JP2004268448A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型でかつ簡易な構成で、安定してインクを吐出することができるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】キャリッジ3aに搭載される記録ヘッドユニット3が加減速移動するときには、記録ヘッドユニットの内部の弁可動室3dに設けられた可動弁12が、チューブ5aと下流インク流路3eとの連通を遮断する位置に移動し、チューブ5a内のインクに発生する動圧が記録ヘッド13に伝播するのを遮断する。一方、等速移動または停止するときには、可動弁12の連通孔12aによってチューブ5aと下流インク流路3eとが連通され、記録ヘッド13へインクを一定圧で供給する。よって、インク供給圧を一定に保ち、安定してインクを吐出することができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、特に、小型でかつ簡易な構成で、安定してインクを吐出することができるインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録ヘッドに備えられたインク吐出口からインクを吐出して記録動作を行うインクジェット記録装置に関しては、インクを蓄えるインクタンクから、インク供給管(インクチューブ)を介して、記録ヘッドにインクを供給するチューブ供給形式を採用したものが知られている。
【0003】
このチューブ供給形式のインクジェット記録装置は、記録ヘッドを備えた記録ヘッドユニットを搭載したキャリッジが、ガイドロッドに沿って往復移動しながら記録が行われる。この際、キャリッジが方向転換するのに伴って加減速移動することによって記録ヘッドユニットに連結されているインクチューブ内のインクに慣性力が作用し、インクに圧力変動が生じてしまう。このような圧力変動は、インク吐出口からのインクの吐出性に悪影響を与え、例えば、インク吐出量の変動やインク滴の形成状態の変化等の原因となり、記録画質に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0004】
この問題を解決すべく、特公昭63−49625号公報には、記録ヘッドの移動方向両側に2本のインクチューブを延すことによって、インクの慣性力を左右で相殺するようにしたものにおいて、さらに、その2本のチューブが相互に接続する部分を断面積が小となる細管とし、その細管からT字状に分岐した枝管を記録ヘッドに接続することで、枝管すなわち記録ヘッドでの圧力変動をさらに減少させる技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭63−49625号公報(第3列21行目〜第7列14行目等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクの圧力変動の影響を減少させ、記録画質を良好な状態に保持すべく、特公昭63−49625号公報に記載されているような構成をインクジェット記録装置に適用する場合には、キャリッジの移動方向両側にインクチューブを配置する必要があるため、インクジェット記録装置が大型になってしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、小型でかつ簡易な構成で、安定してインクを吐出することができるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のインクジェット記録装置は、インク吐出口からインクを吐出して記録媒体に対して記録を行う記録ヘッドユニットと、その記録ヘッドユニットを搭載して往復移動するキャリッジと、そのキャリッジ外に設けられ前記記録ヘッドユニットへ供給するインクを蓄えるインクタンクと、そのインクタンクから前記記録ヘッドユニットへインクを供給する可撓性のあるインク供給部材とを備え、前記記録ヘッドユニットの内部には、前記インク供給部材から供給されるインクを前記インク吐出口に供給するインク流路が形成されており、前記キャリッジ上にその移動方向に移動可能に配置され、前記インク供給部材と前記インク流路とを連通させる連通孔が穿設された弁体を備え、前記弁体は、前記キャリッジの加減速移動時には、前記インク供給部材から前記インク吐出口へのインクの供給を制限する位置に、前記キャリッジの等速移動または停止時には、前記インク供給部材と前記インク流路とが前記連通孔を介して連通する所定位置にそれぞれ移動する。
【0009】
請求項1記載のインクジェット記録装置によれば、インクは、キャリッジ外に設けられたインクタンクから可撓性のあるインク供給部材を介して、記録ヘッドユニット内部のインク流路に供給される。インク流路に供給されたインクはインク吐出口から記録媒体に対して吐出される。ここで、キャリッジ上には、その移動方向に移動可能に配置され、且つ、インク供給部材とインク流路とを連通させる連通孔が穿設された弁体が配置されている。キャリッジの等速移動または停止時には、インク供給部材とインク流路とが弁体の連通孔を介して連通し、インクは、圧力変動のない状態で連通孔を介して、流通可能な状態になる。キャリッジの加減速移動時には、インク供給部材からインク吐出口へのインクの供給を制限する位置に弁体が移動し、インク供給部材内のインクに慣性力が作用しても記録ヘッドユニット内のインク流路では圧力変動が抑えられる。
