JP2004272017A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二成分現像装置において、現像装置の小型化を実現して、且つ、現像剤を十分に攪拌搬送して、トナー飛散や画像カブリ等の画像不良を防止し、良好な画像形成を行う現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー及びキャリアを含む現像剤を担持して像担持体へ搬送する現像剤担持体を備えた現像室と、回転軸5b上にフィン5dが設けられ現像剤を攪拌搬送するスクリュー部材5a、及び補給トナーを受け入れる受け入れ口8を備え、現像室と現像剤の循環経路を構成する攪拌室と、を有する現像装置において、受け入れ口8近傍の第1領域よりBも受け入れ口8から現像剤搬送方向下流側に所定距離離れた位置以降の第2領域Cにフィン5dを多く設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は電子写真方式を用いた複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、印刷装置等に用いられる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、像担持体上に形成された静電潜像を顕在化するに際して、非磁性トナーと磁性キャリアの二成分現像剤を用いた二成分現像方法が広く用いられている。この二成分現像方法は、現像装置内の攪拌手段によって攪拌された現像剤を内部に磁界発生手段であるマグネットを有する現像剤担持体に担持せしめ、この現像剤を用いて像担持体との対向部にて静電潜像を可視化するものである。
【0003】
こうした二成分現像方法を採用した二成分現像装置は、別体に設けられたトナー補給容器からトナーのみを補給して使用することからできることから、二成分現像剤のトナー濃度(即ち、キャリア粒子とトナー粒子の合計重量に対するトナー粒子重量の割合)は、画像品質を安定化させる上で極めて重要な要素になっている。
【0004】
ところで、現像剤のトナー粒子は現像時に消費されるので、トナー濃度は常に変化する。このため、現像剤濃度制御装置(ATR)を使用して適時現像剤のトナー濃度を正確に検出し、トナー濃度の変化に応じてトナー補給を行い、十分に撹拌を行いトナー濃度を常に一定に制御して画像の品位を保持する必要がある。
【0005】
このように、現像による現像装置内のトナー濃度の変化を補正するため、即ち、現像装置に補給するトナー量を制御するため、現像容器中の現像剤のトナー濃度検知装置及び濃度制御装置として、従来から種々の方式のものが実用化されている。
【0006】
例えば、現像スリーブ或は現像容器の現像剤搬送経路に近接した位置に設置され、現像スリーブ上に搬送された現像剤か或は現像容器内の現像剤は、光を当てたときの反射率がトナー濃度により異なることを利用してトナー濃度を検知し制御する現像剤濃度制御装置、又は、現像剤の側壁に磁性キャリアと非磁性トナーの混合比率による見掛けの透磁率を検知してこれを電気信号に変換するインダクタンスヘッドからの検出信号によって、現像容器内のトナーの濃度を検知し、基準値との比較によってトナーを補給するようにしたインダクタンス検知方式の現像剤濃度制御装置が使用されている。
【0007】
又、像担持体としての感光ドラム上に形成したパッチ画像濃度をその表面に対向した位置に設けた光源及びその反射光を受けるセンサにより読み取り、読み取った画像濃度をアナログ−デジタル変換器でデジタル信号に変換した後CPUに送り、CPUで初期設定値より濃度が高い場合、初期設定値に戻るまでトナー補給が停止され、初期設定値より濃度が低ければ初期設定値に戻るまで強制的にトナーが補給され、その結果、トナー濃度が間接的に所望の値に維持される方式等がある。
【0008】
ここで、一般的な二成分現像装置について図14(a)に基づき説明する。
【0009】
図14(a)において、現像装置400は、現像剤を収容する現像容器10と、回転する中空の円筒である現像剤担持体たる現像スリーブ1と、現像スリーブ1内にその回転に対して固定配置された磁界発生手段たるマグネットローラ2と、現像容器10内に設置された現像剤の撹拌搬送手段たる搬送スクリュー4a、5aと、現像剤を現像スリーブ1表面に薄層形成するために配置された現像剤層厚規制部材たる規制ブレード3と、で構成されている。
【0010】
現像スリーブ1には、電源(図示せず)から直流バイアス及び交流バイアスが印加されるようになっている。一般に、交流バイアスを印加すると現像効率が増し、画像は高品位になる。
【0011】
ここで、像担持体である感光ドラム103上に形成された静電潜像を、図14(a)(b)に示した現像装置400を用いて二成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤の循環系とについて説明する。
【0012】
先ず、現像スリーブ1の回転に伴い磁極N1によって現像スリーブ1上に汲み上げられた現像剤は、磁極N1から磁極S1へと搬送される過程において、現像スリーブ1に担持される量を規制ブレード3によって規制され、現像スリーブ1上に薄層形成される。ここで、薄層形成された現像剤が、現像主極である磁極S1に搬送されてくると磁気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤によって上記静電潜像が現像され、その後、マグネットローラ2の現像容器10内部側に設置された磁極N1及び磁極N2による反発磁界によって現像スリーブ1上の現像剤は、現像容器10内に戻される。
【0013】
このように、二成分現像法による現像装置においては、現像容器10内部側に、現像スリーブ1内部のマグネット2において互いに同極性の磁極を並べて配置することにより、現像後の現像剤を一旦現像スリーブ1から剥ぎとり、前の画像履歴を残さない構成としている。
【0014】
