JP2004268401A - マイクロレンズアレイの成形型およびマイクロレンズアレイ基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができるマイクロレンズアレイの成形型およびマイクロレンズアレイ基板の製造方法を提供する。
【解決手段】壁状部分13がマイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて不連続に形成され、特に平坦部分11の一表面部が、マイクロレンズアレイ形成凹部12aのうち厚み方向一方に最も突出する点Pmax.と、厚み方向他方に最も凹む点Pmin.との間に形成される。これによって壁状部分13の切欠き箇所18から気泡および余分な樹脂を逃がす。
【選択図】 図1
【解決手段】壁状部分13がマイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて不連続に形成され、特に平坦部分11の一表面部が、マイクロレンズアレイ形成凹部12aのうち厚み方向一方に最も突出する点Pmax.と、厚み方向他方に最も凹む点Pmin.との間に形成される。これによって壁状部分13の切欠き箇所18から気泡および余分な樹脂を逃がす。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば高精細の液晶表示装置に適用されるマイクロレンズアレイであって、画素への集光素子としてのマイクロレンズアレイの成形型およびマイクロレンズアレイ基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板の一表面部にマイクロレンズアレイを製造する方法として、光硬化性樹脂を用いた製造方法が知られている。具体的には、基板とマイクロレンズアレイが形成された成形型との間に光硬化性樹脂を供給して加圧する。光硬化性樹脂を硬化させた後に成形型を剥離して、基板の一表面部にマイクロレンズアレイを形成する(たとえば特許文献1)。
【0003】
図11は、従来のマイクロレンズアレイ基板1の製造方法を段階的に示す断面図である。マイクロレンズアレイ基板1を製造する場合には、図11(a)に示すように、先ず成形型2に成形用樹脂3を供給する。次に成形側基板4を成形型2の土手部2aに載置し、成形用樹脂3を広げる。このとき成形用樹脂3の膜厚は成形型2の土手部2aの高さhによって規定される。次に成形用樹脂3に対し紫外線を照射し、前記成形用樹脂3を硬化させる。その後図11(b)に示すように、成形型2を成形側基板4から剥離する。これによって、成形側基板4に、マイクロレンズアレイ領域部分2bの反転パターンであるマイクロレンズアレイ5と土手部6とが形成される。
【0004】
次に図11(c)に示すように、マイクロレンズアレイ5を形成した成形側基板4に、貼り合わせ用樹脂7を供給する。次に貼り合わせ用基板8を土手部6に載置し、貼り合わせ用樹脂7を広げる。このとき貼り合わせ用樹脂7の膜厚は、成形側基板4の厚み方向一方に形成された土手部6の高さによって規定される。次に貼り合わせ用樹脂7に対し紫外線を照射し、前記貼り合わせ用樹脂7を硬化させることで、マイクロレンズアレイ基板1が製造される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210755号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図12は、マイクロレンズアレイの成形不良を示す断面図である。前述の従来技術では、図11(a)に示す成形用樹脂3が供給されている領域は、成形側基板4と成形型2および土手部2aとで囲まれた密閉領域となる。成形側基板4を前記土手部2aに載置した際に、前記密閉領域に気泡9を噛み込んだ場合には、この気泡9の逃げ場がなくなり、図12(a)に示すようにマイクロレンズアレイ5の成形不良を生ずることとなる。貼り合わせ側基板8を土手部6に載置する場合にも、図12(b)に示すように、貼り合わせ用樹脂7が供給される領域は、前記と同様の密閉領域となる。したがって前記密閉領域に気泡9を噛み込んだ場合には、この気泡9の逃げ場がなくなり成形不良となる。
【0007】
したがって本発明の目的は、マイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができるマイクロレンズアレイの成形型およびマイクロレンズアレイ基板の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、厚み方向一端面部に、マイクロレンズアレイの形状と対応する形状に形成されるマイクロレンズアレイ領域部分と、
前記厚み方向一端面部でかつマイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出する壁状部分と、
マイクロレンズアレイ領域部分および壁状部分を除く厚み方向一端面部に形成されかつ、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に一表面部が形成される平坦部分とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイの成形型である。
【0009】
本発明に従えば、壁状部分は、マイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出するように形成されている。特に平坦部分の一表面部は、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に形成される。したがって仮に壁状部分で囲まれる空間領域に、たとえば気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、壁状部分の切欠いた箇所から前記気泡を排除することが可能となる。
【0010】
換言すれば、平坦部分の前記一表面部が、マイクロレンズアレイ領域部分に対して相対的に高過ぎず低過ぎない高さに形成されるので、特に成形型の厚み方向一端面部によって樹脂材料を所望の形状に形成するとき、壁状部分で囲まれる空間領域に気泡が噛み込むことを防止することができる。しかも所望の形状に形成された樹脂のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、別の樹脂材料を所望の形状に形成するとき、気泡が噛み込むことを防止することも可能となる。したがってマイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができる。
【0011】
逆に言えば、平坦部分の一表面部が、最も突出する点よりも厚み方向一方に突出するように形成されていれば、仮に壁状部分で囲まれる空間領域に、気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されるとこの気泡の逃げ場所がなくなり、たとえば気泡がマイクロレンズアレイ領域部分に残留する。平坦部分の一表面部が最も凹む点よりも厚み方向他方に凹むように形成されていれば、所望の形状に形成された樹脂のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、別の樹脂材料を所望の形状に形成するとき、気泡が不所望に残留する。
【0012】
また本発明は、厚み方向一端面部に、マイクロレンズアレイの形状と対応する形状に形成されるマイクロレンズアレイ領域部分と、
前記厚み方向一端面部でかつマイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出する壁状部分と、
マイクロレンズアレイ領域部分および壁状部分を除く厚み方向一端面部に形成されかつ、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に一表面部が形成される平坦部分とを有するマイクロレンズアレイの成形型を用いて、
壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する第1工程と、
前記樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する第2工程と、
壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる第3工程とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法である。
【0013】
本発明に従えば、第1工程において、前記マイクロレンズアレイの成形型を用いて、壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する。第2工程において、樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する。これによって壁状部分の切欠いた箇所から余分な樹脂材料を排除する。次に第3工程において、壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる。
【0014】
したがって仮に第1工程で気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、第2工程で余分な樹脂材料とともに気泡を壁状部分で囲まれた空間領域外に排除することができる。その後、樹脂材料を硬化させてマイクロレンズアレイ基板を製造するので、気泡の噛み込みに起因する成形不良を防止することができる。
【0015】
また本発明は、前記第3工程の後、成形型をマイクロレンズアレイから離型する第4工程と、
成形型を離型したマイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる第5工程とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、第4工程において、成形型をマイクロレンズアレイから離型する。第5工程において、マイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる。このようにマイクロレンズアレイ基板の製造を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイの成形型10をその厚み方向一方に見た平面図である。図2は、成形型10をその厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た図1のA−A線断面図である。図3は、成形型10を、その厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た図1のB−B線断面図である。本実施形態のマイクロレンズアレイの成形型10を用いて、たとえば高精細の液晶表示装置などが製造される。以下の説明は、マイクロレンズアレイ基板の製造方法についての説明も含む。
【0018】
前記成形型10は、主に、平坦部分11と、マイクロレンズアレイ領域部分12と、壁状部分13とを有する。成形型10はその厚み方向一方に見てたとえば四角形状に形成され、この成形型10の厚み方向一端面部には、複数のマイクロレンズアレイ領域部分12が形成されている。各マイクロレンズアレイ領域部分12は、その厚み方向一方に見てたとえば長方形状に形成され、これらマイクロレンズアレイ領域部分12は、成形型10の四角形の一辺またはこの一辺に隣接する他辺に沿ってたとえば一定間隔おきに配置される。
【0019】
各マイクロレンズアレイ領域部分12は、複数のマイクロレンズ形成凹部12aを備えている。各マイクロレンズ形成凹部12aは、その厚み方向一方に所定小距離凹む部分球面形状に形成される。このような複数のマイクロレンズアレイ形成凹部12aが、各マイクロレンズアレイ領域部分12において密接にかつ一定間隔おきに形成される。
【0020】
壁状部分13は、成形型10の厚み方向一端面部に形成されている。この壁状部分13は、流動性を有する樹脂材料を壁状部分で囲まれる空間領域に供給するためのものであり、マイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように形成されるとともにマイクロレンズアレイ領域部分12に対応する四隅付近が切欠いて形成される。また前記壁状部分13は、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出するように形成される。
【0021】
前記壁状部分13は第1凹凸部14と第2凹凸部15とから成る。第1凹凸部14は、マイクロレンズアレイ領域部分12の前記長方形の長辺付近部でかつ長辺に沿って延びるように配置されている。ただし第1凹凸部14の長さは、前記長辺の長さよりもやや短くなるように形成されている。
【0022】
第2凹凸部15は、マイクロレンズアレイ領域部分12の前記長方形の短辺付近部でかつ短辺に沿って延びるように配置されている。ただし第2凹凸部15の長さは、前記短辺の長さよりもやや短くなるように形成されている。また隣接するマイクロレンズアレイ領域部分12の間には、一つの第1凹凸部14または一つの第2凹凸部15だけが配設されている。このように壁状部分13は、隣接するマイクロレンズアレイ領域部分12の間で第1凹凸部14または第2凹凸部15を兼用しているので、成形型10の形状を簡単化することができる。
【0023】
流動性を有する樹脂材料である第1および第2の光硬化性樹脂16,17(図5および図8参照)としては、たとえば紫外線硬化形のもの、これ以外に可視光線、赤外線、電子線、およびエックス線などのうちの少なくともいずれか一つで硬化する樹脂を用いることができる。この場合の樹脂材料としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、およびポリエーテルアクリレートなどのうちの少なくともいずれか一つのアクリル系モノマーまたは、エポキシ系モノマーに光開始剤を混合した混合組成物などが挙げられる。
【0024】
前述のように第1および第2凹凸部14,15の長さが、マイクロレンズアレイ領域部分12の周囲で前記長辺および短辺の長さに対してそれぞれ相対的に短くなるように形成されているので、壁状部分13のうちマイクロレンズアレイ領域部分12の四隅付近部には、切欠き箇所18が形成されることになる。前記長辺に平行な方向をX方向、前記短辺に平行な方向をY方向と定義する。
【0025】
図4は、図3の要部を拡大して示す図である。第1および第2凹凸部14,15を、成形型10の厚み方向に平行でかつ各凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面でそれぞれ切断して見た断面は、第1および第2凹凸部14,15で同一形状となっている。このように第1および第2凹凸部14,15の断面が同一形状となるように形成されているので、第2凹凸部15の断面形状についてのみ説明し、第1凹凸部14の断面形状については省略することとする。
【0026】
前記第2凹凸部15は、凸部19と凹部20とが一体に連なるように形成されている。すなわち第2凹凸部15は、矢符にて示すX方向一方に向かうに従って順次凸部19、凹部20が形成されている。凸部19は、第1傾斜部分21と頂部分22と第2傾斜部分23とを有する。このうち第1傾斜部分21は、後述する平坦部分11から図3の矢符Uにて示す厚み方向他方に向かうに従ってX方向一方に傾斜するように形成されている。頂部分22は、第1傾斜部分21の先端からX方向一方に小距離延びるように形成されている。第2傾斜部分23は、頂部分22の一側縁から厚み方向一方に向かうに従ってX方向一方に傾斜するように形成されている。
【0027】
凹部20は、前記第2傾斜部分23と底部分24と第3傾斜部分25とを有する。底部分24は、第2傾斜部分23の基端からX方向一方に小距離延びるように形成されている。第3傾斜部分25は、底部分24の一側縁から厚み方向他方に向かうに従ってX方向一方に傾斜し、平坦部分11に到達するように形成されている。なお第1および第2および第3傾斜部分21,23,25の傾斜角度であって前記厚み方向に対する傾斜角度は、たとえば約15度に設定されている。
【0028】
前記平坦部分11は、マイクロレンズアレイ領域部分12および壁状部分13を除く成形型10の厚み方向一端面部に形成されている。平坦部分11の一表面部は、マイクロレンズ形成凹部12aのうち厚み方向一方に最も突出する点Pmax.と、前記マイクロレンズアレイ形成凹部12aのうち厚み方向他方に最も凹む点Pmin.との間に形成されている。前記突出する点Pmax.を、単に、突出点Pmax.という場合がある。前記凹む点Pmin.を、凹点Pmin.という場合がある。