【0010】
請求項2に記載のインクジェット記録装置は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記弁体は、付勢手段により、前記等速移動時または停止時に前記連通孔が前記インク流路と対向するように付勢されている。
【0011】
請求項3に記載のインクジェット記録装置は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記付勢手段は、前記弁体を前記キャリッジの移動方向と略平行に付勢する弾性体で構成されている。
【0012】
請求項4に記載のインクジェット記録装置は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記付勢手段は、前記弁体の自重によって前記弁体を前記所定位置に移動させるものである。
【0013】
請求項5に記載のインクジェット記録装置は、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドユニットの内部には前記インク流路の一端に連通すると共に前記キャリッジの移動方向に延びる拡張空間が形成されており、前記弁体は、前記拡張空間に移動可能に収容されている。
【0014】
請求項6に記載のインクジェット記録装置は、請求項5に記載のインクジェット記録装置において、前記拡張空間には、前記キャリッジの移動方向に前記キャリッジの等速移動または停止時に前記弁体を挟む2つの空間が形成されており、前記弁体には、前記2つの空間を連通するインク逃がし流路が形成されている。
【0015】
請求項7に記載のインクジェット記録装置は、請求項5または6に記載のインクジェット記録装置において、前記弁体は、インクの比重と略同等になるように構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるインクジェット記録装置1の展開正面図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置1は、略箱状体に難燃性のプラスチックで形成された記録装置本体2と、その上部に着脱可能に装着された記録ヘッドユニット3と、インクタンク4a〜4dと、記録ヘッドユニット3とインクタンク4a〜4dとを連通させるインクチューブ5a〜5dと、ガイドロッド7とを備えている。
【0017】
記録ヘッドユニット3は、インクを吐出して記録媒体に対し記録を行う複数個の記録ヘッドを搭載するものである。この各記録ヘッドは、記録装置本体2の下部に設けられたインクを貯溜するインクタンク4a〜4dとインクチューブ5a〜5dを介してそれぞれ連通されており、かかるインクタンク4a〜4dからインクチューブ5a〜5dを介してインクの供給を受けている。この記録ヘッドユニット3はキャリッジ3aに搭載されている。キャリッジ3aはガイドロッド7に記録媒体の搬送方向と直交する方向(A)に移動可能に支持されている。これにより、キャリッジ3aは、公知のようにモータ駆動されるベルトによってガイドロッド7に平行方向、即ち、記録装置本体2の長手方向(A)へ往復移動することができる。
【0018】
インクタンク4は、各記録ヘッドに供給するインクを貯溜しておくためのものであり、記録媒体の搬送経路の下方に配設されている。インクタンク4は、キャリッジ3aの移動方向に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが密封されている4つのインクタンク4a〜4dで構成されており、各インクタンク4a〜4dには、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各インクを各記録ヘッドに供給するためのインクチューブ5a〜5dの一端がそれぞれ取り付けられている。各インクチューブ5a〜5dの他端は、上記した各記録ヘッドに連通しており、各インクタンク4a〜4d内に充填されているインクは、各記録ヘッドにそれぞれ供給され、各記録ヘッドのインク吐出口(図示せず)から吐出される。これにより、記録媒体にフルカラー記録が可能となる。
【0019】
図2は、記録ヘッドユニット3の内部構成を示す図であり、図2(a)は、図1の断面線II−IIにおける断面図であり、図2(b)は、図2(a)の断面線IIb−IIbにおける断面図である。図2に示すように、記録ヘッドユニット3は、記録媒体と対向する下面に4個の記録ヘッド13(1個のみ図示)を並列して備える。各記録ヘッド13は、公知の構成と同様に複数の圧力室(図示せず)とそれに対応して下面に開口した複数のインク吐出口(図示せず)を有し、圧電素子、発熱抵抗素子などの圧力発生手段の駆動によりインク吐出口から下向きにインクを吐出する。
【0020】