現像剤にキャリアとトナーを有する二成分現像剤を用いる現像装置においては、トナーとキャリアが良好に攪拌されて搬送されるのが望ましい。ここでも、感光ドラム103へのトナーの供給側に位置する現像室4と、補給トナーの供給を受ける攪拌室5側とに仕切壁7で現像容器10内を分割し、それぞれの空間部にスクリュー状の攪拌手段4a、5aを互いに平行に配置した2軸攪拌方式が採用されている。そして、2軸攪拌方式の現像装置では、現像スリーブ1、トナー濃度センサ6、補給用トナー容器50が設けられ、現像室4に配置された第一の攪拌手段4aと、攪拌室5側に配置された第二の攪拌手段5aとでそれぞれ現像剤を攪拌搬送する循環経路を構成し、搬送された現像剤を各攪拌手段4a、5aの端部側に形成された受け渡し部から各室4、5内に送り込んで循環させている。
【0015】
これを上から見たものが図14(b)である。現像スリーブ1、攪拌手段であるスクリュー4a、5aを有し、スクリュー4a、5aは、矢印Aのように現像剤を循環し、撹拌性、搬送性を維持している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近の白黒/カラープリンタ、白黒/カラーコピーの小型化に対して現像装置そのものの小型化が要求されており、小さい現像装置で基本機能を維持することの課題がある。
【0017】
小型化に関しては現像装置自体を小さくしていった場合の課題として長手方向についてはトナー補給容器50よりトナーを受け入れる(補給する)ためのトナー受け入れ口(補給口)8を現像スリーブ1長より外側に従来配置できていたのが、長手方向で現像スリーブ1長内に配置する必要がある。つまり、先の図14(b)に示すように現像剤が搬送される場合、ここで長手方向で現像スリーブ1に重なる領域より現像剤搬送方向上流側に、トナー補給口8を設置でき、現像スリーブ1に補給されたトナーが到達するのに十分の距離がとれていた。
【0018】
それに対して小型化すると、図3(b)で示されるようにトナー補給口8が、長手方向で現像スリーブ1と重なる領域に設置されることになり、補給されたトナーが十分攪拌されないで、現像スリーブ1から離れた方の第二の攪拌手段5aから、現像スリーブ1に近接する方の第一の攪拌手段4aへ現像剤が引き渡される前に十分攪拌できる距離がとれないため、補給されたトナーの帯電性が悪く、トナー飛散や画像かぶり、画像むらとなっていた。
【0019】
尚、本明細書では、上記のような構成の現像装置に設けられた、第一の攪拌手段、第二の攪拌手段としては共にスクリュー部材が使用され、現像剤担持体である現像スリーブに近い方の第一の攪拌手段を「Aスクリュー」と称し、遠い方の第二の攪拌手段を「Bスクリュー」と称す。
【0020】
攪拌不良のためのトナーの帯電不良による画像不良の発生現象は耐久後、顕著に現れていた。又、現像装置の小型化に伴い、搬送スクリュー自体も小さくなることで、更にトナーの攪拌、搬送性が低下し、上記課題を解決困難なものにしていた。
【0021】
従って、本発明の目的は、二成分現像装置の小型化を実現して、且つ、現像剤を十分に攪拌搬送して、トナー飛散や画像カブリ等の画像不良を防止し、良好な画像形成を行う現像装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー及びキャリアを含む現像剤を担持して像担持体へ搬送する現像剤担持体を備えた現像室と、
回転軸上にフィンが設けられ現像剤を攪拌搬送するスクリュー部材、及び補給トナーを受け入れる受け入れ口を備え、前記現像室と現像剤の循環経路を構成する攪拌室と、を有する現像装置において、
前記受け入れ口近傍の第1領域よりも前記受け入れ口から現像剤搬送方向下流側に所定距離離れた位置以降の第2領域に前記フィンを多く設けたことを特徴とする現像装置を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0024】
実施例1
本発明の実施例1について説明する。
【0025】
図9は、本実施例に係る画像形成装置の電子写真方式のカラープリンタ(以下、「プリンタ」と称す。)の概略構成を示す模式的断面図である。
【0026】
係るプリンタにあっては、図9に示すように、矢印方向に回転する像担持体たる電子写真感光ドラム103(以下、「感光ドラム103」と称す。)を備え、感光ドラム103の周囲には、帯電器ローラ104、現像ロータリ100c、4個の現像装置100、一次転写ローラ109、クリーニング手段106、中間転写ベルト108、二次転写ローラ110及び感光ドラム103の上方に配設された潜像形成手段の露光装置であるレーザービームスキャナ111、で構成される画像形成手段が配設される。
【0027】
現像装置100として、現像ロータリ100cに、その回転周に沿って搭載された現像器100M、100C、100Y、100Kを備え、各現像器100M、100C、100Y、100Kは、トナー粒子とキャリア粒子とを含有する現像剤(二成分現像剤)を感光ドラム103表面に供給するようになっている。尚、現像器100M、現像器100C、現像器100Y、現像器100Kは、それぞれマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを含有する現像剤を使用するようになっている。
【0028】
被複写原稿は、原稿読み取り装置(図示せず)で読み取られるようになっている。この読み取り装置は、CCD等の、原稿画像を電気信号に変換する光電変換素子を有しており原稿のイエロー画像情報、マゼンタ画像情報、シアン画像情報、白黒画像情報に、それぞれ対応した画像信号を出力するようになっている。スキャナLS(レーザスキャナ111)に内蔵された半導体レーザーは、これらの画像信号に対応して制御され、レーザビーム105を照射する。
【0029】
次に、カラープリンタ全体のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を例として簡単に説明する。
【0030】
先ず、感光ドラム103の表面が、帯電ローラ104によって一様に帯電される。画像形成は感光体が帯電手段により例えば−600Vに一様帯電された後、600dpiで画像露光(レーザビーム)105がなされる。画像露光105は半導体レーザーを光源として露光部の表面電位を例えば−200Vに減衰させて像状の潜像を形成する。
【0031】
又、原稿を読み込むスキャナ部、画像データを作成するイメージプロセッサ部は図示しないが、スキャナ部のCCD上に結像した原稿からの反射光はA/D変換されて600dpi、8bit(256階調)の画像の輝度信号に変換され、イメージプロセッサ部に送られる。
【0032】
