JP2004272065A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置において、シート材搬送部で異常が発生した場合、画像形成装置の動作を保証し、且つ通常の使用時に対して装置の生産性,画像品質等の装置性能の劣化を最小限に留める。
【解決手段】シート材搬送部において異常を検出した場合に、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を正常時に対し変更する。たとえば、正常時における転写体の回転に応じて発せられる信号(T11参照)から、転写体の一回転前に発せられる信号(T12参照)に変更する。
【選択図】 図3
【解決手段】シート材搬送部において異常を検出した場合に、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を正常時に対し変更する。たとえば、正常時における転写体の回転に応じて発せられる信号(T11参照)から、転写体の一回転前に発せられる信号(T12参照)に変更する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタなどの画像形成装置に関し、特にそのシート材搬送部で異常が発生した場合の、画像形成部制御およびシート材搬送部制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置においては、シート材搬送部に異常が生じた場合、シート搬送不良などが頻発し、装置は動作を続けることが困難な状況になることが多い。
【0003】
例えばシート材搬送部の搬送経路中のセンサが故障した場合は、センサがシート通過時もシートを検出した状態にならないときはシートの遅延表示によるJam(紙詰まり)が発生し、逆にシートが到達しなくても(存在しなくても)シートを検出した状態となるときは、滞留表示によるJamあるいは電源投入時初期から紙詰まり状態となるいわゆるパワーオンJamが発生する。
【0004】
そしてこの状態はセンサを交換しない限りは続くため、通常はサービスマンによる修理を必要とし、その間装置は停止してしまう。
【0005】
また、たとえばシート搬送部における搬送ローラに、耐久等による劣化が生じたときについては、搬送不良によるシート材の遅延Jamの発生率が徐々に増加する、あるいはシート材の分離不良(重送)が多発するなど、通常の使用に耐えられない状況となり、このときも同様にサービスマンによるローラ交換を必要とし、交換までの間装置はほぼ停止状態となってしまう。
【0006】
この様な状態を回避するために、故障したセンサ出力を上下流のセンサ信号によってダミー出力する手法(特許文献1参照)や、故障したセンサを切り離しシート間隔を良好なセンサ間に一枚だけ存在する様シート間隔を大幅に増やす手法(特許文献2参照)、搬送ローラ劣化時にシート材搬送間隔を徐々に広げていく手法(特許文献3参照)など、異常時においても装置の動作を止めない制御の提案が数多く成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−139214号公報
【特許文献2】
特開2001−240272号公報
【特許文献3】
特開平4−243743号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年急速に普及しつつあるフルカラー画像形成装置においては、白黒の画像形成装置で一般的に行われている、画像転写部に搬送されたシートに合わせて画像を形成するということが難しい。
【0009】
これは、通常M,C,Y,Bkの4色の画像形成を行う必要からシートの搬送よりも前に画像形成を行う必要があること、あるいは4色の色合わせのために、また画像形成のために基準信号(Itop信号)を必要とし、この条件で更にシート位置と画像位置を合わせることは制御上困難であることなどの理由による。
【0010】
このため、シート搬送間隔を搬送ローラの劣化やセンサの故障などによる、搬送経路の状態の都合で勝手に変えるわけにはいかないことが多い。
【0011】
また、画像形成のための基準信号により画像形成(書き込み)およびシート搬送を行う制御であることから、シート搬送間隔だけを勝手に変えるわけにはいかないことも容易に想像がつく問題である。
【0012】
この対策として、シートがレジストローラに到達した後、画像書き込みを開始する手法でシートと画像を合わせる手法も既に提案が成されているが、前述したフルカラー複写機、更には中間転写方式を用いる場合などは、画像の書き込みからシートへの転写までの距離および時間が非常にかかることから、画像位置とシート位置およびその他の制御の精度は良好であるが、生産性が大幅に落ちる問題のみ残ってしまう。
【0013】
次に故障センサを切り離す制御を実施しようとすると、画像形成装置が紙幣搬送装置等とは異なり、搬送経路に配置されるセンサ個数が少ないことなどの理由から、シート間隔が大幅に広がり、生産性の低い装置状態となってしまう。
【0014】
そして、上下流のセンサ信号より故障センサのダミー信号を作成する制御の場合は、ダミー信号の用途にもよるが、信頼性の面で問題が残り、更にはシート搬送部のセンサが故障した場合の画像位置とシート位置を合わせる制御に対して、効果は得られないことが考えられる。
【0015】
本発明はこのような状況のもとでなされたもので、画像形成装置において、搬送経路中のセンサ故障時あるいは搬送ローラの劣化時においても、画像形成装置の動作を保証し、且つ通常の使用時に対して装置の生産性,画像品質等の装置性能の劣化を最小限に留めることを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、画像形成装置を次の(1)のとおりに構成する。
【0017】
(1)画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置において、
前記シート材搬送部で異常を検出しない場合に行う第一の装置制御モードと前記シート材搬送部で異常を検出した場合に行う第二の制御モードでは、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を変更して制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態をフルカラー画像形成装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、装置の形に限らず、実施例の説明に裏付けられて、方法の形で実施することもできる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
図1は実施例1ある“フルカラー画像形成装置”の概略断面図である。本実施例は、図示のように上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する。
【0020】
デジタルカラー画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーCCDセンサ34に集光しカラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は増幅回路(図示しない)を経て、ビデオ処理ユニット(図示しない)で処理を施されデジタルカラー画像プリンタ部に送出される。
【0021】
デジタルカラー画像プリンタ部において、像担持体である感光ドラム1は矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラム1の周りに前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4y,4c,4m,4Bk、ドラム上トナー量検知手段13、転写装置5、クリーニング器6を配置する。
【0022】
レーザ露光光学系3においてリーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示しない)で光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを通って感光ドラム1の面に投影される。
【0023】
プリンタ部画像形成時には感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1を帯電器2により一様に帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、潜像を形成する。
【0024】
次に所定の現像器を動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂と顔料を基体としたトナーの画像を形成する。現像器は偏心カム24y,24c,24m,24Bkの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近するようにしている。
【0025】
