JP2004270595A - 燃料噴射制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン側からの刻々変化する要求燃料噴射量に対応し、燃料噴射用ソレノイドの状態に応じて燃料噴射量を調整することが可能な燃料噴射制御方法及びその制御装置を提供する。
【解決手段】燃料噴射用ソレノイドの駆動停止直前の前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値を測定し、前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正し調整する。ここで、前記補正は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量とに基づいて、又は前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量との種々の組み合わせに対して予め定められており、前記組み合わせに応じて選択される補正値を用いる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等に燃料を供給するための電子制御式の燃料噴射制御方法及びその制御装置に関し、特に電源電圧の変動や、温度変化によって生じる燃料噴射用ソレノイドのコイル抵抗値などの変動による影響を排して、要求された燃料噴射量を正確に噴射するための燃料噴射制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭58−28537号公報
【特許文献2】特開平8−4575号公報
【0003】
2輪車を含む自動車用エンジン等の内燃機関に対し、刻々変化する要求燃料噴射量を適宜且つ適正に供給することは、内燃機関の性能を左右する極めて重要なファクターである。このため、特許文献1は、エンジン開始時における燃料噴射時間を、エンジンの吸入空気温度及びバッテリ電圧に応じて補正するようにした内燃機関の電子制御式燃料噴射方法を開示している。
【0004】
図18は、このような従来の燃料噴射装置の制御回路の具体例を説明するものである。ここでは、電源電圧(バッテリ電圧)の変動によって燃料噴射装置から噴射される単位時間当たりの燃料噴射量が変動してしまうことに鑑みて、電源電圧の値によって燃料噴射時間を調整するようにしている。つまり、電源端子11に印加された電源電圧Vを電源電圧入力回路12を介してECU(Electronic Control Unit)のマイクロコンピュータ13に入力する。そして、マイクロコンピュータ13は、電源電圧Vが低いときは、FET14のオンの時間をより長くした駆動パルスをFET駆動回路15に出力してソレノイド16の駆動時間(燃料噴射時間)を長く調整する。逆に、電源電圧Vが高い時は、FET14のオンの時間をより短く調整した駆動パルスをFET駆動回路15に出力してソレノイド16の駆動時間をより短く調整する。これにより燃料噴射量が電源電圧の変動による影響を受けずに、要求された適正量の燃料を供給するように制御している。
【0005】
一方、特許文献2は、電磁コイルの温度に対応する燃料温度を検出し、該燃料温度とバッテリ電圧に基づいて燃料噴射弁の作動遅れ時間を補正するための補正パルス幅を設定し、エンジンに供給する燃料量に対応する有効噴射パルス幅に対して前記補正パルス幅を加算した値を最終的な噴射パルス幅とするように構成したエンジン用燃料噴射弁の駆動制御装置を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば図18に示されたような電源電圧値に基づいて燃料噴射時間の補正を行う制御方法では、ソレノイド16を構成するコイルの温度が上昇した場合にそのコイル抵抗値が変化し、電源電圧Vが同じであってもコイル電流が変化してしまい要求された燃料噴射量を適正に供給することは困難である。ソレノイド16の単位時間当たりの燃料噴射量がコイル電流値によって変動してしまうからである。このため、ソレノイド16を定電流駆動することも考えられるが、ソレノイド16の動作開始時間等を含めて動作特性が温度によって大きく変動し、そのための制御回路やソフトウェア処理の複雑化に伴う高コスト化を招来するという問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に開示されたエンジン用燃料噴射弁の駆動制御装置においては、温度によって燃料噴射特性が変化する電磁コイルの温度は必ずしも燃料温度と一致しないこと、また、燃料温度を検出するために限られた容量の燃料タンク内にエンジン用燃料噴射弁の駆動制御装置を配設する必要があったため、その分燃料タンクの燃料貯蔵容量を減少させてしまうという問題があった。
【0008】
ところで、近似、本発明者らは、燃料ポンプやレギュレータにより加圧されて送られてきた燃料を噴射する従来タイプの燃料噴射システムとは異なり、それ自体で燃料を加圧し噴射する電磁式燃料噴射ポンプを用いた燃料噴射システム(以下、「電磁式燃料噴射システム」という)を開発している。
【0009】
この電磁式燃料噴射システムは、従来タイプの燃料噴射システムと比較し小型化及び低コスト化を実現できる点において大きな利点を有しているものの、噴射量が燃料噴射用ソレノイドを駆動するコイル電流の影響を受けてしまう特性を有するため、上述したバッテリの電源電圧に基づいて駆動パルス幅を増減補正するだけでは、要求量に対応した適正な燃噴射量補正を行うことができないという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記した従来の燃料噴射制御装置及び制御方法が有していた種々の課題を解決するためのものであって、エンジン側からの刻々変化する要求燃料噴射量に対応し、燃料噴射用ソレノイドの状態に応じて燃料噴射量を調整することが可能な燃料噴射制御方法及びその制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、燃料噴射用ソレノイドの駆動停止直前の前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値を測定し、前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正し調整することを特徴とする燃料噴射制御方法を提供するものである。これにより、噴射量が燃料噴射用ソレノイドを駆動するコイル電流の影響を受ける燃料噴射装置であっても、適正量の燃料噴射量を可能にしているのである。