記録ヘッドユニット3は内部に、各記録ヘッド13に対応して、上流インク流路3c、弁可動室3d、下流インク流路3eが、その順にインクを流すように連続して形成され、上流インク流路3cに連通する連結管3bが、対応するインク色のインクチューブ(5a〜5dの1つ、以下代表して5aを用いる)と連結される。記録ヘッドユニット3は、上流インク流路3cが貫通形成された上部部材31と、下流インク流路3eが上下に貫通形成された下部部材32とを接合して構成される。可動弁室3dは、下部部材32の上面に。キャリッジ3aの移動方向と平行な面において上流インク流路3c及び下流インク流路3eよりも大きい幅、長さを有し、かつその方向に延びるように形成されている。
【0021】
弁可動室3dには、可動弁12がキャリッジ3aの移動方向と平行な方向に移動可能に収容されている。可動弁12は、上流インク流路3c及び下流インク流路3eにほぼ対応する大きさの連通孔12aを上下に貫通して有し、その連通孔12aのキャリッジ3aの移動方向と平行な方向の両側にそれぞれ上流インク流路3c及び下流インク流路3eを閉塞する壁面を有する。可動弁12を構成する部材には、インクの比重と略同等またはインクの比重よりも小さい部材が用いられている。
【0022】
可動弁12のキャリッジ移動方向両端面12b,12cとそれに対向する弁可動室3dの両壁面3d1,3d1との間には、圧縮バネ11,11が介挿されている。圧縮バネ11,11は、可動弁12を、常には連通孔12aが上下両流インク流路3c,3eと対向するように付勢するものである。
【0023】
よって、記録ヘッドユニット3が等速移動または停止している状態では、連通孔12aを介して上流インク流路3cと下流インク流路3eとが連通される。一方、記録ヘッドユニット3が等速移動または停止している状態から加減速移動を開始すると、その移動方向(ZまたはO方向)とは反対方向に可動弁12が慣性力により相対移動し、上流インク流路3cと下流インク流路3eとに可動弁12の壁面が対向して両者の連通は遮断される。
【0024】
次に、図3を参照して、記録ヘッドユニット3の移動パターンについて説明する。図3は、記録ヘッドユニット3の移動パターンを模式的に示した図であり、記録ヘッドユニット3は、a〜e間を往復移動しながら記録を行うものとする。なお、図3においては、インクジェット記録装置1の構成部品のうち、記録ヘッドユニット3、インクチューブ5a〜5d、インクタンク4a〜4dのみを示して、その他の構成部品を省略して示している。
【0025】
まず、記録ヘッドユニット3が停止している場合(図3のaの位置)には、図4(a)に示すように、可動弁12は、連通孔12aが上下両流インク流路3c,3eと対向するように圧縮バネ11,11によって付勢されている。
【0026】
次に、記録ヘッドユニット3がZ方向に加速移動している場合(図3のa〜b間)には、図4(b)に示すように、可動弁12は、慣性力により、図4(a)に示す位置から上流インク流路3cと下流インク流路3eとの連通を遮断するようにO方向に弁可動室3dに対し相対移動する。一方、同時に、記録ヘッドユニット3がZ方向に加速移動することによって、インクチューブ5a内のインクにもZ方向と反対方向(O方向)の慣性力が働き、インクチューブ5a内のインクにO方向の動圧が発生する。しかし、可動弁12によって上流インク流路3cと下流インク流路3eとは遮断されているので、この動圧は、下流インク流路3eに伝播されることがなく、記録ヘッド13内の圧力変動が抑えられる。
【0027】
次に、記録ヘッドユニット3が等速移動している場合(図3のb〜d間)には、可動弁12は、再び図4(a)に示す状態になる。即ち、記録ヘッドユニット3が等速移動している場合には、記録ヘッドユニット3に加速度が加わることはなく、可動弁12は、圧縮バネ11,11の弾性力によって、図4(b)に示す位置から、上流インク流路3cと下流インク流路3eとを連通孔12aを介して連通させる位置に移動する。よって、インクタンク4aから供給されるインクは、圧力変動を生じることが少なく記録ヘッド13に供給される。
【0028】
次に、記録ヘッドユニット3がZ方向に減速移動をしている場合(図3のd〜e間)には、図4(c)に示すように、可動弁12は、慣性力により、図4(a)に示す位置から上流インク流路3cと下流インク流路3eとの連通を遮断するようにZ方向に相対移動する。同時に、インクチューブ5a内のインクにもZ方向の慣性力が働き、インクチューブ5a内のインクにZ方向の動圧が発生するが、動圧は、可動弁12によって下流インク流路3eに伝播されることがなく、記録ヘッド13内の圧力変動が抑えられる。
【0029】
次に、記録ヘッドユニット3が停止する場合(図3のeの位置)には、図4(a)に示すように、可動弁12は、圧縮バネ11,11の弾性力によって、図4(c)に示す位置から、上流インク流路3cと下流インク流路3eとを連通孔12aを介して連通させる位置に移動し、その位置で停止する。記録ヘッドユニット3がeの位置からaの位置に移動するときも、上記と同様に可動弁12は動作する。
【0030】
このように、記録ユニットヘッド3が加減速移動する場合には、上流インク流路3cと下流インク流路3eとの連通が可動弁12によって遮断され、発生する動圧が記録ヘッド13に伝播するのを防止することができる。従って、記録ヘッド13のインク供給圧を一定に保ち、安定した吐出を行うことができる。
【0031】
