JP4789750B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、装置内部で給紙不良が発生した場合の制御方法に関するものである。
従来の複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、給紙カセットや給紙トレイから給紙機構により搬送された用紙は、画像形成部の上流側のレジストローラ対で一旦停止して斜行を補正された後、画像形成部内の感光体表面におけるトナー像形成に同期したタイミングで再搬送され、転写手段によって感光体表面のトナー像が転写される。その後、用紙は定着装置を通過することによりトナー像が定着された後、装置外部に排出される。
従来の給紙カセット及び給紙機構の構成を図7に示す。給紙カセット16のカセットベース16aにセットされた用紙6は、円錐形の圧縮バネ20によって上向きに付勢された用紙積載板21により、所定の圧力で装置本体側に設けられたピックアップローラ22に押し付けられる。ここで画像形成装置の印刷開始ボタンがオンされると、ピックアップローラ22及び給紙ローラ対13の駆動ローラ13aが図中矢印方向に回転駆動される。
用紙積載板21上にセットされた用紙6は、ピックアップローラ22によって通常上段の1枚或いは複数枚が給紙ローラ対13に送られる。給紙ローラ対13に複数枚の用紙が送られた場合は、停止又は駆動ローラ13aと同方向に回転する分離ローラ13bにより、最上の1枚のみが分離されて用紙搬送路12に向けて搬送される。23は用紙6の後端を揃える後端カーソルであり、用紙搬送方向(左右方向)に移動可能に設けられている。
上述したように、従来の給紙機構においては、ピックアップローラ22を積載された用紙の表面に接触させ、給紙方向に回転させることにより用紙を下流側の給紙ローラ対13に送る方法が一般的である。このとき、ピックアップローラ22の摩耗等により用紙表面との間でスリップが発生すると、給紙開始タイミングにばらつきが生じる。
このような給紙開始タイミングのばらつきは、連続印刷時の用紙間隔(紙間)やレジストローラ対への用紙到達タイミングのばらつきの原因となる。また、近年、環境保護の観点から再生紙が使用されているが、この再生紙は、表面の摩擦係数や裁断面の状態等が通常の用紙に比べ不安定であるため、給紙タイミングの遅れが発生し易くなっている。
連続印刷時にレジストローラ対への用紙到達タイミングが遅れた場合は、レジストローラ対での停止時間が十分に確保できず用紙が斜行(スキュー)したり、用紙の搬送が画像形成部での画像形成タイミングに間に合わず、印刷位置がずれたりするという不具合が発生する。また、用紙到達タイミングが所定時間以上遅れると、レジストローラ対の上流側に配置されたレジストセンサで用紙を検知できずに装置が停止する、いわゆる遅延ジャムが発生する。
そこで、遅延ジャムの発生を防止する方法が提案されており、例えば特許文献1には、レジストローラ対への用紙の到達遅延(以下、単に用紙遅延という)が発生した場合、用紙を待機させて一旦画像形成処理を終了させた後、新たに行われる画像形成に合わせて用紙を再搬送する画像形成装置が開示されている。特許文献1の給紙制御を適用した場合のタイミングチャートを図8に示す。図8(a)は用紙遅延が発生しない場合、図8(b)は用紙遅延が発生した場合をそれぞれ示している。
図8(b)に示すように、レジストセンサへの用紙到達がΔtだけ遅れた場合は、レジストローラを所定時間継続して停止させて用紙を待機させるとともに、ピックアップローラも停止させて次の給紙を中断させておき、所定のタイミングで待機させていた用紙を再搬送する。この方法によれば、レジストローラ対での停止時間を確保して用紙の斜行や印刷ずれ、遅延ジャム等を回避することができる。
しかしながら、特許文献1の方法では、用紙遅延が頻繁に発生した場合、その都度用紙を所定時間待機させる必要があるため、画像処理効率が大幅に低下してユーザの印刷待ち時間が増大するという問題点があった。また、給紙開始と同時に一色目の画像形成を開始するカラープリンタやカラー複写機等のカラー画像形成装置においては、用紙到達タイミングが少しでも遅れた場合は形成途中の画像Iを一旦廃棄し、新たに画像を形成する必要があるため、連続して用紙遅延が発生した場合は図8(b)のように1枚印刷する毎に画像Iが1回廃棄されることとなって無駄なトナーが大量に消費されてしまう。
