JP7292179B2 - 電力変換装置、電力システム - Google Patents

電力変換装置、電力システム Download PDF

Info

Publication number
JP7292179B2
JP7292179B2 JP2019199715A JP2019199715A JP7292179B2 JP 7292179 B2 JP7292179 B2 JP 7292179B2 JP 2019199715 A JP2019199715 A JP 2019199715A JP 2019199715 A JP2019199715 A JP 2019199715A JP 7292179 B2 JP7292179 B2 JP 7292179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
battery
solar cell
power
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019199715A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021072028A (ja
Inventor
亨 河野
エムハ バユ ミフタフラティフ
太 古田
正成 藤森
信之 杉井
明生 島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2019199715A priority Critical patent/JP7292179B2/ja
Publication of JP2021072028A publication Critical patent/JP2021072028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7292179B2 publication Critical patent/JP7292179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Description

本発明は、太陽電池が出力する電力を変換する電力変換装置に関する。
近年、太陽光発電システムが急激に普及している。家庭用の太陽光発電については、FIT(Feed In Tariff:固定価格買取制度)が終了し、その活用方法が検討されている。FIT終了後の分散電源の導入に向けて、太陽光発電を自家消費することが可能な市場が整備されつつある。同時に、EV(電気自動車)や蓄電池の普及により、EVや蓄電池が充放電する直流をそのまま、DCバスを介して拝殿系統へ接続することにより、直流から交流に変換する際に生じる変換損失を低減する直流システムが注目されている。直流システムのようにDCバスの電圧を上げ下げするシステムにおいても、太陽電池から最大の電力を取り出し、効率を最大限に活用することにより、直流システムの競争力を確立することが求められている。
特許文献1には、太陽電池、蓄電池、DC/DC変換器を備える直流電力供給システムにおいて、DCバスの電圧を可変させながらシステムを安定化させる手法が記載されている。特許文献2には、太陽電池とそれに接続されたDC/DC変換器(昇降圧チョッパ)を含む複合蓄電システムにおいて、DCバスが過電圧にならないように制御する手法が述べられている。特許文献3と非特許文献1は、太陽電池から最大電力を取り出す手法を記載している。特許文献4と非特許文献2は、太陽電池を搭載した太陽光発電システムが、IV特性上のどの位置で動作しているかを求める手法が述べられている。
特開2012-147508号公報 特開2014-099986号公報 特開2017-051099号公報 特許6075997号
IEEE Transactions on Energy Conversion, Vol. 22, No. 2, June 2007, pp 439-449 "Comparison of Photovoltaic Array Maximum Power Point Tracking Techniques" IEEE Journal of Photovoltaics, Vol. 9, No. 3, May 2019, pp 780-789 "Fault-Diagnosis Architecture for Large-Scale Photovoltaic Power Plants That Does Not Require Additional Sensors"
EVや蓄電池がDCバスに接続されると、大容量の充電電力がDCバスを介して充電対象へ向かって流れる。EVや蓄電池が普及すると、このような動作が発生する頻度が増えると考えられる。EVや蓄電池の容量が今後増えていくのにともない、このような大容量の急速充電動作において、DCバス電圧と太陽電池電圧が同時に急降下する可能性が考えられる。
特許文献1と2においては、DCバスの電圧よりも太陽電池の電圧を小さくすることにより、システムを安定化させようとしている。しかし上記のようにDCバス電圧と太陽電池電圧が同時に急降下した場合、太陽電池電圧をさらに小さくすると、太陽電池から安定して発電量を得られなくなってしまう。
