JP2004268851A - 鉄道車両の低床構体及び鉄道車両の構体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前後の台車間に低床構体20を配設して車体床面を落し込んだ構造を有する鉄道車両の構体構造において、底部31の各辺に側部32、妻部33を設けた底板体30を設け、その側部32に、所定間隔をとって側縦骨44を固定し、各側縦骨44に、台枠の台車側部分を構成する前側梁および後側梁に接合可能な二本の側梁45,46を固定して低床構体20を構成し、側梁45、46を前側梁および後側梁に接合して側梁接合構造を設ける。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体床面が台枠よりも低く配置され、軽量で重心が低い構造を有する鉄道車両の低床構体及び鉄道車両の構体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄道車両の構体構造の中には、二階建鉄道車両として用いられるものがある。このような鉄道車両の構体構造として、従来、前後の台車間に車体床面を一段低く落とし込んで客室の床面とするため、車体床面を支える床板部と、床板部の左右両側で互いに拡開する一対の側板部と、前後に連設される妻板部とを一体に形成した函体を前後の台車間に配設し、その函体の上部を台枠に接合した構造を有するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−76060号公報(第1頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の構体構造は、函体が車体外板として用いられる鋼材よりも厚肉の鋼材(厚さ9mm)からなる五面体であるため、重量が重く、その自重により側板部が変形しやすいという欠点がある。また、側板部と妻板部とが床板部から起立しているので、函体の重心位置が床板部から離れた高い位置になる。このように重量が重く、重心位置が高い函体を配設すると、鉄道車両は曲線通過速度を保持することが難くなる。
また、上記従来の構体構造は、一体化した函体により強度を保つようになっているから、床板部、一対の側板部及び妻板部の五面一対化構造を余儀なくされ、それ以外の構造を採用する自由度が低いという欠点もある。
そこで、本発明は上記課題を解決し、軽量でしかも重心が低い構造を有し、鉄道車両(特に、二階建鉄道車両)の設計自由度を高めることが可能な鉄道車両の低床構体及び鉄道車両の構体構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、前後の台車間に配設される鉄道車両の低床構体であって、底部の各辺に一対の側部および妻部を設けた厚板鋼材製の底板体と、底板体の各側部に所定間隔をとって固定された薄板鋼材製の複数の側縦骨と、底部の長手辺に沿って各側縦骨に固定され、かつ台枠の各台車側部分に接合可能な薄板鋼材製の二本の側梁とを有し、その各側梁および各側部に、側構体がそれぞれ接合可能に構成されている鉄道車両の低床構体を特徴とする。
この鉄道車両の低床構体は、最下部の底板体だけが厚板鋼材で形成されているので、重量が軽く、重心が低い。また、側部と、隣接する側縦骨および側梁との間に開口部が形成されている。
【0006】
上記鉄道車両の低床構体は、上記底板体を構成する厚板鋼材を厚さ9mmに設定することができる。
また、いずれの鉄道車両の低床構体も各側梁が断面コの字型の鋼材からなり、かつその開口面が互いに対向していることが好ましい。
この場合、側梁の背面を側構体の接合面にすることができる。
また、この発明は、前後の台車間に鉄道車両の低床構体を配設して車体床面を落し込んだ構造を有する鉄道車両の構体構造であって、鉄道車両の低床構体が、底部の各辺に一対の側部および妻部を設けた厚板鋼材製の底板体と、底板体の各側部に所定間隔をとって固定された薄板鋼材製の複数の側縦骨と、底部の長手辺に沿って各側縦骨に固定され、かつ台枠の各台車側部分を構成する前側梁および後側梁に接合可能な薄板鋼材製の二本の側梁とを有して構成され、各側梁を、前側梁および後側梁に接合して側梁接合構造を設けた鉄道車両の構体構造を提供する。
【0007】
鉄道車両の構体構造は、上記低床構体の最下部の底板体だけが厚板鋼材で形成されているので、重量が軽く、重心が低い。また、側部と、隣接する側縦骨および側梁との間に開口部が形成されている。側梁接合構造を設けたことにより、台枠にかかる荷重を分散させて鉄道車両の低床構体を配設することができる。
また、上記鉄道車両の構体構造は、底板体を構成する厚板鋼材が厚さ9mmに設定することができる。
上記いずれの鉄道車両の構体構造も、鉄道車両の低床構体の各側梁が断面コの字型の鋼材からなり、かつその開口面が互いに対向していることが好ましい。
