JP2004269482A - 微粒子二酸化チタン被覆粉体及びそれを含有する化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆して、化粧料用の粉体とする。複合金属酸化物の成分構成としては、チタン以外に珪素、アルミニウムを含有することが好ましい。更に、前記被覆粉体に、金属石けん被覆、パーフルオロアルキル基の導入などの表面処理を行うことが好ましい。かくして得られた粉体は優れた紫外線防護作用、取り分け、高光量の紫外線照射条件下にて優れた紫外線防護作用を有するので、これを含有する化粧料は紫外線防護化粧料として好適である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線防護化粧料などの化粧料の原料として好適な被覆粉体及びそれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
起炎症反応、DNA切断反応、酸化的傷害の生成、発ガンの危険性等、紫外線の生体に対する傷害性の大きさは、今や誰もが認識するに至るほど遍く知られている。この為、近年の化粧品業界に於いては、より確実にこの傷害から生体を防護する為に、種々の新規紫外線防護粉体の開発が行われている。この様な粉体を例に挙げてみると、例えば、微粒子二酸化チタンに脂肪酸処理をしたものを紫外線防護剤とする技術(特開2001−207060)或いは微粒子二酸化チタンに珪酸、アルミン酸等を被覆し、それを更にアルギン酸で被覆した粉体を紫外線防護剤とする技術(特開2000−203835)などの微粒子二酸化チタンの表面を改質し、密着性を向上させ、隙間のない二酸化チタンの膜で皮膚をカバーする技術や、セリサイトなどの表面に鉄などをドープした二酸化チタンで被覆し、自然なカバー力を有し、紫外線AもBも吸収する素材(特開平11−43626)などが例示できる。これらの素材の紫外線吸収特性は、これまでの二酸化チタンや酸化亜鉛に比して格段に向上し、SPF値或いはPFA値も大きくなったが、紫外線吸収特性の向上の割には、防護効果そのもの、特に高光量照射時に於ける、炎症の重篤度の改善はあまり為されていないのが現状であった。即ち、SPF値或いはPFA値は向上し、炎症を起こさない紫外線量は大きく増大したが、一度炎症が起こると、その炎症は重篤なものになってしまう欠点があった。
【0003】
一方、基体粉体をセリサイトとし、これに二酸化チタンなどの金属酸化物を被覆する技術としては、特開2000−319540が存在するが、この技術は、基体粉体と被覆金属酸化物の屈折率を調整して、高彩度の発色性を有する粉体を提供する為のものであり、紫外線吸収特性は紫外線防護剤のそれとはことなる。又、該チタンの酸化物も微粒子ではなく、従って、セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆してなる化粧料用の粉体は未だ知られていない粉体と言える。
【0004】
即ち、セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆してなる化粧料用の粉体は全く知られておらず、この粉体が優れた紫外線防護効果、高光量照射時に於ける炎症抑制効果を有することも全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする技術】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、優れた紫外線防護効果、高光量照射時に於ける炎症抑制効果を有する化粧料粉体、及び、該粉体を含有する含有する化粧料を提供することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、優れた紫外線防護効果、高光量照射時に於ける炎症抑制効果を有する化粧料粉体、及び、該粉体を含有する含有する化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆してなる化粧料用の粉体にその様な特性が備わっていることを見出し発明を完成させた。更に検討を重ねた結果、これを化粧料に含有させることにより、高光量の紫外線下でも優れた紫外線防護作用を発揮する化粧料が得られることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆してなる化粧料用の粉体。
(2)前記微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物が、二酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカを構成成分とするものであることを特徴とする、(1)に記載の化粧料用の粉体。
(3)前記微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物の平均粒子径が0.1ミクロン以下であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料用の粉体。
(4)前記微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物におけるチタンの含有量が、二酸化チタン換算で該微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物全量に対して、75〜90重量%であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の化粧料用の粉体。