さらに感光ドラム1上のトナー画像を記録材カセット7より搬送系および転写装置5を介して感光ドラム1と対向した位置に供給された記録材に転写する。転写装置5は本実施例では転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材を静電吸着させるための吸着帯電器5cと対向する吸着ローラ5g、内側帯電器5d、外側帯電器5eとを有し、回転駆動されるように軸支持された転写ドラム5aの周面開口域には誘電体からなる記録材担持シート5fを円筒状に一体的に張設している。記録材担持シート5fは本実施例の機械ではポリカーボネートフィルム等の誘電体シートを使用している。
【0026】
ドラム状とされる転写装置、すなわち転写ドラム5aを回転させるに従って感光ドラム上のトナー像は転写帯電器5bにより記録材担持シート5fに担持された記録材上に転写する。このように記録材担持シート5fに静電吸着し搬送される記録材には、所望数の色画像が転写され、フルカラー画像を形成する。
【0027】
フルカラー画像形成の場合、このようにして4色のトナー像の転写を終了すると記録材を転写ドラム5aから分離爪8a、分離押し上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用によって分離し、熱ローラ定着器9を介して排紙トレー10に排紙する。
【0028】
他方転写後感光ドラム1は表面の残留トナーをクリーニング器で清掃した後再度画像形成工程に供する。
【0029】
記録材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を記録材が通過後、すぐに搬送パス切換ガイド19を駆動し、記録材を搬送縦パスローラ50を経て反転ローラ51部に一端導いた後停止し、その後反転ローラ51の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、両面搬送経路に導かれる。
【0030】
その後再び前述した画像形成工程に向けて搬送ローラ対53〜56および搬送ローラ40を経て、もう一方の面への画像形成工程に供せられる。
【0031】
また、転写ドラム5aの記録材担持シート5f上のトナーなどの粉体の飛散および付着、記録材上のオイルの付着などを防止するために、ファーブラシ14と記録材担持シート5fを介してファーブラシ14に対向するバックアップブラシ15や、オイル除去ローラ16と記録材担持シート5fを介してオイル除去ローラ16に対向するバックアップブラシ17の作用により清掃を行う。このような清掃は画像形成前もしくは後に行い、またジャム(紙つまり)発生時には随時行う。
【0032】
また本実施例においては、所望のタイミングで偏心カム25を動作させ、転写ドラム5fと一体化しているカムフォロワ5iを作動させることにより、記録材担持シート5aと感光ドラム1とのギャップを任意に設定可能な構成としている。たとえばスタンバイ中または電源オフ時には、転写ドラムと感光ドラムの間隔を離す。
【0033】
転写ドラム内部には画像位置(図示しない)の基準を検知するためのセンサが配置されており、プリントスタート時に転写ドラム5aが感光ドラム1に加圧された際に、回転する感光ドラム1から駆動を受け、転写ドラム5aが回転を始め、その回転がほぼ安定したとき(およそ1/3回転後)に丁度信号を発するような位置に構成されている。
【0034】
そして、この画像位置基準信号(以下Itop信号と記す)は転写ドラムの1回転毎に規則正しく発信され、この信号をもとに、原稿の読み取りおよび記録材の搬送、画像形成など装置全ての動作の制御が行われる。
【0035】
その様子をダイアグラムに記したものが図2である。本ダイアグラムは、LTRサイズの用紙を単色連続モードでプリントする際の動作(正常時の制御)を表す。このとき転写ドラム5a上には用紙は等間隔に2枚貼られる2枚貼りモードとなる。
【0036】
まず、前述のように転写ドラム5aが感光ドラム1に加圧され、Itop信号が発信される。
【0037】
次に時間T1後に最下段カセット73から給紙が始まる。なお、それより上側のカセットからの給紙の場合は、搬送距離と搬送速度からT1に変わる時間(T1より大)を設定すれば良い。
【0038】
紙搬送とは別に、エンジン側においてもItop信号によって原稿の読み込みを行い、T01時間後に感光ドラム1に対して潜像を行う様、時間が設定される。そしてこの潜像に合わせて現像器が加圧され現像を行い、画像転写位置で用紙上に画像が転写される。
【0039】
同様に同じ信号を基に、転写ドラム5a上の2枚目の用紙に対しても、給紙までの時間T2と潜像開始までの時間T02を設定することで、転写位置で用紙と画像が合うように制御される。
【0040】
この様な制御の特徴としては、転写位置で画像と用紙が合うような目標時間をItop信号より設定し、その時間に向けて画像書き込みタイミングと用紙搬送制御を行うということである。
【0041】
これにより、転写体上で用紙と画像を合わせるというエンジンの構成上、転写体から安定して周期的に発せられる信号を利用するという点で、制御精度の面で優れているという利点があり、また転写ドラムの構成上用紙を吸着できない部分が有る場合など、用紙の吸着位置を指定できるという利点も有る。
【0042】
更に4色画像形成については、転写ドラム上に用紙が吸着していることから、その転写体基準で画像形成を行うと言うことは、色合わせの面で最も適していると言うことも容易に想像がつくであろう。
【0043】
また本実施例とは構成は異なるが、中間転写ベルトに感光ドラムより画像を4色重ね合わせ、その後用紙に一括転写する構成のプリンタエンジンに対しても、転写体上に用紙が有るか、直に画像を転写するかの違いだけで、同様に転写体より発せられるItop信号を基準に制御を行う構成が最も一般的で好ましい構成である。
【0044】
このItop信号を基準に用紙の搬送を行うわけであるが、決められた時間に用紙が間に合わないと遅延Jamとなる制御で有るため、たとえば用紙の搬送ローラが劣化する、用紙の位置検出ができないという状態で装置の動作を続けようとすると、用紙位置が不安定となる、遅れるなどの問題が生じ易い構成でも有る。
【0045】
また転写ドラムの周長も、同じ速度で高いの生産効率が得られるよう、2枚貼り制御時の紙間距離を短く設定することが多く、本実施例のプリンタにおいても約60mmという短い値となっている。
【0046】
この点についても、用紙位置が不安定になる、遅れるなどの場合には対応が難しい条件となっている。
【0047】
さて、ここで本発明特有の構成である、搬送経路異常時の代替制御について説明を行う。
【0048】
まずは異常状態の検出手法について簡単に説明する。手法は従来より数多く提案されているものと同様である。
【0049】
まず、搬送ローラの劣化の検出に付いては、給紙のリトライ回数,センサ間の通過時間,Jam発生頻度による推測などによる情報をあわせて劣化を推測し、あるポイントより劣化状態と判断する構成としている。
【0050】
次にセンサの故障検出手法についてであるが、電源投入時のパワーオンJamの頻度,状況およびセンサが検出しないことによって生じる遅延Jam等から推測し、最終的に試し用紙を搬送しセンサ信号を確認するセンサ故障検出モードを用いることで検出する構成としている。
【0051】
これらの構成により、ローラ劣化あるいはセンサ故障が検出された時には、サービスコールを自動的に発するとともに、前に述べたように用紙搬送および用紙位置精度に問題が生じることから、通常とは異なる第二の装置制御モードに移行する。
【0052】
この第二の装置制御モードについて説明する。
【0053】
前に述べたとおり、搬送経路異常時には用紙の位置精度に対する問題と、用紙の遅延に対する問題が有った。
【0054】
このため、本実施例においては、紙搬送制御については、通常用いるItop信号ではなく、その転写体一回転前に発せられるItop信号を基準に切り替える。
【0055】
この切り替えた紙搬送制御を表すダイアグラムを図3に示す。
【0056】
図3よりまず一枚目の給紙開始タイミングT11は通常時と同じ設定では有るが、搬送経路の状態により搬送速度を低下させている。
【0057】
逆にいうと、T11に拘らず、用紙の搬送速度により、レジストローラまでの到着時間がわかるが、この時間に若干の余裕分さえあれば、そこから逆算してItop信号(一個前)より給紙開始までの時間を設定してもかまわない。
【0058】
次に2枚目の用紙搬送開始タイミングについてであるが、前の紙との間隔が特に用紙位置ズレの大きい給紙開始部近傍などで、狭くならない様に間隔をあけることが望ましい。
【0059】
本実施例においては、レジストローラ部で用紙が重ならない範囲で最大限各ポイントで用紙間隔が開くように設定されており、このため次の用紙搬送開始は図3中のT12後となる。
【0060】
図4に通常の搬送制御と、代替制御を重ねたものを示す。
【0061】
これにより明らかであるが、双方の制御で用いるItop信号が一回転分(図で1つ分)ずれていることが分かり、以上合わせて、通常より一回転前のItop信号を基準に用いていることがわかるであろう。
【0062】
この制御によりまず用紙のピックアップおよび搬送が一番不安定である分離部において用紙間隔をaで示すように非常に広く設定できていることが改めて分かる。
【0063】
