JP2001183640A - 高分子分散液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

高分子分散液晶表示素子の製造方法

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JP2001183640A
JP2001183640A JP36397299A JP36397299A JP2001183640A JP 2001183640 A JP2001183640 A JP 2001183640A JP 36397299 A JP36397299 A JP 36397299A JP 36397299 A JP36397299 A JP 36397299A JP 2001183640 A JP2001183640 A JP 2001183640A
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sealing material
polymer
substrates
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Kazuhito Sato
和仁 佐藤
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造の工程数を削減して能率よく高分子分散液
晶表示素子を製造することができる高分子分散液晶表示
素子の製造方法を提供する。 【解決手段】一方の基板1の内面の周縁部に、連続する
枠状に光硬化型樹脂からなるシール材3を塗布し、この
塗布後に前記一方の基板1の前記シール材3の内側の領
域に、液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液4aを
ノズル12を用いて所定量供給し、この供給後に前記一
方の基板1の上に他方の基板2を重ね合わせ、この状態
のもとで光の照射により前記シール材3を硬化させて前
記両基板1,2を接合すると共に、前記混合溶液4aの
高分子材料を重合反応させて液晶/高分子複合膜4を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高分子分散液晶
表示素子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子分散液晶表示素子は、透明電極を
設けた一対の透明基板間に、高分子中に液晶を分散させ
た液晶/高分子複合膜を設けたものであり、前記複合膜
は海綿状にポリマー化した高分子の各隙間内にそれぞれ
液晶が閉じ込められた構造となっている。
【0003】この高分子分散液晶表示素子は、両基板の
電極間に電圧を印加して表示駆動されるもので、上記高
分子中に分散している各液晶部(液晶が閉じ込められて
いる部分)の液晶分子は、電圧が印加されていない状態
では様々な方向を向いており、この状態では複合膜を透
過する光が前記液晶部と高分子との界面および液晶部の
光散乱作用によって散乱される。
【0004】また、前記電極間に液晶のしきい値電圧以
上の電圧を印加すると、前記各液晶部の液晶分子が基板
面に対してほぼ垂直になるように一様に配列し、透過光
が光散乱作用をほとんど受けずに複合膜を透過する。
【0005】すなわち、高分子分散液晶表示素子は光の
透過と散乱とを利用して画像を表示するもので、一般に
用いられているTN型の液晶表示素子に比べて画面が明
るいという長所をもっている。
【0006】このような高分子分散液晶表示素子の製造
にあたっては、まず一方の基板の内面に熱硬化型樹脂か
らなるシール材を枠状に塗布し、この一方の基板の上に
前記シール材を挟んで他方の基板を重ね合わせ、この状
態で前記シール材を熱硬化させ、このシール材により両
基板を接合して液晶セルを製作する。
【0007】次に、この液晶セルの内部、つまり両基板
とシール材で囲まれた領域内に、光によって重合反応す
る光反応性の高分子材料と液晶との混合溶液を封入し、
この後、混合溶液の封入領域全体にいずれか一方の基板
の外面側から均等に光(紫外線)を照射して前記高分子
材料を重合させる方法が用いられている。
【0008】基板間に封入した混合溶液に光を照射する
と、モノマーあるいはオリゴマーの状態にある高分子材