特開2000−132002号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、用紙遅延が頻繁に発生した場合でも、画像処理効率の低下及び廃棄されるトナー量を最低限に抑制可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、用紙を一枚ずつ給紙する給紙手段と、該給紙手段により給紙された用紙上に所定の画像を形成する画像形成部と、該画像形成部の上流側近傍に配置され、前記画像形成部での画像形成タイミングに合わせて前記給紙手段から給紙された用紙の搬送タイミングを調整するレジストローラ対と、該レジストローラ対の上流側近傍に配置され、用紙が通過したか否かを検知する用紙検知手段と、前記画像形成部及び前記レジストローラ対を含む装置各部の動作を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記用紙検知手段により前記レジストローラ対への用紙の到達遅延が検知された場合、所定時間当たりの印刷枚数を初期値から順次減少させるとともに、印刷枚数を減少させた後に所定枚数連続して到達遅延が発生しなかった場合は所定時間当たりの印刷枚数を初期値まで順次増加させることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記レジストローラ対への用紙の到達遅延の発生回数をカウントする用紙遅延カウント手段を備え、前記制御手段は、前記用紙遅延カウント手段が用紙の到達遅延をカウントした後、所定枚数連続して到達遅延が発生しなかった場合はカウント数を1ずつ減らすとともに、該カウント数に基づいて所定時間当たりの印刷枚数を増減させることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記カウント数が2の倍数になったとき所定時間当たりの印刷枚数を増減させることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記カウント数が所定値を超えたとき装置各部の動作を停止させることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記カウント数が所定値を超えたとき装置の異常を通知する通知手段を設けたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記給紙手段を複数備え、前記用紙遅延カウント手段を前記給紙手段毎に複数設けたことを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、用紙の到達遅延が発生した場合に所定時間当たりの印刷枚数を減少させ、レジストローラ対への用紙到達時間に余裕をもたせて用紙遅延を吸収できるため、レジストローラ対で用紙を待機させておく必要がなくなり画像形成効率の低下を最小限に抑えることができる。また、到達遅延が解消した場合は所定時間当たりの印刷枚数を自動的に初期値まで戻すことにより、印刷枚数を減少する期間を必要最小限に抑えることができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、用紙の到達遅延の発生回数をカウントする用紙遅延カウント手段のカウント数に基づいて所定時間当たりの印刷枚数を増減させることにより、印刷枚数を増減させるカウント数を予め設定しておけば、用紙の到達遅延の発生頻度等に応じた多様な制御を行うことができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の画像形成装置において、用紙遅延カウント手段のカウント数が2の倍数になったとき所定時間当たりの印刷枚数を増減させることにより、印刷速度の低下が不要な突発的な遅延の場合に印刷枚数を減少させることがなくなり、画像形成効率を可能な限り高めることができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2又は第3の構成の画像形成装置において、用紙遅延カウント手段のカウント数が所定値を超えたとき装置各部の動作を停止させることにより、装置に異常が発生して画像形成効率が大幅に低下した状態で画像形成処理を続行するおそれがなくなる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の画像形成装置において、カウント数が所定値を超えたとき装置の異常を通知する通知手段を設けることにより、ユーザは装置の異常を素早く確実に認識することができる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第2乃至第5のいずれかの構成の画像形成装置において、複数の給紙手段それぞれに対応した複数の用紙遅延カウント手段を設けることにより、異なる種類の用紙を給紙する給紙手段毎の印刷速度制御が可能となる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の画像形成装置の構成を示す概略断面図であり、ここではタンデム方式のカラープリンタについて示している。