特許文献3と非特許文献1は、太陽電池から最大の電力を取り出す手法を記載しているが、同文献が記載しているのは主に日射量の変化や部分陰に対する対処方法であり、負荷は安定していることが前提となっている。したがってEVを急速充電するときのような急激な負荷変化に対して対処するのは困難である。
特許文献4と非特許文献2は、日射量と温度を算出しながら、DC/DC変換器が太陽電池の最大電力点で動作しているか否かを確認する方法について記載している。しかし同文献は動作状態を把握するのみであり、把握した動作状態を制御においてどのように用いるのかについては必ずしも明らかではない。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、太陽電池システムにおいて負荷の急変動が生じた場合であっても、太陽電池の最大出力電力をできる限り維持することができる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、負荷の急変によって太陽電池が最大電力動作点から外れた場合は、電池電圧を基準とする制御から電池電流を基準とする制御へ一時的に切り替える。
本発明に係る電力変換装置によれば、負荷急変時において電流制御へ一時的に切り替えることにより、太陽電池の動作を最適動作点へ速やかに復旧させることができる。これにより負荷急変時においても、太陽電池から最大電力を供給することができる。
実施形態1に係るDCバスシステムの構成例である。 実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。 実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。 実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。 実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。 配電系統から交流/直流変換を介して、各コンポーネントに配線される一般的な給電システムの構成例である。 実施形態1に係る電力変換装置100の回路図である。 太陽電池200のIV特性を例示するグラフである。 太陽電池200のPV特性を例示するグラフである。 太陽電池200のPI特性を例示するグラフである。 EVの急速充電によって負荷が急変した場合におけるIV特性上の一般的な動作点の変化を示す。 EVを急速充電することにともなって太陽電池の動作点を最大電力動作点へ向かわせるように制御する過程を示す。 演算装置141が指令値Vcmdを算出する手順を説明するフローチャートである。 S605の続きを説明するフローチャートである。 S610の判断条件について説明する図である。
<実施の形態1>
図1Aは、本発明の実施形態1に係るDCバスシステムの構成例である。システムはDCバスを有する。DCバスには、配電系統に接続する系統用インバータ、PV(Photovoltaic Battery:太陽電池)を制御するDC/DCコンバータ、EV内の蓄電池を充放電制御するDC/DCコンバータ、が接続される。上位コントローラはDCバスの電圧を制御する。
図1Bは、実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。DCバスに対してEVを複数台接続することもできる。DCバスを形成するコンポーネントは、DC盤に纏められて配置される。
図1Cは、実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。DCバスに対して定置型の蓄電池を接続することもできる。ただし法律上の規制により、コンテナボックスが必要になる場合もある。
図1Dは、実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。本図においてはEV内の蓄電池を充放電制御するDC/DCコンバータをEV内に内蔵しており、図1A~図2のなかではDC版が最も軽量になる。
図1Eは、実施形態1に係るDCバスシステムの別構成例である。本図においては、DCバスを配電系統と並列して負荷に接続している。図1Eに示すように、自立型の変換器を介して、DCバスに照明や空調などの負荷を接続することも可能である。
図2は、配電系統から交流/直流変換を介して、各コンポーネントに配線される一般的な給電システムの構成例である。図1A~図1Eのような直流システムと比較すると、交流から直流に変換される際の損失が課題となる。また各コンポーネント(Power Conditioning System、インバータ)から配電系統の接続先までの距離が長いことが多く、配線や接続盤の設置に工事工数がかかる。さらに、各コンポーネントの配置に基礎工事が必要となる。したがって図2のようなシステムは設置に工数がかかるので、図1A~図1Eのような構成が望ましい。