この場合、側梁の背面を側構体の接合面にすることができる。
【0008】
この鉄道車両の構体構造の場合、各側梁を、前側梁および後側梁の上側または下側に配置して、側梁接合構造を設けるとよい。こうすると、各側梁、前側梁および後側梁の背面が側構体の接合面となり、その接合面を広く確保することができる。
さらに、上記いずれの鉄道車両の構体構造においても、底板体の各側部は、底部の付け根部分から上端部分までの高さを、その上端部分が、鉄道車両の低床構体に設けられる一階客室内の腰掛の座面よりも下側に位置するようにして設定していることが好ましい。この場合、側部の高さを、底板体の強度を許容範囲内に保持可能な必要最小限の値に設定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明による鉄道車両の低床構体及び鉄道車両の構体構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本実施の形態に係る鉄道車両の低床構体を有する鉄道車両の側面図、図2はその断面図、図3はその斜め後方からみた一部省略した斜視図、図4は斜め前方上側からみた斜視図、図5は斜め前方下側からみた斜視図である。
本実施形態に係る鉄道車両1は二階建鉄道車両であって、前後の台車10,15の間に、一階の客室部分を構成する鉄道車両の低床構体(以下「低床構体」という)20を配設した構成を有し、その低床構体20内に一階客室50が設けられ、その上に二階客室51が設けられている。
【0010】
この低床構体20は、図6に示すように、車体の外板として一般に用いられる鋼材(厚さが1.2mm〜1.6mm程度)よりもかなり板厚の厚い鋼材(以下「厚板鋼材」という。本実施の形態では厚さを9mmとしている)からなる底板体30と、複数本の側縦骨44と、側縦骨44に固定された2本の側梁45,46とを有している。なお、本願発明において、「鋼材」とは、炭素だけを含む普通鋼からなる鋼材と、その他の元素をも含むステンレス鋼などの特殊鋼からなる鋼材の双方を含んでいる。以下の説明ではステンレス鋼材(SUS板)を想定している。また、厚板鋼材よりも厚さの薄い鋼材(厚板鋼材の10%〜50%程度の厚さを有する鋼材)を「薄板鋼材」という。
底板体30は、上面に床板を張り付け可能であり、車両の前後方向に長い矩形板状の底部31と、その長手辺に沿って設けた一対の側部32,32と、短手辺に沿って設けた一対の妻部33,33とを有し、底部31、側部32,32および妻部33,33が一体的に形成された五面一体化構造を有している。
【0011】
底部31はその長手辺に沿って側部32,32が形成され、短手辺に沿って妻部33が形成されており、図2に示すようにその中央の通路部31aの両側に、通路部31aよりも上側に突出した座席部31b,31cが設けられている。その通路部31aには、補強リブ31dを有する中梁が長手方向に沿って二本平行に設けられ、座席部31b,31cには短手方向の補強リブ31e(横梁)が所定間隔で複数本設けられている。また、座席部31b,31cには、それぞれ腰掛52が所定間隔で長手方向に沿って複数個設置できるようになっている(図2は、一階客室50、二階客室51とも腰掛52を一対づつ配置した状態を示している)。
【0012】
側部32,32は上方に向かい互いに漸次拡開して形成され、妻部33,33は側部32と同じ高さで形成されている。
この側部32,32は、底部31の付け根部分から上側端部までの高さhが所定の値に設定されるが、底板体30を重量が軽くて長手方向に変形し難い構造とするには高さhをできるだけ小さい値に設定する方がよい。しかしながら、高さhをある程度の大きさの値に設定しないと底板体30の強度を著しく低下させるおそれもある。そのため、側部32,32の高さhは底板体30の強度を許容範囲内に保持可能な必要最小限の値に設定されている。本実施の形態の場合、高さhは底板体30を用いて一階客室50を設け、その上に二階客室51を設けたときに、側部32,32の上端部が、その一階客室50内に設置される腰掛52の座面52aよりも所定間隔dだけ下側に位置するような値に設定されている。
【0013】
側縦骨44は薄板鋼材のうち、厚板鋼材の30%〜50%の範囲に含まれる厚さを有する鋼材(以下「中厚鋼材」という)を用いた所定の高さ(長さ)および幅を有する板状の部材である。この側縦骨44は厚さが4.5mm以下の鋼板からなっている。また、側縦骨44は、側部32,32の上端部に、隣接するもの同士の間が後述する開口部48となるように所定間隔を設け、その幅方向に平行な側面44aが外側を向くように配置して、溶接等により固定されている。
【0014】