画像形成装置100の本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、転写ベルト8の上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(例えばマゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各画像形成部に隣接して移動する転写ベルト8によって担持・搬送される用紙6上に転写され、さらに、定着部7において用紙6上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び上方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光するLEDヘッド17a、17b、17c及び17dと、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像器3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いでLEDヘッド17a〜17dによって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像器3a〜3dには、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーが補給装置(図示せず)によって所定量充填されている。このトナーは、現像器3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、LEDヘッド17a〜17dからの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
トナー像が転写される用紙6は、装置下部の給紙カセット16内に収容されており、ピックアップローラ22及び給紙ローラ対13により用紙搬送路12へと給紙された後、レジストローラ14を介して転写ベルト8上へ供給され、各感光体ドラム1a〜1dの位置へと搬送される。転写ベルト8にはその両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。ベルトの材質としては、樹脂製のベルトが用いられ、好ましくは表層からフッソ樹脂コーティング、シリコンコート、CRゴム、PVDF樹脂シートが順次積層された多層ゴムベルトが用いられる。
転写ベルト8は、上流側の従動ローラ10aと、下流側の駆動ローラ11とに掛け渡されており、転写ベルト8が反時計回りに回転を開始すると、用紙6がレジストローラ13bから転写ベルト8の最上流側に設けられた吸着ローラ14を介して転写ベルト8上へ搬送される。吸着ローラ14には所定の電圧が印加されており、用紙6を静電吸着力により転写ベルト8上に保持する。
このとき画像書き出し信号がONとなり、所定のタイミングにより最上流の感光体ドラム1a上に画像形成を行う。そして、感光体ドラム1aの下部において、所定の転写電圧が印加された転写ローラ4aで電界付与することにより、感光体ドラム1a上のマゼンタのトナー像が用紙6上に転写される。その後、用紙6は次の画像形成部Pbに搬送され、上記と同様に、今度は感光体ドラム1bによってシアンのトナー像が転写される。
以下、上述と同様の方法により、感光体ドラム1c及び1dによってそれぞれイエロー及びブラックのトナー像が転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために用紙6に対し予め定められた所定の位置関係をもって形成される。4b、4c及び4dは感光体ドラム1b〜1dの下部に位置する転写ローラである。4色のトナー像が転写された用紙6は、転写ベルト8から離脱し、定着部7へと搬送される。また、トナー像が転写された後の感光体ドラム1a〜1dは、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、その表面に残留したトナーが各クリーニング部5a〜5dにより除去される。
転写ベルト8から定着部7に搬送された用紙6は、定着ローラ対18により加熱及び加圧されてトナー像が用紙6の表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙6は、排出ローラ対19によって装置本体外に排出される。
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。画像入力部30は、画像形成装置100が図1に示したようなカラープリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部であり、画像形成装置100が複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部である。画像入力部30より入力された画像信号はAD変換部31においてデジタル信号に変換された後、後述する記憶部33内の画像メモリ40に送出される。
画像形成部Pa〜Pdは、感光体ドラム1a〜1d、帯電器2a〜2d、現像器3a〜3d、LEDヘッド17a〜17d、転写ローラ4a〜4d等を含み、AD変換部31において変換されたデジタル信号に基づいて感光体ドラム1a〜1d上に静電潜像を形成し、現像器3a〜3dにより各色のトナー像に現像した後、転写ローラ4a〜4dにより用紙上の所定位置にトナー像を転写する。