イメージプロセッサ部では、周知の輝度−濃度変換(Log変換)を行い、画像信号を濃度信号に変換した後、必要ならばエッジ強調やスムージングや高周波成分の除去等のフィルター処理を通し、その後濃度補正処理(いわゆるγ変換)をかけてから、例えばディザ等の2値化処理や、ドット集中型のディザマトリックスによるスクリーン化処理を通して2値化(1bit)される。もちろん、8bitのままで周知のPWM(パルス巾変調)法等でレーザを駆動し潜像を形成する方法もある。
【0033】
その後、画像信号はレーザスキャナ111のレーザドライバに送られ信号に応じてレーザ105を駆動する。そのレーザ光105はコリメータレンズ、ポリゴンスキャナー、fθレンズ、折り返しミラー、防塵ガラス等を介してドラム103上に照射される。ドラム103上でのスポット径は600dpiの1画素=42.3μmよりも若干大きい55μm程度のスポットサイズでドラム103上に結像し、画像部を先に述べたように、+50V程度に除電して、静電潜像を形成する。
【0034】
次に、上述した画像露光105を行うレーザ111を制御する画像信号制御部の詳細構成を図10に示し、説明する。
【0035】
図10において、画像処理部201にて、入力される画像信号に対して解像度変換等、操作者の所望する画像処理を施す。画像処理部201にて処理された信号は、γ補正部202にて、画像信号に対して、ルックアップテーブル(LUT)を参照してγ補正を行う。そして、2値処理部203にて、それぞれγ補正後の画像信号に基づいて、レーザーの駆動信号を発生する。2値処理部203から出力される駆動信号に基づき、画像部に対応する画像露光105を行うレーザー部111とが駆動される。LUT算出部205では、γ補正部202内のLUTを現在の動作環境において適切となるように新たに算出し更新する。パターンジェネレータ206では、サンプルパターンの画像データを予め保持して、2値部203に送信している。
【0036】
CPU208では、画像信号制御部の各構成を、ROM207に格納された制御プログラム等に従って統括的に制御する。RAM209は、CPU208の作業領域として使用される。
【0037】
次に、上記の画像信号制御部の制御によって最初に送信されたシアン画像信号により、変調された画像露光を行った静電潜像に対して、シアン現像器100Cによって反転現像される。
【0038】
一方、中間転写ベルト108は、感光ドラム103と同期して図9に示す矢印方向に回転しており、シアン現像器100Cで現像されたシアン顕画像は、転写部において転写帯電器110によって転写材に転写される。転写ドラム109はそのまま、回転を継続し、次の色(図9に示す本例においてはマゼンタ)の画像の転写にそなえる。
【0039】
一方、感光ドラム103はクリーニング手段106によってクリーニングされ、再び帯電ローラ104によって帯電され、次の、同様に上記の画像信号制御部の制御によって送信された、マゼンタ画像信号により変調されたレーザービーム105により上述したのと同様に露光105を受け、静電潜像が形成される。この間に現像ロータリ100cは回転して、その回転周に沿って搭載されたマゼンタ現像器100Mが所定の現像位置に定置されていて、マゼンタに対応するドット分布静電潜像の反転現像を行ない、マゼンタ顕画像を形成する。
【0040】
続いて、上述したような工程を、それぞれイエロー画像信号及びブラック画像信号に対して行ない、4色分顕画像(トナー像)の転写が終了すると、矢印の向きに搬送される転写材は二次転写ローラ部110で転写、分離され、その後、搬送ベルトで定着器117に送られる。定着器117は転写材上に重なっている4色の顕画像を加熱及び加圧により定着する。
【0041】
このように、1連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所望のフルカラープリント画像が形成される。
【0042】
尚、本実施例に係る画像形成装置の構成は一例であって、例えば帯電器104はローラに限らず帯電ワイヤーであったり、転写ローラ109も転写ベルト、ワイヤーであったりと、様々な方式が適用可能であり、基本的には上記した様に帯電、露光、現像、転写、定着の工程で画像が形成される。
【0043】
次に、上記に説明した画像形成装置に設置されている本実施例に係る現像装置100について、4つのうちひとつの現像器100Kを例に図に基づき説明する。尚、現像器100C、100Y、100Mの構成に関しては、使用される現像剤のみが異なり現像器1Kの構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0044】
図3(a)は、本発明の実施例に係る現像器100Kを示す断面図であり、現像器100Kを背面からみた図である。図3(b)は上部からみた断面図である。現像器100Kは、現像容器10を備える。現像容器10には、非磁性トナー(以下、「トナー」という)と、磁性キャリアと、を含有する二成分現像剤が収容されている。現像剤については詳しく後述する。
【0045】
現像容器10の内部は、隔壁7によって現像室(第1室)4と撹拌室(第2室)5とに区画され、撹拌室5の上方には現像装置100とは別体のトナー貯蔵室50が設けられ、トナー貯蔵室50内には補給用トナー(非磁性トナー)が収容されている。尚、現像容器10の攪拌室5上部には受け入れ口(トナー補給口)8が設けられ、トナー補給口8を経て消費されたトナーに見合った量の補給用トナーが撹拌室5内に落下補給される。ここで、この現像装置100における二成分現像法式について説明する。
【0046】
現像容器10の感光ドラム103側の部位には開口部が形成され、現像剤担持体たる中空の円筒状の現像スリーブ1が該開口部から外部に突出するよう、現像スリーブ1は現像容器10の開口部近傍に回転可能に組み込まれている。
【0047】
尚、本実施例においては、現像スリーブ1の直径は20mmのものを用いている。又、現像スリーブ1は、例えば、SUS305ACのような、非磁性材から形成され、その内部には磁性発生手段たる磁石2が現像スリーブ1の回転に対して固定配置されている。
【0048】