図3は、本実施形態1に係る電力変換装置100の回路図である。電力変換装置100は、図1A~図1EにおけるPVを制御するDC/DCコンバータとして構成することができる。電力変換装置100は、電圧センサ110、電流センサ120、昇圧チョッパ130、制御部140、を備える。
昇圧チョッパ130は、インダクタL、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、整流ダイオード、平滑コンデンサCによって構成されている。昇圧チョッパ130によって、太陽電池200とDCバス300が接続される。
電圧センサ110は、太陽電池200の出力電圧Vinを計測する。電流センサ120は、太陽電池200の出力電流Iinを計測する。制御部140は、電力変換装置100の出力電圧(すなわちDCバス300の電圧)Voutを制御する。具体的には、演算装置141がVinとIinそれぞれの計測結果を取得するとともに、上位コントローラ400からの指令を取得し、これらに基づきVoutに対する指令値Vcmdを計算する。三角波発生器143の出力と指令値Vcmdをコンパレータ144が比較することにより、指令値Vcmdは通流率αに変換される。変換式は下記式1によって表される。
Figure 0007292179000001
図4Aは、太陽電池200のIV特性(電流-電圧特性)を例示するグラフである。電力変換装置100は、太陽電池200の出力電力が最大となる動作点(図4Aの白丸)において太陽電池200が動作するように、指令値Vcmdを算出する。最大電力動作点におけるVinを最大動作電圧と呼び、最大電力動作点におけるIinを最大動作電流と呼ぶ場合もある。太陽電池200の出力端子を短絡したときの電池電流を短絡電流と呼ぶ。短絡電流と最大動作電流の比は、非特許文献2に示されているように、ある程度の日射量以上であれば、一定とみなすことができる。
図4Bは、太陽電池200のPV特性(電力-電圧特性)を例示するグラフである。図4Aに対応する3つの特性グラフを例示した。
図4Cは、太陽電池200のPI特性(電力-電流特性)を例示するグラフである。図4Cに示すように、太陽電池200のPI特性は最大電力動作点を変曲点として急峻に変化するので、電池電流のわずかな変化に対して電池電力が急激に変化し、短絡電流(電池電圧=0に対応する電池電流)に至る可能性がある。この状態に至った場合、演算装置141は指令値Vcmdを計算し続けることができないので、制御部140をいったんリセットする必要が生じる。したがって演算装置141は、指令値VcmdをIV特性(またはPV特性)にしたがって算出するのが一般的である。
図5Aは、EVの急速充電によって負荷が急変した場合におけるIV特性上の一般的な動作点の変化を示す。直流システムにおける太陽電池のDC/DCコンバータは、最大電力点制御のみではなく、電力を絞る抑制制御や、Voutの変化に対応させながらVinをVcmdによって制御するなど、様々な制御を実施する。したがって通常の運転モードにおいて、動作点はIV特性上を広く移動する。DCバス300に対してEVを接続して急速充電すると、負荷が急変することになる。これによりVoutが低下し、さらにVinが低下するので、動作点は図5A上に動作点1から2のように移動する。
図5Bは、EVを急速充電することにともなって太陽電池の動作点を最大電力動作点へ向かわせるように制御する過程を示す。非特許文献1記載のように電池電圧を逐次的に最大電力動作点へ向かわせる制御手順を用いる場合、動作点は図5Bに示すように制御ステップごとに最大電力動作点へ向かって順次遷移する。このような制御手順を用いる場合、太陽電池が最大電力動作点へ到達するまでに複数回の制御ステップが必要になる。すなわち最大電力動作点に到達するまで時間を要するので、太陽電池から最大電力を供給することが困難である。
負荷急変時において太陽電池を最大電力動作点へ速やかに復旧させるためには、PI特性曲線における現動作点と最大電力動作点との間の電流差分を計算し、その電流差分にしたがって指令値Vcmdを算出すればよいと考えられる。しかし他方で、PI特性を基準とする制御は図4Cで説明したように不安定である。そこで本実施形態1においては、通常動作時はVoutの目標値と現在値との間の差分にしたがって指令値Vcmdを算出するとともに、図5Bのように逐次的に電池電圧を変化させて最大電力動作点へ向かう。負荷急変時は一時的にPI特性を用いる制御に切り替え、PI特性曲線における現動作点と最大電力動作点との間の電流差分にしたがって指令値Vcmdを算出する。以下のフローチャートを参照して具体的な手順を説明する。
図6Aは、演算装置141が指令値Vcmdを算出する手順を説明するフローチャートである。ここでは図5Bに示すように、通常動作時は制御ステップごとに最大電力動作点へ向かって順次遷移するように指令値Vcmdを算出することとする。演算装置141は例えば制御周期ごとに本フローチャートを実施することができる。記載の便宜上、一部のステップについてはステップ番号を付与せず以下の文章内で説明することとした。以下図6Aの各ステップについて説明する。
(図6A:ステップS601~S604)