料の二重結合が解けてラジカル化し、隣り合う分子のラ
ジカルが互いに結合し合うラジカル重合反応によって高
分子となり、この高分子材料のポリマー化により液晶が
相分離する。ポリマー化した高分子材料は海綿状とな
り、その各隙間内にそれぞれ液晶を閉じ込めた複合膜と
なる。
【0009】液晶と高分子材料との混合溶液を液晶セル
内に封入する手段としては、一般に真空注入方式が用い
られている。この真空注入方式は、溶液皿が収容されて
いる真空チャンバー内に液晶セルを挿入し、この真空チ
ャンバー内および液晶セル内を真空に保ち、この状態で
液晶セルの一部を溶液皿内の混合溶液中に浸漬する。
【0010】次に、真空チャンバー内に窒素ガス等の不
活性ガスを送り込み、このガスによる真空チャンバー内
の圧力と液晶セル内の圧力との差圧で溶液皿内の混合溶
液を液晶セルのシール材の一部分に予め設けられている
注入口を通して液晶セル内に注入し、この注入後に真空
チャンバー内から液晶セルを取り出し、前記注入口を樹
脂で封止する方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな真空注入方式を用いる製造方法にあっては、まず両
基板をシール材で接合して液晶セルを製作し、この後、
液晶セル内に注入口を通して混合溶液を注入し、さらに
この注入後に液晶セルの注入口を樹脂で封止するという
多くの工程が必要で、製造の能率が悪い。
【0012】この発明は、このような点に着目してなさ
れたもので、その目的とするところは、製造の工程数を
削減して能率よく高分子分散液晶表示素子を製造するこ
とができる高分子分散液晶表示素子の製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、互い
に対向する一対の基板間に高分子中に液晶を分散させた
液晶/高分子複合膜を設け、その両基板を枠状のシール
材を介して接合してなる高分子分散液晶表示素子を製造
する方法であって、いずれか一方の基板の内面の周縁部
に、連続する枠状に光硬化型樹脂からなるシール材を塗
布し、この塗布後に前記一方の基板の前記シール材の内
側の領域に、液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液
をノズルを用いて所定量供給し、この供給後に前記一方
の基板の上に他方の基板を重ね合わせ、この状態のもと
で光の照射により前記シール材を硬化させて前記両基板
を接合すると共に、前記混合溶液の高分子材料を重合反
応させて液晶/高分子複合膜を形成することを特徴とし
ている。
【0014】請求項2の発明は、互いに対向する一対の
基板間に高分子中に液晶を分散させた液晶/高分子複合
膜を設け、その両基板を枠状のシール材を介して接合し
てなる高分子分散液晶表示素子を製造する方法であっ
て、いずれか一方の基板の内面の周縁部に、連続する枠
状に光硬化型樹脂からなるシール材を塗布し、他方の基
板の内面に、前記シール材の塗布領域に対応する部分に
おいて複数の柱状スペーサを突出形成し、次に、前記一
方の基板の前記シール材の内側の領域に、液晶と光反応
性の高分子材料との混合溶液をノズルを用いて所定量供
給し、この供給後に前記一方の基板の上に前記他方の基
板を重ね合わせてその他方の基板の各柱状スペーサを一
方の基板のシール材の塗布膜内に押し込んで両基板の間
隔を均一に規制し、この状態のもとで光の照射により前
記シール材を硬化させて前記両基板を接合すると共に、
前記混合溶液の高分子材料を重合反応させて液晶/高分
子複合膜を形成することを特徴としている。
【0015】請求項3の発明は、互いに対向する一対の
基板間に高分子中に液晶を分散させた液晶/高分子複合
膜を設け、その両基板を枠状のシール材を介して接合し
てなる高分子分散液晶表示素子を製造する方法であっ
て、いずれか一方の基板の内面の周縁部より内側の表示
領域の部分に横断面積の小さな複数の第1の柱状スペー
サを突出形成し、さらにこの一方の基板の内面の周縁部
に、連続する枠状に光硬化型樹脂からなるシール材を塗
布し、他方の基板の内面には、前記一方のシール材の塗
布領域に対応する部分において複数の第2の柱状スペー
サを突出形成し、さらにこの他方の基板の内面の前記シ