またレジストローラ近傍部においては用紙間隔はbで示される様に狭まる。これについては、搬送ローラ劣化時については劣化するローラが給紙部である場合が殆どであることから、搬送制御は可能である。
【0064】
またセンサ故障の場合については、この用紙間が接近する範囲のセンサである場合は搬送制御が困難であるが、それ以外のセンサの場合は用紙間が広い範囲なので搬送制御は可能である。
【0065】
これにより、用紙は転写体に1枚のみ吸着搬送される一枚貼りモードとすれば良い。つまりセンサの故障位置によってこの部分は制御を切り替えればよい。
【0066】
また3枚目の用紙搬送を考えた場合については、単色時であれば同様にaの紙間を確保するために間隔をあけた状態で用紙搬送を開始すれば良いことになる(図5(a)参照)。
【0067】
またフルカラーモード時は一つ前のItop信号を用いること、つまり通常時より早く給紙開始をすることで、生産性の劣化なく装置動作が可能であることが図より容易に分かるであろう(図5(b)参照)。
【0068】
次に画像形成制御についてであるが、これは通常時と全く同じタイミングで制御すればよく、図3,図4に示される通りである。
【0069】
以上の制御を通常の制御に対する生産性についてまとめると、レジストローラ近傍部のセンサ故障時を除いて、単色モード時は通常時の1/2,フルカラーモード時は通常時と同等の値となり、生産性を殆ど損なわずに代替制御が可能であることが分かるであろう。
【0070】
またレジストローラ近傍部のセンサ故障時は、図3のbの紙間を避ける必要が有るので、2枚貼り制御は不可能となる(図5(c)参照)。
【0071】
これにより、2枚貼りモード(スモールサイズ紙)時のみ前述の代替制御の更に生産性は約2/3程度となるが、フルカラーモード時の場合はスモールサイズ紙で通常モード時に対して1/2,ラージサイズ紙においては通常制御と同等と言う結果となり、やはり生産性の劣化が極力少ない状態で代替制御が行えると言えるであろう。
【0072】
つまりItop制御の利点を生かしたまま、給紙制御の基準信号を通常時と変えるだけで、最小限の生産性の低下で、搬送系の異常時の代替制御を行うことができるわけである。
【0073】
以上説明したように、本実施例によれば、装置のシート搬送経路の異常時に、サービスマンが来るまでの間、画像形成装置を安定した状態で生産性や画像品質など、装置性能を大きく劣化させることなく動作させることが可能となる。
【0074】
(実施例2)
図6は、実施例2である“フルカラー画像形成装置”の構成を示す断面図である。
【0075】
本実施例は、図示のように、上部にデジタルカラー画像リーダ部およびトナー収納部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する、4ドラムおよび中間転写構成を有する画像形成装置である。
【0076】
デジタルカラー画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーCCDセンサ34に集光しカラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は増幅回路(図示しない)を経て、ビデオ処理ユニット(図示しない)で処理を施され画像メモリ(図示しない)を介してプリンタ部に送出される。
【0077】
デジタルカラー画像プリンタ部においては、作像部は図中右よりイエロー(y),マゼンタ(m),シアン(c),ブラック(Bk)の各色の画像形成部(作像ステーション)に分けられている。
【0078】
像担持体である各ステーション毎の4つの感光ドラム1y,1m,1c,1Bk、は図中の矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラムの周りには前露光ランプ,コロナ帯電器2y,2m,2c,2Bk、レーザ露光光学系(スキャナユニット)3y,3m,3c,3Bk、電位センサ、それぞれの色毎の現像器24y,24m,24c,24Bk、ドラム上光量検知手段、転写装置、クリーニング器6y,6m,6c,6Bk、を配置する。
【0079】
レーザ露光光学系においてデジタルカラー画像リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示しない)で各色毎(各ステーション毎)の光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光がポリゴンミラーで反射され、レンズおよび折り返しミラーを通ってそれぞれの感光ドラムの面に投影される。
【0080】
プリンタ部画像形成時には感光ドラムを矢印方向に回転させ、前露光ランプで除電した後の感光ドラムを帯電器により一様に帯電させて、各分解色毎に光像Eを照射し、潜像を形成する。
【0081】
次に現像器を動作させて、感光ドラム上の潜像を現像し、感光ドラム上に樹脂と顔料を基体としたトナーの画像を形成する。
【0082】
現像器内のトナーはデジタルカラー画像リーダ部右側に配置された各色毎のトナー収納部(ホッパー)4y,4m,4c,4Bk,から現像器内のトナー比率(あるいはトナー量)を一定に保つ様に所望のタイミングで随時補給される。
【0083】
感光ドラム上に形成されたトナー像は、各ステーションの転写部において中間転写ベルト5に転写され、そしてこの中間転写ベルト5上で各ステーションにおいて形成された、ドラム上のトナー像が4色全て重ねられる。
【0084】
中間転写ベルト5は駆動ローラ5aによって駆動され、また駆動ローラ5aの対向位置には、各ステーション毎の画像の位置ズレおよび濃度の検知を行うセンサ50が配置されており、随時各画像形成部に画像濃度,トナー補給量,画像書き込みタイミング、および画像書き込み開始位置等に対してフィードバックする制御を行っている。
【0085】
一方記録材は各収納部71,72,73から各々の給紙手段81,82,83によって1枚ずつ搬送され、レジストローラ91で斜行を補正し、所望のタイミングで中間転写ベルト5上のトナー像を記録材に転写する2次転写部5bに搬送される。
【0086】
2次転写部5bで記録材上にトナー像が転写され、記録材は搬送部60,61を通り、熱ローラ定着器9でトナー像を定着され、排紙トレー10に排紙される。
【0087】
他方、2次転写後の中間転写ベルト5は、転写残トナーを転写クリーナ部14でクリーニングし、再び各画像形成部(各ステーション)の一次転写工程に供する。
【0088】
また、記録材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を記録材が通過後、すぐに搬送パス切換ガイド19を駆動し、記録材を搬送縦パス21aを経て反転パス21bに一旦導いた後、反転ローラ51の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、両面搬送パス21cへと送られる。
【0089】
その後、両面搬送ローラ52〜54を通過し両面搬送ローラ55で斜行補正とタイミング取りを行い、所望のタイミングでレジストローラ91へと搬送され、再び前述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を転写する。
【0090】
ここで本実施例のデジタルカラー画像プリンタ部の給紙制御を簡単に説明する。
【0091】
本実施例のデジタルカラー画像プリンタ部においては、給紙開始時の用紙の位置ズレおよび分離時の搬送速度が不安定なことによる位置ズレを、用紙を一度停止させタイミング補正をした後に、レジストローラ91に向けて再度搬送する制御(以下プレレジ制御)により補正する。
【0092】
このプレレジ制御を表すダイアグラムを図7に示す。
【0093】
図7より分かるように、用紙をただ搬送させる右側のプレレジ制御未実施の場合に対して、縦パスセンサで用紙検出後用紙を停止させ、給紙開始から所定時間ta後に再スタートさせる場合の方が、用紙の位置ズレは少ないことが分かる(t3‐t2)。
【0094】
この様に一度用紙位置のズレを補正することで、各々の給紙および搬送タイミングにおける用紙位置を安定させ、用紙位置と画像位置を合わせ易く工夫されている。
【0095】
次に本実施例のデジタルカラー画像プリンタ部における画像形成部の画像形成制御に関して説明する。
【0096】
本実施例の画像形成装置は、タンデム型、つまり転写体である中間転写ベルトを複数回数回転させて画像形成を行う必要が無いことから、転写体にItop信号を発する機能を持たせる必要性があまりなく、本実施例においては第一画像形成部であるBkのステーションの露光開始タイミングをItop信号の代わりに用いる構成としている。
【0097】
そして続くC,M,Yの画像形成部も画像形成速度と距離から算出されたタイミングで画像形成動作を行う様に制御される。
【0098】
これにより、第一ステーションの画像が用紙への画像転写部に到達するタイミングを目指して用紙搬送を行う構成となっている。
【0099】
この様な制御を行う条件の下、実施例1と同じく用紙搬送経路の異常を検出した場合は、次に示すような制御に切り替わる。
【0100】