【0012】
本発明に係る燃料噴射制御方法は、燃料噴射用ソレノイドを所定時間駆動する行程と、前記ソレノイドの駆動停止直前における前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値を測定する行程と、前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正する補正値を求める行程と、前記補正値を用いて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを調整する行程との各行程を有する。
【0013】
ここで、前記補正は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量に基づいて、又は前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量との種々の組み合わせに対して予め定められており前記組み合わせに応じて選択される補正値を用いる。
【0014】
さらに、本発明においては、前記ソレノイドの駆動停止タイミングの補正は、前記ピーク電流値及び前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量の一方又は両方に応じて定まる、要求燃料噴射量の増加分と前記ソレノイドの駆動出力パルス幅の増加分との比で表わされる傾き補正値を求める行程と、前記ピーク電流値に応じて定まる前記ソレノイドの駆動開始から燃料噴射が始まるまでの補正された無効時間を求める行程と、前記要求燃料噴射量に前記傾き補正値を乗じた値に前記補正された無効時間を加えた補正値を求める行程との各行程により構成され、前記補正値を用いて前記ソレノイドの停止タイミングを調整する。これにより、より適正な適正量の燃料噴射制御を可能にしているのである。
【0015】
さらに、本発明においては、エンジンの始動時、または一旦中断した燃料噴射を再開する時の最初の駆動時においては、前記ソレノイドに印加される電源電圧を測定し、当該電源電圧値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正するようにしている。そして、次回又はそれ以降のソレノイドの駆動サイクルにおいて、今回測定したコイル電流のピーク値に基づいてソレノイドの駆動停止タイミングを補正する補正値を求めて調整するのである。
【0016】
本発明は、さらに、燃料噴射用ソレノイドを駆動する手段と、燃料噴射用ソレノイドの駆動停止直前における前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値を測定する測定手段と、前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正する補正値を求め、当該補正値を用いて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを調整する制御手段と、を有することを特徴とする燃料噴射制御装置を提供するものである。
【0017】
ここで、前記ソレノイドの駆動停止時に当該ソレノイドから放出されるエネルギを電源側に帰還させるための帰還回路を、備えるようにしてもよい。そして、前記帰還回路は、前記ソレノイドの駆動停止時に当該ソレノイドから放出されるエネルギをチャージするコンデンサを含む。これにより、バッテリ電力消費量を減少させ、バッテリの小容量化を可能としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。(1)本発明の第1の実施の形態
図1は、本発明に係る燃料噴射制御装置を含む燃料噴射システムの全体概略構成の例を示す。
【0019】
図1に示すように、電磁式燃料噴射システムは、燃料タンク31内の燃料を圧送する電磁駆動ポンプであるプランジャポンプ32と、プランジャポンプ32により所定の圧力に加圧されて圧送された燃料を通過させるオリフィス部を有する入口オリフィスノズル33と、入口オリフィスノズル33を通過した燃料が所定の圧力以上のとき(エンジンの)吸気通路内に向けて噴射する噴射ノズル34と、エンジンの運転情報およびプランジャポンプ32のソレノイド(本願における燃料噴射用ソレノイド)に流れるコイル電流(ピーク値)に基づいてプランジャポンプ32等に制御信号を出力するように構成されたコントロールユニット(ECU)36をその基本構成として備えている。ここで、本発明に係る燃料噴射制御装置における制御手段は、前記コントロールユニット36に該当する。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射制御装置の構成を説明するものである。図2において、燃料噴射用ソレノイド(以下、適宜、「ソレノイド」又は「コイル」という)46は、プランジャポンプ32を構成する。プランジャポンプ32は、燃料噴射用ソレノイド46を駆動するためのスイッチング素子である例えばNチャンネルFET44、FET48及びFET駆動回路45からなる駆動手段により駆動される。
【0021】
ところで、本発明に係る燃料噴射装置の必須の構成要素ではないが、ソレノイド46を駆動停止した際にソレノイド46から放出されるエネルギをチャージするためのコンデンサ50及びダイオード42を備えるようにすると良い。これにより、バッテリ41の電力消費量を減少させると共に、バッテリ41の小容量化を実現できる。ソレノイド46に蓄えられたエネルギが再びソレノイド46の駆動エネルギとして再利用されるからである。さらに、これにより、コンデンサ50には電源電圧(例えば12V)よりも高い電圧がチャージされているので、ソレノイド46の駆動開始時におけるコイル電流の立ち上がりが急峻になりプランジャポンプ32の動作開始時間(無効時間)が短縮されるという効果も得ることができる。
