JP2004271364A - 携帯時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】胴13に設けられるパイプ取付け孔17を、胴外面13bに開口する弾性体収容孔部17cを有した段付き構造とする。胴13に着脱できるように取付けられる巻真パイプ21を、胴13の外側からパイプ取付け孔17に出し入れ可能に遊挿されて胴13の内側に配置される胴内側端部23aを有した挿入部23と、胴13の外側に配置される胴外側端部24と、これら挿入部23と胴外側端部24間に設けられた鍔部22とを有した構成とする。弾性体収容孔部17cの奥面17dと鍔部22とで圧縮状態に挟まれて弾性体収容孔部17cに収容されたコイルスプリング(弾性体)27で、巻真パイプ21を胴外側に向けて付勢し、かつ、胴内側端部23aの係合溝25にパイプストッパ26を取外し可能に係合して巻真パイプ21の抜け止めする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、胴に対する巻真パイプの取付け構造を改良した携帯時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯時計の胴のパイプ取付け孔を貫通する巻真パイプは、ろう付けにより胴に固定されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
又、胴のパイプ取付け孔を貫通した巻真パイプを接着剤で胴に固定したものもある(例えば特許文献2参照。)。
【0004】
更に、鍔付きの巻真パイプを、胴内側から段付きのパイプ取付け孔に挿通し、パイプ取付け孔の径大穴に防水パッキンを配設するとともに、径大穴を塞ぐ防水固定リングを巻真パイプの外周に圧入又は螺合して、巻真パイプの鍔部と防水固定リングとにより胴を挟んで、巻真パイプを胴に固定したものもある(例えば特許文献2参照。)。
【0005】
この他に、ねじロック構造を備えた携帯時計において、竜頭が螺合される雄ねじ部とは別の雄ねじ部を巻真パイプの軸方向中間部に設けて、この別の雄ねじ部を胴のパイプ取付け孔にねじ込むとともに、このねじ込みに伴い胴と巻真パイプとの間に防水パッキンを挟み込んだものもある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−46181号公報(第1頁右欄第9行〜第10行、第1図〜第2図)
【0007】
【特許文献2】
特開平7−287077号公報(段落0002、段落0003、段落0008、第1図、第4図、第5図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
携帯時計をメンテナンスする場合にはその胴の外面が磨かれることが多い。この場合、特許文献1や特許文献2の段落0002及び図4に記載のように巻真パイプが胴にろう付けや接着により固定されている構成では、巻真パイプの胴の外側に突出している胴外側端部が、胴の外面を磨く際の邪魔となる。
【0009】
更に、巻真パイプが胴にろう付けや接着により固定されている構成では、何らかの事情で巻真パイプを交換する必要が生じた場合、巻真パイプ単独の部品交換ができない。それにより、胴を含めた時計外装組立の交換を余儀なくされており、その改善が求められている。
【0010】
特許文献2の段落0003、段落0008、第1図、第5図の構成は、胴に対する巻真パイプの固定力の信頼性向上及び抜け止めを解決課題としているので、巻真パイプを胴から取外すことについては教示していない。
【0011】
仮に、巻真パイプが取外せるとしても、このパイプの鍔が胴内側にあるので、巻真パイプを胴内側に抜く必要があって、作業上面倒である。しかも、経年使用に伴い胴のパイプ取付け孔と巻真パイプとの間に金属酸化物等が生成される等により、巻真パイプのパイプ取付け孔に対する移動は渋くなっていることが多い。このため、巻真パイプを胴から抜く作業には手間がかかり易い。又、巻真パイプを胴にねじ込んだ構成でも、同様な事情から巻真パイプのねじ込みを外す作業には手間がかかり易い。
【0012】