(5)更に、表面を脂肪酸の金属石けんで処理されていることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の化粧料用の粉体。
(6)(1)〜(5)何れか1項に記載の化粧料用の粉体を含有する化粧料。
(7)紫外線防護用であることを特徴とする、(6)に記載の化粧料。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の化粧料用の粉体
本発明の化粧料用の粉体は、化粧料用の粉体であって、セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆してなることを特徴とする。ここで、被覆に用いる複合金属酸化物に於いて、本発明言う微粒子とは平均粒子径が0.1ミクロン以下の粒子を意味し、複合金属酸化物を構成する金属元素としては、チタン以外にジルコニウム、珪素、アルミニウムなどが好適に、更に好ましくは珪素、アルミニウムが例示できる。かかる複合金属酸化物の形態としては、これらの金属原子及び酸素原子が一様な存在確率で存在する形態、コア・シェル構造乃至は多層構造をとる形態或いは均一の複合金属酸化物に更にこれとは異なる金属酸化物乃至は複合金属酸化物が被覆した形態などが好ましく例示できる。かかる複合金属酸化物を構成する金属元素の内、チタンの含有量は二酸化チタン換算で75〜90重量%を占めるようにするのが好ましい。チタン、珪素及びアルミニウムの複合金属酸化物では、チタンが二酸化チタン換算で75〜90重量%、珪素が二酸化珪素換算で3〜10重量%、アルミニウムがアルミナ換算で5〜15重量%となることが好ましい。これらは例えば二酸化珪素、アルミナの存在下硫酸チタニルなどチタンの強酸塩の水溶液を煮沸し、二酸化珪素・アルミナ・水酸化チタニルのコンプレックスを作成し、これを600〜1500℃で焼成することにより製造することが出来る。この様な複合金属酸化物には既に市販されているものが存在し、それを利用することも出来る。この様な市販品として特に好ましいものは、テイカ株式会社から市販されている、「微粒子酸化チタンMT−500HSA」(平均粒子径0.01〜0.04ミクロン、珪素の二酸化珪素換算含有量6.5重量%、アルミニウムのアルミナ換算含有量9重量%)が好適に例示できる。かかる被覆に用いる複合金属酸化物の本発明の化粧料用の粉体に於ける好ましい含有量は、粉体全量に対し10〜30重量%であり、更に好ましくは、15〜25重量%である。かかる微粒子複合金属酸化物をセリサイト上に被覆するには、遊星ボールミル等を用いたメカノケミカルによる被覆方法、セリサイト表面及び/又は複合金属酸化物表面に水酸化チタニルや水酸化アルミニウム等のバインダーをコートし、しかる後にセリサイトと複合金属酸化物とをメカニカル、乃至は、メカノケミカルに結合させ、600〜1500℃で焼成する方法などにより製造することが出来る。尚、かかる粉体の被覆層において、アルミナと言う言葉は酸化アルミニウム及び酸化アルミニウム水和物(部分的に水酸化アルミニウムの形態を取ることを許容する)を包含する言葉であり、シリカとは、無水ケイ酸及びケイ酸水和物(部分的に水酸化珪素の形態を取ることを許容する)を包含する言葉である。この様に調整された本発明の化粧料用の粉体は平均粒径が1〜20ミクロン、更に好ましくは5〜15ミクロン程度になるように粒径をそろえることが好ましい。本発明の化粧料用の粉体としては、更にこの上に、通常化粧料用の粉体で知られている、表面処理を行っても良い。かかる表面処理としては、例えば、ハイドロジェンメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサンなどのシリコーンによる焼き付け処理、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸マグネシウムなど脂肪酸金属石けんによる被覆処理、シランカップリング剤によるシリル処理、アシルアミノ酸塩による被覆処理などが例示でき、特に好ましいのは表面にフッ素原子を含む炭化水素基、特に好ましくは炭素−炭素結合以外炭素の結合が炭素−フッ素結合である、パーフルオロアルキル鎖を導入する表面処理であり、この様な導入はパーフルオロアルキル基を有するリン酸エステルのジエタノールアミン塩をコートすることや、パーフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤で処理することにより為される。かくして得られた、本発明の化粧料用の粉体は、優れた紫外線防護作用を有し、取り分け、従来の紫外線防護用の粉体では重篤な炎症が生じる、極端な高光量の条件下でも無反応乃至は微弱な反応のみの誘起に抑える優れた作用を有する。この作用を利用して、本発明の化粧料用の粉体を化粧料に含有させて、紫外線防護化粧料を作成する場合には、該紫外線防護化粧料に於ける本発明の化粧料用の粉体の好ましい含有量は、化粧料総量に対して、1〜60重量%が好ましく、更に好ましくは、5〜40重量%である。これは少なすぎると紫外線防護作用を発揮できない場合があり、多すぎると演色性など化粧仕上がりを阻害する場合があるからである。
【0008】
