JP2004268428A - そり影響領域分析方法およびその装置ならびにプログラムおよびその記憶媒体ならびに射出成形品の製造方法 - Google Patents

そり影響領域分析方法およびその装置ならびにプログラムおよびその記憶媒体ならびに射出成形品の製造方法 Download PDF

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Akihito Okawa
彰人 大川
Akira Nakano
亮 中野
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Abstract

【課題】そりに対して影響の大きい製品領域を短時間で容易に特定するそり影響領域分析方法を提供する。
【解決手段】コンピュータを用いて射出成形品のそり影響領域を分析するに際し形状モデルを少なくとも2つ以上の領域に区分し、そのうち所望する領域の属性パラメータの第1および第2の値をを用いてそれぞれ射出成形解析を行いそれぞれそり量を算出し、それぞれの場合におけるそり量の差異から前記所望する領域のそり量に対する感度を求める。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、そり影響領域分析方法、そり影響領域分析装置ならびにプログラムおよびその記憶媒体ならびに射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品の製造時に発生するそりは製品の寸法精度を著しく低下させる。そりを低減するにはコンピュータによる解析を用いて製品製造前にそり状態を把握して、事前に対策を行うことが有効である。この場合、市販の射出成形シミュレーションソフト(例えば東レ株式会社製 TIMON)を用いて、そり解析を行うことにより、リブの追加などの形状変更や、ゲート位置、射出速度などの成形条件の変更、材料の変更を検討する方法が行われてきた。
【0003】
かかる射出成形シミュレーションの手法については、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、本発明の好ましい実施形態において用いられる実験計画法の手法については、たとえば、非特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2998596号公報
【0006】
【非特許文献1】
「実験計画法」田口玄一ら著、日本規格協会発行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンピュータによるそり解析によって製品のそり状態を予測できても、そり低減に有効な形状変更などの対策を製品のどの領域に行えば有効であるかという判断は、技術者の勘と経験に頼っているのが実状であった。
【0008】
本発明の目的は、そりに対して影響の大きい製品領域を熟練技術者でなくても短時間で容易に特定可能とするためのそり影響領域分析方法および装置ならびにプログラムおよび記憶媒体ならびにこれを利用した射出成形品の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、コンピュータにより射出成形品のそり影響領域を分析する方法であって、
(1)射出成形解析のための微小な要素の集合体として定義された形状モデルを入力する工程と、
(2)該形状モデルを少なくとも2つ以上の領域に区分する工程と、
(3)前記各領域のうち所望する領域の属性パラメータの第1および第2の値を設定する工程と
(4)第1および第2の値を用いてそれぞれ射出成形解析を行いそれぞれそり量を算出する工程と、
(5)属性パラメータが第1の値である場合と第2の値である場合とにおけるそり量の差異から前記所望する領域のそり量に対する感度を求める工程と、
を有することを特徴とするそり影響領域分析方法が提供される。
【0010】
また、本発明の好ましい形態によれば、
前記属性パラメータの第1の値を設定し、これをもちいて射出成形解析を行ないそり量を算出した後に前記第2の値を設定し、これを用いて射出成形解析を行ないそり量を算出するそり影響領域分析方法が提供される。
【0011】
また、本発明の好ましい形態によれば、コンピュータにより射出成形品のそり影響領域を分析する方法であって、
(1)射出成形解析のための微小な要素の集合体として定義された形状モデルを入力する工程と、
(2)該形状モデルを少なくとも2つ以上の領域に区分する工程と、
(3)前記各領域のうち所望する領域の属性パラメータの値を設定する工程と