【0022】
図2に示すように、本制御装置は、この他、ソレノイド46のコイル電流ピーク値又は駆動停止直前の電流値(本願においては、これを含めて適宜「ピーク電流値」という)を測定する電流検出回路6、測定したピーク電流値に基づいてソレノイド46の駆動停止タイミングを補正する補正値を求めこの補正値に基づいてソレノイド46の次回以降の駆動における停止タイミングを調整する駆動ドライバ及びマイクロコンピュータ43を含んだコントロールユニット(制御手段)36等からなる制御手段を備える。
【0023】
ソレノイド46の一端には、ダイオード57を介してバッテリ41の電源電圧(V)が印加される。ソレノイド46の他端は、FET44のドレインに接続される。上述したように、ソレノイド46から放出されるエネルギをチャージするためのコンデンサ50にダイオード42を介して接続するようにしても良い。
【0024】
FET44のゲートには、FET駆動回路(ドライバ回路)45を介してマイクロコンピュータ43から出力された作動信号に基づく駆動出力パルスが供給される。FET48のオン/オフ動作は、FET44と同じであってもよいが、ソレノイド46の駆動前(FET44のオン)に先行してオンするようにしてもよい。また、FET48のオフのタイミングは、FET44のオフの前にする。
【0025】
FET44のソース端子は、電流検出用の抵抗52を介して接地される。駆動出力パルスによってFET44が「オン」状態になると、バッテリ41からソレノイド46、に電源電圧が供給されてソレノイド46の駆動が開始される。そして、ソレノイド46に流れた電流は、電流検出回路6により測定される。
【0026】
電流検出回路6においては、電流検出用抵抗52(低抵抗)の両端子間に生じる電圧降下(「R52」×「コイル電流値」)を、直列抵抗7、帰還抵抗8、オペアンプ9により構成される増幅回路で増幅してマイクロコンピュータ43のアナログ入力端子に出力するようにする。マイクロコンピュータ43は、入力されたアナログ電流値をデジタル変換して内部のメモリに記憶する。このコイル電流値を記憶するメモリは、現在記憶しているコイル電流値を越える電流値が入力されると新たな電流値に書き替えるようにしてコイル電流のピーク値Ipを記憶するようになっている。通常、ソレノイド46に流れる電流は、時間の経過と共に増加するのであるが、電源電圧の短期間における急峻な変動(電圧降下)等の要因で、必ずしもソレノイド46の遮断直前時の電流がピーク電流になるとは限らない。本発明においては、コイル電流のピーク値に基づいてソレノイド46の駆動停止のタイミングを補正することにより、燃料噴射要求量に適切に対応することを可能にしている。
【0027】
尚、図2においては、ソレノイド46の駆動停止の際にソレノイド46から放出されるエネルギをコンデンサ50にチャージし再利用するようにしているが、従来技術のように、例えば図18に示されたようなスナバー回路により消費させるようにしても良い。また、ソレノイド46の他端を、ダイオード42を介してバッテリ41に接続することによりバッテリ41を充電するような構成にしてもよい。
【0028】
図3は、本第1の実施の形態におけるピーク電流による補正処理方法の概略フローを示す。この実施の形態においては、ソレノイド46の電流がピークに達した時のピーク電流を測定し、要求燃料噴射量Qcとこのピーク電流測定値に基づいて要求燃料噴射量Qcに対応するソレノイド46の要求駆動パルスPwを調整する。より具体的には、図3に示すように、ソレノイド46に流れたコイル電流のピーク値Ipを測定し、その測定値に基づいて、要求燃料噴射量Qcに対応するソレノイドの要求駆動パルスPwを増減するための補正値Prを求め、この補正値Prを用いて燃料噴射用ソレノイドの駆動時間(例えば、駆動停止のタイミング)を調整した実際の駆動パルス幅Toutを有する駆動出力パルスPoutを生成し、これによりソレノイド駆動時間を制御するのである。
【0029】
上記した補正値Prの算出は、要求燃料噴射量Qcとソレノイド46に流れるコイル電流ピーク値Ipとに基づいて求めることとしたが、(エンジン側から)要求駆動パルス幅が供給される場合は、この要求駆動パルス幅をコイル電流ピーク値Ipに基づいて補正することとなる。この要求駆動パルス幅は、要求燃料噴射量Qcに対応するソレノイド46の駆動時間幅を意味する。
【0030】
図4は、本発明に係るコイル電流ピーク値Ipに基づく補正処理タイミングチャートの例を示す。図4は、ソレノイド46の駆動開始と駆動停止時におけるソレノイド46のコイル電流波形62と、ピーク電流Ipをサンプリングするタイミング64と、補正処理63のタイミングを示している。
【0031】
図4に示すように、コイル電流は、ソレノイド46の駆動開始によって流れ始めて時間の経過と共に増加し、ソレノイド46の駆動停止後短時間にゼロとなる。ソレノイド46の駆動期間中におけるコイル電流ピーク値Ipは、メモリ内に保持されているので、ソレノイド46に駆動停止によってコイル電流ピーク値Ipは確定し、当該コイル電流ピーク値Ipに基づいて、ソレノイド46の次回以降の駆動停止タイミングを補正するための補正値を求めることとなるのである。
【0032】
図5は、要求燃料噴射量Qcに対応する要求駆動パルスPw、要求駆動パルスPwのパルス幅Tw、ソレノイド46のコイル電流I、メモリに記憶されているピーク電流の読み取りのタイミング64、読み取られたピーク電流値Ipに基づく補正値Prの算出、及び実際に出力されるソレノイド46を駆動するFET44への駆動出力パルス間の相互関係を示している。符号Trは、ソレノイド46の駆動開始時から停止までの駆動時間である。符号Toutは駆動出力パルスPoutのパルス幅を示す。この場合、要求駆動パルスPwに対して、ソレノイド46の実駆動時間は、前回(又はそれ以前)のソレノイド駆動時において求められた補正値Prに基づいて増減等の調整を行っている。