記憶部33は、画像メモリ40、RAM41、及びROM42を備えており、画像メモリ40は、画像入力部30から入力され、AD変換部31においてデジタル変換された画像信号を記憶し、制御部32に送出する。RAM41及びROM42は、制御部32の処理プログラムや処理内容等を記憶する。
操作パネル34は、複数の操作キーから成る操作部と、設定条件や装置の状態等を表示する表示部(いずれも図示せず)とから構成されており、ユーザが印刷条件等の設定を行う他、画像形成装置100がファクシミリ機能を有する場合は記憶部33にファクシミリ送信先を登録し、さらに登録された送信先の読み出しや書き換えを行う等の種々の設定にも使用される。
レジストセンサ15は、レジストローラ対14の上流側直近(図1参照)に配置されており、レジストローラ対14における用紙の通過を検知する。レジストセンサ15による検知結果は制御部32に送信される。レジストセンサ15としては、用紙の通過の有無を検知可能な種々のセンサを用いることができ、例えば直接用紙を突き当てて検知を行うアーム型センサや、発光部より用紙に光を射出し、用紙表面からの反射光を受光部で検知する反射型センサ等が用いられる。
給紙手段35はピックアップローラ22及び給紙ローラ対13(いずれも図1参照)から成り、操作パネル34からの印刷開始命令の入力により給紙カセット16(図1参照)内に収容された用紙をレジストローラ対14に向けて給紙する。
制御部32は、設定されたプログラムに従ってレジストローラ対14、定着部7、画像入力部30、画像形成部Pa〜Pd、給紙手段35等を全般的に制御するとともに、画像入力部30から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。LEDヘッド17a〜17dは、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム1a〜1d上に潜像を形成する。また制御部32は、レジストセンサ15によるレジストローラ対14への用紙到達タイミングに基づいて用紙遅延を検知する機能も有している。
図3は第1実施形態の画像形成装置における印刷速度制御を適用した場合のタイミングチャートであり、図4は第1実施形態の画像形成装置における印刷速度制御手順の一例を示すフローチャートである。図1〜図3を参照しながら、図4のステップに従い本実施形態の画像形成装置における画像処理操作について詳述する。なお、所定時間(ここでは1分間)当たりの画像印刷枚数の初期値はn0(枚/分)に設定されているものとする。先ず、印刷開始命令等により制御部32に給紙信号が送信されると、制御部32から送信された制御信号によりピックアップローラ22及び給紙ローラ13aが図1の反時計回りに回転して給紙が開始される(ステップS1)。
次に、給紙開始からレジストセンサ15がONとなるまでの時間Tを測定する(ステップS2)。測定された時間Tは制御部32に送信され、記憶部33から読み出された基準値T0(印刷速度n0枚/分における到達時間)と比較してT>T0であるか否かを判断する(ステップS3)。T>T0であるときは用紙遅延が発生しているため、レジストローラ対14で用紙を待機させる(ステップS4)。また、給紙開始と同時に画像形成が開始されている場合は各感光体ドラム1a〜1d上のトナー像をクリーニング部5a〜5dにより廃棄する。そして、1分間当たりの印刷枚数を直前のn枚(図3では32枚/分)からn−1枚(図3では31枚/分)に減少させた後(ステップS5)、レジストローラ対14に待機させていた用紙を新たな画像形成タイミングに合わせて再搬送する(ステップS6)。
一方、ステップS3においてT≦T0である場合は、予め規定された所定枚数連続して用紙遅延が発生していないか否かが判断される(ステップS7)。所定枚数連続して用紙遅延がない場合は、次に1分間当たりの印刷枚数nを減じる制御が実行されたか否か、即ち直前の印刷枚数nが初期値n0よりも小さいか否かが判断され(ステップS8)、n<n0である場合は1分間当たりの印刷枚数nに1を加える(ステップS9)。
一方、ステップS7において遅延未発生枚数が所定枚数に到達していない場合、又はステップS8においてn=n0である場合は直前の印刷枚数nをそのまま維持して次のステップへ進む。そして、給紙が終了したか否かが判断され(ステップS7)、給紙が終了している場合はそのまま処理を終了する。一方、連続印刷が入力され給紙が継続している場合は、その状態での1分間当たりの印刷枚数nにおけるレジストローラ対14までの到達時間を新たな基準値T0としてステップS2に戻り、以下同様の手順を繰り返す(ステップS2〜S6)。
本実施形態においては、用紙が給紙カセット16からレジストローラ対14に搬送されるまでに用紙遅延が発生した場合、用紙をレジストローラ対14で待機させるとともに、用紙遅延が発生する毎に所定時間当たりの印刷枚数nを初期値n0から1枚ずつ減らし、その後所定枚数連続して用紙遅延が発生しなかった場合はnを1枚ずつ増やしてn0まで戻すことを特徴としている。