(4)前記値を用いて射出成形解析を行いそれぞれそり量を算出する工程と、
(5)前記所望する領域の前記属性パラメータを変更する工程と、
(6)前記変更された属性パラメータに基づいて射出成形解析を行ない、そり量を算出する工程と、
(7)前記属性パラメータの変更の前後におけるそり量の差異から前記所望する領域のそり量に対する感度を求める工程と※
(8)更に詳細なそり量に対する感度情報を得る必要のある再区分領域を判定する工程を有し、該再区分領域が無くなるまで前記(2)〜(7)の各工程を繰り返すことを特徴とするそり影響領域分析方法が提供される。
【0012】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記そり量に対する感度を形状モデル上に表示する工程を有するそり影響領域分析方法が提供される。
【0013】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記射出成形解析によりそり量を算出する工程の前に、前記属性パラメータを設定または変更する領域の組み合わせを、実験計画法に基づいて決定する工程を有するそり影響領域分析方法が提供される。
【0014】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記属性パラメータ変更前後のそり量の変化から所望する領域のそり量に対する感度を求める工程において主効果から感度を算出するそり影響領域分析方法が提供される。
【0015】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記属性パラメータは、形状、材料物性および金型温度から選ばれた1つ以上であることを特徴とするそり影響領域分析方法が提供される。
【0016】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記材料物性が少なくとも弾性率、ポアソン比、線膨張係数、密度から選ばれた1つ以上のデータを含むことを特徴とするそり影響領域分析方法が提供される。
【0017】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記射出成形解析を行いそり量を算出する工程の前に、そり量の目標値を設定する工程を有し、該目標値を達成するまで、属性パラメータを変更する工程と、再度射出成形解析を行いそり量を算出する工程とをくり返すそり影響領域分析方法が提供される。
【0018】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記属性パラメータを変更する工程において、数値最適化手法を用いるそり影響領域分析方法が提供される。
【0019】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記射出成形解析によりそり量を算出する工程の前に、属性パラメータの変化の許容範囲を設定する工程および属性パラメータを設定された変化の許容範囲内で変更する工程をさらに有するそり影響領域分析方法が提供される。
【0020】
また、本発明の好ましい形態によれば、そり影響領域分析方法の各ステップを実行する手段を備えた射出成形品のそり影響領域分析装置が提供される。
【0021】
また、本発明の好ましい形態によれば、各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0022】
また、本発明の好ましい形態によれば、プログラムを記憶したコンピュータ読みとり可能な記憶媒体が提供される。
【0023】
また、本発明の好ましい形態によれば、そり影響領域分析方法を用いて射出成形における属性パラメータを決定し、これに基づいて射出成形品を製造する射出成形品の製造方法が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のそり影響領域分析方法、分析装置ならびにプログラムおよび記憶媒体ならびに射出成形品の製造方法の好ましい実施形態の一例について説明する。
【0025】
図1に、本実施形態のハードウェア構成を示す。
【0026】
このそり影響領域分析装置は、補助記憶装置2、入力装置3および表示装置4が接続されたコンピュータ1で構成されており、このコンピュータ1のメモリ上には形状モデル作成手段を含む形状モデル作成手段5、そり量算出手段6、計算自動化手段7、そり量感度算出手段8、再区分領域判定手段9が記憶されている。これらの各手段は、一つのソフトとして統合して設けてもよいし、さらに細かいモジュールに分割して設けても良い。
【0027】