演算装置141は、電圧センサ110からVinを取得するとともに、電流センサ120からIinを取得する(S601)。演算装置141は、取得したVinを配列Vin[1]に格納するとともに、本フローチャートを前回実施したときにおけるVin[1]をVin[0]として置き換え、Vin[0]とVin[1]の差分ΔVを計算する(S602)。演算装置141はIinについても同様にIin[0]とIin[1]をセットするとともに差分ΔIを計算する(S603)。演算装置141は、Vin[1]とIin[1]の積によって現時点における電池電力Pin[1]を求めるとともに、Vin[0]とIin[0]の積によって本フローチャートを前回実施したときにおける電池電力Pin[0]を求め、Pin[0]とPin[1]の差分ΔPを計算する(S604)。
(図6A:ステップS601~S604:補足)
配列Vin[]、配列Iin[]、配列Pin[]は、それぞれ0番目要素が本フローチャートを前回実施したときにおける値を格納し、1番目要素が本フローチャートを今回実施したときにおける値を格納することになる。
(図6A:ステップS605)
EVがDCバス300へ接続されるなどによって負荷が急変したことを表す内部フラグ変数を、TYPEとする。TYPE=1は負荷急変を表す。負荷急変は、PI特性における動作点が、本フローチャートを前回実施したとき図5Aの動作点1であり、今回実施したとき図5Aの動作点2へ遷移したことに相当する。演算装置141は、TYPEが1である場合は図6Bのフローチャートへ進み、それ以外であればS606へ進む。
(図6A:ステップS606:その1)
演算装置141は、ΔVが0よりも大きい(Vinが増加した)場合、ΔPが0よりも大きければVinを増やし、ΔPが0以下であればVinを減らすように、Vcmdを算出する。これはPV特性において、動作点が最大電力点の左側から最大電力点へ向かって遷移した場合はVinを増やし、最大電力点またはその右側からさらに右側へ向かって遷移した場合はVinを減らすことにより、最大電力動作点を近づけることを意味する。
(図6A:ステップS606:その2)
演算装置141は、ΔVが0以下(Vinが減少した)である場合、ΔPが0よりも大きければVinを減らし、ΔPが0以下であればVinを増やすように、Vcmdを算出する。これはPV特性において、動作点が最大電力点の右側から最大電力点へ向かって遷移した場合はVinを減らし、最大電力点またはその左側からさらに左側へ向かって遷移した場合はVinを増やすことにより、最大電力動作点を近づけることを意味する。
(図6A:ステップS607)
Vinが減少し、かつPinも減少した場合、太陽電池200の状態は、PV特性において最大電力動作点の左側からさらに左側へ向かって遷移したことになる。この場合はEV急速充電などによって負荷が急変した可能性がある。そこで演算装置141は、TYPEに1をセットすることにより、その旨を保持する。本フローチャートを次回実施したとき、S605においてこのTYPEフラグが判断されることになる。
(図6A:ステップS607:補足)
TYPEフラグは、負荷が急変したとき典型的に現れる図5Aの動作点1から2への遷移を検出するためのものである。負荷が真に急変したか否かは、TYPE=1となった後に再度本フローチャートを実施したとき、S610において改めて判定することになる。S610において負荷急変を判定することができる根拠については後述する。
(図6A:ステップS608~S609)
演算装置141は、Vin[0]の値を一時的変数Vin_aに保存しておく(S608)。これは後述する計算式において、Vin[0]の前回値(本フローチャートを前回実施したときにおけるVin[0])を用いる必要があるので、次回実施時にS602において上書されないようにするための便宜上の措置である。演算装置131は式1にしたがって通流率αを計算し、これを用いてVoutを制御する(S609)。
図6Bは、S605の続きを説明するフローチャートである。以下図6Bの各ステップを説明する。
(図6B:ステップS610)
演算装置141は、ΔP/ΔVがIinの現在値(Iin[1])と等しいか、またはこれと等価とみなすことができる周辺値であるか否かを判定する。すなわちΔP/ΔV≒Iin[1]か否かを判定する。条件合致すればS611へ進み、合致しなければS606へ戻る。本ステップの条件を定めた理由については後述する。
(図6B:ステップS611~S613)
演算装置141は、下記式2~式3を用いて太陽電池200の温度Tを推定する(S611)。演算装置141は、下記式4にしたがってΔVinを算出し、Vcmd=Vin[1]+ΔVinによって指令値Vcmdを算出する(S612)。演算装置141は、TYPEを0に戻し(S613)、S609へ戻る。式2~式4の導出過程については後述する。
Figure 0007292179000002
Figure 0007292179000003
Figure 0007292179000004
Isc:太陽電池200の標準日射量における短絡電流
p:太陽電池200に対する日射量
Is:太陽電池200の逆方向飽和電流
Ncell:太陽電池200のセル数