次に、図5から図9を参照して、上述した実施例の変形例について説明する。以下、第1実施例と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0032】
まず、図5を参照して、可動弁12の第2実施例を説明する。図5は、図2(a)の断面線IIb−IIbにおける断面図に相当する図である。第2実施例の可動弁52は、上述した第1実施例の可動弁12を略円形状の平板で構成し、圧縮バネ11,11の代わりに板バネ51,51を用いたものである。このようにした場合にも第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0033】
次に、図6を参照して、可動弁12の第3実施例を説明する。図6(a)は、図2(a)の断面線IIb−IIbにおける断面図に相当する図であり、図6(b)は、図6(a)の断面線VIb−VIbにおける可動弁12の断面図である。第3実施例の可動弁12は、可動弁12の外面にインク逃がし溝63,64を凹設したものである。この溝63,64は、弁可動室3d内の記録ヘッドユニット3の移動方向両端の空間、即ち、可動弁12を挟む空間66aと空間66bとを相互に連通させている。よって、可動弁12が移動する側の空間に溜まっているインクを可動弁12の移動方向とは反対側の空間に流出させ、可動弁12を円滑に移動させることができる。
【0034】
また、上述したインク逃がし溝63,64のに代えて、図7に示すような第4実施例の可動弁12に貫通孔72,72を穿設するようにしても良い。
【0035】
次に、図8を参照して可動弁12の第5実施例を説明する。図8(a)は、図2(a)の断面線IIb−IIbにおける断面図に相当する図であり、図8(b)は、図8(a)の断面線VIIIb−VIIIbにおける可動弁12の断面図である。この実施例では、可動弁12を構成する部材として、インクの比重よりも重い部材を用い、可動弁12を中空に加工し、可動弁12の比重がインクの比重と略同等かインクの比重より軽くなるようにしている。
【0036】
次に、図9を参照して第6実施例について説明する。図9の各図は、図2(a)の断面線IIb−IIbにおける断面図に相当する図であって、(a)は図3のaの位置,eの位置及びb〜d間における可動弁91の状態を示した図であり、(b)は図3のa〜b間における可動弁91の状態を示した図であり、(c)は図3のd〜e間における可動弁91の状態を示した図である。
【0037】
この第6実施例では、可動弁91の自重によって可動弁91を移動させる。弁可動室92は、中央から記録ヘッドユニット3の移動方向(O,Z方向)両側にそれぞれ重力方向Bに対して上る傾斜面92a,92bとで底面が形成されている。一方、可動弁91の底面には、弁可動室92の傾斜面92a,92bに沿うように傾斜面91a,91bが形成されている。また、可動弁91の連通孔12aは、弁可動室92の2つの傾斜面92a,92bの交線と、可動弁91の2つの傾斜面92a,92bの交線とが対向している場合に、上流インク流路3cと下流インク流路3eとを連通させる位置に穿設されている。
【0038】
次に、図9(a)から(c)を参照して、上述のように構成された可動弁91の動作について具体的に説明する。なお、本実施例ではZ方向の移動だけを説明し、O方向に移動に関する説明は省略する。
【0039】
まず、記録ヘッドユニット3が停止している場合(図3のaの位置)には、図9(a)に示すように、可動弁91は、自重によって上流インク流路3cと下流インク流路3eとを連通孔12aを介して連通させる位置に留まる。
【0040】
次に、記録ヘッドユニット3がZ方向に加速移動をしている場合(図3のa〜b間)には、図9(b)に示すように、可動弁91は、記録ヘッドユニット3の加速方向とは反対方向に働く慣性力によって、図9(a)に示す位置から傾斜面92aに沿ってO方向に移動し,インクチューブ5aと下流インク流路3eとの連通を遮断する。
【0041】
次に、記録ヘッドユニット3が等速移動している場合(図3のb〜d間)には、図9(a)に示すように、可動弁91に加えられていた慣性力は解除されるため、可動弁91は、図9(b)に示す位置から自重によって、傾斜面92aに沿って上流インク流路3cと下流インク流路3eとを連通孔12aを介して連通させる位置に移動し、その位置で留まる。
【0042】
次に、記録ヘッドユニット3が、Z方向に減速移動している場合(図3のd〜e間)には、図9(c)に示すように、可動弁91は、記録ヘッドユニット3の減速方向に働く慣性力によって、図9(a)に示す位置から傾斜面92bに沿ってZ方向に移動し、上流インク流路3cと下流インク流路3eとの連通を遮断する。
【0043】
次に、eの位置で停止する場合(図3のeの位置)には、図9(a)に示すように、可動弁91に加えられていた慣性力は解除されるため、可動弁91は、図9(c)に示す位置から自重によって、傾斜面92bに沿って上流インク流路3cと下流インク流路3eとを連通孔12aを介して連通させる位置に移動し、その位置で留まる。
【0044】
このように、付勢手段の圧縮バネ11,11に代えて、可動弁91と弁可動室92とを上述したように構成しても、第1実施例の場合と同様の効果を奏することができると共に、部品点数の減少によりインクジェット記録装置1の製造コストを削減することができる。