形状モデル作成手段5にはモデル作成手段51、モデル領域区分手段52、モデル形状変更手段53、感度表示手段54が含まれている。
【0028】
このモデル作成手段51は、射出成形品の形状を微小な要素に分割した形状モデルを作成し、そのデータを補助記憶装置2に格納する。
【0029】
また、モデル領域区分手段52は、モデル区分条件設定手段71で設定された条件に従って形状モデルを区分し、そのデータを補助記憶装置2に格納する。
モデル形状変更手段53は区分された形状モデルの各領域の形状を変更して、変更後の形状データを補助記憶装置2に格納する。
【0030】
感度表示手段54は区分された形状モデルの各領域におけるそり量に対する感度や必要に応じてそり量自体を形状モデル上に表示する。
そり量算出手段6は、形状モデル、成形条件および樹脂物性データを使用して射出成形解析によりそり量を算出する。
【0031】
計算自動化手段7にはモデル区分条件設定手段71、変更属性選択手段72、属性パラメータ設定手段73、属性パラメータ変更手段74、属性パラメータ再変更判定手段75、モデル再区分判定手段76が含まれている。
【0032】
このモデル区分条件設定手段71は、形状モデルの厚みなど属性を変更可能な区分可能領域、領域初期区分数、再区分領域を決定するための再区分条件、領域再区分数、許容される再区分回数または許容される総計算時間を設定して、そのデータを補助記憶装置2に格納する。
【0033】
この変更属性選択手段72は、変更する属性を、肉厚、リブ高さ、曲率などモデル形状に関する値や、弾性率、ポアソン比、線膨張係数、密度などそり量に対して影響のある物性値や、金型温度から少なくとも一つ選択して、そのデータを補助記憶装置2に格納する。
また、属性パラメータ設定手段73は、変更する属性パラメータを定めたり、その値を設定または変更するといった入力(オペレータによる会話的入力やCADソフトウェア等の外部ソフトウェアのデータの読込み)を受け付ける。さらに、変更する属性パラメータの変更量、変更水準数等を設定し、そのデータを補助記憶装置2に格納する。
属性パラメータ変更手段74は、属性パラメータ設定手段72で設定された変更量、変更水準数等に従って属性パラメータを変更し、そのデータを補助記憶装置2に格納する。
属性パラメータ再変更判定手段75は、属性パラメータ設定手段72で設定された全ての解析が終了したか判定する。
モデル再区分回数判定手段76は、モデル区分条件設定手段71で設定された再区分回数または許容される総計算時間に達しているか判定する。
モデル再区分選択手段77は、モデル区分条件設定手段71で設定された再区分条件を満たしている領域を選択する。
制御手段78は、CADソフトウェア、形状モデル作成ソフト等の外部プログラムを制御する。
そり量感度算出手段8は、属性パラメータの変更前後のそり量から、区分された形状モデルの各領域におけるそり量に対する感度(たとえば、各回のそり量の絶対値の差を感度とする)を算出して補助記憶装置2に格納する。
再区分必要領域判定手段9は、感度表示手段54により表示された形状モデル上の感度分布を参照して、さらに領域を細かく区分して詳細な感度情報を得る必要のある形状モデルの領域が存在するかオペレータが判定する
解析の結果は、表示装置4により表示される。必要に応じて条件を変更して再び解析を行うことができる。また、解析結果の出力は、別途用意したプリンタ装置に対して行っても良く、補助記憶装置2に格納しても良い。
【0034】
次に上記のそり影響領域分析装置におけるそり影響領域分析方法の一例について、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0035】
この図2のフローチャートは、本発明のそり影響領域分析のために解析を実行する際の手順の一例を示すものであり、実行順を規定するものではなく、実状に応じた手順で実行することができる。
【0036】
まず、ステップS100の形状モデル入力・作成工程において、射出成形品の二次元的または三次元的な形状を作成し、複数の微小な要素の集合体に分割して形状モデルを作成する。ここで、微小な要素とは、図3に示すように棒要素101、三角形要素102、四角形要素103、四面体要素104、六面体要素105などの形状を有する。また、各要素の頂点は、節点と呼ばれ、要素の形状を決定する。この形状モデル作成作業には、汎用の形状モデル作成ソフト(たとえば米国MSC社の「PATRAN」)を用いることができる。
【0037】
