JP2004269990A - 鋼管の製造方法および鋼管の製造設備 - Google Patents

鋼管の製造方法および鋼管の製造設備 Download PDF

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教雄 中島
Hiroshi Nakajima
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Abstract

【課題】半成形鋼管の熱間成形前の加熱を、加熱コストを安価として、能率良く行える鋼管の製造方法を提供する。
【解決手段】半成形鋼管1の搬送経路8中に、前段加熱炉11と、燃焼加熱方式の加熱手段23,24を装備した後段加熱炉21と、成形手段61を、この順で設けた。半成形鋼管1を搬送経路8上で搬送しながら、前段加熱炉11において、後段加熱炉21から送り込まれた熱煙Aの熱を利用して半成形鋼管1を予備加熱し、後段加熱炉21において、加熱手段23,24により半成形鋼管1を所定温度まで加熱し、半成形鋼管1を、成形手段61によって正規の寸法かつ形状に熱間成形する。前段加熱炉で廃熱を利用した加熱を行い、後段加熱炉で予備加熱している半成形鋼管に対する加熱を行うことにより、加熱コストを安くできる。後段加熱炉による所定加熱への加熱は速度を上げて、時間を短縮して行え、搬送経路上での半成形鋼管の搬送を能率良く行える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば建築用の柱材に使用される大径で厚肉の角形鋼管(正方体形状、直方体形状、五角形や六角形などの多角形状)や、大径で厚肉の丸形鋼管を得るのに採用される鋼管の製造方法、および鋼管の製造設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の鋼管の製造方法としては、中空鋼管を加熱炉内に搬入し、この加熱炉内での搬送中に加熱バーナー群の炎によって723℃〜950℃(A変態点以上)で高温加熱し、次いで中空鋼管を鋼管成形ミルに搬入して熱間成形(成形温度A変態点以上)を行っている。そして加熱炉内で発生した熱い煙を、排煙装置の熱交換器において加熱炉の燃焼用空気との間で熱交換したのち、煙突を介して排出している(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−3544号公報(第4−5頁、第1、7、9図)
【0004】
【特許文献2】
実願平5−44927号(実開平7−15763号)のマイクロフィルム(第6−7頁、第1−3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来構成によると、通常、加熱炉としてはガス、油などによる燃焼加熱方式が採用されており、かかる方式により中空鋼管の全体を、常温から723℃〜950℃に高温加熱することは、その加熱コストが高くつくことになり、特に中空鋼管が大径で厚肉のとき、加熱コストは高価となる。また、常温から723℃〜950℃まで加熱するには時間が掛かり、能率は低いものであった。
【0006】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、半成形鋼管の熱間成形前の加熱を、その加熱コストを安価として、かつ能率良く行える鋼管の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の鋼管の製造方法を容易に実現し得る鋼管の製造設備を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の鋼管の製造方法は、半成形鋼管の搬送経路中に、前段加熱炉と、燃焼加熱方式の加熱手段が装備された後段加熱炉と、成形手段とが、この順で設けられ、半成形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず前段加熱炉において、後段加熱炉から送り込まれた熱煙の熱を利用して半成形鋼管を予備加熱し、次いで後段加熱炉において、燃焼加熱方式の加熱手段により半成形鋼管を所定温度まで加熱し、その後に半成形鋼管を、成形手段によって正規の寸法かつ形状に熱間成形することを特徴としたものである。