現像スリーブ1内部に、その回転に対して固定配置された磁石2は、感光ドラム103と現像スリーブ1との対向部である現像領域の近傍に配設される現像磁極である磁極S1と、現像スリーブ1上に担持された現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材である規制ブレード3に対向した現像剤層厚規制磁極である第一磁極たる磁極N1と、現像剤を現像スリーブ1上に担持させながら搬送するための磁極N2、S2、N3とを有する。
【0049】
又、磁石2は、現像磁極である磁極S1が感光ドラム103に対してドラム103回転方向5°上流になるように現像スリーブ1内に配置されている。
【0050】
磁極S1は、現像スリーブ1と感光ドラム103との間の現像部の近傍に磁界を形成させ、該磁界によって磁気ブラシを形成するようになっている。上記現像部において、現像スリーブ1の回転とともに、図3(b)に示す矢印Aの方向に運ばれてきた現像剤は感光ドラム103と接触し、感光ドラム103上の静電潜像は現像されることとなる。このとき、本実施例では、現像スリーブ1と感光ドラム103との近接位置(現像部)において、現像スリーブ1と感光ドラム103とは互いに逆方向に移動するようになっている。
【0051】
磁極S1で現像を終了した現像剤は、磁極N1及び磁極N2により形成された反発磁界によって現像スリーブ1上から剥ぎとられ、現像室4に落下することとなる。
【0052】
尚、現像スリーブ1には電源により、現像バイアスとして、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。感光ドラム103上の潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)とは、上記振動バイアス電位の最大値と最小値との間に位置している。これによって現像部に、向きが交互に変化する交番電界が形成される。この交番電界中でトナーと磁性キャリアとが激しく振動され、トナーが現像スリーブ1及び磁性キャリアヘの静電的拘束を振り切って潜像電位に対応した量のトナー量が感光ドラムに付着する。
【0053】
尚、本実施例においては、感光ドラム103上の暗部電位を−600V、明部電位を−200Vとし、現像スリーブ1には、直流バイアスとして、−450Vの直流電圧が印加され、交流バイアスとして、Vpp=1.8kV、Frq.=2kHzの交流電圧が印加されている。Duty比は現像飛翔側に35%である。そして、図4に示すように、現像バイアスである振動バイアスは、最小値の電圧側に時間T1、最大値の方の電圧側に時間T2、交互にかけられるバイアスとすれば、T1:T2は65:35となる。
【0054】
ここで、本実施例で用いたトナーについて説明する。
【0055】
トナーの体積平均粒径は、4〜10μmのものが好適に使用できる。ここでトナーの体積平均粒径は、例えば、次の測定法で測定されたものを使用する。
【0056】
ここで使用される測定法においては、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。測定法としては、上記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加えさらに測定試料0.5〜50mgを加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記コールターカウンターTA−II型によりアパチャーとして100μmアパチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し体積分布を求める。これら求めた体積分布により、サンプルの体積平均粒径が得られる。
【0057】
上述したようなトナーに対して、更には、(トナー)表面を外添剤で被覆することにより、ハード的に2つの効果がある。一つは、流動性が向上し、補給トナーが現像容器10内の二成分現像剤と混合撹拌しやすくなることであり、もう一つは、外添剤がトナー表面に介在することにより、感光ドラム103上に現像されたトナーの感光ドラム103に対する離型性が上がり、転写効率が良化することである。
【0058】
本発明に使用される外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径に対して1/10以下の粒径であることが好ましい。この外添剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
【0059】
外添剤としては、例えば、金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化ケイ素等)金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)、カーボンブラック、シリカ等が用いられる。
【0060】
外添剤は、トナー粒子100重量部に対し、0.01〜10重量部が用いられ、好ましくは、0.05〜5重量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。本実施例においては、平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用いている。
【0061】
磁性キャリアは、磁性体として従来の磁性キャリアにおけると同様の、鉄、クロム、ニッケル、コバルト等の金属、或いはそれらの化合物や合金、例えば、四三酸化鉄、γ−酸化第二鉄、二酸化クロム、酸化マンガン、フェライト、マンガン−銅系合金、といった強磁性体の粒子を球形化したり、又はそれらの磁性体粒子の表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチル系樹脂、ロジン変性樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂やパルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸ワックスで球状に被覆するか、或いは、磁性体微粒子を分散して含有した樹脂や脂肪酸ワックスの球状粒子を作るかして得られた粒子を従来公知の平均粒径選別手段で粒径選別することによって得られる。
【0062】