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記本発明の化粧料用の粉体を含有することを特徴とする。化粧料としては、通常知られている粉体含有化粧料であれば、特段の限定無く適用することが出来、例えば、ファンデーション、アンダーメークアップ、白粉、リップカラー、ネイルカラー、チークカラー、アイカラー、紫外線防護化粧料等が例示できる。この中では、前記の本発明の化粧料用の粉体の優れた紫外線防護作用を生かして、紫外線防護化粧料に適用することが好ましい。又、剤形としては二層分散剤形、乳化分散剤形、ルースパウダー剤形、オイルゲル剤形、固形白粉剤形(ツーウェイケーキを含む)等通常の粉体含有化粧料で使用されている剤形であれば特段の限定無く適用することが出来る。特に好ましいものは、固形白粉剤形である。本発明の化粧料に於いては、必須成分である、前記本発明の化粧料用の粉体以外に通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の、表面処理されていても良い、本発明の化粧料用の粉体以外の粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、これら必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより製造できる。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0010】
<実施例1>
セリサイト800gを0.01%硫酸チタニル水溶液中に分散させ、5時間煮沸還溜させ、しかる後に濾別して粉体をとり、これを200gの「微粒子酸化チタンMT−500HSA」とともに遊星ボールミルに仕込み、48時間処理した。これを電気炉で1000℃24時間焼成し、本発明の化粧料用の粉体1を白色粉体として得た。(平均粒径7.4ミクロン)
【0011】
<実施例2>
本発明の化粧料用の粉体1を98gとり、2gのステアリン酸亜鉛とともに乾式ボールミルで24時間処理し、本発明の化粧料用の粉体2を白色粉体として得た。(平均粒径8.1ミクロン)
【0012】
<実施例3>
セリサイト850gを0.01%硫酸チタニル水溶液中に分散させ、5時間煮沸還溜させ、しかる後に濾別して粉体をとり、これを150gの「微粒子酸化チタンMT−500HSA」とともに遊星ボールミルに仕込み、48時間処理した。これを電気炉で1000℃24時間焼成し、更に、20gのステアリン酸亜鉛とともに乾式ボールミルで24時間処理し、本発明の化粧料用の粉体3を白色粉体として得た。(平均粒径7.9ミクロン)
【0013】
<実施例4>
セリサイト750gを0.01%硫酸チタニル水溶液中に分散させ、5時間煮沸還溜させ、しかる後に濾別して粉体をとり、これを250gの「微粒子酸化チタンMT−500HSA」とともに遊星ボールミルに仕込み、48時間処理した。これを電気炉で1000℃24時間焼成し、更に、20gのステアリン酸亜鉛とともに乾式ボールミルで24時間処理し、本発明の化粧料用の粉体4を白色粉体として得た。(平均粒径8.3ミクロン)
【0014】
<比較例1>
セリサイト800gを0.01%硫酸チタニル水溶液中に分散させ、5時間煮沸還溜させ、しかる後に濾別して粉体をとり、これを200gの「微粒子酸化チタン」(平均粒径0.03ミクロン、ルチル型)とともに遊星ボールミルに仕込み、48時間処理した。これを電気炉で1000℃24時間焼成し、更に、20gのステアリン酸亜鉛とともに乾式ボールミルで24時間処理し、比較例1の粉体を白色粉体として得た。(平均粒径7.6ミクロン)
【0015】
<比較例2>
セリサイト800gを0.01%硫酸チタニル水溶液中に分散させ、5時間煮沸還溜させ、しかる後に濾別して粉体をとり、これを200gの「タイペークTTO−F6」(鉄ドープ微粒子酸化チタン、平均粒径0.03ミクロン;石原産業株式会社製)とともに遊星ボールミルに仕込み、48時間処理した。これを電気炉で1000℃24時間焼成し、更に、20gのステアリン酸亜鉛とともに乾式ボールミルで24時間処理し、比較例2の粉体を淡いオレンジ色の粉体として得た。(平均粒径8.2ミクロン)
【0016】
<比較例3>
セリサイト800g(平均粒径8.1ミクロン)と「微粒子酸化チタンMT−500HSA」200gとステアリン酸亜鉛20gをヘンシェルミキサーで混合し、比較例3の粉体を白色粉体として得た。
【0017】
<実施例5〜8>
下記に示す処方に従って、本発明の化粧料である、紫外線防護化粧料(固形白粉タイプ)を作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合した後、0.1mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーに戻した後、混合しながらロの成分を噴霧、コートし、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に充填し、加圧成型して紫外線防護化粧料を得た。同時に、本発明の化粧料用の粉体を比較例の粉体に置換し比較例4〜6の化粧料も同様に作成した。これらの化粧料をヒトの下腕内側部を用いた紫外線防護テストによって、紫外線防護効果をテストした。検体は1cm×3cmの部位に0.2g塗布し、紫外線は50MEDを照射した。(線源BLBランプ:SEランプ=1:1)その24時間後に皮膚反応をドレーズの基準(++:浮腫を伴う反応、+:明らかな紅斑を伴う反応、±:微弱な紅斑を伴う反応、−:無反応)で判定した。尚、被験者は5名であった。結果を表1に示す。これより本発明の化粧料用の粉体を含有する本発明の化粧料が優れた紫外線防護効果を奏していることがわかる。