ール材の塗布領域の内側に対応する領域の部分において
前記第1の柱状スペーサに対応する横断面積の小さな複
数の第3の柱状スペーサを突出形成し、次に、前記一方
の基板の前記シール材の内側の領域に、液晶と光反応性
の高分子材料との混合溶液をノズルを用いて所定量供給
し、この供給後に前記一方の基板の上に前記他方の基板
を重ね合わせてその他方の基板の第2の各柱状スペーサ
を一方の基板のシール材の塗布膜内に押し込むと共に、
他方の基板の第3の各柱状スペーサを一方の基板の第1
の各柱状スペーサに突き合わせて両基板の間隔を均一に
規制し、この状態のもとで光の照射により前記シール材
を硬化させて前記両基板を接合すると共に、前記混合溶
液の高分子材料を重合反応させて液晶/高分子複合膜を
形成することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一つの形態とし
ては、液晶表示素子を構成する一対の基板のうちのいず
れか一方の基板の内面の周縁部に、連続する枠状にシー
ル材を塗布する。そしてシール材の塗布後に前記一方の
基板の前記シール材の内側の領域に、液晶と光反応性の
高分子材料との混合溶液をノズルを用いて所定量供給す
る。
【0017】次に、前記一方の基板の上に他方の基板を
重ね合わせ、この状態のもとで光の照射により前記シー
ル材を硬化させて前記両基板を接合すると共に、前記混
合溶液の高分子材料を重合反応させて液晶/高分子複合
膜を形成する。
【0018】このような製造方法によれば、シール材の
硬化と混合溶液の重合反応とを同一の一工程で一括して
行なうことができ、またシール材に従来のような注入口
を設けたりその注入口を樹脂で封止する工程を不要とす
ることができるから、工程数を削減して能率よく短時間
に高分子分散液晶表示素子を製造することができる。
【0019】また他の形態としては、いずれか一方の基
板の内面の周縁部に、連続する枠状に光硬化型樹脂から
なるシール材を塗布する。また他方の基板の内面に、前
記シール材の塗布領域に対応する部分において複数の柱
状スペーサを突出形成する。
【0020】この柱状スペーサは例えばドライフィルム
レジストをパターニングする方法で形成する。
【0021】次に、前記一方の基板の前記シール材の内
側の領域に、液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液
をノズルを用いて所定量供給する。そしてこの後、前記
一方の基板の上に前記他方の基板を重ね合わせてその他
方の基板の各柱状スペーサを一方の基板のシール材の塗
布膜内に押し込んで両基板の間隔を均一に規制し、この
状態のもとで光の照射により前記シール材を硬化させて
前記両基板を接合すると共に、前記混合溶液の高分子材
料を重合反応させて液晶/高分子複合膜を形成する。
【0022】このような製造方法においても、シール材
の硬化と混合溶液の重合反応とを同一の一工程で一括し
て行なうことができ、またシール材に従来のような注入
口を設けたりその注入口を樹脂で封止する工程を不要と
することができるから、工程数を削減して能率よく短時
間に高分子分散液晶表示素子を製造することができる。
【0023】そして特に、両基板の間隔を柱状スペーサ
により大きな間隔に保持し、液晶/高分子複合膜の膜厚
を厚くして光を良好に散乱させることが可能であり、ま
た柱状スペーサがシール材内に埋め込まれた状態になる
から液晶表示素子の駆動時に表示画面上にその柱状スペ
ーサの輪郭が表れず、良好な表示特性が得られる。
【0024】さらに他の形態としては、いずれか一方の
基板の内面の周縁部より内側の表示領域の部分に横断面
積の小さな複数の第1の柱状スペーサを突出形成する。
そしてこの一方の基板の内面の周縁部に、連続する枠状
に光硬化型樹脂からなるシール材を塗布する。
【0025】また、他方の基板の内面には、前記一方の
シール材の塗布領域に対応する部分において複数の第2
の柱状スペーサを突出形成し、さらにこの他方の基板の
内面の前記シール材の塗布領域の内側に対応する領域の
部分において前記第1の柱状スペーサに対応する横断面
積の小さな複数の第3の柱状スペーサを突出形成する。
【0026】次に、前記一方の基板の前記シール材の内