【0033】
図5においては、コイル電流は、ソレノイド46の駆動期間中増加し続けて駆動停止直前においてピーク値に至っているが、例えば自動車に搭載されたエアコンディショナやランプ等の作動開始時におけるバッテリ電源電圧の急激な変動(降下)によって、コイル電流は、必ずしも駆動停止直前にピーク値を示さないこともある。このため、本実施の形態は、マイクロコンピュータ43(図2)内のメモリにコイル電流のピーク値を順次記憶させるようにし、この記憶されたピーク値に基づいて補正値を求めることによって燃料噴射制御の安定化と適正化を図っている。
【0034】
図5に示すように、本燃料噴射制御方法においては、要求駆動パルスPwの立ち上がりエッジに同期して駆動出力パルスが立ち上がり、それによってソレノイド46が駆動されコイル電流Iが流れ始める。そして、ソレノイド46の駆動停止後にソレノイド46の駆動期間中におけるコイル電流ピーク値Ipがメモリから読み出され、このコイル電流ピーク値Ipと要求燃料噴射量Qcとに基づいて、要求燃料噴射量Qcに対する補正値Prが求められる。その補正値Prに基づいて要求燃料噴射量Qcに対応する要求駆動パルス幅Twが補正され、パルス幅Toutの駆動出力パルスPoutがFET44のゲートに供給されるのである。これによって、燃料噴射量が燃料噴射用ソレノイドを駆動するコイル電流の影響を受ける燃料噴射装置における燃料噴射量の適正な調整を行っているのである。
【0035】
図6は、本発明の第1の実施の形態において、駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutの求める概念を示す図である。ここに示すように、補正パルス幅計算処理部71において、要求燃料噴射量Qcとコイル電流ピーク値Ipとに基づいて燃料噴射量Qの補正値Prが求められる。この補正値Prは、演算器72(例えば、加算減算器)において要求燃料噴射量Qcに加算又は減算され、それによって次回(又は次回以降)の駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutが求められる。補正パルス幅計算処理部71および加算器72はマイクロコンピュータ43に含まれる。
【0036】
図7は、本発明の燃料噴射制御装置を構成する制御手段において、ソレノイド46のコイル電流ピーク値Ipを一時記憶するピークホールド回路を備えた場合の補正処理プロセスの例を示す。コイルのピーク電流値Ipは、マイクロコンピュータ内に設けられたピーク電流ホールド回路(メモリ)において保持され、ソレノイド46の駆動停止後に、マイクロコンピュータ43はこの保持されたピーク電流値を取得し、取得したピーク電流値に基づいて要求燃料噴射量Qcに対応した燃料噴射量の補正値Prを求め当該補正値Prに基づいて駆動出力パルスを生成するので、要求燃料噴射量Qcと実際の燃料噴射量の関係がリニアになり、燃料噴射量Qを正確に補正することができるのである。
【0037】
本発明においては、図4及び5に示したように、ソレノイド駆動中のコイル電流をサンプリングし電流ピーク値を更新しつつ保持するので、測定タイミングの厳密な制約を受けない。また、本第1の実施の形態によれば、従来のような電源電圧検出回路、定電流駆動回路等が不要となるため、制御回路の簡略化や部品点数の削減を図ることが出来る。
【0038】
ところで、ソレノイド46に流れるコイル電流ピーク値(測定値)Ipは、ノイズ等の影響により測定値において大きくバラつく場合がある。測定の度毎に変化する補正値により駆動出力パルスPoutを出力すると燃料噴射量が安定せずエンジンの駆動安定性に不都合が生じる。このため、マイクロコンピュータ43の記憶部(図示せず)に直近の複数回の補正値と所定の駆動サイクル毎に複数回の補正値を平均した補正値を記憶し、その平均値を補正値Prとして用いるようにしても良い。さらに、補正値Prの変化に対する許容値(幅)を記憶しておき、所定の駆動サイクル毎に複数回の補正値を平均した補正値Prと今回算出した補正値Prを比較して、今回検出した補正値Prが当該許容値を越えない場合は、補正値Prを変化させず、今回検出した補正値Prが当該許容値を越えた場合のみ次回以降の駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutを求める補正処理を行うようにしてもよい。
【0039】
図8は、ソレノイド駆動停止直前のコイル電流値に基づいてソレノイド46の駆動(停止)時間を調整する制御処理フローの例を示す。ここでは、ソレノイド46の駆動停止直前に検出されたコイル電流値Irを用いて補正値Prを算出し、これに基づいて要求燃料噴射量Qcに対応する要求駆動パルスPwの補正を行うのである。図8の例のように、ソレノイド駆動停止の直前に検出されたコイル電流値Irを用いて補正値Prを算出するのは、ソレノイド46の駆動開始後のコイル電流は、図4及び図5に示すように、通常、時間の経過と共に増加するので、ソレノイド46の駆動停止直前におけるコイル電流がピーク電流である場合が殆どである。従って、ソレノイド46の駆動停止直前に検出されたコイル電流値Irをピーク電流として取り扱っても支障は生じないからである。
【0040】
従って、この場合、マイクロコンピュータ43(図2)は、図7において説明したようなピーク電流値のホールド回路を必要とせず、ソレノイド46の駆動停止する直前にソレノイド46の電流Irを検出する。ソレノイド46の駆動停止は、マイクロコンピュータ43自身がFET駆動回路45(図2)を介して行うのでソレノイド駆動停止直前のタイミング設定は容易であり、サンプリングのタイミングズレ等の問題は生じない。
【0041】