ステップS200のそり量算出工程において形状モデル、属性パラメータとして成形条件および樹脂物性データを入力して射出成形解析によりそり量を算出する。成形条件としては、充填時間、射出圧力、樹脂温度、金型温度、保圧力、保圧時間、冷却時間が必要である。射出成形解析ソフトウェアとしては射出成形シミュレーションソフト(例えば東レ株式会社製TIMON)を用いることができる。
【0038】
ステップS300の形状モデル区分条件設定工程において、形状モデルの厚みなど属性を変更可能な区分可能領域、領域初期区分数、再区分領域を決定するための再区分条件、領域再区分数、再区分回数や許容される総計算時間を設定する。領域初期区分数を少なくして必要な領域のみ再区分を行う方法が、解析量を低減できるため好ましい。
【0039】
ステップS400の形状モデル領域区分工程において、ステップS300の区分条件に従って、形状モデルを区分して、各領域の属性パラメータを独立して変更することを可能にする。工程自動化のために、予め(領域初期区分数)×(領域再区分数)×(再区分回数)の領域に分けておくことが好ましい。許容される総計算時間等により再区分回数の上限を定める場合には、各回の計算時間が予測できない場合もあるので、このときには十分な再区分回数の分の領域を設けておくのがよい。また、汎用の計算自動化ソフト(たとえば米国Engineous社製「iSIGHT」)で汎用の形状モデル作成ソフトを制御してこの工程を自動化することができる。
【0040】
ステップS500の属性パラメータ変更条件設定工程において、変更するパラメータを、肉厚、リブ高さ、曲率などモデル形状に関する値や、弾性率、ポアソン比、線膨張係数、密度などそり量に対して影響のある物性値や、金型温度から少なくとも一つ選択して、変更量、変更水準数等を設定する。現実のそり量低減対策としては肉厚変更、リブ付加等の形状変更を行うことが多いため、この工程では形状を変更することが望ましい。また、感度を算出するために必要な解析数を減らすために、形状または物性データを変更する領域や、変更量の組み合わせは、実験計画法の直交表(非特許文献1)に基づいて決定してもよい。汎用の計算自動化ソフトで属性パラメータ変更条件を設定することができる。
【0041】
ステップS600の属性パラメータ変更工程においてステップS400で区分された形状モデルの形状、材料物性、金型温度のいずれかをステップS500で設定した条件に従って変更する。形状変更作業には、汎用の形状モデル作成ソフトを用いることができる。この工程では複数の属性パラメータを変更して、2つ以上のそり計算用データファイルを作成してもよい。また、汎用の計算自動化ソフトで汎用の形状モデル作成ソフトを制御してこの工程を自動化することができる。
【0042】
次にステップS700のそり量再算出工程において、ステップS600で変更した形状モデル、物性データを使用して再度射出成形解析によりそり量を算出する。ステップS600で2つ以上のそり計算用データファイルを作成した場合は、それを用いて複数の解析を同時に行ってもよい。その他の条件は、ステップS200と同じにする。また、汎用の計算自動化ソフトで射出成形解析ソフトウェアを制御してこの工程を自動化することができる。
次にステップS800の属性パラメータ再変更判定工程において、ステップS500で設定した全ての解析が終了したか判定する。終了していない場合はステップS600に戻って解析を繰り返す。終了している場合は、ステップS900に進む。また、汎用の計算自動化ソフトで解析が終了したか判定することによりこの工程を自動化することができる。
【0043】
次にステップS900の感度算出工程において、形状または物性変更前後のそり量の変化から所望する領域のそり量に対する感度を算出する。感度は、例えば形状または物性変更前のそり量をd1、変更後のそり量をd2として以下の式1で求めてもよい。
感度=(d1―d2)/d1×100 式1
この式を用いる場合、感度が正の値となればそり量が減少する改善方向であることを示し、感度が負の値となればそり量が増加する悪化方向であることを示す。また、主効果(非特許文献1)から感度を算出してもよい。汎用の計算自動化ソフトで感度を求めるプログラムを制御してこの工程を自動化することができる。
【0044】
ステップS1000の感度分布表示工程において、ステップS900で算出した感度を形状モデル上にディスプレイ表示する。
【0045】
次にステップS1100の形状モデル再区分判定工程において、ステップS300で設定した再区分回数に達したか判定する。達していない場合はステップS1200に進む。達している場合は、ステップS1400に進む。また、汎用の計算自動化ソフトにより再区分回数に達しているか判定することによりこの工程を自動化することができる。
