JP2004243329A - 角形鋼管の製造方法および角形鋼管の製造設備 - Google Patents

角形鋼管の製造方法および角形鋼管の製造設備 Download PDF

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伸 中島
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教雄 中島
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Abstract

【課題】半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱を、その加熱コストや設備費を安価として行える角形鋼管の製造方法を提供する。
【解決手段】鋼板1を成形したのち突き合わせ溶接して半成形角形鋼管5を造管する。半成形角形鋼管5を第1加熱手段31によりA変態点の近辺にまで全体加熱し、各コーナ部6を第2加熱手段61によりA変態点の近辺にまで部分加熱し、加熱した半成形角形鋼管5を成形手段71により正規の寸法かつ形状に熱間成形する。第1加熱手段によってA変態点の近辺に全体加熱し、第2加熱手段によって各コーナ部を、コーナ熱間成形に必要なA変態点の近辺にまで部分加熱することで、全体をA変態点の近辺にまでに加熱する方式と比べて、半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱コストを安くできる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば建築用の柱材に使用される大径で厚肉の角形鋼管(正方体形状、直方体形状、五角形や六角形などの多角形状)を得るのに採用される角形鋼管の製造方法、および角形鋼管の製造設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の角形鋼管の製造方法としては、原管を加熱炉内に搬入し、この加熱炉内での搬送中に800℃〜950℃(A変態点以上)で高温加熱し、そして角形鋼管成形ミルに搬入されて熱間成形(成形温度A変態点以上)を行っている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−294722号公報(第3頁、第1図)
【0004】
【特許文献2】
実願平5−44927号(実開平7−15763号)のマイクロフィルム(第6−7頁、第1−3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来構成によると、通常、加熱炉としてはガス、油などによる燃焼加熱方式が採用されており、かかる方式により原管の全体を800℃〜950℃に高温加熱することは、その加熱コストが高くつくことになり、特に原管が大径で厚肉のとき、加熱コストは高価となる。また加熱炉としては、少なくとも800℃〜950℃の高温に耐える構成としなければならず、加熱炉自体が高価になるとともに、加熱炉や炉内搬送装置(ローラコンベヤ)などの保守点検は度々行わなければならず、維持費も高価になる。
【0006】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱を、その加熱コストや設備費を安価として行える角形鋼管の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
また請求項4記載の発明は、請求項1記載の角形鋼管の製造方法を容易に実現し得る角形鋼管の製造設備を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の角形鋼管の製造方法は、鋼板を成形したのち突き合わせ溶接することにより半成形角形鋼管を造管し、この半成形角形鋼管を第1加熱手段によりA変態点の近辺にまで全体加熱し、引き続いて半成形角形鋼管の各コーナ部を第2加熱手段によりA変態点の近辺にまで部分加熱し、そして加熱された半成形角形鋼管を成形手段によって、正規の寸法かつ形状に熱間成形することを特徴としたものである。
【0009】