これにより、レジストローラ対14への用紙到達時間に余裕をもたせて用紙遅延を吸収できるため、レジストローラ対14で用紙を待機させておく必要がなくなり画像形成効率の低下を最小限に抑えることができる。特に、給紙開始と同時に画像形成を開始する必要のあるカラープリンタやカラー複写機においては、図3(b)に示すようにΔtだけ用紙遅延が発生した場合でも感光体ドラム上に形成された画像Iを廃棄するのは最初の1枚だけで済み、2枚目以降はレジストローラ対14への用紙到達を画像形成に間に合わせることができるため、無駄なトナー消費を低減可能となる。
なお、図4の制御において、ステップS3においてT≦T0の場合にそのままステップS10まで進む制御とすると、一旦印刷枚数nを減少させた後は初期値n0には戻せないため、用紙遅延がピックアップローラの摩耗等のような不可逆的な原因によるときは特に問題はないが、用紙遅延が可逆的な原因によるときは、用紙遅延が発生しなくなった場合でも印刷枚数nは減少したままとなり、画像形成効率が低下する。
従って、例えば紙質の異なる用紙を給紙する場合のように、用紙遅延の原因が可逆的であり、用紙遅延がなくなった場合は印刷枚数nを自動的に初期値n0まで復帰可能な図4の制御とすることで、種々の原因による用紙遅延に対応して印刷枚数の減少を必要最小限に抑えることができるため好ましい。
図5は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置は、レジストセンサ15により用紙遅延が検知された回数をカウントする用紙遅延カウンタ50を備えている。他の部分の構成は第1実施形態の図2と同様であるため説明を省略する。
用紙遅延が1回発生する毎に印刷枚数nを減少させる第1実施形態の制御方法では、何らかの原因で突発的な用紙遅延が発生した場合にも印刷速度を低下させる制御がはたらいてしまう。そこで、用紙遅延カウンタ50により遅延発生回数をカウントし、突発的な遅延は無視するためにカウント数Cが2の倍数になった時のみ印刷速度を低下させる制御を行うこととする。これにより、印刷速度の低下が不要な場合にまで印刷枚数を減少させることがなくなり、用紙の斜行や印刷ずれ、ジャム等の発生を抑えつつ、画像形成効率を可能な限り高めることができる。
また、印刷枚数を減少させた後、所定枚数連続して用紙遅延が発生しなかった場合はカウント数Cを1ずつ減算するようにしておけば、第1実施形態と同様に印刷枚数nを1枚ずつ増やしてn0まで戻すことができる。さらに、予め用紙遅延カウンタ50のカウント数の上限値C0を設定しておき、カウント数がC0を超えた場合は装置の異常と判断して装置各部の動作を停止するようにしておけば、画像形成効率が大幅に低下した状態で画像形成処理を続行するおそれもなくなる。
例えば1分間当たりの印刷枚数nの初期値n0を32枚/分とし、C0を6とした場合は、C=0、1のときn=32(枚/分)、C=2、3のときn=31(枚/分)、C=4、5のときn=30(枚/分)、C=6のときn=29(枚/分)となり、カウント数Cの値に応じて印刷速度を4通りに変化させることができる。
また、カウント数Cが上限値C0を超えたとき、装置の異常をユーザに通知する通知手段を設けることにより、ユーザは装置の異常を素早く認識してサービスマンにメンテナンスを依頼することができる。通知手段としては、例えば操作パネル34の表示部にメッセージを表示する方法、或いはランプの点灯やアラームによる通知が挙げられる。
また、例えば給紙カセット16を複数備え、それぞれの給紙カセットに対応する複数の給紙手段35が設けられている場合、通常、各給紙手段35には異なる種類の用紙が収納されているため、給紙手段35毎に用紙遅延カウンタ50を設置することにより、用紙遅延の発生頻度に応じた給紙手段35毎の印刷速度制御が可能となる。
図6は、第2実施形態の画像形成装置における印刷速度制御手順の一例を示すフローチャートである。図1及び図5を参照しながら、図6のステップに従い本実施形態の画像形成装置における画像処理操作について詳述する。なお、図4の場合と同様に所定時間(1分間)当たりの画像印刷枚数の初期値はn0(枚/分)に設定されているものとする。印刷開始命令等により給紙が開始され(ステップS1)、給紙開始からレジストセンサ15がONとなるまでの時間Tを測定して(ステップS2)、記憶部33から読み出された基準値T0(印刷速度n0枚/分における到達時間)と比較してT>T0であるか否かを判断する(ステップS3)までは図4と同様である。
ステップS3においてT>T0であるときは用紙遅延が発生しているため、レジストローラ対14で用紙を待機させる(ステップS4)。また、給紙開始と同時に画像形成が開始されている場合は各感光体ドラム1a〜1d上のトナー像をクリーニング部5a〜5dにより廃棄する。そして、用紙遅延カウンタ50のカウント値Cに1を加算する(ステップS5)。