本実施例では、微粒フェライトを樹脂中に70wt%分散した重量平均粒径が35μm、100mTにおける磁化の値が50Am/kg、抵抗率が1014Ωcm以上の熱による球形化処理を行った磁性キャリアを用い、トナーにスチレン・アクリル樹脂(三洋化成製ハイマーup110)100重量部、カーボンブラック(三菱化成製MA−100)10重量部、ニグロシン5重量部を含む重量平均粒径が5μmの粉砕造粒法によって得られた非磁性粒子に平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用い、現像剤溜まりにおける現像剤のトナー比率がキャリアに対して8wt%になる条件で現像を行った。トナーの平均帯電量は20μC/gであった。尚、本実施例においては、磁性キャリアとして、重量平均粒径が20〜60μmが好ましく、更に、20〜50μmのものが好ましく用いられる。
【0063】
上記の現像装置100において、本発明の特徴部分について説明する。
【0064】
現像容器10内には、現像スリーブ1に近い方の現像室4には、現像スリーブ1と略平行に第一攪拌手段であるAスクリュー4aが配置されており、遠い方の攪拌室5には、第二の攪拌手段であるBスクリュー5aが配置されている。そして、このAスクリュー4a及びBスクリュー5aによって、現像剤が搬送及び撹拌され、現像容器10内を循環する。Aスクリュー4aとBスクリュー5aの間には端部で現像室4と攪拌室5とで連絡可能な仕切壁7が設けられている。
【0065】
図3(b)を参照して説明する。図3(b)に示すように、Aスクリュー4aとBスクリュー5bは略平行に配置され、それらの間はAスクリュー4aとBスクリュー5bの間を現像剤が行き来しないように仕切るための仕切壁7によって仕切られている。長手両端部は仕切壁7がなく、現像剤がAスクリュー4aとBスクリュー5a間を行き来できるようになっている。Aスクリュー4aとBスクリュー5aはそれぞれ反対方向に現像剤を搬送するようになっているため、現像容器10内には現像剤が途切れることなく回るような循環経路が形成される。
【0066】
又、Bスクリュー5aの後方の壁面には、つまり現像剤搬送方向上流側に、トナー濃度センサ6が設けられている。トナー濃度センサ6としては、本実施例では、トナーとキヤリアび見掛けの透磁率の変化を検知するインダクタンス検知方式のトナー検出方式を採用したものを使用した。よって、センサ面に対して現像剤が滞留すると、現像剤のトナー濃度を正確に検出できなくなるため、センサ面に現像剤が滞留しないように、このトナー濃度センサ6はそのセンサ面がBスクリュー5aの近傍で現像剤面に垂直になるように配置されている。尚、トナー濃度とは、キャリアとトナーの混合比であり、T/D比と称されるものである。
【0067】
このように、攪拌室5において、トナー濃度センサ6をBスクリュー5a現像剤搬送方向上流側に設けているのは、画像形成にトナーが使用されてトナー濃度が下がった現像剤に対して直ちにトナー濃度を検出するためである。
【0068】
而して、Aスクリュー4a側に存在して画像形成に用いられた現像剤は前述した循環によりBスクリュー側5aに送られ、トナー濃度センサ6によりトナー濃度が検出される。そして、その検出結果に基づいてトナー濃度センサ6の下流側に設けられたトナー補給口8を通じてトナー補給機構から適正量のトナーが補給され、これによって現像剤のトナー濃度が常に一定に保たれる。
【0069】
このとき、順調に現像剤を攪拌及び搬送でき、更に良好な画像形成を行うために、第1に、図3(a)において、現像室4であるAスクリュー4a側の現像剤の表面の高さ、即ち現像剤高さ(以下、「剤面」と略称する。)を所定の高さに維持する必要がある。
【0070】
この剤面の高さが低過ぎると、Aスクリュー4aから搬送される現像剤量が全体量として少な過ぎることによって、現像スリーブ1に供給される現像剤が規制ブレード3の規制部にて滞留する量が減少し、この部分でのAスクリュー4aからの供給ムラを招き易くなる。より具体的には、Aスクリュー4aで現像剤の供給ムラを生じ易くなる。その結果、スクリューピッチで画像に濃度ムラができる所謂スクリューピッチムラが生じる。
【0071】
逆に剤面が高過ぎて現像スリーブ1の現像剤が引き剥がされる部分を完全に現像剤が覆ってしまった場合、剥がされた現像剤が覆われた現像剤により押さえ付けられて現像スリーブ1上に戻ってしまう。その場合にAスクリュー4aのスクリュー羽根の近傍部で現像剤の引き剥がしが比較的良好に行われるのに対して、それ以外の部分が引き剥がされないでいるためにベタ画像印字時のスクリューピッチムラの発生を招いてしまう。従って、剤面高さは反発極間を完全に覆うことなく、規制ブレード3の規制部を十分に覆うような高さとするのが望ましい。
【0072】
第2に、Bスクリュー5a側の剤面はBスクリュー5aの羽根5c(図1)の最上部よりも低い位置にある方が良い。
【0073】
なぜならば、Bスクリュー5a側は、補給された新しいトナーと現像容器10内の現像剤の混合撹拌という目的があり、剤面がBスクリュー5aより高くなってしまうと、Bスクリュー5aより高い位置にある現像剤は撹拌されにくいためである。特に、トナー補給を行うときに、剤面がBスクリュー5aより高い位置にある場合、現像剤より比重の小さいトナーは剤面に浮いたままになってしまうことがある。こうなると、補給されたトナーは既に現像室5内にある現像剤とはなかなか混ざらず、殆ど未帯電のトナーが現像スリーブ1側に供給されてしまい、カブリや濃度不良等の問題が発生する。
【0074】
図8(a)に撹拌長と飛散トナーの関係、図8(b)に撹拌長と画像かぶりの関係を定性的に示す。攪拌長とは、A又はBスクリューの回転範囲の最外径である。
【0075】
このように撹拌長が短ければ短いほど飛散、かぶりとも悪くなる。現像装置100の小型化によりこの撹拌長はますます短くなり、許容の飛散量、かぶりを越えてしまう。
【0076】
ここで、図7を用いて、トナーの帯電付与性について説明する。図7は図3に示す構成の現像装置100に収容されたトナー粒子分布に対するトナー帯電量分布を表す。縦軸はトナー粒子分布数で横軸は帯電量で右側がプラス、左側がマイナスである。破線は耐久後のトナーの帯電量分布で実線は初期の帯電量分布である。BスクリューからAスクリューへ剤を受けわたす部分を測定ポイントとする。
【0077】
図7(b)は従来の2軸攪拌方式の二成分現像装置に収容されたトナーのトナー帯電量分布を示す。本件のトナーは負極性であるので0よりマイナス側が好ましい。しかし、2つのピークがあり、そのうちのひとつが0近傍にあることがわかる。即ち帯電が不十分なトナーが多いということになる。つまり、帯電付与が十分できていないために、上記、飛散、かぶりが生じるのである。