したがって請求項1の発明によると、第1加熱手段によって半成形角形鋼管をA変態点の近辺に全体加熱し、第2加熱手段によって各コーナ部を、コーナ熱間成形に必要なA変態点の近辺にまで部分加熱することで、たとえば全体をA変態点の近辺にまでに加熱する方式と比べて、半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱コストを安くし得る。また第1加熱手段としては、A変態点の近辺の温度に耐える構成とすればよいことから、設備費を安価にし得るとともに、第1加熱手段や搬送手段などの保守点検の頻度は少なくなり、維持費も安価になる。
【0010】
そして、加熱した半成形角形鋼管を成形手段によって、正規の寸法かつ形状とした角形鋼管(最終製品)に仕上がるように熱間成形し得る。その際に半成形角形鋼管は、その4辺平板部がA変態点の近辺で、各コーナ部がA変態点の近辺であることから、絞り状の熱間成形力はコーナ部に強く作用することになり、以て角形鋼管は、平坦部(四辺)に凹みが生じ難く、さらに各コーナ部の形状、すなわち外周半径を均等状にかつシャープに形成し得る。
【0011】
また本発明の請求項2記載の角形鋼管の製造方法は、上記した請求項1記載の構成において、第1加熱手段は、半成形角形鋼管を加熱炉に入れての燃焼加熱方式であり、第2加熱手段は高周波誘導加熱方式であることを特徴としたものである。
【0012】
したがって請求項2の発明によると、加熱炉において燃焼加熱方式によって半成形角形鋼管をA変態点の近辺に全体加熱し、高周波誘導加熱方式によって各コーナ部を、コーナ熱間成形に必要なA変態点の近辺にまで部分加熱することで、たとえば全体をA変態点の近辺にまでに加熱する方式と比べて、半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱コストを安くし得る。また加熱炉としては、A変態点の近辺の温度に耐える構成とすればよいことから、加熱炉自体(設備費)は安価になるとともに、加熱炉や炉内の搬送手段などの保守点検の頻度は少なくなり、維持費も安価になる。
【0013】
そして本発明の請求項3記載の角形鋼管の製造方法は、上記した請求項2記載の構成において、第1加熱手段の加熱炉から取り出される高温気体を発電装置の発電に利用し、発電装置で発電した電力を第2加熱手段の高周波誘導加熱に使用することを特徴としたものである。
【0014】
したがって請求項3の発明によると、第1加熱手段の加熱炉から取り出した高温気体を発電装置による発電に再利用し、これにより生じた電力を第2加熱手段の高周波誘導加熱に使用することによって、第2加熱手段での使用電力を安価に提供し得る。
【0015】
さらに本発明の請求項4記載の角形鋼管の製造設備は、鋼板を成形したのち突き合わせ溶接することにより造管した半成形角形鋼管を搬送する搬送経路中に、この半成形角形鋼管をA変態点の近辺にまで全体加熱する第1加熱手段と、半成形角形鋼管の各コーナ部をA変態点の近辺にまで部分加熱する第2加熱手段と、加熱された半成形角形鋼管を正規の寸法かつ形状に熱間成形する成形手段とを配設したことを特徴としたものである。
【0016】
したがって請求項4の発明によると、半成形角形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず第1加熱手段によって半成形角形鋼管をA変態点の近辺にまで全体加熱し、次いで第2加熱手段によって半成形角形鋼管の各コーナ部をA変態点の近辺にまで部分加熱したのち、この加熱した半成形角形鋼管を成形手段によって熱間成形することで、正規の寸法かつ形状の角形鋼管を製造し得る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、大径、厚肉でかつ正方体形状の角形鋼管を得るのに採用した状態として、図1〜図7に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、所定長さの鋼板1を長さ方向1Aに搬送し、トリミング開先加工機10に通して幅方向1Bにおける両側縁に開先2を加工する。次いで、鋼板1を前段成形プレス11に入れて、下金型12に対する上金型13の昇降動により、側縁寄りの二箇所に直角状(90度またはほぼ90度)のコーナ部3,3を折り曲げ成形する。その後、後段成形プレス14に入れて、下金型15に対する上金型16の昇降動により、中間の二箇所に鈍角(約105度)のコーナ部4,4を折り曲げ成形する。