【0046】
次にステップS1200の感度分布確認工程において、オペレータは計算途中の任意のタイミングで、ステップS1000で表示された形状モデル上の感度分布を確認できる。さらに領域を細かく区分して詳細な感度情報を得る必要のある再区分必要領域が存在しないとオペレータが判定すれば、計算途中でもステップS1500へ進んで計算を終了することができる。再区分必要領域がある場合は、ステップS1300に進み計算を続ける。
【0047】
次にステップS1300の形状モデル再区分判定工程において、ステップS300で設定した再区分領域を決定するための再区分条件を満たしている領域を選択する。また、汎用の計算自動化ソフトで再区分領域を選択することによりこの工程を自動化することができる。
【0048】
ステップS1400の再区分領域判定工程において、ステップS1000で表示された形状モデル上の感度分布を参照して、さらに領域を細かく区分して詳細な感度情報を得る必要のある再区分必要領域が存在するかオペレータが判定する。再区分必要領域がある場合は、ステップS300に戻り、詳細な感度情報を得る必要のある領域を再区分して再度ステップS1400までを実行する。また、再区分必要領域がない場合は、そりへの影響が大きな領域を判定するのに十分な精細度の感度分布を得てステップS1500に進む。
ステップS1500の感度情報分析工程において、ステップS1000の感度分布からそり量改善対策を行った場合に最も効果が大きい領域を判定する。
【0049】
なお、上記の例では、各工程を自動化ソフトを使って自動化する場合を中心に説明したが、自動化ソフトウェアを使わずに、1サイクルずつオペレータが会話的に属性パラメータの変更等とそり量の解析とを繰り返すようにしてもよい。
【0050】
上述のとおり、本実施の形態のそり影響領域分析装置は、コンピュータによって構成され、そり影響領域分析方法はこのコンピュータにロードされたソフトウェアによって実現されている。かかるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM等の有形記憶媒体や有線もしくは無線のネットワーク等の電送線路を通じて流通される。
【0051】
【実施例】
上述したそり影響領域分析装置を用いて、図4に示すような射出成形で作成されたリブ付箱のそり原因領域の分析を行った。
【0052】
【表1】
Figure 2004268428
【0053】
まず図2のステップS100において形状モデル作成手段(米国MSC社製“PATRAN”)でリブ付箱の形状を作成し、複数の微小な面要素に分割することによって図4のような形状モデルを構築した。図4の右の図を裏側から見たものが図4の左の図である。
ステップS200において形状モデル、成形条件(材料射出温度:280℃、型温度:80℃、材料充填時間:1sec、保圧時間:5sec、保圧力:20MPa、冷却時間:20sec)および樹脂物性データ(30%ガラス繊維強化ナイロン樹脂)を使用して射出成形解析ソフト(東レ株式会社製TIMON)により肉厚初期条件のそり状態を解析した。解析樹脂を充填するゲート位置は図4のとおりである。解析の結果は図5のようになり、図5に示すそり量に対して感度分布を求めることとした。
【0054】
ステップS300において、計算自動化ソフト(米国Engineous社製「iSIGHT」)を使用して以下のように区分条件を設定した。
区分可能領域:リブ付箱全体
領域初期区分数:6
再区分条件:式1で定義された感度>30
領域再区分数:4
再区分回数:1
続いてステップS400において、ステップS300の区分条件に従って形状モデル作成手段で図6に示すように、形状モデルを長リブ、短リブ、長側面1、長側面2、短側面1、短側面2の6領域に区分して、それぞれの肉厚を独立に変更できるように設定した。また、肉厚初期条件として全領域の肉厚は3mmに設定した。さらに、再区分時の計算のために予め6領域をさらに(領域再区分数4)×(再区分回数1)=4つに区分しておき、それら全ての肉厚も独立に変更できるように設定しておいた。
ステップS500において、計算自動化ソフトにより、ステップS400で区分された長リブ、短リブ、長側面1、長側面2、短側面1、短側面2の肉厚をそれぞれ4mmに変更して合計6回の解析を実行する設定を行った。
【0055】
ステップS600において、計算自動化ソフトにより形状モデル作成ソフトを制御して、ステップS400で区分された形状モデルの形状または物性をステップS500で設定した条件に従って変更した。
【0056】