【0009】
したがって請求項1の発明によると、半成形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず前段加熱炉において、後段加熱炉から送り込まれた熱煙の熱を利用して半成形鋼管を予備加熱したのち、後段加熱炉において、加熱手段の燃焼加熱により半成形鋼管を所定温度まで全体加熱することで、前段加熱炉では廃熱利用の加熱となり、そして後段加熱炉では予備加熱されている半成形鋼管に対する加熱となる。さらに、後段加熱炉による所定加熱への加熱は速度を上げて行える。そして、加熱した半成形鋼管を成形手段によって、正規の寸法かつ形状とした鋼管(最終製品)に仕上がるように熱間成形し得る。
【0010】
また本発明の請求項2記載の鋼管の製造設備は、半成形鋼管の搬送経路中に、前段加熱炉と後段加熱炉と熱間成形手段とが、この順で設けられ、後段加熱炉には燃焼加熱方式の加熱手段が設けられ、この後段加熱炉で発生した熱煙を前段加熱炉に送り込む熱煙送り手段が設けられていることを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項2の発明によると、半成形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず前段加熱炉において半成形鋼管を予備加熱し、次いで後段加熱炉において半成形鋼管を所定温度まで全体加熱したのち、この加熱した半成形鋼管を成形手段によって熱間成形することで、正規の寸法かつ形状の鋼管を製造し得る。
【0012】
そして本発明の請求項3記載の鋼管の製造設備は、上記した請求項2記載の構成において、前段加熱炉からの排煙と、後段加熱炉の燃焼用空気との間で熱交換を行う熱交換手段が設けられ、この熱交換手段からの排煙を受け入れる排煙装置が設けられていることを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項3の発明によると、予備加熱に使用した排煙を、熱交換手段において、後段加熱炉の燃焼用空気と熱交換し、これにより加熱した高温の燃焼用空気を加熱手段に供給し得る。このように、予備加熱に使用し、かつ燃焼用空気と熱交換することで低温化した排煙を、排煙装置を介して排出し得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、大径、厚肉でかつ正方体形状の角形鋼管を得るのに採用した状態として、図1〜図5に基づいて説明する。
【0015】
図3に示すように、半成形角形鋼管(半成形鋼管の一例)1は、一辺に突き合わせ溶接部(シーム溶接部)2を有し、かつ各コーナ部3が直角状の大径で厚肉に、そして後述する角形鋼管(最終製品)よりも寸法や形状を大きくして造管されている。すなわち、対向された辺の外面間の寸法LLや各コーナ部3の外周半径LRを大きくして造管されている。
【0016】
この半成形角形鋼管1は、図1〜図4に示すように、搬入床6に渡されて搬送される。この搬入床6の終端部に搬送された半成形角形鋼管1は、ローラコンベヤ(搬送手段の一例)7に渡され、このローラコンベヤ7などにより形成される搬送経路8上で搬送される。
【0017】
この搬送経路8中には、前記半成形角形鋼管1を予備加熱(たとえば200〜350℃)する前段加熱炉11と、この前段加熱炉11からの半成形角形鋼管1を所定温度であるA変態点(たとえば723〜1050℃)の近辺にまで加熱する後段加熱炉21と、この後段加熱炉21からの加熱された半成形角形鋼管1を正規の寸法かつ形状に熱間成形する成形手段61とが、この順で配設されている。
【0018】
すなわち前段加熱炉11は、後段加熱炉21から送り込まれた熱煙Aの熱を利用して半成形鋼管1の全体を予備加熱する熱煙加熱方式であって、その前後方向の両端には、貫通孔により搬入口や搬出口が形成され、これら搬入口や搬出口には、それぞれ開閉扉12が設けられている。そして、前段加熱炉11の搬出口に隣接した部分には上下方向の給煙口13が形成され、また搬入口に隣接した部分には上下方向の排煙口14が形成されている。以上の12〜14などにより、前記半成形角形鋼管1を予備加熱する前段加熱炉11の一例が構成される。
【0019】