【0019】
そして図2に示すように、仮付け溶接機17の部分で、四辺をロール18群(またはシリンダー)により外側から加圧することで、鈍角のコーナ部4,4を直角状に成形しながら開先2どうしを突き合わせして、半成形角形鋼管5としながら、突き合わせ部に対して仮付け溶接7aを施工する。次いで、半成形角形鋼管5を内面溶接機19に移して内面溶接7bを施工する。さらに、半成形角形鋼管5を外面溶接機20に移して外面溶接7cを施工し、以て一辺に突き合わせ溶接部(シーム溶接部)7を有し、かつ各コーナ部6が直角状の大径で厚肉の半成形角形鋼管5を造管し得る。
【0020】
ここで半成形角形鋼管5は、後述する角形鋼管(最終製品)よりも寸法や形状を大きくして造管している。すなわち、対向された辺の外面間の寸法LLや各コーナ部6の外周半径LRを大きくして造管されている(図5参照)。
【0021】
この半成形角形鋼管5は、図3〜図6に示すように、搬入床23に渡されて搬送される。この搬入床23の終端部に搬送された半成形角形鋼管5は、ローラコンベヤ(搬送手段の一例。)24に渡され、このローラコンベヤ24により形成される搬送経路25上で搬送される。
【0022】
この搬送経路25中には、前記半成形角形鋼管5をA変態点の近辺(たとえば600〜650℃)にまで全体加熱する第1加熱手段31と、半成形角形鋼管5の各コーナ部6をA変態点(たとえば850〜1050℃)の近辺にまで部分加熱する第2加熱手段61と、加熱された半成形角形鋼管5を正規の寸法かつ形状に熱間成形する成形手段71とが配設されている。
【0023】
すなわち、第1加熱手段31は、半成形角形鋼管5を加熱炉32に入れての燃焼加熱方式であって、その加熱炉32における前後方向の両端には、貫通孔により搬入口や搬出口が形成され、そして搬入口や搬出口には、それぞれ開閉扉33が設けられている。前記加熱炉32の一側下部でかつローラコンベヤ24のローラ間の中間位置に下部加熱バーナー34が配設され、そして、加熱炉32の他側上部でかつ前記下部加熱バーナー34に対して千鳥状に対峙する位置には、上部加熱バーナー35が配設されている。なお前記加熱炉32の搬出口に隣接した部分には、上下方向の排煙口36が形成されている。
【0024】
以上の32〜36などにより、前記半成形角形鋼管5をA変態点の近辺にまで全体加熱する第1加熱手段31の一例が構成される。
前記排煙口36に接続される排煙装置41が設けられる。すなわち加熱炉32の側部で床内には主煙道42が形成され、この主煙道42の始端が、第1煙管43を介して前記排煙口36に接続されている。そして、主煙道42の終端に第2煙管44が接続され、この第2煙管44がファン45を介して煙突46の下部に接続されている。前記第2煙管44の中間にはダンパー47が設けられ、このダンパー47の操作により、前記加熱炉32内の気圧が大気圧よりも低くなるように制御される。以上の42〜47などにより排煙装置41の一例が構成される。
【0025】
前記主煙道42内には熱交換器48が配設され、ここで排煙と熱交換された高温(300〜350℃)の空気は、配管49,50を介して各バーナー34,35に供給され、以て熱の再利用が行われる。さらに熱交換器48で排煙と熱交換された空気(高温気体)が、配管51を介して自家発電用の発電装置53における発電タービン54に供給されることで、この発電タービン54を介して発電機55が稼動され、以て第1加熱手段31の加熱炉32から取り出される高温気体が発電装置53による発電に再利用される。なお、必要に応じて、配管51の部分には補助的にボイラー56が配設される。
【0026】
前記第2加熱手段61は高周波誘導加熱方式であって、搬送経路25の方向の5箇所(1箇所または複数箇所)に配設されている。すなわち、各第2加熱手段61は搬送経路25を囲む機枠62を有し、この機枠62側には、前記半成形角形鋼管5の各コーナ部6に外側から対向される状態で、それぞれ保持部材63を介して発熱コイル64が設けられている。
【0027】