イ
シリコーン処理二酸化チタン 10 重量部
シリコーン処理酸化亜鉛 3 重量部
シリコーン処理酸化鉄 2 重量部
表1に記載の粉体 40 重量部
メチルシロキサン網状重合体 15 重量部
シリコーン処理マイカ 15 重量部
ロ
ジメチルポリシロキサン 10 重量部
高粘度ジメチルポリシロキサン 5 重量部
【0018】
【表1】
【0019】
<実施例9>
下記に示す処方に従って、本発明の化粧料である、固形白粉(ツーウェイケーキタイプ)を作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合した後、0.1mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーに戻した後、混合しながらロの成分を噴霧、コートし、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に充填し、加圧成型して固形白粉を得た。このものの50MEDの紫外線照射(線源BLBランプ:SEランプ=1:1)に対する、上記条件と同じ条件での5名のパネラーの皮膚反応は、何れも−(無反応)であり、優れた紫外線防護作用を有することがわかった。
イ
シリコーン処理鉄ドープ二酸化チタン 10 重量部
シリコーン処理酸化亜鉛 3 重量部
シリコーン処理酸化鉄 7 重量部
本発明の粉体2(実施例2) 30 重量部
シリコーン処理チタンマイカ 15 重量部
シリコーン処理マイカ 15 重量部
ロ
ジメチルポリシロキサン 10 重量部
高粘度ジメチルポリシロキサン 10 重量部
【0020】
<実施例10>
実施例1の粉体1の95重量部に、5重量部のジメチルメトキシ(−1,1,1,2,2−ペンタフルオロブチル)シランをジイソプロピルエーテル95重量%に溶かしコートした後。溶剤を減圧溜去し、150℃で48時間処理して、パーフロロアルキル(1,1,1,2,2−ペンタフルオロブチル)基を表面に有する本発明の粉体5を得た。
【0021】
<実施例11>
実施例5と同様に、粉体5を用いて本発明の紫外線防護用の化粧料を作成した。紫外線防護試験の結果は5名とも無反応であり、パーフルオロアルキル基を表面の導入する表面処理を行うのが好ましいことがわかった。
イ
シリコーン処理二酸化チタン 10 重量部
シリコーン処理酸化亜鉛 3 重量部
シリコーン処理酸化鉄 2 重量部
粉体5 40 重量部
メチルシロキサン網状重合体 15 重量部
シリコーン処理マイカ 15 重量部
ロ
ジメチルポリシロキサン 10 重量部
高粘度ジメチルポリシロキサン 5 重量部
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた紫外線防護効果、高光量照射時に於ける炎症抑制効果を有する化粧料粉体、及び、該粉体を含有する含有する化粧料を提供することがわかる。
Claims (7)
- セリサイトを基体粉体とし、これに微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物を被覆してなる化粧料用の粉体。
- 前記微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物が、二酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカを構成成分とするものであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料用の粉体。
- 前記微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物の平均粒子径が0.1ミクロン以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料用の粉体。
- 前記微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物におけるチタンの含有量が、二酸化チタン換算で該微粒子の二酸化チタンを主成分とする複合金属酸化物全量に対して、75〜90重量%であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料用の粉体。
- 更に、表面を脂肪酸の金属石けんで処理されていることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料用の粉体。
- 請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料用の粉体を含有する化粧料。
- 紫外線防護用であることを特徴とする、請求項6に記載の化粧料。
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KR101798857B1 (ko) | 2016-04-06 | 2017-11-17 | (주)금천 | 견운모 합성 물질을 이용한 자외선 차단 화장품 조성물 |
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