まず、実施例1の場合と異なり、画像形成開始信号をItop信号としていることから前のItop信号を用いて紙搬送制御を行うという制御は行えないことが分かる。よって、画像開始信号より先に用紙の搬送を開始する必要が生じる。
【0101】
しかしながらこの時、用紙位置が安定しないタイミングとしてしまうと、画像転写部において用紙と画像位置が合わずに画像不良の問題が生じてしまう。
【0102】
そこで、プレレジ制御と合わせることで用紙位置の安定するポイントあるいは動作基準を画像形成開始信号とすることで画像位置と用紙位置を合わせる制御を行う。
【0103】
具体的には、図7でも分かるとおり、プレレジ再スタートポイント(ta)後用紙位置は安定しており、またこのプレレジ再スタートポイント(ta)が制御上存在することで、給紙開始ポイント(0)もタイミング的に安定させることができていることになる。
【0104】
よって、このどちらかのタイミングを選択すれば良く、本実施例の場合はプレレジ再スタートポイントとしている。
【0105】
これは、給紙時の用紙位置ズレ補正にかかる時間が、理想ダイアグラムの通りで制御続行可能かどうかという点と、プレレジ制御の基準となる縦パスセンサ故障時に対応ができなくなることによる。
【0106】
つまり、ローラ劣化の度合いによっては時間(ta)が不変ではない可能性があること、縦パスセンサ故障時に更に下流の縦パスセンサを用いてプレレジ制御を行うことなど総合的に考えての選択である。
【0107】
この制御により、プレレジ再スタート後の用紙搬送の位置ズレ発生は基本的に非常に小さいことも利用して、画像位置と用紙位置を合わせているわけである。
【0108】
図8(a)に通常モードの制御、図8(b)に代替制御時のダイアグラムおよび画像形成タイミングを記載するが、この図よりも前述の説明が明らかなのは分かるであろう。
【0109】
この様な代替制御によって、まずローラが劣化した場合については説明したとおり、プレレジの再スタートポイントを画像書き込み基準とすることで、最も紙位置のズレの大きい、繰り出し,分離部で生じた位置ズレを補正した後に画像形成タイミングを形成できるため、画像位置と紙位置を正確に合わせることが容易となる。
【0110】
また、搬送経路中のセンサが故障した場合についても、正確に動作するセンサまで用紙を搬送し、その信号を基にプレレジ制御をすれば、故障したセンサの位置にかからず画像位置と紙位置を正確に合わせることが可能となる。
【0111】
また、プレレジ再スタートポイントから画像転写位置までの距離と、画像形成部の第一ステーションの書き込みから画像転写位置までの距離によって、画像形成速度を一定に保ち、搬送距離が長い場合は画像形成速度よりも早い搬送速度、距離が短い場合は遅い搬送速度として位置を合わせ易くしても良いし、正常に動作するセンサを用いて再度タイミングを取り直す制御をしても、もちろん構わない。
【0112】
また、このときの生産性についても、プレレジ再スタート位置は装置内で分かるので、それと用紙長さと合わせて、給紙タイミングを設定すればよい。
【0113】
通常この用紙が重ならない安全な距離は50mm程度で制御しており、これとプレレジポイントでの停止による距離の減少分が代替制御時の紙間となる。
【0114】
この値は多くともスモールサイズの用紙長さよりも相当短い値となり、それより通常制御の状態に比べても生産性の低下は小さいことが容易に想像できる。
【0115】
以上説明した様に、本実施例によれば、画像形成開始の基準を第一ステーションの露光あるいはその露光開始信号から、用紙の搬送タイミング中の安定するポイントに変えることで、搬送経路の異常時においても安定して、且つ生産性を大きく損なわない状態で、装置の動作を続けられることができるわけである。
【0116】
このようにして、装置のシート搬送経路の異常時に、サービスマンが来るまでの間、画像形成装置を安定した状態で生産性や画像品質など、装置性能を大きく劣化させることなく動作させることが可能となる。
【0117】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0118】
〔実施態様1〕画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置において、
前記シート材搬送部で異常を検出しない場合に行う第一の装置制御モードと前記シート材搬送部で異常を検出した場合に行う第二の制御モードでは、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を変更して制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0119】
〔実施態様2〕実施態様1に記載の画像形成装置において、
前記シート材搬送部の異常は、シート材搬送経路中に複数配置されたシート材検出部の故障、シート材搬送部の搬送速度の低下、シート材の繰り出しおよび搬送能力の低下のいずれかの状態であることを特徴とする画像形成装置。
【0120】
〔実施態様3〕実施態様1または2に記載の画像形成装置において、
前記第一の装置制御モードにおける、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号は、画像形成装置内の転写部、像担持体部、画像書き込み部、画像読み取り部のいずれかから発せられる信号であることを特徴と画像形成装置。
【0121】
〔実施態様4〕実施態様1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第一の装置制御モードにおける、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号は、周期的に電気的に発せられる信号であることを特徴とする画像形成装置。
【0122】
〔実施態様5〕実施態様1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第二の制御モードにおける、シート材搬送制御のための基準信号は、転写体の一回転前に発せられる信号であることを特徴とする画像形成装置。
【0123】
〔実施態様6〕実施態様1または2に記載の画像形成装置において、
前記第二の装置制御モードにおける、画像形成制御のための基準信号は、シート材の動作タイミングであることを特徴とする画像形成装置。
【0124】
〔実施態様7〕実施態様6に記載の画像形成装置において、
シート材の動作タイミングは、シート材収納部よりシートを繰り出し、分離後に検出部で検出後一定時間後に搬送を停止し、繰り出し開始から一定時間後に再搬送を行う制御における、シートの繰り出し開始タイミング、あるいは再搬送タイミングであることを特徴とする画像形成装置。
【0125】
〔実施態様8〕画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置における画像形成方法であって、
前記シート材搬送部における異常を検出する異常検出ステップと、
前記異常検出ステップで異常を検出した場合に、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を正常時に対し変更する基準信号変更ステップと、を備えたことを特徴とする画像形成方法。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート搬送経路中のセンサの故障による装置の停止またはJamの多発、あるいは搬送ローラの劣化によるJamの多発などを生じさせずに、装置の動作を保証しそのまま動作を続けることが可能となる。
【0127】
また、前述の搬送経路中の異常時に、通常時の画像形成およびシート搬送の制御基準とは別の、異常時に最も適した制御基準を新たに設定することで、従来の異常時の制御に対して、画像形成およびシート搬送、更に画像位置とシート位置の整合などの精度を非常に良くすることが可能となる。
【0128】
更には、画像形成部で発せられる基準信号(Itop信号)を基に制御を行う画像形成装置に対しても、代替制御を精度良く実施することが可能となり、非常に汎用性の高い、シート搬送経路異常時の代替制御方式を提供することが可能となる。
【0129】
すなわち、装置のシート搬送経路の異常時に、サービスマンが来るまでの間、画像形成装置を安定した状態で生産性や画像品質など、装置性能を大きく劣化させることなく動作させることが可能な画像形成装置を提供できることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の構成を示す断面図
【図2】搬送部正常時の制御を表すダイアグラム
【図3】搬送部異常時の代替制御を表すダイアグラム(その1)
【図4】搬送部異常時の代替制御を表すダイアグラム(その2)
【図5】代替制御を表すダイアグラム
【図6】実施例2の構成を示す断面図
【図7】プレレジ制御を表すダイアグラム
【図8】通常制御と代替制御を表すダイアグラム
【符号の説明】
1 感光ドラム