nf:太陽電池200のダイオード性能定数
k:ボルツマン定数
T:太陽電池200の温度
j=(現在日射量における現在動作点のIin)/(現在日射量における短絡電流)
図7は、S610の判断条件について説明する図である。図7上段はPV特性を示し、図7下段はそのときのIV特性を示す。図7において、動作点が点線丸から黒丸へ変化したときの電力Pの増分は、式5で表される。負荷が急変した後に最大電力動作点へ復帰しようとしているとき、IV特性上における電圧Vに対する電流Iの傾きはほぼ0とみなすことができる(図7下段図参照)。これを式5に代入すると、式6を導くことができる。
Figure 0007292179000005
Figure 0007292179000006
したがって演算装置141はS610において、ΔP/ΔVがIin[1]に略等しいとき、負荷が急変したと判断することができる。これに代えてまたはこれと併用して、ΔI/ΔVが0である(または0近傍の所定範囲内である)場合も、負荷が急変したと判断することができる。ここで、0近傍の所定の範囲内とは、-0.004以内である。式(5)の∂I/∂V成分は、式(8)の電圧微分で表され、(a)nf、q、Tで示される定数成分、(b)逆方向飽和電流、(c)exp成分の乗算から、シャント抵抗の劣化分が影響する項(d)を引いたもので表すことができる。(a)定数成分は、太陽電池の使用範囲において0.002~0.003の範囲、(b)逆方向飽和電流は、ほぼ0.00001、(c)低電圧範囲におけるexp成分は、ほぼ1であり、太陽電池の劣化が80%程度に相当するシャント抵抗0.3Ωであれば、影響する項(d)は0.004程度である。したがって∂I/∂Vは、-0.004以内で0近傍と判定することができる。
PI特性上において、最大電力動作点と現在動作点との間の電流差分を用いて指令値Vcmdを算出する場合、実際にはその電流差分を電圧差分に変換した上で、Vcmdを算出することになる。この変換を実施するとき、太陽電池の特性を表す数式において電池温度Tを用いる必要がある。式2~式4は、電池温度Tを反映した上で、指令値Vcmdを算出するものである。以下では式2~式4の導出過程について説明する。
日射量pは、標準日射量時の短絡電流Iscに対する現在日射量時の短絡電流の比として表すことができる。現在日射量における現在動作電流をIin_aと表す場合、上記符号の定義から、現在日射量における短絡電流はIin_a/jと定義できる。したがって日射量pは、(現在日射量における短絡電流)/Isc、すなわち式7によって表される。式7を用いるのは、現在日射量における最大電力動作点を特定できない事情がある場合において有用である。
Figure 0007292179000007
Iinは式8によって表される。式8をVinについて解くと、Vinは式9によって表される。
Figure 0007292179000008
Figure 0007292179000009
式9に対して式7とIinを代入することにより、Vinを得ることができる。Vin[1]はIin[1]を代入することにより式12によって表される。Vin[0]はIin[0]を代入することにより式11によって表される。Vin_aは、図6のフローチャートを前回実施したときにおけるVin[0]であり、S608において保存したものである。前回実施時におけるIin[0]をIin_aと表す場合、Vin_aはIin_aを代入することにより式10によって表される。
Figure 0007292179000010
Figure 0007292179000011
Figure 0007292179000012
式10~式12より、式13と式14が導かれる。式13と式14から電池温度Tを消去すると、式2が導かれる。演算装置141は、式2を満たすようなjの数値を求める。例えば数値解析によって式2を充足するjの数値を探索することにより、これを求めることができる。jを探索することは、式2を充足する電池電流Iinを探索することと等価である。以下では式2を充足するjを求めたものとして説明する。
Figure 0007292179000013
Figure 0007292179000014
式11と式12をTについて解くと、式3を得ることができる。さらに、最大電力動作点におけるVinをVmppとし、最大電力動作点におけるIinをImppとすると、式9に対して式7とImppを代入することにより、式15を導くことができる。ただし式15において、短絡電流と最大動作電流の比は一定値(0.935:あらかじめ特定した数値)とみなせることを仮定した。
Figure 0007292179000015
VmppとVin[1]との間の差分ΔVinをVin[1]に対して加算することにより、指令値Vcmdを算出することができる。Vmppは式15から求められ、Vin[1]は式12から求められる。したがって式16により、ΔVinを算出できる。式12と式15は、それぞれ最大動作電流Imppと現在動作点電流Iin[1]を用いて算出したものであるから、ΔVinは、PI特性上における最大電力動作点と現在動作点との間の差分を用いて算出したことになる。すなわち最大電力動作点と現在動作点それぞれの間の電流差分を用いて算出したことになる。