図9は、先に説明した本発明に係るソレノイド駆動中におけるコイル電流ピーク値Ip(「駆動直前停止直前のコイル電流値」を含む)に基づく補正処理において、ソレノイド駆動パルスの補正値Prの求め方を概念的に示す図である。図示のように、本発明を構成するマイクロコンピュータ内のメモリ8内に、例えば、横軸にコイル電流ピーク値Ipを取り、縦軸に要求燃料噴射量Qcを取り、種々のコイル電流ピーク値Ipと要求燃料噴射量Qcの組み合わせに対応する補正値Prをマッピングした補正値マップを用意する。このコイル電流のピーク値Ipと要求燃料噴射量Qcの組み合わせに対応する補正値Prについては、予め実験等により求めておく。このような補正値マップは、後述するように、変動要素が複数あれば2次元表示マップであっても3次元表示マップであっても良い。
【0042】
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、ソレノイド46を駆動するFET44を実際にオン、オフさせるための駆動出力パルスPoutが、要求燃料噴射量Qcとコイル電流のピーク値Ipに基づいて補正されるため、燃料を加圧しながら噴射する電磁式燃料噴射ポンプにおいて要求燃料噴射量と実際の燃料噴射量の関係がリニアになり、燃料噴射要求量を正確に補正することが出来る。
【0043】
本発明においては、図4及び5に示したように、ソレノイド46に流れるコイル電流のピーク値Ipに基づいてソレノイド駆動時間の調整を行っている。従って、比較的大きな電流値を測定するので、測定誤差が少なくなるという利点を有する。
【0044】
(2)本発明の第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係る燃料噴射方法を、図1に示す構成の電磁式燃料噴射システムに適用した場合を例にして説明する。電磁式燃料噴射システムの構成についての説明は、先の第1の実施の形態例と重複するので省略する。
【0045】
ここで、本第2の実施の形態においては、要求燃料噴射量Qcの増加分とソレノイドの駆動出力パルス幅の増加分との比で表される傾き補正値と、ソレノイドの駆動開始から燃料噴射が始まるまでの補正された無効時間とにより、要求燃料噴射量Qcに傾き補正値を乗じた値に補正された無効時間を加えて駆動出力パルス幅Toutを求めるようにしている。
【0046】
図10は、本第2の実施の形態における電磁式燃料噴射システムにおける燃料噴射量Qとソレノイドの駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutとの関係を示す。図10に示すように、パルス幅がゼロからある値(Toffset)になるまでは燃料噴射量Qはゼロのままであり、それ以後、パルス幅の増大に伴って燃料噴射量Qの値はある傾きTdで増大する。
【0047】
ソレノイド46の駆動開始後所定期間(Toffset)は、実際の燃料の噴射が始まらない時間であって、噴射量には影響しないことから無効時間と呼ばれる。この無効時間Toffsetは、やはり、コイル電流のピーク値Ipに影響される変動値である。従って、燃料噴射量Qに対してより適正な燃料噴射を行おうとする場合、このToffsetをも補正する必要がある。図10において、傾きTdは、要求燃料噴射量QCの増加分とソレノイドの駆動出力パルス幅の増加分との比であり、本願において傾き補正値Tdと呼ぶものである。当該Td及びToffsetを用いると、要求燃料噴射量Qcを正確に噴射するために必要な駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutは、[Tout=Qc×Td+Toffset]の式で表される。
【0048】
ところで、この無効時間Toffsetは、上記したようにコイル電流の大きさによって変動するものであることから、コイル電流のピーク値Ipの関数として表わすことができる。つまり、コイル電流のピーク値Ipに応じた補正された無効時間Toffsetの値が求められるのである。この補正された無効時間Toffsetの値は、例えばコイル電流のピーク値Ipに対してToffsetの値がマッピングされた2次元表示のマップから求められる。このマップは予め実験等により求めておく。
【0049】
また、傾き補正値Tdは、要求燃料噴射量Qcと駆動出力パルス幅Toutとの関係がリニアである場合には、無効時間Toffsetと同様にコイル電流のピーク値Ipの関数となる。従って、この傾き補正値Tdの値は、例えば、Ipに対してTdの値がマッピングされた2次元表のマップから求められる。しかし、要求燃料噴射量Qcと駆動出力パルス幅Toutとの関係がリニアでない場合には、傾き補正値Tdは、コイル電流のピーク値Ipと要求燃料噴射量Qcとの関数となる。したがって、この場合にはコイル電流のピーク値Ip及び要求燃料噴射量Qcに対して傾き補正値Tdの値をマッピングした3次元表示のマップを用いて傾き補正値Tdを求めるようにする。これらのマップは予め実験等により求められる。
【0050】
図11は、種々のコイル電流ピーク値における実際の燃料噴射量Qoutと最終の燃料噴射のための駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutとの関係を示す噴射量特性グラフの例を示す。図11に示した噴射量特性グラフは、コイル電流のピーク値Ipが大きいほど、無効時間が小さくなると共に、同じ駆動出力パルス幅に対してより多くの量の燃料噴射が生じることを示している。
【0051】
図12は、本第2の実施の形態における補正された駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutの求め方を示す第2の概念図である。ここでは、図示のように、最初に、乗算器75において要求燃料噴射量Qcと傾き補正値Tdとの乗算が行なわれる。この傾き補正値Tdは、コイル電流のピーク値Ipに基づいてマップ81から得られる。
【0052】
次に、加算器76において、Qc×Tdの値に無効時間Toffsetが加算される。この無効時間Toffsetは、コイル電流のピーク値Ipに基づいてマップ82から得られた補正された無効時間Toffsetが用いられる。
【0053】