5 転写装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタなどの画像形成装置に関し、特にそのシート材搬送部で異常が発生した場合の、画像形成部制御およびシート材搬送部制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置においては、シート材搬送部に異常が生じた場合、シート搬送不良などが頻発し、装置は動作を続けることが困難な状況になることが多い。
【0003】
例えばシート材搬送部の搬送経路中のセンサが故障した場合は、センサがシート通過時もシートを検出した状態にならないときはシートの遅延表示によるJam(紙詰まり)が発生し、逆にシートが到達しなくても(存在しなくても)シートを検出した状態となるときは、滞留表示によるJamあるいは電源投入時初期から紙詰まり状態となるいわゆるパワーオンJamが発生する。
【0004】
そしてこの状態はセンサを交換しない限りは続くため、通常はサービスマンによる修理を必要とし、その間装置は停止してしまう。
【0005】
また、たとえばシート搬送部における搬送ローラに、耐久等による劣化が生じたときについては、搬送不良によるシート材の遅延Jamの発生率が徐々に増加する、あるいはシート材の分離不良(重送)が多発するなど、通常の使用に耐えられない状況となり、このときも同様にサービスマンによるローラ交換を必要とし、交換までの間装置はほぼ停止状態となってしまう。
【0006】
この様な状態を回避するために、故障したセンサ出力を上下流のセンサ信号によってダミー出力する手法(特許文献1参照)や、故障したセンサを切り離しシート間隔を良好なセンサ間に一枚だけ存在する様シート間隔を大幅に増やす手法(特許文献2参照)、搬送ローラ劣化時にシート材搬送間隔を徐々に広げていく手法(特許文献3参照)など、異常時においても装置の動作を止めない制御の提案が数多く成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−139214号公報
【特許文献2】
特開2001−240272号公報
【特許文献3】
特開平4−243743号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年急速に普及しつつあるフルカラー画像形成装置においては、白黒の画像形成装置で一般的に行われている、画像転写部に搬送されたシートに合わせて画像を形成するということが難しい。
【0009】
これは、通常M,C,Y,Bkの4色の画像形成を行う必要からシートの搬送よりも前に画像形成を行う必要があること、あるいは4色の色合わせのために、また画像形成のために基準信号(Itop信号)を必要とし、この条件で更にシート位置と画像位置を合わせることは制御上困難であることなどの理由による。
【0010】
このため、シート搬送間隔を搬送ローラの劣化やセンサの故障などによる、搬送経路の状態の都合で勝手に変えるわけにはいかないことが多い。
【0011】
また、画像形成のための基準信号により画像形成(書き込み)およびシート搬送を行う制御であることから、シート搬送間隔だけを勝手に変えるわけにはいかないことも容易に想像がつく問題である。
【0012】
この対策として、シートがレジストローラに到達した後、画像書き込みを開始する手法でシートと画像を合わせる手法も既に提案が成されているが、前述したフルカラー複写機、更には中間転写方式を用いる場合などは、画像の書き込みからシートへの転写までの距離および時間が非常にかかることから、画像位置とシート位置およびその他の制御の精度は良好であるが、生産性が大幅に落ちる問題のみ残ってしまう。
【0013】
次に故障センサを切り離す制御を実施しようとすると、画像形成装置が紙幣搬送装置等とは異なり、搬送経路に配置されるセンサ個数が少ないことなどの理由から、シート間隔が大幅に広がり、生産性の低い装置状態となってしまう。
【0014】
そして、上下流のセンサ信号より故障センサのダミー信号を作成する制御の場合は、ダミー信号の用途にもよるが、信頼性の面で問題が残り、更にはシート搬送部のセンサが故障した場合の画像位置とシート位置を合わせる制御に対して、効果は得られないことが考えられる。
【0015】
本発明はこのような状況のもとでなされたもので、画像形成装置において、搬送経路中のセンサ故障時あるいは搬送ローラの劣化時においても、画像形成装置の動作を保証し、且つ通常の使用時に対して装置の生産性,画像品質等の装置性能の劣化を最小限に留めることを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、画像形成装置を次の(1)のとおりに構成する。
【0017】
(1)画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置において、
前記シート材搬送部で異常を検出しない場合に行う第一の装置制御モードと前記シート材搬送部で異常を検出した場合に行う第二の制御モードでは、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を変更して制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態をフルカラー画像形成装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、装置の形に限らず、実施例の説明に裏付けられて、方法の形で実施することもできる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
図1は実施例1ある“フルカラー画像形成装置”の概略断面図である。本実施例は、図示のように上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する。
【0020】
デジタルカラー画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーCCDセンサ34に集光しカラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は増幅回路(図示しない)を経て、ビデオ処理ユニット(図示しない)で処理を施されデジタルカラー画像プリンタ部に送出される。
【0021】
デジタルカラー画像プリンタ部において、像担持体である感光ドラム1は矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラム1の周りに前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4y,4c,4m,4Bk、ドラム上トナー量検知手段13、転写装置5、クリーニング器6を配置する。
【0022】
レーザ露光光学系3においてリーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示しない)で光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを通って感光ドラム1の面に投影される。
【0023】
プリンタ部画像形成時には感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1を帯電器2により一様に帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、潜像を形成する。
【0024】
次に所定の現像器を動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂と顔料を基体としたトナーの画像を形成する。現像器は偏心カム24y,24c,24m,24Bkの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近するようにしている。
【0025】
さらに感光ドラム1上のトナー画像を記録材カセット7より搬送系および転写装置5を介して感光ドラム1と対向した位置に供給された記録材に転写する。転写装置5は本実施例では転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材を静電吸着させるための吸着帯電器5cと対向する吸着ローラ5g、内側帯電器5d、外側帯電器5eとを有し、回転駆動されるように軸支持された転写ドラム5aの周面開口域には誘電体からなる記録材担持シート5fを円筒状に一体的に張設している。記録材担持シート5fは本実施例の機械ではポリカーボネートフィルム等の誘電体シートを使用している。
【0026】
ドラム状とされる転写装置、すなわち転写ドラム5aを回転させるに従って感光ドラム上のトナー像は転写帯電器5bにより記録材担持シート5fに担持された記録材上に転写する。このように記録材担持シート5fに静電吸着し搬送される記録材には、所望数の色画像が転写され、フルカラー画像を形成する。
【0027】
フルカラー画像形成の場合、このようにして4色のトナー像の転写を終了すると記録材を転写ドラム5aから分離爪8a、分離押し上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用によって分離し、熱ローラ定着器9を介して排紙トレー10に排紙する。
【0028】
他方転写後感光ドラム1は表面の残留トナーをクリーニング器で清掃した後再度画像形成工程に供する。
【0029】