後段加熱炉21は燃焼加熱方式であって、その前後方向の両端には、貫通孔により搬入口や搬出口が形成され、これら搬入口や搬出口には、それぞれ開閉扉22が設けられている。そして、後段加熱炉21内には、その一側下部でかつローラコンベヤ7のローラ間の中間位置に下部加熱バーナー(加熱手段の一例)23が配設されるとともに、他側上部でかつ前記下部加熱バーナー23に対して千鳥状に対峙する位置には、上部加熱バーナー(加熱手段の一例)24が配設(装備)されている。なお後段加熱炉21の搬出口に隣接した部分には、上下方向の排煙口25が形成されている。以上の22〜25などにより、半成形角形鋼管1をA変態点の近辺にまで全体加熱する後段加熱炉21の一例が構成される。
【0020】
ここで前段加熱炉11や後段加熱炉21は、複数本の半成形角形鋼管1を直線状として搬送し得る長さ、規模に構成されている。
この後段加熱炉21で発生した熱煙Aを前段加熱炉11に送り込む熱煙送り手段31が設けられている。すなわち熱煙送り手段31は、後段加熱炉21の排煙口25と前段加熱炉11の給煙口13とを接続する主煙道32と、この主煙道32中に介在されたファン33などにより構成されている。なお、前記主煙道32の中間にはダンパー34が設けられ、このダンパー34の操作により、前記後段加熱炉21内の気圧が大気圧よりも低くなるように制御される。ここで主煙道32は、たとえば、加熱炉11,21の側部で床内に設けられている。以上の32〜34などにより熱煙送り手段31の一例が構成される。
【0021】
前段加熱炉11からの排煙aと、後段加熱炉21の燃焼用空気Bとの間で熱交換を行う熱交換手段41と、この熱交換手段41からの排煙aを受け入れる排煙装置51とが設けられている。
【0022】
すなわち前段加熱炉11の側部で床内には副煙道42が形成され、この副煙道42の始端が前記排煙口14に接続されるとともに、終端が熱交換器43に接続されている。ここで熱交換器43において排煙aと熱交換された高温(300〜350℃)の燃焼用空気Bは、配管44,45を介して各バーナー23,24に供給され、以て熱の再利用が行われる。以上の42〜45などにより熱交換手段41の一例が構成される。
【0023】
前記熱交換器43に煙管52が接続され、この煙管52がファン53を介して煙突54の下部に接続されている。前記煙管52の中間にはダンパー55が設けられ、このダンパー55の操作により、前段加熱炉11内の気圧が大気圧よりも低くなるように制御される。以上の52〜55などにより排煙装置51の一例が構成される。
【0024】
前記成形手段61は、図1、図2、図5に示すように、前後4段(単数段または複数段)に設けられている。そして各成形手段61は、機枠62側に対して位置調整自在に、または交換自在に設けられた上下一対ならびに左右一対の成形ロール63などを介して、半成形角形鋼管1を絞り状に熱間成形させるものである。以上の62〜63などにより成形手段61の一例が構成される。なお、成形手段61の周辺で、必要する箇所(成形手段61の前後、前のみ、後のみ、スタンド間など)には、必要とする数のデスケーラー装置65が設けられている。
【0025】
前記成形手段61の下手には冷却床71が設けられている。この冷却床71はコンベヤ形式であって複数本の角形鋼管(最終製品)4を平行させて支持し、そして長さ方向に対して横方向へと搬送させる。
【0026】
以下に、上記した実施の形態における作用を説明する。
前述したように、搬入床6の終端部に搬送された半成形角形鋼管1を、ローラコンベヤ7に渡し、このローラコンベヤ7により、まず前段加熱炉11に搬入させる。この半成形角形鋼管1を、前段加熱炉11内にて搬送経路8上で搬送しながら、後段加熱炉21から熱煙送り手段31により送られてきた、たとえば800℃前後の熱煙Aの熱を利用して、全体を長さ方向において均一温度、たとえば200〜350℃に予備加熱(図3参照)させる。
【0027】
このようにして、前段加熱炉11において予備加熱した半成形角形鋼管1を、開閉扉12を開動させることで、搬出口を通して前段加熱炉11から搬出したのち、開閉扉22を開動させた後段加熱炉21に搬入させる。なお、開閉扉12,22は、半成形角形鋼管1が完全に通過したときに閉動させる。
【0028】