このようにして、最終の燃料噴射のための駆動出力パルス幅Toutが求められる。ここで、乗算器75及び加算器76は、マイクロコンピュータ43に含まれる。また、マップ81,マップ82は、マイクロコンピュータ43内のデータ記憶部に格納されている。
【0054】
上述した本発明の第2の実施の形態によれば、コイル電流のピーク値Ipに基づいて、又はこのコイル電流のピーク値Ipと要求燃料噴射量Qcとに基づいて傾き補正値Tdが求まり、またコイル電流のピーク値Ipに基づいて補正された無効時間Toffsetが求められ、これら補正された無効時間Toffset及び傾き補正値Tdを用いて最終の燃料噴射のための駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutが補正されることとなる。
【0055】
これにより、燃料を加圧しながら噴射する電磁式燃料噴射ポンプにおいて要求駆動パルスPwと燃料噴射量Qの関係がリニアでない場合でも、燃料噴射量Qを適正に補正することが出来る。さらに、駆動出力パルス幅と燃料噴射量の関係がリニアである燃料噴射装置の場合には、傾き補正値Td及び補正された無効時間Toffsetがそれぞれ2次元マップから求まるので、3次元表示のマップを用いて補正する場合よりも補正値を求める計算が簡略化されマップによるメモリ使用量が少なくなるという利点がある。
【0056】
(3)本発明の第3の実施の形態
図13は、本第3の実施の形態に係る燃料噴射制御装置の制御機構を説明するための図である。この制御機構は、図13に示すように、図1に示す電磁式燃料噴射システムに電源電圧Vを検出してその検出値をマイクロコンピュータ43に供給する電源電圧検出回路49を追加した構成となっている。その他の構成は、図2に示す構成と同じである。
【0057】
図14は、本第3の実施の形態に係る補正処理制御フローの例を示す。エンジンの始動時、すなわち燃料噴射用ソレノイド46の1回目の駆動時には、前回の燃料噴射サイクルが無いため、傾き補正値Tdおよび補正された無効時間Toffsetを求めるために参照する前回の燃料噴射サイクル時におけるコイル電流ピーク値Ipデータがない。また、このエンジンを搭載した車が坂を下る際の燃料カットや信号待ち等でアイドリングストップのための燃料カットなどにより燃料噴射が中断した後に、ソレノイド46の駆動を再開する場合も同様である。さらにバッテリ容量が小さい場合などエンジンを始動する際は、電源電圧Vが極端に低下し、それによってマイクロコンピュータにリセットがかかり、前回の燃料噴射時のIpデータを参照することが不可能な場合がある。
【0058】
そこで、本第3の実施の形態では、エンジンの始動時、または燃料カットなどによる燃料噴射の中断後に再びソレノイド46を駆動するときの1回目の駆動時のみ、電源電圧検出回路49より電源電圧Vを検出し、その検出値に基づいて傾き補正値Tdと補正された無効時間Toffsetを求める構成となっている。
【0059】
また、特に図示しないが、電源電圧Vに対して補正された無効時間Toffsetがマッピングされたマップや、電源電圧Vに対して傾き補正値Tdがマッピングされたマップが予め実験などにより求められており、マイクロコンピュータ内の記憶部に記憶されている。
【0060】
電源電圧Vの検出値に基づいて求められた傾き補正値Tdおよび補正された無効時間Toffsetを用いて、[Tout=Qc×Td+Toffset]で表される式により駆動出力パルス幅Toutを求めるのは先に説明した第2の実施の形態と同様である。
【0061】
上述した第3の実施の形態によれば、エンジンの始動時および燃料カット時などによる燃料噴射の中断後に再びソレノイド46を駆動する時の1回目の駆動時には、電源電圧Vの検出に基づいて、またそれ以外のときは前回の燃料噴射時に検出したピーク電流Ipに基づいて、それぞれ最終の燃料噴射のための駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutが補正されるため、第3の実施形態と同様に燃料を加圧しながら噴射する電磁式燃料噴射ポンプにおいて燃料噴射量Qを正確に補正することが出来る。
【0062】
さらに、駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutと燃料噴射量Qの関係がリニアである場合には、補正計算に用いるマップが2次元のものになるので、補正計算が簡略化されるという利点と、マップによるメモリ使用量が少なくなるという利点がある。
【0063】
(3)本発明の第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態に係る燃料噴射方法を、図1に示した電磁式燃料噴射システムに適用した場合を例にして説明する。以下説明する本発明の第4の実施の形態は、概念として先に説明した本発明の第2の実施の形態と共通するものであるが、第2の実施の形態をより具体化したものである。
【0064】
本発明の第5の実施の形態に係る制御構成は、図2及び図13に示す構成と同じである。
【0065】
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る補正処理制御フローの例を示す。ここでは、二つの補正マップ1及び補正マップ2を用いて、要求燃料噴射量に対して正確な燃料噴射を行うようにソレノイド46の駆動出力パルス幅を制御している。より詳しく説明すれば、例えば、要求燃料噴射量Qcの増加分との比で表される傾き補正値Tdと、切片に基づき予め作成された補正マップからコイル電流ピーク値Ipに対応した補正値1と補正値2を選択し、要求燃料噴射量Qcに傾き補正値1を乗じた値に補正値2を加えて最終の燃料噴射のための駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutを求めるようするのである。
【0066】