記録材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を記録材が通過後、すぐに搬送パス切換ガイド19を駆動し、記録材を搬送縦パスローラ50を経て反転ローラ51部に一端導いた後停止し、その後反転ローラ51の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、両面搬送経路に導かれる。
【0030】
その後再び前述した画像形成工程に向けて搬送ローラ対53〜56および搬送ローラ40を経て、もう一方の面への画像形成工程に供せられる。
【0031】
また、転写ドラム5aの記録材担持シート5f上のトナーなどの粉体の飛散および付着、記録材上のオイルの付着などを防止するために、ファーブラシ14と記録材担持シート5fを介してファーブラシ14に対向するバックアップブラシ15や、オイル除去ローラ16と記録材担持シート5fを介してオイル除去ローラ16に対向するバックアップブラシ17の作用により清掃を行う。このような清掃は画像形成前もしくは後に行い、またジャム(紙つまり)発生時には随時行う。
【0032】
また本実施例においては、所望のタイミングで偏心カム25を動作させ、転写ドラム5fと一体化しているカムフォロワ5iを作動させることにより、記録材担持シート5aと感光ドラム1とのギャップを任意に設定可能な構成としている。たとえばスタンバイ中または電源オフ時には、転写ドラムと感光ドラムの間隔を離す。
【0033】
転写ドラム内部には画像位置(図示しない)の基準を検知するためのセンサが配置されており、プリントスタート時に転写ドラム5aが感光ドラム1に加圧された際に、回転する感光ドラム1から駆動を受け、転写ドラム5aが回転を始め、その回転がほぼ安定したとき(およそ1/3回転後)に丁度信号を発するような位置に構成されている。
【0034】
そして、この画像位置基準信号(以下Itop信号と記す)は転写ドラムの1回転毎に規則正しく発信され、この信号をもとに、原稿の読み取りおよび記録材の搬送、画像形成など装置全ての動作の制御が行われる。
【0035】
その様子をダイアグラムに記したものが図2である。本ダイアグラムは、LTRサイズの用紙を単色連続モードでプリントする際の動作(正常時の制御)を表す。このとき転写ドラム5a上には用紙は等間隔に2枚貼られる2枚貼りモードとなる。
【0036】
まず、前述のように転写ドラム5aが感光ドラム1に加圧され、Itop信号が発信される。
【0037】
次に時間T1後に最下段カセット73から給紙が始まる。なお、それより上側のカセットからの給紙の場合は、搬送距離と搬送速度からT1に変わる時間(T1より大)を設定すれば良い。
【0038】
紙搬送とは別に、エンジン側においてもItop信号によって原稿の読み込みを行い、T01時間後に感光ドラム1に対して潜像を行う様、時間が設定される。そしてこの潜像に合わせて現像器が加圧され現像を行い、画像転写位置で用紙上に画像が転写される。
【0039】
同様に同じ信号を基に、転写ドラム5a上の2枚目の用紙に対しても、給紙までの時間T2と潜像開始までの時間T02を設定することで、転写位置で用紙と画像が合うように制御される。
【0040】
この様な制御の特徴としては、転写位置で画像と用紙が合うような目標時間をItop信号より設定し、その時間に向けて画像書き込みタイミングと用紙搬送制御を行うということである。
【0041】
これにより、転写体上で用紙と画像を合わせるというエンジンの構成上、転写体から安定して周期的に発せられる信号を利用するという点で、制御精度の面で優れているという利点があり、また転写ドラムの構成上用紙を吸着できない部分が有る場合など、用紙の吸着位置を指定できるという利点も有る。
【0042】
更に4色画像形成については、転写ドラム上に用紙が吸着していることから、その転写体基準で画像形成を行うと言うことは、色合わせの面で最も適していると言うことも容易に想像がつくであろう。
【0043】
また本実施例とは構成は異なるが、中間転写ベルトに感光ドラムより画像を4色重ね合わせ、その後用紙に一括転写する構成のプリンタエンジンに対しても、転写体上に用紙が有るか、直に画像を転写するかの違いだけで、同様に転写体より発せられるItop信号を基準に制御を行う構成が最も一般的で好ましい構成である。
【0044】
このItop信号を基準に用紙の搬送を行うわけであるが、決められた時間に用紙が間に合わないと遅延Jamとなる制御で有るため、たとえば用紙の搬送ローラが劣化する、用紙の位置検出ができないという状態で装置の動作を続けようとすると、用紙位置が不安定となる、遅れるなどの問題が生じ易い構成でも有る。
【0045】
また転写ドラムの周長も、同じ速度で高いの生産効率が得られるよう、2枚貼り制御時の紙間距離を短く設定することが多く、本実施例のプリンタにおいても約60mmという短い値となっている。
【0046】
この点についても、用紙位置が不安定になる、遅れるなどの場合には対応が難しい条件となっている。
【0047】
さて、ここで本発明特有の構成である、搬送経路異常時の代替制御について説明を行う。
【0048】
まずは異常状態の検出手法について簡単に説明する。手法は従来より数多く提案されているものと同様である。
【0049】
まず、搬送ローラの劣化の検出に付いては、給紙のリトライ回数,センサ間の通過時間,Jam発生頻度による推測などによる情報をあわせて劣化を推測し、あるポイントより劣化状態と判断する構成としている。
【0050】
次にセンサの故障検出手法についてであるが、電源投入時のパワーオンJamの頻度,状況およびセンサが検出しないことによって生じる遅延Jam等から推測し、最終的に試し用紙を搬送しセンサ信号を確認するセンサ故障検出モードを用いることで検出する構成としている。
【0051】
これらの構成により、ローラ劣化あるいはセンサ故障が検出された時には、サービスコールを自動的に発するとともに、前に述べたように用紙搬送および用紙位置精度に問題が生じることから、通常とは異なる第二の装置制御モードに移行する。
【0052】
この第二の装置制御モードについて説明する。
【0053】
前に述べたとおり、搬送経路異常時には用紙の位置精度に対する問題と、用紙の遅延に対する問題が有った。
【0054】
このため、本実施例においては、紙搬送制御については、通常用いるItop信号ではなく、その転写体一回転前に発せられるItop信号を基準に切り替える。
【0055】
この切り替えた紙搬送制御を表すダイアグラムを図3に示す。
【0056】
図3よりまず一枚目の給紙開始タイミングT11は通常時と同じ設定では有るが、搬送経路の状態により搬送速度を低下させている。
【0057】
逆にいうと、T11に拘らず、用紙の搬送速度により、レジストローラまでの到着時間がわかるが、この時間に若干の余裕分さえあれば、そこから逆算してItop信号(一個前)より給紙開始までの時間を設定してもかまわない。
【0058】
次に2枚目の用紙搬送開始タイミングについてであるが、前の紙との間隔が特に用紙位置ズレの大きい給紙開始部近傍などで、狭くならない様に間隔をあけることが望ましい。
【0059】
本実施例においては、レジストローラ部で用紙が重ならない範囲で最大限各ポイントで用紙間隔が開くように設定されており、このため次の用紙搬送開始は図3中のT12後となる。
【0060】
図4に通常の搬送制御と、代替制御を重ねたものを示す。
【0061】
これにより明らかであるが、双方の制御で用いるItop信号が一回転分(図で1つ分)ずれていることが分かり、以上合わせて、通常より一回転前のItop信号を基準に用いていることがわかるであろう。
【0062】
この制御によりまず用紙のピックアップおよび搬送が一番不安定である分離部において用紙間隔をaで示すように非常に広く設定できていることが改めて分かる。
【0063】
またレジストローラ近傍部においては用紙間隔はbで示される様に狭まる。これについては、搬送ローラ劣化時については劣化するローラが給紙部である場合が殆どであることから、搬送制御は可能である。
【0064】
またセンサ故障の場合については、この用紙間が接近する範囲のセンサである場合は搬送制御が困難であるが、それ以外のセンサの場合は用紙間が広い範囲なので搬送制御は可能である。
【0065】
これにより、用紙は転写体に1枚のみ吸着搬送される一枚貼りモードとすれば良い。つまりセンサの故障位置によってこの部分は制御を切り替えればよい。
【0066】
また3枚目の用紙搬送を考えた場合については、単色時であれば同様にaの紙間を確保するために間隔をあけた状態で用紙搬送を開始すれば良いことになる(図5(a)参照)。
【0067】
またフルカラーモード時は一つ前のItop信号を用いること、つまり通常時より早く給紙開始をすることで、生産性の劣化なく装置動作が可能であることが図より容易に分かるであろう(図5(b)参照)。
【0068】
次に画像形成制御についてであるが、これは通常時と全く同じタイミングで制御すればよく、図3,図4に示される通りである。
【0069】
以上の制御を通常の制御に対する生産性についてまとめると、レジストローラ近傍部のセンサ故障時を除いて、単色モード時は通常時の1/2,フルカラーモード時は通常時と同等の値となり、生産性を殆ど損なわずに代替制御が可能であることが分かるであろう。