【0078】
本件はこれらの問題を、以下の(一)、(二)の構成により、特に(二)の構成により解決することを提案するものである。
【0079】
(一)まず、本実施例ではAスクリューピッチを15mm、Bスクリューピッチを24mmとして、Aスクリュー側の剤面を適正にした。つまり、AスクリューピッチをBスクリューピッチより狭くし、攪拌性を低くした。尚、この時のスクリュー径は、両A、Bスクリューとも18mmとし、スクリュー軸径は、8mmとした。
【0080】
(二)スクリュー形状として、Bスクリュー5aが図1(a)に示すような、トナー補給口8の近傍で、現像剤搬送方向の直下流に、スクリュー軸5bに攪拌羽根5cの取付部分間に設けられている板状部材であるフィン5dを取り付けないフィン無し部分である第1領域Bを設け、トナー補給口8より所定距離分下流に板状部材(フィン)5dをスクリュー軸5bの周状に放射状に、第1領域Bよりもフィンを多く設けた、ここでは、4方向にスクリュー軸5b長手方向に沿って20個設けたフィン付き部分である第2領域Cとした構成にした。即ち、スクリュー5aを軸中心からみると4つのフィン5dがついた構成とした。そして、尚且つ、Aスクリュー4aはフィンがない形状にした。フィン5dの形状は図2(a)正面図(b)厚さ方向から見た図に示すように、幅5mm、スクリュー軸からの長さ5mm、厚さ1mmのものにした。
【0081】
次に図5は従来構成におけるBスクリューの剤面を示す。図5は現像スリーブ1と反対側から現像装置100をみた断面図であり、剤は矢印A側に向かう。トナー補給口8からトナーが供給される。
【0082】
ここで、図6に、図5を簡略化して、模式的に剤面を示す。剤面に関しては一般には攪拌室5における剤面はほぼ水平にした方が良いと従来考えられていた。そこで、Aスクリュー4aとBスクリュー5aのピッチを変えたり、回転数を変える等をして循環のバランスを変えて剤面の調整をしており、結果としては攪拌前は、図6(a)に示すような水平な剤面を、撹拌性を向上させるために図6(c)のように下げて撹拌、帯電性を向上させてきたが、撹拌長が短いために、これでは不十分であった。具体的には10k耐久において、べた画像をとると画像かぶりは許容値2%に対して5%であった。通常べた画像コピーでは大量なトナーが現像容器10へ入るため、撹拌が一番厳しい。
【0083】
本件では図1(a)のような、補給口8の近傍、現像剤搬送方向下流部分の第1領域において、攪拌搬送性を落としたスクリューをBスクリュー5aに用いることでトナー補給口部8で剤面の高さを低くし、供給トナーを撹拌スクリュー軸5b中心に取り込むとともに、搬送方向下流部で最大限撹拌させるためにスクリュー軸5bに撹拌用フィン5dを放射状につけ、撹拌性、帯電付与性を向上させた。
【0084】
この状態でスクリュー5aを回転させた状態が、トナー補給口8の存在するトナー補給口8の位置で、それより現像剤搬送方向下流部分が上流部分より剤面が高くなる、図6(b)に示す剤面となる。このようにトナー補給口8とその下流で段差を生じさせる。この段差の上流がトナー取り込み、下流が撹拌upという機能分離化型撹拌スクリューとなる。その結果、画像上かぶりは10k耐久後にべた画像10枚後でも1%と格段によくなる。実際の画像も長手方向でむらが生じることがなく、均一な画像を形成することができた。
【0085】
その理由として、実際にトナーの帯電量分布を測定すると図7(a)に示すように、帯電量0のピークが低くなっており、初期も10k耐久後も未帯電トナーを減らすことができている。
【0086】
比較例として、似たような構成として、トナー補給口8の位置で現像剤の剤面が上昇するのではなく、段差なく徐々に現像剤搬送方向下流になるに連れ剤面が上昇していく図6(d)に示す剤面になるようにA、Bスクリューピッチを調整しても、不十分であり、かぶりも4.5%となり、剤面が適正でない場合と代わらなかった。スクリューの形状に関しては図1(b)に示すような全体にフィンを設けた場合でも不十分で、かぶりは6.2%と更に悪かった。それは、剤面と形状としては図6(a)に相当する、攪拌前の剤面の形状と同様となり、この場合は補給された剤は現像剤内に入らず、剤面の上面を這って下流側に流れていくためである。
【0087】
次に剤面について述べる。本件ではスクリュー4a、5aと現像容器10の底面との距離は1mmであるため、実際のトナー補給口部8直下の剤面は高さとして現像容器10の底面から13mmであった。それに対して下流では19mmであった。差としては6mmとなる。
【0088】
こうした剤面の高さは、トナー補給口8の下流部のフィン5dを設けない第1領域の所定距離により変化させることができる。撹拌性には、まずトナーをスクリュー5a内部に全部取り込むことが重要で、剤面としては軸5bからスクリュー5aの半径の半分より低いことが好ましい。その点でフィンなし部Bの所定距離を最低スクリューの2ピッチ分を確保するのが好ましい。本件では3ピッチ分とした。
【0089】
次に第2領域におけるフィン5dの数については、補給口8近傍の第1領域より多いことが条件であるが、スクリュー軸5bに対して放射状にフィンを設ける際に、軸5c中心を上からみて1ピッチに最低3個以上にすることが好ましい。つまり120度ごとに1個のフィンを設けることになる。本件では前述のとおり、90度ごとに4つ設けた。
【0090】
トナーの取り込みに関して本件では補給口8直下に1個のフィンを設け、取り込みに関して安定させた。多数のフィン5dを設けると剤面があがるため好適でなく、直下には2個以下にするのが好ましい。以上の構成にすることで50k耐久および低湿、高湿環境においても画像かぶりとしては最大1.2%以下に抑えることができた。
【0091】
以上のように、小型二成分現像装置においてトナーの撹拌不良を防ぎ、トナーの帯電性、撹拌性を維持することで飛散、かぶりを防止し、画像むらのない高画質画像を耐久においても提供することができた。
【0092】
実施例2