又、例えば巻真パイプの胴外側端部に竜頭を螺合して、この竜頭をねじロック(時計の携帯中等に竜頭が不用意に回転されないようにねじの螺合を利用して保持すること。)する携帯時計では、経年使用による摩耗等でねじロックの機能が低下することがある。このような事態に至った場合、胴に巻真パイプがろう付け等で固定されている携帯時計では、巻真パイプ単独の部品交換ができず、胴を含めた時計外装組立の交換を余儀なくされている。
【0013】
これに対して、胴に巻真パイプをねじ込んだ携帯時計では、原理的には巻真パイプ単独の部品交換が可能であると考えられている。しかし、竜頭を巻真パイプに螺合させたり、この螺合を外したりするたびに、巻真パイプには回転力が作用するので、胴に対する巻真パイプのねじ込みが緩むおそれがある。
【0014】
この対策として、巻真パイプと胴との螺合部に接着剤を充填することが行われることがある。このように接着止めされる場合には、巻真パイプを胴から取外すことが困難となり、実際上は巻真パイプ単独の部品交換ができなくなる。このため、ねじロック機能が低下した場合に、胴を含めた時計外装組立の交換を余儀なくされるとともに、巻真パイプ周りの胴外面を磨く場合に、巻真パイプが邪魔になる。
【0015】
更に、胴に巻真パイプをねじ込む構成では、巻真パイプに対する雄ねじ部の加工、及び胴のパイプ取付け孔に対する雌ねじ部の加工が必要であるが、これらのねじ加工は比較的手間が掛かるので、コスト高になる。その上、巻真パイプのねじ込みに伴って、このパイプにはストレスが掛かるので、それに耐える強度が巻真パイプに必要とされる。これにより、巻真パイプの材料や肉厚などの設計上の制約が多くある。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、巻真パイプ周りのメンテナンスに優れた携帯時計を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、胴のパイプ取付け孔を、胴外面に開口する弾性体収容孔部を有した段付き構造とする。パイプ取付け孔に挿通される巻真パイプを、胴の外側からパイプ取付け孔に出し入れ可能に遊挿されかつ胴の内側に配置される胴内側端部を有した挿入部と、胴の外側に配置される胴外側端部と、これらの間に設けられた鍔部とを有した構成とする。更に、弾性体収容孔部の奥面と鍔部との間に弾性体を圧縮状態に挟み込み、弾性体で巻真パイプを胴外側に向けて付勢するととともに、胴内側端部の係合溝にパイプストッパを取外し可能に係合して巻真パイプの抜け止めをしたことを特徴としている。
【0018】
本発明で、胴及び巻真パイプは金属例えばステンレス鋼等の材料で好適に作ることができるが、これに制約されず合成樹脂製とすることも可能である。本発明で、巻真パイプの挿入部がパイプ取付け孔に「遊挿」されるとは、挿入部がパイプ取付け孔に非圧入状態に挿入されていて、この取付け孔に対する挿入部の胴外側からの出し入れを可能とする挿入状態を指している。挿入状態では、挿入部とパイプ取付け孔との間に若干の隙間(遊び)を設けることは好ましいが、この隙間は実質的になくてもよい。本発明で、パイプストッパは、それ自体単独でストッパ部品として機能できるC形やE形の止め輪、ナット等を使用できる他、時計ムーブメントを支持するために胴内側(胴の内部空間)に配置される合成樹脂製等の内枠にU字状の溝を有した板部を一体に成形し、この板部をパイプストッパとして使用することも可能である。この場合、U字状の溝を巻真パイプの胴内側端部の係合溝に嵌めることによって、前記板部をパイプストッパとして機能させることが可能である。更に、パイプストッパの種類に応じて、胴内側端部の係合溝は環状の溝やねじ溝などで形成できる。又、本発明で、弾性体には、コイルスプリングを好適に使用できる他、ゴム状弾性体も使用可能であり、或いはこれらを共に使用することも可能である。
【0019】