【0029】
換言すれば、特に図4に示すようにマイクロレンズアレイ形成凹部12aの突出点Pmax.は、平坦部分11の一表面部よりも厚み方向にやや突出するように形成されている。またマイクロレンズアレイ形成凹部12aの凹点Pmin.は、平坦部分11の一表面部よりも厚み方向にやや凹むように形成されている。このような平坦部分11は、前記切欠き箇所18にも形成されているうえ、壁状部分13とマイクロレンズアレイ領域部分12との間にも形成されている。
【0030】
図5は、成形型10と第1の光硬化性樹脂16とベース基板26とを、厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。図6は、壁状部分13の切欠き箇所18から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイを、その厚み方向一方に見た平面図である。
【0031】
図7は、成形型10を離型したマイクロレンズアレイ28を、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。図8は、マイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。図9は、壁状部分29の不連続な箇所30から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向一方に見た平面図である。図10は、本発明の実施形態のマイクロレンズアレイ基板28Aの製造方法を段階的に示すフローチャートである。
【0032】
マイクロレンズアレイ基板28Aは、以下の工程に基づいて製造する。後述するステップa1が第1工程に相当し、ステップa2が第2工程に相当する。ステップa3が第3工程に相当し、ステップa4が第4工程に相当し、ステップa5が第5工程に相当する。すなわちステップa1において、壁状部分13で囲まれる空間領域に、この空間領域容積以上の容積の第1の光硬化性樹脂16を盛り付ける。
【0033】
次にステップa2において、第1の光硬化性樹脂16を供給した成形型10に、第1の光硬化性樹脂16を供給した側からベース基板26を当接する。これによって図5に示すように、前記第1の光硬化性樹脂16を、ベース基板26と成形型10との間に隙間なく埋める。このときベース基板26の一表面部26aは、第1および第2凹凸部14,15における凸部19の頂部分22に当接する。したがって第1の光硬化性樹脂16の厚さは、前記凸部19の高さによって規定される。
【0034】
このとき成形型10の壁状部分13は、図6および図9に示すように、マイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように不連続に形成されている。しかも切欠き箇所18にある平坦部分11は、その一表面部がマイクロレンズアレイ形成凹部12aの突出点Pmax.よりもやや低い位置に形成されている。このため前記ベース基板26を押圧するとき、仮にベース基板26と成形型10との間に気泡27を噛み込んだとしても、第1の光硬化性樹脂16を最終的な空間密封容積以上の容積分供給してベース基板26と成形型10との外、つまり壁状部分13外に第1の光硬化性樹脂16がはみ出すようにすることで、前記気泡27は樹脂とともに外周側に移動する。
【0035】
このようにステップa2において、第1の光硬化性樹脂16を供給した成形型10に、第1の光硬化性樹脂16を供給した側からベース基板26を当接し、前記切欠き箇所18から壁状部分13外に余分な樹脂および前記気泡27を逃がす。したがってマイクロレンズアレイ領域部分12を含む壁状部分13内に気泡27が残存することは皆無となる。
【0036】
次にステップa3において第1の光硬化性樹脂16を硬化させ、その後ステップa4において成形型10をマイクロレンズアレイ28から離型する。これによって図7に示すように、ベース基板26の一表面部26aに、マイクロレンズアレイ形成凹部12aの反転パターンであるマイクロレンズアレイ28と、凸部31と、凹部32と、平坦部33とが形成される。
【0037】
次にステップa5において、図8に示すように、ベース基板26の一表面部26aに形成されたマイクロレンズアレイ28上に第2の光硬化性樹脂17を供給する。次に貼付基板34を、ベース基板26の凸部31に当接させるように押圧する。これによって前記第2の光硬化性樹脂17を、ベース基板26と貼付基板34との間に隙間なく埋める。前記貼付基板34の一表面部34aは、凸部31の頂部分に当接するので、第2の光硬化性樹脂17の厚さは、前記凸部31の高さによって規定される。ベース基板26の一表面部26aに形成されたマイクロレンズアレイ28、または前記ベース基板26に形成されたマイクロレンズアレイ28に第2の光硬化性樹脂17を供給したものが前駆体に相当する。
【0038】
このときベース基板26の一表面部26aに形成された凸部31と凹部32とから成る壁状部分29は、マイクロレンズアレイ28の周囲を略囲むように少なくとも一部が切欠いて不連続に形成されている。しかも不連続箇所30がある平坦部33は、成形型10に形成された平坦部分11の転写パターンであるため、前記平坦部33の高さは、マイクロレンズアレイ28のうち最も突出する点28aよりも低い位置で形成される。
【0039】
このため前記貼付基板34を押圧するとき、仮にベース基板26と貼付基板34との間に気泡27を噛み込んだとしても、第2の光硬化性樹脂17を最終的な空間密封容積よりも多めに供給して貼付基板34とベース基板26との外、つまり前記壁状部分29外に第2の光硬化性樹脂17がはみ出すようにすることで、前記気泡27は樹脂とともに前記壁状部分29外に移動する。したがってマイクロレンズアレイ28を含む壁状部分29内に気泡27が残存することは皆無となる。その後第2の光硬化性樹脂17を硬化させることで、ベース基板26と貼付基板34とを貼り合せたマイクロレンズアレイ基板28Aが製造される。
【0040】
以上説明したマイクロレンズアレイ28の成形型10によれば、壁状部分13がマイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて不連続に形成され、特に平坦部分11の一表面部が、マイクロレンズアレイ形成凹部12aのうち厚み方向一方に最も突出する点Pmax.と、厚み方向他方に最も凹む点Pmin.との間に形成される。したがって仮に壁状部分13で囲まれる空間領域に、たとえば気泡27を噛み込んだ第1の光硬化性樹脂16が盛り付けられたとしても、壁状部分13の切欠き箇所18から前記気泡27および余分な樹脂を逃がすことができる。
【0041】
換言すれば、平坦部分11の一表面部が、マイクロレンズアレイ28の形状部分すなわちマイクロレンズアレイ形成凹部12aに対して相対的に高過ぎず低過ぎない高さに形成されるので、特に成形型10の厚み方向一端面部によって第1の光硬化性樹脂16を所望の形状に形成するとき、壁状部分13内の平坦部分11および壁状部分13付近に気泡27が噛み込むことを防止することができる。
【0042】
しかも所望の形状に形成された第1の光硬化性樹脂16のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、第2の光硬化性樹脂17を所望の形状に形成するとき、壁状部分29内および壁状部分29付近に気泡27が噛み込むことを防止することができる。したがってマイクロレンズアレイ28の成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができる。
【0043】
逆に言えば、平坦部分11の一表面部が、最も突出する点Pmax.よりも厚み方向一方に突出するように形成されていれば、仮に壁状部分13内に、気泡27を噛み込んだ第1の光硬化性樹脂16が盛り付けられると、この気泡27の逃げ場所がなくなり、たとえば気泡27がマイクロレンズアレイ領域部分12に残留する。平坦部分11の一表面部が最も凹む点Pmin.よりも厚み方向他方に凹むように形成されていれば、所望の形状に形成された第1の光硬化性樹脂16のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、第2の光硬化性樹脂17を所望の形状に形成するとき、マイクロレンズアレイ28または平坦部分11に対応する平坦部33付近に気泡27が不所望に残留する。