そして半成形角形鋼管1を、後段加熱炉21内にて搬送経路8上で搬送しながら、各バーナー23,24の燃焼熱によって徐々に均一的に加熱Hし(図4参照)、以て最終的に725〜1050℃(A変態点の近辺)にまで全体加熱(追加加熱)させる。そして、加熱した半成形角形鋼管1を成形手段61へと搬送させる。
【0029】
上述したように、後段加熱炉21内において各バーナー23,24の燃焼によって発生し、そして半成形角形鋼管1の加熱に利用したあとの、たとえば800℃の熱煙Aを、熱煙送り手段31によって前段加熱炉11内に送り込む。すなわち、ファン33の作動により排煙口25に吸引力を作用させ、これにより熱煙Aを、排煙口25を通して主煙道32に吸引し、そして給煙口13を介して前段加熱炉11内に送り込む。
【0030】
このような吸引排煙により後段加熱炉21内が負圧化、すなわち大気圧よりも低くなることで、半成形角形鋼管1に曲げなどが生じることを防止し得る。その際に大気圧よりも低い程度は、ダンパー34を調整操作することで制御し得る。
【0031】
このようにして、後段加熱炉21から熱煙送り手段31により送られてきた熱煙Aの熱を利用して、前述したように半成形角形鋼管1の全体を長さ方向において均一温度に予備加熱させる。
【0032】
そして予備加熱に使用した排煙aを、熱交換手段41へと排出し得る。すなわち、排煙装置51におけるファン53の作動により排煙口14に吸引力を作用させ、これにより排煙aを、排煙口14を通して副煙道42に吸引して、熱交換器43へと排出させる。このような吸引排煙により前段加熱炉11内が負圧化、すなわち大気圧よりも低くなることで、半成形角形鋼管1に曲げなどが生じることを防止し得る。その際に大気圧よりも低い程度は、ダンパー55を調整操作することで制御し得る。
【0033】
そして排煙aが熱交換器43を流れるときに、後段加熱炉21の燃焼用空気Bと熱交換し、これにより加熱した高温(300〜350℃)の燃焼用空気Bを、配管44,45を介して各バーナー23,24に供給する。したがって各バーナー23,24は、この加熱した燃焼用空気Bを使用して、効率のよい燃焼を行える。通常、各バーナー23,24の燃焼には、燃焼用空気Bと燃料(ガス、天然ガス、LPGなどの気体燃料、重油、灯油などの液体燃料、石炭などの固形燃料)が必要で、これらにより燃焼効率を上げている。
【0034】
このように燃焼用空気Bと熱交換した排煙aを、煙管52へと排出したのち、ファン53を介して煙突54へ吐き出し得る。その際に排煙aは、予備加熱に使用し、かつ燃焼用空気Bと熱交換することで低温(230〜270℃)化しており、したがってNOやSOの発生量を少なくして、煙管52から排出し得る。
【0035】
上述したように、後段加熱炉21において所定温度に加熱した半成形角形鋼管1を成形手段61に搬送し、この成形手段61によって正規の寸法かつ形状に熱間成形する。すなわち成形手段61では、図1、図2、図5に示すように、半成形角形鋼管1を、成形ロール63群によって絞り状に熱間成形し、このとき熱間成形は、複数段の成形手段61によって徐々(段階的)に絞り状に行われる。これにより半成形角形鋼管1を、正規の外面間の寸法Lでかつ正規の外周半径Rのコーナ部5とした角形鋼管(最終製品)4に仕上がるように熱間成形し得る。
【0036】
このような熱間成形によって角形鋼管4は、残留応力が殆どなくて高い座屈強度が得られるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものとなる。
【0037】
なお、成形手段61の周辺に設けたデスケーラー装置65は、半成形角形鋼管1に対して水圧をかけた水を噴射するもので、この水噴射によりミルスケールなどを除去し、表面肌を良くし得る。
【0038】
このようにして熱間成形した角形鋼管4は、冷却床71に受け取られ、この冷却床71での搬送中に空冷形式で徐冷し得る。冷却床71での角形鋼管4群の搬送は、隣接した角形鋼管4の間を離した状態で、または隣接した角形鋼管4どうしを接触させ、両側よりクランプした状態で行える。これにより角形鋼管4を、同じ雰囲気温度下で徐冷し得ることになり、以て冷却時の曲がりを少なくし得る。冷却床71の終端に達した角形鋼管4を、図示していない矯正装置、先端切断装置、後端切断装置、洗浄装置、防錆装置へと搬送し、それぞれで処理したのち、製品としてストレージし得る。