本発明では、巻真パイプが弾性体の付勢力で胴外側に向けて付勢された状態を、胴内側に配置したパイプストッパによる抜け止め作用で保持していて、巻真パイプはパイプ取付け孔に固定されることなく胴に取付けられている。このため、メンテナンスにおいてパイプストッパを外した状態では、パイプ取付け孔に遊挿されている巻真パイプを胴外側に容易に引抜くことができる。しかも、この場合、弾性体の付勢力が胴外側に向けて解放されるに伴い、弾性体が自由状態に戻る復元寸法に見合って巻真パイプが胴外側に押出されるので、巻真パイプを引抜く際の初期操作力が小さくて済む。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記鍔部が前記胴に形成した当たり面に接しているとともに、前記パイプストッパが前記胴の胴内面に接していて、これら鍔部とパイプストッパとが前記パイプ取付け孔の周りを前記胴の内外から挟んでいるので、胴に対する巻真パイプの軸方向のがたつきがない点で優れている。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記弾性体がコイルスプリングであるので、巻真パイプを引出す際の初期押出しを確実にできる点で優れている。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記弾性体がゴム製パッキングであるので、弾性体で巻真パイプとパイプ取付け孔との間の防水を兼ねることができる点で優れている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0024】
図1中符号11は携帯時計としての腕時計を示しており、この時計11は時計外装組立12内に図示しない時計ムーブメント等を収容している。時計ムーブメントは、小型電池やぜんまいを動力にしたもの、又は自動巻きのもの、若しくはクォーツ発振モジュールにより文字板上で時刻等をデジタル表示するデジタル時計対応のもの、或いはデジタル時計対応のものとそれ以外のものとを併用したもの等のいずれであってもよい。
【0025】
時計外装組立12は、環状をなす金属製の胴13の厚み方向一面に、カバーガラス14を液密に装着するとともに、胴13の厚み方向裏面に、金属等からなる裏蓋15(図2参照)を液密に装着して形成されている。カバーガラス14を通して文字板16などを透視可能であり、裏蓋15は取外し可能である。
【0026】
図2に示すように胴13の一部には、この胴13を径方向に貫通するパイプ取付け孔17が開けられている。パイプ取付け孔17の一端は、胴内側、つまり時計外装組立12の内部に開口され、パイプ取付け孔17の他端は、胴外側、つまり時計外装組立12の外部に開口されている。
【0027】
パイプ取付け孔17は、胴13の胴内面13aに開口する小径孔部17aと、胴13の胴外面13bに開口する大径孔部17bと、これらを連通して相互間に設けられた弾性体収容孔部17cとから形成されている。胴内面13aとは胴13の内部空間(胴内側)に臨んだ面を指している。大径孔部17bを介して胴外面13bに開口している弾性体収容孔部17cは、小径孔部17aより大径であるが、大径孔部17bより小径である。このため、小径孔部17aと弾性体収容孔部17cとの境をなす環状の第1段差により弾性体収容孔部17cの奥面17dが作られているとともに、 大径孔部17bと弾性体収容孔部17cとの境をなす環状の第2段差により大径孔部17bの奥面をなす当たり面17eが作られている。
【0028】
金属製、例えばステンレス鋼製の巻真パイプ21が、パイプ取付け孔17を貫通して胴外側から出し入れ可能に胴13に取付けられている。
【0029】
詳しくは、図2に示すように巻真パイプ21は、軸方向中間部外周に一体に突設された環状の鍔部22と、この鍔部22を境に胴内側に配置される挿入部23と、鍔部22を境に胴外側に配置される胴外側端部24とを有している。
【0030】
鍔部22は、当たり面17eに接して胴13に対する巻真パイプ21の挿入深さを規制するものであり、その径は大径孔部17bより小さく弾性体収容孔部17cより大きい。更に、鍔部22と当たり面17eとが接した状態で、鍔部22の外面が胴側面13bと面一的に連続するように、鍔部22の厚みは大径孔部17bの深さと同じとすることが望ましい。
【0031】