次に、カウント値CがC0以下であるか否かが判断される(ステップS6)。C≦C0である場合は、次にCが2の倍数であるか否かが判断される(ステップS7)。Cが2の倍数である場合は直前の1分間当たりの印刷枚数をn枚(例えば32枚)からn−1枚(例えば31枚)に減少させた後(ステップS8)、レジストローラ対14に待機させていた用紙を新たな画像形成タイミングに合わせて再搬送する(ステップS9)。ステップS7においてCが2の倍数でない場合は、直前の印刷枚数nを減少させずに待機させていた用紙の再搬送を行う(ステップS9)。
一方、ステップS3においてT≦T0である場合は、予め規定された所定枚数連続して用紙遅延が発生していないか否かが判断される(ステップS10)。所定枚数連続して用紙遅延がない場合は、次に1分間当たりの印刷枚数nを減じる制御が実行されたか否か、即ち直前の印刷枚数nが初期値n0よりも小さいか否かが判断され(ステップS11)、n<n0である場合はカウント数Cから1を減算する(ステップS12)。そして、カウント数Cが2の倍数であるか否かが判断され(ステップS13)、Cが2の倍数である場合は直前の1分間当たりの印刷枚数nに1を加える(ステップS14)。ステップS13においてCが2の倍数でない場合は、直前の印刷枚数nをそのまま維持して次のステップへ進む。
一方、ステップS10において遅延未発生枚数が所定枚数に到達していない場合、又はステップS11においてn=n0である場合は直前のカウント数C及び印刷枚数nをそのままにして次のステップへ進む。そして、給紙が終了したか否かが判断され(ステップS15)、給紙が終了している場合はそのまま処理を終了する。一方、連続印刷が入力され給紙が継続している場合は、その状態での1分間当たりの印刷枚数nにおけるレジストローラ対14までの到達時間を新たな基準値T0としてステップS2に戻り、以下同様の手順を繰り返す(ステップS2〜S14)。
また、ステップS6においてC>C0である場合は、制御部32から装置各部に制御信号が送信され、装置各部の動作を停止する(ステップS16)。さらに、操作パネル34の表示部に異常の発生を表示するとともに(ステップS17)、用紙遅延カウンタ50のカウント値Cを0にリセットして(ステップS18)処理を終了する。
図6の制御においては、用紙遅延が2回発生する毎に印刷枚数nを減少させるため、突発的な用紙遅延を無視して継続的な用紙遅延の発生時にのみ印刷速度制御が行われる。従って、不要な印刷速度制御の実行を防止して画像処理効率の低下を必要最小限に抑えることができる。
また、所定枚数連続して用紙遅延が発生しなかった場合はカウント数Cを1ずつ減算するとともに、カウント数が2の倍数となったときに印刷枚数nを1枚ずつ増やしてn0まで戻すので、用紙遅延の解消に合わせて高い画像形成効率に復帰させることができる。さらに、カウント数が上限値C0を超えた場合は装置を停止して異常を通知するので、画像形成効率が大幅に低下してメンテナンスが必要となった状態をユーザに迅速且つ確実に知らせることができる。
なお、ここではカウント数が2の倍数となったときに印刷枚数を増減させる制御としたが、例えばカウント数が1増減する毎に印刷枚数を1枚ずつ増減させる制御としても良いし、3の倍数となったときに印刷枚数を1枚ずつ増減させる制御としても良い。また、カウント値Cの上限値C0や、1分間当たりの印刷枚数nの初期値n0は任意に設定可能である。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明は図1に示したようなタンデム式のカラー画像形成装置に限らず、アナログ方式のモノクロ複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等、種々のタイプの画像形成装置に適用可能である。
なお、本発明の制御をモノクロ画像形成装置に適用する場合は、用紙遅延が検知された時点ではまだ感光体ドラム上に画像が形成されていないため、感光体ドラム表面の帯電及び露光を停止するとともに、現像器への現像バイアスの印加を停止することが好ましい。これにより、不要なトナーの消費を一層低減することができる。
本発明は、用紙を一枚ずつ給紙する給紙手段と、該給紙手段により給紙された用紙上に所定の画像を形成する画像形成部と、該画像形成部の上流側近傍に配置され、画像形成部での画像形成タイミングに合わせて給紙手段から給紙された用紙の搬送タイミングを調整するレジストローラ対と、該レジストローラ対の上流側近傍に配置され、用紙が通過したか否かを検知する用紙検知手段と、画像形成部及びレジストローラ対を含む装置各部の動作を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、制御手段は、用紙検知手段によりレジストローラ対への用紙の到達遅延が検知された場合、所定時間当たりの印刷枚数を初期値から順次減少させるとともに、印刷枚数を減少させた後に所定枚数連続して到達遅延が発生しなかった場合は所定時間当たりの印刷枚数を初期値まで順次増加させる。