側の領域に、液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液
をノズルを用いて所定量供給する。そして混合溶液の供
給後に前記一方の基板の上に前記他方の基板を重ね合わ
せてその他方の基板の第2の各柱状スペーサを一方の基
板のシール材の塗布膜内に押し込むと共に、他方の基板
の第3の各柱状スペーサを一方の基板の第1の各柱状ス
ペーサに突き合わせて両基板の間隔を均一に規制する。
【0027】そして、この状態のもとで光の照射により
前記シール材を硬化させて前記両基板を接合すると共
に、前記混合溶液の高分子材料を重合反応させて液晶/
高分子複合膜を形成する。
【0028】このような製造方法においても、シール材
の硬化と混合溶液の重合反応とを同一の一工程で一括し
て行なうことができ、またシール材に従来のような注入
口を設けたりその注入口を樹脂で封止する工程を不要と
することができるから、工程数を削減して能率よく短時
間に高分子分散液晶表示素子を製造することができる。
【0029】そして特に、両基板の間隔を互いに突き合
わせた第1および第3の柱状スペーサおよびシール材内
に押し込んだ第2の柱状スペーサとにより大きな間隔に
保持し、液晶/高分子複合膜の膜厚を厚くして光を良好
に散乱させることが可能となる。そして前記第2の柱状
スペーサがシール材内に埋め込まれた状態にあるから液
晶表示素子の駆動時に表示画面上にこの第2の柱状スペ
ーサの輪郭が表れることがなく、また互いに突き合わさ
れて表示領域内に配置した第1および第2の柱状スペー
サはその横断面積が両基板の間隔に比較して充分に小さ
いから、これら第1および第2の柱状スペーサが表示領
域内に配置していても表示画面上にその輪郭がほとんど
表れることがなく、良好な表示特性が得られる。
【0030】
【実施例】図1にはこの発明の第1の実施例に係る高分
子分散液晶表示素子の構造を、図2にはその液晶表示素
子を製造する工程をそれぞれ示してある。
【0031】図1に示すように、高分子分散液晶表示素
子は透明な一対の基板1,2を備え、これら基板1,2
が枠状のシール材3を介して互いに接合され、かつ両基
板1,2間の前記シール材3で囲まれた領域内に液晶/
高分子複合膜4が設けられた構造となっている。
【0032】各基板1,2の内面には、図示しないがそ
れぞれ所定の透明な電極およびその電極を覆う配向膜が
形成され、また両基板1,2間にはその両基板1,2の
間隔を均一に規制するためのビーズ状をなす多数のスペ
ーサ5が設けられている。
【0033】この高分子分散液晶表示素子を製造する工
程について説明すると、まず図2(A)に示すように、
一方の基板1の内面に光硬化型樹脂からなるシール材3
をその周縁に沿って連続する枠状に例えばスクリーン印
刷により塗布する。
【0034】次に、図2(B)に示すように、基板1を
真空チャンバー10内に挿入する。そしてこの基板1を
シール材3を塗布した面を上に向けて真空チャンバー1
0内のテーブル11の上に水平に載置し、この基板1の
シール材3の内側の領域の面に均等的にスペーサ5を散
布する。
【0035】次に、真空チャンバー10内を空気の排気
により真空に保ち、この状態でもとで、ノズル12を介
して基板1のシール材3の内側の領域に、液晶と光反応
性の高分子材料との混合溶液4aを所定量滴下し、この
混合溶液4aを図2(C)に示すようにシール材3の内
側の領域の全体に一様に分布させる。
【0036】前記ノズル12としては、例えばインクジ
ェットプリンタに用いられるインク吐出用のノズルと同
様の構造のものを用いることが可能である。
【0037】この後、図2(D)に示すように、一方の
基板1の上に他方の基板2をその内面を下に向けて重ね
合わせ、シール材3に密着させる。互いに重なり合った
一対の基板1,2の間隔は前記スペーサ5により均一に
規制される。
【0038】基板1の上への混合溶液4aの供給および
基板2の重ね合わせを真空チャンバー10内の真空中に
おいて行なうことにより、その混合溶液4a中への気泡
の混入や基板1,2間への空気の混入を防止することが
できる。
【0039】次に、真空チャンバー10内を大気圧に戻
し、この後、例えば基板2の外面側からその全体に均等
に光(紫外線)を照射する。この光の照射によりシール