挿入部23の最大径は小径孔部17aより僅かに小さく、これにより、小径孔部17aと挿入部23との間には図2に示すように僅かな隙間(遊び)が作られるようになっている。挿入部23は、巻真パイプ21が当たり面17eで軸方向に位置決めされた際に、鍔部22から最も隔たった挿入部23の胴内側端部23aが、胴13の内側に突出して配置される長さを有している。
【0032】
胴内側端部23aの根元には、この端部23aの外周に開放する例えば環状の係合溝25が形成されている。係合溝25にはE形止め輪等からなるパイプストッパ26が取外し可能に係合されている。パイプストッパ26は、胴内面13aに接して、パイプ取付け孔17に対する胴外側への巻真パイプ21の抜け止めとして機能している。更に、パイプストッパ26は、鍔部22とともにパイプ取付け孔17の周りを胴13の内外から挟んで、胴13に巻真パイプ21を取付けている。
【0033】
挿入部23の外周には、弾性体収容孔部17cに収容される弾性体例えばコイルスプリング27が巻付けられている。コイルスプリング27は、その一端を奥面17dで受けられ、他端を鍔部22で受けられて、これら奥面17dと鍔部22とで圧縮状態に挟まれている。このため、圧縮状態のコイルスプリング27の反発力により、巻真パイプ21は胴外側に向けて付勢されて、それに伴い、パイプ取付け孔17が開口されている胴内面13aへのパイプストッパ26の接触が維持されている。
【0034】
図2中符号28はゴム製の環状防水パッキンを示している。このパッキン28は、挿入部23の外周に設けた環状溝に嵌合して装着されていて、挿入部23と小径孔部17aとの間に弾性変形した状態で挟まれていて、パイプ取付け孔17と巻真パイプ21との間の防水を担っている。
【0035】
胴13への巻真パイプ21の取付けは次の手順で行われる。まず、弾性体収容孔部17cにコイルスプリング27を胴外側から収容した状態、又は、巻真パイプ21の挿入部23の外周にコイルスプリング27を嵌合させた状態で、胴外側から挿入部23をパイプ取付け孔17に挿通させる。これに伴い、自由状態のコイルスプリング27が圧縮されるとともに、挿入部23の胴内側端部23aが胴13の内側(胴13の内側空間)に突出する。パイプ取付け孔17への挿入部23の挿入は、鍔部22が大径孔部17bの奥面からなる当たり面17eに当たることにより規制され、この規制に伴い胴内側端部23aの係合溝25が胴内面13aに対して適正に位置決めされる。次に、前記位置決め下において、パイプストッパ26を胴内面13aに沿わせながら係合溝25に嵌め付ける。
【0036】
それにより、パイプ取付け孔17に挿入された巻真パイプ21が胴13に取付けられる。この場合、巻真パイプ21の挿入部23はパイプ取付け孔17に打ち込み作業を伴って圧入されないので、挿入作業が容易である。したがって、巻真パイプ21の取付け作業性がよい。なお、胴13に巻真パイプ21が取付けられた状態で、このパイプ21の胴外側端部24は、胴13の胴外面13bより外側に突出して配置される。
【0037】
胴13に取付けられた巻真パイプ21は、コイルスプリング27の付勢力で胴外側に向けて付勢された状態を、パイプストッパ26による抜け止め作用で保持されている。したがって、巻真パイプ21はパイプ取付け孔17に固定されることなく胴13に取付けられている。
【0038】
このため、既述の組立と逆の手順でメンテナンスの際等に胴13から巻真パイプ21を取外すことが可能である。この取外しは、裏蓋15を取外した状態で、胴内側のパイプストッパ26を外して、パイプ取付け孔17に遊挿されている巻真パイプ21を胴外側に引抜くことで実施できる。この場合、パイプストッパ26の取外しにより巻真パイプ21の抜け止め機能が消失するので、コイルスプリング27の付勢力が胴外側に向けて解放される。これに伴い、少なくともコイルスプリング27が自由状態に戻る復元寸法に見合って、巻真パイプ21が胴外側に押出される。このため、巻真パイプ21を引抜く際の初期操作力が小さくて済む。しかも、コイルスプリング27はゴム状弾性体に比較して大きな復元寸法を得るように圧縮できるので、前記初期押出力を強く、かつ初期押出し量を多く確保できる。このため、巻真パイプ21の移動が仮に渋る状況であっても、確実な初期押出しを期待できる。したがって、この後、小さな操作力で容易に巻真パイプ21を胴外側に引抜くことが可能である。
