作成処理に関わる近似関数作成部の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】第2近似関数作成処理の動作アルゴリズムを端的に示す動作説明図である。
【図9】第2近似関数作成処理の平均電力点算出処理に関わる近似関数作成部の処理動作を示すフローチャートである。
【図10】第3近似関数作成処理に関わる近似関数作成部の処理動作を示すフローチャートである。
【図11】第3近似関数作成処理の動作アルゴリズムを端的に示す動作説明図である。
【図12】第2の実施の形態を示す分散型発電システムのパワコン装置の要部である制御部内部の概略構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態における第2最大電力追従制御処理に関わる最大電力追従制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図14】第2最大電力追従制御処理の動作アルゴリズムを端的に示す動作説明図である。
【図15】一般的な太陽光発電機における直流電力及び直流電圧の特性(V−P特性)を示す説明図である。
【図16】一般的な山登り法の最大電力追従制御処理の動作アルゴリズムを端的に示す説明図である。
【図17】一般的な動力系発電機における直流電力及び直流電圧の特性(V−P特性)を示す説明図である。
【図18】一般的な水力系発電機における直流電力及び直流電圧の特性(V−P特性)を示す説明図である。
【図19】太陽光発電機及び動力系発電機における直流電力及び直流電圧の特性(V−P特性)を比較する説明図である。
a)太陽光発電機のV−P特性
b)動力系発電機のV−P特性
【符号の説明】
11 電力変換装置
12 最大電力追従制御部(最大電力追従制御装置)
24 近似関数作成部(第1近似関数作成手段、第2近似関数作成手段)
25 近似関数メモリ(近似関数記憶手段)
26 異常報知部(異常報知手段)
27 制御部(制御手段)
31 電圧値算出部(電圧値算出手段)
32 電圧値設定部(電圧値設定手段)
33 閾値判定部(判定手段)
34 追従制御部(制御手段)
35 山登り法追従制御部(制御手段)
36 近似関数補正部(第1近似関数補正手段、第2近似関数補正手段、第3近似関数補正手段)

Claims (14)

  1. 発電機の出力レベルに応じた、この発電機の出力電力に関わる電力点を最大電力点に追従すべく、前記発電機の出力電力を交流電力に変換する電力変換装置の動作電圧を設定する最大電力追従制御装置であって、
    前記出力電力及び前記動作電圧の特性における、前記発電機の出力レベルに対応した最大電力点に関わる近似関数を記憶する近似関数記憶手段と、
    前記発電機の出力レベルに応じた前記出力電力に関わる電力点を最大電力点に追従すべく、前記近似関数記憶手段に記憶した近似関数に基づいて、現在の出力電力に対応する動作電圧値を算出し、この動作電圧値を前記電力変換装置の動作電圧値として設定する制御手段とを有することを特徴とする最大電力追従制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記近似関数に基づいて、前記発電機の現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出する電圧値算出手段と、
    この電圧値算出手段にて算出した動作電圧値を、前記電力変換装置の動作電圧値として設定する電圧値設定手段と、
    この電圧値設定手段にて動作電圧値を設定すると、前記電圧値算出手段にて現在の出力電力に対応した動作電圧値を算出し、この算出した動作電圧値と現在の動作電圧値との差の絶対値が所定閾値以内であるか否かを判定する判定手段とを有し、
    この判定手段にて前記動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内であると判定されると、前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識することを特徴とする請求項1記載の最大電力追従制御装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力電力に関わる電力点を最大電力点に到達させるべく、前記電力変換装置の動作電圧値を設定することを特徴とする請求項2記載の最大電力追従制御装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記判定手段にて前記動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内でないと判定されると、前記電圧値算出手段にて前記動作電圧値を算出した後、この算出した動作電圧値を前記電圧値設定手段にて設定し、前記判定手段にて前記動作電圧値間の差の絶対値が所定閾値以内となるまで、前記電圧値算出手段、前記電圧値設定手段及び前記判定手段の動作を継続することを特徴とする請求項2又は3記載の最大電力追従制御装置。
  5. 前記発電機の出力レベル毎に最大電力点を検出し、少なくとも2つの最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成する第1近似関数作成手段を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の最大電力追従制御装置。
  6. 前記第1近似関数作成手段は、
    最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力レベル毎の最大電力点を検出することを特徴とする請求項5記載の最大電力追従制御装置。
  7. 前記第1近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常であると判定されると、前記発電機の異常を報知する異常報知手段を有することを特徴とする請求項6記載の最大電力追従制御装置。
  8. 前記出力電力を複数のレベル領域に分割し、電力点を順次に検出することで、これら検出した複数の電力点をレベル領域毎に分け、このレベル領域毎に分けた複数の電力点の平均値を算出し、このレベル領域毎の平均値を最大電力点とし、これらレベル領域毎の最大電力点に基づいて、前記近似関数を作成する第2近似関数作成手段を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の最大電力追従制御装置。
  9. 前記第2近似関数作成手段は、
    最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記電力点を検出することを特徴とする請求項8記載の最大電力追従制御装置。
  10. 前記第2近似関数作成手段にて作成した近似関数が異常であると判定されると、前記発電機の異常を報知する異常報知手段を有することを特徴とする請求項9記載の最大電力追従制御装置。
  11. 前記近似関数記憶手段は、
    前記発電機の種別に応じた近似関数を予め記憶しておくことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の最大電力追従制御装置。
  12. 最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力レベル毎の最大電力点を検出し、これら検出した最大電力点に基づいて、前記発電機の種別毎に記憶した近似関数を補正する第1近似関数補正手段を有することを特徴とする請求項11記載の最大電力追従制御装置。
  13. 前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して、前記発電機の出力レベル毎の最大電力点を検出し、これら検出した最大電力点に基づいて、前記近似関数記憶手段に記憶中の近似関数を補正する第2近似関数補正手段を有することを特徴とする請求項2、3又は4記載の最大電力追従制御装置。
  14. 前記発電機の出力レベルに応じた出力電力に関わる電力点が最大電力点付近に到達したことを認識すると、最大電力追従制御用の山登り法を使用して最大電力点への追従動作を実行し、この追従動作で検出した電力点に基づいて、前記近似関数の傾きを変更することなく、その切片のみを補正する第3近似関数補正手段を有することを特徴とする請求項2,3又は4記載の最大電力追従制御装置。
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