前記保持部材63は、半成形角形鋼管5のサイズ変化(種類変化)、つまり外面間の寸法LLの変化に対応して位置調整自在に構成されている。すなわち、保持部材63の外面側にはブロック体65が一体化され、このブロック体65の外面側に連結されたねじ軸体66が前記機枠62側に設けられたブラケット体67に挿通されるとともに、ブラケット体67の両側においてねじ軸体66にそれぞれナット体68が螺合されている。そして、ブロック体65の外面側に連結されたガイドロッド69が前記ブラケット体67に挿通されている。
【0028】
なお、第2加熱手段61の周辺には、半成形角形鋼管5の幅決めを行うためのサイドガイドローラ70が、半成形角形鋼管5のサイズ変化に対応して左右位置調整自在に設けられている。以上の62〜70などにより、半成形角形鋼管5の各コーナ部6をA変態点の近辺にまで部分加熱する第2加熱手段61の一例が構成される。
【0029】
上記構成からなる各第2加熱手段61の各発熱コイル64に対して、前記発電機55からの給電線57が接続され、以て発電装置53で発電した電力を第2加熱手段61の高周波誘導加熱に使用するように構成されている。なお、発電装置53からの電力の不足を補うために、給電線57に対して通常給電線58が、接断制御器59を介して接続されている。
【0030】
前述したように、搬入床23の終端部に搬送された半成形角形鋼管5は、ローラコンベヤ24に渡され、このローラコンベヤ24により第1加熱手段31の加熱炉32に搬入される。この半成形角形鋼管5は、加熱炉32内にて搬送経路25上で搬送されながら、各バーナー34,35の燃焼熱によって徐々に均一的に加熱Hされ(図5参照)、そして600〜650℃(A変態点の近辺)の高温を維持しながら、かつ周方向ならびに長さ方向において均一温度でかつ曲げなど生じることなく加熱Hされることになる。
【0031】
このようにしてA変態点の近辺の温度に加熱された半成形角形鋼管5を、開閉扉33を開動させることで、搬出口を通して加熱炉32から搬出したのち、第2加熱手段61へ搬入し得る。そして半成形角形鋼管5の終端が完全に搬出されたときに、搬出口の開閉扉33が閉動される。
【0032】
前述したように、全体がA変態点の近辺に加熱されて加熱炉32から搬出される半成形角形鋼管5は、第2加熱手段61群の機枠62内を通過し、その間に各コーナ部6がA変態点の近辺にまで部分加熱される。すなわち半成形角形鋼管5は、ローラコンベヤ24により支持搬送されることで下位レベルが一定に維持され、サイドガイドローラ70により両側辺が案内されることで一定に幅決めされた状態で、振れなど生じることなく搬送経路25上で搬送される。
【0033】
このようにして安定して搬送される半成形角形鋼管5の各コーナ部6に対して、第2加熱手段61群における各発熱コイル64の熱が加えられ、以て各コーナ部6が徐々に均一的に加熱される(図6参照)。これにより半成形角形鋼管5は、その4辺平板部は600〜650℃(A変態点の近辺)の高温を維持しながら、各コーナ部6は850〜1050℃(A変態点の近辺)にまで部分加熱(追加加熱)されることになる。そして、加熱された半成形角形鋼管5は成形手段71へと搬送される。
【0034】
上述したように、第1加熱手段31によって半成形角形鋼管5の全体をA変態点の近辺に加熱、すなわち600〜650℃に全体加熱したのち、第2加熱手段61によって各コーナ部6をA変態点の近辺に部分加熱、すなわち850〜1050℃に部分加熱することで、半成形角形鋼管5の熱間成形前の加熱を、その加熱コストや設備費を安価として行えることになる。
【0035】
つまり、第1加熱手段31によって半成形角形鋼管5を600〜650℃に全体加熱し、第2加熱手段61によって各コーナ部6を、コーナ熱間成形に必要な850〜1050℃に部分加熱することで、たとえば全体を850〜1050℃に加熱する方式と比べて加熱コストは安くなり、特に半成形角形鋼管5が大径で厚肉のとき、加熱コストは安価になる。また加熱炉32としては、600〜650℃に耐える構成とすればよいことから、加熱炉自体(設備費)は安価になるとともに、加熱炉32や炉内の搬送手段(ローラコンベヤ24)などの保守点検の頻度は少なくなり、維持費も安価になる。
【0036】
前述したように第1加熱手段31の加熱作用によって加熱炉32内で発生した熱い煙は、排煙装置41により排出し得る。すなわちファン45の作動により排煙口36に吸引力が作用し、これにより煙は、排煙口36を通して第1煙管43に吸引され、そして主煙道42、第2煙管44へと流れたのち、ファン45を介して煙突46へ吐き出される。このような吸引排煙により加熱炉32内が負圧化、すなわち大気圧よりも低くなることで、半成形角形鋼管5に曲げなどが生じることを防止し得る。その際に大気圧よりも低い程度は、ダンパー47を調整操作することで制御し得る。
