JP5320144B2 - 太陽電池の最大出力電力追従制御装置 - Google Patents
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Description
ところで、太陽光は雲などの影や地球の自転により光エネルギー量が刻々と変化する。このため、太陽電池が発電しうる最大出力電力は、素子に到達する光エネルギー量に対応して変化する。そこで、従来、その時点で太陽電池が発電できる電力を最大限に負荷に出力できるように制御する最大出力電力追従制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)が知られている。
この「山登り法」とは、ある一定の制御周期で太陽電池出力制御用スイッチング素子のデューティを制御することにより出力を増減させることを言い、ある時点での太陽電池の出力に対して、次の制御周期以降である一定の変化幅でデューティを増減させるものである。
このとき、デューティを常に少しずつ、例えば、正弦波状に増減させて太陽電池の出力電力がどのように変化するかを調べながら、その電力が最大になるように制御している。しかしながら、雲による日陰等、日照の急変により太陽電池の出力が大きく変化した場合、上述したように少しずつ太陽電池の出力電力を変化させて調べていくのでは、太陽電池の出力が最大となる点を探索するまでに無視できないかなりの時間を要する。
太陽電池11の電圧電流特性が図3に示されている。図3に示すグラフによれば、縦軸に出力電流In、横軸に出力電圧Vnが目盛られており、このグラフで示される出力電流Inと出力電圧Vnとを乗算することにより太陽電池11の出力電力Pnを算出することができる。この例によれば、最大出力電力点Pmaxは、破線a、bのようになり、それは、太陽電池11の温度や経年劣化の度合いに応じ、劣化の無い比較的温度の低い状態(破線a)に対して劣化が進み、太陽電池11の温度が上昇すると、破線bの様に、出力が低下する方向(図中、矢印方向)に変化する。
以下、図5のフローチャートを参照しながら、図1に示す本発明の実施例に係る太陽電池を用いた発電設備の最大出力電力追従制御装置10(制御部17)の動作について詳細に説明する。
次に、制御部17は、所定のサンプリング間隔で、電圧検出部12で検出された太陽電池11の出力電圧Vnと、電流検出部13で検出された出力電流Inとを取り込む(ステップS503)。続いて、制御部17は、太陽電池11による出力電力Pnを、出力電圧Vnと出力電流Inとから以下の演算式(1)を用いて算出する(ステップS504)
Pn=Vn×In ・・・(1)
ΔVn=Vn−V(n−1) ・・・(2)
ΔVn’=|ΔVn|−Vh ・・・(3)
なお、ここで定義される電圧閾値Vhは、太陽電池11の出力電圧の変化幅が小さく、記憶部16に予め記憶されるデューティマップを検索しなくても太陽電池11の効率が悪化せず、最大出力電力点の追従が可能な範囲の電圧を使用するものとする。
ここで、ΔVn’>0の場合(ステップS605”YES”)、つまり、ΔVn’が正の場合にはデューティDnを設定し直す必要があるほど電圧変化が大きい場合に相当するため、制御部17は記憶部16を検索し、電圧検出部12で検出した出力電圧Vnに応じたデューティDnを取得する(ステップS509)。そして制御部17は、そのデューティDnをデューティ初期値としてPWMインバータ14に出力し、FETブリッジ43による太陽電池11出力のスイッチング制御を行う(ステップS516)。
ΔPn=Pn−P(n−1) ・・・(4)
ΔPn’=|ΔPn|−Pn ・・・(5)
なお、電力閾値Phは、電力変化量が小さく、デューティを変更しても効率向上に寄与しない範囲の電力値を設定するものとする。
Dn=Dn−1+Δd ・・・(6)
Δd=k×ΔPn ・・・(7)
Dn=Dn−1−Δd ・・・(8)
上述したステツプS502以降の手順は、太陽電池11の最大出力電力追従制御が終了するまでの間(ステップS517”YES”)、つまり、出力電力Pnが最大出力電力Pmaxに到達するまで、繰り返し実行される。なお、この間、PWMインバータ14のFETブリッジ43は、制御部17により出力される新デューティDnに基づき、都度、太陽電池11から供給される電力をスイッチングして負荷15に供給する。
制御部17は、電圧検出部12により検出された太陽電池11の出力電圧に基づき記憶部16から対応するデューティ値を読み出し、太陽電池出力制御用スイッチング素子(PWMインバータ14のFETブリッジ43)のデューティを制御する。このため、本発明の実施例に係る太陽電池を用いた発電設備の最大出力電力追従制御装置10は、検出された太陽電池11の出力電圧に応じた最大出力電力点近傍から最大出力電力追従制御を開始でき、従って、最大出力電力点到達までの所要時間が短縮され、出力効率の向上が図れる。
Claims (4)
- 太陽電池により発電される電力を太陽電池出力用スイッチング素子によりスイッチングして負荷に供給する際に、前記電力の最大出力電力点を追従する、太陽電池の最大出力電力追従制御装置であって、
前記太陽電池の出力電圧を検出する電圧検出部と、
前記出力電圧との関係により予め定義された、前記太陽電池出力制御用スイッチング素子のデューティが記憶される記憶部と、
最大出力電力追従制御開始時、前記電圧検出部により検出された前記出力電圧に基づき、前記記憶部から対応するデューティを読み出し、前記太陽電池出力制御用スイッチング素子のデューティを制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする太陽電池の最大出力電力追従制御装置。 - 前記制御部は、
前記最大出力電力追従制御開始時、
前記電圧検出部により検出される出力電圧Vnと、前回検出された出力電圧V(n−1)との電圧差分ΔVnを算出し、この電圧差分ΔVnの絶対値と、予め定義された電圧閾値Vhとにより算出される電圧閾値差分ΔVn’が正の場合に、前記記憶部から前記デューティDnを読み出し、前記太陽電池出力制御用スイッチング素子を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の最大出力電力追従制御装置。 - 前記太陽電池の出力電流を検出する電流検出部を更に備え、
前記制御部は、
前記電圧閾値差分ΔVn’が正でない場合、前記電圧検出部により検出される出力電圧Vnと前記電流検出部により検出される出力電流Inとにより算出される出力電力Pnと、前回算出された出力電力P(n−1)との出力電力差分ΔPnを算出し、
この出力電力差分ΔPnの絶対値と、予め定義された電力閾値ΔPhとの電力閾値差分ΔPn’を算出し、前記電力閾値差分ΔPn’が正でない場合は、前記太陽電池出力制御用スイッチング素子を制御したデューティDnと同じデューティDnで前記太陽電池出力制御用スイッチング素子を制御し、
前記電力閾値差分ΔPn’が正の場合は、更に前記出力電力差分ΔPnが正か否かを判定し、この出力電力差分ΔPnが正の場合、前回デューティと、デューティ差分Δdを加算して得られる新規デューティDnにより、前記太陽電池出力制御用スイッチング素子を制御し、前記出力電力差分ΔPnが正でない場合は、前記前回デューティから前記デューティ差分Δdを減算して得られる新規デューティDnにより前記太陽電池出力制御用スイッチング素子を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の最大出力電力追従制御装置。 - 前記制御部は、
前記デューティ差分Δdを決定するにあたり、前記出力電力差分ΔPnに、この出力電力差分ΔPnと前記出力電力Pnとにより決まる定数kとを乗じて算出することにより決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池の最大出力電力追従制御装置。
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