【0070】
またレジストローラ近傍部のセンサ故障時は、図3のbの紙間を避ける必要が有るので、2枚貼り制御は不可能となる(図5(c)参照)。
【0071】
これにより、2枚貼りモード(スモールサイズ紙)時のみ前述の代替制御の更に生産性は約2/3程度となるが、フルカラーモード時の場合はスモールサイズ紙で通常モード時に対して1/2,ラージサイズ紙においては通常制御と同等と言う結果となり、やはり生産性の劣化が極力少ない状態で代替制御が行えると言えるであろう。
【0072】
つまりItop制御の利点を生かしたまま、給紙制御の基準信号を通常時と変えるだけで、最小限の生産性の低下で、搬送系の異常時の代替制御を行うことができるわけである。
【0073】
以上説明したように、本実施例によれば、装置のシート搬送経路の異常時に、サービスマンが来るまでの間、画像形成装置を安定した状態で生産性や画像品質など、装置性能を大きく劣化させることなく動作させることが可能となる。
【0074】
(実施例2)
図6は、実施例2である“フルカラー画像形成装置”の構成を示す断面図である。
【0075】
本実施例は、図示のように、上部にデジタルカラー画像リーダ部およびトナー収納部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する、4ドラムおよび中間転写構成を有する画像形成装置である。
【0076】
デジタルカラー画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーCCDセンサ34に集光しカラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は増幅回路(図示しない)を経て、ビデオ処理ユニット(図示しない)で処理を施され画像メモリ(図示しない)を介してプリンタ部に送出される。
【0077】
デジタルカラー画像プリンタ部においては、作像部は図中右よりイエロー(y),マゼンタ(m),シアン(c),ブラック(Bk)の各色の画像形成部(作像ステーション)に分けられている。
【0078】
像担持体である各ステーション毎の4つの感光ドラム1y,1m,1c,1Bk、は図中の矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラムの周りには前露光ランプ,コロナ帯電器2y,2m,2c,2Bk、レーザ露光光学系(スキャナユニット)3y,3m,3c,3Bk、電位センサ、それぞれの色毎の現像器24y,24m,24c,24Bk、ドラム上光量検知手段、転写装置、クリーニング器6y,6m,6c,6Bk、を配置する。
【0079】
レーザ露光光学系においてデジタルカラー画像リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示しない)で各色毎(各ステーション毎)の光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光がポリゴンミラーで反射され、レンズおよび折り返しミラーを通ってそれぞれの感光ドラムの面に投影される。
【0080】
プリンタ部画像形成時には感光ドラムを矢印方向に回転させ、前露光ランプで除電した後の感光ドラムを帯電器により一様に帯電させて、各分解色毎に光像Eを照射し、潜像を形成する。
【0081】
次に現像器を動作させて、感光ドラム上の潜像を現像し、感光ドラム上に樹脂と顔料を基体としたトナーの画像を形成する。
【0082】
現像器内のトナーはデジタルカラー画像リーダ部右側に配置された各色毎のトナー収納部(ホッパー)4y,4m,4c,4Bk,から現像器内のトナー比率(あるいはトナー量)を一定に保つ様に所望のタイミングで随時補給される。
【0083】
感光ドラム上に形成されたトナー像は、各ステーションの転写部において中間転写ベルト5に転写され、そしてこの中間転写ベルト5上で各ステーションにおいて形成された、ドラム上のトナー像が4色全て重ねられる。
【0084】
中間転写ベルト5は駆動ローラ5aによって駆動され、また駆動ローラ5aの対向位置には、各ステーション毎の画像の位置ズレおよび濃度の検知を行うセンサ50が配置されており、随時各画像形成部に画像濃度,トナー補給量,画像書き込みタイミング、および画像書き込み開始位置等に対してフィードバックする制御を行っている。
【0085】
一方記録材は各収納部71,72,73から各々の給紙手段81,82,83によって1枚ずつ搬送され、レジストローラ91で斜行を補正し、所望のタイミングで中間転写ベルト5上のトナー像を記録材に転写する2次転写部5bに搬送される。
【0086】
2次転写部5bで記録材上にトナー像が転写され、記録材は搬送部60,61を通り、熱ローラ定着器9でトナー像を定着され、排紙トレー10に排紙される。
【0087】
他方、2次転写後の中間転写ベルト5は、転写残トナーを転写クリーナ部14でクリーニングし、再び各画像形成部(各ステーション)の一次転写工程に供する。
【0088】
また、記録材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を記録材が通過後、すぐに搬送パス切換ガイド19を駆動し、記録材を搬送縦パス21aを経て反転パス21bに一旦導いた後、反転ローラ51の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、両面搬送パス21cへと送られる。
【0089】
その後、両面搬送ローラ52〜54を通過し両面搬送ローラ55で斜行補正とタイミング取りを行い、所望のタイミングでレジストローラ91へと搬送され、再び前述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を転写する。
【0090】
ここで本実施例のデジタルカラー画像プリンタ部の給紙制御を簡単に説明する。
【0091】
本実施例のデジタルカラー画像プリンタ部においては、給紙開始時の用紙の位置ズレおよび分離時の搬送速度が不安定なことによる位置ズレを、用紙を一度停止させタイミング補正をした後に、レジストローラ91に向けて再度搬送する制御(以下プレレジ制御)により補正する。
【0092】
このプレレジ制御を表すダイアグラムを図7に示す。
【0093】
図7より分かるように、用紙をただ搬送させる右側のプレレジ制御未実施の場合に対して、縦パスセンサで用紙検出後用紙を停止させ、給紙開始から所定時間ta後に再スタートさせる場合の方が、用紙の位置ズレは少ないことが分かる(t3‐t2)。
【0094】
この様に一度用紙位置のズレを補正することで、各々の給紙および搬送タイミングにおける用紙位置を安定させ、用紙位置と画像位置を合わせ易く工夫されている。
【0095】
次に本実施例のデジタルカラー画像プリンタ部における画像形成部の画像形成制御に関して説明する。
【0096】
本実施例の画像形成装置は、タンデム型、つまり転写体である中間転写ベルトを複数回数回転させて画像形成を行う必要が無いことから、転写体にItop信号を発する機能を持たせる必要性があまりなく、本実施例においては第一画像形成部であるBkのステーションの露光開始タイミングをItop信号の代わりに用いる構成としている。
【0097】
そして続くC,M,Yの画像形成部も画像形成速度と距離から算出されたタイミングで画像形成動作を行う様に制御される。
【0098】
これにより、第一ステーションの画像が用紙への画像転写部に到達するタイミングを目指して用紙搬送を行う構成となっている。
【0099】
この様な制御を行う条件の下、実施例1と同じく用紙搬送経路の異常を検出した場合は、次に示すような制御に切り替わる。
【0100】
まず、実施例1の場合と異なり、画像形成開始信号をItop信号としていることから前のItop信号を用いて紙搬送制御を行うという制御は行えないことが分かる。よって、画像開始信号より先に用紙の搬送を開始する必要が生じる。
【0101】
しかしながらこの時、用紙位置が安定しないタイミングとしてしまうと、画像転写部において用紙と画像位置が合わずに画像不良の問題が生じてしまう。
【0102】
そこで、プレレジ制御と合わせることで用紙位置の安定するポイントあるいは動作基準を画像形成開始信号とすることで画像位置と用紙位置を合わせる制御を行う。
【0103】
具体的には、図7でも分かるとおり、プレレジ再スタートポイント(ta)後用紙位置は安定しており、またこのプレレジ再スタートポイント(ta)が制御上存在することで、給紙開始ポイント(0)もタイミング的に安定させることができていることになる。
【0104】
よって、このどちらかのタイミングを選択すれば良く、本実施例の場合はプレレジ再スタートポイントとしている。
【0105】
これは、給紙時の用紙位置ズレ補正にかかる時間が、理想ダイアグラムの通りで制御続行可能かどうかという点と、プレレジ制御の基準となる縦パスセンサ故障時に対応ができなくなることによる。
【0106】
つまり、ローラ劣化の度合いによっては時間(ta)が不変ではない可能性があること、縦パスセンサ故障時に更に下流の縦パスセンサを用いてプレレジ制御を行うことなど総合的に考えての選択である。