図16は、図1に示した電磁式燃料噴射システムにおける燃料噴射の噴射量特性の例を示すものである。ここでは、縦軸に噴射量値をとり、横軸に駆動出力パルス幅値をとっている。噴射量特性は、所定の電源電圧値のもと、種々のコイル電流ピーク値Ipにおける駆動出力パルスPoutのパルス幅Toutを変化させつつ実際の燃料噴射量を求める。図16は、種々のコイル電流ピーク値Ipにおける駆動出力パルス幅値Toutに対する噴射量値Qがある傾きTdをもって変化する状態を示している。この特性数値により1次関数の傾き、切片を求め、この組み合わせから計算により上記補正値1及び補正値2を求める。これらの測定データは実験等により予め測定され記憶部に格納されている。
【0067】
ここで、補正値1及び補正値2は、下記に示す計算式により算出されている。
【0068】
[補正値1=基準傾き/傾き]
[補正値2=切片/傾き]
図17は、図16に示した噴射量特性の例から生成しマイクロコンピュータ43の記憶部に格納された補正マップの例を示す。計測値からコイル電流ピーク値Ip、傾き、切片の組み合わせに対応した補正値1及び補正値2が上記の算式により算出され、コイル電流ピーク値Ip、傾き、切片の組み合わせに関連付けられて、図示のような補正マップが作成される。このようにして作成された補正マップは、マイクロコンピュータの記憶部に格納されている。
【0069】
ところで、図17に示す補正値マップは、補正値Prを例えば縦軸及び横軸の両方に直交する方向の高さとして表わすことにより3次元表示のマップとなる。
【0070】
本発明は、上述した各実施の形態に限らず、種々変更可能である。たとえば、第1の実施の形態においてパルス幅の補正値Prを要求燃料噴射量Qcに対応する要求燃料パルスPwに適用する演算器は加算器に限らず、減算器、乗算器または除算器、あるいはこれらの組み合わせや、その他の計算を行うものであってもよい。
【0071】
また、本発明は、電磁式燃料噴射システムに限らず、ソレノイドの駆動パルス幅と燃料噴射量の関係が比較的リニアな特性を有する燃料供給用圧力レギュレータを具備する燃料噴射装置にも適用可能である。このような燃料噴射装置においても、駆動用ソレノイドの動作開始時間(無効時間)等の動作特性が、コイルの電流値や温度等によって変動するからである。
【0072】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、燃料噴射用ソレノイドの駆動停止直前の前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値を測定し、前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正し調整する。ここで、前記補正は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量とに基づいて、又は前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量との種々の組み合わせに対して予め定められており、前記組み合わせに応じて選択される補正値を用いる。
【0073】
これにより、本発明は、燃料噴射量がコイル電流の影響を受けるソレノイドの駆動停止タイミングを、要求燃料噴射量に対応して適正に補正し調整させることを実現したのである。ここで、本発明においては、ソレノイドの駆動開始後又は駆動停止直前のピーク電流を測定しその測定値に基づいて補正値を求めることにより適正な燃料噴射量の供給を実現したのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置を電磁式燃料噴射システムに適用した場合の構成例を示す。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態に係る燃料噴射制御装置の制御機構例を示す。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるピーク電流による補正処理制御フローの例を示す。
【図4】本発明における補正処理タイミングチャートを示す。
【図5】図4に示したタイミングチャートにおける、要求燃料噴射量に対応する要求駆動パルス、ピーク電流読取処理、コイル電流、補正値及び実際に出力される駆動パルスの関係を示す。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、駆動出力パルスのパルス幅の求め方を示す概念図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるピークホールド回路を有する補正処理制御フローの例を示す。
【図8】ソレノイド駆動停止直前の電流値に基づく補正処理制御フローの例を示す。
【図9】ソレノイドの駆動出力パルスの補正値Prの求め方を概念的に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における燃料噴射制御システムにおける燃料噴射量Qとソレノイドの駆動出力パルス幅Tとの関係を示す。
【図11】燃料噴射装置における噴射量特性を表わすグラフを示す。
【図12】本発明の第2の実施の形態における補正された駆動出力パルス幅Toutの求め方を示す概念図である。
【図13】電源電圧検出回路を含む本燃料噴射制御装置の制御機構の例を示す。
【図14】本発明の第3の実施の形態における補正処理制御フローの例を示す。
【図15】本発明の第4の実施の形態における補正処理制御フローの例を示す。
【図16】電磁加圧式燃料噴射の噴射量特性の例を示す。
【図17】本発明における噴射量特性実例から生成しマイクロコンピュータの記憶部に格納された補正マップの例を示す。
【図18】従来の燃料噴射制御装置の制御機構の例を示す。
【符号の説明】
Ip ピーク電流
Pr 補正値
Pout 駆動出力パルス
Qc 要求燃料噴射量
Pw 要求燃料噴射量Qcに対応する要求駆動パルス
Tw 要求駆動パルスのパルス幅
Td 傾き補正値
Toffset 無効時間(補正された無効時間)
Tout 駆動出力パルスのパルス幅
6 電流検出回路
41 バッテリ
バッテリ41の電圧(電源電圧)
43 マイクロコンピュータ