材3が硬化し、このシール材3により両基板1,2が接
合される。さらにこの光の照射により混合溶液4aのモ
ノマーあるいはオリゴマーの状態にある高分子材料が重
合反応によって高分子となり、この高分子材料のポリマ
ー化により液晶が相分離し、液晶/高分子複合膜4とな
り、高分子分散液晶表示素子が完成する。
【0040】このようにこの発明の製造工程において
は、ノズル12から混合溶液4aを吐出して基板1の上
の所要の領域内にその混合溶液4aを供給し、この後、
基板1の上に他方の基板2を重ね合わせ、この状態で光
を照射し、この光でシール材3を硬化させるとともに、
同時に混合溶液4aを重合反応させて液晶/高分子複合
膜4を形成するようにしたものであり、したがって従来
別工程により行なっているシール材3の硬化と混合溶液
4aの重合反応とを同一の一工程で一括して行なうこと
ができ、またシール材3に従来のように注入口を設けた
りその注入口を樹脂で封止する工程を不要とすることが
でき、このため工程数が削減され能率よく短時間に高分
子分散液晶表示素子を製造することができる。
【0041】ところで、高分子分散液晶表示素子におい
ては、光の散乱を良好にするためにその両基板の間隔を
大きくして液晶/高分子複合膜の膜厚を厚くすることが
好ましい。通常の液晶表示素子の基板間隔は5〜10μ
mであるが、高分子分散液晶表示素子の場合には基板間
隔をその10倍以上すなわち100μm程度とすること
が好ましい。
【0042】したがってこのような場合には、両基板間
に直径の大きなビーズ状のスペーサを散布して両基板の
間隔を規制することになるが、直径の大きなビーズ状の
スペーサを用いると、液晶表示素子の駆動時に表示画面
上にそのスペーサの輪郭が表れてしまうという問題が生
じる。
【0043】次に挙げるこの発明の第2および第3の実
施例は、製造の能率性と併せて上述の問題点の改善を図
った実施例である。
【0044】まず、第2の実施例について図3を参照し
て説明する。この実施例においては、図3(A)に示す
ように、基板1,2の内面にそれぞれ所定の電極および
配向膜(共に図示せず)を形成した後に、その一方の基
板1の内面に光硬化型樹脂からなるシール材3をその周
縁に沿って連続する枠状に例えばスクリーン印刷により
塗布し、また他方の基板2の内面の前記シール材3の塗
布領域に対応する部分に高さが約100μmの複数の柱
状スペーサ6を形成する。
【0045】これら柱状スペーサ6は、例えば基板2の
内面に膜厚が約100μmのドライフィルムレジストを
貼り付け、このレジストをパターニングする方法で形成
する。
【0046】次に、図3(B)に示すように、一方の基
板1を真空チャンバー10内に挿入する。そしてこの基
板1をシール材3を塗布した面を上に向けて真空チャン
バー10内のテーブル11の上に水平に載置する。
【0047】次に、真空チャンバー10内を空気の排気
により真空に保ち、この状態で、ノズル12を介して基
板1のシール材3の内側の領域に、液晶と光反応性の高
分子材料との混合溶液4aを所定量滴下し、この混合溶
液4aを図4(C)に示すようにシール材3の内側の領
域の全体に一様に分布させる。
【0048】この後、図4(D)に示すように、一方の
基板1の上に他方の基板2を柱状スペーサ6を形成した
面を下に向けて重ね合わせ、加圧して各柱状スペーサ6
をシール材3の塗布膜内に押し込み、これら柱状スペー
サ6によりその重ね合わせた両基板1,2の間隔を均一
に規制する。
【0049】次に、真空チャンバー10内を大気圧に戻
し、この後、例えば基板2の外面側からその全体に均等
に光(紫外線)を照射する。この光の照射によりシール
材3が硬化し、このシール材3により両基板1,2が接
合される。さらにこの光の照射により混合溶液4aの高
分子材料が重合反応してポリマー化し、液晶が相分離し
て液晶/高分子複合膜4となり、高分子分散液晶表示素
子が完成する。
【0050】このような第2の実施例においても、前記
第1の実施例と同様に、シール材3の硬化と混合溶液4
aの重合反応とを同一の一工程で一括して行なうことが
でき、またシール材3に従来のような注入口を設けたり
その注入口を樹脂で封止する工程を不要とすることがで
きるから、工程数を削減して能率よく短時間に高分子分