【0045】
以上、上記実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0046】
例えば、各実施例において。記録ヘッドユニット3の加減速移動時に、可動弁が、上下両インク流路3c,3dを完全に遮断するだけでなく、流路面積を小さくして流路を少なくするように構成することもできる。
【0047】
また、第1から第5実施例では、可動弁12を記録ヘッドユニット3の内部に設ける場合について説明したが、可動弁12を配置する場所は、キャリッジ3a上であれば、記録ヘッドユニット3の外部であっても良い。
【0048】
更に、第1から第5実施例では、可動弁12を付勢する手段として圧縮バネ11,11を使用する場合について説明したが、可動弁12を付勢する手段としては弾性体であれば、ゴム等であっても良い。
【0049】
また、第3実施例ではインク逃がし溝63,64、第4実施例では貫通孔72,72を可動弁12に設ける場合について説明したが、必ずしも可動弁12に設ける必要はなく、例えば、弁可動室3dの壁面に可動弁12を挟む2つの空間62a,62bを連通させるような溝や孔を設けるようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載のインクジェット記録装置によれば、弁体は、キャリッジの等速移動または停止時には、インク供給部材とインク流路とが連通孔を介して連通する所定位置に移動する。よって、インク供給部材のインクは圧力変動が少なく連通孔を介して流通可能な状態になる。一方、キャリッジの加減速移動時には、弁体は、インク供給部材からのインクの供給を制限する位置に移動する。よって、インク供給部材内のインクに発生する動圧は弁体によってインク吐出口側へ伝播するのを制限することができる。その結果、記録時にインク供給圧を一定にして、安定してインクを吐出することができるという効果がある。
【0051】
請求項2に記載のインクジェット記録装置は、請求項1に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、弁体は、付勢手段により、等速移動時または停止時に連通孔がインク流路と対向するように付勢されている。このため、キャリッジが等速移動または停止時に、弁体は、付勢手段によって、インク供給部材とインク流路とが連通孔を介して連通する位置に維持される。よって、キャリッジが等速移動または停止時に、確実にインクを供給可能な状態にすることができるという効果がある。
【0052】
請求項3に記載のインクジェット記録装置は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、付勢手段は、弁体をキャリッジの移動方向と略平行に付勢する弾性体で構成されている。キャリッジが加減速移動している状態から等速移動または停止するに伴って、連通孔がインク流路と対向する位置に弾性体によって弁体を移動させ、その位置に弁体を維持しておくことができる。よって、簡易な構造で弁体を付勢することができる。
【0053】
請求項4に記載のインクジェット記録装置は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、付勢手段は、弁体の自重によって弁体を所定位置に移動させるものである。よって、弁体を所定位置に移動させるための部材を使用せずに移動させることができるので、安価な構造で弁体を付勢することができるという効果がある。
【0054】
請求項5に記載のインクジェット記録装置は、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、拡張空間が記録ヘッドユニットの内部に形成され、その拡張空間に可動弁が収容されているので、可動弁を支持するために新たな部材を用意する必要はなく、低コストで構成することができる。また、可動弁をインク吐出口に近い位置に配置できるので、インク吐出口付近での圧力変動をより確実に抑えることができるという効果がある。
【0055】
請求項6に記載のインクジェット記録装置は、請求項5に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、弁体には、キャリッジの移動方向にキャリッジの等速移動または停止時に弁体を挟む2つの空間を連通するインク逃がし流路が形成されている。よって、弁体が移動する場合に、その移動方向側の空間に溜まっているインクを、インク逃がし流路によって、反対方向側の空間にインクを流すことができる。従って、弁体の移動を適切に行わせることができるという効果がある。
【0056】
請求項7に記載のインクジェット記録装置は、請求項5または6に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、弁体は、インクの比重と略同等になるように構成されている。よって、弁体が拡張空間に溜まったインクと共に移動するのを容易にでき、記録ヘッドユニットの動きに速やかに応動してインクの吐出状態を安定に維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるインクジェット記録装置の展開正面図である。