【0044】
またマイクロレンズアレイ基板28Aの製造方法によれば、第1工程において、マイクロレンズアレイ28の成形型10を用いて、壁状部分13で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の第1の光硬化性樹脂16を供給する。第2工程において、第1の光硬化性樹脂16を供給した成形型10に、第1の光硬化性樹脂16を供給した側からベース基板26を当接する。これによって壁状部分13の切欠き箇所18から壁状部分13外に余分な第1の光硬化性樹脂16を逃がす。次に第3工程において、壁状部分13内の第1の光硬化性樹脂16を硬化させる。
【0045】
したがって仮に第1工程で気泡27を噛み込んだ第1の光硬化性樹脂16が盛り付けられたとしても、第2工程で余分な第1の光硬化性樹脂16とともに気泡27を壁状部分13で囲まれる空間領域外に逃がすことができる。その後、空間領域内の第1の光硬化性樹脂16を硬化させてマイクロレンズアレイ基板28Aを製造するので、気泡27の噛み込みに起因する成形不良を防止することができる。また第4工程において成形型10をマイクロレンズアレイ28から離型し、第5工程においてマイクロレンズアレイ28に対し、第2の光硬化性樹脂17を介して成形型10を離型した側から貼付基板34を貼り合わせる。このようにマイクロレンズアレイ基板28Aの製造を実現することができる。
【0046】
本実施の形態においては、壁状部分のうちマイクロレンズアレイ領域部分の四隅付近部に、切欠き箇所が形成されているが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。本発明の実施の他の形態として、たとえば壁状部分のうち前記四隅付近部の少なくともいずれか1つの隅付近部に切欠き箇所を形成する場合もある。
【0047】
ベース基板と成形型との間、またはベース基板と貼付基板との間には、前述の気泡に限らず種々な不純物または異物が噛み込むことが考えられるが、仮に壁状部分で囲まれる空間領域内にこれら種々な不純物または異物が噛み込んだとしても、壁状部分の切欠き箇所から余分な樹脂とともに前記不純物または異物を逃がすことが可能となる。その他前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、壁状部分は、マイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出するように形成されている。特に平坦部分の一表面部は、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に形成される。したがって仮に壁状部分で囲まれる空間領域に、たとえば気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、壁状部分の切欠いた箇所から前記気泡を排除することが可能となる。
【0049】
換言すれば、平坦部分の前記一表面部が、マイクロレンズアレイ領域部分に対して相対的に高過ぎず低過ぎない高さに形成されるので、特に成形型の厚み方向一端面部によって樹脂材料を所望の形状に形成するとき、壁状部分で囲まれる空間領域に気泡が噛み込むことを防止することができる。しかも所望の形状に形成された樹脂のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、別の樹脂材料を所望の形状に形成するとき、気泡が噛み込むことを防止することも可能となる。したがってマイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができる。
【0050】
また本発明によれば、第1工程において、前記マイクロレンズアレイの成形型を用いて、壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する。第2工程において、樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する。これによって壁状部分の切欠いた箇所から余分な樹脂材料を排除する。次に第3工程において、壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる。
【0051】
したがって仮に第1工程で気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、第2工程で余分な樹脂材料とともに気泡を壁状部分で囲まれた空間領域外に排除することができる。その後、樹脂材料を硬化させてマイクロレンズアレイ基板を製造するので、気泡の噛み込みに起因する成形不良を防止することができる。
【0052】
また本発明によれば、第4工程において、成形型をマイクロレンズアレイから離型する。第5工程において、マイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる。このようにマイクロレンズアレイ基板の製造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイの成形型10をその厚み方向一方に見た平面図である。
【図2】成形型10をその厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た図1のA−A線断面図である。
【図3】成形型10を、その厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た図1のB−B線断面図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す図である。
【図5】成形型10と第1の光硬化性樹脂16とベース基板26とを、厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。
【図6】壁状部分13の切欠き箇所18から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイを、その厚み方向一方に見た平面図である。
【図7】成形型10を離型したマイクロレンズアレイ28を、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。
【図8】マイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。
【図9】壁状部分29の不連続な箇所30から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向一方に見た平面図である。
【図10】本発明の実施形態のマイクロレンズアレイ基板28Aの製造方法を段階的に示すフローチャートである。
【図11】従来のマイクロレンズアレイ基板1の製造方法を段階的に示す断面図である。
【図12】マイクロレンズアレイの成形不良を示す断面図である。
【符号の説明】
10 成形型
11 平坦部分
12 マイクロレンズアレイ領域部分
12a マイクロレンズ形成凹部
13 壁状部分
16 第1の光硬化性樹脂
17 第2の光硬化性樹脂
18 切欠き箇所
26 ベース基板
28 マイクロレンズアレイ
28A マイクロレンズアレイ基板
34 貼付基板
Pmax. 突出点
Pmin. 凹点
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば高精細の液晶表示装置に適用されるマイクロレンズアレイであって、画素への集光素子としてのマイクロレンズアレイの成形型およびマイクロレンズアレイ基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板の一表面部にマイクロレンズアレイを製造する方法として、光硬化性樹脂を用いた製造方法が知られている。具体的には、基板とマイクロレンズアレイが形成された成形型との間に光硬化性樹脂を供給して加圧する。光硬化性樹脂を硬化させた後に成形型を剥離して、基板の一表面部にマイクロレンズアレイを形成する(たとえば特許文献1)。