Figure 0007292179000016
以上の手順により、演算装置141は、負荷急変時は一時的にPI特性を用いる制御に切り替え、PI特性曲線における現動作点と最大電力動作点との間の電流差分にしたがって指令値Vcmdを算出することができる。これにより太陽電池200を最大電力動作点へ速やかに復旧させることができる。
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る電力変換装置100は、(a)PV特性の傾きΔP/ΔVがIin[1]に略等しいとき、または、(b)IV特性の傾きΔI/ΔVが略0であるとき、EVの急速充電などによる負荷急変が発生したと判断する。これにより、DCバスシステムにおける負荷急変を正確に検出することができる。
本実施形態1に係る電力変換装置100は、負荷急変時は一時的にPI特性を用いる制御に切り替え、PI特性曲線における現動作点と最大電力動作点との間の電流差分にしたがって指令値Vcmdを算出する。これにより、負荷急変時において太陽電池200を最大電力動作点へ速やかに復旧させることができる。
本実施形態1に係る電力変換装置100は、PI特性曲線における現動作点と最大電力動作点との間の電流差分を算出する際に、太陽電池200の温度Tを推定する。これにより、電池温度Tを反映した上で電流差分を算出することになるので、指令値Vcmdを正確に求めることができる。
本実施形態1に係る電力変換装置100は、S612において電流差分に基づき指令値Vcmdを算出した後、S613においてTYPEを0に戻す。これにより図6のフローチャートを次回実施するときは、電圧差分に基づく制御に戻ることになる。すなわち電流差分に基づく制御は1回の制御サイクルにおいてのみ実施し、その後速やかに電圧差分に基づく制御へ復帰する。これにより、PI特性に基づく不安定な制御を回避しつつ、太陽電池200を速やかに最大電力動作点へ復帰させることができる。
本実施形態1に係る電力変換装置100は、現在日射量における現在動作電流Iin_aと現在日射量における短絡電流との間の比率(j)、および標準日射量における短絡電流Iscを用いて、日射量pを式7により仮設定し、さらに式2を充足するjを探索することを介して、温度Tを算出する。これにより、例えば太陽電池200の仕様上、最大電力動作点を特定できない場合であっても、現在動作電流Iinを用いて温度Tを推定することができる。
本実施形態1に係る電力変換装置100は、式15において、現在日射量における短絡電流と最大動作電流との間の比率が一定値であると仮定して、PI特性に基づく指令値Vcmdを式16によって算出する。これにより、例えば太陽電池200の仕様上、最大電力動作点を特定できない場合であっても、PI特性に基づき指令値Vcmdを算出することができる。
<実施の形態2>
実施形態1において、電力変換装置100はDC/DCコンバータであることを説明した。電力変換装置100が直流電力を変換するために用いる回路等は、実施形態1で説明したものに限らず、任意の構成を用いることができる。例えばIGBTに代えて、半導体スイッチング素子としてSiCデバイスを用いるものを採用してもよい。その他適当な半導体スイッチング素子を用いてもよい。
100:電力変換装置
110:電圧センサ
120:電流センサ
130:昇圧チョッパ
140:制御部
141:演算装置
200:太陽電池
300:DCバス

Claims (10)

  1. 太陽電池が出力する電力を変換する電力変換装置であって、
    前記電力変換装置が出力する変換後電圧に対する指令値を算出する制御部を備え、
    前記制御部は、前記太陽電池が出力する電池電力の、前記太陽電池が出力する電池電圧に対する傾きが、前記太陽電池が出力する電池電流に等しいかまたは前記電池電流周辺の所定範囲内に収まっている場合は、前記電池電流の検出値と前記電池電流の目標値との間の電流差分にしたがって、前記指令値を算出し、
    前記制御部は、前記太陽電池が出力する電池電力の、前記太陽電池が出力する電池電圧に対する傾きが、前記電池電流周辺の所定範囲内に収まっていない場合は、前記変換後電圧の目標値と前記変換後電圧の検出値との間の電圧差分にしたがって、前記指令値を算出する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御部は、制御サイクル毎に前記指令値を算出し、
    前記制御部は、1回の前記制御サイクルにおいて、前記電流差分にしたがって前記指令値を算出した後、次の前記制御サイクルにおいては、前記電圧差分にしたがって前記指令値を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記太陽電池が出力する電池電圧の検出値と、前記電池電流の検出値とを取得し、
    前記制御部は、前記電池電圧の検出値と前記電池電流の検出値とを用いて、前記太陽電池の電池温度を算出し、