【0039】
上述したように、半成形角形鋼管1を搬送経路8上で搬送しながら、まず前段加熱炉11において、後段加熱炉21から送り込まれた熱煙Aの熱を利用して半成形角形鋼管1を予備加熱、すなわち200〜350℃に全体加熱したのち、後段加熱炉21において、各バーナー23,24の燃焼加熱により半成形角形鋼管1を所定温度まで加熱、すなわち723〜1050℃に全体加熱することで、前段加熱炉11では廃熱利用の加熱となり、そして後段加熱炉21では予備加熱されている半成形角形鋼管1の加熱となる。
【0040】
これにより、たとえば燃焼加熱方式の加熱手段が設けられた加熱炉によって、半成形角形鋼管1の全体を常温から723℃〜950℃までに高温加熱する方式と比べて、熱間成形前の加熱コストは安くなり、特に半成形角形鋼管1が大径で厚肉のとき、加熱コストは安価になる。
【0041】
さらに、後段加熱炉21による所定加熱への加熱は、半成形角形鋼管1が予備加熱されていることから、半成形角形鋼管1の全体を常温から723℃〜950℃までに高温加熱する方式と比べて、速度を上げて行える。これにより、後段加熱炉21による所定加熱への加熱は時間を短縮して行え、すなわち搬送経路8上での半成形角形鋼管1の搬送を、速度を上げて能率良く行えることになる。
【0042】
次に、本発明の別の実施の形態を図6に基づいて説明する。
すなわち、上述した実施の形態では、一辺に突き合わせ溶接部2を有する大径で厚肉の角形鋼管(最終製品)4を製造しているが、これは図6の(a)に示すように、二辺に突き合わせ溶接部2を有する大径で厚肉の角形鋼管4を製造してもよい。
【0043】
また、上述した実施の形態では、正方体形状の角形鋼管4を製造しているが、これは直方体形状の角形鋼管4を製造してもよく、さらに図6の(b)に示すような五角形形状の角形鋼管4や、図6の(c)に示すような六角形形状の角形鋼管4など、各種の多角形状の角形鋼管4を製造してもよい。
【0044】
また図6の(d)に示すような、種々な厚さかつ種々な径の丸形鋼管4Aを製造してもよい。この場合には、正規の径Dよりも大きな径の半成形丸形鋼管が加熱されたのち熱間成形される。
【0045】
上記した実施の形態で示すように、成形手段61での熱間成形は、複数段で徐々に絞り成形するのが好ましいが、その段数は任意であり、場合によっては単数段でもよい。特に半成形角形鋼管1が薄肉の場合には、単数段、少数段での熱間成形が可能となる。
【0046】
上記した実施の形態では、前段加熱炉11からの排煙aと、後段加熱炉21の燃焼用空気Bとの間で熱交換を行う熱交換手段41が設けられた形式が示されているが、これは熱交換手段41が省略された形式などであってもよい。この場合に前段加熱炉11からの排煙aは排煙装置51に直接に排出される。
【0047】
上記した実施の形態では、大径で厚肉の角形鋼管4を製造しているが、これは大径で薄肉の角形鋼管、小径で厚肉の角形鋼管、小径で薄肉の角形鋼管などの製造であってもよい。たとえば、正規の外面間の寸法Lが300〜700mm、厚さtが9〜70mmの角形鋼管4を得るものであり、その際に半成形角形鋼管1におけるコーナ部3の大きい外周半径LRは厚さtの3.5〜7.0倍であり、これが角形鋼管4におけるコーナ部5の正規の外周半径Rが厚さtの1.0〜3.0倍となるようにシャープに形成される。
【0048】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、半成形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず前段加熱炉において、後段加熱炉から送り込まれた熱煙の熱を利用して半成形鋼管を予備加熱したのち、後段加熱炉において、加熱手段の燃焼加熱により半成形鋼管を所定温度まで全体加熱することで、前段加熱炉では廃熱を利用した加熱を行うことができるとともに、後段加熱炉では予備加熱されている半成形鋼管に対する加熱にできる。これにより、たとえば燃焼加熱方式の加熱手段を設けた加熱炉によって、半成形鋼管の全体を常温から所定温度までに高温加熱する方式と比べて、熱間成形前の加熱コストを安くでき、特に半成形角形鋼管が大径で厚肉のとき、加熱コストを安価にできる。