44、48 FET
46 ソレノイド(コイル)
49 電源電圧検出回路
50 コンデンサ
55 帰還回路

Claims (12)

  1. 燃料噴射用ソレノイドの駆動停止直前の前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値(以下、「ピーク電流値」という)を測定し、前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正し調整することを特徴とする燃料噴射制御方法。
  2. 燃料噴射用ソレノイドを所定時間駆動する行程と、
    前記ソレノイドの駆動停止直前における前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値(以下、「ピーク電流値」という)を測定する行程と、
    前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正する補正値を求める行程と、
    前記補正値を用いて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを調整する行程と、の各行程を有することを特徴とする燃料噴射制御方法。
  3. 前記補正は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量とに基づいて決められる補正値を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射制御方法。
  4. 前記補正は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量との種々の組み合わせに対して予め定められており、前記組み合わせに応じて選択される補正値を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射制御方法。
  5. 前記ソレノイドの駆動停止タイミングの補正は、
    前記ピーク電流値及び前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量の一方又は両方に応じて定まる、要求燃料噴射量の増加分と前記ソレノイドの駆動出力パルス幅の増加分との比で表わされる傾き補正値を求める行程と、
    前記ピーク電流値に応じて定まる前記ソレノイドの駆動開始から燃料噴射が始まるまでの補正された無効時間を求める行程と、
    前記要求燃料噴射量に前記傾き補正値を乗じた値に前記補正された無効時間を加えた補正値を求める行程と、の各行程により構成され、
    前記補正値を用いて前記ソレノイドの停止タイミングを調整する請求項1又は2に記載の燃料噴射制御方法。
  6. エンジンの始動時、または一旦中断した燃料噴射を再開する時の最初の駆動時における前記ソレノイドの駆動時間の設定においては、前記ソレノイドに印加される電源電圧を測定し、当該測定値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正する請求項1又は2に記載の燃料噴射制御方法。
  7. 燃料噴射用ソレノイドを駆動する手段と、
    燃料噴射用ソレノイドの駆動停止直前における前記ソレノイドに流れたコイル電流値又は当該ソレノイドの駆動中のピーク電流値(以下、「ピーク電流値」という)を測定する測定手段と、
    前記ピーク電流値に基づいて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを補正する補正値を求め、当該補正値を用いて前記ソレノイドの駆動停止タイミングを調整する制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料噴射制御装置。
  8. 前記ソレノイドの駆動停止時に当該ソレノイドから放出されるエネルギを電源側に帰還させるための帰還回路を、備えることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射制御装置。
  9. 前記帰還回路は、前記ソレノイドの駆動停止時に当該ソレノイドから放出されるエネルギをチャージするコンデンサを含むことを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射制御装置。
  10. 前記補正値は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量とに基づいて決められることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  11. 前記補正値は、前記ピーク電流値と前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量との種々の組み合わせに対して予め定められており、前記組み合わせに応じて選択されることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  12. 前記制御装置は、
    前記ピーク電流値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたピーク電流値及び前記ソレノイドに対する要求燃料噴射量の一方又は両方に応じて定まる、要求燃料噴射量の増加分と前記ソレノイドの駆動出力パルス幅の増加分との比で表わされる傾き補正値を求める手段と、前記記憶手段に記憶された前記ピーク電流値に応じて定まる前記ソレノイドの駆動開始から燃料噴射が始まるまでの補正された無効時間を求める手段と、
    前記要求燃料噴射量に前記傾き補正値を乗じた値に対して前記補正された無効時間を加えた前記補正値を求める手段と、の各手段を具備し、
    前記補正値を用いて前記ソレノイドの停止タイミングを調整する請求項7乃至9の何れか一項に記載の燃料噴射制御装置。
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