【0003】
図11は、従来のマイクロレンズアレイ基板1の製造方法を段階的に示す断面図である。マイクロレンズアレイ基板1を製造する場合には、図11(a)に示すように、先ず成形型2に成形用樹脂3を供給する。次に成形側基板4を成形型2の土手部2aに載置し、成形用樹脂3を広げる。このとき成形用樹脂3の膜厚は成形型2の土手部2aの高さhによって規定される。次に成形用樹脂3に対し紫外線を照射し、前記成形用樹脂3を硬化させる。その後図11(b)に示すように、成形型2を成形側基板4から剥離する。これによって、成形側基板4に、マイクロレンズアレイ領域部分2bの反転パターンであるマイクロレンズアレイ5と土手部6とが形成される。
【0004】
次に図11(c)に示すように、マイクロレンズアレイ5を形成した成形側基板4に、貼り合わせ用樹脂7を供給する。次に貼り合わせ用基板8を土手部6に載置し、貼り合わせ用樹脂7を広げる。このとき貼り合わせ用樹脂7の膜厚は、成形側基板4の厚み方向一方に形成された土手部6の高さによって規定される。次に貼り合わせ用樹脂7に対し紫外線を照射し、前記貼り合わせ用樹脂7を硬化させることで、マイクロレンズアレイ基板1が製造される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210755号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図12は、マイクロレンズアレイの成形不良を示す断面図である。前述の従来技術では、図11(a)に示す成形用樹脂3が供給されている領域は、成形側基板4と成形型2および土手部2aとで囲まれた密閉領域となる。成形側基板4を前記土手部2aに載置した際に、前記密閉領域に気泡9を噛み込んだ場合には、この気泡9の逃げ場がなくなり、図12(a)に示すようにマイクロレンズアレイ5の成形不良を生ずることとなる。貼り合わせ側基板8を土手部6に載置する場合にも、図12(b)に示すように、貼り合わせ用樹脂7が供給される領域は、前記と同様の密閉領域となる。したがって前記密閉領域に気泡9を噛み込んだ場合には、この気泡9の逃げ場がなくなり成形不良となる。
【0007】
したがって本発明の目的は、マイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができるマイクロレンズアレイの成形型およびマイクロレンズアレイ基板の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、厚み方向一端面部に、マイクロレンズアレイの形状と対応する形状に形成されるマイクロレンズアレイ領域部分と、
前記厚み方向一端面部でかつマイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出する壁状部分と、
マイクロレンズアレイ領域部分および壁状部分を除く厚み方向一端面部に形成されかつ、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に一表面部が形成される平坦部分とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイの成形型である。
【0009】
本発明に従えば、壁状部分は、マイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出するように形成されている。特に平坦部分の一表面部は、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に形成される。したがって仮に壁状部分で囲まれる空間領域に、たとえば気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、壁状部分の切欠いた箇所から前記気泡を排除することが可能となる。
【0010】
換言すれば、平坦部分の前記一表面部が、マイクロレンズアレイ領域部分に対して相対的に高過ぎず低過ぎない高さに形成されるので、特に成形型の厚み方向一端面部によって樹脂材料を所望の形状に形成するとき、壁状部分で囲まれる空間領域に気泡が噛み込むことを防止することができる。しかも所望の形状に形成された樹脂のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、別の樹脂材料を所望の形状に形成するとき、気泡が噛み込むことを防止することも可能となる。したがってマイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができる。
【0011】
逆に言えば、平坦部分の一表面部が、最も突出する点よりも厚み方向一方に突出するように形成されていれば、仮に壁状部分で囲まれる空間領域に、気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されるとこの気泡の逃げ場所がなくなり、たとえば気泡がマイクロレンズアレイ領域部分に残留する。平坦部分の一表面部が最も凹む点よりも厚み方向他方に凹むように形成されていれば、所望の形状に形成された樹脂のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、別の樹脂材料を所望の形状に形成するとき、気泡が不所望に残留する。
【0012】
また本発明は、厚み方向一端面部に、マイクロレンズアレイの形状と対応する形状に形成されるマイクロレンズアレイ領域部分と、
前記厚み方向一端面部でかつマイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出する壁状部分と、
マイクロレンズアレイ領域部分および壁状部分を除く厚み方向一端面部に形成されかつ、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に一表面部が形成される平坦部分とを有するマイクロレンズアレイの成形型を用いて、
壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する第1工程と、
前記樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する第2工程と、
壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる第3工程とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法である。
【0013】
本発明に従えば、第1工程において、前記マイクロレンズアレイの成形型を用いて、壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する。第2工程において、樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する。これによって壁状部分の切欠いた箇所から余分な樹脂材料を排除する。次に第3工程において、壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる。
【0014】
したがって仮に第1工程で気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、第2工程で余分な樹脂材料とともに気泡を壁状部分で囲まれた空間領域外に排除することができる。その後、樹脂材料を硬化させてマイクロレンズアレイ基板を製造するので、気泡の噛み込みに起因する成形不良を防止することができる。
【0015】
また本発明は、前記第3工程の後、成形型をマイクロレンズアレイから離型する第4工程と、