散液晶表示素子を製造することができる。
【0051】製造された液晶表示素子の両基板1,2の
間隔は各柱状スペーサ6により約100μmという大き
な間隔に保持され、したがって液晶/高分子複合膜4の
膜厚が厚く、光を良好に散乱させることができる。
【0052】そして前記柱状スペーサ6はシール材3内
に埋め込まれた状態にあり、したがって液晶表示素子の
駆動時に表示画面上にその柱状スペーサ6の輪郭が表れ
るということがなく、良好な表示特性が得られる。
【0053】なお、この実施例の場合は、シール材3の
領域にのみ柱状スペーサ6が配置する構造であるから、
比較的小型の液晶表示素子を対象とする場合に適する。
【0054】次に、第3の実施例について図4を参照し
て説明する。この実施例においては、図(A)に示すよ
うに、基板1,2の内面にそれぞれ所定の電極および配
向膜(共に図示せず)を形成した後に、その一方の基板
1の内面の表示領域つまり後述するシール材3の内側の
領域の部分に複数の第1の柱状スペーサ7aを均等的に
分布するように形成する。
【0055】これら柱状スペーサ7aは、例えば基板2
の内面に膜厚が約50μmのドライフィルムレジストを
貼り付け、このレジストをパターニングする方法で高さ
が約50μm、横幅が約50μm、縦幅が約50μmと
なる大きさに形成する。
【0056】そして柱状スペーサ7aの形成後に、さら
にこの基板1の内面に、光硬化性樹脂からなるシール材
3をその周縁に沿って連続する枠状に例えばスクリーン
印刷により塗布する。
【0057】また、他方の基板2の内面には、前記シー
ル材3の塗布領域に対応する部分に高さが約100μm
の複数の第2の柱状スペーサ7bをドライフィルムレジ
ストをパターニングする方法で形成し、さらにこれら第
2の柱状スペーサ7bを形成した領域の内側の領域に、
前記一方の基板1の表示領域内に形成した第1の各柱状
スペーサ7aと対応する位置にそれぞれ第3の柱状スペ
ーサ7cを形成する。これら第3の柱状スペーサ7cは
ドライフィルムレジストをパターニングする方法で高さ
が約50μm、横幅が約50μm、縦幅が約50μmと
なる大きさに形成する。
【0058】次に、4図(B)に示すように、一方の基
板1を真空チャンバー10内に挿入する。そしてこの基
板1をシール材3を塗布した面を上に向けて真空チャン
バー10内のテーブル11の上に水平に載置する。
【0059】次に、真空チャンバー10内を空気の排気
により真空に保ち、この状態でもとで、ノズル12を介
して基板1のシール材3の内側の領域に、液晶と光反応
性の高分子材料との混合溶液4aを所定量滴下し、この
混合溶液4aを図4(D)に示すようにシール材3の内
側の領域の全体に一様に分布させる。
【0060】この後、図1(D)に示すように、一方の
基板1の上に他方の基板2を柱状スペーサ7b,7cを
形成した面を下に向け、所定の位置に位置決めして重ね
合わせ、さらに加圧して第2の各柱状スペーサ7bをそ
れぞれシール材3内に押し込むとともに、第3の各柱状
スペーサ7cを一方の基板1に形成されている第1の各
柱状スペーサ7aの頂面に突き合わせ、これら突き合わ
せた柱状スペーサ7a,7cおよびシール材3の膜内に
押し込んだ柱状スペーサ7bとによりその重ね合わせた
両基板1,2の間隔を均一に規制する。
【0061】次に、真空チャンバー10内を大気圧に戻
し、この後、例えば基板2の外面側から全体に均等に光
(紫外線)を照射する。この光の照射によりシール材3
が硬化し、このシール材3により両基板1,2が接合さ
れる。さらにこの光の照射により混合溶液4aの高分子
材料が重合反応してポリマー化し、液晶が相分離して液
晶/高分子複合膜4となり、高分子分散液晶表示素子が
完成する。
【0062】このような第3の実施例においても、前記
第1の実施例と同様に、シール材3の硬化と混合溶液4
aの重合反応とを同一の一工程で一括して行なうことが
でき、またシール材3に従来のような注入口を設けたり
その注入口を樹脂で封止する工程を不要とすることがで
きるから、工程数を削減して能率よく短時間に高分子分
散液晶表示素子を製造することができる。
【0063】製造された液晶表示素子の両基板1,2の
間隔は互いに突き合わされた第1および第3の柱状スペ