【0039】
図1中符号31で示す竜頭は、金属製であって、図2に示すように竜頭主部32と、この中央部から軸方向に一体に延びる竜頭軸部33とを有している。竜頭主部32には、竜頭軸部33の根元側部分を囲む環状の逃げ溝34が設けられている。この逃げ溝34は、巻真パイプ21の胴外側端部24が挿入される部分である。
【0040】
竜頭軸部33は胴外側から巻真パイプ21に挿入されている。この軸部33の外周に形成された環状溝には、ゴム製の環状防水パッキン35が取付けられている。防水パッキン35は、巻真パイプ21の内周面と竜頭軸部33の外周面との間に圧縮状態に弾性変形して挟まれ、これらの間の防水を担っている。竜頭軸部33には胴内側から時計ムーブメントの巻真36が連結されている。したがって、竜頭31を所定の状態で回転させることにより、時計ムーブメントを操作して時刻合わせ等が行われるようになっている。
【0041】
以上の構成を備えた携帯時計11をメンテナンスする場合には、その竜頭31を既知の方法で外した状態で、既述のように胴13から巻真パイプ21を取外すことができる。
【0042】
このため、メンテナンスにおいて巻真パイプ21の交換が必要な場合には、巻真パイプ21を単独に交換可能である。これにより、修理の依頼者にとっては、胴13等を含めた時計外装組立12の交換を余儀なくされることなく、部品交換で対応することが可能となるので、費用負担を少なくできる。更に、巻真パイプ21の交換を伴うか否かに拘らず、メンテナンスにおいて胴外面13bをバフ研摩等により磨いて胴13をきれいにする場合に、巻真パイプ21を容易に取外して、その胴外側端部24が磨き作業の邪魔にならない状態で行うことが可能である。このため、磨き作業がし易く、かつ、胴外面13bを確実に磨くことができる。
【0043】
又、組立てられた状態では、巻真パイプ21に取付けられたパイプストッパ26と巻真パイプ21の鍔部22とで、胴13のパイプ取付け孔17の周りが内外から挟まれている。このため、携帯時計11が落下した場合等に衝撃が加わっても、胴13に対して巻真パイプ21が軸方向にがたつくことを防止できる。
【0044】
更に、既述のように胴13への巻真パイプ21の取付けにおいては、巻真パイプ21をねじ込む必要がないので、巻真パイプ21に胴13への取付けに伴うストレスが掛かることが抑制される。このため、巻真パイプ21に必要とされる強度なども下げることができるに伴い、巻真パイプ21の材料や肉厚などの設計上の自由度を大きくすることが可能である。しかも、パイプ取付け孔17を段付き孔とする加工は、ねじ部を作る加工に比較して容易であり、巻真パイプ21に対する雄ねじ部の加工、及びパイプ取付け孔17に対する雌ねじ部の加工が不要となるので、加工コストを低減することが可能である。
【0045】
図3は本発明の第2実施形態を示している。第2実施形態は、基本的には第1実施形態と同じであるので、同じ部分については第1実施形態と同一符号を付してその説明を省略し、以下、第1実施形態とは異なる部分について説明する。
【0046】
第2実施形態では、コイルスプリングに代えてゴム製の環状パッキング127を採用している。このパッキング127は、巻真パイプ21を胴外側に向けて付勢する弾性体及び防水パッキンとして機能するものであり、このため、第2実施形態では第1実施形態で採用した防水パッキン28は省略してある。図3中寸法Aはパッキング127の自由状態での厚みを示している。
【0047】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じである。そのため、この第2実施形態でも、第1実施形態と同じ作用を得て本発明の課題を解決できる。しかも、第2実施形態は、弾性体として機能するパッキング127が、胴13と巻真パイプ21との間の防水を兼ねている。これにより、部品点数を削減できるとともに、挿入部23に対する溝加工を少なくできるので、加工コストを低減できる点で好ましい。