ステップS700において、計算自動化ソフトで射出成形解析ソフトウェアを制御して、ステップS600で肉厚を変更した形状モデルを使用して射出成形解析を行いそり量を算出した。
ステップS800において、汎用の計算自動化ソフトを用いて、ステップS500で設定した全ての解析が終了したか判定した。終了していない場合は、ステップS600に戻って解析を続けた。設定した6回の解析を自動的に行い、表1のそり量の結果を得てステップS900に進んだ。
ステップS900において、汎用の計算自動化ソフトで感度を求めるプログラムを制御して、長リブ、短リブ、長側面1、長側面2、短側面1、短側面2のそり量に対する感度を算出した。結果を表1に示す。感度は、肉厚変更前のそり量をd1、変更後のそり量をd2として以下の式で求めた。
感度=(d1―d2)/d1×100
感度が正の値となればそり量が減少する改善方向であることを示し、感度が負の値となればそり量が増加する悪化方向であることを示す。
【0057】
ステップS1000において、ステップS900で算出した感度を形状モデル上に表示した。
ステップS1100において、汎用の計算自動化ソフトを用いて、ステップS300で設定した再区分回数に達したか判定した。終了していない場合はステップS1200に進むが、今回はオペレータによる計算途中の感度分布の確認を行わず、そのままステップS1300に進み、設定した再区分回数の1回、ステップS400〜S1100を自動的に繰り返した。その後、ステップS900で表2のそり量、感度の結果、ステップS1000で図8、9の感度分布を得てS1400に進んだ。
【0058】
【表2】
Figure 2004268428
【0059】
ステップS1200において、オペレータによる計算途中の感度分布の確認を行ってもよいが、今回は自動計算が終了してからステップS1400で確認することにしたため、そのままステップS1300に進んだ。
ステップS1300において、汎用の計算自動化ソフトを用いて、ステップS300で設定した再区分条件の感度>30を満たしている長側面2を選択した。
【0060】
ステップS400に進んで予め区分しておいた図7に示すa〜dの領域について、再度ステップS1100までの工程を行った。
【0061】
ステップS1400において、感度分布図8、9から十分詳細な感度分布を得られているとオペレータが判断した。
ステップS1500の感度情報分析工程において、感度分布図8、9により図7d部分の肉厚を増加させることが、そり改善に最も効果が高いことが判別できた。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、形状モデルを区分して形状または物性を変化して射出成形解析を行い、そり量に対する感度分布を求めることにより、そりに対して影響の大きい製品領域を容易に特定することができる。また、そり量低減効果が高い領域を再区分して、再度そり量感度分布を算出することにより、詳細な感度分布を短時間で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるそり影響領域分析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のそり影響領域分析方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】形状モデルにおける要素と節点を示す図である。
【図4】リブ付箱の形状モデルを示す図である。
【図5】射出成形解析によるそり変形解析結果を示す図である。
【図6】形状モデル区分後の各領域名称を示す図である。
【図7】形状モデル再区分後の各領域名称を示す図である。
【図8】形状モデルの各領域のそり量に対する感度分布を示す図である。
【図9】形状モデル再区分領域のそり量に対する感度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ
2 補助記憶装置
3 入力装置
4 表示装置
5 形状モデル作成手段
6 そり量算出手段
7 計算自動化手段
8 そり量感度算出手段
9 再区分領域判定手段
51 モデル作成手段
52 モデル領域区分手段
53 モデル形状変更手段
54 感度表示手段
71 モデル区分条件設定手段
72 変更属性選択手段
73 属性パラメータ設定手段
74 属性パラメータ変更手段
75 属性パラメータ再変更判定手段
76 モデル再区分数判定手段
77 モデル再区分領選択定手段
78 制御手段
101 棒要素
102 三角形要素
103 四角形要素
104 四面体要素
105 六面体要素

Claims (15)