ーサ7a,7cおよびシール材3内に押し込まれた第2
の柱状スペーサ7bとにより約100μmという大きな
間隔に保持され、したがって液晶/高分子複合膜4の膜
厚が厚く、光を良好に散乱させることができる。
【0064】そして前記第2の柱状スペーサ7bはシー
ル材3内に埋め込まれた状態にあり、したがって液晶表
示素子の駆動時に表示画面上にこの第2の柱状スペーサ
7の輪郭が表れることがなく、また互いに突き合わされ
て表示領域内に配置した第1および第2の柱状スペーサ
7a,7cはその横幅および縦幅つまり横断面積が両基
板1,2の間隔に比較して充分に小さく、このため表示
領域内に配置していても表示画面上にその輪郭がほとん
ど表れることがなく、良好な表示特性が得られる。
【0065】そして特にこの第3の実施例の場合には、
両基板1,2間にシール材3の塗布領域と併せてその内
側の表示領域にも柱状スペーサ7a,7cが一様に分布
するように設けられているから、大型の液晶表示素子の
場合であっても両基板1,2の間隔を均一に精度よく規
制することができる。
【0066】なお、前記各実施例においては、一対の基
板で一つの液晶表示素子を製造する場合の例であるが、
大型の一対の基板を用い、その各基板の面内を所定の複
数の領域に区画し、その各区画の領域ごとにそれぞれ一
つの単位の液晶表示素子用の電極や配向膜を形成すると
共に、その一方の基板の各領域ごとに光硬化型樹脂から
なるシール材を枠状に塗布し、さらに前記実施例と同様
にその各シール材の内側の領域にノズルを介して液晶と
光反応性の高分子材料との混合溶液を供給し、この供給
後に前記一方の基板の上に他方の基板を重ね合わせ、こ
の状態で光(紫外線)を照射して各領域のシール材をそ
れぞれ硬化させると共に、各領域の混合溶液をそれぞれ
重合反応させて液晶/高分子複合膜に変化させ、この
後、大型の両基板を前記領域の境で縦横に切断し、この
ような工程で一括して複数の液晶表示素子を製造する方
法を採ることも可能である。
【0067】そしてこの場合には、大型の両基板を切断
するまで複数の液晶表示素子を一つのユニットとして便
利に取り扱うことができる利点がある。
【0068】
【発明の効果】以上の述べたようにこの発明によれば、
シール材の硬化と混合溶液の重合反応とを同一の一工程
で一括して行なうことができ、またシール材に従来のよ
うな注入口を設けたりその注入口を樹脂で封止する工程
を不要とすることができるから、工程数を削減して能率
よく短時間に高分子分散液晶表示素子を製造することが
できる。
【0069】そして特に請求項2に発明においては、両
基板の間隔を柱状スペーサにより大きな間隔に保持し、
液晶/高分子複合膜の膜厚を厚くして光を良好に散乱さ
せることが可能であり、また柱状スペーサがシール材内
に埋め込まれた状態になるから液晶表示素子の駆動時に
表示画面上にその柱状スペーサの輪郭が表れず、良好な
表示特性が得られる。
【0070】さらに請求項3の発明においては、両基板
の間隔を互いに突き合わせた第1および第3の柱状スペ
ーサおよびシール材内に押し込んだ第2の柱状スペーサ
とにより大きな間隔に保持し、液晶/高分子複合膜の膜
厚を厚くして光を良好に散乱させることが可能となる。
そして前記第2の柱状スペーサがシール材内に埋め込ま
れた状態にあるから液晶表示素子の駆動時に表示画面上
にこの第2の柱状スペーサの輪郭が表れることがなく、
また互いに突き合わされて表示領域内に配置した第1お
よび第2の柱状スペーサはその横断面積が両基板の間隔
に比較して充分に小さいから、これら第1および第2の
柱状スペーサが表示領域内に配置していても表示画面上
にその輪郭がほとんど表れることがなく、良好な表示特
性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る高分子分散液晶
表示素子の構造を示す断面図。
【図2】その高分子分散液晶表示素子を製造する工程を
順に示す断面図。
【図3】この発明の第2の実施例に係る高分子分散液晶
表示素子を製造する工程を順に示す断面図。
【図4】この発明の第3の実施例に係る高分子分散液晶
表示素子を製造する工程を順に示す断面図。
【符号の説明】