【0107】
この制御により、プレレジ再スタート後の用紙搬送の位置ズレ発生は基本的に非常に小さいことも利用して、画像位置と用紙位置を合わせているわけである。
【0108】
図8(a)に通常モードの制御、図8(b)に代替制御時のダイアグラムおよび画像形成タイミングを記載するが、この図よりも前述の説明が明らかなのは分かるであろう。
【0109】
この様な代替制御によって、まずローラが劣化した場合については説明したとおり、プレレジの再スタートポイントを画像書き込み基準とすることで、最も紙位置のズレの大きい、繰り出し,分離部で生じた位置ズレを補正した後に画像形成タイミングを形成できるため、画像位置と紙位置を正確に合わせることが容易となる。
【0110】
また、搬送経路中のセンサが故障した場合についても、正確に動作するセンサまで用紙を搬送し、その信号を基にプレレジ制御をすれば、故障したセンサの位置にかからず画像位置と紙位置を正確に合わせることが可能となる。
【0111】
また、プレレジ再スタートポイントから画像転写位置までの距離と、画像形成部の第一ステーションの書き込みから画像転写位置までの距離によって、画像形成速度を一定に保ち、搬送距離が長い場合は画像形成速度よりも早い搬送速度、距離が短い場合は遅い搬送速度として位置を合わせ易くしても良いし、正常に動作するセンサを用いて再度タイミングを取り直す制御をしても、もちろん構わない。
【0112】
また、このときの生産性についても、プレレジ再スタート位置は装置内で分かるので、それと用紙長さと合わせて、給紙タイミングを設定すればよい。
【0113】
通常この用紙が重ならない安全な距離は50mm程度で制御しており、これとプレレジポイントでの停止による距離の減少分が代替制御時の紙間となる。
【0114】
この値は多くともスモールサイズの用紙長さよりも相当短い値となり、それより通常制御の状態に比べても生産性の低下は小さいことが容易に想像できる。
【0115】
以上説明した様に、本実施例によれば、画像形成開始の基準を第一ステーションの露光あるいはその露光開始信号から、用紙の搬送タイミング中の安定するポイントに変えることで、搬送経路の異常時においても安定して、且つ生産性を大きく損なわない状態で、装置の動作を続けられることができるわけである。
【0116】
このようにして、装置のシート搬送経路の異常時に、サービスマンが来るまでの間、画像形成装置を安定した状態で生産性や画像品質など、装置性能を大きく劣化させることなく動作させることが可能となる。
【0117】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0118】
〔実施態様1〕画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置において、
前記シート材搬送部で異常を検出しない場合に行う第一の装置制御モードと前記シート材搬送部で異常を検出した場合に行う第二の制御モードでは、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を変更して制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0119】
〔実施態様2〕実施態様1に記載の画像形成装置において、
前記シート材搬送部の異常は、シート材搬送経路中に複数配置されたシート材検出部の故障、シート材搬送部の搬送速度の低下、シート材の繰り出しおよび搬送能力の低下のいずれかの状態であることを特徴とする画像形成装置。
【0120】
〔実施態様3〕実施態様1または2に記載の画像形成装置において、
前記第一の装置制御モードにおける、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号は、画像形成装置内の転写部、像担持体部、画像書き込み部、画像読み取り部のいずれかから発せられる信号であることを特徴と画像形成装置。
【0121】
〔実施態様4〕実施態様1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第一の装置制御モードにおける、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号は、周期的に電気的に発せられる信号であることを特徴とする画像形成装置。
【0122】
〔実施態様5〕実施態様1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第二の制御モードにおける、シート材搬送制御のための基準信号は、転写体の一回転前に発せられる信号であることを特徴とする画像形成装置。
【0123】
〔実施態様6〕実施態様1または2に記載の画像形成装置において、
前記第二の装置制御モードにおける、画像形成制御のための基準信号は、シート材の動作タイミングであることを特徴とする画像形成装置。
【0124】
〔実施態様7〕実施態様6に記載の画像形成装置において、
シート材の動作タイミングは、シート材収納部よりシートを繰り出し、分離後に検出部で検出後一定時間後に搬送を停止し、繰り出し開始から一定時間後に再搬送を行う制御における、シートの繰り出し開始タイミング、あるいは再搬送タイミングであることを特徴とする画像形成装置。
【0125】
〔実施態様8〕画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置における画像形成方法であって、
前記シート材搬送部における異常を検出する異常検出ステップと、
前記異常検出ステップで異常を検出した場合に、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を正常時に対し変更する基準信号変更ステップと、を備えたことを特徴とする画像形成方法。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート搬送経路中のセンサの故障による装置の停止またはJamの多発、あるいは搬送ローラの劣化によるJamの多発などを生じさせずに、装置の動作を保証しそのまま動作を続けることが可能となる。
【0127】
また、前述の搬送経路中の異常時に、通常時の画像形成およびシート搬送の制御基準とは別の、異常時に最も適した制御基準を新たに設定することで、従来の異常時の制御に対して、画像形成およびシート搬送、更に画像位置とシート位置の整合などの精度を非常に良くすることが可能となる。
【0128】
更には、画像形成部で発せられる基準信号(Itop信号)を基に制御を行う画像形成装置に対しても、代替制御を精度良く実施することが可能となり、非常に汎用性の高い、シート搬送経路異常時の代替制御方式を提供することが可能となる。
【0129】
すなわち、装置のシート搬送経路の異常時に、サービスマンが来るまでの間、画像形成装置を安定した状態で生産性や画像品質など、装置性能を大きく劣化させることなく動作させることが可能な画像形成装置を提供できることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の構成を示す断面図
【図2】搬送部正常時の制御を表すダイアグラム
【図3】搬送部異常時の代替制御を表すダイアグラム(その1)
【図4】搬送部異常時の代替制御を表すダイアグラム(その2)
【図5】代替制御を表すダイアグラム
【図6】実施例2の構成を示す断面図
【図7】プレレジ制御を表すダイアグラム
【図8】通常制御と代替制御を表すダイアグラム
【符号の説明】
1 感光ドラム
5 転写装置
Claims (1)
- 画像形成部と、該画像形成部で形成された画像をシート材に転写する画像転写部と、シート材をシート材収納部から前記画像転写部に一枚ずつ搬送するシート材搬送部とを備えた画像形成装置において、
前記シート材搬送部で異常を検出しない場合に行う第一の装置制御モードと前記シート材搬送部で異常を検出した場合に行う第二の制御モードでは、画像形成制御およびまたはシート材搬送制御のための基準信号を変更して制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006263949A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 機器および後処理装置 |
JP2008052257A (ja) * | 2006-07-25 | 2008-03-06 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2010211119A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置及び画像形成方法 |
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- 2003-03-11 JP JP2003064868A patent/JP2004272065A/ja not_active Withdrawn
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