成形型を離型したマイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる第5工程とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、第4工程において、成形型をマイクロレンズアレイから離型する。第5工程において、マイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる。このようにマイクロレンズアレイ基板の製造を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイの成形型10をその厚み方向一方に見た平面図である。図2は、成形型10をその厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た図1のA−A線断面図である。図3は、成形型10を、その厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た図1のB−B線断面図である。本実施形態のマイクロレンズアレイの成形型10を用いて、たとえば高精細の液晶表示装置などが製造される。以下の説明は、マイクロレンズアレイ基板の製造方法についての説明も含む。
【0018】
前記成形型10は、主に、平坦部分11と、マイクロレンズアレイ領域部分12と、壁状部分13とを有する。成形型10はその厚み方向一方に見てたとえば四角形状に形成され、この成形型10の厚み方向一端面部には、複数のマイクロレンズアレイ領域部分12が形成されている。各マイクロレンズアレイ領域部分12は、その厚み方向一方に見てたとえば長方形状に形成され、これらマイクロレンズアレイ領域部分12は、成形型10の四角形の一辺またはこの一辺に隣接する他辺に沿ってたとえば一定間隔おきに配置される。
【0019】
各マイクロレンズアレイ領域部分12は、複数のマイクロレンズ形成凹部12aを備えている。各マイクロレンズ形成凹部12aは、その厚み方向一方に所定小距離凹む部分球面形状に形成される。このような複数のマイクロレンズアレイ形成凹部12aが、各マイクロレンズアレイ領域部分12において密接にかつ一定間隔おきに形成される。
【0020】
壁状部分13は、成形型10の厚み方向一端面部に形成されている。この壁状部分13は、流動性を有する樹脂材料を壁状部分で囲まれる空間領域に供給するためのものであり、マイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように形成されるとともにマイクロレンズアレイ領域部分12に対応する四隅付近が切欠いて形成される。また前記壁状部分13は、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出するように形成される。
【0021】
前記壁状部分13は第1凹凸部14と第2凹凸部15とから成る。第1凹凸部14は、マイクロレンズアレイ領域部分12の前記長方形の長辺付近部でかつ長辺に沿って延びるように配置されている。ただし第1凹凸部14の長さは、前記長辺の長さよりもやや短くなるように形成されている。
【0022】
第2凹凸部15は、マイクロレンズアレイ領域部分12の前記長方形の短辺付近部でかつ短辺に沿って延びるように配置されている。ただし第2凹凸部15の長さは、前記短辺の長さよりもやや短くなるように形成されている。また隣接するマイクロレンズアレイ領域部分12の間には、一つの第1凹凸部14または一つの第2凹凸部15だけが配設されている。このように壁状部分13は、隣接するマイクロレンズアレイ領域部分12の間で第1凹凸部14または第2凹凸部15を兼用しているので、成形型10の形状を簡単化することができる。
【0023】
流動性を有する樹脂材料である第1および第2の光硬化性樹脂16,17(図5および図8参照)としては、たとえば紫外線硬化形のもの、これ以外に可視光線、赤外線、電子線、およびエックス線などのうちの少なくともいずれか一つで硬化する樹脂を用いることができる。この場合の樹脂材料としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、およびポリエーテルアクリレートなどのうちの少なくともいずれか一つのアクリル系モノマーまたは、エポキシ系モノマーに光開始剤を混合した混合組成物などが挙げられる。
【0024】
前述のように第1および第2凹凸部14,15の長さが、マイクロレンズアレイ領域部分12の周囲で前記長辺および短辺の長さに対してそれぞれ相対的に短くなるように形成されているので、壁状部分13のうちマイクロレンズアレイ領域部分12の四隅付近部には、切欠き箇所18が形成されることになる。前記長辺に平行な方向をX方向、前記短辺に平行な方向をY方向と定義する。
【0025】
図4は、図3の要部を拡大して示す図である。第1および第2凹凸部14,15を、成形型10の厚み方向に平行でかつ各凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面でそれぞれ切断して見た断面は、第1および第2凹凸部14,15で同一形状となっている。このように第1および第2凹凸部14,15の断面が同一形状となるように形成されているので、第2凹凸部15の断面形状についてのみ説明し、第1凹凸部14の断面形状については省略することとする。
【0026】
前記第2凹凸部15は、凸部19と凹部20とが一体に連なるように形成されている。すなわち第2凹凸部15は、矢符にて示すX方向一方に向かうに従って順次凸部19、凹部20が形成されている。凸部19は、第1傾斜部分21と頂部分22と第2傾斜部分23とを有する。このうち第1傾斜部分21は、後述する平坦部分11から図3の矢符Uにて示す厚み方向他方に向かうに従ってX方向一方に傾斜するように形成されている。頂部分22は、第1傾斜部分21の先端からX方向一方に小距離延びるように形成されている。第2傾斜部分23は、頂部分22の一側縁から厚み方向一方に向かうに従ってX方向一方に傾斜するように形成されている。
【0027】
凹部20は、前記第2傾斜部分23と底部分24と第3傾斜部分25とを有する。底部分24は、第2傾斜部分23の基端からX方向一方に小距離延びるように形成されている。第3傾斜部分25は、底部分24の一側縁から厚み方向他方に向かうに従ってX方向一方に傾斜し、平坦部分11に到達するように形成されている。なお第1および第2および第3傾斜部分21,23,25の傾斜角度であって前記厚み方向に対する傾斜角度は、たとえば約15度に設定されている。
【0028】
前記平坦部分11は、マイクロレンズアレイ領域部分12および壁状部分13を除く成形型10の厚み方向一端面部に形成されている。平坦部分11の一表面部は、マイクロレンズ形成凹部12aのうち厚み方向一方に最も突出する点Pmax.と、前記マイクロレンズアレイ形成凹部12aのうち厚み方向他方に最も凹む点Pmin.との間に形成されている。前記突出する点Pmax.を、単に、突出点Pmax.という場合がある。前記凹む点Pmin.を、凹点Pmin.という場合がある。
【0029】
換言すれば、特に図4に示すようにマイクロレンズアレイ形成凹部12aの突出点Pmax.は、平坦部分11の一表面部よりも厚み方向にやや突出するように形成されている。またマイクロレンズアレイ形成凹部12aの凹点Pmin.は、平坦部分11の一表面部よりも厚み方向にやや凹むように形成されている。このような平坦部分11は、前記切欠き箇所18にも形成されているうえ、壁状部分13とマイクロレンズアレイ領域部分12との間にも形成されている。
【0030】
図5は、成形型10と第1の光硬化性樹脂16とベース基板26とを、厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。図6は、壁状部分13の切欠き箇所18から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイを、その厚み方向一方に見た平面図である。
【0031】
図7は、成形型10を離型したマイクロレンズアレイ28を、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。図8は、マイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。図9は、壁状部分29の不連続な箇所30から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向一方に見た平面図である。図10は、本発明の実施形態のマイクロレンズアレイ基板28Aの製造方法を段階的に示すフローチャートである。
【0032】