    前記制御部は、前記電流差分を用いて前記指令値を算出する場合は、前記電流差分に加えて前記電池温度を用いて、前記指令値を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、制御サイクル毎に前記指令値を算出し、
    前記制御部は、
    第1制御サイクルにおける前記電池電圧、
    前記第1制御サイクルにおける前記電池電流、
    前記第1制御サイクルの次の第2制御サイクルにおける前記電池電圧、
    前記第2制御サイクルにおける前記電池電流、
    前記第2制御サイクルの次の第3制御サイクルにおける前記電池電圧、
    前記第3制御サイクルにおける前記電池電流、
    の間の関係式を充足する電池電流を推定することにより、前記太陽電池の電圧電流曲線上における動作点を推定し、
    前記制御部は、前記推定した動作点を用いて前記電池温度を算出する
    ことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記電池電流の目標値として、前記太陽電池の最大電力動作点において前記太陽電池が出力する電池電流をセットし、
    前記制御部は、前記電流差分を、前記最大電力動作点において前記太陽電池が出力する電池電圧と前記電池電圧の検出値との間の電圧差分に置き換え、
    前記制御部は、前記置き換えた電圧差分を前記指令値として用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記太陽電池に対する現在日射量の下における前記太陽電池の最大電力動作点の前記電池電流と、前記現在日射量の下における前記太陽電池の短絡電流との間の比が固定値であると仮定することにより、前記現在日射量の下における前記最大電力動作点の前記電池電流を算出し、
    前記制御部は、前記現在日射量の下における前記最大電力動作点の前記電池電流を用いて、前記電流差分を電圧差分に置き換える
    ことを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
  7. 前記制御部は、前記太陽電池が出力する電池電圧の検出値と、前記電池電流の検出値とを取得し、
    前記制御部は、前記電池電圧の検出値と前記電池電流の検出値とを用いて、前記太陽電池の電池温度を算出し、
    前記制御部は、前記電池温度を用いて、前記置き換えた差分を算出する
    ことを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
  8. 前記電力変換装置は、前記太陽電池が出力する直流電力を別の直流電力に変換するDCコンバータとして構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  9. 前記DCコンバータは、半導体スイッチング素子を用いて、前記太陽電池が出力する直流電力を別の直流電力に変換するように構成されている
    ことを特徴とする請求項8記載の電力変換装置。
  10. 請求項1記載の電力変換装置、
    電気自動車の充電端子を接続する端子、
    を備えることを特徴とする電力システム。
JP2019199715A 2019-11-01 2019-11-01 電力変換装置、電力システム Active JP7292179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019199715A JP7292179B2 (ja) 2019-11-01 2019-11-01 電力変換装置、電力システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019199715A JP7292179B2 (ja) 2019-11-01 2019-11-01 電力変換装置、電力システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021072028A JP2021072028A (ja) 2021-05-06
JP7292179B2 true JP7292179B2 (ja) 2023-06-16

Family

ID=75713253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019199715A Active JP7292179B2 (ja) 2019-11-01 2019-11-01 電力変換装置、電力システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7292179B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004272803A (ja) 2003-03-11 2004-09-30 Omron Corp 最大電力追従制御装置
JP2014063282A (ja) 2012-09-20 2014-04-10 Kyocera Corp パワーコンディショナ及びその制御方法