  1. コンピュータにより射出成形品のそり影響領域を分析する方法であって、
    (1)射出成形解析のための微小な要素の集合体として定義された形状モデルを入力する工程と、
    (2)該形状モデルを少なくとも2つ以上の領域に区分する工程と、
    (3)前記各領域のうち所望する領域の属性パラメータの第1および第2の値を設定する工程と
    (4)第1および第2の値を用いてそれぞれ射出成形解析を行いそれぞれそり量を算出する工程と、
    (5)属性パラメータが第1の値である場合と第2の値である場合とにおけるそり量の差異から前記所望する領域のそり量に対する感度を求める工程と、
    を有することを特徴とするそり影響領域分析方法。
  2. 前記属性パラメータの第1の値を設定し、これをもちいて射出成形解析を行ないそり量を算出した後に前記第2の値を設定し、これを用いて射出成形解析を行ないそり量を算出する請求項1に記載のそり影響領域分析方法。
  3. 請求項2に記載のコンピュータにより射出成形品のそり影響領域を分析する方法であって、
    (1)射出成形解析のための微小な要素の集合体として定義された形状モデルを入力する工程と、
    (2)該形状モデルを少なくとも2つ以上の領域に区分する工程と、
    (3)前記各領域のうち所望する領域の属性パラメータの値を設定する工程と
    (4)前記値を用いて射出成形解析を行いそれぞれそり量を算出する工程と、
    (5)前記所望する領域の前記属性パラメータを変更する工程と、
    (6)前記変更された属性パラメータに基づいて射出成形解析を行ない、そり量を算出する工程と、
    (7)前記属性パラメータの変更の前後におけるそり量の差異から前記所望する領域のそり量に対する感度を求める工程と※
    (8)更に詳細なそり量に対する感度情報を得る必要のある再区分領域を判定する工程を有し、該再区分領域が無くなるまで前記(2)〜(7)の各工程を繰り返すことを特徴とするそり影響領域分析方法。
  4. 前記そり量に対する感度を形状モデル上に表示する工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載のそり影響領域分析方法。
  5. 前記射出成形解析によりそり量を算出する工程の前に、前記属性パラメータを設定または変更する領域の組み合わせを、実験計画法に基づいて決定する工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載のそり影響領域分析方法。
  6. 前記属性パラメータ変更前後のそり量の変化から所望する領域のそり量に対する感度を求める工程において主効果から感度を算出する請求項5に記載のそり影響領域分析方法。
  7. 前記属性パラメータは、形状、材料物性および金型温度から選ばれた1つ以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のそり影響領域分析方法。
  8. 前記材料物性が少なくとも弾性率、ポアソン比、線膨張係数、密度から選ばれた1つ以上のデータを含むことを特徴とする請求項7に記載のそり影響領域分析方法。
  9. 前記射出成形解析を行いそり量を算出する工程の前に、そり量の目標値を設定する工程を有し、該目標値を達成するまで、属性パラメータを変更する工程と、再度射出成形解析を行いそり量を算出する工程とをくり返す請求項2または3に記載のそり影響領域分析方法。
  10. 前記属性パラメータを変更する工程において、数値最適化手法を用いる請求項2,3または9に記載のそり影響領域分析方法。
  11. 前記射出成形解析によりそり量を算出する工程の前に、属性パラメータの変化の許容範囲を設定する工程および属性パラメータを設定された変化の許容範囲内で変更する工程をさらに有する請求項2,3,9または10に記載のそり影響領域分析方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のそり影響領域分析方法の各ステップを実行する手段を備えた射出成形品のそり影響領域分析装置。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読みとり可能な記憶媒体。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載のそり影響領域分析方法を用いて射出成形における属性パラメータを決定し、これに基づいて射出成形品を製造する射出成形品の製造方法。
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