マイクロレンズアレイ基板28Aは、以下の工程に基づいて製造する。後述するステップa1が第1工程に相当し、ステップa2が第2工程に相当する。ステップa3が第3工程に相当し、ステップa4が第4工程に相当し、ステップa5が第5工程に相当する。すなわちステップa1において、壁状部分13で囲まれる空間領域に、この空間領域容積以上の容積の第1の光硬化性樹脂16を盛り付ける。
【0033】
次にステップa2において、第1の光硬化性樹脂16を供給した成形型10に、第1の光硬化性樹脂16を供給した側からベース基板26を当接する。これによって図5に示すように、前記第1の光硬化性樹脂16を、ベース基板26と成形型10との間に隙間なく埋める。このときベース基板26の一表面部26aは、第1および第2凹凸部14,15における凸部19の頂部分22に当接する。したがって第1の光硬化性樹脂16の厚さは、前記凸部19の高さによって規定される。
【0034】
このとき成形型10の壁状部分13は、図6および図9に示すように、マイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように不連続に形成されている。しかも切欠き箇所18にある平坦部分11は、その一表面部がマイクロレンズアレイ形成凹部12aの突出点Pmax.よりもやや低い位置に形成されている。このため前記ベース基板26を押圧するとき、仮にベース基板26と成形型10との間に気泡27を噛み込んだとしても、第1の光硬化性樹脂16を最終的な空間密封容積以上の容積分供給してベース基板26と成形型10との外、つまり壁状部分13外に第1の光硬化性樹脂16がはみ出すようにすることで、前記気泡27は樹脂とともに外周側に移動する。
【0035】
このようにステップa2において、第1の光硬化性樹脂16を供給した成形型10に、第1の光硬化性樹脂16を供給した側からベース基板26を当接し、前記切欠き箇所18から壁状部分13外に余分な樹脂および前記気泡27を逃がす。したがってマイクロレンズアレイ領域部分12を含む壁状部分13内に気泡27が残存することは皆無となる。
【0036】
次にステップa3において第1の光硬化性樹脂16を硬化させ、その後ステップa4において成形型10をマイクロレンズアレイ28から離型する。これによって図7に示すように、ベース基板26の一表面部26aに、マイクロレンズアレイ形成凹部12aの反転パターンであるマイクロレンズアレイ28と、凸部31と、凹部32と、平坦部33とが形成される。
【0037】
次にステップa5において、図8に示すように、ベース基板26の一表面部26aに形成されたマイクロレンズアレイ28上に第2の光硬化性樹脂17を供給する。次に貼付基板34を、ベース基板26の凸部31に当接させるように押圧する。これによって前記第2の光硬化性樹脂17を、ベース基板26と貼付基板34との間に隙間なく埋める。前記貼付基板34の一表面部34aは、凸部31の頂部分に当接するので、第2の光硬化性樹脂17の厚さは、前記凸部31の高さによって規定される。ベース基板26の一表面部26aに形成されたマイクロレンズアレイ28、または前記ベース基板26に形成されたマイクロレンズアレイ28に第2の光硬化性樹脂17を供給したものが前駆体に相当する。
【0038】
このときベース基板26の一表面部26aに形成された凸部31と凹部32とから成る壁状部分29は、マイクロレンズアレイ28の周囲を略囲むように少なくとも一部が切欠いて不連続に形成されている。しかも不連続箇所30がある平坦部33は、成形型10に形成された平坦部分11の転写パターンであるため、前記平坦部33の高さは、マイクロレンズアレイ28のうち最も突出する点28aよりも低い位置で形成される。
【0039】
このため前記貼付基板34を押圧するとき、仮にベース基板26と貼付基板34との間に気泡27を噛み込んだとしても、第2の光硬化性樹脂17を最終的な空間密封容積よりも多めに供給して貼付基板34とベース基板26との外、つまり前記壁状部分29外に第2の光硬化性樹脂17がはみ出すようにすることで、前記気泡27は樹脂とともに前記壁状部分29外に移動する。したがってマイクロレンズアレイ28を含む壁状部分29内に気泡27が残存することは皆無となる。その後第2の光硬化性樹脂17を硬化させることで、ベース基板26と貼付基板34とを貼り合せたマイクロレンズアレイ基板28Aが製造される。
【0040】
以上説明したマイクロレンズアレイ28の成形型10によれば、壁状部分13がマイクロレンズアレイ領域部分12の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて不連続に形成され、特に平坦部分11の一表面部が、マイクロレンズアレイ形成凹部12aのうち厚み方向一方に最も突出する点Pmax.と、厚み方向他方に最も凹む点Pmin.との間に形成される。したがって仮に壁状部分13で囲まれる空間領域に、たとえば気泡27を噛み込んだ第1の光硬化性樹脂16が盛り付けられたとしても、壁状部分13の切欠き箇所18から前記気泡27および余分な樹脂を逃がすことができる。
【0041】
換言すれば、平坦部分11の一表面部が、マイクロレンズアレイ28の形状部分すなわちマイクロレンズアレイ形成凹部12aに対して相対的に高過ぎず低過ぎない高さに形成されるので、特に成形型10の厚み方向一端面部によって第1の光硬化性樹脂16を所望の形状に形成するとき、壁状部分13内の平坦部分11および壁状部分13付近に気泡27が噛み込むことを防止することができる。
【0042】
しかも所望の形状に形成された第1の光硬化性樹脂16のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、第2の光硬化性樹脂17を所望の形状に形成するとき、壁状部分29内および壁状部分29付近に気泡27が噛み込むことを防止することができる。したがってマイクロレンズアレイ28の成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができる。
【0043】
逆に言えば、平坦部分11の一表面部が、最も突出する点Pmax.よりも厚み方向一方に突出するように形成されていれば、仮に壁状部分13内に、気泡27を噛み込んだ第1の光硬化性樹脂16が盛り付けられると、この気泡27の逃げ場所がなくなり、たとえば気泡27がマイクロレンズアレイ領域部分12に残留する。平坦部分11の一表面部が最も凹む点Pmin.よりも厚み方向他方に凹むように形成されていれば、所望の形状に形成された第1の光硬化性樹脂16のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、第2の光硬化性樹脂17を所望の形状に形成するとき、マイクロレンズアレイ28または平坦部分11に対応する平坦部33付近に気泡27が不所望に残留する。
【0044】
またマイクロレンズアレイ基板28Aの製造方法によれば、第1工程において、マイクロレンズアレイ28の成形型10を用いて、壁状部分13で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の第1の光硬化性樹脂16を供給する。第2工程において、第1の光硬化性樹脂16を供給した成形型10に、第1の光硬化性樹脂16を供給した側からベース基板26を当接する。これによって壁状部分13の切欠き箇所18から壁状部分13外に余分な第1の光硬化性樹脂16を逃がす。次に第3工程において、壁状部分13内の第1の光硬化性樹脂16を硬化させる。
【0045】
したがって仮に第1工程で気泡27を噛み込んだ第1の光硬化性樹脂16が盛り付けられたとしても、第2工程で余分な第1の光硬化性樹脂16とともに気泡27を壁状部分13で囲まれる空間領域外に逃がすことができる。その後、空間領域内の第1の光硬化性樹脂16を硬化させてマイクロレンズアレイ基板28Aを製造するので、気泡27の噛み込みに起因する成形不良を防止することができる。また第4工程において成形型10をマイクロレンズアレイ28から離型し、第5工程においてマイクロレンズアレイ28に対し、第2の光硬化性樹脂17を介して成形型10を離型した側から貼付基板34を貼り合わせる。このようにマイクロレンズアレイ基板28Aの製造を実現することができる。
【0046】