本実施例の特徴は、図11に示す構成のリユース画像形成装置300に本発明の現像装置100を適用したことである。リユース系トナーは基本的には転写されずに残りクリーニングで回収された廃トナーであるために、劣化でNewトナーと比較して、トリボが極端に小さいために反転成分トナー量が多いため、帯電安定性が更に悪くなる。廃トナーは凝集度が高いため、トナーの機械的シェアは更に増す。本実施例はこれらのことを鑑みて実施したものである。
【0093】
本実施例では図11に示す画像形成システムで像担持体である感光ドラム303としてOPCドラムを用いたデジタル複写機について説明する。プロセススピードは、500mm/sの110枚/分である。この感光ドラム303の表面を、一次帯電器304により−700Vに一様帯電する。ついで、波長680μmの半導体レーザー(不図示)で600dpiでPWMによる露光305を行って、感光ドラム303上に静電潜像を形成する。次に、現像装置100により反転現像し、トナー像として可視化する。現像剤は二成分現像を行い、ネガトナーを用いた反転現像をする。トナー粒径は8.0μmである。現像バイアスは周波数2400Hz、交流で電圧1500Vpp、Duty50%の交流電圧に+200Vの直流電圧を重畳したバイアス電圧を印加する。S−Bgapは350μm、でS−Dgapは350μmとした。その後、ポスト帯電器308で総電流−200μA流してトナー像を帯電させた後、矢印方向に進む転写材Pに転写帯電器309により転写し、定着器317に送ってトナー像を定着する。
【0094】
一方、感光ドラム303上の転写残りのトナーをクリーニング装置306により除去、回収して搬送パイプ310を通して廃トナー(リユーストナー)を現像ホッパー311Bに戻す。搬送パイプ310にはスクリュー状の搬送部材(不図示)が内部にあり、回転することでリユーストナーを運ぶ。更に詳細を述べると図11に示すように、運ばれたリユーストナーは現像ホッパー311Bに入れられ再利用される。また別にNewトナーはホッパー311Aに入れられ、供給ローラ312が回転することにより現像装置100内にトナーは運ばれる。
【0095】
本実施例ではリユーストナーとNewトナーを現像装置100内で混ぜる方法を採用したが、ホッパー311A又は311B内に混合するスペースを設け混ぜても構わない。現像装置100内で混ぜられたトナーは再び現像スリーブ1に送られ、感光ドラム303上に現像される。ホッパー311Aの供給ローラ312の通常の回転速度は2回転/分でローラの回転速度を変化させる。補給量は画像データ(ビデオカウント)によりローラ回転を制御する。
【0096】
本件では更に帯電しにくい廃トナーを十分撹拌させる必要がある。そこでBスクリュー5aとして、図1(a)に示すスクリュー軸3bに図12に示すフィン5eを設けた。そして、その形状を厚さ方向の断面図である図12(b)に示すように、フィン板部分5fの上部にフィン板部部分5fと垂直にスクリュー5a回転方向に対して上流部に突起部分5gを設けたものとした。このフィン5gを取り付けてスクリュー軸5bを回転することで、5fと5gによって囲まれた領域の現像剤を更に十分攪拌することができる。
【0097】
このフィン5eを設けたBスクリュー5aが設置された攪拌室5の剤面はトナー補給口8直下はスクリュー軸5bが回転中に剤面より上部に浮き出た形状となった。つまり剤面より軸5bが高い。
【0098】
本実施例のようにリユース画像形成装置に使用され、廃トナーが混在した補給トナーは凝集度が通常10%程度に対して3倍程度となっているため、剤へのトナー取り込みに対しても不利なので上記のようなフィン5eを設置したBスクリュー5aを用いた構成にした。
【0099】
尚、スクリュー5bにおけるフィン5eの取付位置や、数は、実施例1同様に、補給口8近傍の第1領域Bよりも補給口8から現像剤搬送方向下流側に所定距離離れた位置以降の第2領域にフィン5eを多く設ける条件に沿ったものとした。
【0100】
このように、スクリュー軸5bがみえる剤面にすることが好ましく、こうすることで、廃トナーが混在したトナーでも十分に撹拌をすることができた。実際には50kの耐久後でべた画像を10枚とった後のかぶりは8%と製品化が困難だったのに対して、本実施例では1.5%程度に抑えることができた。
【0101】
以上の構成にすることで、トナーリユース画像形成装置における小型現像装置においてもトナーの撹拌不良を防ぎ、トナーの帯電性、撹拌性を維持することで飛散、かぶりを防止し、画像むらのない高画質画像を耐久においても維持することができ、廃棄物を出さないという点で、環境に優しい現像装置を提供することができた。
【0102】
実施例3
本件は実施例1と同様の構成の小型現像装置において、トナー補給口8の下流にて現像剤を現像容器10より外部に排出する構成をとる場合である。これは二成分現像の現像剤の剤寿命を長寿命化するため、補給するトナーにあらかじめキヤリアを少量混ぜるとともに、現像容器10内の劣化したキヤリアを現像容器10外へ排出し、結果として劣化したキヤリアを含む剤が新しい剤と入れ替わるので、現像剤そのものの寿命を延ばすことができるシステムである。
【0103】
本実施例ではそのような長寿命化を図った現像装置において、トナー補給口8部分の攪拌スクリュー5aによる現像剤搬送方向下流部分側における剤面を上昇させる本発明を実施した。画像形成装置、現像装置の基本構成は実施例1と同様であり、図5において、現像剤の回収口18を、攪拌室5の現像剤搬送方向下流端部分のP0領域における現像容器10壁面に設ける。このような場合、現像剤排出口18近傍の剤面は排出口18の最上点より高くなければいけない。これは剤面が低いとキヤリアを含んだ補給現像剤が蓄積されても排出されないためである。尚、本実施例の排出方法は搬送スクリュー5aが回転することで剤が動き排出動作がされることを利用する。
【0104】
本構成にて、開口部が15mm×5mmとして排出口18を図5のP0領域で現像容器10底面からの高さを19mmにし、現像剤排出量を記した際の排出特性を図13に示す。比較例は図6(a)の形状の水平な剤面で、出来るだけ剤面を上昇させたものである。いずれも、現像剤が増えてくると所定高さ以上の現像剤が排出されるしくみである。横軸は現像装置100内の現像剤量である。
【0105】
べた画像をとり続けた場合、補給現像剤中のキヤリアが急激に現像装置100内に入る。その際に現像装置100内に蓄積した現像剤で満タンにならないように所定時間で所定量排出する必要がある。
【0106】