側縦骨44は図7にも示すように、複数個固定されているが、その幅w1、設置本数および配置間隔w2は適宜変更することができる。例えば図8(a)に示すように、幅w1を広げて太くする一方、設置本数は減らし、配置間隔w2を狭めることができる。また、同図(b)に示すように、幅w1を狭めて細くする一方、設置本数は増やし、配置間隔w2を狭めることができる。この側縦骨44の幅w1、設置本数および配置間隔w2は鉄道車両1に要求される強度や、重量等を考慮して適宜設定すればよい。
【0015】
側縦骨44は、板状にして形成すると、その側面を後述する側構体61との接合面にすることができるが、棒状にして形成してもよい(図示せず)。
側梁45,46は、厚さ4.5mmの薄板鋼材(中厚鋼材)を用い断面コの字型に形成した直線上の鋼材(C型チャネル)である。側梁45,46は、いずれも底部31の長手方向の長さよりも適宜長い長さに設定され、それぞれの両端部は後述する前側梁11、後側梁16に溶接等して固定するための接合部45a,46aとなっている。この側梁45,46は側縦骨44に、底部31の長手辺に沿って互いに平行になり、開口面45b,46bが互いに対向し、かつその背面45c,46cが外側を向くように配置して、溶接等により固定されている。また、この側梁45,46と、隣接する側縦骨44および側部32の間に開口部48が複数形成されている。
【0016】
また、側梁45,46は台枠2の前後の台車10,15側部分をそれぞれ構成する前側梁11、後側梁16に、接合可能な構成を有していればよく、そのような構成の接合部45a,46aと、後述する前側梁11、後側梁16とにより、溶接等による側梁接合構造を形成している。鉄道車両1はこの側梁接合構造を設けたことにより、台枠2にかかる荷重を分散させて低床構体20が配設されている。
この側梁接合構造は側梁45(46)と、前側梁11および後側梁16とが、接合部45a(46a)が、前側梁11および後側梁16に下側から接合される上下二段の側梁接合構造になっている。
【0017】
上下二段の側梁接合構造は図9に示すように、接合部45a(46a)を前側梁11および後側梁16の上側に配置したものでもよい。いずれも、各側梁の開口部と背面の向きが同じであるため、図10に示すように双方の側梁45(46)、前側梁11(後側梁16)の背面45c,11cが後述する側構体61の接合面となり、その接合面を広く確保することができる。こうなると側構体61をより確実に接合することができるようになる。特に、後者の側梁接合構造の場合は低床構体20が台枠2によって吊り下げられた状態で支持されて配設される格好になるから、低床構体20がより安定して配設されることとなる。(図10では後側梁16の図示を省略している)。
さらに、側梁接合構造は、接合部45a(46a)を前側梁11および後側梁16の左右いずれかの側に併設して水平に接合する水平の側梁接合構造にしてもよいし、双方の端面同士を突き合わせて接合してもよい。
【0018】
上下または水平いずれの側梁接合構造でも、側梁45,46の長さを延長して(最大で車両全長にわたる長さ)接合部45a(46a)の長さを長く設定し、その分、側梁接合構造に関与する部分を広くとるとよい。こうすれば、低床構体20がより安定して配設され、鉄道車両1の強度を高めることができる。
その他、側梁接合構造を設ける場合、図11に示すように、嵌込み部49a、49bを有する変形S字状の連結金具49,49を用いてもよい。この場合は、連結金具49の両側から、側梁45(46)と、前側梁11(後側梁16)を嵌込んで各側梁を段違い状に組み合わせて接合することができる。
【0019】
そして、低床構体20は図7に示すように、二本の側梁45,46の接合部45a,46aが、台枠2の前側梁11、後側梁16に、溶接、ボルト止め等により接合され、上述の側梁接合構造を設けることによって配設されている(図7では後側梁16の図示を省略している)。さらに、妻部33と、側梁45,46との間をふさぐため、薄板鋼材からなる妻板34を妻部33に接合一体化している。また、側外板60を含む側構体61が、台枠2および低床構体20に対して溶接(例えば、インダイレクトスポット溶接)により接合一体化され、これによって鉄道車両1が構成されている(図7の斜線部分が側外板60を示している)。
【0020】
この側外板60は車体の外板として一般的に用いられる薄板鋼材(厚さ約1.2から1.6mm)からなるもので、低床構体20の側部32の上側部分よりも上側(ドア開口部、窓部を除く)部分をカバーし、開口部48をふさぐようにして接合されている。この場合、側構体61は低床構体20に対しては、少なくとも、側梁45,46の背面45c,46cと、側部32に対し溶接等して接合され、好ましくは各側縦骨44の側面44aにも溶接等して接合されている。
【0021】