【0037】
また熱い煙が主煙道42を流れるときに、熱交換器48によって空気が熱交換され、これにより加熱された高温(300〜350℃)の空気は、配管49,50を介して各バーナー34,35に供給される。したがって各バーナー34,35は、この加熱された空気を燃焼用空気として、効率のよい燃焼が行われる。通常、各バーナー34,35の燃焼には、燃焼用空気と燃料(ガス、天然ガス、LPGなどの気体燃料、重油、灯油などの液体燃料、石炭などの固形燃料)が必要で、これらにより燃焼効率を上げている。
【0038】
前述したように加熱された空気は、配管51を介して発電装置53の発電タービン54に供給されることで、この発電タービン54を介して発電機55が稼動されて発電される。これにより生じた電力は、給電線57を介して各第2加熱手段61の各発熱コイル64に給電され、以て高周波誘導加熱に使用される。このように、第1加熱手段31の加熱炉32から取り出した高温気体を発電装置53による発電に再利用し、そして発電した電力を第2加熱手段61の高周波誘導加熱に使用することによって、第2加熱手段61での使用電力を安価に提供し得、以て全体の運転費をより安価にし得る。
【0039】
上述したように、第1加熱手段31と第2加熱手段61とによって加熱された半成形角形鋼管5は成形手段71に搬送され、この成形手段71によって正規の寸法かつ形状に熱間成形される。すなわち成形手段71は、図3、図4、図7に示すように、前後4段(単数段または複数段)に設けられている。そして各成形手段71は、機枠72側に対して位置調整自在に、または交換自在に設けられた上下一対ならびに左右一対の成形ロール73などを介して、半成形角形鋼管5を絞り状に熱間成形させるものである。
【0040】
なお、成形手段71の周辺で、必要する箇所(成形手段71の前後、前のみ、後ろのみ、スタンド間など)には、必要とする数のデスケーラー装置75が設けられている。このデスケーラー装置75は、半成形角形鋼管5に対して水圧をかけた水を噴射するもので、この水噴射によりミルスケールなどを除去し、表面肌を良くし得る。
【0041】
したがって、加熱されて成形手段71に搬入された半成形角形鋼管5は、成形ロール73群によって絞り状に熱間成形され、このとき熱間成形は、複数段の成形手段71によって徐々(段階的)に絞り状に行われる。これにより半成形角形鋼管5は、正規の外面間の寸法Lでかつ正規の外周半径Rのコーナ部9とした角形鋼管(最終製品)8に仕上がるように熱間成形される。
【0042】
なお、熱間成形に際して半成形角形鋼管5は、その4辺平板部が600〜650℃(A変態点の近辺)で、各コーナ部6が850〜1050℃(A変態点の近辺)であることから、その絞り状の熱間成形力はコーナ部6に強く作用することになり、以て角形鋼管8は、平坦部(四辺)に凹みが生じ難く、さらに各コーナ部9の形状、すなわち外周半径Rを均等状にかつシャープに形成し得ることになる。さらに角形鋼管8は、熱間成形によって、残留応力が殆どなくて高い座屈強度が得られるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものとなる。
【0043】
このようにして熱間成形された角形鋼管8は、冷却床81に受け取られる。この冷却床81はコンベヤ形式であって複数本の角形鋼管8を平行させて支持し、そして長さ方向に対して横方向へと搬送させる。この冷却床81での搬送中に、角形鋼管8は空冷形式で徐冷される。冷却床81での角形鋼管8群の搬送は、隣接した角形鋼管8の間を離した状態で、または隣接した角形鋼管8どうしを接触させ両側よりクランプした状態で搬送される。これにより角形鋼管8は、同じ雰囲気温度下で徐冷されることになり、以て冷却時の曲がりを少なくし得る。冷却床81の終端に達した角形鋼管8は、図示していない矯正装置、先端切断装置、後端切断装置、洗浄装置、防錆装置へと搬送され、それぞれで処理されたのち、製品としてストレージされる。
【0044】
次に、本発明の別の実施の形態を図8に基づいて説明する。