【図2】(a)は、図1のII−II断面線における記録ヘッドユニットの断面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面線における記録ヘッドユニットの断面図である。
【図3】記録ヘッドユニット及びインクチューブの移動パターンを示した図である。
【図4】記録ヘッドユニット内の可動弁の動作状態を示した図である。
【図5】第2実施例の記録ヘッドユニットの断面図である。
【図6】(a)は、第3実施例の記録ヘッドユニットの断面図であり、(b)は、(a)のVIb−VIb断面線における可動弁の断面図である。
【図7】(a)は、第4実施例の記録ヘッドユニットの断面図であり、(b)は、(a)のVIIb−VIIb断面線における可動弁の断面図である。
【図8】(a)は、第5実施例の記録ヘッドユニットの断面図であり、(b)は、(a)のVIIIb−VIIIb断面線における可動弁の断面図である。
【図9】第6実施例の記録ヘッドユニット内の可動弁の動作状態を示した図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
3 記録ヘッドユニット
3a キャリッジ
3c 上流インク流路(インク流路の一部)
3d,92 弁可動室(拡張空間)
3e 下流インク流路(インク流路の一部)
4a〜4d インクタンク
5a〜5d インクチューブ(インク供給部材)
11 圧縮バネ(付勢手段)
12,52,91 可動弁(弁体)
12a 連通孔
13 記録ヘッド
31 上部部材(記録ヘッドユニットの一部)
32 下部部材(記録ヘッドユニットの一部)
51 板バネ(付勢手段)
63,64 インク逃がし溝(インク逃がし流路)
72 貫通孔(インク逃がし流路)
92a,92b 傾斜面(付勢手段)

Claims (7)

  1. インク吐出口からインクを吐出して記録媒体に対して記録を行う記録ヘッドユニットと、その記録ヘッドユニットを搭載して往復移動するキャリッジと、そのキャリッジ外に設けられ前記記録ヘッドユニットへ供給するインクを蓄えるインクタンクと、そのインクタンクから前記記録ヘッドユニットへインクを供給する可撓性のあるインク供給部材とを備えたインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドユニットの内部には、前記インク供給部材から供給されるインクを前記インク吐出口に供給するインク流路が形成されており、
    前記キャリッジ上にその移動方向に移動可能に配置され、前記インク供給部材と前記インク流路とを連通させる連通孔が穿設された弁体を備え、
    前記弁体は、前記キャリッジの加減速移動時には、前記インク供給部材から前記インク吐出口へのインクの供給を制限する位置に、前記キャリッジの等速移動または停止時には、前記インク供給部材と前記インク流路とが前記連通孔を介して連通する所定位置にそれぞれ移動することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記弁体は、付勢手段により、前記等速移動時または停止時に前記連通孔が前記インク流路と対向するように付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記付勢手段は、前記弁体を前記キャリッジの移動方向と略平行に付勢する弾性体で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記付勢手段は、前記弁体の自重によって前記弁体を前記所定位置に移動させるものであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドユニットの内部には前記インク流路の一端に連通すると共に前記キャリッジの移動方向に延びる拡張空間が形成されており、
    前記弁体は、前記拡張空間に移動可能に収容されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記拡張空間には、前記キャリッジの移動方向に前記キャリッジの等速移動または停止時に前記弁体を挟む2つの空間が形成されており、
    前記弁体には、前記2つの空間を連通するインク逃がし流路が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記弁体は、インクの比重と略同等になるように構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録装置。
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JP2015178212A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP2015193213A (ja) * 2014-03-28 2015-11-05 セイコーエプソン株式会社 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出ヘッドの制御方法

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