これにより、用紙遅延が発生してもレジストローラ対で用紙を待機させておく必要がなく、到達遅延が解消した場合は所定時間当たりの印刷枚数は自動的に初期値まで戻るため、画像形成効率の低下を最小限に抑えた画像形成装置を提供することができる。特に、給紙開始と同時に画像形成が開始されるカラー画像形成装置においては、画像形成効率の低下を抑えるとともに無駄なトナー消費も低減可能となるため有効となる。
また、用紙遅延カウント手段を設け、カウント数が2の倍数になったとき所定時間当たりの印刷枚数を増減させたので、印刷速度の低下が不要な突発的な遅延の場合に印刷枚数を減少させない画像形成効率を可能な限り高めた画像形成装置となる。
また、カウント数が所定値を超えたとき装置各部の動作を停止させることとしたので、装置に異常が発生して画像形成効率が大幅に低下した状態で画像形成処理を続行するおそれがなくなる。さらに、装置の異常を通知する通知手段を設けておけば、ピックアップローラの交換等のメンテナンス時期をユーザに確実に通知可能な画像形成装置となる。
また、複数の給紙手段を備えた画像形成装置の場合、それぞれの給紙手段に対応した複数の用紙遅延カウント手段を設けておけば、異なる種類の用紙を給紙する給紙手段毎に印刷速度制御を適切に実行可能な画像形成装置となる。
は、本発明の画像形成装置の内部構造を示す側面断面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 は、第1実施形態の画像形成装置における印刷速度制御を適用した場合のタイミングチャートである。 は、第1実施形態の画像形成装置における印刷速度制御手順の一例を示すフローチャートである。 は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 は、第2実施形態の画像形成装置における印刷速度制御手順の一例を示すフローチャートである。 は、従来の給紙カセット及び給紙機構の構成を示す側面断面図である。 は、従来の印刷速度制御を適用した場合のタイミングチャートである。
符号の説明
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
2a〜2d 帯電器
3a〜3d 現像器
4a〜4d 転写ローラ(転写手段)
13 給紙ローラ対
14 レジストローラ対
15 レジストセンサ(用紙検知手段)
16 給紙カセット
17a〜17d LEDヘッド
32 制御部
33 記憶部
34 操作パネル
35 給紙手段
50 用紙遅延カウンタ(用紙遅延カウント手段)
100 画像形成装置

Claims (6)

  1. 用紙を一枚ずつ給紙する給紙手段と、
    該給紙手段により給紙された用紙上に所定の画像を形成する画像形成部と、
    該画像形成部の上流側近傍に配置され、前記画像形成部での画像形成タイミングに合わせて前記給紙手段から給紙された用紙の搬送タイミングを調整するレジストローラ対と、
    該レジストローラ対の上流側近傍に配置され、用紙が通過したか否かを検知する用紙検知手段と、
    前記画像形成部及び前記レジストローラ対を含む装置各部の動作を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記用紙検知手段により前記レジストローラ対への用紙の到達遅延が検知された場合、所定時間当たりの印刷枚数を初期値から順次減少させるとともに、印刷枚数を減少させた後に所定枚数連続して到達遅延が発生しなかった場合は所定時間当たりの印刷枚数を初期値まで順次増加させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記レジストローラ対への用紙の到達遅延の発生回数をカウントする用紙遅延カウント手段を備え、前記制御手段は、前記用紙遅延カウント手段が用紙の到達遅延をカウントした後、所定枚数連続して到達遅延が発生しなかった場合はカウント数を1ずつ減らすとともに、該カウント数に基づいて所定時間当たりの印刷枚数を増減させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記カウント数が2の倍数になったとき所定時間当たりの印刷枚数を増減させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記カウント数が所定値以上になったとき装置各部の動作を停止させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記カウント数が所定値以上になったとき装置の異常を通知する通知手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記給紙手段を複数備え、前記用紙遅延カウント手段を前記給紙手段毎に複数設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
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