すなわち、上述した実施の形態では、一枚の鋼板1を使用し、一辺に突き合わせ溶接部7を有する大径で厚肉の角形鋼管(最終製品)8を製造しているが、これは図8の(a)に示すように、二枚の鋼板を使用し、二辺に突き合わせ溶接部7を有する大径で厚肉の角形鋼管8を製造してもよい。
【0045】
また、上述した実施の形態では、正方体形状の角形鋼管8を製造しているが、これは直方体形状の角形鋼管8を製造してもよく、さらに図8の(b)に示すような五角形形状の角形鋼管8や、図8の(c)に示すような六角形形状の角形鋼管8など、各種の多角形状の角形鋼管8を製造してもよい。
【0046】
上記した実施の形態では、第1加熱手段31として、半成形角形鋼管5を加熱炉32に入れての燃焼加熱方式が採用されているが、この第1加熱手段としては、高周波誘導加熱方式などであってもよい。
【0047】
上記した実施の形態では、第1加熱手段31の加熱炉32から取り出される高温気体を発電装置53の発電に利用し、発電装置53で発電した電力を第2加熱手段61の高周波誘導加熱に使用する方式が採用されているが、この第2加熱手段61の高周波誘導加熱の全てに通常給電線58からの電力を使用する方式などであってもよい。
【0048】
上記した実施の形態で示すように、成形手段71での熱間成形は、複数段で徐々に絞り成形するのが好ましいが、その段数は任意であり、場合によっては単数段でもよい。特に半成形角形鋼管5が薄肉の場合には、単数段、少数段での熱間成形が可能となる。
【0049】
上記した実施の形態では、大径で厚肉の角形鋼管8を製造しているが、これは大径で薄肉の角形鋼管、小径で厚肉の角形鋼管、小径で薄肉の角形鋼管などの製造であってもよい。たとえば、正規の外面間の寸法Lが300〜700mm、厚さtが9〜70mmの角形鋼管8を得るものであり、その際に半成形角形鋼管5におけるコーナ部6の大きい外周半径LRは厚さtの3.5〜7.0倍であり、これが角形鋼管8におけるコーナ部9の正規の外周半径Rが厚さtの1.0〜3.0倍となるようにシャープに形成される。
【0050】
上記した実施の形態では、前段成形プレス11や後段成形プレス14などプレス方式で鋼板1の成形を行っているが、これはロール方式で鋼板1の成形を行ってもよい。
【0051】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、第1加熱手段によって半成形角形鋼管をA変態点の近辺に全体加熱し、第2加熱手段によって各コーナ部を、コーナ熱間成形に必要なA変態点の近辺にまで部分加熱することで、たとえば全体をA変態点の近辺にまでに加熱する方式と比べて、半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱コストを安くでき、特に半成形角形鋼管が大径で厚肉のとき、加熱コストを安価にできる。また第1加熱手段としては、A変態点の近辺の温度に耐える構成とすればよいことから、設備費を安価にできるとともに、第1加熱手段や搬送手段などの保守点検の頻度を少なくできて、維持費も安価になる。
【0052】
そして、加熱した半成形角形鋼管を成形手段によって、正規の寸法かつ形状とした角形鋼管に仕上がるように熱間成形できる。その際に半成形角形鋼管は、その4辺平板部がA変態点の近辺で、各コーナ部がA変態点の近辺であることから、絞り状の熱間成形力をコーナ部に強く作用させることができ、以て角形鋼管は、平坦部(四辺)に凹みが生じ難く、さらに各コーナ部の形状、すなわち外周半径を均等状にかつシャープに形成できる。さらに角形鋼管は、熱間成形によって、残留応力が殆どなくて高い座屈強度が得ることができるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものにできる。
【0053】
また上記した本発明の請求項2によると、加熱炉において燃焼加熱方式によって半成形角形鋼管をA変態点の近辺に全体加熱し、高周波誘導加熱方式によって各コーナ部を、コーナ熱間成形に必要なA変態点の近辺にまで部分加熱することで、たとえば全体をA変態点の近辺にまでに加熱する方式と比べて、半成形角形鋼管の熱間成形前の加熱コストを安くできる。また加熱炉としては、A変態点の近辺の温度に耐える構成とすればよいことから、加熱炉自体(設備費)を安価にできるとともに、加熱炉や炉内の搬送手段などの保守点検の頻度は少なくなり、維持費も安価にできる。