【0048】
本発明は前記両実施形態には制約されるものではなく、例えば通常の腕時計以外に懐中時計、或いは高圧防水機能を有するダイバーズウォッチ等にも適用可能である。さらに、ねじロック構造を備える携帯時計にも適用可能である。この場合、例えば、大径孔部17bとこれに嵌合される鍔部22とを共に多角形等の非円形として、これらの係合により巻真パイプ21を回り止めするとともに、胴外側端部24の外周に雌ねじ部を形成し、この雄ねじ部に取外し可能に螺合される雌ねじ部を竜頭主部32に内周面に形成して、これらねじ部の螺合により、携帯時に竜頭31が不用意に回転されないようにすればよい。又、当たり面17eは胴外面13bで兼ねることもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、パイプ取付け孔に遊挿して胴に固定することなく設けられ、かつ、弾性体で付勢された巻真パイプを、メンテナンスにおいてパイプストッパを外して胴外側に引抜くことが可能である。これにより、巻真パイプを引抜く際の初期操作力が小さくて済むとともに、胴外面を磨く場合に巻真パイプが邪魔にならず、巻真パイプ単独の部品交換が可能となるので、巻真パイプ周りのメンテナンスが容易な携帯時計を提供できる。
【0050】
胴の当たり面又は胴内面に接する巻真パイプの鍔部とパイプストッパとでパイプ取付け孔の周りを胴の内外から挟んだ構成を備えた発明によれば、胴に対する巻真パイプの軸方向のがたつきを抑制可能な携帯時計を提供できる。
【0051】
コイルスプリング製の弾性体を備えた発明によれば、メンテナンスにおいて巻真パイプを引出す際の初期押出しが確実な携帯時計を提供できる。
【0052】
ゴム製パッキングからなる弾性体を備えた発明によれば、この弾性体で巻真パイプとパイプ取付け孔との間の防水を兼ねることが可能な携帯時計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯時計を示す正面図。
【図2】図1中F2−F2線に沿って巻真パイプ周りを示す断面図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る携帯時計の巻真パイプ周りを示す断面図。
【符号の説明】
11・・・携帯時計
12・・・時計外装組立
13・・・胴
13a・・・胴内面
13b・・・胴外面
17・・・パイプ取付け孔
17c・・・パイプ取付け孔の弾性体収容孔部
17d・・・弾性体収容孔部の奥面
17e・・・胴の当たり面
21・・・巻真パイプ
22・・・巻真パイプの鍔部
23・・・巻真パイプの挿入部
23a・・・挿入部の胴内側端部
24・・・巻真パイプの胴外側端部
25・・・係合溝
26・・・パイプストッパ
27・・・コイルスプリング(弾性体)
127・・・パッキング(弾性体)
Claims (4)
- 胴外面に開口する弾性体収容孔部を有した段付きのパイプ取付け孔が設けられた胴と、
この胴の外側から前記パイプ取付け孔に出し入れ可能に遊挿されているとともに前記胴の内側に配置される胴内側端部を有した挿入部、前記胴の外側に配置される胴外側端部、及びこれら挿入部と胴外側端部間に設けられた鍔部を有する巻真パイプと、
前記弾性体収容孔部の奥面と前記鍔部とで圧縮状態に挟まれて前記弾性体収容孔部に収容され、前記巻真パイプを胴外側に向けて付勢する弾性体と、
前記胴内側端部に設けられた係合溝に取外し可能に係合されて前記巻真パイプの抜け止めをするパイプストッパと、
を具備している携帯時計。 - 前記鍔部が前記胴の当たり面に接しているとともに、前記パイプストッパが前記胴の胴内面に接していて、これら鍔部とパイプストッパとが前記パイプ取付け孔の周りを前記胴の内外から挟んでいる、請求項1に記載の携帯時計。
- 前記弾性体がコイルスプリングである、請求項1又は2に記載の携帯時計。
- 前記弾性体がゴム製パッキングである、請求項1から3の内のいずれか1項に記載の携帯時計。
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