本実施の形態においては、壁状部分のうちマイクロレンズアレイ領域部分の四隅付近部に、切欠き箇所が形成されているが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。本発明の実施の他の形態として、たとえば壁状部分のうち前記四隅付近部の少なくともいずれか1つの隅付近部に切欠き箇所を形成する場合もある。
【0047】
ベース基板と成形型との間、またはベース基板と貼付基板との間には、前述の気泡に限らず種々な不純物または異物が噛み込むことが考えられるが、仮に壁状部分で囲まれる空間領域内にこれら種々な不純物または異物が噛み込んだとしても、壁状部分の切欠き箇所から余分な樹脂とともに前記不純物または異物を逃がすことが可能となる。その他前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、壁状部分は、マイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出するように形成されている。特に平坦部分の一表面部は、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に形成される。したがって仮に壁状部分で囲まれる空間領域に、たとえば気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、壁状部分の切欠いた箇所から前記気泡を排除することが可能となる。
【0049】
換言すれば、平坦部分の前記一表面部が、マイクロレンズアレイ領域部分に対して相対的に高過ぎず低過ぎない高さに形成されるので、特に成形型の厚み方向一端面部によって樹脂材料を所望の形状に形成するとき、壁状部分で囲まれる空間領域に気泡が噛み込むことを防止することができる。しかも所望の形状に形成された樹脂のうち、前記厚み方向一端面部に臨む一表面部を用いて、別の樹脂材料を所望の形状に形成するとき、気泡が噛み込むことを防止することも可能となる。したがってマイクロレンズアレイの成形不良を防止し、歩留まり低下を防止することができる。
【0050】
また本発明によれば、第1工程において、前記マイクロレンズアレイの成形型を用いて、壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する。第2工程において、樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する。これによって壁状部分の切欠いた箇所から余分な樹脂材料を排除する。次に第3工程において、壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる。
【0051】
したがって仮に第1工程で気泡を噛み込んだ樹脂材料が供給されたとしても、第2工程で余分な樹脂材料とともに気泡を壁状部分で囲まれた空間領域外に排除することができる。その後、樹脂材料を硬化させてマイクロレンズアレイ基板を製造するので、気泡の噛み込みに起因する成形不良を防止することができる。
【0052】
また本発明によれば、第4工程において、成形型をマイクロレンズアレイから離型する。第5工程において、マイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる。このようにマイクロレンズアレイ基板の製造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るマイクロレンズアレイの成形型10をその厚み方向一方に見た平面図である。
【図2】成形型10をその厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た図1のA−A線断面図である。
【図3】成形型10を、その厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た図1のB−B線断面図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す図である。
【図5】成形型10と第1の光硬化性樹脂16とベース基板26とを、厚み方向に平行かつ凹凸部の長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。
【図6】壁状部分13の切欠き箇所18から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイを、その厚み方向一方に見た平面図である。
【図7】成形型10を離型したマイクロレンズアレイ28を、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。
【図8】マイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向に平行な仮想平面で切断して見た要部の断面図である。
【図9】壁状部分29の不連続な箇所30から気泡27が逃げる状態を示すマイクロレンズアレイ基板28Aを、その厚み方向一方に見た平面図である。
【図10】本発明の実施形態のマイクロレンズアレイ基板28Aの製造方法を段階的に示すフローチャートである。
【図11】従来のマイクロレンズアレイ基板1の製造方法を段階的に示す断面図である。
【図12】マイクロレンズアレイの成形不良を示す断面図である。
【符号の説明】
10 成形型
11 平坦部分
12 マイクロレンズアレイ領域部分
12a マイクロレンズ形成凹部
13 壁状部分
16 第1の光硬化性樹脂
17 第2の光硬化性樹脂
18 切欠き箇所
26 ベース基板
28 マイクロレンズアレイ
28A マイクロレンズアレイ基板
34 貼付基板
Pmax. 突出点
Pmin. 凹点
Claims (3)
- 厚み方向一端面部に、マイクロレンズアレイの形状と対応する形状に形成されるマイクロレンズアレイ領域部分と、
前記厚み方向一端面部でかつマイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出する壁状部分と、
マイクロレンズアレイ領域部分および壁状部分を除く厚み方向一端面部に形成されかつ、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に一表面部が形成される平坦部分とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイの成形型。 - 厚み方向一端面部に、マイクロレンズアレイの形状と対応する形状に形成されるマイクロレンズアレイ領域部分と、
前記厚み方向一端面部でかつマイクロレンズアレイ領域部分の周囲を略囲むように形成されるとともに少なくとも一部が切欠いて形成され、マイクロレンズアレイ領域部分よりも厚み方向一方に突出する壁状部分と、
マイクロレンズアレイ領域部分および壁状部分を除く厚み方向一端面部に形成されかつ、マイクロレンズアレイ領域部分のうち厚み方向一方に最も突出する点と、厚み方向他方に最も凹む点との間に一表面部が形成される平坦部分とを有するマイクロレンズアレイの成形型を用いて、
壁状部分で囲まれる空間領域に、この空間密封容積以上の容積の流動性を有する樹脂材料を供給する第1工程と、
前記樹脂材料を供給した成形型に、樹脂材料を供給した側から基板を当接する第2工程と、
壁状部材で囲まれた樹脂材料を硬化させる第3工程とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイ基板の製造方法。 - 前記第3工程の後、成形型をマイクロレンズアレイから離型する第4工程と、
成形型を離型したマイクロレンズアレイ基板の前駆体に対し、成形型を離型した側から基板を貼り合わせる第5工程とを有することを特徴とする請求項2に記載のマイクロレンズアレイ基板の製造方法。
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-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003061909A patent/JP2004268401A/ja active Pending
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