【0054】
そして上記した本発明の請求項3によると、第1加熱手段の加熱炉から取り出した高温気体を発電装置による発電に再利用し、これにより生じた電力を第2加熱手段の高周波誘導加熱に使用することによって、第2加熱手段での使用電力を安価に提供でき、以て全体の運転費をより安価にできる。
【0055】
さらに上記した本発明の請求項4によると、半成形角形鋼管を搬送経路上で搬送しながら、まず第1加熱手段によって半成形角形鋼管をA変態点の近辺にまで全体加熱し、次いで第2加熱手段によって半成形角形鋼管の各コーナ部をA変態点の近辺にまで部分加熱したのち、この加熱した半成形角形鋼管を成形手段によって熱間成形することで、正規の寸法かつ形状の角形鋼管を製造でき、以て請求項1記載の角形鋼管の製造方法を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、角形鋼管の製造方法における鋼板成形工程までの説明図である。
【図2】同角形鋼管の製造方法における半成形角形鋼管の造管工程までの説明図である。
【図3】同角形鋼管の製造方法における加熱から熱間成形を含む工程斜視図である。
【図4】同角形鋼管の製造方法における加熱工程から熱間成形工程までの説明図である。
【図5】同角形鋼管の製造方法における第1加熱手段部分の正面図である。
【図6】同角形鋼管の製造方法における第2加熱手段部分の一部切り欠き正面図である。
【図7】同角形鋼管の製造方法における熱間成形工程の正面図である。
【図8】本発明の別の実施の形態を示し、(a)は二枚の鋼板を使用した角形鋼管の正面図、(b)は五角形形状の角形鋼管の正面図、(c)は六角形形状の角形鋼管の正面図である。
【符号の説明】
1 鋼板
5 半成形角形鋼管
6 コーナ部
7 突き合わせ溶接部(シーム溶接部)
8 角形鋼管(最終製品)
9 コーナ部
11 前段成形プレス
14 後段成形プレス
17 仮付け溶接機
19 内面溶接機
20 外面溶接機
23 搬入床
24 ローラコンベヤ(搬送手段)
25 搬送経路
31 第1加熱手段
32 加熱炉
34 下部加熱バーナー
35 上部加熱バーナー
41 排煙装置
48 熱交換器
53 発電装置
54 発電タービン
55 発電機
57 給電線
58 通常給電線
61 第2加熱手段
64 発熱コイル
70 サイドガイドローラ
71 成形手段
73 成形ロール
81 冷却床
LL 大きい外面間の寸法
L 正規の外面間の寸法
LR 大きい外周半径
R 正規の外周半径
H 加熱

Claims (4)

  1. 鋼板を成形したのち突き合わせ溶接することにより半成形角形鋼管を造管し、この半成形角形鋼管を第1加熱手段によりA変態点の近辺にまで全体加熱し、引き続いて半成形角形鋼管の各コーナ部を第2加熱手段によりA変態点の近辺にまで部分加熱し、そして加熱された半成形角形鋼管を成形手段によって、正規の寸法かつ形状に熱間成形することを特徴とする角形鋼管の製造方法。
  2. 第1加熱手段は、半成形角形鋼管を加熱炉に入れての燃焼加熱方式であり、第2加熱手段は高周波誘導加熱方式であることを特徴とする請求項1記載の角形鋼管の製造方法。
  3. 第1加熱手段の加熱炉から取り出される高温気体を発電装置の発電に利用し、発電装置で発電した電力を第2加熱手段の高周波誘導加熱に使用することを特徴とする請求項2記載の角形鋼管の製造方法。
  4. 鋼板を成形したのち突き合わせ溶接することにより造管した半成形角形鋼管を搬送する搬送経路中に、この半成形角形鋼管をA変態点の近辺にまで全体加熱する第1加熱手段と、半成形角形鋼管の各コーナ部をA変態点の近辺にまで部分加熱する第2加熱手段と、加熱された半成形角形鋼管を正規の寸法かつ形状に熱間成形する成形手段とを配設したことを特徴とする角形鋼管の製造設備。
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CN113059014A (zh) * 2021-03-01 2021-07-02 南京万鹏金属制品有限公司 一种用于矩形管的挤压成型装置及其挤压成型方法

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