JP2018081621A (ja) 2016-11-18 2018-05-24 シャープ株式会社 電力制御装置、及びその電力制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004272803A (ja) 2003-03-11 2004-09-30 Omron Corp 最大電力追従制御装置
JP2014063282A (ja) 2012-09-20 2014-04-10 Kyocera Corp パワーコンディショナ及びその制御方法
JP2018081621A (ja) 2016-11-18 2018-05-24 シャープ株式会社 電力制御装置、及びその電力制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021072028A (ja) 2021-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240097439A1 (en) System and Method For Interconnected Elements of a Power System
JP6031759B2 (ja) 太陽電池発電システム
CN102185533B (zh) 储能型准-z源光伏发电控制系统和控制方法
US10447070B2 (en) Solar energy system with built-in battery charger and its method
AU2020268909B2 (en) Systems and methods for photovoltaic direct current (DC) bus control
JP5929258B2 (ja) 電力供給システムおよび電源装置
WO2011074661A1 (ja) 充放電システム
JP4586204B2 (ja) 太陽光発電システム
CN114698407A (zh) 光伏系统母线电压控制方法及装置
CN113452074A (zh) 一种光伏系统及控制方法
US10965127B2 (en) Power controller
US20170085088A1 (en) Electric power generation operation point control circuit device and multi-stage electric power generation operation point control circuit device
US8942017B2 (en) Energy storage system and method thereof
Pires et al. Control of bidirectional quadratic DC-DC converters for storage support of DC power grids
Bouchakour et al. Direct power control of grid connected photovoltaic system with linear reoriented coordinate method as maximum power point tracking algorithm
KR102238340B1 (ko) 가상 저항 방식의 pcs 드룹 제어 장치 및 이를 이용한 에너지 저장 시스템
JP7292179B2 (ja) 電力変換装置、電力システム
Lin et al. Analysis of sliding-mode-controlled boost converters with mixed loads
CN112952883B (zh) 一种分布式储能系统的充电控制方法及系统
US20220200435A1 (en) Electric power system and power conversion device
JP2019071708A (ja) 電力変換装置及びその温度上昇抑制方法
Tovar-Olvera et al. Improved P&O algorithm for distributed MPPT PV configurations
Rao et al. Implementation of FPGA Based MPPT Techniques for Grid-Connected PV System.
Kadhim Mohaisen Artificial intelligent maximum power point controller based hybrid photovoltaic/battery system
Xiao et al. An improved hierarchy and autonomous control for dc microgrid based on both model predictive and distributed droop control

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7292179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150