本実施例では補給剤中のキヤリアの比率は重量比で20%とした。べた画像連続時に必要な排出量は200mgである。この量以下だと満タンになる。この点を考慮し、図13より、実施例では現像剤量280gで300mg排出しているのに対して、比較例ではほとんど排出されない。
【0107】
比較例で排出量が少ないのは、現像装置100内の剤体積の増加に対しての感度が少ないためである。通常は例えば30gの剤を現像装置100内に加えると全体的に分散するために、剤面としては変化が少ない。それに対して、実施例1と同様のスクリュー5aを用い、トナー補給口8の下流でフィン5dが多く存在する第2領域に排出口18を設けると、この構成ではもともと第2領域に剤を集める特性があるために、加えた30gの多くの割合がこの場所にたまり、結果として現像装置の剤量に対して排出特性の感度が高くなるのである。
【0108】
別の比較例として、図1(b)に示した構成の全体にフィン5dがついたものでも排出量は50mgであり排出量が少ない。この場合は、スクリュー5aの全域において同じ形状であるので、剤面としては均一に分散するためである。更には、画像においては、トナー補給口8部の剤面が上昇ため、画像かぶり、飛散が非常に悪いため製品化できない。本実施例では、現像剤の寿命としては通常50k枚程度に対して、300kの寿命を達成させることができた。又、このような現像剤面の制約を受けても、補給トナーを十分に撹拌できるため、耐久によってもかぶりのない高画質を維持することができた。
【0109】
以上のように、現像容器に所定の高さにトナー回収口を設けた小型二成分現像装置においても、現像剤の長寿命化を達成するとともに、トナーの撹拌不良を防ぎ、トナーの帯電性、撹拌性を維持することで飛散、かぶりを防止し、画像むらのない高画質画像を耐久においても提供することができた。
【0110】
以上、実施例1〜3に説明した構成によって、小型二成分現像装置、及びそれを備えた画像形成装置においてトナーの撹拌不良を防ぎ、トナーの帯電性、撹拌性を維持することで飛散、かぶりを防止し、耐久後も、画像むらのない高画質画像を提供するこがきる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、トナー及びキャリアを含む現像剤を担持して像担持体へ搬送する現像剤担持体を備えた現像室と、回転軸上にフィンが設けられ現像剤を攪拌搬送するスクリュー部材、及びトナーを受け入れる補給口を備え、前記現像室と現像剤の循環経路を構成する攪拌室と、を有する現像装置において、前記受け入れ口近傍の第1領域よりも前記受け入れ口から現像剤搬送方向下流側に所定距離離れた位置以降の第2領域に前記フィンを多く設けたので、現像装置を小型化しても、現像剤の撹拌不良を防止しトナーの帯電性を向上するこで、飛散やかぶりといった現象を防止し、画像むらのない高画質画像を長期に亘って提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第二の攪拌手段の一例(図1(a))と比較例(図1(b))を示す正面図である。
【図2】本発明に係るフィン部材の一例を示す正面図(図2(a))と断面図(図2(b))である。
【図3】本発明に係る現像装置の一例を示す横断面図(図3(a))と縦断面図(図3(b))である。
【図4】本発明に係る現像装置の一例による現像バイアスを示す説明図である。
【図5】本発明に係る現像装置の一例を示す長手方向横断面図である。
【図6】本発明に係る現像容器における剤面を説明する説明図である。
【図7】本発明に係る現像容器内におけるトナー帯電量分布の一例(図7(a))と比較例(図7(b))を示すグラフである。
【図8】攪拌長とトナー飛散量との関係を示すグラフである。
【図9】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置の一例による画像信号制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係るフィン部材の他の例を示す正面図(図12(a))と断面図(図12(b))である。
【図13】本発明に係る画像形成装置の他の例及び比較例による現像剤排出量と現像容器内の現像剤量との関係を示すグラフである。
【図14】従来の現像装置の一例を示す横断面図(図3(a))と縦断面図(図3(b))である。
【符号の説明】
1 現像スリーブ(現像剤担持体)
2 磁石
3 規制ブレード
4 現像室
4a Aスクリュー(第一の攪拌手段)
5 攪拌室
5a Bスクリュー(第二の攪拌手段)
5b スクリュー軸
5c スクリュー羽根
5d、5e フィン部材
6 トナー濃度センサ
7 仕切壁
8 トナー補給口(受け入れ口)
100 現像装置
103 感光ドラム(像担持体)

Claims (5)

  1. トナー及びキャリアを含む現像剤を担持して像担持体へ搬送する現像剤担持体を備えた現像室と、
    回転軸上にフィンが設けられ現像剤を攪拌搬送するスクリュー部材、及び補給トナーを受け入れる受け入れ口を備え、前記現像室と現像剤の循環経路を構成する攪拌室と、を有する現像装置において、
    前記受け入れ口近傍の第1領域よりも前記受け入れ口から現像剤搬送方向下流側に所定距離離れた位置以降の第2領域に前記フィンを多く設けたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記攪拌室は前記受け入れ口より補給トナーと共に補給キャリアを受け入れる構成とされ、前記攪拌室から余剰現像剤を排出する排出口を前記第2領域に設けたことを特徴とする請求項1の現像装置。
  3. 前記第2領域よりも前記第1領域の現像剤面の高さを低く設定したことを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
  4. 前記第1領域の前記受け入れ口と対向する現像剤面を前記回転軸よりも低く設定したことを特徴とする請求項1、2又は3の現像装置。
  5. 前記第1領域のうち前記受け入れ口と対向する位置にのみ前記フィンを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の現像装置。
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