ところで、従来の鉄道車両の構体構造は、図13、図14に示すように、前後の台車10,15の間に函体100を配設した構成を有するが、その函体100は床板部101、側板部102及び妻部103の全体が厚板鋼板で一体的に形成され、側板部102及び妻部103の高さが高くなっている(側板部102の上端部は腰掛152の座面152aよりも高い位置に設定されている)。そのため、函体100は全体的に重量が重く、変形もしやすい欠点を持っている。しかも、厚板鋼板で一体的に形成して、強度を保つようになっているからこれ以外の構成を採用することが難しく、設計自由度が低い。
【0022】
これに対して、本発明による鉄道車両1は上述のように、低床構体20を配設して構成されている。その低床構体20は、厚板鋼材からなる底板体30に所定間隔で配設された側縦骨44を介して側梁45,46を固定し、その側梁45,46と、前側梁11、後側梁16とによって側梁接合構造を構成している。この低床構体20は最下部の底板体30のみが厚板鋼材からなり、その他は薄板鋼材からなるので、重量の大半が底板体30の近傍に位置し、重心の位置が低い。また、底板体30のみが厚板鋼材で形成されているから、全体を厚板鋼材で形成した従来の函体100に比べて重量が軽い。そのため、これを配設した鉄道車両1は軽くて重心が低いから、従来の函体100とほぼ同等の曲線通過速度を保持しつつ軽量化を実現することができる。
【0023】
しかも、側部32,32に所定間隔を持たせて側縦骨44を複数本固定し、各側縦骨44に側梁45,46を固定したことにより、複数の開口部48が形成されているから、さらに重量が軽く(従来の函体100に比べて、10〜15%程度軽量化可能)なっている。
このように、軽量化されたことによって、本発明では次のような効果も得られる。
一般に、鉄道車両は車両重量の左右のバランスを確保することが重要視されている。しかしながら、搭載される機器類の配置の関係で、車両重量の左右のバランスがうまく確保されない場合がある。そのような場合はバランス確保のため、おもりとなる部材を搭載し、それを補正重量(カウンターウェイト)としているが、特に二階建鉄道車両の場合は元々の重量が重くなっているため、そのような補正重量を搭載できない場合もある。しかし、本願発明では鉄道車両を軽量化できるので、その軽量化された重量を補正重量の搭載にまわすことも可能である。また、別の電気機器や車内設備等の搭載にまわすことも可能である。
【0024】
低床構体20は、底板体30に側縦骨44を介して2本の側梁45,46を固定して構成されており、その側縦骨44の配置位置や本数等を適宜変更することができるので、その分、設計自由度の高い構成になっている。
また、従来の鉄道車両のように、函体100を台枠に接合する構造では、車両側面の下側部分に開口部を設けることはできないが、低床構体20のように、側梁45,46を側縦骨44に接合する構造の場合は、一階客室50の部分に開口部48を設けることができる。そのため、低床構体20を前後の台車10,15の間に配設して鉄道車両1とするにあたり、側外板60を溶接して固定する前において、開口部48を内部の機器類のための作業口および点検口や、機器類を搬出入する際の通路として活用することができ、鉄道車両1を製造および点検する際の利便性を向上させることができる。
【0025】
さらに、鉄道車両1は台枠2を前後の台車側部分と、底板体30とに分けてそれぞれをブロック単位に(個別に)製造し、それらを組み立てて製造することもできるからそれぞれを精度良く製造でき、組み立て作業における調整作業を軽減することができる。
従来の函体100を台枠に接合する構造では、溶接により接合する場合はもっぱら栓溶接による手作業主体の溶接に頼らざるを得ないが、鉄道車両1では、側構体61との接合をインダイレクトスポット溶接等による機械作業主体の溶接により接合することができる。これにより、組み立て作業の機械化が可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0026】
また、上述した鉄道車両1は、低床構体20の配設により確保される床下の空間を客室とせずに、システム機器等の保護の必要な電気機器一般の収納スペースとすることもできる。この場合、その空間は、低床構体20および側外板60により囲まれているため、電気機器を安全に収納する上で有意義である。
上述した鉄道車両1は、妻板34を妻部33に接合一体化したものを例にとって説明している。しかし、鉄道車両1は、図12に示すように、妻板34の代わりに着脱自在な妻板35を設け、この妻板35をボルトbにより、妻部33に着脱自在にしてもよい。こうすると、必要に応じて妻板35を妻部33から取り外すことができるから、低床構体20の配設後において、機器搬入や調整および点検等何らかの作業をするのに好都合である。
【0027】