1,2…基板 3…シール材 4…液晶/高分子複合膜 4a…混合溶液 5…ビーズ状スペーサ 6…柱状スペーサ 7a,7b,7c…柱状スペーサ 10…真空チャンバー 11…テーブル 12…ノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向する一対の基板間に高分子中に
    液晶を分散させた液晶/高分子複合膜を設け、その両基
    板を枠状のシール材を介して接合してなる高分子分散液
    晶表示素子を製造する方法であって、 いずれか一方の基板の内面の周縁部に、連続する枠状に
    光硬化型樹脂からなるシール材を塗布し、 この塗布後に前記一方の基板の前記シール材の内側の領
    域に、液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液をノズ
    ルを用いて所定量供給し、 この供給後に前記一方の基板の上に他方の基板を重ね合
    わせ、この状態のもとで光の照射により前記シール材を
    硬化させて前記両基板を接合すると共に、前記混合溶液
    の高分子材料を重合反応させて液晶/高分子複合膜を形
    成することを特徴とする高分子分散液晶表示素子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】互いに対向する一対の基板間に高分子中に
    液晶を分散させた液晶/高分子複合膜を設け、その両基
    板を枠状のシール材を介して接合してなる高分子分散液
    晶表示素子を製造する方法であって、 いずれか一方の基板の内面の周縁部に、連続する枠状に
    光硬化型樹脂からなるシール材を塗布し、他方の基板の
    内面に、前記シール材の塗布領域に対応する部分におい
    て複数の柱状スペーサを突出形成し、 次に、前記一方の基板の前記シール材の内側の領域に、
    液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液をノズルを用
    いて所定量供給し、 この供給後に前記一方の基板の上に前記他方の基板を重
    ね合わせてその他方の基板の各柱状スペーサを一方の基
    板のシール材の塗布膜内に押し込んで両基板の間隔を均
    一に規制し、 この状態のもとで光の照射により前記シール材を硬化さ
    せて前記両基板を接合すると共に、前記混合溶液の高分
    子材料を重合反応させて液晶/高分子複合膜を形成する
    ことを特徴とする高分子分散液晶表示素子の製造方法。
  3. 【請求項3】互いに対向する一対の基板間に高分子中に
    液晶を分散させた液晶/高分子複合膜を設け、その両基
    板を枠状のシール材を介して接合してなる高分子分散液
    晶表示素子を製造する方法であって、 いずれか一方の基板の内面の周縁部より内側の表示領域
    の部分に横断面積の小さな複数の第1の柱状スペーサを
    突出形成し、さらにこの一方の基板の内面の周縁部に、
    連続する枠状に光硬化型樹脂からなるシール材を塗布
    し、 他方の基板の内面には、前記一方のシール材の塗布領域
    に対応する部分において複数の第2の柱状スペーサを突
    出形成し、さらにこの他方の基板の内面の前記シール材
    の塗布領域の内側に対応する領域の部分において前記第
    1の柱状スペーサに対応する横断面積の小さな複数の第
    3の柱状スペーサを突出形成し、 次に、前記一方の基板の前記シール材の内側の領域に、
    液晶と光反応性の高分子材料との混合溶液をノズルを用
    いて所定量供給し、 この供給後に前記一方の基板の上に前記他方の基板を重
    ね合わせてその他方の基板の第2の各柱状スペーサを一
    方の基板のシール材の塗布膜内に押し込むと共に、他方
    の基板の第3の各柱状スペーサを一方の基板の第1の各
    柱状スペーサに突き合わせて両基板の間隔を均一に規制
    し、 この状態のもとで光の照射により前記シール材を硬化さ
    せて前記両基板を接合すると共に、前記混合溶液の高分
    子材料を重合反応させて液晶/高分子複合膜を形成する
    ことを特徴とする高分子分散液晶表示素子の製造方法。
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