【0049】
さらに、後段加熱炉による所定加熱への加熱は速度を上げて行うことができ、これにより、後段加熱炉による所定加熱への加熱は時間を短縮して行うことができ、すなわち搬送経路上での半成形鋼管の搬送を、速度を上げて能率良く行うことができる。そして、加熱した半成形鋼管を成形手段によって、正規の寸法かつ形状とした鋼管に仕上がるように熱間成形できる。
【0050】
また上記した本発明の請求項2によると、半成形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず前段加熱炉において半成形鋼管を予備加熱し、次いで後段加熱炉において半成形鋼管を所定温度まで全体加熱したのち、この加熱した半成形鋼管を成形手段によって熱間成形することで、正規の寸法かつ形状の鋼管を製造でき、以て請求項1記載の鋼管の製造方法を容易に実現できる。
【0051】
そして上記した本発明の請求項3によると、予備加熱に使用した排煙を、熱交換手段において、後段加熱炉の燃焼用空気と熱交換し、これにより加熱した高温の燃焼用空気を加熱手段に供給できる。したがって加熱手段は、この加熱した燃焼用空気を使用して、効率のよい燃焼を行うことができる。さらに、予備加熱に使用し、かつ燃焼用空気と熱交換することで低温化した排煙を、排煙装置を介して排出でき、したがってNOやSOの発生量を少なくして、排煙装置から排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、鋼管の製造方法における加熱工程から熱間成形工程までの説明図である。
【図2】同鋼管の製造方法における加熱から熱間成形を含む工程斜視図である。
【図3】同鋼管の製造方法における前段加熱炉部分の正面図である。
【図4】同鋼管の製造方法における後段加熱炉部分の正面図である。
【図5】同鋼管の製造方法における熱間成形工程の正面図である。
【図6】本発明の別の実施の形態を示し、(a)は二枚の鋼板を使用した角形鋼管の正面図、(b)は五角形形状の角形鋼管の正面図、(c)は六角形形状の角形鋼管の正面図、(d)は丸形鋼管の正面図である。
【符号の説明】
1 半成形角形鋼管(半成形鋼管)
2 突き合わせ溶接部(シーム溶接部)
3 コーナ部
4 角形鋼管(最終製品)
4A 丸形鋼管(最終製品)
5 コーナ部
7 ローラコンベヤ(搬送手段)
8 搬送経路
11 前段加熱炉
13 給煙口
14 排煙口
21 後段加熱炉
23 下部加熱バーナー(加熱手段)
24 上部加熱バーナー(加熱手段)
25 排煙口
31 熱煙送り手段
32 主煙道
33 ファン
41 熱交換手段
42 副煙道
43 熱交換器
51 排煙装置
52 煙管
53 ファン
54 煙突
61 成形手段
63 成形ロール
LL 大きい外面間の寸法
L 正規の外面間の寸法
LR 大きいコーナ部の外周半径
R 正規のコーナ部の外周半径
D 正規の径
A 熱煙
a 排煙
B 燃焼用空気
H 加熱

Claims (3)

  1. 半成形鋼管の搬送経路中に、前段加熱炉と、燃焼加熱方式の加熱手段が装備された後段加熱炉と、成形手段とが、この順で設けられ、半成形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず前段加熱炉において、後段加熱炉から送り込まれた熱煙の熱を利用して半成形鋼管を予備加熱し、次いで後段加熱炉において、燃焼加熱方式の加熱手段により半成形鋼管を所定温度まで加熱し、その後に半成形鋼管を、成形手段によって正規の寸法かつ形状に熱間成形することを特徴とする鋼管の製造方法。
  2. 半成形鋼管の搬送経路中に、前段加熱炉と後段加熱炉と熱間成形手段とが、この順で設けられ、後段加熱炉には燃焼加熱方式の加熱手段が設けられ、この後段加熱炉で発生した熱煙を前段加熱炉に送り込む熱煙送り手段が設けられていることを特徴とする鋼管の製造設備。
  3. 前段加熱炉からの排煙と、後段加熱炉の燃焼用空気との間で熱交換を行う熱交換手段が設けられ、この熱交換手段からの排煙を受け入れる排煙装置が設けられていることを特徴とする請求項2記載の鋼管の製造設備。
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