なお、上述した実施の形態では、本発明を二階建鉄道車両に適用した場合を例にとって説明したが、二階建てではない通常の鉄道車両においても、本発明により、床面を低くして天井を高く、車内を広くすることができ、しかも、車両重量の軽い低重心構造の鉄道車両が得られる。通常の鉄道車両で天井を高くしようとすると、車両高を上げ上方の空間を広げることになるため重心位置が高くなるおそれがあるが、本発明ではそのような不都合を生じることがない。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、鉄道車両、特に二階建鉄道車両の重量を軽量化して重心を低くすることができ、設計自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る鉄道車両の低床構体を有する鉄道車両の側面図である。
【図2】実施の形態に係る鉄道車両の低床構体を有する鉄道車両の断面図である。
【図3】実施の形態に係る鉄道車両の低床構体を有する鉄道車両の斜め後方からみた一部省略した斜視図である。
【図4】実施の形態に係る鉄道車両の低床構体を有する鉄道車両の斜め前方上側からみた斜視図である。
【図5】実施の形態に係る鉄道車両の低床構体を有する鉄道車両の斜め前方下側からみた斜視図である。
【図6】実施の形態に係る低床構体の斜視図である。
【図7】実施の形態に係る鉄道車両の一部省略した側面図である。
【図8】別の低床構体の側面図で、(a)は幅が広い側縦骨を設けた場合、(b)は幅が狭い側縦骨を設けた場合である。
【図9】実施の形態に係る図7とは別の鉄道車両の一部省略した側面図である。
【図10】上下二段の側梁接合構造を構成する側梁および前側梁を示す一部省略した斜視図である。
【図11】別の側梁接合構造を構成する台枠、側梁および連結金具を示す分解斜視図である。
【図12】着脱自在な妻板を設けた妻部と底部の一部を示す断面図である。
【図13】従来の鉄道車両の構体構造を有する鉄道車両の側面図である。
【図14】同じく、断面図である。
【符号の説明】
1…鉄道車両、2…台枠、10、15…台車
11…前側梁、16…後側梁、20…低床構体
30…底板体、31…底部、32…側部
33…妻部、34…妻外板、44…側縦骨
45、46…側梁、48…開口部
45b,46b…開口面、50…一階客室、
51…二階客室、52…腰掛、52a…座面
60…側外板、61…側構体
Claims (8)
- 前後の台車間に配設される鉄道車両の低床構体であって、
底部の各辺に一対の側部および妻部を設けた厚板鋼材製の底板体と、
前記底板体の各側部に所定間隔をとって固定された薄板鋼材製の複数の側縦骨と、
前記底部の長手辺に沿って前記各側縦骨に固定され、かつ台枠の前記各台車側部分に接合可能な薄板鋼材製の二本の側梁とを有し、
該各側梁および各側部に、側構体がそれぞれ接合可能に構成されていることを特徴とする鉄道車両の低床構体。 - 前記底板体を構成する厚板鋼材が厚さ9mmに設定されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の低床構体。
- 前記各側梁が断面コの字型の鋼材からなり、かつその開口面が互いに対向していることを特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両の低床構体。
- 前後の台車間に鉄道車両の低床構体を配設して車体床面を落し込んだ構造を有する鉄道車両の構体構造であって、
前記鉄道車両の低床構体が、底部の各辺に一対の側部および妻部を設けた厚板鋼材製の底板体と、
前記底板体の各側部に所定間隔をとって固定された薄板鋼材製の複数の側縦骨と、
前記底部の長手辺に沿って前記各側縦骨に固定され、かつ台枠の前記各台車側部分を構成する前側梁および後側梁に接合可能な薄板鋼材製の二本の側梁とを有して構成され、
前記各側梁を、前記前側梁および後側梁に接合して側梁接合構造を設けたことを特徴とする鉄道車両の構体構造。 - 前記底板体を構成する厚板鋼材が厚さ9mmに設定されていることを特徴とする請求項4記載の鉄道車両の構体構造。
- 前記鉄道車両の低床構体の各側梁が断面コの字型の鋼材からなり、かつその開口面が互いに対向していることを特徴とする請求項4または5記載の鉄道車両の構体構造。
- 前記各側梁を、前記前側梁および後側梁の上側または下側に配置して、前記側梁接合構造を設けたことを特徴とする請求項6記載の鉄道車両の構体構造。
- 前記底板体の各側部は、前記底部の付け根部分から上端部分までの高さを、該上端部分が、前記鉄道車両の低床構体に設けられる一階客室内の腰掛の座面よりも下側に位置するようにして設定していることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項記載の鉄道車両の構体構造。
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